JP2000026497A - 抗腫瘍性物質be−60828及びその製造法 - Google Patents
抗腫瘍性物質be−60828及びその製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【構成】本発明は新規な構造式[I]
【化1】
で表される化合物に関する。
【効果】本発明の化合物は、マウス及びヒトの腫瘍細胞
に対して強い増殖抑制効果を示すことから、医薬の分野
で癌の治療剤として有用である。。
に対して強い増殖抑制効果を示すことから、医薬の分野
で癌の治療剤として有用である。。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬の分野で有用で
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
あり、より具体的には腫瘍細胞の増殖を阻害して抗腫瘍
作用を示す新規化合物、その製造法及びその用途並びに
該化合物を産生する微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、既に多く
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。このような状況は
依然として続いており、癌治療の分野においては常に新
規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
の化合物が医薬品として実用化されている。しかしなが
らさまざまな種類の腫瘍に対してその効果は必ずしも充
分ではなく、また臨床上これらの薬剤に対する腫瘍細胞
の耐性現象が明らかにされるにつれ、その臨床的応用性
は複雑化している[第47回日本癌学会総会記事、12
頁〜15頁(1988年)等参照]。このような状況は
依然として続いており、癌治療の分野においては常に新
規抗腫瘍性物質の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の希求に
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
応えることのできる新規な抗腫瘍性物質を提供すること
を目的とするものである。即ち、既存の抗腫瘍性物質が
充分に効果を発揮できない種々の腫瘍に対しても抗腫瘍
効果を発揮する化合物を提供することが本発明が解決し
ようとする課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記構
造式[I]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
題を解決すべく、抗腫瘍活性を有する物質について微生
物二次代謝産物を広くスクリーニングした結果、後記構
造式[I]で表される化合物が優れた抗腫瘍作用を示す
ことを見いだして本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は新規な構造式[I]
【0006】
【化2】 で表される化合物、その製造法及びその用途並びに該化
合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する微生
物に関するものである。
合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する微生
物に関するものである。
【0007】なお、抗腫瘍効果及び生産菌株ストレプト
ミセス エスピー A60828(Streptomy
ces sp. A60828)に因んで、構造式
[I]で表される化合物をBE−60828と称する。
ミセス エスピー A60828(Streptomy
ces sp. A60828)に因んで、構造式
[I]で表される化合物をBE−60828と称する。
【0008】以下に本発明にかかわる新規な抗腫瘍性物
質BE−60828の物理化学的な性状を示す。下記に
核磁気共鳴スペクトルにおける略号の意味を示す。 s :シングレット d :ダブレット dd:ダブレット オブ ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ
質BE−60828の物理化学的な性状を示す。下記に
核磁気共鳴スペクトルにおける略号の意味を示す。 s :シングレット d :ダブレット dd:ダブレット オブ ダブレット t :トリプレット q :カルテット m :マルチプレット br:ブロード J :カップリング定数 Hz:ヘルツ
【0009】BE−60828の物理化学的性状 性状 ;白色粉末 分子式 ;C38H50N6O8 質量分析 ;[HRFAB−MS]m/z 実測値:719.3770(M+H)+ 計算値:719.3768(C38H51N6O8) 比旋光度 ;[α] 20 D−13.2°(c0.5,Me
OH) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):298(55,100) 赤外部吸収スペクトル;νmax(KBr)cm-1:32
91,3276,2960,2937,1733,16
56,1513,1440,1270,1159,11
43,1110,1010,802,736 核磁気共鳴スペクトル;1H−NMR(500MHz,
CDCl3):δ0.98(3H,d,J=6.4H
z),1.38(3H,d,J=6.4Hz),1.5
2(3H,d,J=6.7Hz),1.79(1H,
m),1.81(3H,d,J=6.4Hz),1.9
4(2H,m),2.06(1H,dd,J=12.
8,7.3Hz),2.17(1H,m),2.36
(2H,m),2.83(3H,s),2.98(2
H,d,J=7.0Hz),3.08(1H,dd,J
=12.2,8.2Hz),3.52(3H,s),
3.74(1H,m),4.45(1H,d,J=7.
8Hz),4.51(1H,t,J=9.5Hz),
4.64(1H,dt,J=8.2,7.0Hz),
4.77(1H,q,J=6.7Hz),4.84(1
H,br d,J=11.6Hz),4.90(1H,
m),5.13(1H,dd,J=8.2,3.1H
z),5.90(1H,m),6.13(1H,dd,
J=15.0,10.4Hz),6.25(2H,
m),6.49(1H,dd,J=15.0,10.4
Hz),6.77(1H,d,J=9.5Hz),6.
97(1H,d,J=8.2Hz),7.16(2H,
d,J=7.8Hz),7.20(1H,t,J=7.
8Hz),7.29(3H,m),8.55(1H,
d,J=9.8Hz)13 C−NMR(125MHz,CDCl3):δ15.
6(q),17.4(q),18.2(q),18.4
(q),23.1(t),29.4(d),30.8
(q),30.8(t),38.6(t),38.7
(t),46.4(t),47.7(d),51.1
(d),54.3(t),55.2(d),56.2
(d),56.3(d),60.0(d),64.8
(t),122.8(d),126.7(d),12
7.9(d),128.6(d)×2,129.3
(d)×2,131.3(d),133.8(d),1
36.1(s),139.7(d),141.3
(d),164.6(s),166.1(s),16
9.8(s),169.9(s),171.4(s),
172.1(s),172.5(s) 溶解性 ;クロロホルム、メタノール、アセトン、ジ
メチルスルホキシドに溶け易く、水に溶けにくい。 Rf値 ;0.65[メルク社製キーゼルゲル60F
254使用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2
0:1)] 呈色反応 ;硫酸反応 陽性
OH) 紫外部吸収スペクトル;λmax(MeOH)nm
(ε):298(55,100) 赤外部吸収スペクトル;νmax(KBr)cm-1:32
91,3276,2960,2937,1733,16
56,1513,1440,1270,1159,11
43,1110,1010,802,736 核磁気共鳴スペクトル;1H−NMR(500MHz,
CDCl3):δ0.98(3H,d,J=6.4H
z),1.38(3H,d,J=6.4Hz),1.5
2(3H,d,J=6.7Hz),1.79(1H,
m),1.81(3H,d,J=6.4Hz),1.9
4(2H,m),2.06(1H,dd,J=12.
8,7.3Hz),2.17(1H,m),2.36
(2H,m),2.83(3H,s),2.98(2
H,d,J=7.0Hz),3.08(1H,dd,J
=12.2,8.2Hz),3.52(3H,s),
3.74(1H,m),4.45(1H,d,J=7.
8Hz),4.51(1H,t,J=9.5Hz),
4.64(1H,dt,J=8.2,7.0Hz),
4.77(1H,q,J=6.7Hz),4.84(1
H,br d,J=11.6Hz),4.90(1H,
m),5.13(1H,dd,J=8.2,3.1H
z),5.90(1H,m),6.13(1H,dd,
J=15.0,10.4Hz),6.25(2H,
m),6.49(1H,dd,J=15.0,10.4
Hz),6.77(1H,d,J=9.5Hz),6.
97(1H,d,J=8.2Hz),7.16(2H,
d,J=7.8Hz),7.20(1H,t,J=7.
8Hz),7.29(3H,m),8.55(1H,
d,J=9.8Hz)13 C−NMR(125MHz,CDCl3):δ15.
6(q),17.4(q),18.2(q),18.4
(q),23.1(t),29.4(d),30.8
(q),30.8(t),38.6(t),38.7
(t),46.4(t),47.7(d),51.1
(d),54.3(t),55.2(d),56.2
(d),56.3(d),60.0(d),64.8
(t),122.8(d),126.7(d),12
7.9(d),128.6(d)×2,129.3
(d)×2,131.3(d),133.8(d),1
36.1(s),139.7(d),141.3
(d),164.6(s),166.1(s),16
9.8(s),169.9(s),171.4(s),
172.1(s),172.5(s) 溶解性 ;クロロホルム、メタノール、アセトン、ジ
メチルスルホキシドに溶け易く、水に溶けにくい。 Rf値 ;0.65[メルク社製キーゼルゲル60F
254使用、展開溶媒:クロロホルム−メタノール(2
0:1)] 呈色反応 ;硫酸反応 陽性
【0010】BE−60828の生物学的活性(抗腫瘍
作用及び抗菌作用) 抗腫瘍性物質BE−60828のマウス実験腫瘍細胞に
対する増殖阻害作用を決定するため、試験管内で試験を
行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍試
験は、BE−60828をジメチルスルホキシドに溶解
後、逐次ジメチルスルホキシドで希釈し、次に牛胎児血
清10%含有RPMI1640培地で10倍希釈して検
液とした。細胞増殖阻害の検定は、1×103個の腫瘍
細胞を含む細胞培養培地(牛胎児血清10%含有RPM
I1640培地、20μMの2−メルカプトエタノール
を含む)100μlに対し上記検液5μlを加えた。3
7℃で72時間、5%CO2下で培養後、MTT測定法
により対照群と比較した。その結果、BE−60828
はマウス腫瘍細胞において強い増殖阻害活性を示し、そ
の50%増殖阻害濃度は第1表の通りであった。
作用及び抗菌作用) 抗腫瘍性物質BE−60828のマウス実験腫瘍細胞に
対する増殖阻害作用を決定するため、試験管内で試験を
行なった。マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍試
験は、BE−60828をジメチルスルホキシドに溶解
後、逐次ジメチルスルホキシドで希釈し、次に牛胎児血
清10%含有RPMI1640培地で10倍希釈して検
液とした。細胞増殖阻害の検定は、1×103個の腫瘍
細胞を含む細胞培養培地(牛胎児血清10%含有RPM
I1640培地、20μMの2−メルカプトエタノール
を含む)100μlに対し上記検液5μlを加えた。3
7℃で72時間、5%CO2下で培養後、MTT測定法
により対照群と比較した。その結果、BE−60828
はマウス腫瘍細胞において強い増殖阻害活性を示し、そ
の50%増殖阻害濃度は第1表の通りであった。
【0011】更に、抗腫瘍活性物質BE−60828の
ヒト腫瘍細胞に対する抗腫瘍活性を試験管内で試験し
た。ヒト肺癌細胞PC−13に対する抗腫瘍試験は、B
E−60828をジメチルスルホキシドに溶解後、逐次
ジメチルスルホキシドで希釈し、次に牛胎児血清10%
含有RPMI1640培地で10倍希釈して検液とし
た。腫瘍細胞増殖阻害の検定は、1×103 個の腫瘍細
胞を含む細胞培養用培地100μlを96穴マイクロプ
レートに分注し、37℃で24時間、5%CO 2下で培
養した後、上記検液5μlを加えた。更に、72時間培
養後細胞を16.7%トリクロロ酢酸で固定し、0.4
%スルホローダミンBで染色後、10mMトリス液を用
いて細胞から色素を抽出した。450nmを対照波長と
して550nmに於ける吸光度を測定して対照群と比較
した。その結果、BE−60828はヒト腫瘍細胞にお
いても強い増殖阻害活性を示し、その50%増殖阻害濃
度は第1表の通りであった。
ヒト腫瘍細胞に対する抗腫瘍活性を試験管内で試験し
た。ヒト肺癌細胞PC−13に対する抗腫瘍試験は、B
E−60828をジメチルスルホキシドに溶解後、逐次
ジメチルスルホキシドで希釈し、次に牛胎児血清10%
含有RPMI1640培地で10倍希釈して検液とし
た。腫瘍細胞増殖阻害の検定は、1×103 個の腫瘍細
胞を含む細胞培養用培地100μlを96穴マイクロプ
レートに分注し、37℃で24時間、5%CO 2下で培
養した後、上記検液5μlを加えた。更に、72時間培
養後細胞を16.7%トリクロロ酢酸で固定し、0.4
%スルホローダミンBで染色後、10mMトリス液を用
いて細胞から色素を抽出した。450nmを対照波長と
して550nmに於ける吸光度を測定して対照群と比較
した。その結果、BE−60828はヒト腫瘍細胞にお
いても強い増殖阻害活性を示し、その50%増殖阻害濃
度は第1表の通りであった。
【0012】
【表1】 上述したようにBE−60828はマウス及びヒトの腫
瘍細胞に対し顕著な増殖阻害作用を示す。したがって、
本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として
有用である。
瘍細胞に対し顕著な増殖阻害作用を示す。したがって、
本発明はヒトをはじめとする哺乳動物の抗腫瘍剤として
有用である。
【0013】また、BE−60828は抗菌活性を有す
る化合物である。各種の病原性微生物に対して測定し、
その最小発育阻止濃度を求めた。その結果を第2表に示
す。
る化合物である。各種の病原性微生物に対して測定し、
その最小発育阻止濃度を求めた。その結果を第2表に示
す。
【0014】
【表2】 第2表に示した如く、BE−60828は各種の病原性
微生物に対して顕著な抗菌活性を示す。従って、これら
の病原性微生物を起因菌とする疾病に対しての抗菌剤と
しても有用である。
微生物に対して顕著な抗菌活性を示す。従って、これら
の病原性微生物を起因菌とする疾病に対しての抗菌剤と
しても有用である。
【0015】次に、BE−60828の製造法について
説明する。 本発明の抗腫瘍性物質BE−60828の
製造に使用する微生物は、抗腫瘍性物質BE−6082
8を生産するものならばいずれでも良いが、例えば以下
の菌学的性状を有する微生物、即ち、A60828を用
いることができる。 1.形態 A60828はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌糸を
形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気菌糸
上には胞子の長い連鎖(50個以上)を作り、その形態
はらせん状である。胞子の表面は棘状で大きさが0.6
〜0.9×0.7〜1.0μm位の球形〜卵形であり、
胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観察され
ない。コロニ−はイ−スト・麦芽寒天培地等で気菌糸の
成熟と共に次第に湿潤化することが観察される。 2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14日間
培養)は第3表の通りであった。
説明する。 本発明の抗腫瘍性物質BE−60828の
製造に使用する微生物は、抗腫瘍性物質BE−6082
8を生産するものならばいずれでも良いが、例えば以下
の菌学的性状を有する微生物、即ち、A60828を用
いることができる。 1.形態 A60828はよく伸長し分岐する基生菌糸と気菌糸を
形成し、輪生岐及び菌糸の分断は認められない。気菌糸
上には胞子の長い連鎖(50個以上)を作り、その形態
はらせん状である。胞子の表面は棘状で大きさが0.6
〜0.9×0.7〜1.0μm位の球形〜卵形であり、
胞子のう、鞭毛胞子及び菌核等の特殊な器官は観察され
ない。コロニ−はイ−スト・麦芽寒天培地等で気菌糸の
成熟と共に次第に湿潤化することが観察される。 2.各種寒天平板培地における培養性状 各種寒天平板培地における培養性状(28℃、14日間
培養)は第3表の通りであった。
【0016】
【表3】 3.生育温度 生育温度(イ−スト・麦芽寒天培地、14日間培養)は
第4表の通りであった。
第4表の通りであった。
【0017】
【表4】 4.生理学的諸性質 生理学的諸性質は第5表の通りであった。
【0018】
【表5】 5.炭素源の利用能 炭素源の利用能は第6表の通りであった。
【0019】
【表6】 6.菌体成分 細胞壁からは、LLージアミノピメリン酸およびグリシ
ンが検出された。
ンが検出された。
【0020】以上の菌学的諸性質によりA60828は
放線菌ストレプトミセス(Streptomyces)
属に属すると考えられる。したがってA60828株を
ストレプトミセス エスピー A60828(Stre
ptomyces sp.A60828)と称すること
とした。尚、本菌株は平成10年5月1日付で通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてお
り、受託番号はFERM P−16788である。
放線菌ストレプトミセス(Streptomyces)
属に属すると考えられる。したがってA60828株を
ストレプトミセス エスピー A60828(Stre
ptomyces sp.A60828)と称すること
とした。尚、本菌株は平成10年5月1日付で通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてお
り、受託番号はFERM P−16788である。
【0021】本発明のストレプトミセス エスピー A
60828(Streptomyces sp. A6
0828)の変異株は、例えばX線若しくは紫外線など
の照射処理、例えばナイトロジェンマスタード、アザセ
リン、亜硝酸、2−アミノプリンもしくは1−メチル−
3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(MNNG)等の
変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質転換、形質
導入又は接合などの通常用いられる菌種変換処理方法に
よりストレプトミセス エスピー A60828(St
reptomyces sp. A60828)を変異
させた微生物である。
60828(Streptomyces sp. A6
0828)の変異株は、例えばX線若しくは紫外線など
の照射処理、例えばナイトロジェンマスタード、アザセ
リン、亜硝酸、2−アミノプリンもしくは1−メチル−
3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(MNNG)等の
変異誘起剤による処理、ファージ接触、形質転換、形質
導入又は接合などの通常用いられる菌種変換処理方法に
よりストレプトミセス エスピー A60828(St
reptomyces sp. A60828)を変異
させた微生物である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のBE−60828を製造
するにあたり、BE−60828の生産菌株を栄養源含
有培地に接種して好気的に発育させることにより、BE
−60828を含む培養物が得られる。栄養源として
は、放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例
えば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンステイープリカー、グルテンミ
ール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱
脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなど
が単独又は混合物として用いられる。無機塩としては、
市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−60828の生産に役立つもの例えば
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOP
S)又はホウ酸ナトリウムなどであれば、いずれも使用
することができる。
するにあたり、BE−60828の生産菌株を栄養源含
有培地に接種して好気的に発育させることにより、BE
−60828を含む培養物が得られる。栄養源として
は、放線菌の栄養源として公知のものが使用できる。例
えば、炭素源としては、市販されているブドウ糖、麦芽
糖、デンプン、庶糖、糖蜜又はデキストリンなどが単独
又は混合物として用いられる。窒素源としては、市販さ
れている大豆粉、コーンステイープリカー、グルテンミ
ール、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、ミートミール、脱脂米ヌカ、脱
脂肉骨粉、無機アンモニウム塩又は硝酸ナトリウムなど
が単独又は混合物として用いられる。無機塩としては、
市販されている炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、臭化ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム又は各種リン酸塩などを使用することができ
る。その他必要に応じて、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、モリブデン酸などの重金属塩を微量添加することも
できる。また、発泡の激しい場合には消泡剤として、例
えば大豆油又は亜麻仁油などの植物油、オクタデカノー
ルなどの高級アルコール類、各種シリコン化合物などを
適宜添加してもよい。これらのもの以外でも、該生産菌
が利用し、BE−60828の生産に役立つもの例えば
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOP
S)又はホウ酸ナトリウムなどであれば、いずれも使用
することができる。
【0023】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は14〜40℃が適当であるが、好ましくは21
〜31℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は168〜264時間、好ましくは192
〜240時間である。培養物から目的とするBE−60
828を採取するには、微生物の生産する代謝物から採
取するのに通常使用される分離手段を適宜利用すること
ができる。
の生産方法と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培
養でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、
振とう培養又は通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養又は深部通気攪拌培養が望ましい。培
養温度は14〜40℃が適当であるが、好ましくは21
〜31℃である。好ましい培地のpHは4〜8の範囲
で、培養時間は168〜264時間、好ましくは192
〜240時間である。培養物から目的とするBE−60
828を採取するには、微生物の生産する代謝物から採
取するのに通常使用される分離手段を適宜利用すること
ができる。
【0024】BE−60828は菌体及び濾液に存在す
るので、菌体及び濾液より通常の分離手段、例えば溶媒
抽出法、イオン交換樹脂法又は吸着若しくは分配クロマ
トグラフィー法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わ
せて行なうことにより精製できる。
るので、菌体及び濾液より通常の分離手段、例えば溶媒
抽出法、イオン交換樹脂法又は吸着若しくは分配クロマ
トグラフィー法及びゲル濾過法などを単独又は組み合わ
せて行なうことにより精製できる。
【0025】好ましい分離精製の例として次の方法が挙
げられる。まず培養液を濾過し、菌体と濾液に分離す
る。得られた菌体はメタノール又はアセトンなどの有機
溶媒を用いて抽出する。濾液はイオン交換樹脂法又は吸
着クロマトグラフィー法などにより精製する。菌体より
得られた粗抽出物は、水−酢酸エチルで分配を行ない、
酢酸エチル層を留去後、得られる残留物及び濾液より得
られた粗精製物について逆相カラムクロマトグラフィー
を行なう。BE−60828を含む画分を減圧下で濃縮
し、再度逆相カラムクロマトグラフィーを行うことによ
り、BE−60828を得ることができる。
げられる。まず培養液を濾過し、菌体と濾液に分離す
る。得られた菌体はメタノール又はアセトンなどの有機
溶媒を用いて抽出する。濾液はイオン交換樹脂法又は吸
着クロマトグラフィー法などにより精製する。菌体より
得られた粗抽出物は、水−酢酸エチルで分配を行ない、
酢酸エチル層を留去後、得られる残留物及び濾液より得
られた粗精製物について逆相カラムクロマトグラフィー
を行なう。BE−60828を含む画分を減圧下で濃縮
し、再度逆相カラムクロマトグラフィーを行うことによ
り、BE−60828を得ることができる。
【0026】本発明の化合物BE−60828は腫瘍細
胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発明化
合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態としては各
種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、
顆粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液若し
くは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げられ
る。
胞の増殖を阻害し、抗腫瘍効果を発揮するが、本発明化
合物を抗腫瘍剤として使用する際の投与形態としては各
種の形態を選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、
顆粒剤若しくは液剤などの経口剤、又は例えば溶液若し
くは懸濁液などの殺菌した液状の非経口剤が挙げられ
る。
【0027】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばアルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウ
ムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリドン若しくは
ポリアルキレングリコールなどの合成高分子、例えばス
テアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウ
ムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアルコール若しく
はベンジルアルコールなどのアルコール類、例えばメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセ
ルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース
などの合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、
タルク、植物油、アラビアゴムなど通常用いられる添加
物が挙げられる。
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。そ
のような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖
などの糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米など
のデンプン類、例えばステアリン酸などの脂肪酸、例え
ばアルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウ
ムなどの無機塩、例えばポリビニルピロリドン若しくは
ポリアルキレングリコールなどの合成高分子、例えばス
テアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウ
ムなどの脂肪酸塩、例えばステアリルアルコール若しく
はベンジルアルコールなどのアルコール類、例えばメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセ
ルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース
などの合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、
タルク、植物油、アラビアゴムなど通常用いられる添加
物が挙げられる。
【0028】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。液状製
剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナッツ
油若しくはゴマ油などの植物由来の油など液状製剤にお
いて通常用いられる適当な添加剤を使用し、懸濁液、シ
ロップ剤又は注射剤などの形態として製造される。 特
に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又は皮下注射で投
与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用蒸留
水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射用)、生理食塩
水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体
(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウムなどの水溶
液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)
など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。 これらの
注射剤はあらかじめ溶解したもののほか、粉末のままあ
るいは適当な添加剤を加えたものを用時溶解する形態も
とり得る。これらの注射液は通常、0.1〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を含む。 ま
た、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤などの液剤は、
0.5〜10重量%の有効成分を含む。
末などの固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、
好ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。液状製
剤は、水、アルコール類又は例えば大豆油、ピーナッツ
油若しくはゴマ油などの植物由来の油など液状製剤にお
いて通常用いられる適当な添加剤を使用し、懸濁液、シ
ロップ剤又は注射剤などの形態として製造される。 特
に、非経口的に筋肉内注射、静脈注射又は皮下注射で投
与する場合の適当な溶剤としては、例えば注射用蒸留
水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉注射用)、生理食塩
水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈内注射用液体
(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウムなどの水溶
液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内注射用)
など、又はこれらの混合溶液が挙げられる。 これらの
注射剤はあらかじめ溶解したもののほか、粉末のままあ
るいは適当な添加剤を加えたものを用時溶解する形態も
とり得る。これらの注射液は通常、0.1〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を含む。 ま
た、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤などの液剤は、
0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0029】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100mgである。なお、投与
回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ないし
5回である。
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍に
よって変化することに注意すべきである。例えば、1日
あたりの成人の投与量は、経口投与の場合、10〜50
0mgであり、非経口投与、好ましくは静脈注射の場
合、1日あたり、10〜100mgである。なお、投与
回数は投与方法及び症状によって異なるが、1回ないし
5回である。
【0030】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例BE−60828の製造法 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A60828をグルコ
ース 0.1%、デキストリン(MS−3600)
2.0%、魚粉 0.5%、コーングルテンミール
1.0%、酵母エキス 0.1%、MOPS 0.5
%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化ナトリウム
0.1%、塩化カルシウム 0.05%、硫酸第一鉄
0.0002%、塩化第二銅 0.00004%、塩化
マンガン 0.00004%、塩化コバルト 0.00
004%、硫酸亜鉛 0.00008%、ホウ酸ナトリ
ウム 0.00008%及びモリブデン酸ナトリウム
0.00024%からなる培地(pH 7.0)220
mlを含む500ml容の三角フラスコ1本に接種し、
28℃で72時間、回転振盪機(毎分180回転)上で
培養した。この培養液200mlを上記培地10Lを含
む20L容のタンク1本に接種し、28℃で141時
間、通気(1.0vvm)攪拌(毎分300回転)培養
した。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例BE−60828の製造法 斜面軟寒天培地に接種した放線菌A60828をグルコ
ース 0.1%、デキストリン(MS−3600)
2.0%、魚粉 0.5%、コーングルテンミール
1.0%、酵母エキス 0.1%、MOPS 0.5
%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化ナトリウム
0.1%、塩化カルシウム 0.05%、硫酸第一鉄
0.0002%、塩化第二銅 0.00004%、塩化
マンガン 0.00004%、塩化コバルト 0.00
004%、硫酸亜鉛 0.00008%、ホウ酸ナトリ
ウム 0.00008%及びモリブデン酸ナトリウム
0.00024%からなる培地(pH 7.0)220
mlを含む500ml容の三角フラスコ1本に接種し、
28℃で72時間、回転振盪機(毎分180回転)上で
培養した。この培養液200mlを上記培地10Lを含
む20L容のタンク1本に接種し、28℃で141時
間、通気(1.0vvm)攪拌(毎分300回転)培養
した。
【0031】上記の培養により得られた培養液(約10
L)から濾過により菌体と濾液に分離した。菌体は、メ
タノール(7L)を加え攪拌後濾過し、メタノール抽出
液を得た。このメタノール抽出液を減圧下濃縮後、1L
の酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル画分を減圧下濃
縮乾固した。濾液はダイアイオン HP−20SSカラ
ムクロマトグラフィー(三菱化学社製、φ5×30c
m)に付し、メタノール−水(8:2)で溶出し、目的
の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾固した。菌体及び濾
液より得られた乾固物をメタノール(10ml)に溶解
した後、コスモシル 75C18カラムクロマトグラフ
ィー(ナカライテスク社製、φ3×50cm)に付し、
メタノール−水(9:1)で溶出後、目的の化合物を含
む画分を減圧下濃縮乾固した。次にその乾固物をメタノ
ール(12ml)に溶解した後、高速液体クロマトグラ
フィー用カラム(YMC−Guardpack ODS
G−350−10及びYMC−Pack ODS R
−355−10カラム、いづれもYMC社製、φ5×5
cm及びφ5×50cm)を使用して高速液体クロマト
グラフィーを行なった。移動相に、メタノール−水(8
5:15)を用いて、流速100ml/minで溶出す
ることにより、目的の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾
固した。最後にこの乾固物をアセトン(10ml)で溶
解し、ヘキサン(30ml)を加え、アセトンを減圧下
留去し、粉末を析出させることでBE−60828を4
35mg得た。
L)から濾過により菌体と濾液に分離した。菌体は、メ
タノール(7L)を加え攪拌後濾過し、メタノール抽出
液を得た。このメタノール抽出液を減圧下濃縮後、1L
の酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル画分を減圧下濃
縮乾固した。濾液はダイアイオン HP−20SSカラ
ムクロマトグラフィー(三菱化学社製、φ5×30c
m)に付し、メタノール−水(8:2)で溶出し、目的
の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾固した。菌体及び濾
液より得られた乾固物をメタノール(10ml)に溶解
した後、コスモシル 75C18カラムクロマトグラフ
ィー(ナカライテスク社製、φ3×50cm)に付し、
メタノール−水(9:1)で溶出後、目的の化合物を含
む画分を減圧下濃縮乾固した。次にその乾固物をメタノ
ール(12ml)に溶解した後、高速液体クロマトグラ
フィー用カラム(YMC−Guardpack ODS
G−350−10及びYMC−Pack ODS R
−355−10カラム、いづれもYMC社製、φ5×5
cm及びφ5×50cm)を使用して高速液体クロマト
グラフィーを行なった。移動相に、メタノール−水(8
5:15)を用いて、流速100ml/minで溶出す
ることにより、目的の化合物を含む画分を減圧下濃縮乾
固した。最後にこの乾固物をアセトン(10ml)で溶
解し、ヘキサン(30ml)を加え、アセトンを減圧下
留去し、粉末を析出させることでBE−60828を4
35mg得た。
【0032】以下に本発明の化合物の製剤例を示すが、
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−60828)10部、重質酸化マグネシ
ウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、500μ
m以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤をカ
プセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−60828)45部、澱粉15部、乳糖
16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコー
ル3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒
して乾燥し、次いで篩別して直径355〜1400μm
の大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2と同様の方法で得られた顆粒剤90部に対して
結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3
部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、こ
れにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁
液を加えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−60828)0.6部、非イオン系界面
活性剤2.4部及び生理的食塩水97部を加温混合して
からアンプルに入れ、滅菌を行って注射剤を作製した。
本発明の化合物の製剤は本製剤例に限定されるものでは
ない。 製剤例1 本物質(BE−60828)10部、重質酸化マグネシ
ウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、500μ
m以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤をカ
プセル容器に入れカプセル剤とした。 製剤例2 本物質(BE−60828)45部、澱粉15部、乳糖
16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコー
ル3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒
して乾燥し、次いで篩別して直径355〜1400μm
の大きさの顆粒剤とした。 製剤例3 製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒
剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて
圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製した。 製剤例4 製剤例2と同様の方法で得られた顆粒剤90部に対して
結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3
部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、こ
れにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁
液を加えて糖衣錠を作製した。 製剤例5 本物質(BE−60828)0.6部、非イオン系界面
活性剤2.4部及び生理的食塩水97部を加温混合して
からアンプルに入れ、滅菌を行って注射剤を作製した。
【0033】
【発明の効果】本発明に記載するBE−60828は、
マウス及びヒトの腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を
示すことから、医薬の分野で癌の治療剤として有用であ
る。
マウス及びヒトの腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を
示すことから、医薬の分野で癌の治療剤として有用であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 久雄 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 (72)発明者 小尻 勝久 東京都中央区日本橋本町2丁目2番3号 萬有製薬株式会社内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番地 萬有製薬株 式会社つくば研究所内 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA07 BA16 BA25 CA04 MA17 MA23 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA66 NA05 ZB262 ZB352 4H045 AA10 AA20 AA30 BA34 CA11 EA28 EA29 FA71 FA73
Claims (6)
- 【請求項1】構造式[I] 【化1】 で表される化合物。
- 【請求項2】ストレプトミセス(Streptomyc
es)属に属し、請求項1記載の構造式[I]で表され
る化合物を産生する能力を有する微生物を培養し、その
培養物から該構造式[I]で表される化合物を採取する
ことを特徴とする、該構造式[I]で表される化合物の
製造法。 - 【請求項3】請求項1記載の構造式[I]で表される化
合物を産生する能力を有する微生物が、ストレプトミセ
ス エスピー A60828(Streptomyce
s sp. A60828)又はその変異株である請求
項2記載の製造法。 - 【請求項4】請求項1記載の構造式[I]で表される化
合物を有効成分とする抗腫瘍剤。 - 【請求項5】請求項1記載の構造式[I]で表される化
合物を産生する能力を有することを特徴とするストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する微生
物。 - 【請求項6】ストレプトミセス(Streptomyc
es)属に属する微生物が、ストレプトミセス エスピ
ー A60828(Streptomyces sp.
A60828)又はその変異株である請求項5記載の
微生物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10202706A JP2000026497A (ja) | 1998-07-02 | 1998-07-02 | 抗腫瘍性物質be−60828及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10202706A JP2000026497A (ja) | 1998-07-02 | 1998-07-02 | 抗腫瘍性物質be−60828及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000026497A true JP2000026497A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16461813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10202706A Pending JP2000026497A (ja) | 1998-07-02 | 1998-07-02 | 抗腫瘍性物質be−60828及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000026497A (ja) |
-
1998
- 1998-07-02 JP JP10202706A patent/JP2000026497A/ja active Pending
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