WO2023218978A1

WO2023218978A1 - 表示装置

Info

Publication number: WO2023218978A1
Application number: PCT/JP2023/016575
Authority: WO
Inventors: 紀晃高橋; 優斗小林
Original assignee: ソニーグループ株式会社
Priority date: 2022-05-12
Filing date: 2023-04-27
Publication date: 2023-11-16
Also published as: JPWO2023218978A1

Abstract

本開示は、反射型偏光板を用いることで、ディスプレイ光の減光を抑制した表示装置を提供することができるようにする表示装置に関する。表示装置は、ディスプレイと、カメラと、第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板とを備える。反射型偏光板が、第１の偏光と第２の偏光を含む自然光像とディスプレイの映像の一方を透過し、自然光像とディスプレイの映像の他方を反射するように、カメラの撮像方向に配置され、カメラが、反射型偏光板を介して提供される第１の偏光および第２の偏光の一方のみを含む自然光像を撮像するように構成される。本開示の技術は、例えば、テレコミュニケーション装置等に適用できる。

Description

表示装置

　本開示は、表示装置に関し、特に、反射型偏光板を用いることで、ディスプレイ光の減光を抑制した表示装置を提供できるようにした表示装置に関する。

　従来、テレコミュニケーションにおいてユーザ間の視線を一致させるための技術が開発されてきた。例えば特許文献１では、偏光板およびハーフミラーを用いたテレコミュニケーション装置が開示されている。

　一方、近年ではミラーとして機能し得る反射型偏光板を活用した技術が開示されている。例えば特許文献２では、反射型偏光板をディスプレイ上に配置し、鏡とディスプレイの機能を切り替え可能な装置が開示されている。

特開平０５－１９９５１８号公報国際公開第２０１６／１３６１００号

　偏光板およびハーフミラーを用いた装置構成によれば、ディスプレイ光が減光するため映像品質が低下する。

　本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、反射型偏光板を用いることで、ディスプレイ光の減光を抑制した表示装置を提供できるようにするものである。

　本開示の一側面の表示装置は、ディスプレイと、カメラと、第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、前記第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板とを備え、前記反射型偏光板が、前記第１の偏光と前記第２の偏光を含む自然光像と前記ディスプレイの映像の一方を透過し、前記自然光像と前記ディスプレイの映像の他方を反射するように、前記カメラの撮像方向に配置され、前記カメラが、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を撮像するように構成された表示装置である。

　本開示の一側面においては、ディスプレイと、カメラと、第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、前記第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板とが設けられ、前記反射型偏光板が、前記第１の偏光と前記第２の偏光を含む自然光像と前記ディスプレイの映像の一方を透過し、前記自然光像と前記ディスプレイの映像の他方を反射するように、前記カメラの撮像方向に配置され、前記カメラが、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を撮像するように構成される。

　表示装置は、独立した装置であっても良いし、１つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。

比較例としての表示装置の構成例を示す側面図である。本開示の表示装置に用いる反射型偏光板を説明する図である。本開示の表示装置の第１実施の形態の構成例を示す側面図である。反射光の偏光軸を説明する図である。第１実施の形態の第９変形例を説明する側面図である。本開示の表示装置の第２実施の形態の構成例を示す側面図である。本開示の表示装置の第３実施の形態の構成例を示す側面図である。本開示の表示装置の第４実施の形態の構成例を示す側面図である。本開示の表示装置の第５実施の形態の構成例を示す側面図である。本開示の表示装置を適用したテレコミュニケーション装置を含むテレビ会議システムのブロック図である。

　以下、添付図面を参照しながら、本開示の技術を実施するための形態（以下、実施の形態という）について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。説明は以下の順序で行う。
１．比較例の表示装置の構成例
２．反射型偏光板の説明
３．本開示の表示装置の第１実施の形態
４．第１実施の形態の変形例
５．本開示の表示装置の第２実施の形態
６．本開示の表示装置の第３実施の形態
７．本開示の表示装置の第４実施の形態
８．本開示の表示装置の第５実施の形態
９．本開示の表示装置のまとめ
１０．テレビ会議システムの構成例

＜１．比較例の表示装置の構成例＞
　本開示は、ディスプレイに表示された映像を見るユーザの視線方向と、そのユーザを捉えるカメラの撮像方向とを一致させた表示装置に関する。本開示の表示装置の構成について説明する前に、本開示の表示装置と比較するための比較例として、ハーフミラーを用いた表示装置の構成について説明する。

　図１は、比較例としての表示装置の構成例を示す側面図である。図１は、表示装置に表示された映像を見るユーザを横方向からみた図である。

　表示装置１は、ディスプレイ１１、ハーフミラー１２、カメラ１３、及び、黒マスク１４を備える。ユーザ１０は、着座して表示装置１の映像を見ている。表示装置１は、ディスプレイ１１から出力される映像及び音声を視聴する視聴者であるユーザ１０の正面に設置されている。

　ハーフミラー１２は、ユーザ前方の所定距離離れた位置に、ユーザ側に４５度傾いた状態で設置され、ディスプレイ１１は、ハーフミラー１２の鉛直下に表示面を上にして配置されている。カメラ１３は、４５度傾いたハーフミラー１２の先（奥行き方向）に、ユーザ１０と対向するように配置されている。ユーザ１０からみてカメラ１３より先（奥行き方向）の背面と、ユーザ１０からみて天井方向となる、ハーフミラー１２を介してディスプレイ１１側と反対側の上面には、光を吸収し、かつ、光の反射を抑制する黒マスク１４が配置されている。ハーフミラー１２は、固定部２１A及び２１Bにより、黒マスク１４の天井部と、黒マスク１４の背面部のそれぞれに固定されることにより、床面に対して４５度傾いた状態で中空固定されている。

　ディスプレイ１１は、例えばLCD（Liquid Crystal Display）で構成され、不図示の表示制御部から供給される映像を表示する。ハーフミラー１２は、入射される光の半分を透過させ、残りの半分を反射させる。カメラ１３は、被写体であるユーザ１０からの光（以下、被写体光とも称する。）を撮像する。

　以上の構成を有する表示装置１においては、ディスプレイ１１に表示された映像が、ハーフミラー１２で反射され、ユーザに視認される。カメラ１３が、ハーフミラー１２を介してユーザ１０を撮像する。

　このようなハーフミラー１２を用いた表示装置１には、以下のような問題がある。
（1A）ディスプレイ１１からの光がハーフミラー１２を介して反射することで減光する。
（2A）カメラ１３が撮像する被写体光がハーフミラー１２を介して透過することで減光する。
（3A）カメラ１３側の光景がハーフミラー１２を介して透過するためユーザ１０に見えてしまう。カメラ１３側の光景をユーザ１０に見えなくするためには、暗くする必要がある。
（4A）カメラ１３側の光景が、ハーフミラー１２を介して反射することでカメラ１３で撮影されてしまう。
（5A）ハーフミラー１２を中空で固定する必要がある。
（6A）ディスプレイ１１の虚像がハーフミラー１２の奥（図１において破線で示される虚像位置２２）となり、ユーザ１０の視距離に制約が加わる。換言すれば、ユーザ１０の位置によっては、ハーフミラー１２で反射される映像が見切れる場合があるなど、ユーザ１０がディスプレイ１１の映像を見ることができる位置に制限が生じる。

＜２．反射型偏光板の説明＞
　以上のように、比較例としての表示装置１では、ハーフミラー１２を用いたことによりディスプレイ光が減光するため映像品質が低下する。以下で説明する本開示の表示装置では、反射型偏光板を用いることで、ディスプレイ光の減光を抑制し、かつ、ディスプレイに表示された映像を見るユーザの視線方向と、そのユーザを捉えるカメラの撮像方向とを一致させることを実現している。

　図２を参照して、本開示の表示装置に用いられる反射型偏光板について説明する。

　反射型偏光板３１は、第１の方向の直線偏光を選択的に透過し、第１の方向と直交する第２の方向の直線偏光を選択的に反射する反射型偏光素子である。以下では、透過する第１の方向の直線偏光をｐ偏光と称し、反射する第２の方向の直線偏光をｓ偏光と称して説明する。ｐ偏光の軸を透過軸、ｓ偏光の軸を反射軸とも称する。なお、図２では、透過軸が横方向（水平方向）、反射軸が縦方向（垂直方向）の向きとなっているが、透過軸と反射軸が直交する関係にあれば、透過軸と反射軸の向きは、縦方向、横方向、又は斜め方向のいずれの方向でもよい。

＜３．本開示の表示装置の第１実施の形態＞
　図３は、本開示の表示装置の第１実施の形態の構成例を示す側面図である。図３は、表示装置に表示された映像を見るユーザを横方向からみた図である。後述する第２ないし第５実施の形態についても同様である。

　表示装置４１は、ディスプレイ５１、反射型偏光板５２、カメラ５３、黒マスク５４、及び、偏光フィルタ５５を備える。ユーザ１０は、着座して表示装置４１の映像を見ている。表示装置４１は、ディスプレイ５１から出力される映像及び音声を視聴する視聴者であるユーザ１０の正面に設置されている。

　ディスプレイ５１は、ユーザ前方の所定距離離れた位置に傾斜状態で配置され、ディスプレイ５１の表面には反射型偏光板５２が貼り付けられている。ディスプレイ５１は、重力方向に垂直な面（例えば床面）に対し４５度上側に向いた傾斜状態で配置されるように固定部材５６に取り付けられて構成されている。ディスプレイ５１は、裸眼により立体映像の視聴を可能とする３Dディスプレイで構成され、重力方向を基準とした映像を生成するように構成されている。より具体的には、ディスプレイ５１は、例えばLCDで構成される映像表示部の前面に、レンチキュラーレンズやパララックスバリア等の立体視光学部材を配置して構成されている。視線認識センサ５７は、ディスプレイ５１の表示面の所定位置に配置されている。視線認識センサ５７は、ユーザ１０の視点の位置、より具体的には瞳の位置及び視線を認識する。ディスプレイ５１は、視線認識センサ５７で検出したユーザ１０の視線に応じて重力方向を基準とした映像を生成して表示する。なお、ユーザ１０の視線に応じて重力方向を基準とした映像を生成する処理は、ディスプレイ５１内部に含まれるCPU等のプロセッサで実行してもよいし、ディスプレイ５１とは別の映像処理装置で処理し、処理後の映像信号をディスプレイ５１に供給してもよい。反射型偏光板５２は、ディスプレイ５１の表示面上に直接的に固定されている。ディスプレイ５１と反射型偏光板５２が一体化されたことにより、反射型偏光板５２を傾斜状態で保持する構成を省略することができる。

　反射型偏光板５２は、図２を参照して説明した反射型偏光板３１と同じ部材であり、ｐ偏光を透過し、ｓ偏光を反射する。ディスプレイ５１の映像表示部がLCDで構成される場合、ディスプレイ５１の出力光は直線偏光となるので、ディスプレイ５１の出力光の偏光軸が、反射型偏光板５２の透過軸と一致するように、反射型偏光板５２がディスプレイ５１の表面に貼り付けられている。すなわち、ディスプレイ５１の出力光は反射型偏光板５２の透過軸に合わせたｐ偏光となっており、反射型偏光板５２は、ディスプレイ５１の出力光（以下、映像光とも称する。）を透過させる。また、反射型偏光板５２は、ｐ偏光とｓ偏光とを含む被写体としてのユーザ１０からの光（被写体光）のうち、ｓ偏光の被写体光を反射させる。反射されたｓ偏光の被写体光は、ディスプレイ５１及び反射型偏光板５２の鉛直上方に設置されたカメラ５３へ進む。

　カメラ５３は、ディスプレイ５１及び反射型偏光板５２の鉛直上方に、床面方向（下方向）を向いて設置されている。カメラ５３の前方（下側）であって、カメラ５３と反射型偏光板５２との間には黒マスク５４が設置され、黒マスク５４とカメラ５３との間には偏光フィルタ５５が設置されている。黒マスク５４は、光を吸収し、光の反射を抑制する。黒マスク５４にはカメラ５３の撮像範囲に対応した開口部５４Cが設けられている。偏光フィルタ５５は、第１の方向の直線偏光を選択的に透過し、第１の方向と直交する第２の方向の直線偏光を選択的に吸収する吸収型偏光素子である。偏光フィルタ５５は、反射型偏光板５２の反射軸の偏光であるｓ偏光を透過させ、ｐ偏光を吸収する向きに配置されている。

　ディスプレイ５１とカメラ５３は、カメラ５３の撮像中心の光軸と、ディスプレイ５１の中心を通る映像光の光軸とが一致するように配置されている。

　以上のように構成された表示装置４１において、ｐ偏光であるディスプレイ５１の映像光が、反射型偏光板５２を透過してユーザ１０に視認される。ｐ偏光とｓ偏光とからなるユーザ１０の被写体光のうち、ｓ偏光の被写体光が反射型偏光板５２で反射され、黒マスク５４の開口部５４Cと偏光フィルタ５５を通過してカメラ５３へ入射される。カメラ５３は、ｓ偏光からなるユーザ１０の被写体光を撮像し、ユーザ画像を生成する。

　上述した比較例である表示装置１の（1A）ないし（6A）に対応して、表示装置４１による特徴を記述すると、以下の（1B）ないし（6B）のようになる。
（1B）ディスプレイ５１の映像光はｐ偏光であり、反射型偏光板５２の透過軸と偏光方向が揃っているため減光しない。したがって、ディスプレイ５１の映像光を減光させずにユーザ１０に届けることができる。
（2B）ｐ偏光とｓ偏光とからなる被写体光のうち、ｓ偏光の被写体光が反射型偏光板５２により反射される。偏光フィルタ５５の透過軸もｓ偏光の被写体光と揃っているため、ｓ偏光の被写体光は偏光フィルタ５５を透過してカメラ５３へ入射されるので、カメラ５３でユーザ１０を撮像することができる。
（3B）カメラ５３側の光景は黒マスク５４で覆われているため、ユーザ１０には見えにくい。
（4B）ディスプレイ５１の映像光はｐ偏光であり、偏光フィルタ５５でカットされるため、カメラ５３で撮影されることはない。
（5B）反射型偏光板５２はディスプレイ５１に直接的に固定されており、中空で固定する必要がない。
（6B）ディスプレイ５１の表示面と被写体光の反射面とが一致しているため、ユーザ１０の視距離に制約がない。

　このように、第１実施の形態の表示装置４１によれば、ハーフミラー１２を用いず、反射型偏光板５２を用いることにより、ディスプレイ光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１の映像の品質を向上させることができ、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。

　比較例の表示装置１と比べて、ディスプレイ５１と反射型偏光板５２が一体化されたことにより、反射型偏光板５２を傾斜状態で保持する構成を省略することができ、ユーザ１０に見えなくするために暗くする必要もないため、設置性に優れる。黒マスク５４は天井の一面だけであるので、少なくとも二面必要な表示装置１と比べて小規模に構成することができる。ディスプレイ５１をユーザ１０の前面に配置することができるため、視聴距離を短くすることができる。

＜４．第１実施の形態の変形例＞
　上述した第１実施の形態の変形例について説明する。図３の表示装置４１は、以下のような変形例を取り得る。

（第１変形例）
　図３の表示装置４１では、カメラ５３の前方に黒マスク５４が設置された。第１変形例として、この黒マスク５４に代えて、透過軸が偏光フィルタ５５と直交する偏光フィルタ、すなわち、ｐ偏光を透過させ、ｓ偏光を吸収する偏光フィルタを用いてもよい。この場合、偏光フィルタ５５の前に配置された偏光フィルタはｐ偏光を透過させるので、天井方向のカメラ５３側からの光（例えば外光）の一部（ｐ偏光）が透過してディスプレイ５１側に入射されるので、撮影環境が明るくなるメリットがある。また、表示装置４１が設置された周囲の環境によっては黒マスク５４自体を省略することもできる。

（第２変形例）
　第２変形例として、カメラ５３と黒マスク５４との間に配置された偏光フィルタ５５に、偏光軸を９０度回転可能な回転機構を設けることができる。図３で説明した偏光フィルタ５５の向き、すなわち、ｓ偏光を透過させ、ｐ偏光を吸収する向きでは、偏光フィルタ５５は、上述したように、ディスプレイ５１の映像光がカットされ、ユーザ１０の被写体光を透過させる。回転機構により図３で説明した向きから９０度回転させた状態とした場合、偏光フィルタ５５は、ユーザ１０の被写体光をカットし、ディスプレイ５１の映像光を透過させる。例えば、ディスプレイ５１に、輝度や色度などの経時変化を確認するためのキャリブレーション画像を表示させ、カメラ５３で撮像することにより、輝度や色度などの経時変化をキャリブレーションすることができる。

（第３変形例）
　図３に示した表示装置４１では、ディスプレイ５１の表示面の全面に反射型偏光板５２を貼り合わせた構成としたが、反射型偏光板５２は、表示面の全面に貼り合わせる必要はなく、カメラ５３の撮影範囲を少なくともカバーする領域に貼り合わせてあればよい。反射型偏光板５２を貼り合わせ領域（面積）を減らすことで、カメラ５３側へ反射される余分な反射光（ｓ偏光）が減少する。これに合わせて、黒マスク５４のサイズ（面積）を縮小してもよく、表示装置４１をより小型化することができる。

（第４変形例）
　上述した表示装置４１において、ディスプレイ５１がLCDで構成されることとしたが、ディスプレイ５１としてLCD以外のディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイ（OLED）、マイクロLEDを用いたLEDディスプレイ、プロジェクタ、CRTディスプレイ等を用いてもよい。ディスプレイ５１が、上述したLCDのようにディスプレイ自体に偏光板を含み、出力光として偏光波を出力するディスプレイの場合には、上述したようにディスプレイ５１の出力光の偏光軸が反射型偏光板５２の透過軸と一致するように、反射型偏光板５２がディスプレイ５１の表面に貼り付けられる。ディスプレイ５１は、出力光として偏光波を出力するディスプレイに限定されないが、出力光として偏光波を出力するディスプレイが出力光の利用効率が高くなるため好ましい。

（第５変形例）
　カメラ５３と黒マスク５４との間に配置された偏光フィルタ５５は、黒マスク５４の開口部５４Cに設け、黒マスク５４と一体としてもよい。この場合、黒マスク５４と偏光フィルタ５５を薄型化することができる。あるいはまた、カメラ５３のレンズの先端に取り付け、カメラ５３と一体としてもよい。さらにカメラ５３は、偏光フィルタ５５としての偏光素子が撮像センサ内に組み込まれた偏光カメラであってもよい。

（第６変形例）
　カメラ５３と黒マスク５４との間に配置された偏光フィルタ５５を、直線偏光フィルタではなく、円偏光フィルタとしてもよい。円偏光フィルタは、直線偏光フィルタに1/4位相差板を追加することで構成することができる。偏光フィルタ５５の前面に1/4位相差板を追加してもよいし、偏光フィルタ５５そのものを円偏光フィルタに置き換えてもよい。カメラ５３がデジタルカメラである場合、オートフォーカスや露光に偏光が使われることがあるため、正常に動作させるために円偏光フィルタを利用することが一般に行われている。

（第７変形例）
　カメラ５３は、１台に限定されず、例えばステレオカメラとするなど、複数台のカメラとしてもよい。また、カメラ５３は、RGBの波長の光を撮像するRGBカメラに限定されず、赤外光（IR光）を撮像するIRカメラや、UV光を撮像するUVカメラであってもよい。すなわち、カメラ５３が撮像する被写体光の波長は問わない。

　また、カメラ５３は、画像を生成するイメージセンサに限らず、被写体（物体）までの距離を測定する測距カメラ（測距センサ）とすることもできる。表示装置４１では、被写体（物体）までの往復の光路が妨げられないため、ToF方式により被写体（物体）までの距離を測定することができる。

（第８変形例）
　反射型偏光板５２の透過軸と反射軸の向きは、どちらを横方向または縦方向としてもよいが、図４に示されるように、反射軸（ｓ偏光の軸）が、反射型偏光板５２が反射させる反射光、具体的には被写体光の光軸で形成される平面に対して垂直な方向となるように反射型偏光板５２を配置することが望ましい。一般に鏡面反射では、光の反射方向に対して横方向の偏光が強くなるため、このような配置とすることで、反射光を有効活用し、撮影画像やディスプレイ５１の映像光を明るくすることができる。

（第９変形例）
　上述した例では、ｐ偏光とｓ偏光が直線偏光である例について説明したが、ｐ偏光とｓ偏光は直線偏光に限定されない。例えば、円偏光又は楕円偏光としてもよい。例えば、ｐ偏光とｓ偏光を円偏光とする場合には、図５に示されるように、反射型偏光板５２と偏光フィルタ５５の前面に、それぞれ、1/4位相差板６１及び６２を配置すればよい。これにより、ｐ偏光及びｓ偏光が、上述した横方向と縦方向の直線偏光から、右円偏光と左円偏光に変換される。例えば、ディスプレイ５１の映像光が、ｐ偏光としての右円偏光（左円偏光）であり、ユーザ１０の被写体光が、ｓ偏光としての左円偏光（右円偏光）となる。円偏光は、斜入射特性が高いため、撮像画像を高コントラスト化することができる。

＜５．本開示の表示装置の第２実施の形態＞
　図６は、本開示の表示装置の第２実施の形態の構成例を示す側面図である。

　図６において、図３に示した第１実施の形態と共通する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は適宜省略する。後述する図７ないし図９の第３ないし第５実施の形態についても同様である。

　図３の第１実施の形態では、カメラ５３が、ディスプレイ５１及び反射型偏光板５２の鉛直上方に設置され、ユーザ１０の被写体光が、反射型偏光板５２によって上側（天井側）に反射される構成とされていた。

　これに対して、図６の第２実施の形態では、カメラ５３が、ディスプレイ５１及び反射型偏光板５２の鉛直下方に設置され、ユーザ１０の被写体光が、反射型偏光板５２によって床面側（下側）に反射される構成とされている。この場合、天井の遮光が不要となる。

　ディスプレイ５１が、ユーザ前方の所定距離離れた位置に、４５度下側に向いた傾斜状態で配置され、ディスプレイ５１の表面には反射型偏光板５２が貼り付けられている。ディスプレイ５１は、固定部材５６に取り付けられることにより、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成されている。

　カメラ５３は、ディスプレイ５１及び反射型偏光板５２の鉛直下方に、天井方向（上方向）を向いて設置されている。カメラ５３の前方（上側）であって、カメラ５３と反射型偏光板５２との間には黒マスク５４が設置され、黒マスク５４とカメラ５３との間には偏光フィルタ５５が設置されている。

　第２実施の形態の表示装置４１において、ｐ偏光であるディスプレイ５１の映像光が、反射型偏光板５２を透過してユーザ１０に視認される。ｐ偏光とｓ偏光とからなるユーザ１０の被写体光のうち、ｓ偏光の被写体光が反射型偏光板５２で反射され、黒マスク５４の開口部５４Cと偏光フィルタ５５を通過してカメラ５３へ入射される。カメラ５３は、ｓ偏光からなるユーザ１０の被写体光を撮像し、ユーザ画像を生成する。

　第２実施の形態の表示装置４１による特徴は、以下の（1B）ないし（6B）のようになる。
（1B）ディスプレイ５１の映像光はｐ偏光であり、反射型偏光板５２の透過軸と偏光方向が揃っているため減光しない。したがって、ディスプレイ５１の映像光を減光させずにユーザ１０に届けることができる。
（2B）ｐ偏光とｓ偏光とからなる被写体光のうち、ｓ偏光の被写体光が反射型偏光板５２により反射される。偏光フィルタ５５の透過軸もｓ偏光の被写体光と揃っているため、ｓ偏光の被写体光は偏光フィルタ５５を透過してカメラ５３へ入射されるので、カメラ５３でユーザ１０を撮像することができる。
（3B）カメラ５３側の光景は黒マスク５４で覆われているため、ユーザ１０には見えにくい。
（4B）ディスプレイ５１の映像光はｐ偏光であり、偏光フィルタ５５でカットされるため、カメラ５３で撮影されることはない。
（5B）反射型偏光板５２はディスプレイ５１に直接的に固定されており、中空で固定する必要がない。
（6B）ディスプレイ５１の表示面と被写体光の反射面とが一致しているため、ユーザ１０の視距離に制約がない。

　このように、第２実施の形態の表示装置４１においても、ハーフミラー１２を用いず、反射型偏光板５２を用いることにより、ディスプレイ光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１の映像の品質を向上させることができ、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。

　第１実施の形態はユーザ１０の被写体光を上方へ反射させ、第２実施の形態は下方へ反射させる構成であるが、同様に、右方向へ反射させる構成や、左方向へ反射させる構成も可能である。

　また、第１及び第２実施の形態におけるユーザ１０の被写体光を反射させる角度に関しても、４５度に限定されず、任意の角度とすることができる。例えば、図６において反射型偏光板５２が４５度よりも床面側に向き、反射型偏光板５２と偏光フィルタ５５とが平行に近くなるような角度とした場合、平行に近くなるほど、偏光方向が揃いやすくなるため、コントラストが向上するメリットが生じる。逆に、図６において反射型偏光板５２が４５度よりも上面側に向き、反射面が垂直に近くなり、反射面に対するｓ偏光の入射角が小さくなるほど、反射面の平坦からのズレの感度が小さくなる。言い換えれば、反射面が垂直に近くなるほど、反射面の平坦性が多少悪い場合であっても、画像の歪みを小さくすることができる。

＜６．本開示の表示装置の第３実施の形態＞
　図７は、本開示の表示装置の第３実施の形態の構成例を示す側面図である。

　図３に示した第１実施の形態では、反射型偏光板５２がディスプレイ５１の表面に貼り付けられ、ディスプレイ５１と反射型偏光板５２が一体とされた構成であった。

　これに対して、図７の第３実施の形態の表示装置４１は、ディスプレイ５１と反射型偏光板５２が別々に設けられた構成とされている。

　具体的には、反射型偏光板５２が、ユーザ前方の所定距離離れた位置に、重力方向に垂直な面に対し４５度上側に向くように傾斜状態で配置されている。反射型偏光板５２は、不図示の固定ユニットで固定されている。ディスプレイ５１は、ユーザ１０に正対して床面に垂直、換言すれば重力方向に平行に配置されている。その他の構成は、第１実施の形態と同様である。

　第３実施の形態の表示装置４１による特徴は、以下の（1B）ないし（6B）のようになる。
（1B）ディスプレイ５１の映像光はｐ偏光であり、反射型偏光板５２の透過軸と偏光方向が揃っているため減光しない。したがって、ディスプレイ５１の映像光を減光させずにユーザ１０に届けることができる。
（2B）ｐ偏光とｓ偏光とからなる被写体光のうち、ｓ偏光の被写体光が反射型偏光板５２により反射される。偏光フィルタ５５の透過軸もｓ偏光の被写体光と揃っているため、ｓ偏光の被写体光は偏光フィルタ５５を透過してカメラ５３へ入射されるので、カメラ５３でユーザ１０を撮像することができる。
（3B）カメラ５３側の光景は黒マスク５４で覆われているため、ユーザ１０には見えにくい。
（4B）反射型偏光板５２の下方（床面側）からの外光については、反射型偏光板５２の透過軸に対応するｐ偏光のみを透過させるが、ｐ偏光は偏光フィルタ５５でカットされるため、カメラ５３で撮影されることはない。
（5B）反射型偏光板５２はディスプレイ５１と別体で固定される。
（6B）ディスプレイ５１はユーザ１０と正対する正面に配置されているため、ユーザ１０の視距離に制約がない。

　このように、第３実施の形態の表示装置４１においても、ハーフミラー１２を用いず、反射型偏光板５２を用いることにより、ディスプレイ光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１の映像の品質を向上させることができ、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。

　第３実施の形態の場合、ディスプレイ５１がユーザ１０と正対する配置となるため、ディスプレイ５１は3Dディスプレイでなく、2Dディスプレイでもよい。

＜７．本開示の表示装置の第４実施の形態＞
　図８は、本開示の表示装置の第４実施の形態の構成例を示す側面図である。

　図８の第４実施の形態は、図７に示した第３実施の形態と同様に、ディスプレイ５１と反射型偏光板５２が別々に離して配置された構成である。

　図７に示した第３実施の形態では、ディスプレイ５１がユーザ１０と正対して配置され、カメラ５３が反射型偏光板５２の鉛直上方に設置されていた。これに対して、図８の第４実施の形態の表示装置４１では、ディスプレイ５１’が、反射型偏光板５２の鉛直上方に、表示面を下向きに配置され、カメラ５３がユーザ１０と正対して設置されている。第４実施の形態のディスプレイ５１’は、上述した各実施の形態のディスプレイ５１と出力光の偏光軸が異なる。ディスプレイ５１の出力光はｐ偏光であったが、ディスプレイ５１’の出力光はｓ偏光である。また、カメラ５３の前方に配置された偏光フィルタ５５’は、上述した各実施の形態の偏光フィルタ５５と透過軸が異なる。偏光フィルタ５５はｓ偏光を透過させたが、偏光フィルタ５５’は、ｐ偏光を透過させる。

　反射型偏光板５２は、上述した他の実施の形態と同様に、ｓ偏光を反射させ、ｐ偏光を透過させる。ディスプレイ５１’からの映像光を反射型偏光板５２で反射させる必要があり、ユーザ１０の被写体光は透過させる必要があるため、第４実施の形態においては、ディスプレイ５１’の映像光がｓ偏光となり、カメラ５３へ入射されるユーザ１０の被写体光がｐ偏光となる。したがって、ディスプレイ５１’の映像光とユーザ１０の被写体光のｓ偏光とｐ偏光の関係が、上述した第１ないし第３実施の形態と反対となっている。

　第４実施の形態の表示装置４１による特徴は、以下の（1B）ないし（6B）のようになる。
（1B）ディスプレイ５１’の映像光はｓ偏光であり、反射型偏光板５２の反射軸と偏光方向が揃っているため減光しない。したがって、ディスプレイ５１’の映像光を減光させずにユーザ１０に届けることができる。
（2B）ｐ偏光とｓ偏光とからなる被写体光のうち、ｐ偏光の被写体光が反射型偏光板５２と偏光フィルタ５５’を透過してカメラ５３へ入射されるので、カメラ５３でユーザ１０を撮像することができる。
（3B）カメラ５３側の光景は黒マスク５４で覆われているため、ユーザ１０には見えにくい。
（4B）反射型偏光板５２の下方（床面側）からの外光については、反射型偏光板５２の反射軸に対応するｓ偏光を反射させるが、ｓ偏光は偏光フィルタ５５’でカットされるため、カメラ５３で撮影されることはない。
（5B）反射型偏光板５２はディスプレイ５１’と別体で固定される。
（6B）ディスプレイ５１’の虚像が反射型偏光板５２の反射面の奥となり、ユーザ１０と正対する正面に配置されているため、ユーザ１０の視距離に制約が加わる。

　このように、第４実施の形態の表示装置４１においても、ハーフミラー１２を用いず、反射型偏光板５２を用いることにより、ディスプレイ光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１’の映像の品質を向上させることができ、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１’に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。

　第４実施の形態の場合、ディスプレイ５１’の虚像がユーザ１０と正対する配置となるため、ディスプレイ５１’は3Dディスプレイでなく、2Dディスプレイでもよい。

＜８．本開示の表示装置の第５実施の形態＞
　図９は、本開示の表示装置の第５実施の形態の構成例を示す側面図である。

　図９の第５実施の形態は、図８に示した第４実施の形態と同様に、ディスプレイ５１’と反射型偏光板５２が別々に離して配置されるとともに、反射型偏光板５２の上方にｓ偏光による映像光を出力するディスプレイ５１’が配置され、反射型偏光板５２の奥のユーザ１０の正面にカメラ５３が配置された構成である。

　図８に示した第４実施の形態においてカメラ５３と黒マスク５４との間に配置されていた偏光フィルタ５５’が省略され、黒マスク５４が、カメラ５３の前方だけでなく、反射型偏光板５２の鉛直下方の床面にも配置されている。その他の構成は、図８に示した第４実施の形態と同様である。

　黒マスク５４が反射型偏光板５２下方の床面上に配置されたことにより、反射型偏光板５２より下方の外光（ｓ偏光を含む）は、床面上の黒マスク５４により反射が抑制される。これにより、床面側から反射型偏光板５２へｓ偏光が入射されることが抑制されるので、ｓ偏光が反射型偏光板５２で反射されてカメラ５３へ入射されることが防止される。そのため、カメラ５３前方の偏光フィルタ５５’が省略可能となる。

　第５実施の形態の表示装置４１による特徴は、以下の（1B）ないし（6B）のようになる。
（1B）ディスプレイ５１’の映像光はｓ偏光であり、反射型偏光板５２の反射軸と偏光方向が揃っているため減光しない。したがって、ディスプレイ５１’の映像光を減光させずにユーザ１０に届けることができる。
（2B）ｐ偏光とｓ偏光とからなる被写体光のうち、ｐ偏光の被写体光が反射型偏光板５２を透過してカメラ５３へ入射されるので、カメラ５３でユーザ１０を撮像することができる。
（3B）カメラ５３側の光景は黒マスク５４で覆われているため、ユーザ１０には見えにくい。
（4B）反射型偏光板５２の下方（床面側）からの外光については、床面が黒マスク５４で覆われているため、ｓ偏光が反射型偏光板５２で反射されてカメラ５３へ入射されることがなく、カメラ５３で撮影されることはない。カメラ５３前に配置される偏光フィルタ５５’が不要である。
（5B）反射型偏光板５２はディスプレイ５１’と別体で固定される。
（6B）ディスプレイ５１’の虚像が反射型偏光板５２の反射面の奥となり、ユーザ１０と正対する正面に配置されているため、ユーザ１０の視距離に制約が加わる。

　このように、第５実施の形態の表示装置４１においても、ハーフミラー１２を用いず、反射型偏光板５２を用いることにより、ディスプレイ光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１’の映像の品質を向上させることができ、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１’に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。

　第５実施の形態においても、ディスプレイ５１’の虚像がユーザ１０と正対する配置となるため、ディスプレイ５１’は3Dディスプレイでなく、2Dディスプレイでもよい。

＜変形例の適用＞
　第２ないし第５実施の形態においても、上述した第１実施の形態の第１変形例ないし第９変形例を適用することができる。

＜９．本開示の表示装置のまとめ＞
　上述した第１ないし第５実施の形態に係る表示装置４１は、ディスプレイ５１（５１’）と、カメラ５３と、第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板５２とを備える。反射型偏光板５２が、第１の偏光と第２の偏光を含む自然光像とディスプレイ５１の映像の一方を透過し、自然光像とディスプレイ５１の映像の他方を反射するように、カメラ５３の撮像方向に配置され、カメラ５３が、反射型偏光板５２を介して提供される第１の偏光および第２の偏光の一方のみを含む自然光像を撮像するように構成されている。

　第１ないし第５実施の形態において反射型偏光板５２が透過させる第１の偏光はｐ偏光であり、反射させる第２の偏光はｓ偏光である。ｐ偏光及びｓ偏光は、直線偏光、円偏光、または、楕円偏光であってよい。第１の偏光と第２の偏光を含む自然光像には、例えば、ユーザ１０の被写体光や外光が含まれる。反射型偏光板５２が透過させるｐ偏光は、第１ないし第３実施の形態ではディスプレイ５１の映像光を含み、第４及び第５実施の形態ではユーザ１０の被写体光を含む。反射型偏光板５２が反射させるｓ偏光は、第１ないし第３実施の形態ではユーザ１０の被写体光を含み、第４及び第５実施の形態ではディスプレイ５１’の映像光を含む。カメラ５３は、第１ないし第３実施の形態ではｓ偏光のみを含む被写体としてのユーザ１０を撮像し、第４及び第５実施の形態ではｐ偏光のみを含む被写体としてのユーザ１０を撮像する。

　第１ないし第５実施の形態に係る表示装置４１によれば、反射型偏光板５２を用いたことにより、ディスプレイ５１の映像光の減光を抑制することができるので、ユーザ１０に提示するディスプレイ５１の映像の品質を向上させることができる。また、カメラ５３が撮像するユーザ画像の品質も向上させることができる。映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ５１に表示された映像を見るユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とを一致させることを実現している。表示装置４１は、汎用の部材で構成することができ、低コストで実現することができる。

　ハーフミラー１２を用いた図１の表示装置１と比較すると、表示装置４１は設置性に優れ、ディスプレイ５１の視聴輝度が高く、表示映像及び撮影映像の品質劣化がない。

　ユーザ１０の視線方向とカメラ５３の撮像方向とを一致させるため、カメラをディスプレイ内に埋め込むようなタイプと比較すると、ディスプレイ内にカメラを埋め込む特殊構造が必要なく、ディスプレイの映像品質も低下しない。

　ユーザ１０の視線方向と、そのユーザ１０を捉えるカメラ５３の撮像方向とが一致しているので、斜め方向からユーザを撮像したユーザ画像を正面画像に変換するような画像処理も必要ない。

＜１０．テレビ会議システムの構成例＞
　上述した表示装置４１は、ディスプレイ５１の映像光と、カメラ５３の撮像方向とを一致させることが必要な装置、例えば、テレプロンプター、車載用途に用いられるヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどに適用することができる。また、表示装置４１は、テレビ会議システムなど、遠隔にいる相手と一対一または一対多で通信を行うテレコミュニケーション装置等にも適用することができる。

　図１０は、本開示の表示装置を適用したテレコミュニケーション装置を含むテレビ会議システムのブロック図である。

　図１０のテレビ会議システム８０は、地点Aと地点Bの離れた場所にいるユーザどうしがテレビ会議を行うためのシステムである。地点Aと地点Bには、同一のテレコミュニケーション装置８１が設置されている。

　テレコミュニケーション装置８１は、表示装置９１と通信装置１０１とを少なくとも備える。表示装置９１は、カメラ９２とディスプレイ９３とを少なくとも備える。通信装置１０１は、映像送信部１０２と映像受信部１０３とを少なくとも備える。２つのテレコミュニケーション装置８１は、例えば、インターネット、LAN（Local Area Network）、WAN（Wide Area Network）、移動通信網等の所定のネットワークを介して接続されている。

　表示装置９１は、上述した表示装置４１に相当し、カメラ９２が表示装置４１のカメラ５３に対応し、ディスプレイ９３が表示装置４１のディスプレイ５１又は５１’に対応する。カメラ９２で撮影されたユーザ画像は、映像送信部１０２へ供給される。映像送信部１０２は、ユーザ画像を、ネットワークを介して、通信相手である他のテレコミュニケーション装置８１の通信装置１０１へ送信する。映像受信部１０３は、ネットワークを介して、通信相手である他のテレコミュニケーション装置８１の通信装置１０１から送信されてきた通信相手のユーザを撮像したユーザ画像を受信し、ディスプレイ９３へ供給する。ディスプレイ９３は、映像受信部１０３が受信したユーザ画像を表示する。

　以上のように、テレコミュニケーション装置８１の表示装置９１として、上述した表示装置４１を採用することで、映像品質の低下を抑制し、かつ、ディスプレイ９３に表示された映像を見るユーザの視線方向と、そのユーザを捉えるカメラ９２の撮像方向とを一致させたテレビ会議システム８０を実現することができる。図１０の例は、簡単のため、一対一の構成で説明したが、３地点以上のテレコミュニケーション装置８１をネットワークでつないでテレビ会議を行う場合も同様である。

　本明細書において、システムとは、複数の構成要素（装置、モジュール（部品）等）の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、１つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている１つの装置は、いずれも、システムである。

　本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。

　例えば、上述した複数の実施の形態と変形例の全てまたは一部を適宜組み合わせた形態を採用することができる。

　なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。

　なお、本開示の技術は、以下の構成を取ることができる。
（１）
　ディスプレイと、
　カメラと、
　第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、前記第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板と
　を備え、
　前記反射型偏光板が、前記第１の偏光と前記第２の偏光を含む自然光像と前記ディスプレイの映像の一方を透過し、前記自然光像と前記ディスプレイの映像の他方を反射するように、前記カメラの撮像方向に配置され、
　前記カメラが、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を撮像するように構成された
　表示装置。
（２）
　前記ディスプレイは、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記反射型偏光板が、前記ディスプレイの表示面上に直接的に固定された
　前記（１）に記載の表示装置。
（３）
　前記ディスプレイの視聴者の視線を認識する視線認識センサをさらに備え、
　前記ディスプレイは、認識した前記視線に応じて重力方向を基準とした映像を生成するように構成される
　前記（２）に記載の表示装置。
（４）
　前記ディスプレイは、上側に向いた傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記カメラの撮像方向は、床面方向である
　前記（２）または（３）に記載の表示装置。
（５）
　前記ディスプレイは、下側に向いた傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記カメラの撮像方向は、天井方向である
　前記（２）または（３）に記載の表示装置。
（６）
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に偏光フィルタをさらに備え、
　前記偏光フィルタは、前記カメラが撮像する、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を透過するように構成される
　前記（１）乃至（５）のいずれかに記載の表示装置。
（７）
　前記偏光フィルタと前記反射型偏光板との間に、光の反射を抑制する黒マスクをさらに備える
　前記（６）に記載の表示装置。
（８）
　前記偏光フィルタと前記反射型偏光板との間に、透過軸が前記偏光フィルタと直交する第２偏光フィルタをさらに備える
　前記（６）に記載の表示装置。
（９）
　前記偏光フィルタは、偏光軸を９０度回転可能に構成される
　前記（６）乃至（８）のいずれかに記載の表示装置。
（１０）
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に、光の反射を抑制する黒マスクをさらに備える
　前記（１）乃至（９）のいずれかに記載の表示装置。
（１１）
　前記黒マスクは、前記反射型偏光板の鉛直下方にさらに配置される
　前記（１０）に記載の表示装置。
（１２）
　前記反射型偏光板は、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記ディスプレイは、重力方向に平行に配置された
　前記（１）乃至（１１）のいずれかに記載の表示装置。
（１３）
　前記反射型偏光板は、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記ディスプレイは、前記反射型偏光板の鉛直上方に、表示面を下向きに配置された
　前記（１）乃至（１１）のいずれかに記載の表示装置。
（１４）
　前記反射型偏光板は、前記ディスプレイの映像を透過し、前記自然光像を反射するように構成された
　前記（１）乃至（１３）のいずれかに記載の表示装置。
（１５）
　前記反射型偏光板は、前記ディスプレイの映像を反射し、前記自然光像を透過するように構成された
　前記（１）乃至（１３）のいずれかに記載の表示装置。
（１６）
　前記反射型偏光板の前面に配置される1/4位相差板をさらに備える
　前記（１）乃至（１５）のいずれかに記載の表示装置。
（１７）
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に配置される偏光フィルタと、
　前記反射型偏光板と前記偏光フィルタそれぞれの前面に配置される1/4位相差板と
　をさらに備える
　前記（１）乃至（１５）のいずれかに記載の表示装置。
（１８）
　前記ディスプレイは、映像表示部の前面に立体視光学部材を配置して構成され、前記映像を前記第１の偏光または前記第２の偏光で出力する
　前記（１）乃至（１７）のいずれかに記載の表示装置。
（１９）
　前記反射型偏光板の反射軸が、前記反射型偏光板が反射させる反射光の光軸で形成される平面に対して垂直な方向となるように構成される
　前記（１）乃至（１８）のいずれかに記載の表示装置。
（２０）
　前記ディスプレイと前記カメラは、前記カメラの撮像中心の光軸と前記ディスプレイの中心を通る映像光の光軸とが一致するように配置された
　前記（１）乃至（１９）のいずれかに記載の表示装置。

　３１　反射型偏光板，　４１　表示装置，　５１，５１'　ディスプレイ，　５２　反射型偏光板，　５３　カメラ，　５４　黒マスク，　５４C　開口部，　５５，５５'　偏光フィルタ，　５６　固定部材，　５７　視線認識センサ，　６１　1/4位相差板

Claims

　ディスプレイと、
　カメラと、
　第１の偏光方向を有する第１の偏光を選択的に透過し、前記第１の偏光方向と異なる第２の偏光方向を有する第２の偏光を選択的に反射するように構成された反射型偏光板と
　を備え、
　前記反射型偏光板が、前記第１の偏光と前記第２の偏光を含む自然光像と前記ディスプレイの映像の一方を透過し、前記自然光像と前記ディスプレイの映像の他方を反射するように、前記カメラの撮像方向に配置され、
　前記カメラが、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を撮像するように構成された
　表示装置。
　前記ディスプレイは、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記反射型偏光板が、前記ディスプレイの表示面上に直接的に固定された
　請求項１に記載の表示装置。
　前記ディスプレイの視聴者の視線を認識する視線認識センサをさらに備え、
　前記ディスプレイは、認識した前記視線に応じて重力方向を基準とした映像を生成するように構成される
　請求項２に記載の表示装置。
　前記ディスプレイは、上側に向いた傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記カメラの撮像方向は、床面方向である
　請求項２に記載の表示装置。
　前記ディスプレイは、下側に向いた傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記カメラの撮像方向は、天井方向である
　請求項２に記載の表示装置。
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に偏光フィルタをさらに備え、
　前記偏光フィルタは、前記カメラが撮像する、前記反射型偏光板を介して提供される前記第１の偏光および前記第２の偏光の一方のみを含む前記自然光像を透過するように構成される
　請求項１に記載の表示装置。
　前記偏光フィルタと前記反射型偏光板との間に、光の反射を抑制する黒マスクをさらに備える
　請求項６に記載の表示装置。
　前記偏光フィルタと前記反射型偏光板との間に、透過軸が前記偏光フィルタと直交する第２偏光フィルタをさらに備える
　請求項６に記載の表示装置。
　前記偏光フィルタは、偏光軸を９０度回転可能に構成される
　請求項６に記載の表示装置。
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に、光の反射を抑制する黒マスクをさらに備える
　請求項１に記載の表示装置。
　前記黒マスクは、前記反射型偏光板の鉛直下方にさらに配置される
　請求項１０に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板は、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記ディスプレイは、重力方向に平行に配置された
　請求項１に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板は、重力方向に垂直な面に対し傾斜状態で配置されるように構成され、
　前記ディスプレイは、前記反射型偏光板の鉛直上方に、表示面を下向きに配置された
　請求項１に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板は、前記ディスプレイの映像を透過し、前記自然光像を反射するように構成された
　請求項１に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板は、前記ディスプレイの映像を反射し、前記自然光像を透過するように構成された
　請求項１に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板の前面に配置される1/4位相差板をさらに備える
　請求項１に記載の表示装置。
　前記カメラと前記反射型偏光板との間に配置される偏光フィルタと、
　前記反射型偏光板と前記偏光フィルタそれぞれの前面に配置される1/4位相差板と
　をさらに備える
　請求項１に記載の表示装置。
　前記ディスプレイは、映像表示部の前面に立体視光学部材を配置して構成され、前記映像を前記第１の偏光または前記第２の偏光で出力する
　請求項１に記載の表示装置。
　前記反射型偏光板の反射軸が、前記反射型偏光板が反射させる反射光の光軸で形成される平面に対して垂直な方向となるように構成される
　請求項１に記載の表示装置。
　前記ディスプレイと前記カメラは、前記カメラの撮像中心の光軸と前記ディスプレイの中心を通る映像光の光軸とが一致するように配置された
　請求項１に記載の表示装置。