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JP2000006543A - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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Publication number
JP2000006543A
JP2000006543A JP10176318A JP17631898A JP2000006543A JP 2000006543 A JP2000006543 A JP 2000006543A JP 10176318 A JP10176318 A JP 10176318A JP 17631898 A JP17631898 A JP 17631898A JP 2000006543 A JP2000006543 A JP 2000006543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blanket
cylinder
printing
layer
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10176318A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromasa Okubo
博正 大久保
Shunichi Ogita
俊一 荻田
Seiji Tomono
誠二 伴野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP10176318A priority Critical patent/JP2000006543A/ja
Publication of JP2000006543A publication Critical patent/JP2000006543A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 倍胴型オフセット印刷機において、版胴の溝
部に堆積したインキに起因して印刷画像に汚れが発生す
るのを抑制することができる印刷用ブランケットを提供
する。 【解決手段】 本発明の印刷用ブランケット10は、多
孔質の圧縮性層を有することのある支持体層と、この支
持体層上に設けられた表面印刷層とからなる平板状のブ
ランケットであって、版胴の2倍の胴径を有するブラン
ケット胴20に装着した状態で、ブランケット胴20の
中心軸21を介してブランケット胴の溝部22と対向す
る箇所にブランケット胴20の軸方向xに沿った凹部1
1が設けられており、かつ当該凹部11の表面にインキ
との親和性が低いシリコーンゴム等からなるコーティン
グ膜が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる倍胴型の
オフセット印刷機に用いられる印刷用ブランケットに関
する。
【0002】
【従来の技術】オフセット輪転印刷機には、版胴とブラ
ンケット胴との胴径が同じであるいわゆるシングル胴
(単胴)型のほか、ブランケット胴の胴径が版胴の2倍
であるいわゆる倍胴型が知られている。
【0003】このうち倍胴型オフセット印刷機は、印刷
ユニット間に充分な作業スペースを確保できたり、回転
速度が同一である場合にはシングル胴に比べて1回転あ
たりの印刷部数が2倍になる等の利点がある。
【0004】しかし一方で、印刷を繰り返して版胴の溝
部(印刷用版を取り付けるための溝)にインキが堆積す
ると、このインキがブランケットを介して印刷物に転移
し、その結果、印刷画像が汚れるといった不具合が生じ
るといった問題がある。
【0005】すなわちシングル胴型印刷機では、図4に
示すように、ブランケット胴30と版胴40との胴径比
が1:1であるため、版胴40を一回転させたときにブ
ランケット胴30も一回転する。従って、図4の左側に
示すように、版胴の溝部41(印刷用版42のギャップ
部)とブランケット胴の溝部31(ブランケット32の
ギャップ部)との位置をあらかじめ合わせた上で印刷を
開始すれば、前記版胴の溝部41とブランケット32の
表面とが接触することがない。
【0006】これに対し倍胴型オフセット印刷機では、
図5に示すように、ブランケット胴20と版胴40との
胴径比が2:1であるため、版胴40が一回転してもブ
ランケット胴20は半分しか回転しない。従って、図5
の左側に示すように、ブランケット胴の溝部22(ブラ
ンケット24のギャップ部)と版胴の溝部41(印刷用
版42のギャップ部)との位置をあらかじめ合わせて印
刷を開始しても、図5の右側に示すように版胴40が一
回転したときには、ブランケット胴の中心軸21を介し
てブランケット胴の溝部22と対向する箇所に版胴の溝
部41が接触する。この接触の際に、版胴の溝部41に
堆積したインキ25がブランケット24の表面(ブラン
ケット胴の溝部22と対向する箇所)に付着してしま
う。このインキ25はさらに印刷物に転移されて、印刷
画像上の汚れの原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、倍胴型オフセ
ット印刷機での印刷においてブランケット表面と版胴の
溝部とが接触するのを防止すべく、ブランケット表面の
うち版胴の溝部と接触しうる箇所に凹部を設けたブラン
ケットを用いることが試みられている。かかるブランケ
ットは、ブランケット胴の中心軸を介してブランケット
胴の溝部(ブランケットを取り付けるための溝)と対向
する箇所の厚みを薄くすることにより、該溝部にブラン
ケット胴の軸方向に沿った凹部を設けたものである。
【0008】しかしながら、版胴の溝部に堆積したイン
キは、版胴が回転する際の遠心力によって版胴の溝部か
ら印刷用ブランケットへ飛散してしまう。従って、ブラ
ンケットの表面に前述の凹部を設けたとしても、繰り返
し印刷したときに印刷画像への汚れが頻繁に発生すると
いう問題を解決することができない。
【0009】一方、印刷用版の洗浄頻度を高くすること
によって上記の問題を解決する方法が考えられる。しか
し、版胴の溝部へのインキの堆積に伴って印刷画像に汚
れが生じるという現象は、印刷条件等により異なるもの
の例えば1000回程度印刷を繰り返すことによって起
こりうる。このため、かかる方法にて上記の問題を解決
するには印刷用版の洗浄頻度が高くなり過ぎてしまい、
印刷の生産性が低下するという新たな問題が生じる。
【0010】そこで本発明の目的は、ブランケット胴の
胴径が版胴の胴径の2倍ある倍胴型オフセット印刷機に
用いた場合に、版胴の溝部から飛散したインキが付着す
るのを抑制することができる印刷用ブランケットを提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、多孔質の圧縮
性層を有することのある支持体層と、この支持体層上に
設けられた表面印刷層とからなる平板状の印刷用ブラン
ケットにおいて、版胴の2倍の胴径を有するブランケッ
ト胴に前記ブランケットを装着した状態で、ブランケッ
ト胴の中心軸を介してブランケット胴の溝部と対向する
箇所にブランケット胴の軸方向に沿った凹部が設けられ
ており、かつ該凹部の表面にインキとの親和性が低いコ
ーティング膜が形成されているときは、版胴の溝部に堆
積したインキに起因して印刷画像が汚れるという不具合
が発生するのを十分に抑制することができるという新た
な事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】上記本発明の印刷用ブランケットにおい
て、インキとの親和性が低いコーティング膜には、シリ
コーンゴム、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、フッ素ゴ
ムからなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の印刷用ブランケッ
トについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の一実施形態にかかる印刷用
ブランケット10を示す斜視図、図2は凹部11付近を
拡大したA−A矢視断面図、図3は本発明の印刷用ブラ
ンケット10をブランケット胴20に装着した状態を示
す模式図である。
【0015】本発明の印刷用ブランケット10は、図1
および図2に示すように、複数の基布層12を含む支持
体層13と、この支持体層13上に設けた表面印刷層1
4とからなる。支持体層13の内部には、多孔質の弾性
部材からなる圧縮性層15を設けてもよい。
【0016】印刷用ブランケット10の表面に設けられ
た凹部11は、図1および図3に示すように、印刷用ブ
ランケット10をブランケット胴20に装着した際、ブ
ランケット胴の中心軸21を介してブランケット胴の溝
部22(ブランケットのギャップ部)と対向する箇所
に、ブランケット胴の軸方向xに沿った方向で溝状に形
成される。なお、図3中の符号23は、ブランケット胴
の溝部22において印刷用ブランケット10を巻き込
み、固定するための固定部材を示す。
【0017】凹部11の深さdは、図2に示すように表
面印刷層14の表面から、後述するコーティング膜16
の表面までの長さである。凹部の深さdは特に限定され
ないが、0.1mm以上、好ましくは0.2〜0.5m
m、より好ましくは0.3〜0.4mmの範囲で設定す
るのが適当である。凹部の深さdが0.1mmを下回る
と、版胴の溝部に堆積したインキの付着を防止する効果
が得られなくなるおそれがある。
【0018】凹部11の幅wは版胴の溝部の幅に応じて
設定するのが適当である。すなわち、凹部の幅wが版胴
の溝部の幅に比べて狭過ぎると、当該溝部に堆積したイ
ンキがブランケット10の表面に付着するおそれがあ
る。逆に、凹部の幅wを版胴の溝部の幅より広くしても
インキの付着を防止する効果に変わりはなく、却ってブ
ランケット10の印刷可能領域を不必要に狭くするなど
の不利益を被るおそれがある。
【0019】凹部11の表面には、インキとの親和性が
低いコーティング膜16が形成されている。このコーテ
ィング膜16を形成することにより、版胴の溝部に堆積
したインキが凹部11に飛散付着するのを効果的に防止
することができる。
【0020】インキとの親和性が低いコーティング膜と
しては、例えばシリコーンゴム、シリコーン樹脂、フッ
素系樹脂、フッ素ゴム等があげられる。これらの材料は
単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0021】凹部11の表面に形成されるコーティング
膜16の厚みtは特に限定されないが、0.1mm以
上、好ましくは0.2〜0.5mm、より好ましくは
0.3〜0.4mmの範囲で設定するのが適当である。
コーティング膜16の厚みtが0.1mmを下回ると、
版ギャップ部のインキの付着を防止する効果が得られな
くなるおそれがある。
【0022】次に、本発明の印刷用ブランケットを構成
する表面印刷層14、支持体層13等について説明す
る。
【0023】〔表面印刷層14〕表面印刷層14に用い
るゴム材料としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム(NBR)、水添化NBR、クロロプレンゴム(C
R)、ポリウレタンゴム、アクリルゴム等の合成ゴムが
あげられ、さらにこれらの混合物や前記合成ゴムと多硫
化ゴムとの混合物なども好適に用いられる。表面印刷層
14を形成する際、このゴム材料は所定量の加硫剤、加
硫促進剤および必要に応じて充填剤等とともにトルエ
ン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解されて、表面印
刷層用ゴム糊として用いられる。
【0024】表面印刷層14の厚みは特に限定されない
が、通常、0.05〜2.0mm、好ましくは0.1〜
0.6mm、より好ましくは0.2〜0.4mmの範囲
で設定するのが適当である。表面印刷層14の厚みが上
記範囲を下回ると、基布の模様が印刷画像に現れるおそ
れがある。逆に厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひ
ずみが大きくなりすぎて印刷品質が低下するおそれがあ
る。
【0025】凹部11が形成されている部分における表
面印刷層の厚みも特に限定されるものではなく、凹部1
1部分では表面印刷層が全く無くてもよい。
【0026】表面印刷層14の硬度は特に限定されない
が、JIS A硬度で50〜70°、好ましくは55〜
65°の範囲に調整するのが適当である。表面印刷層1
4の硬度が上記範囲を下回ると印刷時のひずみが大きく
なりすぎるため、排紙性が低下し、見当合わせの精度も
低下するおそれがある。逆に、表面印刷層14の硬度が
上記範囲を超えると表面印刷層の柔軟性が不十分になる
ため、ベタ着肉性が低下するおそれがある。
【0027】表面印刷層14の表面粗さも特に限定され
ないが、10点平均粗さRzで1.0μm以下であるの
が好ましい。表面印刷層14の表面粗さが上記範囲を超
えると、印刷された網点の形状が乱れるなどして、印刷
品質が低下するという問題が生じる。なお、上記表面粗
さは印刷品質の観点から小さいほど好ましい。〔支持体
層13〕支持体層13は、複数(図2では4層)の基布
層(補強層)12と、必要に応じて設けられる少なくと
も1層の圧縮性層15とを積層したものである。
【0028】基布層12は、綿、ポリエステル、レーヨ
ン等の織布または不織布からなる基布にゴム糊を含浸さ
せたものであって、なかでも伸び取り加工を施した織布
であるのが好ましい。基布層用ゴム糊には、例えばアク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴ
ム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料
に、所定量の加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて増
粘剤等を配合したものが用いられる。
【0029】基布層12の厚みは特に限定されないが、
通常、0.15〜0.5mm、好ましくは0.25〜
0.45mmの範囲で設定するのが適当である。また、
支持体層13全体の厚みは、後述する圧縮性層15の厚
み等に応じて設定されるものであるが、通常1.45〜
1.85mm、好ましくは1.55〜1.75mmの範
囲で設定される。なお、基布層12の数は製品に要求さ
れる特性等に応じて適宜設定すればよく、通常1〜5層
であるのが好ましい。
【0030】なお、本発明においては、上記支持体層1
3における基布に代えて、例えばポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエ
ーテルスルフォン(PES)、ナイロン等の合成樹脂製
のフィルムや、あるいはアルミニウム、ステンレス等の
金属の薄板を用いることもできる。
【0031】圧縮性層15を構成するゴムとしては特に
限定されないが、例えばアクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレ
ンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)等の、インキや洗
浄液に対する耐性を有する耐油性のゴムが好適に使用さ
れる。圧縮性層15は、上記ゴム材料に、所定量の加硫
剤、加硫促進剤等を配合し、さらに、後述する発泡剤あ
るいは中空微粒子等の充填剤を必要に応じて配合したも
のが用いられる。また、発泡剤や中空微粒子に代えて食
塩を配合したものを用いてもよい。
【0032】圧縮性層15の厚みは特に限定されない
が、通常、0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜
0.5mmの範囲で設定するのが適当である。圧縮性層
15の厚みが上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印
圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に厚みが上記
範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて印
刷品質が低下するおそれがある。
【0033】圧縮性層15に使用するゴムの硬度も特に
限定されないが、JIS A硬度で40〜80°、好ま
しくは45〜75°、より好ましくは50〜70°の範
囲に調整するのが適当である。圧縮性層15の硬度が上
記範囲を下回ると、圧縮性層15、ひいては印刷用ブラ
ンケット10自体の復元性が低下してヘタリが生じた
り、印刷に必要な印圧が得られなくなるおそれがある。
逆に、硬度が上記範囲を超えると、圧縮性が低下して印
圧の調整が不十分になるおそれがある。
【0034】圧縮性層15は前述のように多孔質の弾性
部材からなるものであって、該層内部の各気泡がそれぞ
れ独立した独立気泡構造のものと、各気泡が互いに連通
した連続気泡構造のものとがある。本発明ではこのいず
れの構造であってもよく、両方の構造を併用してもよ
い。
【0035】上記のうち独立気泡構造の圧縮性層は、例
えば加熱分解してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム
中に分散して、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、
あるいはゴム中に中空微粒子を分散させる方法(マイク
ロバルーン法)によって形成される。一方、連続気泡構
造の圧縮性層は、未加硫のゴム中に食塩等の抽出可能な
粒子を分散し、加硫後に、ゴムの性質に影響を及ぼさな
い溶媒(食塩の場合は水)により上記粒子を抽出する方
法(リーチング法)によって形成される。
【0036】圧縮性層15内の気泡の割合(空隙率)は
特に限定されないが、通常、30〜70%、好ましくは
35〜60%、より好ましくは40〜55%の範囲に調
整するのが適当である。圧縮性層15の空隙率が上記範
囲を下回ると、圧縮性が低下して印圧の調整が不十分に
なるおそれがある。逆に空隙率が上記範囲を超えると、
復元性が低下してヘタリが生じたり、印刷に必要な印圧
が得られなくなるおそれがある。
【0037】次に、本発明の印刷用ブランケット10の
製造方法について説明する。
【0038】本発明の印刷用ブランケット10を製造す
るには、まず、上記基布層12を所定数積層し、または
必要に応じ圧縮性層15を介して基布層12を積層して
支持体層13を作成する。次いで、この支持体層13上
に前述の表面印刷層用ゴム糊をブレードコーティングす
ることにより、表面印刷層14を形成する。さらに、こ
うして得られた積層体を所定の圧力と温度で加熱加硫す
ることによってブランケットが得られる。
【0039】次いで、表面印刷層14の所定の箇所、す
なわち印刷用ブランケット10をブランケット胴20に
装着した状態で、ブランケット胴の中心軸21を介して
ブランケット胴の溝部22と対向する箇所(図3参照)
に凹部11を形成すべく、当該箇所の表面印刷層14を
研磨、切削等の手段にて除去する。さらに、こうして得
られた溝の表面に前述のコーティング膜16を形成する
ことによって、凹部11を有する本発明の印刷用ブラン
ケット10が得られる。
【0040】前記コーティング膜16の作製方法として
は、例えばコーティング膜16がシリコーンゴムからな
る場合は、液状シリコーンゴムを塗布して加熱乾燥する
方法があげられる。また、コーティング膜16がシリコ
ーン樹脂やフッ素系樹脂からなる場合は、該樹脂を適当
な溶剤に溶かして塗布して加熱乾燥する方法があげられ
る。
【0041】前記コーティング膜16に用いられるシリ
コーンゴム、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂およびフッ
素ゴムは、インキとの親和性が低く、容易にインキが付
着することのない膜を形成できるものであれば特に限定
されない。すなわち、例えば前記液状シリコーンゴムと
しては、一液型と二液型、縮合型と付加型等の種類に限
定されず、従来公知の種々のタイプのものが使用可能で
ある。また、シリコーンオイルには、例えばジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メ
チルハイドロジェンシリコーンオイル、変性シリコーン
オイル等の従来公知の種々のタイプのものが使用可能で
ある。
【0042】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明する。
【0043】実施例1 以下に示すようにして、図1および図2に示す印刷用ブ
ランケット10を作成した。
【0044】(i) 支持体層13の作製 基布として綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維を
組み合わせてなる混紡織物を用いた。この基布に含浸さ
せる基布層用ゴム糊には、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)100重量部に対して、沈降炭酸カル
シウム30重量部、ジオクチルアジペート10重量部、
酸化チタン5重量部、亜鉛華3重量部、ステアリン酸1
重量部、硫黄1重量部および加硫促進剤(チアゾール
類)2重量部を配合し、トルエンおよびメチルエチルケ
トンに溶解させたものを用いた。また、圧縮性層用のゴ
ム糊には、NBR100重量部に対して、カーボンブラ
ック45重量部、亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量
部、ジオクチルアジペート5重量部、硫黄1重量部およ
び加硫促進剤(チアゾール類)2重量部を配合し、トル
エンおよびメチルエチルケトンに溶解させ、さらに食塩
粒子(粒径1〜50μm)を混合したものを用いた。
【0045】上記基布層用ゴム糊を基布上に糊引きして
ゴムの厚みを0.05mmに調整した後、こうして得ら
れた3枚の基布層12をロールで圧着させた。次いで、
得られた積層体の外表面に前記圧縮性層用ゴム糊を塗布
し、リーチング法によって厚さ0.5mm、空隙率50
体積%の圧縮性層15を形成した。
【0046】次いで、上記の方法と同様にして得られた
基布層1枚を、圧縮性層15の表面に貼り合わせて、図
2に示す層構成からなる支持体層13を得た。
【0047】(ii)表面印刷層14の作製 表面印刷層用ゴム糊には、NBR100重量部に対し
て、ハードクレー35重量部、亜鉛華3重量部、ステア
リン酸1重量部、ジオクチルアジペート5重量部、硫黄
1重量部および加硫促進剤(チアゾール類)2重量部を
トルエンおよびメチルエチルケトンに溶解させたものを
用いた。
【0048】上記表面印刷層用ゴム糊を、(i) で得られ
た支持体層13上にブレードコーティング法にて糊引き
し、乾燥させて、厚さ0.4mmの表面印刷層14を形
成した。
【0049】(iii) 加硫・成形 上記(i) および(ii)によって得られた未加硫の積層体
を、圧力1kg/cm2、温度150℃で加硫・成形し
た。加硫後、表面印刷層14の表面の10点平均粗さ
(Rz、JIS B 0601−1982)が3〜6μ
mになるように研磨した。こうして、長さ(L1 )=1
310mm、幅(L2 )=1060mmの積層体を得
た。
【0050】(iv)凹部11の形成 図1に示すように、ブランケットの端部17より636
〜646mmの位置において表面印刷層14を研磨し
て、深さ0.2mm、幅w10mmの溝を形成した。さ
らに、この溝の表面に液状シリコーンゴム〔信越シリコ
ーン(株)製の商品名「Sコートグレイ」〕を塗布して
50℃で20時間加熱乾燥することにより、厚さ0.1
mmのコーティング膜16(シリコーンゴム層)を形成
して、図1および図2に示す印刷用ブランケット10を
得た。なお、上記ブランケット10における凹部11の
深さdは0.1mmである。
【0051】(印刷試験)印刷試験は、印刷用ブランケ
ット10を三菱重工業(株)製の倍胴型オフセット輪転
印刷機(型番「ナローギャップネオ」)のシリンダに装
着し、1000rpmの印刷速度にて、階調を設けた網
点の集合からなるテストチャートを上質紙に連続印刷し
て行った。
【0052】そして、印刷画像に、版ギャップ部に堆積
したインキに起因する汚れが発生したときの印刷部数を
確認した。
【0053】実施例2〜4、比較例1、2 凹部11の深さdおよび膜16の厚みtが異なるほか
は、実施例1と同様にして印刷用ブランケット10を作
成し、上記の印刷試験を行った。
【0054】なお、比較例1では凹部11を形成しなか
った。また、比較例2では表面印刷層14に溝を形成し
たものの、その表面に膜16を形成しなかった。
【0055】以上の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】表1より明らかなように、実施例1〜4の印刷
用ブランケットを用いて印刷したときには、版胴のギャ
ップ部に堆積したインキに起因する汚れが、1万部以上
の印刷を繰り返した後に発生している。一方、比較例1
および2の印刷用ブランケットで印刷したときは、汚れ
が生じるまでの印刷部数が実施例に比べて極めて少なか
った。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の印刷用ブ
ランケットによれば、倍胴型オフセット印刷機にて印刷
を行っても、版胴のギャップ部に堆積したインキに起因
する印刷画像の汚れが充分に抑制される。従って、印刷
用版の洗浄頻度が低く、印刷の生産性が損なわれること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの一実施形態を示
す斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視拡大断面図である。
【図3】本発明の印刷用ブランケットをブランケット胴
に装着した状態を示す説明図である。
【図4】シングル胴型オフセット印刷機において、印刷
用版とブランケットとの動きを示す説明図である。
【図5】従来の倍胴型オフセット印刷機において、版胴
の溝部に堆積したインキがブランケットの表面に付着す
るのを示す説明図である。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット 11 凹部 13 支持体層 14 表面印刷層 15 圧縮性層 16 膜 20 ブランケット胴 21 中心軸線 22 ブランケット胴の溝部 x 軸方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質の圧縮性層を有することのある支持
    体層と、この支持体層上に設けられた表面印刷層とから
    なる平板状の印刷用ブランケットにおいて、 版胴の2倍の胴径を有するブランケット胴に前記ブラン
    ケットを装着した状態で、ブランケット胴の中心軸を介
    してブランケット胴の溝部と対向する箇所にブランケッ
    ト胴の軸方向に沿った凹部が設けられており、かつ該凹
    部の表面にインキとの親和性が低いコーティング膜が形
    成されていることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】前記コーティング膜が、シリコーンゴム、
    シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、フッ素ゴムからなる群
    より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の印刷
    用ブランケット。
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