WO2024090382A1 - ノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネス - Google Patents

Abstract

ノイズ吸収部材３を所望される前後方向Ｘの位置に固定できるノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネス１を提供することを目的とする。　電線２を挿通する挿通空間３ａを有し、挿通空間３ａに挿通された電線２のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材３を、電線２に固定するノイズ吸収部材固定構造であって、電線２における前後方向Ｘの所定位置に固定された固定部４と、ノイズ吸収部材３を固定部４に取り付ける結束バンド５とが備えられたことを特徴とする。

Description

ノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネス

　この発明は、例えば電源や電気機器で生じたノイズ電流の伝播や電線で生じた電磁ノイズの放射を抑制するノイズ吸収部材を、電線の所定位置に固定するノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネスに関する。

　自動車などの車両では、電源と電気機器または電気機器同士は、複数の電線を束ねたワイヤーハーネスを用いて電気的に接続されている。このようなワイヤーハーネスでは、電源や電気機器で生じたノイズ電流の伝播や電線で生じた電磁ノイズの放射を抑制するために、フェライトコアなどのノイズ吸収部材を設けている（特許文献１参照）。

　ところで、特許文献１では、電線にノイズ吸収部材を固定する際、電線に挿通したノイズ吸収部材を覆う編組シールドを、電線に押し付けて縮径することで、電線の長手方向におけるノイズ吸収部材の位置を位置規制している。

　しかしながら、特許文献１では、ノイズ吸収部材が編組シールドによって位置規制された状態において、電線の長手方向へノイズ吸収部材を移動させる外力が作用した場合、編組シールドがノイズ吸収部材によって押し広げられるおそれがある。

　そうすると、特許文献１では、例えば固定テープを巻着する際、ノイズ吸収部材の位置規制が解放され、所望される長手方向の位置にノイズ吸収部材を固定できないという問題があった。

特開２０１５－１９８０４１号公報

　本発明は、上述の問題に鑑み、ノイズ吸収部材を所望される長手方向の位置に固定できるノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネスを提供することを目的とする。

　この発明は、電線を挿通する挿通空間を有し、該挿通空間に挿通された前記電線のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材を、前記電線に固定するノイズ吸収部材固定構造であって、前記電線における長手方向の所定位置に固定された固定部と、前記ノイズ吸収部材を前記固定部に取り付ける取付部とが備えられたことを特徴とする。

　またこの発明は、複数の電線と、複数の前記電線を挿通する挿通空間を有し、該挿通空間に挿通された前記電線のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材と、
前記電線における長手方向の所定位置に固定された固定部と、前記ノイズ吸収部材を前記固定部に取り付ける取付部とが備えられ、前記ノイズ吸収部材が、前記固定部及び前記取付部の協働によって、前記電線における長手方向の所定位置に固定されたワイヤーハーネスであることを特徴とする。

　上記電線のノイズとは、電線を流れるノイズ電流、または／および電線で生じた電磁ノイズのことをいう。　
　上記固定部は、電線に固定された固定テープや結束バンド、電線に把持固定された把持部材、あるいはノイズ吸収部材が係止される係止部材などのことをいう。

　上記取付部は、ノイズ吸収部材及び固定部に巻き回す結束バンドや帯状の締付け部材、あるいはノイズ吸収部材に設けられるともに、固定部である係止部材に係止される被係止部のことをいう。

　この発明によれば、取付部を介してノイズ吸収部材を取り付ける固定部が電線の所定位置に固定されているため、固定部が、電線の長手方向に位置ズレすることがない。このため、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材を取付部によって固定部に取り付けるだけで、ノイズ吸収部材を電線に固定することができる。

　この際、ノイズ吸収部材固定構造は、電線の長手方向におけるノイズ吸収部材の位置を位置決めする位置決め手段として固定部を機能させることができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材の位置を位置決めしながら編組シールドを用いて電線に固定する場合に比べて、ノイズ吸収部材を効率よく、かつ容易に電線に固定することができる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造、及びこれを適用したワイヤーハーネスは、電線のノイズに対する長手方向の位置がシビアなノイズ吸収部材を、所望される長手方向の位置に固定することができる。

　この発明の態様として、前記取付部が、前記電線と前記固定部との間を通るとともに、前記ノイズ吸収部材の外周面に前記長手方向に沿って巻き回される長尺形状に形成されてもよい。

　この構成によれば、取付部がノイズ吸収部材の外周面に長手方向に沿って巻き回される長尺形状に形成されているため、電線に対してノイズ吸収部材を簡素な構成で固定することができる。

　さらに、電線と固定部との間を通る取付部がノイズ吸収部材の外周面に巻き回されるため、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材における長手方向の全域を取付部によって固定部に取り付けることができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造は、電線に対するノイズ吸収部材の固定状態をより安定させることができる。

　またこの発明の態様として、前記固定部は、前記電線における前記長手方向の所定位置において、前記電線に巻着した固定テープであってもよい。　
　この構成によれば、固定部を容易に構成できるとともに、金属製や樹脂製の固定部に比べて固定部の重量を大幅に抑えることができる。　
　さらに、固定テープで固定部を構成したことにより、ノイズ吸収部材固定構造は、所望される長手方向の所定位置に固定部を確実に固定することができる。

　加えて、電線の長手方向におけるノイズ吸収部材の長さに応じて、固定テープを巻着する長手方向の範囲を変更することで、ノイズ吸収部材固定構造は、取付部を介したノイズ吸収部材の取り付けに適した長手方向の長さを有する固定部を構成することができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材をより安定した状態で電線に固定することができる。

　またこの発明の態様として、前記固定部が、束ねた状態の複数の前記電線を保持し、前記取付部が、複数の前記電線と前記固定部とで形成される隙間を通って、前記ノイズ吸収部材の外周面に巻き回される長尺形状に形成されてもよい。

　この構成によれば、取付部がノイズ吸収部材の外周面に長手方向に沿って巻き回される長尺形状に形成されているため、電線に対してノイズ吸収部材を簡素な構成で固定することができる。

　さらに、取付部が複数の電線と固定部とで形成された隙間を通るため、ノイズ吸収部材固定構造は、複数の電線と固定部とで形成される隙間を活かして取付部を巻き回すことができる。

　このため、ノイズ吸収部材固定構造は、固定部に対する取付部の取り付けを容易にするとともに、取付部を通すための挿通部を設けた固定部に比べて、固定部をコンパクトにできる。

　またこの発明の態様として、前記取付部は、長尺帯状のバンド部と、環状に巻き回した前記バンド部が係止固定されるロック部とを有する結束バンドであってもよい。　
　この構成によれば、取付部を構成する結束バンドのバンド部をロック部に係止する際の締付け力によって、ノイズ吸収部材を固定部に取り付けることができる。

　この際、ノイズ吸収部材固定構造は、結束バンドの締め付けによってノイズ吸収部材を所望される所定位置に位置規制することができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、固定部に対するノイズ吸収部材の位置合わせが容易になるため、ノイズ吸収部材の組付け性を向上することができる。

　またこの発明の態様として、前記ノイズ吸収部材が、前記長手方向に並置した複数の環状体で構成され、前記固定部における前記長手方向の長さが、前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さに同じ、または前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さよりも僅かに短い長さであってもよい。

　上記ノイズ吸収部材における長手方向の長さよりも僅かに短い長さとは、例えばノイズ吸収部材における長手方向の長さに対して公差範囲で短い長さなどのことをいう。　
　この構成によれば、所望される長手方向の位置にノイズ吸収部材を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材を構成する環状体同士の接触による異音を防止することができる。

　具体的には、固定部の長さがノイズ吸収部材の長さよりも長くなるほど、固定部側を長辺とし、かつ長辺と短辺の長さの差が大きい略台形状の環状に長尺形状の取付部が巻き回されることになる。

　このため、ノイズ吸収部材を構成する複数の環状体を長手方向に密着させる荷重が低くなり、振動などの外力が電線に作用した際、隣接する環状体が離間と接触を繰り返して異音が発生するおそれがある。

　これに対して、固定部の長さが、ノイズ吸収部材の長さに同じまたはノイズ吸収部材の長さよりも僅かに短い長さのため、ノイズ吸収部材の端面及び外周面に対して、取付部が近接または接触するように巻き回すことができる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材の長手方向への移動を取付部によって確実に規制できるとともに、ノイズ吸収部材を構成する環状体の長手方向への相対移動を防止することができる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造は、所望される長手方向の位置にノイズ吸収部材を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材を構成する環状体同士の接触による異音を防止することができる。

　またこの発明の態様として、前記ノイズ吸収部材が、前記長手方向に並置した複数の環状体で構成され、前記固定部における前記長手方向の長さが、前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さに同じ、または前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さよりも僅かに長い長さであってもよい。

　上記ノイズ吸収部材における長手方向の長さよりも僅かに長い長さとは、例えばノイズ吸収部材における長手方向の長さに対して公差範囲で長い長さなどのことをいう。　
　この構成によれば、所望される長手方向の位置にノイズ吸収部材を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材を構成する環状体同士の接触による異音を防止することができる。

　具体的には、固定部の長さがノイズ吸収部材の長さよりも短くなるほど、固定部に対する環状体の位置が安定しないおそれがある。　
　例えば、長尺形状の取付部を締め付ける際、環状体の内周面が長手方向に対して交差するように、環状体が傾倒するおそれがある。

　これに対して、固定部の長さが、ノイズ吸収部材の長さに同じまたはノイズ吸収部材の長さよりも僅かに長い長さのため、ノイズ吸収部材固定構造は、取付部が環状体の内周面側の縁端に接触することがない。

　このため、ノイズ吸収部材固定構造は、取付部の締め付けをより容易にするとともに、取付部を締め付ける際の環状体の傾倒を抑えることができる。　
　さらに、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材の端面及び外周面に対して、取付部が近接または接触するように巻き回すことができる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材を構成する環状体の長手方向への相対移動を防止するとともに、長手方向に対して内周面が交差するように環状体が傾倒することを防止できる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造は、所望される長手方向の位置にノイズ吸収部材を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材を構成する環状体同士の接触による異音を防止することができる。

　またこの発明の態様として、前記結束バンドの前記ロック部が、前記電線の前記長手方向における前記ノイズ吸収部材の端面に隣接して配置され、前記結束バンドの前記バンド部が、前記バンド部の基部よりも前記ノイズ吸収部材の内周面側において、前記ロック部に挿通固定されてもよい。

　この構成によれば、ロック部がノイズ吸収部材の端面に隣接するため、ロック部がノイズ吸収部材の外周面に位置する場合に比べて外形の大型化を抑えることができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材と周辺部品との隙間の確保を容易にすることができる。

　さらに、結束バンドのバンド部が、バンド部の基部よりもノイズ吸収部材の内周面側においてロック部に挿通固定されるため、ノイズ吸収部材固定構造では、ロック部にバンド部を係止する際、電線の長手方向と略平行にバンド部が引っ張られる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造は、電線の長手方向に対して内周面が交差するように環状体が傾倒することを防止して、環状体同士を長手方向で確実に当接させることができる。

　またこの発明の態様として、前記ノイズ吸収部材が、前記長手方向に並置した複数の環状体で構成されてもよい。　
　この構成によれば、ノイズ吸収部材が複数の環状体で構成されているため、ノイズ吸収部材の大型化を抑えて、ノイズ吸収性能を確保することができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造は、ノイズ吸収部材と周辺部品との隙間の確保を容易にすることができる。

　本発明により、ノイズ吸収部材を所望される長手方向の位置に固定できるノイズ吸収部材固定構造、及びワイヤーハーネスを提供することができる。

ノイズ吸収部材を備えたワイヤーハーネスを正面視で示す正面図。 ワイヤーハーネスの概略を説明する説明図。 ノイズ吸収部材を図１中のＡ－Ａ矢視断面で図示したワイヤーハーネスの外観を示す平面図。 図１中のＢ－Ｂ矢視での要部拡大断面図。 固定部の前後方向の長さを説明する説明図。 ノイズ吸収部材の固定工程を説明する説明図。 結束バンドのバンド部をロック部に挿通した状態を示す平面図。 固定部の長さの違いによる固定状態を説明する説明図。

　この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。　
　本実施形態は、電源や電気機器で生じたノイズ電流の伝播や電線２で生じた電磁ノイズの放射を抑制するノイズ吸収部材３を、電線２の長手方向における所定位置に固定する固定構造について、図１から図５を用いて説明する。

　なお、図１はノイズ吸収部材３を備えたワイヤーハーネス１の正面図を示し、図２はワイヤーハーネス１の概略を説明する説明図であり、図２（ａ）はノイズ吸収部材３を備えたワイヤーハーネス１の外観斜視図を示し、図２（ｂ）はノイズ吸収部材３の上部を透過状態で図示したワイヤーハーネス１の外観斜視図を示している。

　さらに、図３はノイズ吸収部材３を図１中のＡ－Ａ矢視断面で図示したワイヤーハーネス１の平面図を示し、図４は図１中のＢ－Ｂ矢視での要部拡大断面図を示し、図５は固定部４の前後方向Ｘの長さを説明する説明図を示している。

　さらにまた、図１の上側をワイヤーハーネス１の上方として、図中の矢印Ｘはワイヤーハーネス１の前後方向（以降、前後方向Ｘと呼ぶ）を示している。　
　また、図示を明確にするため、図２から図５中において、編組シールド６の図示を省略している。

　まず、本実施形態のワイヤーハーネス１は、図１及び図２に示すように、前後方向Ｘを長手方向とする２本の電線２と、２本の電線２を挿通したノイズ吸収部材３と、２本の電線２にノイズ吸収部材３を固定するための固定部４及び結束バンド５と、これらを一体的に覆う編組シールド６とを備えている。

　なお、詳細な図示を省略するが、ワイヤーハーネス１の前後方向Ｘの両端は、一端がコネクタを介して電気機器に接続され、他端がコネクタを介して電源または電気機器に接続されている。

　詳述すると、ワイヤーハーネス１の２本の電線２は、それぞれ導電性を有する導体（図示省略）を、絶縁性を有する絶縁被覆（図示省略）で被覆して構成している。この２本の電線２は、後述する固定部４によって束ねられるとともに、前後方向Ｘへの相対移動が規制されている。

　また、ワイヤーハーネス１のノイズ吸収部材３は、電線２を流れるノイズ電流、または／および電線２で生じた電磁ノイズの放射を抑制する機能を有している。このノイズ吸収部材３は、図２から図４に示すように、前後方向Ｘから見て少なくとも２本の電線２を挿通可能な挿通空間３ａを内部に有して、前後方向Ｘに延びる円環状体に形成されている。

　なお、ノイズ吸収部材３の挿通空間３ａは、図３及び図４に示すように、束ねられた２本の電線２の外径よりも大径の内周面で形成され、例えば３本の電線２を挿通可能な大きさに形成されている。

　このようなノイズ吸収部材３は、相対移動不可の状態で束ねられた２本の電線２における前後方向Ｘの所定位置に、後述する固定部４及び結束バンド５を用いて固定されている。この際、ノイズ吸収部材３は、図３及び図４に示すように、内周面の径方向中心が２本の電線２に対してオフセットする位置に位置するとともに、内周面が２本の電線２に接触している。

　より詳しくは、ノイズ吸収部材３は、図２及び図３に示すように、前後方向Ｘに並置した２つのコア部材３１で構成されている。この２つのコア部材３１は、例えば軟磁性を有するフェライト製の磁性体であって、内外径及び前後方向Ｘの長さが他方のコア部材３１に同じ円環状体に形成されている。

　また、ワイヤーハーネス１の固定部４は、前後方向Ｘの所定位置において、２本の電線２を束ねるために電線２に巻着した固定テープで構成されている。このため、固定部４は、束ねられた２本の電線２に対して少なくとも前後方向Ｘの位置が固定されている。

　なお、固定部４は、図４に示すように、固定テープで束ねた２本の電線２とで、正面視略三角形状の隙間Ｇを形成している。　
　さらに、固定部４を構成する固定テープは、前後方向Ｘの長さがノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに略等しくなるように巻着されている。

　具体的には、固定部４を構成する固定テープは、ノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに同じ前後方向Ｘの長さ、またはノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに公差長さを加えた前後方向Ｘの長さの範囲に巻着されている。

　ここで、上述した公差長さは、図５に示すように、例えばノイズ吸収部材３の外径と内径との差であるノイズ吸収部材３の厚みｔに基づいて設定された長さであって、ここでは±ｔ／２とする。

　このため、ノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さをＷとした場合、固定部４は、図５に示すように、前後方向Ｘの長さＬが（Ｗ－ｔ／２）≦Ｌ≦（Ｗ＋ｔ／２）となるように固定テープを巻着して構成されている。

　また、ワイヤーハーネス１の結束バンド５は、ノイズ吸収部材３を固定部４に取り付ける取付部材であって、ノイズ吸収部材３に対して前後方向Ｘに沿った環状に巻き回されている。

　この結束バンド５は、図３に示すように、一方の主面にセレーションが設けられた略帯状のバンド部５１と、バンド部５１の長手方向の一端に連設され、バンド部５１の長手方向の他端側が引っ張りによって係止固定されるロック部５２とで一体形成されている。

　より詳しくは、ロック部５２は、バンド部５１のバンド幅よりも幅広な略ボックス状であって、バンド部５１が連設される方向に対して直交する直交方向に、バンド部５１を挿通する挿通孔５２ａ（図２（ａ）参照）が開口形成されている。　
　さらに、ロック部５２の挿通孔５２ａには、直交方向の一方から挿通されたバンド部５１のセレーションに係止する爪部分（図示省略）が内部へ向けて設けられている。

　このような結束バンド５は、図２及び図３に示すように、ノイズ吸収部材３に対して前後方向Ｘでロック部５２が隣接するように巻き回されている。この際、ロック部５２は、挿通孔５２ａがバンド部５１の基部よりもノイズ吸収部材３の径方向内側に位置するように配置されている。

　さらに、結束バンド５は、図３及び図４に示すように、前後方向Ｘに沿ってノイズ吸収部材３の外周面から挿通空間３ａへ向けてバンド部５１が巻き回されるとともに、２本の電線２と固定部４とで形成された隙間Ｇを通って、ロック部５２の挿通孔５２ａにバンド部５１が挿通されている。

　また、ワイヤーハーネス１の編組シールド６は、図１に示すように、複数の金属線を網目状に編み込んだ円筒状の編組チューブであって、粘着テープや結束バンドなどの適宜の部材を用いて２本の電線２に固定されている。　
　なお、編組シールド６は、ノイズ吸収部材３の外径に略同じ内径を有する円筒状に形成され、電線２を覆う部分が電線２に密着するように押し潰されている。

　次に、上述した構成のワイヤーハーネス１において、２本の電線２にノイズ吸収部材３を固定する固定工程の一例について、図６及び図７を用いて説明する。　
　なお、図６はノイズ吸収部材３の固定工程を説明する説明図を示している。

　具体的には、図６（ａ）は２本の電線２に固定部４を固定した状態の平面図を示し、図６（ｂ）は固定部４と電線２との隙間Ｇに結束バンド５を挿通した状態の平面図を示している。　
　さらに、図７は結束バンド５のバンド部５１をロック部５２に挿通した状態の平面図を示している。

　まず、作業員または組付け装置は、図６（ａ）に示すように、所望される前後方向Ｘの所定位置において、前後方向Ｘの長さＬが（Ｗ－ｔ／２）≦Ｌ≦（Ｗ＋ｔ／２）となるように、２本の電線２に固定テープを巻着して束ねるとともに、巻着した固定テープで固定部４を構成する。　
　固定部４を構成すると、作業員または組付け装置は、固定部４で束ねられた２本の電線２に対して、２つのコア部材３１を挿通する。

　その後、作業員または組付け装置は、図６（ｂ）に示すように、前後方向Ｘの一方側から結束バンド５のバンド部５１を２つのコア部材３１の内部空間、及び固定部４と電線２との隙間Ｇに挿通して、前後方向Ｘの他方側からバンド部５１の先端を導出させる。

　結束バンド５のバンド部５１を固定部４と電線２との隙間Ｇに通すと、作業員または組付け装置は、図７に示すように、バンド部５１のロック部５２側を前後方向Ｘの他方側へ向けて湾曲させるとともに、ロック部５２の挿通孔５２ａにバンド部５１の先端を挿通する。

　そして、作業員または組付け装置は、挿通孔５２ａから突出したバンド部５１の先端を引っ張ることで、ノイズ吸収部材３を所望される所定位置に移動させながら、ロック部５２にバンド部５１を係止固定する。

　この際、２つのコア部材３１は、バンド部５１の係止に伴い前後方向Ｘの端面同士が当接してノイズ吸収部材３を構成するともに、内周面が固定部４に当接する（図３参照）。　
　さらに、前後方向Ｘで対向する結束バンド５のバンド部５１の間隔が、固定部４の前後方向Ｘの長さＬに略同じになるため、ノイズ吸収部材３は、前後方向Ｘへの移動が規制される。

　加えて、ノイズ吸収部材３の内周面が固定部４に当接するため、ノイズ吸収部材３は、ノイズ吸収部材３の径方向への移動が規制される。　
　このようにして、ノイズ吸収部材３は、２本の電線２における前後方向Ｘの所定位置に固定される。

　結束バンド５を介してノイズ吸収部材３を電線２に固定すると、作業員または組付け装置は、予め電線２に挿通した編組シールド６でノイズ吸収部材３を覆うとともに、２本の電線２を覆う部分を縮径して、２本の電線２に密着させる。

　その後、作業員または組付け装置は、粘着テープや結束バンドなどの適宜の部材を用いて、編組シールド６を２本の電線２に固定し、ノイズ吸収部材３を備えたワイヤーハーネス１を製造することができる。　

　このように構成されたワイヤーハーネス１は、ノイズ吸収部材固定構造７を有する。本実施形態のノイズ吸収部材固定構造７は、電線２を挿通する挿通空間３ａを有し、挿通空間３ａに挿通された電線２のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材３を、電線２に固定する固定構造である。

　このノイズ吸収部材固定構造７は、電線２における前後方向Ｘの所定位置に固定された固定部４と、ノイズ吸収部材３を固定部４に取り付ける取付部（結束バンド５）とが備えられたものである。

　また、本実施形態のワイヤーハーネス１は、複数の電線２と、複数の電線２を挿通する挿通空間３ａを有し、挿通空間３ａに挿通された電線２のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材３と、上述した固定部４及び取付部（結束バンド５）とを備えている。

　そして、ワイヤーハーネス１は、ノイズ吸収部材３が、固定部４及び取付部（結束バンド５）の協働によって、電線２における前後方向Ｘの所定位置に固定されている。

　この構成によれば、結束バンド５を介してノイズ吸収部材３を取り付ける固定部４が電線２の所定位置に固定されているため、固定部４が、電線２の前後方向Ｘに位置ズレすることがない。このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３を結束バンド５によって固定部４に取り付けるだけで、ノイズ吸収部材３を電線２に固定することができる。

　この際、ノイズ吸収部材固定構造７は、電線２の前後方向Ｘにおけるノイズ吸収部材３の位置を位置決めする位置決め手段として固定部４を機能させることができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３の位置を位置決めしながら編組シールドを用いて電線２に固定する場合に比べて、ノイズ吸収部材３を効率よく、かつ容易に電線２に固定することができる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造７、及びこれを適用したワイヤーハーネス１は、電線２のノイズに対する前後方向Ｘの位置がシビアなノイズ吸収部材３を、所望される前後方向Ｘの位置に固定することができる。

　また、固定部４が、束ねた状態の複数の電線２を保持している。そして、結束バンド５のバンド部５１が、複数の電線２と固定部４とで形成される隙間Ｇを通って、ノイズ吸収部材３の外周面に巻き回される長尺形状に形成されている。

　この構成によれば、結束バンド５のバンド部５１がノイズ吸収部材３の外周面に前後方向Ｘに沿って巻き回される長尺形状に形成されているため、電線２に対してノイズ吸収部材３を簡素な構成で固定することができる。

　さらに、結束バンド５のバンド部５１が複数の電線２と固定部４とで形成された隙間Ｇを通るため、ノイズ吸収部材固定構造７は、複数の電線２と固定部４とで形成される隙間Ｇを活かしてバンド部５１を巻き回すことができる。

　このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、固定部４に対する結束バンド５の取り付けを容易にするとともに、結束バンド５を通すための挿通部を設けた固定部に比べて、固定部４をコンパクトにできる。

　また、長尺帯状のバンド部５１と、環状に巻き回したバンド部５１が係止固定されるロック部５２とを有する結束バンド５で取付部が構成されているため、ノイズ吸収部材固定構造７は、バンド部５１をロック部５２に係止する際の締付け力によって、ノイズ吸収部材３を固定部４に取り付けることができる。

　この際、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５の締め付けによってノイズ吸収部材３を所望される所定位置に位置規制することができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、固定部４に対するノイズ吸収部材３の位置合わせが容易になるため、ノイズ吸収部材３の組付け性を向上することができる。

　また、固定部４が、電線２における前後方向Ｘの所定位置において、複数の電線２に巻着した固定テープであるため、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５の通る隙間Ｇを２本の電線２とで形成する固定部４を容易に構成できるとともに、金属製や樹脂製の固定部に比べて固定部４の重量を大幅に抑えることができる。　
　さらに、固定テープで固定部４を構成したことにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、所望される前後方向Ｘの所定位置に固定部４を確実に固定することができる。

　加えて、ノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに応じて、固定テープを巻着する前後方向Ｘの範囲を変更することで、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５を介したノイズ吸収部材３の取り付けに適した前後方向Ｘの長さを有する固定部４を構成することができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３をより安定した状態で電線２に固定することができる。

　また、ノイズ吸収部材３が、前後方向Ｘに並置した複数のコア部材３１で構成されている。そして、固定部４の長さＬが、ノイズ吸収部材３の長さＷからノイズ吸収部材３の厚みｔの１／２を引いた長さ以上、かつノイズ吸収部材３の長さＷ以下である。

　この構成によれば、所望される前後方向Ｘの位置にノイズ吸収部材３を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１同士の接触による異音を防止することができる。

　具体的には、固定部４の長さＬがノイズ吸収部材３の長さＷよりも長くなるほど、図８（ａ）のように、固定部４側を長辺とし、かつ長辺と短辺の長さの差が大きい略台形状の環状に結束バンド５が巻き回されることになる。

　このため、ノイズ吸収部材３を構成する２つのコア部材３１を前後方向Ｘに密着させる荷重が低くなり、振動などの外力がワイヤーハーネス１に作用した際、２つのコア部材３１が離間と接触を繰り返して異音が発生するおそれがある。

　これに対して、固定部４の長さＬがノイズ吸収部材３の長さＷに同じまたはノイズ吸収部材３の長さＷよりも僅かに短い長さのため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３の端面及び外周面に対して、結束バンド５のバンド部５１が近接または接触するように巻き回すことができる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３の前後方向Ｘへの移動をバンド部５１によって確実に規制できるとともに、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１の前後方向Ｘへの相対移動を防止することができる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造７は、所望される前後方向Ｘの位置にノイズ吸収部材３を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１同士の接触による異音を防止することができる。

　また、ノイズ吸収部材３が、前後方向Ｘに並置した複数のコア部材３１で構成されている。そして、固定部４の長さＬが、ノイズ吸収部材３の長さＷ以上、かつノイズ吸収部材３の長さＷにノイズ吸収部材３の厚みｔの１／２を加えた長さ以下である。

　この構成によれば、所望される前後方向Ｘの位置にノイズ吸収部材３を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１同士の接触による異音を防止することができる。

　具体的には、固定部４の長さＬがノイズ吸収部材３の長さＷよりも短くなるほど、図８（ｂ）に示すように、固定部４に対するコア部材３１の位置が安定しないおそれがある。　
　例えば、結束バンド５を締め付ける際、コア部材３１の内周面が前後方向Ｘに対して交差するように、コア部材３１が傾倒するおそれがある。

　これに対して、固定部４の長さＬが、ノイズ吸収部材３の長さＷに同じまたはノイズ吸収部材３の長さＷよりも僅かに長い長さのため、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５のバンド部５１がコア部材３１の内周面側の縁端に接触することがない。

　このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５の締め付けをより容易にするとともに、結束バンド５を締め付ける際のコア部材３１の傾倒を抑えることができる。　
　さらに、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３の端面及び外周面に対して、結束バンド５のバンド部５１が近接または接触するように巻き回すことができる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１の前後方向Ｘへの相対移動を防止するとともに、前後方向Ｘに対して内周面が交差するようにコア部材３１が傾倒することを防止できる。

　よって、ノイズ吸収部材固定構造７は、所望される前後方向Ｘの位置にノイズ吸収部材３を確実に固定できるとともに、ノイズ吸収部材３を構成するコア部材３１同士の接触による異音を防止することができる。

　また、結束バンド５のロック部５２が、電線２の前後方向Ｘにおけるノイズ吸収部材３の端面に隣接して配置されている。そして、結束バンド５のバンド部５１が、バンド部５１の基部よりもノイズ吸収部材３の内周面側において、ロック部５２に挿通固定されている。

　この構成によれば、ロック部５２がノイズ吸収部材３の端面に隣接するため、ロック部５２がノイズ吸収部材３の外周面に位置する場合に比べて外形の大型化を抑えることができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３と周辺部品との隙間Ｇの確保を容易にすることができる。

　さらに、結束バンド５のバンド部５１が、バンド部５１の基部よりもノイズ吸収部材３の内周面側においてロック部５２に挿通固定されるため、ノイズ吸収部材固定構造７で、ロック部５２にバンド部５１を係止する際、前後方向Ｘと略平行にバンド部５１が引っ張られる。

　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、前後方向Ｘに対して内周面が交差するようにコア部材３１が傾倒することを防止して、コア部材３１同士を前後方向Ｘで確実に当接させることができる。

　また、ノイズ吸収部材３が、前後方向Ｘに並置した複数のコア部材３１で構成されているため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３の大型化を抑えて、ノイズ吸収性能を確保することができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３と周辺部品との隙間Ｇの確保を容易にすることができる。

　この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の長手方向は、実施形態の前後方向Ｘに対応し、
以下同様に、
取付部は、結束バンド５に対応し、
環状体は、コア部材３１に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。

　具体的には、上述した実施形態において、２つのコア部材３１でノイズ吸収部材３を構成したが、これに限定せず、コア部材３１の数は、所望されるノイズ吸収性能に応じた適宜の数にすることが望ましい。

　また、２つのコア部材３１で構成したノイズ吸収部材３を、２本の電線２に挿通固定したワイヤーハーネス１としたが、これに限定せず、電線２の数は少なくとも１つあれば適宜の数であってもよい。

　例えば、２つのコア部材３１で構成されたノイズ吸収部材３を、１本の電線２に固定した構成であってもよい。この際、電線２と固定部４とで挟持するように、固定部４を構成する固定テープで長尺形状の結束バンド５を電線２に固定するとともに、長尺形状の結束バンド５を、上述した実施形態と同様に、ノイズ吸収部材３に巻き回す。

　この場合、結束バンド５を、電線２と固定部４との間を通すとともに、ノイズ吸収部材３の外周面に前後方向Ｘに沿って巻き回すため、ノイズ吸収部材固定構造７は、電線２に対してノイズ吸収部材３を簡素な構成で固定することができる。

　さらに、電線２と固定部４との間を通る結束バンド５がノイズ吸収部材３の外周面に巻き回されるため、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３における前後方向Ｘの全域を結束バンド５によって固定部４に取り付けることができる。このため、ノイズ吸収部材固定構造７は、電線２に対するノイズ吸収部材３の固定状態をより安定させることができる。

　加えて、固定部４が、電線２における前後方向Ｘの所定位置において、電線２に巻着した固定テープで構成されているため、固定部４を容易に構成できるとともに、金属製や樹脂製の固定部に比べて固定部４の重量を大幅に抑えることができる。　
　さらに、固定テープで固定部４を構成したことにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、所望される前後方向Ｘの所定位置に固定部４を確実に固定することができる。

　加えて、ノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに応じて、固定テープを巻着する前後方向Ｘの範囲を変更することで、ノイズ吸収部材固定構造７は、結束バンド５を介したノイズ吸収部材３の取り付けに適した前後方向Ｘの長さを有する固定部４を構成することができる。　
　これにより、ノイズ吸収部材固定構造７は、ノイズ吸収部材３をより安定した状態で電線２に固定することができる。

　なお、ノイズ吸収部材３を１本の電線２に固定する場合、上述した実施形態と同様に、固定部４の前後方向Ｘの長さＬが（Ｗ－ｔ／２）≦Ｌ≦（Ｗ＋ｔ／２）となるように固定テープを巻着して固定部４を構成してもよい。

　また、ノイズ吸収部材３を１つ固定したワイヤーハーネス１としたが、これに限定せず、前後方向Ｘに所定間隔を隔てて複数のノイズ吸収部材３が固定されたワイヤーハーネス１であってもよい。

　また、軟磁性を有するフェライト製の磁性体でコア部材３１を構成したが、これに限定せず、電線２を流れるノイズ電流、または／および電線２で生じた電磁ノイズの放射を抑制可能であれば、適宜の材質及び構成のコア部材であってもよい。例えば導体が巻き回されたコア部材であってもよい。

　また、固定部４を固定テープで構成したが、これに限定せず、少なくとも前後方向Ｘへの移動が規制された状態で電線２に固定可能であれば、結束バンド、あるいは２本の電線２を一体的に把持する把持部材で固定部４を構成してもよい。

　また、結束バンド５を用いてノイズ吸収部材３を固定部４に取り付けたが、これに限定せず、固定部４と電線２との隙間Ｇを通してノイズ吸収部材３に巻き回すことができる長尺形状の取付部であれば、適宜の構成の取付部であってもよい。

　また、複数の電線２を束ねるとともに、複数の電線２に固定された係止部材に、ノイズ吸収部材３に設けた被係止部が係止される構成であってもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様に、所望される所定位置にノイズ吸収部材３を固定することができる。

　また、固定部４の前後方向Ｘの長さＬを、一例としてノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さに同じ前後方向Ｘの長さ、またはノイズ吸収部材３の前後方向Ｘの長さＷに公差長さ（±ｔ／２）を加えた長さとしたが、これに限定しない。

　より詳しくは、固定部４の前後方向Ｘの長さＬは、ノイズ吸収部材３を電線２における前後方向Ｘの所定位置に結束バンド５で位置規制可能あれば、適宜の前後方向Ｘの長さであればよく、例えば（Ｗ－ｔ／２）≦Ｌ、またはＬ≦（Ｗ＋ｔ／２）であってもよい。

　また、ノイズ吸収部材３が固定された２本の電線２を覆う編組シールド６を備えたワイヤーハーネス１としたが、これに限定せず、編組シールド６を備えていないワイヤーハーネス１であってもよい。

　また、ノイズ吸収部材３の外径に略同じ内径の編組シールド６としたが、これに限定せず、２本の電線２の外径に略同じ内径の編組シールド６としてもよい。この場合、編組シールド６を拡径するように広げて、ノイズ吸収部材３を覆ったのち、電線２を覆う部分を押し潰して縮径することで、電線２及びノイズ吸収部材３に密着させる。

１…ワイヤーハーネス
２…電線
３…ノイズ吸収部材
３ａ…挿通空間
４…固定部
５…結束バンド
３１…コア部材
５１…バンド部
５２…ロック部
Ｇ…隙間
Ｌ…固定部の長さ
Ｗ…ノイズ吸収部材の長さ
Ｘ…前後方向

Claims (11)

1. 　電線を挿通する挿通空間を有し、該挿通空間に挿通された前記電線のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材を、前記電線に固定するノイズ吸収部材固定構造であって、
   前記電線における長手方向の所定位置に固定された固定部と、
   前記ノイズ吸収部材を前記固定部に取り付ける取付部とが備えられた
   ノイズ吸収部材固定構造。
2. 　前記取付部が、
   前記電線と前記固定部との間を通るとともに、前記ノイズ吸収部材の外周面に前記長手方向に沿って巻き回される長尺形状に形成された
   請求項１に記載のノイズ吸収部材固定構造。
3. 　前記固定部は、
   前記電線における前記長手方向の所定位置において、前記電線に巻着した固定テープである
   請求項２に記載のノイズ吸収部材固定構造。
4. 　前記固定部が、束ねた状態の複数の前記電線を保持し、
   前記取付部が、
   複数の前記電線と前記固定部とで形成される隙間を通って、前記ノイズ吸収部材の外周面に巻き回される長尺形状に形成された
   請求項１に記載のノイズ吸収部材固定構造。
5. 　前記取付部は、
   長尺帯状のバンド部と、環状に巻き回した前記バンド部が係止固定されるロック部とを有する結束バンドである
   請求項４に記載のノイズ吸収部材固定構造。
6. 　前記固定部は、
   前記電線における前記長手方向の所定位置において、複数の前記電線に巻着した固定テープである
   請求項４に記載のノイズ吸収部材固定構造。
7. 　前記ノイズ吸収部材が、
   前記長手方向に並置した複数の環状体で構成され、
   前記固定部における前記長手方向の長さが、
   前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さに同じ、または前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さよりも僅かに短い長さである
   請求項４に記載のノイズ吸収部材固定構造。
8. 　前記ノイズ吸収部材が、
   前記長手方向に並置した複数の環状体で構成され、
   前記固定部における前記長手方向の長さが、
   前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さに同じ、または前記ノイズ吸収部材における前記長手方向の長さよりも僅かに長い長さである
   請求項４に記載のノイズ吸収部材固定構造。
9. 　前記結束バンドの前記ロック部が、
   前記電線の前記長手方向における前記ノイズ吸収部材の端面に隣接して配置され、
   前記結束バンドの前記バンド部が、
   前記バンド部の基部よりも前記ノイズ吸収部材の内周面側において、前記ロック部に挿通固定された
   請求項５に記載のノイズ吸収部材固定構造。
10. 　前記ノイズ吸収部材が、
    前記長手方向に並置した複数の環状体で構成された
    請求項１に記載のノイズ吸収部材固定構造。
11. 　複数の電線と、
    複数の前記電線を挿通する挿通空間を有し、該挿通空間に挿通された前記電線のノイズを抑制する環状のノイズ吸収部材と、
    前記電線における長手方向の所定位置に固定された固定部と、
    前記ノイズ吸収部材を前記固定部に取り付ける取付部とが備えられた
    前記ノイズ吸収部材が、
    前記固定部及び前記取付部の協働によって、前記電線における長手方向の所定位置に固定された
    ワイヤーハーネス。

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