WO2024247606A1

WO2024247606A1 - シャワーヘッド

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Publication number: WO2024247606A1
Application number: PCT/JP2024/016838
Authority: WO
Inventors: 康弘尾関
Original assignee: 株式会社Mtg
Priority date: 2023-05-31
Filing date: 2024-05-02
Publication date: 2024-12-05
Also published as: TW202448585A

Abstract

回転体の回転過程において、回転体がヘッド本体に対してがたつくことを抑制する。シャワーヘッドは、ヘッド本体と、ヘッド本体に設けられたノズル部材と、ヘッド本体とノズル部材との間に配置され、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、を備える。回転体のうち、回転軸から離間した位置には第１の係合部が設けられ、ヘッド本体には、回転軸に沿った方向において第１の係合部と係合する第２の係合部が設けられ、第１の係合部と第２の係合部との少なくとも一方が回転軸を中心とする周方向に延びている。

Description

シャワーヘッド

　本明細書に開示される技術は、シャワーヘッドに関する。

　従来から、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた操作部材を備えるシャワーヘッドが知られている。この種のシャワーヘッドは、ヘッド本体と、ノズル部材と、操作部材とを備えている。ヘッド本体は、流体が流通可能な流路を有する。ノズル部材は、ヘッド本体に設けられている。操作部材は、ヘッド本体とノズル部材との間に配置され、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１４－２０４８４２号公報

　しかし、従来のシャワーヘッドでは、例えば吐水中に操作部材を回転操作する際、操作部材に対して回転軸から偏心した位置に水圧が集中的に働くことにより、操作部材とヘッド本体との間の隙間がばらつき、操作部材がヘッド本体に対してがたつくことがある。

　本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。

　本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。

（１）本明細書に開示されるシャワーヘッドは、流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体に設けられたノズル部材と、前記ヘッド本体に対して前記ノズル部材側に配置され、前記ヘッド本体に対して所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、を備える。前記回転体のうち、前記回転軸から離間した位置には第１の係合部が設けられている。前記ヘッド本体には、前記回転軸に沿った方向において前記第１の係合部と係合する第２の係合部が設けられている。前記第１の係合部と前記第２の係合部との少なくとも一方が前記回転軸を中心とする周方向に延びている。

　従来のシャワーヘッドでは、例えば吐水中に回転体を回転させる際、回転体に対して回転軸から偏心した位置に水圧が働く場合がある。この場合、回転体とヘッド本体との間の隙間がばらつき、回転体がヘッド本体に対してがたつくことがある。これに対して、本シャワーヘッドでは、回転体の回転軸から離間した位置において、回転体の第１の係合部とヘッド本体の第２の係合部とが互いに係合する。第１の係合部と第２の係合部との少なくとも一方が周方向に延びており、その係合部の形状に沿って回転体が回転移動する。このため、回転体の回転過程において、回転体がヘッド本体に対してがたつくことを抑制することができる。

（２）上記シャワーヘッドにおいて、前記第１の係合部と前記第２の係合部との一方の係合部分は、前記回転軸を中心とする仮想円の周方向に連続的に繋がっている円弧形状であり、他方の係合部分は、前記周方向に断続的に配置されている複数の係合部を有する形状である構成としてもよい。本シャワーヘッドでは、円弧形状の係合部分と、複数の係合部が断続的に円弧状に並ぶ係合部分とが係合する構成である。この係合によって、回転体の回転が円滑にガイドされる。また、両係合部分が、いずれも円弧形状である構成に比べて、両係合部分間の摺動抵抗を低減できる。このため、本シャワーヘッドによれば、回転体とヘッド本体との間の隙間の形成を抑制しつつ、回転体の回転性を向上させることができる。

（３）上記シャワーヘッドにおいて、前記回転体と前記ヘッド本体との一方は、前記回転軸から離間した位置に配置され、かつ、前記回転軸に沿った方向において他方に当接する突起部を有する構成としてもよい。本シャワーヘッドによれば、突起部が設けられることにより、例えば回転体に対して回転軸から偏心した位置に水圧が働く場合に回転体がヘッド本体に対して傾斜してがたつくことを抑制することができる。

（４）上記シャワーヘッドにおいて、さらに、前記回転体の回転に伴いクリック感を生じるクリック機構を備える構成としてもよい。前記クリック機構は、前記ヘッド本体と前記回転体との一方に設けられ、前記回転軸を中心とし、前記第１の係合部および前記第２の係合部の係合部分を通る仮想円に沿って並ぶ複数の凹部が形成された凹部形成体と、前記凹部に進退可能な凸部と、を有する。前記回転体の回転に伴って、前記凸部が前記複数の凹部上を相対的に移動するよう構成されている。本シャワーヘッドによれば、回転体とヘッド本体との間の隙間の形成を抑制しつつ、クリック機構の押圧力が偏心位置に付与されることに起因する回転体の回転性の低下を抑制することができる。

　なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、シャワーヘッドおよびその操作部材の変位方法等の形態で実現することができる。

第１実施形態のシャワーヘッドの斜視図シャワーヘッドの分解斜視図シャワーヘッドの部分拡大正面図図３のＩＶ－ＩＶの位置におけるシャワーヘッドの内部構成を示す断面図図３のＶ－Ｖの位置におけるシャワーヘッドの内部構成を示す断面図可動流路部材の後面構成と固定流路部材の前面構成とを示す説明図第２実施形態のシャワーヘッドにおける可動流路部材の後面構成と固定流路部材の前面構成とを示す説明図クリックピンとクリック板とを示す模式図

Ａ．第１実施形態：
Ａ－１．シャワーヘッド１０の構成：
　第１実施形態を、図１から図６を参照しつつ説明する。各図には、方向を特定するための互いに直交するＸＹＺ軸が示されている。Ｚ軸正方向は上方向であり、Ｚ軸負方向は下方向であり、Ｘ軸正方向は前方向（放出方向）であり、Ｘ軸負方向は後方向である。

　本実施形態のシャワーヘッド１０は、複数の放出モードに対応する複数の流路を切り替えて、水（流体の一例）の放出状態を変更できるよう構成されている。複数の放出モードは、例えば「ミストモード」「ストレートモード」「ピュアストレートモード」「ジェットモード」「マッサージモード」である。ミストモードは、ミスト状の水を放出するモードであり、ストレートモードは、ミストモードよりも水圧が高く、勢いのある水を放出するモードであり、ピュアストレートモードは、ストレートモードよりも密度の高い水を放出するモードである。ジェットモードは、最も水圧の高い水を放出するモードであり、マッサージモードは、断続的に水を放出するモードである。本実施形態において、「水」は、温水と冷水とを含む。なお、ここでいう水圧とは、後述の保護カバー７００に形成された吐水孔から飛び出した後の肌に触れたときの水圧をいう。

（シャワーヘッド１０の全体構成）
　シャワーヘッド１０は、ヘッド本体１００と、可動流路部材４００と、水流発生部材５００と、操作リング６００と、保護カバー７００と、を備えている。可動流路部材４００は、ヘッド本体１００に対して回転可能に組み付けられる。水流発生部材５００は、ヘッド本体１００に組み付けられ、各放出モードに対応する水流を発生させる。操作リング６００は、複数の放出モードを切り替える。保護カバー７００は、複数の吐水孔（７０１～７０５）を有する。

　ヘッド本体１００は、カバー部材２００と、固定流路部材３００と、を備えている。固定流路部材３００は、カバー部材２００の内部に固定されている。固定流路部材３００は、水が流通可能な流路を構成する。可動流路部材４００と、水流発生部材５００（ノズル部材の一例）と、保護カバー７００とは、操作リング６００（操作部材の一例）の内側に配置され、かつ、固定流路部材３００に近い側からこの順に配されている。可動流路部材４００と、水流発生部材５００と、保護カバー７００とは、操作リング６００の回転に連動して、固定流路部材３００に対して回転するように構成されている。固定流路部材３００および可動流路部材４００は、変更機構の一例である。

　（カバー部材２００）
　カバー部材２００は、金属（ステンレス等）や樹脂（ＥＰＤＭ（エチレンプロピレンジエンゴム）等）により形成されている。カバー部材２００は、カバー本体２１０と、カバー本体２１０に連なるグリップ部２２０と、を備えている。カバー本体２１０は、前側に開口部２１２を有するドーム形をなしている。グリップ部２２０は、略円筒状をなし、内部に通水管２３０（図４参照）が収容されている。通水管２３０はシャワーホースを介して給湯器に接続されている。

　（固定流路部材３００）
　固定流路部材３００は、合成樹脂製であって、全体として円形をなしている。この固定流路部材３００は、ベース部３１０と、取付軸３２０と、継手部３３０と、を備えている。ベース部３１０は、カバー本体２１０の内部に固定される。取付軸３２０は、円柱状であって、ベース部３１０の中央位置から前方に突出する。継手部３３０は、ベース部３１０から下方に延び、通水管２３０に接続される。以下、取付軸３２０の中心軸を「回転軸Ｌ」ということがある。固定流路部材３００は、内部にベース流路３４０（図４参照）を有している。ベース流路３４０は、通水管２３０の内部空間と連通し、固定流路部材３００の前面３００ｆに開口するベース流出口３４０ｏｕｔ（図６参照）を有している。固定流路部材３００の前面３００ｆには、ベース流出口３４０ｏｕｔの周囲を囲むゴム製のパッキン３５０（図６参照）が配されている。

　具体的には、図５および図６に示すように、固定流路部材３００の前面３００ｆには、一対の凹部３０１が形成されている。一対の凹部３０１は、取付軸３２０に対して互いに対称となる位置に配置されている。各凹部３０１内には、可動体３０２が前後方向に移動可能に収容されている。各可動体３０２の前面に、ベース流路３４０に連通するベース流出口３４０ｏｕｔが形成されている。また、各可動体３０２の前面には、ベース流出口３４０ｏｕｔを囲むようにパッキン３５０が形成されている。各可動体３０２は、バネ３０３等の付勢部材によって可動流路部材４００の後面４００ｒに向かって押しつけられており、パッキン３５０が可動流路部材４００の後面４００ｒに密着している。

　（可動流路部材４００）
　可動流路部材４００は、合成樹脂製であって、固定流路部材３００のベース部３１０の前方に配されている。可動流路部材４００は、全体として取付軸３２０（回転軸Ｌ）を中心とする円形板状であり、中央部に貫通孔４０１が形成されている。貫通孔４０１に取付軸３２０が挿入されることにより、可動流路部材４００は、固定流路部材３００に対して、取付軸３２０を回転中心として回転可能に支持されている。

　可動流路部材４００は、上記した複数の放出モードのそれぞれに対応する複数の流路を有している。可動流路部材４００の前面には、複数の流路のそれぞれに対応する複数の流出口（図２では省略）が形成されている。図６に示すように、可動流路部材４００の後面４００ｒには、複数の流路のそれぞれに対応する複数の流入口４３０（４３１～４３５）が形成されている。複数の流入口４３０は、回転軸Ｌ（取付軸３２０）を中心とする同心円上に並ぶように配置されている。なお、互いに異なる放出モードに対応する複数の流入口４３１～４３５は、互いに等間隔で配置されていてもよい。また、本実施形態では、１つの放出モードの流路に対して一対の流入口４３１～４３５が形成されている。共通の放出モードに対応する一対の流入口４３１，４３１（４３２，４３２・・・）は、回転軸Ｌに対して互いに対称となる位置に配置されている。固定流路部材３００に対して可動流路部材４００を相対的に回転させると、可動流路部材４００のベース流出口３４０ｏｕｔが、固定流路部材３００の複数の流路の流入口４３１～４３５に対して選択的に連通する。なお、各図では、一対のベース流出口３４０ｏｕｔが、一対の流入口４３３に連通している状態が示されている。

　（水流発生部材５００）
　水流発生部材５００は、可動流路部材４００の前方に配されている。水流発生部材５００は、全体として取付軸３２０（回転軸Ｌ）を中心とする円形板状であり、中央部に貫通孔５０１が形成されている。貫通孔５０１に取付軸３２０が挿入されることにより、水流発生部材５００は、可動流路部材４００と共に、固定流路部材３００に対して、取付軸３２０を回転中心として回転可能に支持されている。水流発生部材５００には、可動流路部材４００の複数の流路にそれぞれ連通する複数の発生孔が形成されている。各発生孔は、流路からの水を、該流路に対応する放出モードに応じた放出状態の水流に変換する。なお、水流発生部材５００は、軟質な樹脂で形成されていることが好ましい。例えば、水流発生部材５００の各発生孔が詰まった際に水流発生部材５００を手で変形させて発生孔を掃除することが可能になる。

　（保護カバー７００）
　保護カバー７００は、操作リング６００を保護するためのカバーである。保護カバー７００は、金属（ステンレス等）や樹脂（ＥＰＤＭ（エチレンプロピレンジエンゴム）等）により形成されている。保護カバー７００は、全体として取付軸３２０（回転軸Ｌ）を中心とする略円板状をなし、水流発生部材５００の前方に配されている。保護カバー７００は、水流発生部材５００の複数の発生孔のそれぞれに連通する複数の吐水孔を有する。吐水孔は、例えば複数のミスト孔７０１と複数のストレート孔７０２と複数のジェットストレート孔７０３と複数のマッサージ孔７０４と複数のピュアストレート孔７０５を含む（図１および図３参照）。なお、保護カバー７００の前面には、高級感を出すために、めっき加工が施されている。

　（操作リング６００）
　操作リング６００は、金属（ステンレス等）や合成樹脂製により形成され、取付軸３２０（回転軸Ｌ）を中心とするリング状の部材である。操作リング６００は、ヘッド本体１００の開口部２１２の外形と略等しい外径を有している。操作リング６００は、前後方向において、ヘッド本体１００の開口部２１２に対応するように配置されつつ、可動流路部材４００、水流発生部材５００、および保護カバー７００を囲んで配されている。

　可動流路部材４００および水流発生部材５００は、取付軸３２０に形成されたねじ孔３２２に螺合された締結部材２６０およびナット部材２７０によって抜け止め固定されている。操作リング６００および保護カバー７００は、水流発生部材５００に対して固定されている。このため、ユーザは、操作リング６００を把持して回転操作を行うことにより（図３の矢印参照）、可動流路部材４００および水流発生部材５００が一体的に回転する。その回転過程で、可動流路部材４００に形成された複数の放出モードに対応する流入口４３０が、固定流路部材３００に形成されたベース流路３４０に選択的に連通する。このように、操作リング６００を回転操作することにより、複数の放出モードに対応する複数の流路を切り替えて、水の放出状態を変更することができる。なお、操作リング６００の外周面には、全周にわたって複数の凹部６０２が形成されている（図１および図３参照）。複数の凹部６０２は、ユーザが操作リング６００を把持して回転操作する際の滑り止め機構として機能する。

Ａ－２．クリック機構：
　本実施形態のシャワーヘッド１０は、操作リング６００の回転操作時にクリック感を発生させるクリック機構を備えている。クリック機構は、設定用クリック機構と切替用クリック機構とを含んでいる。設定用クリック機構は、操作リング６００が、各放出モードに対応するモード設定位置に到達したときに第１のクリック感を発生させる。モード設定位置とは、可動流路部材４００に形成された複数の放出モードに対応する流入口４３０（４３１～４３５）のいずれかが、固定流路部材３００に形成されたベース流路３４０に連通しているときの操作リング６００の回転位置である。切替用クリック機構は、操作リング６００が、一のモード設定位置と別のモード設定位置との間の中間域を移動するときに第２のクリック感を生じさせる。本実施形態では、第１のクリック感は、第２のクリック感よりも大きい。なお、クリック感とは、操作部材（操作リング６００）の操作に伴って生じる手応えや音などの反応をいう。クリック感が大きいとは、操作部材の回転操作に伴って生じる手応えや音などの反応が大きい（強い）ことをいう。

　具体的には、設定用クリック機構および切替用クリック機構は、設定用凸部８１０と、切替用凸部９１０と、クリック板４５０とを備えている。クリック板４５０は、凹部形成体の一例である。

　クリック板４５０は、可動流路部材４００の後面４００ｒに設けられている。クリック板４５０は、回転軸Ｌを中心とする環状の部材である。クリック板４５０は、流入口４３０よりも径方向外側に配置されている。クリック板４５０の後面には、複数（５つ）の設定用凹部８３０と、複数（４つ）の切替用凹凸部９３０が形成されている。複数の設定用凹部８３０と複数の切替用凹凸部９３０とは、回転軸Ｌに対して互いに対称となる位置に配置されている。また、複数の設定用凹部８３０と複数の切替用凹凸部９３０とは、回転軸Ｌを中心とする同心円（仮想円の一例）上に配置されている。

　複数の設定用凹部８３０は、クリック板４５０の上側部分において、回転軸Ｌを中心とする周方向に等間隔で並んでいる。各設定用凹部８３０は、略球状の凹部である。複数の切替用凹凸部９３０は、クリック板４５０の下側部分において、回転軸Ｌを中心とする周方向に等間隔で並んでいる。各切替用凹凸部９３０は、複数の凹凸が周方向に並んだ形状を有している。

　設定用凸部８１０と切替用凸部９１０とは、固定流路部材３００の前面３００ｆにおいて、回転軸Ｌから径方向にずれた位置に設けられている。設定用凸部８１０と切替用凸部９１０とは、回転軸Ｌに対して互いに対称となる位置に配置されている。また、設定用凸部８１０と切替用凸部９１０とは、回転軸Ｌを中心とする同心円（仮想円の一例）上に配置されている。

　設定用凸部８１０は、クリック板４５０のうち、複数の設定用凹部８３０が配置された領域に対向するように配置されている。操作リング６００の回転操作に伴って、設定用凸部８１０は、複数の設定用凹部８３０に順次到達していく。操作リング６００が各モード設定位置にあるとき、設定用凸部８１０が各設定用凹部８３０に進入しており（図４参照）、可動流路部材４００のベース流出口３４０ｏｕｔが、固定流路部材３００の複数の流路の流入口４３１～４３５のいずれかに連通している。このとき、設定用凸部８１０と設定用凹部８３０との係合度合い（設定用凹部８３０に対する後述の設定用クリックピン８１２の進入度合い　図４参照）に応じた第１のクリック感が生じる。

　切替用凸部９１０は、クリック板４５０のうち、複数の切替用凹凸部９３０が配置された領域に対向するように配置されている。操作リング６００の回転操作に伴って、切替用凸部９１０は、複数の切替用凹凸部９３０を順次通過していく。操作リング６００がモード設定位置同士の間の中間域にあるとき、切替用凸部９１０が各切替用凹凸部９３０を通過しており、可動流路部材４００のベース流出口３４０ｏｕｔが、互いに隣り合う流入口４３０同士の間を移動している。このとき、切替用凸部９１０と切替用凹凸部９３０との係合度合い（切替用凹部９３２に対する後述の切替用クリックピン９１２の進入度合い）に応じた第２のクリック感が生じる。

　図４に示すように、設定用凸部８１０は、設定用クリックピン８１２を有している。設定用クリックピン８１２は、固定流路部材３００の前面３００ｆに形成された収容凹部８１４内において前後方向に移動可能に収容されている。設定用クリックピン８１２は、バネ８１６等の付勢部材によってクリック板４５０に向かって押しつけられている。

　切替用凸部９１０は、切替用クリックピン９１２を有している。切替用クリックピン９１２は、固定流路部材３００の前面３００ｆに形成された収容凹部９１４内において前後方向に移動可能に収容されている。切替用クリックピン９１２は、バネ９１６等の付勢部材によってクリック板４５０に向かって押しつけられている。なお、設定用クリックピン８１２と切替用クリックピン９１２とクリック板４５０とは、例えば樹脂（ポリアセタール樹脂（ＰＯＭ）等）により形成されている。

　本実施形態では、設定用凹部８３０は、切替用凹凸部９３０の各切替用凹部９３２よりも深く、設定用凹部８３０に対する設定用凸部８１０（設定用クリックピン８１２）の進入度合いは、切替用凹凸部９３０に対する切替用凸部９１０（切替用クリックピン９１２）の進入度合いよりも大きい。このため、設定用クリック機構の第１のクリック感が、切替用クリック機構の第２のクリック感よりも大きくなっている。

　本実施形態では、可動流路部材４００の後面４００ｒにグリス用凹部４７０が形成されている（図６参照）。グリス用凹部４７０は、グリスを溜める凹部であり、複数の流入口４３０と同心円（仮想円の一例）上に配置されている。換言すれば、グリス用凹部４７０は、後面４００ｒにおけるパッキン３５０の移動軌跡上に形成されている。グリス用凹部４７０にグリスを溜めることができるため、パッキン３５０と可動流路部材４００との間のグリス不足を抑制することができる。また、クリック板４５０の設定用凹部８３０や切替用凹凸部９３０にもグリスを溜めることができる。このため、設定用凸部８１０および切替用凸部９１０とクリック板４５０との間のグリス不足を抑制することができる。

Ａ－３．がたつき抑制機構：
　本実施形態のシャワーヘッド１０は、がたつき抑制機構を備えている。がたつき抑制機構は、ヘッド本体１００に対する操作リング６００のがたつきを抑制する。がたつき抑制機構は、可動流路部材４００に設けられた第１の係合部４６０と、固定流路部材３００に設けられた第２の係合部３６０とを備えている。第１の係合部４６０と第２の係合部３６０とは、前後方向において互いに離間しないように係合している。なお、可動流路部材４００は、回転体の一例である。

　図５および図６に示すように、第１の係合部４６０は、可動流路部材４００の後面４００ｒに設けられており、回転軸Ｌを中心とする仮想円の周方向に延びている。第１の係合部４６０は、クリック板４５０よりも径方向外側に配置されている。第１の係合部４６０は、可動流路部材４００の後面４００ｒにおいて全周にわたって連続的に延びている円形状である。第１の係合部４６０の後端部には、径方向外側に突出する第１の係合爪４６２が形成されている。

　第２の係合部３６０は、固定流路部材３００の前面３００ｆに複数設けられており、複数の第２の係合部３６０は、回転軸Ｌを中心とする仮想円の周方向に等間隔で沿って並んでいる。複数の第２の係合部３６０は、回転軸Ｌに対して互いに対称となる位置に配置されていることが好ましい。第２の係合部３６０は、設定用凸部８１０および切替用凸部９１０よりも径方向外側に配置されている。各第２の係合部３６０の前端部には、径方向内側に突出する第２の係合爪３６２が形成されている（図５参照）。第１の係合部４６０の第１の係合爪４６２に対して、複数の第２の係合部３６０の第２の係合爪３６２が外周側から係合している。

　本実施形態では、操作リング６００とヘッド本体１００との間に、スペーサ部材２５０が配置されており、操作リング６００とヘッド本体１００とが直接接触しないように構成されている（図４および図５参照）。具体的には、スペーサ部材２５０は、操作リング６００の後端部と、カバー本体２１０の開口部２１２との間に配置されている。スペーサ部材２５０は、例えば樹脂（ポリアセタール樹脂（ＰＯＭ）等）により形成されている。これにより、操作リング６００の回転操作の際に、操作リング６００とヘッド本体１００（カバー部材２００）との擦れ音等が発生することを抑制することができる。

Ａ－４．本実施形態の効果：
　例えば吐水中に操作リング６００を回転させる際、可動流路部材４００等に対して回転軸Ｌから偏心した位置に水圧が働く場合がある。この場合、操作リング６００とヘッド本体１００との間の隙間がばらついて均一でなくなるため、操作リング６００がヘッド本体１００に対してがたつくことがある。これに対して、本実施形態では、回転軸Ｌから離間した位置において、可動流路部材４００と固定流路部材３００とのそれぞれの係合部４６０，３６０が互いに係合し、かつ、第１の係合部４６０が周方向に延びている。その第１の係合部４６０の形状に沿って可動流路部材４００等が円滑に回転移動する。このため、操作リング６００の回転過程において、操作リング６００がヘッド本体１００に対してがたつくことを抑制することができる。

　本実施形態では、円弧形状の第１の係合部４６０と、複数の第２の係合部３６０が断続的に円弧状に並ぶ係合部分とが係合する構成である。この係合によって、可動流路部材４００等の回転が円滑にガイドされる。また、両係合部分３６０，４６０が、いずれも円弧形状である構成に比べて、両係合部分３６０，４６０間の摺動抵抗を低減できる。このため、本実施形態によれば、操作リング６００とヘッド本体１００との間の隙間の形成を抑制しつつ、操作リング６００の回転性を向上させることができる。

　本実施形態では、操作リング６００の回転操作時にクリック感を発生させる設定用クリック機構と切替用クリック機構とを備えている。設定用クリック機構は、操作リング６００が、各放出モードに対応するモード設定位置に到達したときに第１のクリック感を発生させる。切替用クリック機構は、操作リング６００が、一のモード設定位置と別のモード設定位置との間の中間域を移動するときに第２のクリック感を生じさせる。本実施形態では、第１のクリック感は、第２のクリック感よりも大きい。

　このため、本実施形態では、操作リング６００が各モード設定位置に到達したモード設定時だけでなく、操作リング６００がモード切替過程でもクリック感が生じる。しかも、モード設定時とモード切替過程とでそれぞれ生じるクリック感の大小が互いに異なる。このため、モード切替過程にクリック感を生じさせつつ、モード設定時とモード切替過程との相違を感覚的に認識することができる。また、上述のように固定流路部材３００と可動流路部材４００との間や、設定用凸部８１０および切替用凸部９１０とクリック板４５０との間にはグリスが存在する。このため、モード切替過程において操作リング６００の回転操作に対してグリスの粘性に応じた粘り感が生じ得る。しかし、本実施形態では、切替用クリック機構のクリック感により、粘り感を和らげることができる。

　本実施形態では、設定用クリック機構（設定用凸部８１０、設定用凹部８３０）と切替用クリック機構（切替用凸部９１０、切替用凹凸部９３０）とが、回転軸Ｌに対して対称となる位置に配置されている。このため、両者の付勢力がバランス良く付与され、操作リング６００を円滑に回転させることができる。

Ｂ．第２実施形態：
　第２実施形態を、図７および図８を参照しつつ説明する。以下では、第２実施形態のシャワーヘッド１０の構成のうち、上述した第１実施形態のシャワーヘッド１０と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。

Ｂ－１．クリック機構：
　上記第１実施形態では、設定用クリック機構と切替用クリック機構とは、それぞれ、別々の凸部（設定用凸部８１０、切替用凸部９１０）を備える構成であった。これに対して、本第２実施形態では、設定用クリック機構と切替用クリック機構とは、共通の凸部８１０ａを有する。この凸部８１０ａが、設定用凹部８３０ａと切替用凹凸部９３０ａとを相対的に移動する構成である。

　具体的には、設定用クリック機構および切替用クリック機構は、凸部８１０ａと、クリック板４５０ａとを備えている。クリック板４５０ａは、凹部形成体の一例である。

　クリック板４５０ａは、可動流路部材４００ａの後面４００ｒに設けられている。クリック板４５０ａは、回転軸Ｌを中心とする円弧状の部材である。クリック板４５０ａは、流入口４３０よりも径方向外側に配置されている。なお、本第２実施形態では、３対の流入口４３０が形成されている。クリック板４５０ａの後面には、複数（３つ）の設定用凹部８３０ａと、複数（２つ）の切替用凹凸部９３０ａとが形成されている。設定用凹部８３０ａと切替用凹凸部９３０ａとは、周方向に沿って交互に配置されている。複数の設定用凹部８３０ａと複数の切替用凹凸部９３０ａとは、回転軸Ｌを中心とする同心円上に配置されている。

　凸部８１０ａは、固定流路部材３００ａの前面３００ｆにおいて、回転軸Ｌから径方向にずれた位置に設けられている。凸部８１０ａは、クリック板４５０ａに対向するように配置されている。操作リング６００の回転操作に伴って、凸部８１０ａは、設定用凹部８３０ａと切替用凹凸部９３０ａとを交互に相対移動していく。凸部８１０ａは、クリックピン８１２ａを有している。クリックピン８１２ａは、固定流路部材３００ａの前面３００ｆに形成された収容凹部８１４ａ内において前後方向に移動可能に収容されている。クリックピン８１２ａは、付勢部材（図示しない)によってクリック板４５０ａに向かって押しつけられている。

　本第２実施形態では、図８に示すように、設定用凹部８３０ａの深さＤ１は、切替用凹凸部９３０ａの各切替用凹部９３２ａの深さＤ２よりも深く、設定用凹部８３０ａに対する凸部８１０ａ（クリックピン８１２ａ）の進入度合いは、切替用凹凸部９３０ａ（切替用凹部９３２ａ）に対する凸部８１０ａの進入度合いよりも大きい。このため、設定用クリック機構の第１のクリック感が、切替用クリック機構の第２のクリック感よりも大きくなっている。

　このような構成でも、モード切替過程にクリック感を生じさせつつ、モード設定時とモード切替過程との相違を感覚的に認識することができる。しかも、設定用クリック機構と切替用クリック機構とが、共通の凸部８１０ａを利用する構成なので、例えば設定用クリック機構と切替用クリック機構とで別々の凸部を利用する構成に比べて、部品点数の低減を図ることができる。

Ｂ－２．がたつき抑制機構：
　本実施形態では、がたつき抑制機構は、可動流路部材４００ａに設けられた第１の係合部４６０ａと、固定流路部材３００ａに設けられた第２の係合部３６０ａとを備えている。第１の係合部４６０ａと第２の係合部３６０ａとは、前後方向において互いに離間しないように係合している。

　第１の係合部４６０ａは、回転軸Ｌを中心とする仮想円の周方向に連続的に延びている。第１の係合部４６０ａと、クリック板４５０ａ（設定用凹部８３０ａ、切替用凹凸部９３０ａ）とは、回転軸Ｌを中心とする同一円（仮想円の一例）上に配置されている。第２の係合部３６０ａは、回転軸Ｌを中心とする仮想円の周方向に断続的に延びている。第２の係合部３６０ａと凸部８１０ａとは、回転軸Ｌを中心とする同一円（仮想円の一例）上に配置されている。これにより、操作リング６００の回転過程において、操作リング６００がヘッド本体１００に対してがたつくことを抑制することができる。

　本実施形態では、固定流路部材３００ａの前面３００ｆに、複数（４つ）の突起部３７０が設けられている。突起部３７０は、前後方向において可動流路部材４００ａに接触している。本実施形態では、突起部３７０は、回転軸Ｌに対して、ジェットストレート孔７０３（図３参照）とは反対側に配置されている。このため、ジェットモードのように可動流路部材４００ａ等に対して回転軸Ｌから偏心した位置に局所的に水圧が働く場合に操作リング６００がヘッド本体１００に対して傾斜してがたつくことを抑制することができる。また、突起部３７０は、回転軸Ｌに対して、凸部８１０ａとは反対側に配置されている。さらに、複数の突起部３７０が、凸部８１０ａと回転軸Ｌとを通過する直線に対して対称となる位置に配置されている。このため、凸部８１０ａと突起部３７０とで固定流路部材３００に対する可動流路部材４００の傾斜を効果的に抑制することができる。また、突起部３７０により、可動流路部材４００ａとヘッド本体１００（固定流路部材３００ａ）と摺動抵抗が低減され、操作リング６００を円滑に回転させることができる。なお、突起部３７０は、可動流路部材４００ａに対して点接触する構成でもよいし、面接触する構成が好ましい。

Ｃ．変形例：
　本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。

　上記実施形態におけるシャワーヘッド１０の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態のシャワーヘッド１０における各部の形状や寸法、形成材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。

　シャワーヘッドが有する放出モードの数や種類は、上記第１実施形態および第２実施形態のものに限られない。例えば、シャワーヘッドが有する放出モードの数は２つでもよいし、６つ以上でもよい。また、シャワーヘッドが有する放出モードの種類には、バブルモードや止水モードも含まれる。

　上記実施形態では、水流発生部材５００と操作リング６００と保護カバー７００とが、ヘッド本体１００に対して、回転体としての可動流路部材４００と一体的に回転する構成であったが、水流発生部材５００と操作リング６００と保護カバー７００との少なくとも１つが、ヘッド本体１００に対して回転しない構成でもよい。例えば、可動流路部材４００だけがヘッド本体１００に対して回転する構成でもよいし、可動流路部材４００および水流発生部材５００だけがヘッド本体１００に対して回転する構成でもよい。また、上記実施形態では、回転体として、可動流路部材４００を例示したが、これに限らず、例えば可動流路部材４００と水流発生部材５００とが一体形成された構成でもよい。

　上記実施形態では、回転体が有する操作部材として、所定の回転軸を中心に回転させるダイヤル式の操作リング６００を例示したが、これに限らず、例えば所定方向にスライドさせるスライド式の操作部材でもよいし、所定方向に対する傾斜角度を変位させるシーソー式の操作部材でもよいし、押下操作に変位するボタン式の操作部材でもよい。また、上記実施形態では、回転体として、操作リング６００を有する構成であったが、操作機能を有しない回転体でもよい。

　上記各実施形態において、固定流路部材３００，３００ａにおけるベース流出口３４０ｏｕｔは、１つでもよいし、３つ以上でもよい。

　クリック機構に関し、各実施形態において、設定用クリック機構の第１のクリック感は、切替用クリック機構の第２のクリック感よりも小さくてもよい。また、上記各実施形態では、凹部に対する凸部の進入度合いの相違によってクリック感の大小を異ならせているが、これに限らず、例えば、凹部に対する凸部の付勢力（バネ８１６，９１６の弾性力）の相違によってクリック感の大小を異ならせてもよい。また、上記各実施形態では、設定用凹部８３０，８３０ａと、切替用凹凸部９３０，９３０ａとが、共通の部材であるクリック板４５０，４５０ａに設けられているが、それぞれ異なる別部材に設けられた構成でもよい。上記実施形態では、バネ８１６，９１６は、いずれもコイルバネであったが、所定の方向に付勢する付勢部材であればよく、例えば板バネや弾性変形可能な部材などでもよい。上記各凸部８１０，８１０ａ，９１０，９１０ａは、先端先細り状の柱状体であったが、これに限らず、例えば球状体などでもよい。

　上記各実施形態では、クリック機構は、凸部と凹部とでクリック感を生じさせる構成であったが、これに限らず、例えば撓み片と、複数の干渉部とを有し、操作部材の変位に応じて撓み片が、複数の干渉部に順次干渉（接触）しつつ移動することでクリック感を生じさせる構成でもよい。このような構成では、撓み片の撓み力の相違や干渉部に対する撓み片の干渉度合いの相違によってクリック感を異ならせることができる。

　第１実施形態において、設定用凸部８１０が可動流路部材４００に設けられ、設定用凹部８３０が固定流路部材３００に設けられてもよい。また、切替用凸部９１０が可動流路部材４００に設けられ、切替用凹凸部９３０が固定流路部材３００に設けられてもよい。第１実施形態において、複数の設定用凹部８３０と複数の切替用凹凸部９３０とは、回転軸Ｌに対して非対称となる位置に配置されてもよい。第２実施形態において、凸部８１０ａが可動流路部材４００ａに設けられ、設定用凹部８３０ａおよび切替用凹凸部９３０ａが固定流路部材３００ａに設けられた構成でもよい。複数の設定用凹部８３０の少なくとも一部は、異なる間隔で並んでもよい。切替用凹凸部９３０，９３０ａは、複数の切替用凹部９３２，９３２ａを有する構成であったが、１つの凹部を有する構成でもよい。但し、設定用凹部８３０，８３０ａと切替用凹凸部９３０，９３０ａとで、凹部の数と凹部同士の離間距離との少なくとも一方を異ならせることにより、設定用クリック機構と切替用クリック機構とのクリック感の相違を効果的にユーザに認識させることができる。

　がたつき抑制機構に関し、第１実施形態において、第１の係合部４６０は、円形状に限らず、例えば円弧状でもよい。また、第２の係合部３６０は、１つでもよい。また、第１の係合部４６０に対して、第２の係合部３６０が内周側から係合してもよい。第２実施形態において、突起部３７０は、１つでもよい。また、各実施形態では、第２の係合部３６０と第１の係合部４６０とは、爪（第２の係合爪３６２、第１の係合爪４６２）による係合であったが、これに限らず、例えば凹凸形状による係合などでもよい。

　さらに、本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。

（１）本明細書に開示されるシャワーヘッドは、流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体に設けられたノズル部材と、前記ヘッド本体に対して、少なくとも２つのモード設定位置の間で変位可能に設けられた操作部材と、前記ヘッド本体内に設けられ、前記操作部材の変位に応じて前記ノズル部材からの流体の放出状態を変更する変更機構と、前記操作部材が、前記モード設定位置に到達したときに第１のクリック感を生じさせる設定用クリック機構と、前記操作部材が、一のモード設定位置と別のモード設定位置との間の中間域を移動するときに、前記第１のクリック感とは大きさが異なる第２のクリック感を生じさせる切替用クリック機構と、を備える。

　従来のシャワーヘッドでは、操作部材がモード設定位置同士の間を移動するモード切替過程ではクリック感が生じない。このため、使用者は、モード切替過程において操作部材の移動を感覚的に認識することができない。これに対して、本シャワーヘッドでは、操作部材が各モード設定位置に到達したモード設定時だけでなく、操作部材がモード切替過程でもクリック感が生じるよう構成されている。しかも、モード設定時とモード切替過程とでそれぞれ生じるクリック感の大小が互いに異なる。このため、モード切替過程にクリック感を生じさせつつ、モード設定時とモード切替過程との相違を感覚的に認識することができる。

（２）上記シャワーヘッドにおいて、前記設定用クリック機構および前記切替用クリック機構は、前記一のモード設定位置に対応する一の設定用凹部と、前記中間域に対応する切替用凹部と、前記別のモード設定位置に対応する別の設定用凹部とが、この順序で所定方向に並ぶように形成された凹部形成体と、前記設定用凹部と前記切替用凹部とに進退可能な凸部とを有し、前記操作部材の変位に伴って、前記凸部が前記一の設定用凹部から、前記切替用凹部を通過して、前記別の設定用凹部に相対的に移動するよう構成されている構成としてもよい。本シャワーヘッドによれば、設定用クリック機構と切替用クリック機構とが、共通の凸部を利用する構成なので、例えば設定用クリック機構と切替用クリック機構とで別々の凸部を利用する構成に比べて、部品点数の低減を図ることができる。

（３）上記シャワーヘッドにおいて、前記設定用クリック機構は、前記モード設定位置に対応する設定用凹部が形成された第１の凹部形成体と、前記設定用凹部に進退可能な設定用凸部とを有し、前記操作部材の変位に伴って、前記設定用凸部が一の前記設定用凹部から別の前記設定用凹部に相対的に移動するよう構成され、前記切替用クリック機構は、前記中間域に対する切替用凹部が形成された第２の凹部形成体と、前記切替用凹部に進退可能な切替用凸部とを有し、前記操作部材の変位に伴って、前記切替用凸部が前記切替用凹部上を相対的に移動するよう構成されている構成としてもよい。本シャワーヘッドによれば、設定用クリック機構と切替用クリック機構とが、個別の凸部を利用する構成なので、第１のクリック感と第２のクリック感とを個別に設定しやすい。

（４）上記シャワーヘッドにおいて、前記操作部材は、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた環状の部材であり、前記設定用凸部と前記切替用凸部とは、前記回転軸に対して互いに反対側に位置している構成としてもよい。本シャワーヘッドによれば、例えば設定用凸部と切替用凸部とが回転軸に対して同じ側に位置する構成に比べて、設定用クリック機構による押圧力と切替用クリック機構による押圧力とが偏心位置に集中することに起因して操作部材の操作性の低下や本体との隙間の発生を抑制することができる。

　なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、シャワーヘッドおよびそのモード切替方法等の形態で実現することができる。

１０：シャワーヘッド　１００：ヘッド本体　２００：カバー部材　２１０：カバー本体　２１２：開口部　２２０：グリップ部　２３０：通水管　２５０：スペーサ部材　２６０：締結部材　２７０：ナット部材　３００，３００ａ：固定流路部材　３００ｆ：前面　３０１：凹部　３０２：可動体　３１０：ベース部　３２０：取付軸　３２２：ねじ孔　３３０：継手部　３４０：ベース流路　３４０ｏｕｔ：ベース流出口　３５０：パッキン　３６０，３６０ａ：第２の係合部　３６２：第２の係合爪　３７０：突起部　４００，４００ａ：可動流路部材　４００ｒ：後面　４３０（４３１～４３５）：流入口　４３３：流入口　４５０，４５０ａ：クリック板　４６０，４６０ａ：第１の係合部　４６２：第１の係合爪　４７０：グリス用凹部　５００：水流発生部材　６００：操作リング　７００：保護カバー　８１０：設定用凸部　８１０ａ：凸部　８１２：設定用クリックピン　８１２ａ：クリックピン　８１４，８１４ａ：収容凹部　８１６，９１６：バネ　８３０，８３０ａ：設定用凹部　９１０：切替用凸部　９１２：切替用クリックピン　９３０，９３０ａ：切替用凹凸部　９３２，９３２ａ：切替用凹部

Claims

　流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、
　前記ヘッド本体に設けられたノズル部材と、
　前記ヘッド本体に対して前記ノズル部材側に配置され、前記ヘッド本体に対して所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、を備えるシャワーヘッドであって、
　前記回転体のうち、前記回転軸から離間した位置には第１の係合部が設けられ、
　前記ヘッド本体には、前記回転軸に沿った方向において前記第１の係合部と係合する第２の係合部が設けられ、
　前記第１の係合部と前記第２の係合部との少なくとも一方が前記回転軸を中心とする周方向に延びている、シャワーヘッド。
　請求項１に記載のシャワーヘッドであって、
　前記第１の係合部と前記第２の係合部との一方の係合部分は、前記回転軸を中心とする仮想円の周方向に連続的に繋がっている円弧形状であり、他方の係合部分は、前記周方向に断続的に配置されている複数の係合部を有する形状である、シャワーヘッド。
　請求項１または請求項２に記載のシャワーヘッドであって、
　前記回転体と前記ヘッド本体との一方は、前記回転ｊ軸から離間した位置に配置され、かつ、前記回転軸に沿った方向において他方に当接する突起部を有する、シャワーヘッド。
　請求項１に記載のシャワーヘッドであって、
　さらに、前記回転体の回転に伴いクリック感を生じるクリック機構を備え、
　前記クリック機構は、
　　前記ヘッド本体と前記回転体との一方に設けられ、前記回転軸を中心とし、前記第１の係合部および前記第２の係合部の係合部分を通る仮想円に沿って並ぶ複数の凹部が形成された凹部形成体と、
　　前記凹部に進退可能な凸部と、を有し、
　　前記回転体の回転に伴って、前記凸部が前記複数の凹部上を相対的に移動するよう構成されている、シャワーヘッド。