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JP2000046613A - コリオリ質量流量計 - Google Patents

コリオリ質量流量計

Info

Publication number
JP2000046613A
JP2000046613A JP21317498A JP21317498A JP2000046613A JP 2000046613 A JP2000046613 A JP 2000046613A JP 21317498 A JP21317498 A JP 21317498A JP 21317498 A JP21317498 A JP 21317498A JP 2000046613 A JP2000046613 A JP 2000046613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
vibrating tube
reference axis
tube
coriolis mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP21317498A
Other languages
English (en)
Inventor
Norikazu Osawa
紀和 大沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokogawa Electric Corp filed Critical Yokogawa Electric Corp
Priority to JP21317498A priority Critical patent/JP2000046613A/ja
Publication of JP2000046613A publication Critical patent/JP2000046613A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性、精度、耐振性が向上されるコリオリ
質量流量計を実現する。 【解決手段】 上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直
線を基準軸として振動する振動チューブと、基準軸に平
行して設けられ両端が振動チューブの両端側にそれぞれ
固定支持される補償体と、振動チューブを固定端近傍で
は基準軸回りのねじれが主体となるように励振すると共
に補償体をこの補償体の振動が基準軸と同じ軸あるいは
この基準軸と平行な軸を中心に回転するねじれ振動であ
り且つ振動チューブの振動とは逆位相で振動チューブと
補償体との連結部では逆位相で振動することにより基準
軸回りのねじれ振動が互いに打ち消し合い発生する振動
を削減するように励振する励振手段とを具備したことを
特徴とするコリオリ質量流量計である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ質量流量
計の内部の、振動チューブの振動を外に漏らさないよう
にすることと、外部からの振動ノイズや応力の影響を受
け難くすることによって、安定性、精度、耐振性が向上
されたコリオリ質量流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図43は、従来より一般に使用されてい
る従来例の構成説明図で、例えば、特開平6−1095
12号の従来例に示されている。図において、振動チュ
ーブ1はフランジ2に、両端が取付けられている。フラ
ンジ2は管路Aへ振動チューブ1を取付けるためのもの
である。
【0003】励振器3は、振動チューブ1の中央部に設
けられている。振動検出センサ4,5は振動チューブ1
の両側にそれぞれ設けられている。ハウジング6は、振
動チューブ1の両端が固定されている。
【0004】以上の構成において、振動チューブ1に測
定流体が流され、励振器3が駆動される。励振器3の振
動方向の角速度『ω』、測定流体の流速『V』(以
下『』で囲まれた記号はベクトル量を表す。)とする
と、
【0005】Fc=―2m『ω』×『V』 のコリオリ力が働く、コリオリ力に比例した振動の振幅
を測定すれば、質量流量が測定出来る。
【0006】図44は従来より一般に使用されている他
の従来例の構成説明図である。本従来例では、振動チュ
ーブ1を2管式にしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図43のような一般的
な1本直管式コリオリ質量流量計では、振動チューブ1
を両端で固定しているが、限られた大きさの流量計では
端点を完全固定にすることはできず、わずかに振動して
しまう。
【0008】振動が発生する理由として、以下の原因が
考えられる。内部を流体が流れる振動チューブ1を、図
45のように変形(近似的に1次モード共振状態)させ
ると、変形によりチューブの長さが長くなるので、振動
チューブの軸方向に引っ張り応力が発生する。
【0009】例えば、ステンレスのφ9.6×0.91
t、400Lの振動チューブ1の、中央部分を1mm変
形させると、図45のように軸方向に7.5kgfの大きさ
の引っ張り力が発生する。
【0010】振動チューブ1を1次の共振モードで励振
させた場合、プラスとマイナスの変形最大の時に、引っ
張り力も最大になり、変形のない基本形状の時は、引っ
張り力は最小でゼロである。
【0011】励振振動の1周期中に、引っ張り力は最
大、最小を2回繰り返す。すなわち、振動チューブ1の
軸方向の引っ張り力は、励振周波数の2倍の周波数で発
生する。
【0012】結局、端点を完全固定状態にして、振動を
完全に絶縁することは困難である。この場合、大きく分
けて、問題は2つある。
【0013】一つは、外部からの影響を受けやすいこと
である。すなわち、流量計外部から、配管振動や、配管
応力が加わった場合に、コリオリ質量流量計のハウジン
グ(筐体)6では、その影響を受け止めきれず、内部の
振動チューブ1に外部振動や、応力が加わり、振動チュ
ーブ1の振動状態が変化し、出力揺動や、ゼロ点変化等
の誤差になって現れてしまう。
【0014】もう一つは、内部の振動チューブ1の振動
が、外部配管に漏れてしまうことである。振動が外に漏
れ、振動絶縁が不十分になると以下のような問題が発生
する。
【0015】振動絶縁が不十分であると、 (1)Q値が低くなるので、内部の振動が不安定にな
り、励振振動以外の余計な振動ノイズの影響を受けやす
くなる。 (2)励振に大きなエネルギーが必要になり、消費電力
が増加する。
【0016】(3)設置方法や、配管応力、温度等の環
境変化や外的要因により、振動の漏れ程度も大きく変わ
り、振動チューブ1の振動状況も変化し、零点やスパン
が変化しやすくなる。すなわち、これらの環境変化や外
的要因に対し、不安定で、耐振性、精度が悪いコリオリ
流量計になりがちである。
【0017】一方、図44従来例では、2本の振動チュ
ーブ1が互いに反対方向に振動することで、分岐部で力
が打ち消しあって、図46,47に示す如く、音叉の原
理により振動が外に漏れにくい構造となつている。しか
し、分岐点の無い振動チューブ1本の構造は取れなくな
る。
【0018】本発明は、この問題点を解決するものであ
る。本発明の目的は、コリオリ質量流量計の内部の、振
動チューブの振動を外に漏らさないようにすることと、
外部からの振動ノイズや応力の影響を受け難くすること
によって、安定性、精度、耐振性が向上されたコリオリ
質量流量計を提供するにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、 (1)振動チューブ内に測定流体が流れ、該測定流体の
流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオ
リ力により、該振動チューブを変形振動させるコリオリ
質量流量計において、上流側固定端と下流側固定端とを
結ぶ直線を基準軸として振動する振動チューブと、前記
基準軸に平行して設けられ両端が前記振動チューブの両
端側にそれぞれ固定支持される補償体と、前記振動チュ
ーブを前記固定端近傍では前記基準軸回りのねじれが主
体となるように励振すると共に前記補償体をこの補償体
の振動が前記基準軸と同じ軸あるいはこの基準軸と平行
な軸を中心に回転するねじれ振動であり且つ前記振動チ
ューブの振動とは逆位相で前記振動チューブと前記補償
体との連結部では逆位相で振動することにより前記基準
軸回りのねじれ振動が互いに打ち消し合い発生する振動
を削減するように励振する励振手段とを具備したことを
特徴とするコリオリ質量流量計。 (2)前記励振手段として、一端が前記振動チューブに
接続され他端が前記補償体に接続された励振器を具備し
たことを特徴とする(1)記載のコリオリ質量流量計。 (3)前記励振手段として、前記振動チューブを励振す
る第1の励振器と、前記補償体を励振する第2の励振器
とを具備したことを特徴とする(1)又は(2)記載の
コリオリ質量流量計。 (4)前記補償体として、外部からの配管応力や振動ノ
イズが加わった場合に補償体や振動チューブの形状変化
が発生しないように十分に高い剛性を有する補償体を具
備したことを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記
載のコリオリ質量流量計。 (5)前記振動チューブとして、前記上流側固定端と前
記下流側固定端から等距離の中線に線対称であって少な
くとも1個の緩やかな曲部を有し前記上流側固定端と前
記下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸
の各点からそれぞれ所定距離の円周線上あるいはその近
傍で単振動をする一本の振動チューブを具備したことを
特徴とする(1)乃至(4)の何れかに記載のコリオリ
質量流量計。 (6)前記基準軸あるいは前記振動チューブに直交し一
端がこの振動チューブに固定され他端が前記基準軸に対
して前記振動チューブと反対側に配置され且つ前記中線
に対称な位置に少なくとも2個配置された板状の振動体
を具備し、前記振動チューブの質量分布と形状と剛性
と、前記振動体の質量分布と形状と剛性と間隔とを調整
して定常励振状態の前記振動チューブの両端連結部に発
生する力を前記基準軸周りのねじれ成分のみにして励振
器による加振力に起因する前記基準軸に直交する成分が
生じ無いようにされたことを特徴とする(1)乃至
(5)の何れかに記載のコリオリ質量流量計。 (7)前記基準軸あるいは前記振動チューブに直交し一
端がこの振動チューブに固定され他端が前記基準軸に対
して前記振動チューブと反対側に配置された板状の振動
体と、前記振動体の他端に設けられた振動検出センサと
を具備したことを特徴とする(1)乃至(6)の何れか
に記載のコリオリ質量流量計。 (8)前記振動チューブを2次モード以上の高次の振動
モードで励振する励振器を具備したことを特徴とする
(1)乃至(7)の何れかに記載のコリオリ質量流量
計。 (9)前記上流側固定端と前記下流側固定端と前記補償
体との間の前記振動チューブに設けられ前記基準軸の方
向の伸縮と前記基準軸回りの回転振動を吸収する柔構造
部を具備したことを特徴とする(1)乃至(8)の何れ
かに記載のコリオリ質量流量計。 を構成したものである。
【0020】
【作用】以上の構成において、振動チューブに測定流体
が流され、励振器が駆動されると、コリオリ力が働く、
このコリオリ力に比例した振動の振幅を測定すれば、質
量流量が測定出来る。
【0021】而して、非励振時の初期状態では、振動チ
ューブは基準軸上に、完全な直管として存在する。
【0022】励振器が作動することにより、引っ張りの
バイアス成分が加わり、基準軸の位置から所定半径の位
置に移動する。励振中の振動チューブは、単振動を行
う。
【0023】この結果、振動チューブと、補償体とは、
基準軸に関して、互いに逆回転の振動が発生する。振動
チューブと補償体とは、結合されている連結部で、逆方
向に力が働き合い、互いに打ち消し合って、振動の節を
形成する。
【0024】基準軸の回りの回転成分も抑えることがで
きるので、振動絶縁性を高めることができる。以下、実
施例に基づき詳細に説明する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例の要部
構成説明図で、請求項1と請求項2の一実施例である。
図2は図1のAーA断面図、図3は図1のB−B断面
図、図4,図5は図1の動作説明図である。図におい
て、図43と同一記号の構成は同一機能を表わす。以
下、図43と相違部分のみ説明する。
【0026】振動チューブ11は、上流側固定端12と
下流側固定端13とを結ぶ直線を基準軸14として振動
する。補償体15は、基準軸14に平行して設けられ、
両端が振動チューブ11の両端部にそれぞれ連結部1
6,17で連結固定されている。
【0027】励振器3は、この場合は、一端が振動チュ
ーブ11に接続され、他端が補償体15に接続されてい
る。作用反作用により、振動チューブ11と補償体15
とが、お互いに、反対方向の力を受けるように構成され
ている。
【0028】本実施例では、図2のY方向と、Z方向に
同時に2方向に加振が可能な様に、2組の励振器3が配
置されている。励振器3は、振動チューブ11を励振
し、連結部16,17の近傍では、基準軸14回りのね
じれが、主体となるように励振する。
【0029】また、励振器3は、補償体15の振動が、
基準軸14と同じ軸、あるいはこの基準軸14と平行な
軸を、中心に回転するねじれ振動となるように、補償体
15を励振する。
【0030】補償体15の振動は、振動チューブ11の
振動とは逆位相で、振動チューブ11と補償体15の連
結部16,17では、逆位相で振動することにより、基
準軸14回りのねじれ振動が、互いに打ち消し合い、発
生する振動を、大幅に削減する。
【0031】振動検出センサ4,5は、振動チューブ1
1の振動を検出する。本実施例では、図3のY方向と、
Z方向の同時に2方向の振動を検出できる様に、それぞ
れ2組の振動検出センサ4,5が配置されている。
【0032】以上の構成において、非励振時の初期状態
では、振動チューブ11は基準軸14上に、完全な直管
として存在する。初期状態では、図4,図5に示す如
く、Aの位置に振動チューブ11は存在する。
【0033】励振器3が作動することにより、引っ張り
のバイアス成分が加わり、基準軸14の位置から半径R
の位置に移動する。励振中の振動チューブ11は、B→
C→D→C→B→C→D(繰り返し)の様に位置を変え
ていく。
【0034】この結果、振動チューブ11と、補償体1
5とは、基準軸14に関して、互いに逆回転の振動が発
生する。振動チューブ11と補償体15とは、結合され
ている連結部16,17で、逆方向に力が働き合い、互
いに打ち消し合って、振動の節を形成する。
【0035】基準軸14の回りの回転成分も抑えること
ができるので、振動絶縁性を高めることができる。この
ように、振動絶縁を高めることで、以下のような利点を
発揮する。
【0036】(1)内部振動系は高Q値を実現でき、外
部ノイズが加わっても、その影響が相対的に少なく、振
動が安定なので、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流
量計が得られる。
【0037】(2)少ないエネルギで、安定した励振を
実現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計が得
られる。
【0038】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に、内部に振動が閉じこもっている
ので、その心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計が
実現できる。
【0039】また、 (4)励振器3を、振動チューブ11と補償体15との
間に設置することで、振動チューブ11と補償体15と
の両方を、互いに、逆位相で振動させる事が可能にな
る。振動チューブ11と補償体15との、各々用の励振
器3を、1個にまとめることができるので、構成が簡単
になり、低コストなコリオリ質量流量計が得られる。
【0040】図6は本発明の他の実施例の要部構成説明
図で、請求項3の一実施例である。図7は図6の動作説
明図である。本実施例においては、振動チューブ21
は、振動チューブ両端の固定端12,13付近では、振
動チューブは基準軸14上に存在する。
【0041】励振手段として、振動チューブ21を励振
する第1の励振器31と、補償体15を励振する第2の
励振器32とが使用されている。この場合は、第1の励
振器31と第2の励振器32とは、ハウジング6に支持
されている。
【0042】以上の構成において、図7は、振動チュー
ブ21の振動の様子を示す動作説明図である。励振振動
に伴い、点線E,Fと矢印G,Hで示したように、振動
チューブ11及び、補償振動体15は振動をする。
【0043】振動チューブ11と、補償体15とは、そ
の両側の連結部16,17付近では、基準軸14周りの
ねじれ振動だが、お互いに逆回りであり、その連結部1
6,17では、振動はキャンセルされる。
【0044】この結果、 (1)振動チューブ11の加振と、補償体15の加振と
を、第1、第2の励振器31,32を用いて別々に加振
する様にしたので、より細かな振動の制御が可能にな
る。
【0045】(2)振動チューブ11と、補償体15の
共振周波数が異なっても、個々に、位相の異なる加振を
行うことで、複雑な共振周波数設計を行わなくとも、振
動の節を容易に実現出来、安価なコリオリ質量流量計が
得られる。
【0046】図8は本発明の他の実施例の要部構成説明
図で、請求項4の一実施例である。図9は図8の側面図
である。本実施例においては、外部配管と接続の為のフ
ランジ2は省略されている。
【0047】本実施例においては、補償体41として、
外部からの配管応力や振動ノイズが加わった場合に、補
償体41や振動チューブ21の形状変化が発生しないよ
うに十分に高い剛性を有する補償体を使用したものであ
る。
【0048】この結果、十分に大きな剛性を持つ、補償
体41を有しているので、外部から応力や、振動ノイズ
が加わっても、補償体41内部の振動チューブ21にそ
の影響を伝えず、安定した励振を続けることができる。
すなわち、外部から応力や振動の影響を受けにくい、安
定して高精度なコリオリ質量流量計が得られる。
【0049】なお、本実施例においては、励振手段3と
検出手段4、5として、振動チューブ21、或いは、補
償体41の一方に設けられた電磁コイル301,40
1,501と、振動チューブ21、或いは補償体41の
他方に設けられたマグネット302,402,502と
が使用されている。
【0050】この場合は、振動チューブ21に励振コイ
ル301、センサーコイル401,501が設置され、
補償振動体15に励振マグネット302、センサーマグ
ネット402、502が設置されている。
【0051】以上の構成において、励振器3のコイル3
01とマグネット302とが反発するときには、図9に
示す如く、振動チューブ21は、矢印Iのように、基準
軸14を中心に右回りのねじれが発生し、補償振動体1
5は、矢印Jのように、基準軸14を中心に左回りのね
じれが発生する。
【0052】お互いに反対回転のねじりなので、その結
合部である連結部16,17では、力が打ち消し合い、
振動の節のように振動が発生しない。
【0053】この結果、励振器3を振動チューブ21
と、補償体15との間に設置することで、振動チューブ
21と、補償体15の両方を、互いに逆位相で振動させ
ることができる。
【0054】図10は本発明の他の実施例の要部構成説
明図で、請求項5の一実施例である。図11,図12,
図13は図10の動作説明図である。
【0055】本実施例においては、振動チューブ51
は、上流側固定端12と下流側固定端13から等距離の
中線52に線対称であって、少なくとも1個の緩やかな
曲部53を有する。
【0056】そして、振動チューブ51は、上流側固定
端12と下流側固定端13とを結ぶ直線を基準軸14と
して、この基準軸14の各点からそれぞれ所定距離の円
周線上で単振動をする一本のチューブよりなる。
【0057】なお、この場合は、上流側固定端12と下
流側固定端13間の距離をLとして、基準軸14と振動
チューブ51間の距離をhとすると、概ね h≦0.2
Lを満たす形状である事が望ましい。
【0058】以上の構成において、図11は、図10の
振動チューブ51のb−b断面図、図12は図10の振
動チューブ51のa−a,c−c断面図、図13は振動
チューブ51の振動の様子を示す斜視図である。図1
1,図12において、非励振状態の時、振動チューブ5
1はAの位置近傍にある。
【0059】励振状態になると、振動チューブ51の中
心は、基準軸14から半径R(x)離れた円周上を移動す
る。断面b−bの位置では、基準軸14から半径R(b)
離れた円周上を、断面a−aやc−cの位置では、基準
軸14から半径R(a) や R(c) 離れた円周上を、A→
B→A→C→A→B→A(繰り返し)のように振動する。
【0060】図13において、A,B,Cは図11,図
12の振動チューブ51の各位置に一致する。
【0061】なお、振動検出と信号処理に関しては、通
常のコリオリ質量流量計と同様な処理をすれば良い。例
えば、振動検出センサ4,5で、振動のY成分を検出
し、2つのセンサ出力の位相差を求め、周波数補正、温
度補正等を加えて、チューブ内部を流れる質量流量を求
める事が出来る。
【0062】振動チューブ51は、基準軸14から等距
離にある円周面内のみでの振動なので、振動チューブ5
1の位置がどこであっても、振動チューブ51の長さが
変わることはない。
【0063】従って、軸方向の引っ張りの力が常に一定
である。すなわち、軸方向の力が変化することによる、
振動の漏れを無くすことができる。
【0064】図14は、従来の1本管直管タイプの振動
チューブ1の振動の様子を示す動作説明図、図15は図
14の側面から見た動作説明図、図16は本実施例での
振動チューブ51の振動の様子を示す動作説明図、図1
7は図16の側面から見た動作説明図である。
【0065】図14において、図16と同条件にするた
め、振動チューブ1の両端側に、両端が連結部16,1
7により固定された補償体15が設けられた場合におい
て、図15に示す如く、振動チューブ1に通常の振動を
加えた場合。
【0066】振動チューブ1は、連結部16、17で固
定されているが、大きさ重さに実用上は制約があるコリ
オリ質量流量計では、完全な固定端にすることはでき
ず、連結部16、17の外側部分54,55の振動チュ
ーブ1の部分も、図14に示す如く、振動してしまう。
すなわち、振動絶縁が不十分であることを意味する。
【0067】一方、図16の場合、励振変形しても、Z
方向の力は少ないので、連結部16、17の外側部分5
6,57に形状変化は見られず、振動の漏れも小さい。
また、基準軸14周りのねじれ振動に関しては、補償体
15によりキャンセルできるので、連結部16、17の
外側には、振動は漏れない。
【0068】本実施例においては、振動絶縁が高まるこ
とにより、コリオリ質量流量計内部の振動が安定にな
り、高精度で安定したコリオリ質量流量計が実現出来
る。
【0069】具体的には、内部振動のQ値が高くなるの
で、振動ノイズの影響を受け難くなり、低消費電力を実
現し、振動の漏れ量の変化によるゼロ点やスパン変化を
低減できるコリオリ質量流量計が得られる。このように
振動絶縁を高めることで、以下のような利点を発揮す
る。
【0070】この結果、 (1)内部振動系は高Q値を実現でき、外部ノイズが加
わってもその影響が相対的に少なく、振動が安定なの
で、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流量計が得られ
る。
【0071】(2)少ないエネルギで安定した励振を実
現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計が得ら
れる。
【0072】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に内部に振動が閉じこもっているの
で、その心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計が得
られる。
【0073】また、 (4)測定流体流路は、流量計の入り口(インレット)
から出口(アウトレット)まで、分岐や、隙間の無い、
1本の貫通構造であるので、流速損失の少なく、詰まり
難く、洗浄しやすいコリオリ質量流量計が得られる。
【0074】(5)完全な直管でなく、振動チューブ5
1が、非励振状態で、予め所定形状に湾曲53されてい
るので、周囲温度変化に対して、湾曲部分53で吸収も
容易であり、温度特性が良好なコリオリ質量流量計が得
られる。
【0075】一般的な曲管でもなく、完全な直管でもな
く、適度な湾曲を持つことで、曲管と直管の長所を同時
に実現できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0076】図18は本発明の他の実施例の要部構成説
明図で、請求項6の一実施例である。図19は図18の
側面図である。
【0077】本実施例において、振動体61,62は、
基準軸14、あるいは振動チューブ21に直交し、一端
がこの振動チューブ21に固定され、他端が基準軸14
に対して振動チューブ21と反対側に配置され、且つ中
線52に対称な位置に少なくとも2個配置され、板状を
なす。
【0078】振動チューブ21の質量分布と形状と剛性
と、振動体61.62の質量分布と形状と剛性と間隔と
を調整して、定常励振状態の、振動チューブ21の両端
連結部16.17に発生する力を、基準軸14周りのね
じれ成分のみにして、励振器3による加振力に起因す
る、基準軸14に直交する成分が生じ無いようにされて
いる。
【0079】図20、図21、図22,図23は、図1
8の動作説明図で、ビーム要素を用いた有限要素法のモ
ーダル解析結果を示す。図20、図21、図22,図2
3においては、コリオリ質量流量計を形作るハウジング
6と、外部配管と接続の為のフランジ2と補償体15は
省略されている。
【0080】図20は斜視図、図21は図20のX方向
からの投影図、図22は図20のY方向からの投影図、
図23は図20のZ方向からの投影図であり、初期状態
の形状Dと、最大変形時の形状Eの両方が示されてい
る。
【0081】本実施例においては、振動チューブ21の
剛性、2つの振動体61.62の間隔、振動体61.6
2の形状と質量分布を調整することで、定常励振状態で
の(静的な変形では、ばね剛性による復元力しか考慮さ
れないが、実際は動的な状態における慣性力の影響も考
える必要がある。)チューブ両端連結部16.17に発
生する力に関して、基準軸回りのねじれ成分(図のROT
X)は生じるが、励振振動に起因する並進方向成分(図
のFY, FZ )が生じないようにすることを特徴としてい
る。
【0082】但し、基準軸14回りのねじれ成分につい
ては、補償体15の働きにより、キャンセルされるの
で、実質的に、振動が外に漏れにくい構造となる。
【0083】定常励振状態において、振動チューブ21
の両端の連結部16,17に、基準軸14回りのねじれ
成分以外の、並進方向成分の力が全く生じないので、振
動が外に漏れない。
【0084】請求項5では軸方向の伸縮力をゼロ、ある
いは大幅削減をしたが、請求項6によって、さらに加振
方向などの並進方向成分もゼロ、あるいは大幅削減を可
能になるコリオリ質量流量計得られる。
【0085】このように振動絶縁を高めることで、以下
のような利点を発揮する。 (1)内部振動系は高Q値を実現でき、外部ノイズが加
わってもその影響が相対的に少なく、振動が安定なの
で、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流量計得られ
る。
【0086】(2)少ないエネルギで安定した励振を実
現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計得られ
る。
【0087】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に、内部に振動が閉じこもっている
ので、その心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計得
られる。
【0088】図24は本発明の他の実施例の要部構成説
明図で、請求項7の一実施例である。図25は図24の
側面図である。
【0089】本実施例においては、振動検出センサ4,
5が、振動体61、62の他端に設けられている。
【0090】振動検出センサ4,5を、基準軸14をは
さんで振動チューブ21とは反対方向の、振動体61,
62の先端付近に設置することにより、最適な位置で振
動の検出が出来る。
【0091】振動体61,62の先端に位置すること
で、振動系の中でも、最も振幅が大きい所で振動測定が
可能になる。また、コリオリ力によって発生する位相差
も、大変大きくなる。
【0092】実際、図18実施例と、図24実施施例
(請求項7相当)を実験で比較した結果、一例として、
下記のようになった。 センサ振幅/ドライブ振幅の比は、 図18実施例は0.8、図24実施例では3.5。 発生位相差 < m rad >は、 図18実施例は8.8、図24実施例では37.5。 となる。
【0093】このように、振幅比でも、発生位相差で
も、図18実施例の場合に比較して、4倍強大きい値が
観測された。
【0094】この結果、 (1)測定振幅が大きければ、S/Nが向上する。逆
に、従来と同程度の測定振幅でよいのなら、励振力を小
さくすることが可能で、低消費電力のコリオリ質量流量
計が得られる。最大振幅が小さければ、振動エネルギー
も小さく、外部への漏れも小さくなり、振動絶縁も容易
になり、高精度で安定したコリオリ質量流量計が得られ
る。
【0095】(2)発生位相差が大きければ、信号変換
部分の信号処理が容易になる。すなわち、単純で安価な
信号処理回路でも、安定で高精度な性能を実現できるコ
リオリ質量流量計が得られる。
【0096】逆に、従来と同等の信号処理性能であれ
ば、発生位相差の小さい低流量域まで安定して測定が可
能になったり、もとから発生位相差の小さい気体の質量
流量測定が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0097】結局、振幅も位相差も4倍以上大きいの
で、非常に有利で、劇的な改善効果が得られる。
【0098】図26、図27、図28,図29は、本発
明の他の実施例の要部動作説明図で、請求項8の振動動
作説明図で、励振器3により、振動チューブ21を2次
モード以上の高次の振動モードで励振する。図24実施
例をシェル要素を用いた有限要素法で、モーダル解析を
行った結果である。
【0099】図26は斜視図、図27は図26のX方向
からの投影図、図28は図26のY方向からの投影図、
図29は図26のZ方向からの投影図であり、初期状態
の形状Dと、最大変形時の形状Eの両方が示されてい
る。
【0100】図24実施例の3次モード共振状態で、共
振周波数は267Hzである。通常、自励振させると、最
も低次の振動モードが励起しやすいが、本実施例では、
3次モードが励起するように励振器3を調整して、自励
振させる。
【0101】なお、図24実施例における、1次モード
共振周波数は153Hzで、図30、図31、図32,図
33に示したような振動モード形状である。
【0102】図30は斜視図、図31は図30のX方向
からの投影図、図32は図30のY方向からの投影図、
図33は図30のZ方向からの投影図であり、初期状態
の形状Dと、最大変形時の形状Eの両方が示されてい
る。
【0103】図30、図31、図32、図33に於て、
振動系全体が+Zの方向に変形している。円周振動では
ないし、励振力が直接に端部16、17に加わるので、
端部16、17には、X方向と、Z方向の大きな力が加
わる。
【0104】図24実施例における、2次モード共振周
波数は250Hzで、図34、図35、図36、図37に
示したような振動モード形状である。
【0105】図34は斜視図、図35は図34のX方向
からの投影図、図36は図34のY方向からの投影図、
図37は図34のZ方向からの投影図であり、初期状態
の形状Dと、最大変形時の形状Eの両方が示されてい
る。
【0106】図34、図35、図36、図37に於て、
振動チューブ21は、その中央付近で、Z方向の変形
が、プラスマイナス逆転している。振動チューブ21自
体の変形量が小さいので、コリオリ力の発生も小さく、
あまり実用的な振動モードではない。
【0107】図24実施例における、4次モード共振周
波数は397Hzで、図38、図39、図40、図41に
示したような振動モード形状である。
【0108】図38は斜視図、図39は図38のX方向
からの投影図、図40は図38のY方向からの投影図、
図41は図38のZ方向からの投影図であり、初期状態
の形状Dと、最大変形時の形状Eの両方が示されてい
る。
【0109】図38、図39、図40、図41におい
て、複雑な変形形状であるが、共振周波数が高いので、
あまり悪影響を及ぼすことはない。
【0110】この結果、2次、3次あるいは、それ以上
の高次モードで励振することで、以下のような利点があ
る。
【0111】(1)励振周波数を高めに設定しやすい。
低周波数での振動では、フィールドの振動ノイズを受け
易いのに対し、高周波数励振では、振動ノイズの影響を
受けにくい、コリオリ質量流量計が得られる。
【0112】(2)励振モードと、コリオリ力によって
発生する振動モードの共振周波数を近づけることができ
る。図24相当の実験結果では、駆動周波数は260H
z、コリオリ近似モードは246Hzと近いので、
【0113】下式より、P=1.057, Q=1000 なので、動
倍率G=8.5と大きくなり、発生位相差も大きい。 ただし、動倍率G=(1−P2)/((1−P22+(P/Q)) P=(駆動周波数)/(コリオリ近似モードの共振周波数)
【0114】(3)発生位相差が大きければ、信号変換
部の信号処理が容易になる。すなわち、単純で安価な信
号処理回路でも、安定で高精度な性能を実現できるコリ
オリ質量流量計が得られる。
【0115】逆に、従来と同等の信号処理性能であれ
ば、発生位相差の小さい低流量域まで安定して測定が可
能になったり、もとから発生位相差の小さい気体の質量
流量測定が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0116】図42は、本発明の他の実施例の要部構成
説明図で、請求項9の一実施例を示す。本実施例におい
ては、基準軸14の方向の伸縮と、基準軸14回りの回
転振動を吸収する柔構造部71が、上流下流側固定端1
2、13と、補償体15との間の、振動チューブ51に
設けられている。
【0117】この結果、柔構造部71が、上流下流側固
定端12、13と、補償体15との間の、振動チューブ
51に設けられたので、 (1)熱膨張を吸収することが可能になり、広い温度範
囲で安定して高精度で測定が可能なコリオリ質量流量計
が得られる。
【0118】(2)配管応力が加わった場合でも、柔構
造部71で吸収出来、内部まで影響を及ぼさず、安定し
て高精度なコリオリ質量流量計が得られる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、振動チューブと、補償体とは、基準軸に関し
て、互いに逆回転の振動が発生する。振動チューブと補
償体とは、結合されている連結部で、逆方向に力が働き
合い、互いに打ち消し合って、振動の節を形成する。
【0120】基準軸の回りの回転成分も抑えることがで
きるので、振動絶縁性を高めることができる。このよう
に、振動絶縁を高めることで、以下のような利点を発揮
する。
【0121】(1)内部振動系は高Q値を実現でき、外
部ノイズが加わっても、その影響が相対的に少なく、振
動が安定なので、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流
量計が得られる。
【0122】(2)少ないエネルギで、安定した励振を
実現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計が得
られる。
【0123】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に、内部に振動が閉じこもっている
ので、その心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計が
実現できる。
【0124】本発明の請求項2によれば、励振器を、振
動チューブと補償体との間に設置することで、振動チュ
ーブと補償体との両方を、互いに、逆位相で振動させる
事が可能になる。振動チューブと補償体それぞれ用の励
振器を1個にまとめることができるので、構成が簡単に
なり、低コストなコリオリ質量流量計が得られる。
【0125】本発明の請求項3によれば、 (1)振動チューブ11の加振と、補償体15の加振と
を、第1、第2の励振器31,32を用いて別々に加振
する様にしたので、より細かな振動の制御が可能にな
る。
【0126】(2)振動チューブ11と、補償体15の
共振周波数が異なっても、個々に、位相の異なる加振を
行うことで、複雑な共振周波数設計を行わなくとも、振
動の節を容易に実現出来、安価なコリオリ質量流量計が
得られる。
【0127】本発明の請求項4によれば、十分に大きな
剛性を持つ、補償体を有しているので、外部から応力
や、振動ノイズが加わっても、補償体内部の振動チュー
ブにその影響を伝えず、安定した励振を続けることがで
きる。すなわち、外部から応力や振動の影響を受けにく
い、安定して高精度なコリオリ質量流量計が得られる。
【0128】本発明の請求項5によれば、振動チューブ
は、基準軸から等距離にある円周面内のみでの振動なの
で、振動チューブの位置がどこであっても、振動チュー
ブの長さが変わることはない。
【0129】従って、軸方向の引っ張りの力が常に一定
である。すなわち、軸方向の力が変化することによる、
振動の漏れを無くすことができる。
【0130】この結果、 (1)内部振動系は高Q値を実現でき、外部ノイズが加
わってもその影響が相対的に少なく、振動が安定なの
で、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流量計が得られ
る。
【0131】(2)少ないエネルギで安定した励振を実
現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計が得ら
れる。
【0132】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に内部に振動が閉じこもっているの
で、その心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計が得
られる。
【0133】また、 (4)測定流体流路は、流量計の入り口(インレット)
から出口(アウトレット)まで、分岐や、隙間の無い、
1本の貫通構造であるので、流速損失の少なく、詰まり
難く、洗浄しやすいコリオリ質量流量計が得られる。
【0134】(5)完全な直管でなく、振動チューブ
が、非励振状態で、予め所定形状に湾曲されているの
で、周囲温度変化に対して、湾曲部分で吸収も容易であ
り、温度特性が良好なコリオリ質量流量計が得られる。
【0135】一般的な曲管でもなく、完全な直管でもな
く、適度な湾曲を持つことで、曲管と直管の長所を同時
に実現できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0136】本発明の請求項6によれば、定常励振状態
において、振動チューブの両端の連結部に、基準軸回り
のねじれ成分以外の、並進方向成分の力が全く生じない
ので、振動が外に漏れない。
【0137】請求項5では軸方向の伸縮力をゼロ、ある
いは大幅削減をしたが、請求項6によって、さらに加振
方向などの並進方向成分もゼロ、あるいは大幅削減を可
能になるコリオリ質量流量計得られる。
【0138】このように振動絶縁を高めることで、以下
のような利点を発揮する。 (1)内部振動系は高Q値を実現でき、外部ノイズが加
わってもその影響が相対的に少なく、振動が安定なの
で、外部振動ノイズに強いコリオリ質量流量計得られ
る。
【0139】(2)少ないエネルギで安定した励振を実
現できるので、低消費電流のコリオリ質量流量計得られ
る。
【0140】(3)外部への振動エネルギの散逸量が変
化したり、上下流で散逸量のバランスが崩れると、内部
の振動系に影響が及び、ゼロ点やスパンが変動してしま
う。本発明では、常に、内部に振動が閉じこもっている
のでその心配がなく、高精度なコリオリ質量流量計が得
られる。
【0141】本発明の請求項7によれば、振動検出セン
サを、基準軸をはさんで振動チューブとは反対方向の、
振動体の先端付近に設置することにより、最適な位置で
振動の検出が出来る。
【0142】振動体の先端に位置することで、振動系の
中でも、最も振幅が大きい所で振動測定が可能になる。
また、コリオリ力によって発生する位相差も、大変大き
くなる。
【0143】実際、図18実施例と、図24実施施例
(請求項7相当)を実験で比較した結果、一例として、
下記のようになった。 センサ振幅/ドライブ振幅の比は、 図18実施例は0.8、図24実施例では3.5。 発生位相差 < m rad >は、 図18実施例は8.8、図24実施例では37.5。 となる。
【0144】このように、振幅比でも、発生位相差で
も、図18実施例の場合に比較して、4倍強大きい値が
観測された。
【0145】この結果、 (1)測定振幅が大きければ、S/Nが向上する。逆
に、従来と同程度の測定振幅でよいのなら、励振力を小
さくすることが可能で、低消費電力のコリオリ質量流量
計が得られる。最大振幅が小さければ、振動エネルギー
も小さく、外部への漏れも小さくなり、振動絶縁も容易
になり、高精度で安定したコリオリ質量流量計が得られ
る。
【0146】(2)発生位相差が大きければ、信号変換
部分の信号処理が容易になる。すなわち、単純で安価な
信号処理回路でも、安定で高精度な性能を実現できるコ
リオリ質量流量計が得られる。
【0147】逆に、従来と同等の信号処理性能であれ
ば、発生位相差の小さい低流量域まで安定して測定が可
能になったり、もとから発生位相差の小さい気体の質量
流量測定が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0148】結局、振幅も位相差も4倍以上大きいの
で、非常に有利で、劇的な改善効果が得られる。
【0149】本発明の請求項8によれば、2次、3次あ
るいは、それ以上の高次モードで励振することで、以下
のような利点がある。
【0150】(1)励振周波数を高めに設定しやすい。
低周波数での振動では、フィールドの振動ノイズを受け
易いのに対し、高周波数励振では、振動ノイズの影響を
受けにくい、コリオリ質量流量計が得られる。
【0151】(2)励振モードと、コリオリ力によって
発生する振動モードの共振周波数を近づけることができ
る。また、発生位相差も大きい。
【0152】(3)発生位相差が大きければ、信号変換
部の信号処理が容易になる。すなわち、単純で安価な信
号処理回路でも、安定で高精度な性能を実現できるコリ
オリ質量流量計が得られる。
【0153】逆に、従来と同等の信号処理性能であれ
ば、発生位相差の小さい低流量域まで安定して測定が可
能になったり、もとから発生位相差の小さい気体の質量
流量測定が可能になるコリオリ質量流量計が得られる。
【0154】本発明の請求項9によれば、柔構造部が、
上流下流側固定端と、補償体との間の、振動チューブに
設けられたので、 (1)熱膨張を吸収することが可能になり、広い温度範
囲で安定して高精度で測定が可能なコリオリ質量流量計
が得られる。
【0155】(2)配管応力が加わった場合でも、柔構
造部で吸収出来、内部まで影響を及ぼさず、安定して高
精度なコリオリ質量流量計が得られる。
【0156】従って、本発明によれば、内部振動の絶縁
性を向上させる事により、安定性、精度、耐振性が向上
されるコリオリ質量流量計を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1のAーA断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1の動作説明図である。
【図5】図1の動作説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図7】図6の動作説明図である。
【図8】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】本発明の他の実施例の要部構成説明図であ
る。
【図11】図10の動作説明図である。
【図12】図10の動作説明図である。
【図13】図10の動作説明図である。
【図14】図10の動作説明図である。
【図15】図14の動作説明図である。
【図16】図10の動作説明図である。
【図17】図16の動作説明図である。
【図18】本発明の他の実施例の要部構成説明図であ
る。
【図19】図18の側面図である。
【図20】図18の動作斜視図である。
【図21】図20のX方向からの投影図である。
【図22】図20のY方向からの投影図である。
【図23】図20のZ方向からの投影図である。
【図24】本発明の他の実施例の要部構成説明図であ
る。
【図25】図21の側面図である。
【図26】本発明の他の実施例の要部動作斜視説明図で
ある。
【図27】図26のX方向からの投影図である。
【図28】図26のY方向からの投影図である。
【図29】図26のZ方向からの投影図である。
【図30】図24の1次モードの動作斜視説明図であ
る。
【図31】図30のX方向からの投影図である。
【図32】図30のY方向からの投影図である。
【図33】図30のZ方向からの投影図である。
【図34】図24の2次モードの動作斜視説明図であ
る。
【図35】図34のX方向からの投影図である。
【図36】図34のY方向からの投影図である。
【図37】図34のZ方向からの投影図である。
【図38】図24の4次モードの動作斜視説明図であ
る。
【図39】図38のX方向からの投影図である。
【図40】図38のY方向からの投影図である。
【図41】図38のZ方向からの投影図である。
【図42】本発明の他の実施例の要部構成説明図であ
る。
【図43】従来より一般に使用されている従来例の構成
説明図である。
【図44】従来より一般に使用されている他の従来例の
構成説明図である。
【図45】図43の動作説明図である。
【図46】図44の動作説明図である。
【図47】図44の動作説明図である。
【符号の説明】
2 フランジ 3 励振手段 4 振動検出センサ 5 振動検出センサ 6 ハウジング 11 振動チューブ 12 上流側固定端 13 下流側固定端 14 基準軸 15 補償体 16 連結部 17 連結部 21 振動チューブ 31 第1の励振器 32 第2の励振器 41 補償体 51 振動チューブ 52 中線 53 緩やかな曲部 54 外側部分 55 外側部分 56 外側部分 57 外側部分 61 振動体 62 振動体 71 柔構造部 301 コイル 302 マグネット 401 コイル 402 マグネット 501 コイル 502 マグネット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月29日(1998.7.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図34
【補正方法】変更
【補正内容】
【図34】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動チューブ内に測定流体が流れ、該測定
    流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じる
    コリオリ力により、該振動チューブを変形振動させるコ
    リオリ質量流量計において、 上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸とし
    て振動する振動チューブと、 前記基準軸に平行して設けられ両端が前記振動チューブ
    の両端側にそれぞれ固定支持される補償体と、 前記振動チューブを前記固定端近傍では前記基準軸回り
    のねじれが主体となるように励振すると共に前記補償体
    をこの補償体の振動が前記基準軸と同じ軸あるいはこの
    基準軸と平行な軸を中心に回転するねじれ振動であり且
    つ前記振動チューブの振動とは逆位相で前記振動チュー
    ブと前記補償体との連結部では逆位相で振動することに
    より前記基準軸回りのねじれ振動が互いに打ち消し合い
    発生する振動を削減するように励振する励振手段と、 を具備したことを特徴とするコリオリ質量流量計。
  2. 【請求項2】前記励振手段として、一端が前記振動チュ
    ーブに接続され他端が前記補償体に接続された励振器を
    具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量
    流量計。
  3. 【請求項3】前記励振手段として、前記振動チューブを
    励振する第1の励振器と、 前記補償体を励振する第2の励振器とを具備したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載のコリオリ質量流
    量計。
  4. 【請求項4】前記補償体として、外部からの配管応力や
    振動ノイズが加わった場合に補償体や振動チューブの形
    状変化が発生しないように十分に高い剛性を有する補償
    体を具備したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れかに記載のコリオリ質量流量計。
  5. 【請求項5】前記振動チューブとして、前記上流側固定
    端と前記下流側固定端から等距離の中線に線対称であっ
    て少なくとも1個の緩やかな曲部を有し前記上流側固定
    端と前記下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの
    基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上あるいは
    その近傍で単振動をする一本の振動チューブを具備した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載
    のコリオリ質量流量計。
  6. 【請求項6】前記基準軸あるいは前記振動チューブに直
    交し一端がこの振動チューブに固定され他端が前記基準
    軸に対して前記振動チューブと反対側に配置され且つ前
    記中線に対称な位置に少なくとも2個配置された板状の
    振動体を具備し、 前記振動チューブの質量分布と形状と剛性と、前記振動
    体の質量分布と形状と剛性と間隔とを調整して定常励振
    状態の前記振動チューブの両端連結部に発生する力を前
    記基準軸周りのねじれ成分のみにして励振器による加振
    力に起因する前記基準軸に直交する成分が生じ無いよう
    にされたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れ
    かに記載のコリオリ質量流量計。
  7. 【請求項7】前記基準軸あるいは前記振動チューブに直
    交し一端がこの振動チューブに固定され他端が前記基準
    軸に対して前記振動チューブと反対側に配置された板状
    の振動体と、 前記振動体の他端に設けられた振動検出センサとを具備
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに
    記載のコリオリ質量流量計。
  8. 【請求項8】前記振動チューブを2次モード以上の高次
    の振動モードで励振する励振器を具備したことを特徴と
    する請求項1乃至請求項7の何れかに記載のコリオリ質
    量流量計。
  9. 【請求項9】前記上流側固定端と前記下流側固定端と前
    記補償体との間の前記振動チューブに設けられ前記基準
    軸の方向の伸縮と前記基準軸回りの回転振動を吸収する
    柔構造部を具備したことを特徴とする請求項1乃至請求
    項8の何れかに記載のコリオリ質量流量計。
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