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- [No.H288] 大阪市営地下鉄は、民営化して Osaka Metro に
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
大阪市営地下鉄は、民営化して Osaka Metro に [No.H288]
大阪市は、交通局を去る4月1日に民営化しました。
交通局には、大きく地下鉄とバスの部門がありましたが、それぞれ、次の民営会社となっています。
地下鉄…大阪市高速電気軌道株式会社(愛称:Osaka Metro)
市バス…大阪シティバス株式会社
民営化といっても、Osaka Metro は大阪市が100%出資していますし、大阪シティバスは大阪市が34. 7%、Osaka Metroが65. 3%を出資していますので、現状では資本金のすべてを大阪市が拠出している状態です。これは、国鉄がJRになってすぐの頃と同じですから、今後、収益を増やして上場することで真の民営化を果たすことが求められることでしょう。
愛称の Osaka Metro は、東京の帝都高速度交通営団(通称・営団)が民営化されて東京地下鉄株式会社となり、愛称「東京メトロ」となったのと似ていますよね。ただし「Osaka Metro」は、ご覧の通りアルファベットで記すことになっています。「東京メトロ」は通常漢字とカタカナで表記しますので、この点が異なります。ただし、メディアによっては「大阪メトロ」と漢字とカタカナで表記することもあります。
その Osaka Metro のシンボルマークは、“moving M”と呼ばれる、「M」の中にOsakaの「O」を内包した図柄で、「M」が「O」をらせん状に包んで動いているイメージだということです。既成概念を打ち破った「動く」シンボルマークは、チャレンジ精神を表すとともに、「走り続ける」「変わり続ける」姿を象徴化しているそうです。
ところで、大阪市交通局時代のマークはというと、左の写真に赤い矢印の先にあるマークでした。これは、緑木検車場の一般公開時に撮影したものですので、車体が吊り上げられ、その下に見学者が写っています。
このマークは、大阪市の「O」と高速鉄道の「コ」を組み合わせたことから「マルコマーク」と呼ばれていました。御堂筋線の建設時に作られたもので、大阪市を突き抜けて、郊外をも真っ直ぐに結ぶという意図があるそうです。
これはこれで、なかなかシンプルな良いデザインですよね。
先に、大阪市交通局の地下鉄をOsaka Metro という新会社に移管した旨を記しましたが、同社には地下鉄とともに、新交通システムの路線もあります。大阪南港フェリーターミナルなどに行く南港ポートタウン線です。
無人運転をしている同線ですが、先頭車両の最前部中央付近に moving M がつけられています。
地下鉄車両は車体側面に moving M をつけているので、このように正面がちに写真を撮るとよくわかりません。しかし、この南港ポートタウン線のニュートラムのうち新形となる200系には、真正面につけられているのです。
同線も含めて、Osaka Metro の路線は営業キロが137. 8kmで、133駅、1,354両が在籍し、一日平均乗車人員は2016年度大阪市交時代の実績で245. 7万人です。いずれも大手民鉄と肩を並べる数字ですし、地下鉄部門は近年黒字が続いています。
民営化した新会社は、初年度から好業績が期待できそうですね。
掲載日:2018年06月08日
交通局には、大きく地下鉄とバスの部門がありましたが、それぞれ、次の民営会社となっています。
地下鉄…大阪市高速電気軌道株式会社(愛称:Osaka Metro)
市バス…大阪シティバス株式会社
民営化といっても、Osaka Metro は大阪市が100%出資していますし、大阪シティバスは大阪市が34. 7%、Osaka Metroが65. 3%を出資していますので、現状では資本金のすべてを大阪市が拠出している状態です。これは、国鉄がJRになってすぐの頃と同じですから、今後、収益を増やして上場することで真の民営化を果たすことが求められることでしょう。
愛称の Osaka Metro は、東京の帝都高速度交通営団(通称・営団)が民営化されて東京地下鉄株式会社となり、愛称「東京メトロ」となったのと似ていますよね。ただし「Osaka Metro」は、ご覧の通りアルファベットで記すことになっています。「東京メトロ」は通常漢字とカタカナで表記しますので、この点が異なります。ただし、メディアによっては「大阪メトロ」と漢字とカタカナで表記することもあります。
その Osaka Metro のシンボルマークは、“moving M”と呼ばれる、「M」の中にOsakaの「O」を内包した図柄で、「M」が「O」をらせん状に包んで動いているイメージだということです。既成概念を打ち破った「動く」シンボルマークは、チャレンジ精神を表すとともに、「走り続ける」「変わり続ける」姿を象徴化しているそうです。
ところで、大阪市交通局時代のマークはというと、左の写真に赤い矢印の先にあるマークでした。これは、緑木検車場の一般公開時に撮影したものですので、車体が吊り上げられ、その下に見学者が写っています。
このマークは、大阪市の「O」と高速鉄道の「コ」を組み合わせたことから「マルコマーク」と呼ばれていました。御堂筋線の建設時に作られたもので、大阪市を突き抜けて、郊外をも真っ直ぐに結ぶという意図があるそうです。
これはこれで、なかなかシンプルな良いデザインですよね。
先に、大阪市交通局の地下鉄をOsaka Metro という新会社に移管した旨を記しましたが、同社には地下鉄とともに、新交通システムの路線もあります。大阪南港フェリーターミナルなどに行く南港ポートタウン線です。
無人運転をしている同線ですが、先頭車両の最前部中央付近に moving M がつけられています。
地下鉄車両は車体側面に moving M をつけているので、このように正面がちに写真を撮るとよくわかりません。しかし、この南港ポートタウン線のニュートラムのうち新形となる200系には、真正面につけられているのです。
同線も含めて、Osaka Metro の路線は営業キロが137. 8kmで、133駅、1,354両が在籍し、一日平均乗車人員は2016年度大阪市交時代の実績で245. 7万人です。いずれも大手民鉄と肩を並べる数字ですし、地下鉄部門は近年黒字が続いています。
民営化した新会社は、初年度から好業績が期待できそうですね。
掲載日:2018年06月08日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。