ランニング前にウォーミングアップ、ストレッチを取り入れることは、循環器系や筋肉の動きを活性化し、優れたパフォーマンスを発揮することにつながります。時には、軽いワークアウトを取り入れることも効果的です。今回は、ランニングのための効率的なウォーミングアップの方法をご紹介します。
※本記事では海外のアシックスランニングコーチの指導内容をご紹介しており、日本でのアシックスラン二ングコーチの指導内容と異なる箇所がございます。
ランニングの前にウォーミングアップ、ストレッチをする必要がありますか?
運動、特に走る前にウォーミングアップを行うことは重要です。準備運動としてストレッチをすることで、ケガを防ぎ、潜在的な能力を高めることができます。
健康の専門家でASICS FrontRunnerのメンバーでもあるクリスティーナ・ポランコは次のように述べています。「ランニング前のウォーミングアップは、ケガの予防とトレーニングへ向けた筋肉の準備に必要なことです」
ランニング前にウォーミングアップ、ストレッチをするメリット
走る前にウォーミングアップ、ストレッチをすることは、ランナーに多くのメリットをもたらしてくれます。
- 筋肉のパフォーマンスを向上させます。
ウォーミングアップは筋肉を刺激し、パフォーマンスを向上させます。 - 心拍数をあげます。
ウォーミングアップは血流を良くすることで、運動の前にアスリートの心臓の動きを活発にします。 - ケガのリスクを減らします。
ウォーミングアップやストレッチの多くは、アスリートの敏捷性を向上させ、結果としてケガのリスクを減少させることがわかっています。
ランニング前のウォームアップエクササイズ10
運動前の軽いストレッチやエクササイズ、短時間のジョギングは、ランナーのパフォーマンスを高めます。ウォーミングアップのテクニックをいくつかご紹介します。
1.ヒールトゥバット
かかとをお尻につける、走る前に行うストレッチエクササイズです。片足ずつ高く上げてその場で行います。これは、足の筋を伸ばして柔軟にし、筋肉を鍛える効果があります。
2.ニートゥチェスト
床に横になり、腰を床に押し付け、ひざを胸の辺りにもってきます。ひざを立てている間、反対側の足をまっすぐに伸ばします。このストレッチで筋肉を鍛えることもできます。
(写真は立って行っていますが、この場合は猫背にならないように注意しましょう)
3.ヒップローテーション
胸を張って背筋を伸ばし、足を肩幅位に開きます。両手を腰に置いて、腰を左から右に円を描くように動かします。この動作を繰り返し、右から左方向も行います。これは、腰の敏捷性と強度を高めるための、腰を伸ばすエクササイズです。
4.フォワード・アンド・サイドランジ
立った状態から、片足を一歩前に踏み出し、90度の角度にランジ姿勢をとります。もう片方の足で同じ動作を行います。これは股関節やひざ関節の筋をのばしつつ、大腿部の筋肉を鍛える効果があります。
5.レッグスイング
壁に手をつくなどしてふらつかないようにした状態で、足首を曲げ、片足を前後に振り、足の筋を無理なく伸ばしましょう。左右の足を変えて行います。
6.マウンテンクライマー
腕立て伏せの姿勢で、体幹に集中し肩から足まで直線になる状態でキープします。そのままの位置で、ひざを片方ずつ胸までもっていきます。このウォーミングアップでは、腹部の筋肉を鍛えることができます。
7.アームサークル
立った姿勢から、両腕を横にまっすぐに伸ばします。時計回りまたは反時計回りに回します。走る前のウォーミングアップにアームサークルを加えることで、腕をほぐして筋肉を鍛えることができます。
8.ニーサークル
両足をそろえて立った状態から、少し曲げたひざをつかみ、両ひざを時計回りに動かしてストレッチします。このエクササイズは、ランニング、ジョギングの前にひざと足首を適度に伸ばし、温める効果があります。
9.ショルダーロール
腕をリラックスさせた状態で立ち、両肩を耳に向かって後方へすくめます。このストレッチを繰り返すことで、肩周りをほぐすことができます。
10.フォワードスキップ
立った状態から、腰の高さまでひざを持ち上げ、もう一方の足はまっすぐな状態にします。この勢いを使って前に進み、着地したら足を切り替えます。このエクササイズによって、ランニング、ジョギングの前に心拍数を上げることができます。
ランニング前のウォーミングアップにはどのくらいの時間をかければいいですか?
ランニング、ジョギングの前のウォーミングアップでは、心拍数を上げ、筋をのばし、筋肉をほぐすことが重要です。では、そのウォーミングアップにどのくらいの時間をかければいいのかというと、実際には個人差があります。一般的には、5~10分間のウォーミングアップで、すべての主要な筋肉群に十分な効果があると言う専門家もいます。
体を整えることの重要性
ランニングのためのウォーミングアップ、ストレッチは毎日のエクササイズに欠かせないものですが、なかには良くない影響を与えるものもあります。
ASICS FrontRunnerのメンバーであるマグダレナ・ボシェルスカは、「ウォーミングアップの開始時は、ハードなエクササイズは避けるべきです」と言います。
重要なことは、無理のないウォーミングアップ、ストレッチを行うことが、その後のランニング、ジョギングの効果を高めるということです。適切なウエアやアイテムをそろえることも、ウォーミングアップやストレッチと同じく大切です。