JP2000095901A - 難燃性エチレン系樹脂組成物およびそれを被覆した絶縁電線 - Google Patents
難燃性エチレン系樹脂組成物およびそれを被覆した絶縁電線Info
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Abstract
耗性に優れた難燃性樹脂組成物、それから得られる被覆
電線の提供。 【解決手段】酸化クロム系フィリップス型触媒を使用し
て製造された密度0.900〜0.955g/cm3 、
メルトインデックス0.2〜5.0g/10分、数平均
分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比
(Mw/Mn)6〜20である直鎖状エチレン−α−オ
レフィン共重合体100重量部、金属水酸化物10〜1
00重量部および23℃での動粘度0.001〜15m
2 /秒のオルガノポリシロキサン0.1〜10重量部か
らなる難燃性エチレン系樹脂組成物。該組成物を導体上
に直接被覆してなる被覆電線。上記組成物を金属導体上
に300m/分以上の線速で押出・被覆することからな
る被覆電線の製造方法。
Description
脂組成物およびそれを被覆した絶縁電線に関し、より詳
しくは、酸化クロム系フィリップ型触媒により得られる
直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体と金属水酸化
物とオルガノポリシロキサンとを組み合わせて使用する
耐摩耗性および高速加工性等に優れる難燃性エチレン系
樹脂組成物および該組成物を用いて得られる被覆電線に
関するものである。本発明の被覆電線は自動車用、通信
用、電力用等の電線として幅広く利用される。
される電線の被覆材としては、塩化ビニル樹脂やエチレ
ン系樹脂にハロゲン物質を配合した樹脂組成物が多用さ
れてきた。しかし、火災発生時にハロゲン化水素を発生
して機器腐食を起こし被害を増大させたり、昨今注目さ
れている環境汚染問題で、焼却処分時にダイオキシンが
発生する等の問題があった。これらの問題を解決する手
段として、従来のエチレン系重合体に金属水酸化物を添
加するノンハロゲン材料が提案されているが、当該樹脂
組成物は難燃性を得るため多量の金属水酸化物を添加す
るため、加工性に問題があった。また、特開平1−11
5944号公報および特開平3−45638号公報に
は、ポリオレフィン、金属水酸化物およびオルガノポリ
シロキサンを使用した組成物が開示されているが、これ
らを使用しても300m/分以上の線速で電線を加工す
ることは困難であり、また、得られた被覆電線は電気特
性や耐摩耗性に劣っていた。特開昭63−162739
号公報、特開昭63−159455号公報、特開昭56
−166246号公報にもまた、オルガノポリシロキサ
ンを使用した電線が開示されているが、いずれも高速加
工性、耐摩耗性、難燃性の全てを同時に満足させるには
到っていない。
な従来のエチレン系樹脂組成物の欠点を改良した、すな
わち高速加工性および耐摩耗性に優れた難燃性樹脂組成
物および該組成物を被覆することにより得られる耐摩耗
性で、かつ難燃性の被覆電線の提供を課題とするもので
ある。
決するため、各種のエチレン系ポリマーと他の添加剤と
の組合せについて多数の実験を行ったところ、特定のエ
チレン−α−オレフィン共重合体と特定の難燃剤および
特定のオルガノポリシロキサンからなる樹脂組成物が良
好な結果を与えることを実証し、本発明を完成させた。
ップス型触媒を使用して製造された密度0.900〜
0.955g/cm3 、メルトインデックス0.2〜
5.0g/10分、数平均分子量(Mn)に対する重量
平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)6〜20である
直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量
部、金属水酸化物10〜100重量部および23℃での
動粘度0.001〜15m2/秒のオルガノポリシロキ
サン0.1〜10重量部からなる難燃性エチレン系樹脂
組成物に関する。また、本発明は、直鎖状エチレン−α
−オレフィン共重合体が、エチレンを少なくとも1種の
炭素原子数3〜10のα−オレフィンと共に流動床法で
30〜105℃の温度、7.0MPa以下の圧力および
1.5〜10Gmfの下で、50〜200μmの平均直
径を有する担持触媒の流動化された粒子と接触させるこ
とによって共重合させることにより製造され、そして前
記担持触媒が300〜900℃の温度で空気または酸素
中で活性化されていて、担体と触媒の全重量を基準とし
て0.05〜3.0重量%のクロム、1.5〜9.0重
量%のチタンおよび0〜2.5重量%のフッ素を含み、
かつ、クロムおよびチタンが活性化後は酸化物の形であ
るような触媒である上記難燃性エチレン系樹脂組成物に
関する。さらに、本発明は上記いずれかの難燃性エチレ
ン系樹脂組成物を金属導体に直接押出・被覆してなる被
覆電線に関する。本発明はまた、上記いずれかの難燃性
エチレン系樹脂組成物を金属導体上に300m/分以上
の線速で押出して該導体に直接被覆することからなる被
覆電線の製造方法に関する。
成物において使用する直鎖状エチレン−α−オレフィン
共重合体は、酸化クロム系フィリップス型触媒(イオン
重合触媒)を使用して製造される直鎖状重合体であり、
気相法、溶液法、スラリー法、高圧法等のいずれの製造
法によって製造されたものであってよいが、特に、エチ
レンを少なくとも1種の炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンと共に流動床法で30〜105℃の温度、7.0
MPa以下の圧力および1.5〜10Gmfの下で、5
0〜200μmの平均直径を有する担持触媒の流動化さ
れた粒子と接触させることによって共重合させることに
より製造され、そして前記担持触媒が300〜900℃
の温度で空気または酸素中で活性化されていて、担体と
触媒の全重量を基準として0.05〜3.0重量%のク
ロム、1.5〜9.0重量%のチタンおよび0〜2.5
重量%のフッ素を含み、かつ、クロムおよびチタンが活
性化後は酸化物の形であるような触媒であるものが好適
である。これらの担体、重合触媒成分、重合方法は、例
えば、本出願人が技術導入したアメリカ合衆国のユニオ
ンカーバイト社を出願人としする特公昭56−1813
2号公報に詳細に説明されており、この重合方法はユニ
ポール法、そして重合触媒はF−catと呼ばれ、本出
願人の川崎工業所内にて操業中のものであり、本発明に
用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は上記ユニポ
ール法の装置を用いて上記の特定条件で製造されたもの
であってもよい。なお、上記製造条件中、Gmfとは流
動床において流動化を達成するのに必要とされる最小ガ
ス流量に対する略語であり、シー.ワイ.ウエンおよび
ワイ.エイチ.ユ両氏の論文「流動化機構」,Chemical
Engineering Progress Symposium Series, vol. 62, p
p. 100-111, 1966に詳細に説明されている。上記直鎖状
エチレン−α−オレフィン共重合体に使用するα−オレ
フィンは、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オク
テン−1等であり、特にブテン−1、ヘキセン−1が好
ましく、ヘキセン−1が最も好ましい。
−オレフィン共重合体の重合に使用する触媒組成物にお
いて触媒として使用し得る無機酸化物は、高い比表面
積、すなわち約50〜1000m2 /gの比表面積およ
び50〜200μmの粒度を有する多孔質物質であり、
シリカ、アルミナ、トリア、ジルコニアおよびこれに類
似の他の無機酸化物、そしてこれら酸化物の混合物を包
含する。本発明において使用する直鎖状エチレン−α−
オレフィン共重合体は上記したように、密度が0.90
0〜0.955g/cm3 、好ましくは0.910〜
0.945g/cm3 、さらに好ましくは0.920〜
0.935g/cm3 、メルトインデックス(MI)が
0.2〜5.0g/10分、好ましくは0.5〜2.0
g/10分、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分
子量(Mw)の比(Mw/Mn)が6〜20のものであ
る。密度が0.900g/cm3 未満では、成形品にお
いて良好な耐摩耗性が得られず、0.955g/cm3
より大きい場合には高速加工が困難である。また、MI
が0.2g/10分未満であると、高速加工性が得られ
ず、5.0g/10分を越えると耐摩耗性、耐熱性等が
低下する。さらに、Mw/Mn(一般的にはQ値と呼ば
れるので、以下Q値と呼称することもある)は分子量分
布の尺度となり、その値が大きい程分子量分布が広いポ
リマーであることを示す。このQ値が6未満であると、
樹脂組成物を高速で押出被覆する際、表面が平滑でなく
なり望ましくなく、20を越えると耐摩耗性、耐熱性、
機械的強度が悪化し、望ましくない。
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム等であり、平均粒径が0.1〜1
5μm、特に0.5〜3μmのものが好ましく、また、
BET法による比表面積が1〜20m2 /g、特に1〜
10m2 /gのものが好ましい。これらの金属水酸化物
はまた、予めオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナト
リウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、チタネート系
カップリング剤、シリコーン系カップリング剤等で表面
処理されていてもよく、この場合、分散性および流動性
が向上し、望ましい。本発明において使用される金属酸
化物の配合量は10〜100重量部であり、10重量部
未満では十分な難燃性が得られず、100重量部を越え
ると加工性が低下し、好ましくない。
キサンは分子構造が直鎖状、分岐鎖状、環状、網状、立
体網状等のいずれのものであってよいが、直鎖状のもの
が好適である。直鎖状のオルガノポリシロキサンは例え
ば次式: (式中、Rは代表的には水素原子、アルキル基、アリー
ル基を表し、具体的には水素原子、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、第三ブチル基、フェニル基等であり、R
の全てが同一であっても、一部のRが別の基であっても
よく、また、Rの一部がビニル基、水酸基、アルコキシ
基であってもよく、そしてnは動粘度等により規定され
る任意の数を表す)で表される。上記オルガノポリシロ
キサンの23℃での動粘度は0.001〜15m2 /秒
である。0.001m2 /秒未満であると、エチレン−
α−オレフィン共重合体との混練が困難であり、また被
覆電線の表面からオルガノポリシロキサンが滲み出す恐
れがあり、15m2 /秒を越えると高速加工性が悪くな
り望ましくない。該動粘度は0.06〜10m2 /秒の
範囲が好ましい。本発明において使用されるオルガノポ
リシロキサンの配合量は0.1〜10重量部、好ましく
は2〜10重量部であり、0.1重量部未満では十分な
難燃性が得られず、10重量部を越えると高速加工性お
よび成形品の機械的特性等が低下し好ましくない。
本発明の目的を損なわない範囲で、その使用目的に応じ
て各種添加剤や補助資材を配合することができる。これ
らの各種添加剤や補助資材としては安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、加工
性改良剤、充填剤、分散剤、カップリング剤、銅害防止
剤、中和剤、発泡剤、核形成剤、気泡防止剤、着色剤、
顔料、染料、カーボンブラック、水トリー防止剤、脂肪
酸金属塩、有機過酸化物、架橋促進剤等を挙げることが
できる。また、本発明の難燃性エチレン系樹脂組成物に
は、その使用目的に応じて、本発明に使用するエチレン
−α−オレフィン共重合体以外のエチレン系樹脂や他の
ポリオレフィン系樹脂またはこれらの酸変性物等を、本
発明の目的を損なわない範囲で少量配合することもでき
る。これらの樹脂およびその酸変性物の例としては、高
圧法ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ
ブテンおよびこれらの酸変性物が挙げられる。
添加剤同士の混合または上記樹脂と添加剤との混合は、
それらのペレット、パウダー、グラニュラー等の固体状
態で、または液体状態で、V型ブレンダー、タンブラー
式ブレンダー、リボンブレンダー、回転翼または固定翼
付きブレンダー、ヘンシェルミキサー等によって行い、
いわゆるドライブレンド物またはソーキング物とする。
別の混合方法としては、樹脂同士または樹脂と添加剤を
そのまま、または上記のドライブレンド物またはソーキ
ング物として、バンバリーミキサー、ブスコニーダー、
ミキシングロール、インテンシブミキサー、単軸押出
機、二軸押出機、多軸押出機、スタティックミキサー等
に投入し、加熱溶融混練する方法等がある。加熱溶融混
練物はそのまま、またはペレットもしくはパウダーとし
て、成形機に供給し成形物とすることができる。上記各
成分の混合順序は任意でよく、酸化防止剤、架橋剤、帯
電防止剤等の微量添加成分は予め本発明で使用する直鎖
状エチレン−α−オレフィン共重合体または通常の高圧
法ポリエチレン樹脂との高濃度マスターバッチを製造
し、これを他の成分にドライブレンドまたは加熱溶融混
練により配合してもよい。
エチレン系樹脂組成物を金属導体上に300m/分以上
の線速で押出して該導体に直接被覆することにより製造
され得る。被覆後電子線などで樹脂成分を架橋してもよ
い。電線は単線で使用する他、撚り合わせたり、テープ
等で束ねて使用してもよい。また、上記本発明の被覆電
線の製造方法は、特に制限されないが、通常押出機が使
用される。導体には単線、撚り線のいずれも包含され
る。押出機本体としては一般に単軸スクリュー型押出機
が用いられている。この押出機による電線の被覆加工の
方法の一例を以下に示す:まず、樹脂被覆を施すべき導
体を押出機のクロスヘッドに導入する。一方、被覆用樹
脂はホッパからシリンダ内に供給され、スクリューによ
って前に押し運ばれながらシリンダ周囲から加えられる
熱によって溶融し、クロスヘッドに送られる。クロスヘ
ッドの先端には所定の肉厚に被覆を施すための金型とし
てダイ(雌型)およびニップル(雄型)が設けられてお
り、これらニップル、ダイの間に押出されて導体に樹脂
が被覆される。
が、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。 実施例1 本実施例における樹脂組成物は、特公昭56−1813
2号公報に開示の製造方法(ユニポール法)により酸化
クロム系フィリップス型触媒を用いて製造された密度
0.920g/cm3 、MI0.7g/10分およびQ
値13であるエチレン−ヘキセン共重合体(樹脂B)1
00重量部、水酸化マグネシウム100重量部、23℃
での動粘度5m2 /秒のジメチルポリシロキサン4重量
部、酸化防止剤0.3重量部をバンバリーミキサーで混
練し、その後ペレット状に成形したものを用いた。ま
た、該ペレットを使用してφ50mm、L/D=25の
押出機で直径1.05mmの銅線上に0.3〜0.5m
m厚に被覆したケーブルを試料として各種特性を評価し
た。組成物の組成および評価結果を表1にまとめて示
す。なお、各種物性の評価は次のとおり実施した。
25の押出機を使用して、加工速度を500m/分と
し、仕上がり被覆ケーブルの表面状態を観察した。表面
荒れがなく平滑な状態を合格(表中の評価「〇」)と
し、表面荒れのあるを表中では「×」とした。 (2)難燃性:JASO D611のケーブル燃焼試験
に準じた。約300mmの試料を水平に支持し、還元炎
の先端を試料の中央部の下側から30秒以内で燃焼する
まで当て、炎を静かに取り去った後、炎が消えるまでの
時間を難燃性の尺度とし、15秒以下である組成物を合
格とした。 (3)耐摩耗性:JASO D611のケーブル耐摩耗
試験ブレード往復法に準じた。台上に固定した試料表面
をブレードで往復して摩耗させる。ブレードを毎分50
ないし60回の速さで回転させたとき、絶縁体の摩耗に
より、ブレードが導体に接触するまでの往復回数を測定
する。この往復回数を耐摩耗性の尺度とし、300回以
上のものを合格とした。 (4)耐熱性:JIS C3406の耐熱試験に準じ
た。JIS C3406の規格に合格するものを
「〇」、合格しないものを「×」で示した。 (5)耐油性:JIS C3406の耐油試験に準じ
た。下の表には耐油性を有すると認められるものを
「〇」、認められないものを「×」で示した。 (6)体積固有抵抗:ASTM D991−89に準じ
た。
を500m/分の線速で導線上に直接被覆加工したケー
ブルは表面状態が良好であり、難燃性、耐摩耗性、電気
特性等が優れたものであった。
2号公報に開示の製造方法(ユニポール法)により酸化
クロム系フィリップス型触媒を用いて製造された密度
0.935g/cm3 、MI0.7g/10分およびQ
値11であるエチレン−ヘキセン共重合体(樹脂C)1
00重量部、水酸化マグネシウム20重量部、23℃で
の動粘度5m2 /秒のジメチルポリシロキサン2重量
部、酸化防止剤0.2重量部をバンバリーミキサーで混
練し、その後ペレット状に成形したものを用いた。上記
樹脂組成物を使用する以外は実施例1と同様の操作を繰
り返し、ケーブルを作成し、各物性を測定した。その結
果、得られたケーブルは表面状態が良好であり、難燃
性、耐摩耗性、電気特性等が優れたものであった。
プス型触媒を用いて製造された密度0.955g/cm
3 、MI1.0g/10分およびQ値7であるエチレン
−ヘキセン共重合体(樹脂D)100重量部、水酸化マ
グネシウム55重量部、23℃での動粘度0.2m2 /
秒のジメチルポリシロキサン4重量部、酸化防止剤0.
3重量部をバンバリーミキサーで混練し、その後ペレッ
ト状に成形したものを用いた。上記樹脂組成物を使用す
る以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、ケーブルを
作成し、各物性を測定した。その結果、得られたケーブ
ルは表面状態が良好であり、難燃性、耐摩耗性、電気特
性等が優れたものであった。
プス型触媒を用いて製造された密度0.920g/cm
3 、MI0.7g/10分およびQ値17であるエチレ
ン−ヘキセン共重合体(樹脂B’)100重量部、水酸
化マグネシウム20重量部、23℃での動粘度0.08
m2 /秒のジメチルポリシロキサン2重量部、酸化防止
剤0.3重量部をバンバリーミキサーで混練し、その後
ペレット状に成形したものを用いた。上記樹脂組成物を
使用する以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、ケー
ブルを作成し、各物性を測定した。その結果、得られた
ケーブルは表面状態が良好であり、難燃性、耐摩耗性、
電気特性等が優れたものであった。
プス型触媒を用いて製造された密度0.920g/cm
3 、MI0.7g/10分およびQ値14であるエチレ
ン−ヘキセン共重合体(樹脂B”)100重量部、水酸
化マグネシウム20重量部、23℃での動粘度10m2
/秒のジメチルポリシロキサン10重量部、酸化防止剤
0.2重量部をバンバリーミキサーで混練し、その後ペ
レット状に成形したものを用いた。上記樹脂組成物を使
用する以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、ケーブ
ルを作成し、各物性を測定した。その結果、得られたケ
ーブルは表面状態が良好であり、難燃性、耐摩耗性、電
気特性等が優れたものであった。
の操作を繰り返し、ケーブルを作成し、各物性を測定し
た。結果もまた表2にまとめて示す。
下のとおり結論づけることができる。 比較例1:本発明の範囲外である密度0.890g/c
m3 の樹脂を使用したもので、十分な耐摩耗性が得られ
なかった。 比較例2:本発明の範囲外である密度0.960g/c
m3 の樹脂を使用したもので、高速加工性に劣るもので
あった。 比較例3:本発明の範囲外であるMI6.0g/10分
の樹脂を使用したもので、十分な耐摩耗性が得られなか
った。 比較例4:本発明の範囲外であるMI0.10g/10
分の樹脂を使用したもので、目的とする高速加工性が得
られなかった。 比較例5:オルガノポリシロキサンを添加しなかったも
ので、十分な難燃性が得られなかった。 比較例6:金属水酸化物の添加量を本発明の範囲外の5
重量部としたもので、目的とする難燃性が得られなかっ
た。 比較例7:金属水酸化物およびオルガノポリシロキサン
の添加量をそれぞれ本発明の範囲外の55重量部および
15重量部としたもので、高速加工性に劣るものであっ
た。 比較例8:金属水酸化物の添加量を本発明の範囲外の1
10重量部としたもので、目的とする高速加工性が得ら
れなかった。 比較例9:Q値が5の樹脂を使用したもので、高速加工
性に劣るものであった。 比較例10:Q値が22の樹脂を使用したもので、被覆
電線の耐摩耗性、耐熱性、機械的強度が不十分であっ
た。 比較例11:樹脂としてチーグラーナッタ触媒を用いて
重合された密度0.920g/cm3 、MI1.0g/
10分、Q値4.5のエチレン−ヘキセン共重合体を使
用したもので、高速加工性に劣るものであった。 比較例12:高圧法により重合されたエチレン重合体を
使用したもので、耐熱性が不十分であった。 比較例13:エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した
もので、耐熱性および耐油性が不十分であった。 比較例14:動粘度(23℃)が0.0005m2 /秒
のポリシロキサンを使用したもので、樹脂組成物の配合
が十分に行われず、被覆電線の耐摩耗性、難燃性が不十
分であり、さらに電線表面にポリシロキサンが滲み出
し、汚れやすかった。 比較例15:動粘度(23℃)が20m2 /秒のポリシ
ロキサンを使用したもので、高速加工性に劣るものであ
った。
燃性エチレン系樹脂組成物は、特定の触媒を用いて製造
される特定の物性範囲のエチレン−α−オレフィン共重
合体を使用することにより、多量の金属水酸化物を含有
するにもかかわらず、高い線速、例えば300m/分以
上の線速でケーブルを加工することが可能となった。ま
た、本発明の上記樹脂組成物に配合される上記エチレン
−α−オレフィン共重合体は、高圧法等による同様の共
重合体に比べ低分子量分が少なく、成形品の耐摩耗性等
も良好である。さらに、金属水酸化物およびオルガノポ
リシロキサンを特定の比率で配合することにより、優れ
た高速加工性を保持しながら、十分な難燃性等の物性を
も付与するものである。このため、上記本発明の難燃性
エチレン系樹脂組成物を被覆してなる絶縁電線は、従来
の絶縁電線が有する難燃性および電気特性を保持し、か
つ十分な耐摩耗性を有し、しかも燃焼時に公害性のガス
等を発生することなく焼却可能なものである。従って、
本発明は、自動車用、通信用、電力用等の電線として幅
広く利用され得る被覆電線を高速加工することを可能に
し、しかも得られる被覆電線は耐摩耗性、難燃性の他、
耐熱性や耐油性に優れるばかりでなく、その被覆材は焼
却により悪影響を及ぼすガス等を発生せず、環境保護へ
の寄与も大きい。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸化クロム系フィリップス型触媒を使用
して製造された密度0.900〜0.955g/c
m3 、メルトインデックス0.2〜5.0g/10分、
数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)
の比(Mw/Mn)6〜20である直鎖状エチレン−α
−オレフィン共重合体100重量部、金属水酸化物10
〜100重量部および23℃での動粘度0.001〜1
5m2 /秒のオルガノポリシロキサン0.1〜10重量
部からなる難燃性エチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合
体が、エチレンを少なくとも1種の炭素原子数3〜10
のα−オレフィンと共に流動床法で30〜105℃の温
度、7.0MPa以下の圧力および1.5〜10Gmf
の下で、50〜200μmの平均直径を有する担持触媒
の流動化された粒子と接触させることによって共重合さ
せることにより製造され、そして前記担持触媒が300
〜900℃の温度で空気または酸素中で活性化されてい
て、担体と触媒の全重量を基準として0.05〜3.0
重量%のクロム、1.5〜9.0重量%のチタンおよび
0〜2.5重量%のフッ素を含み、かつ、クロムおよび
チタンが活性化後は酸化物の形であるような触媒である
請求項1記載の難燃性エチレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の難燃性エチレン
系樹脂組成物を金属導体に直接被覆してなる被覆電線。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の難燃性エチレン
系樹脂組成物を金属導体上に300m/分以上の線速で
押出して該導体に直接被覆することからなる被覆電線の
製造方法。
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