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JP2000063516A - 高重合度熱可塑性ポリイミドの製造方法 - Google Patents

高重合度熱可塑性ポリイミドの製造方法

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Publication number
JP2000063516A
JP2000063516A JP10228848A JP22884898A JP2000063516A JP 2000063516 A JP2000063516 A JP 2000063516A JP 10228848 A JP10228848 A JP 10228848A JP 22884898 A JP22884898 A JP 22884898A JP 2000063516 A JP2000063516 A JP 2000063516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
thermoplastic polyimide
heat treatment
polymerization
polyamic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10228848A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiji Suzuki
芳史 鈴木
Jirou Sadanobu
治朗 定延
Toyoaki Ishiwatari
豊明 石渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP10228848A priority Critical patent/JP2000063516A/ja
Publication of JP2000063516A publication Critical patent/JP2000063516A/ja
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高重合度の熱可塑性ポリイミドを製造する方
法を提供する。 【解決手段】 フェノール/テトラクロロエタン混合溶
媒(重量比60/40)、濃度0.5g/dl、35℃
での固有粘度が0.8以下である特定の熱可塑性ポリイ
ミドを溶融熱処理せしめる。特に、(1)ポリイミド前
駆体であるポリアミック酸を、有機極性溶媒中イミド化
触媒の存在下、化学閉環剤を用いて脱水閉環する工程、
(2)該有機極性溶媒、該イミド化触媒及び該化学閉環
剤を、加熱および/または減圧留去する工程、(3)工
程(2)に引き続いて溶融熱処理せしめる工程、を順次
行うことにより、高重合度化された熱可塑性ポリイミド
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性ポリイミド
の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは高重合
度された熱可塑性ポリイミドの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミドは酸無水物とジアミン
を非プロトン性極性アミド系溶媒中で反応させ、ポリア
ミック酸とした後、加熱により脱水閉環を行うか、化学
閉環剤で脱水閉環を行うことによりイミド化させ、ポリ
イミドを得ている。
【0003】加熱による脱水閉環ではポリイミド樹脂の
前駆体ポリアミック酸を加熱処理により溶剤を除去する
とともにイミド化している。化学的に閉環処理を行う場
合、ポリアミック酸溶液中にピリジンなどのイミド化触
媒と無水酢酸などの化学閉環剤を添加し、脱水イミド化
反応を行いポリイミドとする。しかし、これらの方法で
は、例えばηsp/c値が1.0以上のポリイミドを製造す
ることは困難であった。さらに、該ポリイミドが結晶性
である場合、脱水閉環後に結晶析出あるいは部分的結晶
によるポリイミド溶液のゲル化現象が起こり、効果的に
脱水閉環できないばかりか、製造工程的にも支障を生じ
る。
【0004】また、熱可塑性ポリイミドを他のポリマー
の改質剤用途、あるいは他のポリマーとのブレンド体と
して用いる場合、熱可塑性ポリイミドの重合度が低いと
得られる他のポリマー改質体あるいはブレンド体が脆く
なってしまうため、より高重合度の熱可塑性ポリイミド
が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高重合度の熱
可塑性ポリイミドを製造する方法を提供することを目的
とする。本発明の他の目的は、結晶性を有する高重合度
熱可塑性ポリイミドを製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成すべく鋭意検討した結果、固有粘度が0.8以下
の熱可塑性ポリイミドを溶融熱処理せしめることによ
り、ゲル化すること無く、高分子量化された熱可塑性ポ
リイミドが溶融状態で得られることを見い出し本発明に
至った。すなわち、本発明は下記式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1は炭素数3以上30以下の置換
基を含んでいてもよい2価の芳香族有機基及び/または
脂肪族アルキレン基であり、Arは、置換基を含んでいて
も良い炭素数6以上45以下の芳香族残基である。)で
表される繰り返し単位からなり、フェノール/テトラク
ロロエタン混合溶媒(重量比60/40)濃度0.5g
/dlで35℃での固有粘度が0.8以下である熱可塑
性ポリイミドを溶融熱処理せしめることを特徴とする高
重合度熱可塑性ポリイミドの製造方法である。
【0009】本発明は、特に、高重合度熱可塑性ポリイ
ミドを重合する場合に、(1)ポリイミド前駆体である
ポリアミック酸を、有機極性溶媒中イミド化触媒の存在
下、化学閉環剤を用いて脱水閉環する工程、(2)該有
機極性溶媒、該イミド化触媒及び該化学閉環剤を、加熱
および/または減圧留去する工程、(3)工程(2)に
引き続いて溶融熱処理せしめる工程、を順次行うことに
より、高重合度化された熱可塑性ポリイミドを得ること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性ポリイミ
ドは、下記式(1)
【0011】
【化3】
【0012】で表される。ここでR1は、該ポリイミドが
非反応性の置換基(例えばアルキル基、アルコキシ基
等)を含んでいてもよい炭素数3以上30以下の芳香族
有機基又は脂環族又は脂肪族アルキレン基である。これ
らは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。具体
的には、芳香族有機基として例えば
【0013】
【化4】
【0014】で示されるものを好ましくは挙げることが
出来る。
【0015】また、脂肪族及び脂環族アルキレン基とし
て具体的には、以下に挙げるジアミン化合物またはジイ
ソシアネートから誘導されたイミド結合を形成するもの
を例示することが出来る。例えばイソホロンジアミン、
シクロヘキサンジアミン、1,8−ジアミノ−p−メン
タン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
またはこれらのジアミンをジイソシアネートに置き換え
たもの(例えばイソホロンジイソシアネート)などが挙
げられる。この中でイソホロンジアミン、イソホロンジ
イソシアネート又は1,8−ジアミノ−p−メンタンか
ら誘導される脂肪族アルキレン基がより好ましい。
【0016】Arは、非反応性の置換基(例えばアルキル
基、アルコキシ基等)を含んでいても良い炭素数6以上
13以下の芳香族残基である。Arとしては、例えば
【0017】
【化5】
【0018】が挙げられる。
【0019】これらの組み合わせによりポリイミドが結
晶性を有し、かつ、その融点が著しく高いために、非熱
可塑性となる場合は、共重合するなどして熱可塑性のも
のを得ることが好ましい。
【0020】ここでいう熱可塑性とは、ポリイミドの熱
分解開始温度に比較して、結晶性の場合は融点が、非晶
性の場合はガラス転移点が著しく低く、ポリイミド単体
の溶融安定温度領域が充分広範囲であり、溶融状態での
成形性及び取り扱い性が充分可能であるものをいう。
【0021】本発明に用いられる上記熱可塑性ポリイミ
ドは従来公知のいずれの方法を用いても製造することが
出来る。
【0022】より好ましい例としては、ポリイミド前駆
体であるポリアミック酸の有機極性溶媒をイミド化触媒
の存在下、化学閉環剤で脱水閉環した後、有機極性溶
媒、イミド下触媒及び化学閉環剤を、加熱および/また
は減圧留去する工程を経た後、そのまま昇温せしめ溶融
熱処理をすることにより高重合度熱可塑性ポリイミドを
得る方法が挙げられる。ここで、ポリアミック酸の製造
方法は公知のどの方法を用いも構わない。例えば、上述
の原料のテトラカルボン酸二酸無水物とジアミンを反応
させることにより得られる。
【0023】より具体的には、テトラカルボン酸二無水
物とジアミンの反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱
水精製した反応有機溶媒に溶解し、テトラカルボン酸二
無水物を添加して反応せしめる方法を例示することが出
来る。原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物
は、閉環率98%以上の純度のものを使用するとより好
ましい。
【0024】また、この際用いられるテトラカルボン酸
二無水物とジアミン成分の当量比rは0.900≦r≦
1.080が好ましい。より好ましくは0.980≦r
≦1.060の範囲である。ここで、rとは、次式で表
される。
【0025】
【数1】 r=[全酸成分のモル数]/[全アミン成分のモル数]
【0026】rが0.900未満では得られる熱可塑性
ポリイミドの分子量が低く、脆くなる。また、1.08
0を超えるとポリアミック酸がゲル化現象を起こすばか
りでなく、未反応のカルボン酸が加熱時に脱炭酸してガ
ス発生、発泡の原因となり好ましくないことがある。
【0027】この様に、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミンの反応は、好ましくは有機溶媒中で行う。有機溶
媒を用いず反応させる場合、反応は不均一系で進行し、
また、発熱によりゲル化現象を引き起こし熱可塑性ポリ
イミドが得られず好ましくない。しかし、これらの問題
が無い反応系であれば、有機溶媒を用いなくても構わな
い。
【0028】テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反
応を有機溶媒中で行う場合、反応有機溶媒としては、い
わゆる非プロトン性有機極性溶媒を用いることができ
る。非プロトン性有機極性溶媒としては、N,N-ジメチル
ホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキ
サメチルホスホルアミド(HMPA)、N-メチルカプロラク
タム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−アセチル−2
−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノ
ン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。これらは一種
類のみ用いてもよいし複数組み合わせた溶媒でも良い。
特に、得られるポリアミック酸及び熱可塑性ポリイミド
に対し十分な溶解力を有するものが好ましい。また、こ
れらの溶媒は無溶媒系反応で得られたポリアミック酸を
化学閉環するための溶解剤として用いることも出来る。
【0029】上記非プロトン性有機極性溶媒と相溶性が
ある非極性溶媒を混合して用いても良い。例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素が良く使用される。混
合溶媒における非極性溶媒の割合は、50重量%以下で
あることが好ましい。これは非極性溶媒が50重量%以
上では溶媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する
恐れがあるためである。また、m−クレゾール、キシレ
ノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェ
ノール系溶媒を挙げることが出来る。
【0030】反応有機溶媒の使用量は、テトラカルボン
酸二無水物とジアミンの反応に用いる場合、あるいはポ
リアミック酸を化学閉環するための溶解剤として用いる
場合のいずれにおいても、通常、ポリアミック酸濃度が
0.1〜70重量%になるようにするのが好ましい。
0.1重量%未満では、溶媒使用率が高く、コストが高
くなる。また、反応有機溶媒中に微量に混在する水分に
より、原料であるテトラカルボン酸2無水物が加水分解
を受け、充分な重合度が得られなくなったり、ポリアミ
ック酸が加水分解されるといった問題が生じる。70重
量%を超えると、得られるポリアミック酸溶液が高粘度
となり、取扱性・攪拌性に劣る。より好ましい溶媒使用
量としては、ポリアミック酸濃度が1〜50重量%であ
る。
【0031】また、テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンを反応する場合、反応温度は0〜200℃の範囲が好
ましい。0℃以下では原料の溶解度が充分に得られず、
反応が円滑に進行しない。また、200℃以上ではポリ
アミック酸の一部が加熱閉環され反応系内に水が混在す
ることになり、ポリアミック酸の加水分解が起こり、好
ましくない。より好ましくは0〜150℃である。
【0032】このようにして得られたポリアミック酸溶
液を、ついで化学閉環剤およびイミド化触媒を使用し脱
水閉環によりイミド化する。
【0033】ここで、化学閉環剤としては、無機及び有
機の閉環剤を用いることができる。後者として、特に、
無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸な
どの酸無水物を好ましく用いることができる。これら
は、1種または2種以上を併用して用いることもでき
る。
【0034】またイミド化触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることが出来、これらは1種または2種以
上を併用して用いることもできる。しかし、これらに限
定されるものではない。
【0035】化学閉環剤およびイミド化触媒の使用量
は、それぞれ上記式(1)の繰り返し単位1モルに対し
て1.5〜10モルとするのが好ましい。1.5モル未
満では脱水閉環が充分行われず、熱処理した場合にゲル
化現象が起こることがある。10モルを超えると化学閉
環剤およびイミド化触媒使用率が高く、製造コストが高
くなる。より好ましい化学閉環剤およびイミド化触媒の
使用量は、1.6〜5モルである。
【0036】上記イミド化工程を行ったのち、すなわち
イミド化触媒の存在下、化学閉環剤で脱水閉環した後、
さらに、引き続いて有機極性溶媒、イミド化触媒、化学
閉環剤を、反応により生成された化学閉環剤加水分解物
及び水分とともに、加熱留去および/または減圧留去す
ることにより、固有粘度0.8以下の熱可塑性ポリイミ
ドを得る。加熱の際の温度条件は、ポリイミドの熱分解
温度以下である。結晶性ポリイミドの場合は、該ポリイ
ミドの融点より30℃以上、また、非晶性ポリイミドの
場合、ガラス転移点より30℃以上が好ましい。これよ
り低いと溶媒を完全に留去した後の該ポリイミドの粘度
が高く、攪拌操作等取扱いが困難である。また、この
際、適時、各成分を分留しながら留去しても良い。例え
ば、沸点差を利用して化学閉環剤、化学閉環剤加水分解
物、イミド化触媒、有機極性溶媒、水を分留することも
可能である。
【0037】本発明では、さらに、得られた上記熱可塑
性ポリイミドを溶融熱処理する。ここで溶融熱処理と
は、固有粘度0.8以下、好ましくは0.1以上の熱可
塑性ポリイミドを溶融状態で熱処理し、高重合度化せし
める工程である。溶融熱処理の温度条件は該ポリイミド
の熱分解温度以下で高い方が好ましく、通常上記の留去
工程での加熱温度から該ポリイミドの分解開始温度以下
で行うことができる。また、本工程において用いられる
熱可塑性ポリイミドとは従来公知技術により製造単離さ
れた熱可塑性ポリイミドを用いても良いし、上記の留去
工程より得られる溶融状態の熱可塑性ポリイミドをその
まま継続して、溶融熱処理に供することも出来る。本発
明における溶融熱処理の圧力は、常圧下で行っても、減
圧下で行っても良い。常圧下で行う場合、特に限定する
ものではないが、窒素やアルゴンといった不活性ガス雰
囲気下に保つことが好ましい。酸素混在雰囲気下では得
られる熱可塑性ポリイミドの劣化が起こり易く、好まし
くない。さらには、減圧下で行うことがより好ましい。
減圧下で行う場合は、熱可塑性ポリイミドの劣化を最小
限に留めることが出来るだけでなく、高重合度化速度が
速くなる。
【0038】上記の固有粘度0.8以下の熱可塑性ポリ
イミドを溶融熱処理することにより、固有粘度1.0以
上の所望の重合度の高重合度熱可塑性ポリイミドを得る
ことができる。かかるポリイミドの固有粘度の上限は特
に制限はないが、のちの成形性を考慮すると10程度が
実用的である。
【0039】
【実施例】以下実施例をあげて本発明について具体的に
説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものでは
ない。実施例においてポリマーの固有粘度(ηsp/c)は
フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60
/40)濃度0.5g/dlで35℃での値である。
【0040】[実施例1]攪拌装置及び温度コントロー
ル装置を備えた反応器に窒素雰囲気下、N−メチル−2
−ピロリドンを22.5kg仕込み、次いで1,10−
ジアミノデカン3.858kg(22.39mol)を仕
込み溶解せしめ、該反応溶液を45℃に調温した後、
4,4’−オキシジフタル酸二無水物6.980kg
(22.50mol)を添加し、26時間反応せしめてポ
リアミック酸溶液を得た。この際、発熱により反応液温
度は一時的に92℃まで上昇した。該ポリアミック酸溶
液を再び45℃に調温した後、無水酢酸5.045kg
(49.50mol)及びピリジン3.916kg(4
9.50mol)を添加し、窒素雰囲気下のまま、45℃
で16時間攪拌しながら化学閉環した。得られたポリイ
ミド溶液を品溶媒として水を用い、攪拌装置を備えた再
沈殿器で再沈殿し、水洗・乾燥し、熱可塑性ポリイミド
を得た。該ポリイミドはηsp/c=0.71であった。
【0041】上記熱可塑性ポリイミドを攪拌装置を備え
た反応器に仕込み、0.18mmHg、300℃で溶融
熱処理を施した。各溶融熱処理時間における高重合度熱
可塑性ポリイミドのηsp/cを表1に記す。
【0042】[実施例2]溶融熱処理条件を常圧下窒素
雰囲気にした以外は実施例1同様の条件で行った。各溶
融熱処理時間における高重合度熱可塑性ポリイミドのη
sp/cを表1に記す。
【0043】
【表1】
【0044】[実施例3]攪拌装置及び温度コントロー
ル装置を備えた反応器に窒素雰囲気下、N−メチル−2
−ピロリドンを22.5kg仕込み、次いで1,10−
ジアミノデカン3.858kg(22.39mol)を仕
込み溶解せしめ、該反応溶液を45℃に調温した後、
4,4’−オキシジフタル酸二無水物6.980kg
(22.50mol)を添加し、26時間反応せしめてポ
リアミック酸溶液を得た。この際、発熱により反応液温
度は一時的に92℃まで上昇した。該ポリアミック酸溶
液を再び45℃に調温した後、無水酢酸5.045kg
(49.50mol)及びピリジン3.916kg(4
9.50mol)を添加し、窒素雰囲気下のまま、45℃
で16時間攪拌しながら化学閉環した。得られたポリイ
ミド溶液を攪拌装置及び減圧留去装置を備えた反応容器
に仕込み、窒素雰囲気下、195℃で30分間、200
℃で2.5時間加熱した。その後、240℃まで加熱
し、徐々に減圧していき30分かけて0.18mmHgと
し、有機極性溶媒、イミド化触媒、化学閉環剤、化学閉
環剤加水分解物および水を全て留去し、溶融状態で熱可
塑性ポリイミドを得た。この時点でサンプリングし、η
sp/cを測定したところ、ηsp/c=0.634であった。
さらにそのまま、270℃まで昇温し、1時間、0.3
mmHgで溶融熱処理し、サンプリングした。ηsp/cを測
定したところ、ηsp/c=1.41であった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、熱可塑性ポリイミドを溶
融熱処理せしめることによりゲル化が進行すること無
く、容易に高重合度化された熱可塑性ポリイミドを得る
ことができる。
【0046】さらには、熱可塑性ポリイミド前駆体であ
るポリアミック酸の有機極性溶液をイミド化触媒の存在
下、化学閉環剤で脱水閉環した後、有機極性溶媒、イミ
ド化触媒、化学閉環剤、化学閉環剤加水分解物及び水分
を加熱及び/または減圧留去した後、そのまま継続して
熱可塑性ポリイミドを溶融熱処理せしめることにより、
さらに高重合度された熱可塑性ポリイミドを容易に得る
ことができる。
【0047】本発明により得られる高重合度熱可塑性ポ
リイミドは、他のポリマーの改質剤用途あるいはポリエ
ステル等の他のポリマーとのブレンド体として用いる場
合、得られる他のポリマー改質体およびブレンド体の強
度を維持あるいは強化するのに極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 豊明 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J043 PA02 PA19 PC015 QB15 QB26 QB31 RA06 RA35 SA06 SA42 SA43 SA52 SA54 SA72 SB01 TA22 TB01 UA041 UA081 UA121 UA122 UA131 UA132 UA151 UA662 UA672 UA761 UB021 UB121 UB122 UB131 UB151 UB152 UB301 UB302 UB401 UB402 VA011 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA062 VA081 XA03 XA14 XA16 XA17 XA19 XB19 XB20 XB39 XB40 YA06 YA08 YB02 YB50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数3以上30以下の置換基を含んでい
    てもよい2価の芳香族有機基及び/または脂肪族アルキ
    レン基であり、Arは、置換基を含んでいても良い炭素数
    6以上45以下の芳香族残基である。)で表される繰り
    返し単位からなり、フェノール/テトラクロロエタン混
    合溶媒(重量比60/40)濃度0.5g/dlで35
    ℃での固有粘度が0.8以下である熱可塑性ポリイミド
    を溶融熱処理せしめることを特徴とする高重合度熱可塑
    性ポリイミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 減圧下で溶融熱処理せしめることを特徴
    とする請求項1記載の高重合度熱可塑性ポリイミドの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリイミドを製造するにあた
    り、(1)ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を、
    有機極性溶媒中イミド化触媒の存在下、化学閉環剤を用
    いて脱水閉環し、ついで(2)該有機極性溶媒、該イミ
    ド化触媒及び該化学閉環剤を加熱および/または減圧に
    より留去し、(3)(2)に引き続いて溶融熱処理せし
    めることを特徴とする高重合度熱可塑性ポリイミドの製
    造方法。
JP10228848A 1998-08-13 1998-08-13 高重合度熱可塑性ポリイミドの製造方法 Pending JP2000063516A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246708A (ja) * 2001-02-16 2002-08-30 Dainippon Printing Co Ltd ウェットエッチングされた絶縁体及び電子回路部品
JP2003176354A (ja) * 2001-12-11 2003-06-24 Manac Inc 透明な耐熱性ポリイミドフイルム

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