JP2000076717A - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JP2000076717A JP2000076717A JP10245637A JP24563798A JP2000076717A JP 2000076717 A JP2000076717 A JP 2000076717A JP 10245637 A JP10245637 A JP 10245637A JP 24563798 A JP24563798 A JP 24563798A JP 2000076717 A JP2000076717 A JP 2000076717A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録層の磁区長の長短に拘わらず、記録層の
磁区を確実に再生層へ転写でき、磁区拡大による信号再
生特性が良い光磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 光磁気記録媒体10は、ポリカーボネー
ト、ガラス等から成る透光性基板1と、SiNから成る
下地層2と、GdFeCoから成る再生層3と、SiN
から成る非磁性層4と、18〜23at.%のGdを含
むGdFeCoから成る第2のゲート層5と、22〜3
0at.%のGdを含むGdFeCoから成る第1のゲ
ート層6と、TbFeCoから成る記録層7と、SiN
から成る保護層8とを備える。
磁区を確実に再生層へ転写でき、磁区拡大による信号再
生特性が良い光磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 光磁気記録媒体10は、ポリカーボネー
ト、ガラス等から成る透光性基板1と、SiNから成る
下地層2と、GdFeCoから成る再生層3と、SiN
から成る非磁性層4と、18〜23at.%のGdを含
むGdFeCoから成る第2のゲート層5と、22〜3
0at.%のGdを含むGdFeCoから成る第1のゲ
ート層6と、TbFeCoから成る記録層7と、SiN
から成る保護層8とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号を垂直磁区に
より記録し、レーザ光もしくはレーザ光と磁界とを用い
て信号を再生する光磁気記録媒体に関するものである。
より記録し、レーザ光もしくはレーザ光と磁界とを用い
て信号を再生する光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体は、書き換え可能で、記
憶容量が大きく、且つ、信頼性の高い記録媒体として注
目されており、コンピュータメモリ等として実用化され
始めている。また、最近では、記録容量が6.0Gby
tesの光磁気記録媒体の規格化も進められ、実用化さ
れようとしている。かかる高密度な光磁気記録媒体から
の信号の再生は、レーザ光を照射することにより、光磁
気記録媒体の記録層の磁区を再生層へ転写すると共に、
その転写した磁区だけを検出できるように再生層に検出
窓を形成し、その形成した検出窓から転写した磁区を検
出するMSR(Magnetically Super
resolution)法により行われている。
憶容量が大きく、且つ、信頼性の高い記録媒体として注
目されており、コンピュータメモリ等として実用化され
始めている。また、最近では、記録容量が6.0Gby
tesの光磁気記録媒体の規格化も進められ、実用化さ
れようとしている。かかる高密度な光磁気記録媒体から
の信号の再生は、レーザ光を照射することにより、光磁
気記録媒体の記録層の磁区を再生層へ転写すると共に、
その転写した磁区だけを検出できるように再生層に検出
窓を形成し、その形成した検出窓から転写した磁区を検
出するMSR(Magnetically Super
resolution)法により行われている。
【0003】また、光磁気記録媒体からの信号再生にお
いて交番磁界を印加し、レーザ光と交番磁界とにより記
録層の磁区を再生層へ拡大転写して信号を再生する磁区
拡大再生技術も開発されており、この技術を用いること
により14Gbytesの信号を記録および/または再
生することができる光磁気記録媒体も提案されている。
いて交番磁界を印加し、レーザ光と交番磁界とにより記
録層の磁区を再生層へ拡大転写して信号を再生する磁区
拡大再生技術も開発されており、この技術を用いること
により14Gbytesの信号を記録および/または再
生することができる光磁気記録媒体も提案されている。
【0004】図17を参照して、かかる磁区拡大により
信号再生を行う光磁気記録媒体50の断面構造は、ポリ
カーボネート等から成る透光性基板1と、SiNから成
る下地層51と、GdFeCoから成る再生層52と、
SiNから成る非磁性層53と、TbFeCoから成る
記録層54と、SiNから成る保護層55とを備える。
光磁気記録媒体50からの磁区拡大による信号再生にお
いては、透光性基板1側からレーザ光が照射され、保護
層55側から磁区の拡大、および消去用の外部磁界が印
加され、記録層54の磁区が非磁性層53を介して静磁
結合により再生層52へ拡大転写される。そして、再生
層52へ拡大転写された磁区は、透光性基板51側から
照射されたレーザ光により検出され、記録層54の信号
が再生される。
信号再生を行う光磁気記録媒体50の断面構造は、ポリ
カーボネート等から成る透光性基板1と、SiNから成
る下地層51と、GdFeCoから成る再生層52と、
SiNから成る非磁性層53と、TbFeCoから成る
記録層54と、SiNから成る保護層55とを備える。
光磁気記録媒体50からの磁区拡大による信号再生にお
いては、透光性基板1側からレーザ光が照射され、保護
層55側から磁区の拡大、および消去用の外部磁界が印
加され、記録層54の磁区が非磁性層53を介して静磁
結合により再生層52へ拡大転写される。そして、再生
層52へ拡大転写された磁区は、透光性基板51側から
照射されたレーザ光により検出され、記録層54の信号
が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構造の
光磁気記録媒体50においては、記録層54の磁区は非
磁性層53を介して静磁結合により再生層52へ転写さ
れるため、記録層54の磁区長に依存した漏洩磁界分
布、強度の違いによって、磁区長の異なる信号について
は最適な再生条件がそれぞれ異なるという問題がある。
光磁気記録媒体50においては、記録層54の磁区は非
磁性層53を介して静磁結合により再生層52へ転写さ
れるため、記録層54の磁区長に依存した漏洩磁界分
布、強度の違いによって、磁区長の異なる信号について
は最適な再生条件がそれぞれ異なるという問題がある。
【0006】即ち、図18を参照して、磁区長が短い磁
区18においては、その磁区内での漏洩磁界の分布は磁
区の中央部に磁区19と同じ向きの最大磁界190が存
在し、磁区の両端に磁化19と反対方向の磁界191、
191が存在する。その結果、全体として磁区の両端か
ら中心に向かうに従って磁界強度が大きくなる漏洩磁界
分布となる。一方、磁区長が長い磁区180において
は、その磁区内での漏洩磁界の分布は、磁区180の両
端に磁化181と同じ方向の磁界1810が存在し、磁
区180の両端の外側に磁化181と反対方向の磁界1
811が存在し、磁区180の中央部での磁界強度は弱
い分布となる。静磁結合による磁区転写は、漏洩磁界に
起因して起こるため、磁区長の短い磁区18を非磁性層
53を介して再生層52へ転写する場合には、磁区18
の中央部での漏洩磁界が強いため、確実に再生層52へ
転写されるが、磁区長が長い磁区180の場合には、磁
区180の中央部での漏洩磁界は弱いため、確実に再生
層52へ転写されない場合もある。
区18においては、その磁区内での漏洩磁界の分布は磁
区の中央部に磁区19と同じ向きの最大磁界190が存
在し、磁区の両端に磁化19と反対方向の磁界191、
191が存在する。その結果、全体として磁区の両端か
ら中心に向かうに従って磁界強度が大きくなる漏洩磁界
分布となる。一方、磁区長が長い磁区180において
は、その磁区内での漏洩磁界の分布は、磁区180の両
端に磁化181と同じ方向の磁界1810が存在し、磁
区180の両端の外側に磁化181と反対方向の磁界1
811が存在し、磁区180の中央部での磁界強度は弱
い分布となる。静磁結合による磁区転写は、漏洩磁界に
起因して起こるため、磁区長の短い磁区18を非磁性層
53を介して再生層52へ転写する場合には、磁区18
の中央部での漏洩磁界が強いため、確実に再生層52へ
転写されるが、磁区長が長い磁区180の場合には、磁
区180の中央部での漏洩磁界は弱いため、確実に再生
層52へ転写されない場合もある。
【0007】そこで、本願発明は、かかる問題を解決
し、記録層の磁区長の長短に拘わらず、記録層の磁区を
確実に再生層へ転写でき、磁区拡大による信号再生特性
が良い光磁気記録媒体を提供するこよを目的とする。
し、記録層の磁区長の長短に拘わらず、記録層の磁区を
確実に再生層へ転写でき、磁区拡大による信号再生特性
が良い光磁気記録媒体を提供するこよを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1に係る発明は、レーザ光の入射方向から順に、再生
層、ゲート層、および記録層を含む光磁気記録媒体にお
いて、ゲート層は、記録層から交換結合により磁区を転
写され、再生層は、ゲート層から交換結合により転写さ
れた転写磁区を、ゲート層から交換結合力を受けること
なく外部磁界により磁区拡大可能な構造から成る光磁気
記録媒体である。
1に係る発明は、レーザ光の入射方向から順に、再生
層、ゲート層、および記録層を含む光磁気記録媒体にお
いて、ゲート層は、記録層から交換結合により磁区を転
写され、再生層は、ゲート層から交換結合により転写さ
れた転写磁区を、ゲート層から交換結合力を受けること
なく外部磁界により磁区拡大可能な構造から成る光磁気
記録媒体である。
【0009】請求項1に記載された発明によれば、記録
層の磁区はゲート層を介して交換結合により再生層へ転
写され、その再生層へ転写された転写磁区は、ゲート層
から交換結合力を受けることなく外部磁界により拡大で
きるので、記録層の磁区長の長短に拘わらず、確実に再
生層へ磁区を転写、および拡大を行うことができる。ま
た、請求項2に係る発明は、請求項1に記載された光磁
気記録媒体において、再生層は、レーザ光の入射方向か
ら順に第1の磁性層、非磁性層、および第2の磁性層を
含む光磁気記録媒体である。
層の磁区はゲート層を介して交換結合により再生層へ転
写され、その再生層へ転写された転写磁区は、ゲート層
から交換結合力を受けることなく外部磁界により拡大で
きるので、記録層の磁区長の長短に拘わらず、確実に再
生層へ磁区を転写、および拡大を行うことができる。ま
た、請求項2に係る発明は、請求項1に記載された光磁
気記録媒体において、再生層は、レーザ光の入射方向か
ら順に第1の磁性層、非磁性層、および第2の磁性層を
含む光磁気記録媒体である。
【0010】請求項2に記載された発明によれば、再生
層は、レーザ光の入射方向から順にに第1の磁性層、非
磁性層、および第2の磁性層を含むので、ゲート層から
交換結合により第2の磁性層へ転写された磁区は、非磁
性層を介して静磁結合により第1の磁性層へ転写され、
拡大されるため、磁性層に非磁性層を挿入することによ
り、転写磁区の磁気的影響を受けることなく磁区を拡大
できる光磁気記録媒体を容易に作製できる。
層は、レーザ光の入射方向から順にに第1の磁性層、非
磁性層、および第2の磁性層を含むので、ゲート層から
交換結合により第2の磁性層へ転写された磁区は、非磁
性層を介して静磁結合により第1の磁性層へ転写され、
拡大されるため、磁性層に非磁性層を挿入することによ
り、転写磁区の磁気的影響を受けることなく磁区を拡大
できる光磁気記録媒体を容易に作製できる。
【0011】また、請求項3に係る発明は、請求項2に
記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、室温
で面内磁化膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜となる
磁性膜である光磁気記録媒体である。請求項3に記載さ
れた発明によれば、ゲート層は、室温で面内磁化膜であ
り、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜であるた
め、ゲート層は、再生しようとする記録層の磁区以外の
磁区の磁気的影響を受けることなく、ゲート層に転写さ
れた磁区を再生層の第2の磁性層へ転写できる。
記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、室温
で面内磁化膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜となる
磁性膜である光磁気記録媒体である。請求項3に記載さ
れた発明によれば、ゲート層は、室温で面内磁化膜であ
り、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜であるた
め、ゲート層は、再生しようとする記録層の磁区以外の
磁区の磁気的影響を受けることなく、ゲート層に転写さ
れた磁区を再生層の第2の磁性層へ転写できる。
【0012】また、請求項4に係る発明は、レーザ光の
入射方向から順に、再生層、非磁性層、ゲート層、およ
び記録層を含む光磁気記録媒体において、ゲート層は、
記録層から交換結合により転写された転写磁区の所定の
温度における飽和磁化を増加させる構造から成る光磁気
記録媒体である。請求項4に記載された発明によれば、
ゲート層は記録層から交換結合により転写された磁区の
飽和磁化を所定の温度において増加させるため、ゲート
層から非磁性層を介した再生層への静磁結合による転写
が起こり易くなる。
入射方向から順に、再生層、非磁性層、ゲート層、およ
び記録層を含む光磁気記録媒体において、ゲート層は、
記録層から交換結合により転写された転写磁区の所定の
温度における飽和磁化を増加させる構造から成る光磁気
記録媒体である。請求項4に記載された発明によれば、
ゲート層は記録層から交換結合により転写された磁区の
飽和磁化を所定の温度において増加させるため、ゲート
層から非磁性層を介した再生層への静磁結合による転写
が起こり易くなる。
【0013】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、非磁
性層側から記録層側に向けて、希土類金属の含有量が多
くなる組成を有する光磁気記録媒体である。請求項5に
記載された発明によれば、ゲート層における希土類金属
の含有量のレーザ光の進行方向の分布を変化させること
により、記録層から転写された磁区の飽和磁化を増加さ
せることができる光磁気記録媒体を、容易に作製でき
る。
記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、非磁
性層側から記録層側に向けて、希土類金属の含有量が多
くなる組成を有する光磁気記録媒体である。請求項5に
記載された発明によれば、ゲート層における希土類金属
の含有量のレーザ光の進行方向の分布を変化させること
により、記録層から転写された磁区の飽和磁化を増加さ
せることができる光磁気記録媒体を、容易に作製でき
る。
【0014】また、請求項6に係る発明は、請求項4記
載の光磁気記録媒体において、ゲート層は、レーザ光の
入射方向から順に第1の磁性層、および第2の磁性層を
含み、第1の磁性層の所定の温度における飽和磁化は、
第2の磁性層の飽和磁化より大きい光磁気記録媒体であ
る。
載の光磁気記録媒体において、ゲート層は、レーザ光の
入射方向から順に第1の磁性層、および第2の磁性層を
含み、第1の磁性層の所定の温度における飽和磁化は、
第2の磁性層の飽和磁化より大きい光磁気記録媒体であ
る。
【0015】請求項6に記載された発明によれば、飽和
磁化の異なる2つの磁性層によりゲート層を構成し、飽
和磁化の大きい磁性膜を非磁性層側に配置するだけで、
記録層から転写された磁区の飽和磁化を増加させること
ができる光磁気記録媒体を、容易に作製できる。また、
請求項7に係る発明は、請求項6に記載された光磁気記
録媒体において、第1の磁性層は、室温で垂直磁化膜で
あり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp<5
0℃である光磁気記録媒体である。
磁化の異なる2つの磁性層によりゲート層を構成し、飽
和磁化の大きい磁性膜を非磁性層側に配置するだけで、
記録層から転写された磁区の飽和磁化を増加させること
ができる光磁気記録媒体を、容易に作製できる。また、
請求項7に係る発明は、請求項6に記載された光磁気記
録媒体において、第1の磁性層は、室温で垂直磁化膜で
あり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp<5
0℃である光磁気記録媒体である。
【0016】請求項7に記載された発明によれば、ゲー
ト層を構成する第1の磁性層から再生層に磁区が転写さ
れ、再生層へ転写された磁区が拡大されて検出された後
に、温度が下がると第1の磁性層の磁化は初期化方向に
磁化反転し易い。また、請求項8に係る発明は、請求項
6または請求項7に記載された光磁気記録媒体におい
て、第2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、所定温
度以上で垂直磁化膜となる磁性膜である光磁気記録媒体
である。
ト層を構成する第1の磁性層から再生層に磁区が転写さ
れ、再生層へ転写された磁区が拡大されて検出された後
に、温度が下がると第1の磁性層の磁化は初期化方向に
磁化反転し易い。また、請求項8に係る発明は、請求項
6または請求項7に記載された光磁気記録媒体におい
て、第2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、所定温
度以上で垂直磁化膜となる磁性膜である光磁気記録媒体
である。
【0017】請求項8に記載された発明によれば、ゲー
ト層を構成する2つの磁性膜のうち、記録層側に配置さ
れた第2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、所定温
度以上で垂直磁化膜となる磁性膜であるので、再生しよ
うとする記録層の磁区以外の磁区の磁気的影響を受ける
ことなく、その転写された磁区の飽和磁化を大きくする
ことができる。
ト層を構成する2つの磁性膜のうち、記録層側に配置さ
れた第2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、所定温
度以上で垂直磁化膜となる磁性膜であるので、再生しよ
うとする記録層の磁区以外の磁区の磁気的影響を受ける
ことなく、その転写された磁区の飽和磁化を大きくする
ことができる。
【0018】また、請求項9に係る発明は、第1の磁性
層と、第2の磁性層と、第3の磁性層と、非磁性層と、
第4の磁性層とを備える光磁気記録媒体である。第1の
磁性層には、信号が記録される。また、第2の磁性層
は、第1の磁性層から選択性良く磁区を抽出する。ま
た、第3の磁性層は、第2の磁性層より所定の温度で大
きい飽和磁化を有する。
層と、第2の磁性層と、第3の磁性層と、非磁性層と、
第4の磁性層とを備える光磁気記録媒体である。第1の
磁性層には、信号が記録される。また、第2の磁性層
は、第1の磁性層から選択性良く磁区を抽出する。ま
た、第3の磁性層は、第2の磁性層より所定の温度で大
きい飽和磁化を有する。
【0019】また、非磁性層は、第3の磁性層に接して
設けられる。また、第4の磁性層は、非磁性層に接して
設けられる。請求項9に記載された発明によれば、第2
の磁性層は第1の磁性層から選択性良く磁区を抽出する
ため、第1の磁性層の磁区長の長短に拘わらず第1の磁
性層の磁区は第2の磁性層へ転写され、第3の磁性層は
第2の磁性層より大きい飽和磁化を有するため、第2の
磁性層へ転写された磁区は、第3の磁性層へ転写される
ことにより、その飽和磁化が増大して静磁結合により第
4の磁性層へ転写され易くなる。
設けられる。また、第4の磁性層は、非磁性層に接して
設けられる。請求項9に記載された発明によれば、第2
の磁性層は第1の磁性層から選択性良く磁区を抽出する
ため、第1の磁性層の磁区長の長短に拘わらず第1の磁
性層の磁区は第2の磁性層へ転写され、第3の磁性層は
第2の磁性層より大きい飽和磁化を有するため、第2の
磁性層へ転写された磁区は、第3の磁性層へ転写される
ことにより、その飽和磁化が増大して静磁結合により第
4の磁性層へ転写され易くなる。
【0020】また、第3の磁性層と第4の磁性層との間
には非磁性層が存在するため、第4の磁性層へ転写され
た磁区は、第3の磁性層から磁気的影響を受けることな
く、外部から印加される外部磁界により、その磁区を十
分に拡大され得る。また、請求項10に係る発明は、請
求項9に記載された光磁気記録媒体において、第2の磁
性層は、室温で面内磁化膜であり、第1の温度以上で垂
直磁化膜となり、第1の温度は、第3の磁性層の飽和磁
化が最大となる第2の温度以下である光磁気記録媒体で
ある。
には非磁性層が存在するため、第4の磁性層へ転写され
た磁区は、第3の磁性層から磁気的影響を受けることな
く、外部から印加される外部磁界により、その磁区を十
分に拡大され得る。また、請求項10に係る発明は、請
求項9に記載された光磁気記録媒体において、第2の磁
性層は、室温で面内磁化膜であり、第1の温度以上で垂
直磁化膜となり、第1の温度は、第3の磁性層の飽和磁
化が最大となる第2の温度以下である光磁気記録媒体で
ある。
【0021】請求項10に記載された発明によれば、第
2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、第1の温度以
上で面内磁化膜となり、この第1の温度は、第3の磁性
層の漏洩磁界が最大となる第2の温度より低いので、第
1の温度に達すると第1の磁性層から第2の磁性層への
交換結合による磁区の転写が起こり、媒体の温度が上昇
して第2の温度に達すると第3の磁性層から第4の磁性
層への静磁結合による磁区の転写が起こる。
2の磁性層は、室温で面内磁化膜であり、第1の温度以
上で面内磁化膜となり、この第1の温度は、第3の磁性
層の漏洩磁界が最大となる第2の温度より低いので、第
1の温度に達すると第1の磁性層から第2の磁性層への
交換結合による磁区の転写が起こり、媒体の温度が上昇
して第2の温度に達すると第3の磁性層から第4の磁性
層への静磁結合による磁区の転写が起こる。
【0022】その結果、第1の磁性層の磁区は、段階的
に第4の磁性層へ転写でき、転写プロセスの制御性が向
上し、再生特性も良好となる。また、請求項11に係る
発明は、請求項10に記載された光磁気記録媒体におい
て、第2の磁性層は、Gdを22〜30at.%含むG
dFeCoから成る光磁気記録媒体である。
に第4の磁性層へ転写でき、転写プロセスの制御性が向
上し、再生特性も良好となる。また、請求項11に係る
発明は、請求項10に記載された光磁気記録媒体におい
て、第2の磁性層は、Gdを22〜30at.%含むG
dFeCoから成る光磁気記録媒体である。
【0023】請求項11に記載された発明によれば、第
2の磁性層はGdを22〜30at.%含むGdFeC
oから成るので、第2の磁性層のうち、所定温度以上に
上昇する領域、即ち、面内磁化膜から垂直磁化膜に変化
し得る領域が第1の磁性層の最小磁区より小さいので、
第1の磁性層からの磁区選択性が向上する。また、請求
項12に係る発明は、請求項11に記載された光磁気記
録媒体において、第3の磁性層は、室温で垂直磁化膜で
あり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp<5
0℃である光磁気記録媒体である。
2の磁性層はGdを22〜30at.%含むGdFeC
oから成るので、第2の磁性層のうち、所定温度以上に
上昇する領域、即ち、面内磁化膜から垂直磁化膜に変化
し得る領域が第1の磁性層の最小磁区より小さいので、
第1の磁性層からの磁区選択性が向上する。また、請求
項12に係る発明は、請求項11に記載された光磁気記
録媒体において、第3の磁性層は、室温で垂直磁化膜で
あり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp<5
0℃である光磁気記録媒体である。
【0024】請求項12に記載された発明によれば、第
3の磁性層から第4の磁性層に磁区が転写され、第4の
磁性層へ転写された磁区が拡大されて検出された後に、
温度が下がると第3の磁性層の磁化は初期化方向に磁化
反転し易い。また、請求項13に係る発明は、レーザ光
と磁界とにより信号を記録および/または磁区拡大再生
する光磁気記録媒体において、信号を記録する記録層
と、信号の再生時に記録層の磁区が転写される再生層と
の間に、少なくとも、記録層の磁区をその長さに拘わら
ず確実に再生層に転写させるゲート層を有する光磁気記
録媒体である。
3の磁性層から第4の磁性層に磁区が転写され、第4の
磁性層へ転写された磁区が拡大されて検出された後に、
温度が下がると第3の磁性層の磁化は初期化方向に磁化
反転し易い。また、請求項13に係る発明は、レーザ光
と磁界とにより信号を記録および/または磁区拡大再生
する光磁気記録媒体において、信号を記録する記録層
と、信号の再生時に記録層の磁区が転写される再生層と
の間に、少なくとも、記録層の磁区をその長さに拘わら
ず確実に再生層に転写させるゲート層を有する光磁気記
録媒体である。
【0025】請求項13に記載された発明によれば、ゲ
ート層により、記録層の磁区を、その長さに拘わらず、
確実に再生層へ転写させることができるので、再生特性
の良い光磁気記録媒体を提供できる。また、請求項14
に係る発明は、請求項13に記載された光磁気記録媒体
において、ゲート層と再生層との間に、更に、非磁性層
を含む光磁気記録媒体である。
ート層により、記録層の磁区を、その長さに拘わらず、
確実に再生層へ転写させることができるので、再生特性
の良い光磁気記録媒体を提供できる。また、請求項14
に係る発明は、請求項13に記載された光磁気記録媒体
において、ゲート層と再生層との間に、更に、非磁性層
を含む光磁気記録媒体である。
【0026】請求項14に記載された発明によれば、ゲ
ート層と再生層との間には非磁性層が存在するので、ゲ
ート層から再生層への転写は、静磁結合により行われ、
再生層とゲート層との間には非磁性層が存在するため、
再生層に転写された磁区は、ゲート層の磁気的影響を受
けることなく、外部磁界により転写された磁区を十分に
拡大することができる。
ート層と再生層との間には非磁性層が存在するので、ゲ
ート層から再生層への転写は、静磁結合により行われ、
再生層とゲート層との間には非磁性層が存在するため、
再生層に転写された磁区は、ゲート層の磁気的影響を受
けることなく、外部磁界により転写された磁区を十分に
拡大することができる。
【0027】また、請求項15に係る発明は、請求項1
4に記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、
室温で面内磁化膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜と
なる磁性膜を含む光磁気記録媒体である。請求項15に
記載された発明によれば、ゲート層は、室温で面内磁化
膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜を含
むので、再生しようとする記録層の磁区以外の磁区の磁
気的影響を受けることなく、ゲート層に転写された磁区
を再生に転写できる。
4に記載された光磁気記録媒体において、ゲート層は、
室温で面内磁化膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜と
なる磁性膜を含む光磁気記録媒体である。請求項15に
記載された発明によれば、ゲート層は、室温で面内磁化
膜であり、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜を含
むので、再生しようとする記録層の磁区以外の磁区の磁
気的影響を受けることなく、ゲート層に転写された磁区
を再生に転写できる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
つつ説明する。図1を参照して本発明に係る光磁気記録
媒体10は、ポリカーボネート、ガラス等から成る透光
性基板1と、SiNから成る下地層2と、GdFeCo
から成る再生層3と、SiNから成る非磁性層4と、1
8〜23at.%のGdを含むGdFeCoから成る第
2のゲート層5と、22〜30at.%のGdを含むG
dFeCoから成る第1のゲート層6と、TbFeCo
から成る記録層7と、SiNから成る保護層8とを備え
る。
つつ説明する。図1を参照して本発明に係る光磁気記録
媒体10は、ポリカーボネート、ガラス等から成る透光
性基板1と、SiNから成る下地層2と、GdFeCo
から成る再生層3と、SiNから成る非磁性層4と、1
8〜23at.%のGdを含むGdFeCoから成る第
2のゲート層5と、22〜30at.%のGdを含むG
dFeCoから成る第1のゲート層6と、TbFeCo
から成る記録層7と、SiNから成る保護層8とを備え
る。
【0029】また、各層の膜厚は、下地層2が500〜
800Åの範囲であり、再生層3が200〜400Åの
範囲であり、非磁性層4が200〜300Åの範囲であ
り、第2のゲート層5が600〜1000Åの範囲であ
り、第1のゲート層6が800〜2000Åの範囲であ
り、記録層7が500〜2000Åの範囲であり、保護
層8が500〜800Åの範囲である。
800Åの範囲であり、再生層3が200〜400Åの
範囲であり、非磁性層4が200〜300Åの範囲であ
り、第2のゲート層5が600〜1000Åの範囲であ
り、第1のゲート層6が800〜2000Åの範囲であ
り、記録層7が500〜2000Åの範囲であり、保護
層8が500〜800Åの範囲である。
【0030】光磁気記録媒体10の信号再生は、記録層
7の磁区が、第1のゲート層6、第2のゲート層5、お
よび非磁性層4を介して再生層3へ転写され、その転写
された磁区が外部磁界により拡大され、その拡大された
磁区を透光性基板1側から照射されたレーザ光により検
出することにより行われる。このような再生プロセスに
おいて、記録層7の磁区を、その磁区長の長短に拘わら
ずに再生層3へ確実に転写するためには、(1)記録層
7の磁区を交換結合により第1のゲート層6へ選択性良
く転写することが必要である。
7の磁区が、第1のゲート層6、第2のゲート層5、お
よび非磁性層4を介して再生層3へ転写され、その転写
された磁区が外部磁界により拡大され、その拡大された
磁区を透光性基板1側から照射されたレーザ光により検
出することにより行われる。このような再生プロセスに
おいて、記録層7の磁区を、その磁区長の長短に拘わら
ずに再生層3へ確実に転写するためには、(1)記録層
7の磁区を交換結合により第1のゲート層6へ選択性良
く転写することが必要である。
【0031】また、再生層3へ転写された磁区を、外部
磁界により容易に拡大するためには、(2)再生層3に
他の磁性層からの交換結合力が及ばないようにする必要
があり、そのため、ゲート層6、5から再生層3への磁
区の転写は、静磁結合により行う必要がある。
磁界により容易に拡大するためには、(2)再生層3に
他の磁性層からの交換結合力が及ばないようにする必要
があり、そのため、ゲート層6、5から再生層3への磁
区の転写は、静磁結合により行う必要がある。
【0032】更に、ゲート層6、5から再生層3への磁
区の転写を静磁結合により行うためには、(3)ゲート
層6、5から再生層3への漏洩磁界を大きくする必要が
ある。そこで、本願発明においては、上記(1)の条件
を満たすために記録層7に接して第1のゲート層6を設
ける構成を採用し、また、上記(2)の条件を満たすた
めに再生層3と第2のゲート層5との間に非磁性層4を
設ける構成を採用し、更に、上記(3)の条件を満たす
ためにゲート層を第1のゲート層6と第2のゲート層5
とに分離し、後述するように第2の磁性層5に飽和磁化
の大きい磁性材料を用いることを特徴とする。
区の転写を静磁結合により行うためには、(3)ゲート
層6、5から再生層3への漏洩磁界を大きくする必要が
ある。そこで、本願発明においては、上記(1)の条件
を満たすために記録層7に接して第1のゲート層6を設
ける構成を採用し、また、上記(2)の条件を満たすた
めに再生層3と第2のゲート層5との間に非磁性層4を
設ける構成を採用し、更に、上記(3)の条件を満たす
ためにゲート層を第1のゲート層6と第2のゲート層5
とに分離し、後述するように第2の磁性層5に飽和磁化
の大きい磁性材料を用いることを特徴とする。
【0033】図2、3、4、5、6を参照して、光磁気
記録媒体10における信号再生プロセスを詳細に説明す
る。光磁気記録媒体10にレーザ光、磁区拡大のための
外部磁界が照射、または印加される前は、第1のゲート
層6は面内磁化膜であり、第2のゲート層5および再生
層3は、初期化磁界により一定方向に磁化されている
(図2の(a)参照)。
記録媒体10における信号再生プロセスを詳細に説明す
る。光磁気記録媒体10にレーザ光、磁区拡大のための
外部磁界が照射、または印加される前は、第1のゲート
層6は面内磁化膜であり、第2のゲート層5および再生
層3は、初期化磁界により一定方向に磁化されている
(図2の(a)参照)。
【0034】次に、再生層3側からレーザ光LBが照射
されると記録層7のうち、再生しようとする磁区70の
領域が100℃以上に昇温される。第1のゲート層6
は、図4に示すように室温で面内磁化膜であり、100
℃以上では垂直磁化膜となってカー回転角が大きくなる
磁気特性を有するため、磁区70に接する第1のゲート
層6の領域には、磁区70の副格子磁化71と同じ方向
の副格子磁化61を有する磁区60が現れる。即ち、交
換結合により記録層7の磁区70が第1のゲート層6へ
転写される。第1のゲート層6に転写された磁区60
は、交換結合により第2のゲート層5へ転写され、第2
のゲート層5には副格子磁化61と同じ方向の副格子磁
化51を有する磁区50が現れる(図2の(b)参
照)。
されると記録層7のうち、再生しようとする磁区70の
領域が100℃以上に昇温される。第1のゲート層6
は、図4に示すように室温で面内磁化膜であり、100
℃以上では垂直磁化膜となってカー回転角が大きくなる
磁気特性を有するため、磁区70に接する第1のゲート
層6の領域には、磁区70の副格子磁化71と同じ方向
の副格子磁化61を有する磁区60が現れる。即ち、交
換結合により記録層7の磁区70が第1のゲート層6へ
転写される。第1のゲート層6に転写された磁区60
は、交換結合により第2のゲート層5へ転写され、第2
のゲート層5には副格子磁化61と同じ方向の副格子磁
化51を有する磁区50が現れる(図2の(b)参
照)。
【0035】ここで、第1のゲート6と第2のゲート5
とを設けるのは、本願発明の基本思想として、ゲート層
は、記録層7から再生しようとする磁区を選択性良く抽
出し、その抽出した磁区を再生層3へ静磁結合により確
実に転写させる機能を果たすものであり、記録層7から
再生しようとする磁区を選択性良く抽出するには、比較
的低温である100℃前後で記録層7の磁区が転写され
やすい第1のゲート層6を用いることが必要である。か
かる磁性特性を有する第1のゲート層6は、図3の曲線
k1で示す保磁力の温度依存性を示し、曲線k2で示す
飽和磁化の温度依存性を示す。また、第2のゲート層5
は、曲線k3で示す保磁力の温度依存性を示し、曲線k
4で示す飽和磁化の温度依存性を示す。従って、記録層
7の磁区70が転写されて第1のゲート層6に形成され
た磁区60の120℃前後における飽和磁化は弱く、漏
洩磁界も弱くなる。その結果、第1のゲート層6のみで
は、記録層7から交換結合により転写された磁区60を
静磁結合により再生層3に確実に転写することが困難と
なる。そこで、第1のゲート層6より120℃前後にお
ける飽和磁化が強い第2のゲート層5(図3の曲線k4
を参照)を設けることにした。この第2のゲート層5を
設けることにより、飽和磁化の弱い磁区60を飽和磁化
の強い磁区50に変換でき、再生層3への静磁結合によ
る転写も容易になる。
とを設けるのは、本願発明の基本思想として、ゲート層
は、記録層7から再生しようとする磁区を選択性良く抽
出し、その抽出した磁区を再生層3へ静磁結合により確
実に転写させる機能を果たすものであり、記録層7から
再生しようとする磁区を選択性良く抽出するには、比較
的低温である100℃前後で記録層7の磁区が転写され
やすい第1のゲート層6を用いることが必要である。か
かる磁性特性を有する第1のゲート層6は、図3の曲線
k1で示す保磁力の温度依存性を示し、曲線k2で示す
飽和磁化の温度依存性を示す。また、第2のゲート層5
は、曲線k3で示す保磁力の温度依存性を示し、曲線k
4で示す飽和磁化の温度依存性を示す。従って、記録層
7の磁区70が転写されて第1のゲート層6に形成され
た磁区60の120℃前後における飽和磁化は弱く、漏
洩磁界も弱くなる。その結果、第1のゲート層6のみで
は、記録層7から交換結合により転写された磁区60を
静磁結合により再生層3に確実に転写することが困難と
なる。そこで、第1のゲート層6より120℃前後にお
ける飽和磁化が強い第2のゲート層5(図3の曲線k4
を参照)を設けることにした。この第2のゲート層5を
設けることにより、飽和磁化の弱い磁区60を飽和磁化
の強い磁区50に変換でき、再生層3への静磁結合によ
る転写も容易になる。
【0036】その次に、第2のゲート層5に転写された
磁区50の飽和磁化は120℃で最大になるため(図3
の曲線k4参照)、光磁気記録媒体10の温度が上昇し
て120℃になると、第2のゲート層5の磁区50から
再生層3への漏洩磁界が最大となり、非磁性層4を介し
て静磁結合による転写が起こり、再生層3に磁区50の
磁化51と同じ方向の磁化31を有する磁区30が転写
される(図2の(c)参照)。また、第2のゲート層5
は、信号再生後、温度が室温まで戻ると、磁化反転し、
初期状態に戻るため、常に、転写磁区径は一定となる。
磁区50の飽和磁化は120℃で最大になるため(図3
の曲線k4参照)、光磁気記録媒体10の温度が上昇し
て120℃になると、第2のゲート層5の磁区50から
再生層3への漏洩磁界が最大となり、非磁性層4を介し
て静磁結合による転写が起こり、再生層3に磁区50の
磁化51と同じ方向の磁化31を有する磁区30が転写
される(図2の(c)参照)。また、第2のゲート層5
は、信号再生後、温度が室温まで戻ると、磁化反転し、
初期状態に戻るため、常に、転写磁区径は一定となる。
【0037】再生層3に磁区30が転写された状態で、
記録層7側から磁区拡大のための外部磁界Hex(この
外部磁界は、ピーク磁界が±300Oeで2〜20MH
zの交番磁界である。以下同じ。)が印加されると、磁
区30の磁化31と同じ方向の外部磁界が印加されるタ
イミングで磁区30が磁区301まで拡大する(図2の
(d)参照)。この場合、再生層3に接する層は非磁性
層4であるため、磁区30は、第2のゲート層5から交
換結合力を受けることなく磁区301に拡大される。磁
区30が磁区301に拡大されたタイミングで再生層3
側から照射されたレーザ光LBが磁区301を検出する
ことにより、記録層7の磁区70が再生層3へ拡大転写
されて再生されたことになる。磁区301が検出される
と、磁区301の磁化31と反対方向の外部磁界が印加
されたタイミングで磁区301は消滅し、初期状態(図
2の(a))に戻り、上記説明したプロセスを繰り返す
ことにより次々と記録層7の磁区が再生層3へ拡大転写
されて再生される。
記録層7側から磁区拡大のための外部磁界Hex(この
外部磁界は、ピーク磁界が±300Oeで2〜20MH
zの交番磁界である。以下同じ。)が印加されると、磁
区30の磁化31と同じ方向の外部磁界が印加されるタ
イミングで磁区30が磁区301まで拡大する(図2の
(d)参照)。この場合、再生層3に接する層は非磁性
層4であるため、磁区30は、第2のゲート層5から交
換結合力を受けることなく磁区301に拡大される。磁
区30が磁区301に拡大されたタイミングで再生層3
側から照射されたレーザ光LBが磁区301を検出する
ことにより、記録層7の磁区70が再生層3へ拡大転写
されて再生されたことになる。磁区301が検出される
と、磁区301の磁化31と反対方向の外部磁界が印加
されたタイミングで磁区301は消滅し、初期状態(図
2の(a))に戻り、上記説明したプロセスを繰り返す
ことにより次々と記録層7の磁区が再生層3へ拡大転写
されて再生される。
【0038】上記では、記録層7に形成された磁区の磁
区長が短い場合について説明したが、図5を参照して、
記録層7に形成された磁区の磁区長が長い場合について
説明する。初期状態では、図2の(a)と同様に、第1
のゲート層6は面内磁化膜の状態であり、第2のゲート
層5、および再生層3は一定方向に磁化されている(図
5の(a)参照)。
区長が短い場合について説明したが、図5を参照して、
記録層7に形成された磁区の磁区長が長い場合について
説明する。初期状態では、図2の(a)と同様に、第1
のゲート層6は面内磁化膜の状態であり、第2のゲート
層5、および再生層3は一定方向に磁化されている(図
5の(a)参照)。
【0039】この状態で再生層3側からレーザ光LBが
照射されると、記録層7の磁区72の領域が昇温され、
100℃に達すると第1のゲート層6に磁化73と同じ
方向の磁化63を有する磁区62が転写される(図5の
(b)参照)。この場合、磁区62は、磁区72より小
さくなっている。本願発明においては、第1のゲート層
6は、所定温度以上で記録層7の最小磁区より小さい領
域が面内磁化膜から垂直磁化膜となる磁性材料から成る
ことを特徴としている。かかる構成にすることにより、
記録層7に形成された磁区の磁区長の長短に拘わらず、
記録層7の磁区を確実に再生層3へ転写できる。
照射されると、記録層7の磁区72の領域が昇温され、
100℃に達すると第1のゲート層6に磁化73と同じ
方向の磁化63を有する磁区62が転写される(図5の
(b)参照)。この場合、磁区62は、磁区72より小
さくなっている。本願発明においては、第1のゲート層
6は、所定温度以上で記録層7の最小磁区より小さい領
域が面内磁化膜から垂直磁化膜となる磁性材料から成る
ことを特徴としている。かかる構成にすることにより、
記録層7に形成された磁区の磁区長の長短に拘わらず、
記録層7の磁区を確実に再生層3へ転写できる。
【0040】第1のゲート層6に転写された磁区62
は、交換結合により飽和磁化のより大きい磁区52とし
て第2のゲート層5に転写される(図5の(b)参
照)。そして、磁区52から再生層3への漏洩磁界が最
大となり、非磁性層4を介して静磁結合により再生層3
に磁化53と同じ方向の磁化33を有する磁区32が転
写される(図5の(c)参照)。
は、交換結合により飽和磁化のより大きい磁区52とし
て第2のゲート層5に転写される(図5の(b)参
照)。そして、磁区52から再生層3への漏洩磁界が最
大となり、非磁性層4を介して静磁結合により再生層3
に磁化53と同じ方向の磁化33を有する磁区32が転
写される(図5の(c)参照)。
【0041】再生層3に磁区32が転写された状態で、
記録層7側から外部磁界Hexが印加されると、磁区3
2の磁化33と同じ方向の磁界が印加された状態でレー
ザ光LBは磁区321を検出する。これにより、記録層
7の磁区72が再生層3に転写されて再生される。上記
図2、5を参照して説明したように、記録層7と再生層
3との間に第1のゲート層6と第2のゲート層5とを設
けることにより記録層7に形成された磁区の磁区長の長
短に拘わらず、記録層7の磁区を静磁結合により再生層
3へ確実に転写できる。即ち、図6に示すように、記録
層7の磁区77、79は、その磁区長の長短に拘わら
ず、磁区長の短い第2のゲート5の磁区66に変換され
る。第2のゲート層5の磁区66からの磁界分布は、磁
区66の両端から中心に向かう方向に磁界が強くなり、
中心部で最大磁界68を有し、磁区66の両端の外側に
は、磁化67と反対の磁界69、69が存在する。従っ
て、磁区の中央部で磁界分布が弱くなる長い磁区79
も、磁区の中心部で磁界分布が最大となる第2のゲート
層5の磁区66に変換されるため、再生層3への静磁結
合による転写が確実に起こり易くなる。
記録層7側から外部磁界Hexが印加されると、磁区3
2の磁化33と同じ方向の磁界が印加された状態でレー
ザ光LBは磁区321を検出する。これにより、記録層
7の磁区72が再生層3に転写されて再生される。上記
図2、5を参照して説明したように、記録層7と再生層
3との間に第1のゲート層6と第2のゲート層5とを設
けることにより記録層7に形成された磁区の磁区長の長
短に拘わらず、記録層7の磁区を静磁結合により再生層
3へ確実に転写できる。即ち、図6に示すように、記録
層7の磁区77、79は、その磁区長の長短に拘わら
ず、磁区長の短い第2のゲート5の磁区66に変換され
る。第2のゲート層5の磁区66からの磁界分布は、磁
区66の両端から中心に向かう方向に磁界が強くなり、
中心部で最大磁界68を有し、磁区66の両端の外側に
は、磁化67と反対の磁界69、69が存在する。従っ
て、磁区の中央部で磁界分布が弱くなる長い磁区79
も、磁区の中心部で磁界分布が最大となる第2のゲート
層5の磁区66に変換されるため、再生層3への静磁結
合による転写が確実に起こり易くなる。
【0042】図7から13を参照して、光磁気記録媒体
10の下地層2、再生層3、非磁性層4、第2のゲート
層5、第1のゲート層6、記録層7、および保護層8の
形成について説明する。下地層2のSiNは、RFスパ
ッタリング法により形成され、ターゲットはSiNであ
り、Ar流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパワー
は、図7に示す通りである。また、再生層3のGdFe
Coは、RFスパッタリング法により形成され、ターゲ
ットはGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧力、
基板温度、およびRFパワーは、図8に示す通りであ
る。ここで、各ターゲットには独立のRFパワーが印加
される。また、非磁性層4のSiNは、RFスパッタリ
ング法により形成され、ターゲットはSiNであり、A
r流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパワーは、図
9に示す通りである。また、第2のゲート層5のGdF
eCoは、RFスパッタリング法により形成され、ター
ゲットはGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧
力、基板温度、およびRFパワーは、図10に示す通り
である。この場合にも、各ターゲットには、独立にRF
パワーが印加される。図10に示す条件により形成した
GdFeCo中のGdの含有量は18〜23at.%の
範囲であり、Gdの含有量をかかる範囲にすることによ
り、図3に示す保磁力、および飽和磁化の曲線(k3、
k4)を示す。また、Gdの含有量を18〜23at.
%の範囲にすることにより室温で垂直磁化膜であり、補
償温度Tcompが−30℃<Tcomp<50℃とな
る。従って、第2のゲート層5から再生層3へ転写さ
れ、再生層3で拡大された磁区がレーザ光LBにより検
出された後に、温度が室温まで下がると、第2のゲート
層5の磁化は初期状態に磁化反転し易くなる。
10の下地層2、再生層3、非磁性層4、第2のゲート
層5、第1のゲート層6、記録層7、および保護層8の
形成について説明する。下地層2のSiNは、RFスパ
ッタリング法により形成され、ターゲットはSiNであ
り、Ar流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパワー
は、図7に示す通りである。また、再生層3のGdFe
Coは、RFスパッタリング法により形成され、ターゲ
ットはGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧力、
基板温度、およびRFパワーは、図8に示す通りであ
る。ここで、各ターゲットには独立のRFパワーが印加
される。また、非磁性層4のSiNは、RFスパッタリ
ング法により形成され、ターゲットはSiNであり、A
r流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパワーは、図
9に示す通りである。また、第2のゲート層5のGdF
eCoは、RFスパッタリング法により形成され、ター
ゲットはGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧
力、基板温度、およびRFパワーは、図10に示す通り
である。この場合にも、各ターゲットには、独立にRF
パワーが印加される。図10に示す条件により形成した
GdFeCo中のGdの含有量は18〜23at.%の
範囲であり、Gdの含有量をかかる範囲にすることによ
り、図3に示す保磁力、および飽和磁化の曲線(k3、
k4)を示す。また、Gdの含有量を18〜23at.
%の範囲にすることにより室温で垂直磁化膜であり、補
償温度Tcompが−30℃<Tcomp<50℃とな
る。従って、第2のゲート層5から再生層3へ転写さ
れ、再生層3で拡大された磁区がレーザ光LBにより検
出された後に、温度が室温まで下がると、第2のゲート
層5の磁化は初期状態に磁化反転し易くなる。
【0043】また、第1のゲート層6のGdFeCo
は、RFスパッタリング法により形成され、ターゲット
はGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧力、基板
温度、およびRFパワーは、図11に示す通りである。
この場合にも、各ターゲットには、独立にRFパワーが
印加され、Gdターゲットに印加されるRFパワーは、
第2のゲート層5用のGdFeCoを形成する場合にG
dターゲットに印加されるRFパワーより大きい。図1
1に示す条件で形成したGdFeCoは、Gdを22〜
30at.%の範囲で含み、図3に示す保磁力と飽和磁
化の曲線(k1、k2)を示すと共に、図4に示すカー
回転角の温度依存性を示し、室温で面内磁化膜であり、
100℃以上で垂直磁化膜となる磁性特性を有する。第
1のゲート層6を、Gdの含有量が22〜30at.%
であるGdFeCoで構成することにより、光磁気記録
媒体の温度が上昇すると、面内磁化膜から垂直磁化膜に
変化する領域が記録層の最小磁区より小さくなる。従っ
て、第1のゲート層による記録層7の磁区の選択性が向
上する。また、記録層7のTbFeCoは、RFスパッ
タリング法により形成され、ターゲットはTbFeCo
であり、Ar流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパ
ワーは、図13に示す通りである。また、保護層8のS
iNは、RFスパッタリング法により形成され、ターゲ
ットはSiNであり、Ar流量、ガス圧力、基板温度、
およびRFパワーは、図13に示す通りである。
は、RFスパッタリング法により形成され、ターゲット
はGdとFeCoとであり、Ar流量、ガス圧力、基板
温度、およびRFパワーは、図11に示す通りである。
この場合にも、各ターゲットには、独立にRFパワーが
印加され、Gdターゲットに印加されるRFパワーは、
第2のゲート層5用のGdFeCoを形成する場合にG
dターゲットに印加されるRFパワーより大きい。図1
1に示す条件で形成したGdFeCoは、Gdを22〜
30at.%の範囲で含み、図3に示す保磁力と飽和磁
化の曲線(k1、k2)を示すと共に、図4に示すカー
回転角の温度依存性を示し、室温で面内磁化膜であり、
100℃以上で垂直磁化膜となる磁性特性を有する。第
1のゲート層6を、Gdの含有量が22〜30at.%
であるGdFeCoで構成することにより、光磁気記録
媒体の温度が上昇すると、面内磁化膜から垂直磁化膜に
変化する領域が記録層の最小磁区より小さくなる。従っ
て、第1のゲート層による記録層7の磁区の選択性が向
上する。また、記録層7のTbFeCoは、RFスパッ
タリング法により形成され、ターゲットはTbFeCo
であり、Ar流量、ガス圧力、基板温度、およびRFパ
ワーは、図13に示す通りである。また、保護層8のS
iNは、RFスパッタリング法により形成され、ターゲ
ットはSiNであり、Ar流量、ガス圧力、基板温度、
およびRFパワーは、図13に示す通りである。
【0044】上記説明したように、光磁気記録媒体10
を構成する各層は、全てRFスパッタリング法により形
成できるため、本願発明に係る光磁気記録媒体10は量
産性に優れた光磁気記録媒体である。本願発明に係る光
磁気記録媒体は、図1に示す光磁気記録媒体10に限ら
ず、図14に示す光磁気記録媒体20であっても良い。
光磁気記録媒体20は、ポリカーボネート等から成る透
光性基板1と、SiNから成る下地層2と、再生層30
0と、Gdを22〜30at.%の範囲で含むGdFe
Coから成るゲート層666と、TbFeCoから成る
記録層7と、SiNから成る保護層8とを備える。再生
層300は、第1の磁性層301と、非磁性層302
と、第2の磁性層303とを備え、第1の磁性層30
1、および第2の磁性層303は、18〜23at.%
の範囲のGdを含むGdFeCoから成り、非磁性層3
02は、SiNから成る。また、光磁気記録媒体20に
おいても、各層は図7から13に示す条件を用いてRF
スパッタリング法により形成される。また、各層の膜厚
は、下地層2が500〜800Åの範囲であり、再生層
300が1000〜1500Åの範囲であり、ゲート層
666が800〜2000Åの範囲であり、記録層7が
500〜2000Åの範囲であり、保護層8が500〜
800Åの範囲である。更に、再生層300を構成する
各層の膜厚は、第1の磁性層301が200〜400Å
の範囲であり、非磁性層302が200〜300Åの範
囲であり、第2の磁性層303は、600〜800Åの
範囲である。
を構成する各層は、全てRFスパッタリング法により形
成できるため、本願発明に係る光磁気記録媒体10は量
産性に優れた光磁気記録媒体である。本願発明に係る光
磁気記録媒体は、図1に示す光磁気記録媒体10に限ら
ず、図14に示す光磁気記録媒体20であっても良い。
光磁気記録媒体20は、ポリカーボネート等から成る透
光性基板1と、SiNから成る下地層2と、再生層30
0と、Gdを22〜30at.%の範囲で含むGdFe
Coから成るゲート層666と、TbFeCoから成る
記録層7と、SiNから成る保護層8とを備える。再生
層300は、第1の磁性層301と、非磁性層302
と、第2の磁性層303とを備え、第1の磁性層30
1、および第2の磁性層303は、18〜23at.%
の範囲のGdを含むGdFeCoから成り、非磁性層3
02は、SiNから成る。また、光磁気記録媒体20に
おいても、各層は図7から13に示す条件を用いてRF
スパッタリング法により形成される。また、各層の膜厚
は、下地層2が500〜800Åの範囲であり、再生層
300が1000〜1500Åの範囲であり、ゲート層
666が800〜2000Åの範囲であり、記録層7が
500〜2000Åの範囲であり、保護層8が500〜
800Åの範囲である。更に、再生層300を構成する
各層の膜厚は、第1の磁性層301が200〜400Å
の範囲であり、非磁性層302が200〜300Åの範
囲であり、第2の磁性層303は、600〜800Åの
範囲である。
【0045】光磁気記録媒体20においては、記録層7
の磁区は、ゲート層666により選択性良く抽出され、
再生層300へ交換結合により転写される。再生層30
0に磁区が転写されると、第2の磁性層303に磁区が
現れ、光磁気記録媒体20の温度が上昇し、第2の磁性
層303から第1の磁性層301への強い漏洩磁化によ
って非磁性層302を介して静磁結合による転写が行わ
れる。そして、第1の磁性層301に磁区が転写された
タイミングで磁区拡大のための外部磁界Hexが印加さ
れると、磁区が拡大され、その拡大された磁区が透光性
基板1側から照射されたレーザ光LBにより検出され
る。従って、再生層300は、ゲート層666を介して
転写された磁区を、その転写磁区のサイズに拘束されず
に外部磁界Hexにより拡大できる構造を有するもので
ある。
の磁区は、ゲート層666により選択性良く抽出され、
再生層300へ交換結合により転写される。再生層30
0に磁区が転写されると、第2の磁性層303に磁区が
現れ、光磁気記録媒体20の温度が上昇し、第2の磁性
層303から第1の磁性層301への強い漏洩磁化によ
って非磁性層302を介して静磁結合による転写が行わ
れる。そして、第1の磁性層301に磁区が転写された
タイミングで磁区拡大のための外部磁界Hexが印加さ
れると、磁区が拡大され、その拡大された磁区が透光性
基板1側から照射されたレーザ光LBにより検出され
る。従って、再生層300は、ゲート層666を介して
転写された磁区を、その転写磁区のサイズに拘束されず
に外部磁界Hexにより拡大できる構造を有するもので
ある。
【0046】また、本願発明に係る光磁気記録媒体は、
図1、14に示すものに限らず、図15に示す光磁気記
録媒体40であっても良い。光磁気記録媒体40は、ポ
リカーボネート等から成る透光性基板1と、SiNから
成る下地層2と、GdFeCoから成る再生層3と、S
iNから成る非磁性層4と、ゲート層500と、TbF
eCoから成る記録層7と、SiNから成る保護層8と
を備える。ゲート層500は、非磁性層4側端でGdの
含有量が18〜23at.%の範囲であり、記録層7側
端でGdの含有量が22〜30at.%の範囲であるG
dFeCoから成る。即ち、ゲート層500用のGdF
eCoは、図16の斜線で示す領域170の範囲内でG
dの含有量が非磁性層4側端から記録層7側端へ増加す
るGdFeCoから成る。かかるGdFeCoをゲート
層500に適用することにより、記録層7の磁区を選択
性良く抽出でき、その抽出した磁区からの漏洩磁界を大
きくして、非磁性層4を介して再生層3へ静磁結合によ
り磁区を転写できる。また、ゲート層500は、1つの
磁性層から成るものに限らず、Gdの含有量が18〜2
3at.%の範囲であるGdFeCoから成る第1の磁
性層と、Gdの含有量が22〜30at.%の範囲であ
るGdFeCoから成る第2の磁性層とから構成しても
良い。
図1、14に示すものに限らず、図15に示す光磁気記
録媒体40であっても良い。光磁気記録媒体40は、ポ
リカーボネート等から成る透光性基板1と、SiNから
成る下地層2と、GdFeCoから成る再生層3と、S
iNから成る非磁性層4と、ゲート層500と、TbF
eCoから成る記録層7と、SiNから成る保護層8と
を備える。ゲート層500は、非磁性層4側端でGdの
含有量が18〜23at.%の範囲であり、記録層7側
端でGdの含有量が22〜30at.%の範囲であるG
dFeCoから成る。即ち、ゲート層500用のGdF
eCoは、図16の斜線で示す領域170の範囲内でG
dの含有量が非磁性層4側端から記録層7側端へ増加す
るGdFeCoから成る。かかるGdFeCoをゲート
層500に適用することにより、記録層7の磁区を選択
性良く抽出でき、その抽出した磁区からの漏洩磁界を大
きくして、非磁性層4を介して再生層3へ静磁結合によ
り磁区を転写できる。また、ゲート層500は、1つの
磁性層から成るものに限らず、Gdの含有量が18〜2
3at.%の範囲であるGdFeCoから成る第1の磁
性層と、Gdの含有量が22〜30at.%の範囲であ
るGdFeCoから成る第2の磁性層とから構成しても
良い。
【0047】光磁気記録媒体20においても、各層は図
7から13に示す条件を用いてRFスパッタリング法に
より形成される。また、各層の膜厚は、下地層2が50
0〜800Åの範囲であり、再生層3が200〜400
Åの範囲であり、非磁性層4が200〜300Åの範囲
であり、ゲート層500が1400〜3000Åの範囲
であり、記録層7が500〜2000Åの範囲であり、
保護層8が500〜800Åの範囲である。更に、ゲー
ト層500が第1の磁性層と第2の磁性層とから構成さ
れる場合には、第1の磁性層が600〜1000Åの範
囲であり、第2の磁性層が、800〜1000Åの範囲
である。
7から13に示す条件を用いてRFスパッタリング法に
より形成される。また、各層の膜厚は、下地層2が50
0〜800Åの範囲であり、再生層3が200〜400
Åの範囲であり、非磁性層4が200〜300Åの範囲
であり、ゲート層500が1400〜3000Åの範囲
であり、記録層7が500〜2000Åの範囲であり、
保護層8が500〜800Åの範囲である。更に、ゲー
ト層500が第1の磁性層と第2の磁性層とから構成さ
れる場合には、第1の磁性層が600〜1000Åの範
囲であり、第2の磁性層が、800〜1000Åの範囲
である。
【0048】上記説明したように、本願発明に係る光磁
気記録媒体10、20、40により、記録層の磁区の磁
区長の長短に拘わらず、記録層の各磁区を確実に静磁結
合により再生層へ拡大転写でき、再生しようとする磁区
長の長短による特性変化が殆どなく、再生特性を向上さ
せることができる。
気記録媒体10、20、40により、記録層の磁区の磁
区長の長短に拘わらず、記録層の各磁区を確実に静磁結
合により再生層へ拡大転写でき、再生しようとする磁区
長の長短による特性変化が殆どなく、再生特性を向上さ
せることができる。
【図1】本願発明に係る光磁気記録媒体の断面構造図で
ある。
ある。
【図2】記録層の短い磁区長の磁区を再生層へ拡大転写
して再生するプロセスを説明する図である。
して再生するプロセスを説明する図である。
【図3】各磁性層の保磁力、および飽和磁化の温度依存
性を示す図である。
性を示す図である。
【図4】Gdの含有量が22〜30at.%であるGd
FeCoのカー回転角の温度依存性を示す図である。
FeCoのカー回転角の温度依存性を示す図である。
【図5】記録層の長い磁区長の磁区を再生層へ拡大転写
して再生するプロセスを説明する図である。
して再生するプロセスを説明する図である。
【図6】本願発明に係る光磁気記録媒体の特徴を説明す
る図である。
る図である。
【図7】下地層の形成条件である。
【図8】再生層の形成条件である。
【図9】非磁性層の形成条件である。
【図10】第2のゲート層の形成条件である。
【図11】第1のゲート層の形成条件である。
【図12】記録層の形成条件である。
【図13】保護層の形成条件である。
【図14】本願発明に係る光磁気記録媒体の他の断面構
造図である。
造図である。
【図15】本願発明に係る光磁気記録媒体の更に他の断
面構造図である。
面構造図である。
【図16】図15に示す光磁気記録媒体におけるゲート
層中のGdのレーザ光の進行方向の含有量分布を示す図
である。
層中のGdのレーザ光の進行方向の含有量分布を示す図
である。
【図17】従来の光磁気記録媒体の断面構造図である。
【図18】従来の光磁気記録媒体における問題点を説明
するための図である。
するための図である。
1・・・透光性基板 2、51・・・下地層 3、52、300・・・再生層 4、53、302・・・非磁性層 5・・・第2のゲート層 6・・・第2のゲート層 7、54・・・記録層 8、55・・・保護層 10、20、40、50・・・光磁気記録媒体 30、32、50、52、60、62、70、72、3
01、321・・・磁区 31、33、51、53、61、63、71、73、・
・・磁化 500、666・・・ゲート層
01、321・・・磁区 31、33、51、53、61、63、71、73、・
・・磁化 500、666・・・ゲート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 健一郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5D075 CF03 EE03 FF04 FF12
Claims (15)
- 【請求項1】 レーザ光の入射方向から順に、再生層、
ゲート層、および記録層を含む光磁気記録媒体におい
て、 前記ゲート層は、前記記録層から交換結合により磁区を
転写され、 前記再生層は、前記ゲート層から交換結合により転写さ
れた転写磁区を、ゲート層から交換結合力を受けること
なく外部磁界により磁区拡大可能な構造から成る光磁気
記録媒体。 - 【請求項2】 前記再生層は、レーザ光の入射方向から
順に第1の磁性層、非磁性層、および第2の磁性層を含
む請求項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 前記ゲート層は、室温で面内磁化膜であ
り、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜である請求
項2記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 レーザ光の入射方向から順に、再生層、
非磁性層、ゲート層、および記録層を含む光磁気記録媒
体において、 前記ゲート層は、前記記録層から交換結合により転写さ
れた転写磁区の所定の温度における飽和磁化を増加させ
る構造から成る光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 前記ゲート層は、前記非磁性層側から前
記記録層側に向けて、希土類金属の含有量が多くなる組
成を有する請求項4記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項6】 前記ゲート層は、レーザ光の入射方向か
ら順に第1の磁性層、および第2の磁性層を含み、 前記第1の磁性層の所定の温度における飽和磁化は、前
記第2の磁性層の飽和磁化より大きい請求項4記載の光
磁気記録媒体。 - 【請求項7】 前記第1の磁性層は、室温で垂直磁化膜
であり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp<
50℃である請求項6記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項8】 前記第2の磁性層は、室温で面内磁化膜
であり、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜である
請求項6又は請求項7に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項9】 信号を記録する第1の磁性層と、 前記第1の磁性層から選択性良く磁区を抽出する第2の
磁性層と、 前記第2の磁性層より所定の温度で大きい飽和磁化を有
する第3の磁性層と、 前記第3の磁性層に接して設けられた非磁性層と、 前記非磁性層に接して設けられた第4の磁性層とから成
る光磁気記録媒体。 - 【請求項10】 前記第2の磁性層は、室温で面内磁化
膜であり、第1の温度以上で垂直磁化膜となり、 前記第1の温度は、前記第3の磁性層の飽和磁化が最大
となる第2の温度以下である請求項9記載の光磁気記録
媒体。 - 【請求項11】 前記第2の磁性層は、Gdを22〜3
0at.%含むGdFeCoから成る請求項10記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項12】 前記第3の磁性層は、室温で垂直磁化
膜であり、補償温度Tcompが−30℃<Tcomp
<50℃である請求項11記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項13】 レーザ光と磁界とにより信号を記録お
よび/または磁区拡大再生する光磁気記録媒体におい
て、 信号を記録する記録層と、信号の再生時に前記記録層の
磁区が転写される再生層との間に、 少なくとも、前記記録層の磁区をその長さに拘わらず確
実に再生層に転写させるゲート層を有する光磁気記録媒
体。 - 【請求項14】 前記ゲート層と前記再生層との間に、
更に、非磁性層を含む請求項13記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項15】 前記ゲート層は、室温で面内磁化膜で
あり、所定温度以上で垂直磁化膜となる磁性膜を含む請
求項14記載の光磁気記録媒体。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245637A JP2000076717A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 光磁気記録媒体 |
KR1020007004694A KR100574734B1 (ko) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | 광자기 기록 매체 |
EP99939617A EP1028424A4 (en) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | MAGNETO-OPTICAL RECORDING MEDIUM |
US09/530,497 US6492035B1 (en) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | Magneto-optical recording medium with intermediate layer having a controlled saturation magnetization |
AU53876/99A AU5387699A (en) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | Magneto-optic recording medium |
PCT/JP1999/004444 WO2000013177A1 (fr) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | Support d'enregistrement magneto-optique |
CN99801981A CN1287663A (zh) | 1998-08-31 | 1999-08-18 | 光磁记录媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245637A JP2000076717A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 光磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000076717A true JP2000076717A (ja) | 2000-03-14 |
Family
ID=17136630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10245637A Pending JP2000076717A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000076717A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6808823B2 (en) | 2001-02-15 | 2004-10-26 | Fujitsu Limited | Magneto-optical recording medium and manufacturing method therefor |
-
1998
- 1998-08-31 JP JP10245637A patent/JP2000076717A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6808823B2 (en) | 2001-02-15 | 2004-10-26 | Fujitsu Limited | Magneto-optical recording medium and manufacturing method therefor |
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