WO2023195385A1 - 弁および弁の組み立て方法 - Google Patents

Abstract

リテーナとケースとの安定した固定状態を長期間維持できる弁および弁の組み立て方法を提供する。　リテーナ２３は、付勢手段２９の座面２３ａを有する筒状部２３ｂと、筒状部２３ｂのケース２１側端から外径側にテーパ状に拡がる拡径部２３ｃと、を有し、拡径部２３ｃの外周部２３ｇにかしめ端２１ｃが筒状部２３ｂと拡径部２３ｃとの連結部分Ｐ１が弾性変形した状態で係止されている。

Description

弁および弁の組み立て方法

　本発明は、弁および弁の組み立て方法、例えば作動流体を制御する弁およびその弁の組み立て方法に関する。

　様々な産業分野で作動流体の制御を行うために利用されている弁は、弁座と、弁座に対して離接可能な弁体を備え、弁開度が調節されることで作動流体の圧力や流量が制御可能となっている。

　このような弁には、弁座である開口に対して平行に弁体であるスプールが移動するスプール弁、弁体が回動軸を有するバタフライ弁、さらには弁体が弁座である開口に対して直交するように移動するリフト弁が代表的な弁形態として挙げられる。これらの弁の中でもスプール弁は、スプールの移動方向と作動流体が流れる方向が交差しており、スプールの移動方向に作動流体の流体圧が作用し難いため、駆動力に対するスプールの応答性が高くなっている。

　スプール弁として、例えば、特許文献１のソレノイドバルブが知られている。特許文献１のソレノイドバルブは、スリーブに収納された円柱状のスプールと、スリーブの一端に固定されスプールを駆動させるソレノイド部と、スリーブの他端に固定されるリテーナと、スプールとリテーナとの間で保持される付勢手段と、から主に構成されている。

　リテーナは、スリーブ側に開口する有底筒状をなし、スリーブ側の端部には外径側に延びるフランジが形成されている。またスリーブのリテーナ側の端部の外縁には、スリーブの端面からリテーナ側に延びるかしめ片が全周に亘って形成されている。リテーナのフランジをかしめ片の内径側に配置した状態で該かしめ片を内径側に折り曲げることで、フランジがかしめ片とスリーブの端面とで軸方向に挟持され、リテーナをスリーブの端部に固定できるようになっている。

国際公開２０１０／０２４２８２号（第７頁、第２Ｂ図）

　特許文献１のソレノイドバルブにあっては、フランジがスリーブの端面に面当接した状態でかしめ片とスリーブの端面とで軸方向に挟持される構造であるため、強固に且つ簡便にリテーナとスリーブを固定できるようになっているが、このようなソレノイドバルブにあっては、経年によりかしめ片が変形する場合があり、かしめ片とフランジとの間に隙間が生じ、リテーナとスリーブとの間でがたつきが生じる虞があった。

　本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、リテーナとケースとの安定した固定状態を長期間維持できる弁および弁の組み立て方法を提供することを目的とする。

　前記課題を解決するために、本発明の弁は、
　ケースと、前記ケース内で動作可能な弁体と、前記弁体を付勢する付勢手段と、前記付勢手段を保持するリテーナと、を備え、前記ケースの軸方向一端に設けられたかしめ端により前記リテーナが該ケースにかしめ固定された弁であって、
　前記リテーナは、前記付勢手段の座面を有する筒状部と、前記筒状部の前記ケース側端から外径側にテーパ状に拡がる拡径部と、を有し、
　前記拡径部の外周部に前記かしめ端が前記筒状部と前記拡径部との連結部分が弾性変形した状態で係止されている。
　これによれば、かしめ端には筒状部と拡径部との連結部分の弾性復帰力が作用しているので、経年によりかしめ端が変形しても筒状部と拡径部との連結部分の弾性復帰力により、かしめ端と拡径部との当接が維持されケースとリテーナとにがたつきが生じない。

　前記拡径部と前記ケースとの間に内径側に拡がる空間が形成されていてもよい。
　これによれば、空間によってリテーナに弾性復帰力を簡素な構造で生じさせることができる。

　前記拡径部における前記ケース側端には、前記ケースの端面に沿って外径側に延びるフランジ部が形成されていてもよい。
　これによれば、フランジ部がケースの端面に面当接するので、ケースに対してリテーナを安定して固定することができるとともに、筒状部と拡径部との連結部分に弾性復帰力が維持されやすい。

　前記拡径部と前記フランジ部との連結部分が弾性変形可能に構成されていてもよい。
　これによれば、拡径部と筒状部との連結部分と、拡径部とフランジ部との連結部分とが変形可能であるため、筒状部の座面とケースとの相対位置を細やかに調整できる。また、かしめ端と拡径部との当接が一層維持されやすい。

　前記拡径部の外周面は、平坦な載頭円錐面をなしていてもよい。
　これによれば、筒状部と拡径部との連結部分の弾性復帰力の一部が径方向に作用するため、リテーナとケースとの傾きを抑えることができる。

　前記リテーナは、薄板により構成されていてもよい。
　これによれば、リテーナを簡便に構成することができる。

　ケースと、前記ケース内で動作可能な弁体と、前記弁体を付勢する付勢手段と、前記付勢手段を保持するリテーナと、を備え、前記ケースの軸方向一端に設けられたかしめ端により前記リテーナが該ケースにかしめ固定された弁の組み立て方法であって、
　前記リテーナにおける筒状部と該筒状部の前記ケース側端から外径側にテーパ状に拡がる拡径部との連結部分を弾性変形させた状態で、前記かしめ端を前記拡径部の外周面に係止させる。
　これによれば、かしめ端には筒状部と拡径部との連結部分の弾性復帰力が作用しているので、経年によりかしめ端が変形しても筒状部と拡径部との連結部分の弾性復帰力により、かしめ端と拡径部との当接が維持されケースとリテーナとにがたつきが生じない。また、筒状部の座面とケースとを好適な相対位置で位置決めできるため、付勢手段の付勢力を精度よく調整できる。

本発明の実施例におけるソレノイドバルブを示す側断面図である。 図１の要部拡大図である。 （ａ）はスリーブの一端にリテーナを配置した状態を示す概略図、（ｂ）は（ａ）の状態からスリーブの一端にリテーナを仮固定した状態を示す概略図、（ｃ）は（ｂ）の状態からスプリングとスプールを組み付けた状態を示す概略図である。 図３（ｃ）の状態からスプリングを圧縮させた状態を示す概略図、（ｂ）は（ａ）の状態からスプリングをさらに圧縮させた状態を示す概略図である。

　本発明に係る弁を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。尚、実施例はソレノイドバルブを例にして説明するが、その他の用途にも適用可能である。

　実施例に係るソレノイドバルブにつき、図１から図４を参照して説明する。以下、図１の紙面右側をソレノイドバルブの軸方向一端側とし、図１の紙面左側をソレノイドバルブの軸方向他端側として説明する。

　図１に示されるように、本実施例のソレノイドバルブ１は、スプールタイプのソレノイドバルブであって、例えば車両の自動変速機等の油圧により制御される装置に用いられるものである。尚、ソレノイドバルブ１は、装置側のバルブハウジングの装着穴に取付けられて使用される。

　ソレノイドバルブ１は、流体、すなわち作動油等の制御流体の流量を調整するバルブ部２がソレノイド部３に一体に取付けられて構成されている。尚、図１は、ソレノイド部３のコイルに通電されていないソレノイドバルブ１のオフ状態を示すものである。

　先ず、ソレノイド部３の構造について概略的に説明する。ソレノイド部３は、筒状のソレノイドケース３０内にコイル、ステータ、ヨーク、可動鉄心等が収容されている。ソレノイドバルブ１のオフ状態において、スプリング２９（図１参照。）の付勢力によりスプール２２が軸方向他端側に付勢され、これに伴いスプール２２およびロッド５が軸方向他端側に移動している。

　また、ソレノイドバルブ１のオン状態において、コイルへの通電によりソレノイド部３内で磁気回路が形成され、ステータと可動鉄心との間に磁力が生じることにより、可動鉄心およびロッド５が軸方向一端側に向けて軸方向に移動する。これに伴い、スプール２２がスプリング２９を圧縮するように軸方向一端側に移動するようになっている（図示略）。

　次いで、バルブ部２の構造について説明する。図１に示されるように、バルブ部２は、ケースとしてのスリーブ２１と、弁体としてのスプール２２と、付勢手段としてのスプリング２９と、リテーナ２３と、から主に構成されている。

　スリーブ２１には、バルブハウジングの装着穴内に設けられた流路と接続される入力ポート２４、出力ポート２５、排出ポート２６、ドレンポート２７、フィードバックポート２８等の各種ポートの開口が設けられている。

　スプール２２は、スリーブ２１の内径側において軸方向に形成される貫通孔２１ａに液密に収容されている。

　スプール２２は、軸方向に往復移動可能となっており、スプール２２を軸方向に往復移動させることにより、各種ポートの連通状態を変化させ、作動油の圧力や流量を制御するようになっている。尚、スリーブ２１、スプール２２は、アルミ、鉄、ステンレス、樹脂等の材料により形成されている。

　スプリング２９は、コイルスプリングであり、スプール２２を軸方向他端側に付勢している。また、スプリング２９の軸方向一端はリテーナ２３に保持されている。

　図２に示されるように、リテーナ２３は、有底筒状をなしている。詳しくは、リテーナ２３は、座面としての円板状の底部２３ａと、底部２３ａの外縁から軸方向他端側に向けて延びる筒状部としての円筒状の側壁部２３ｂと、側壁部２３ｂの軸方向他端側から外径方向および軸方向他方側にテーパ状に拡がる拡径部としてのテーパ部２３ｃと、テーパ部２３ｃの軸方向他端側から外径方向に延びる環状のフランジ部２３ｄと、を備えている。

　このリテーナ２３は、アルミ、鉄、ステンレスなどの塑性変形可能な材料、好適には金属製の薄板をプレス加工することにより形成されている。

　底部２３ａには、その中心に一つの貫通孔２３ｅが設けられている。

　側壁部２３ｂは、底部２３ａの外縁から軸方向他端側に向けて僅かに拡径しながら延びている。

　テーパ部２３ｃは、側壁部２３ｂの軸方向他端を屈曲部Ｐ１として曲げ形成されている。すなわち、屈曲部Ｐ１は、側壁部２３ｂとテーパ部２３ｃとの連結部分である。

　このテーパ部２３ｃの外周面２３ｇは周方向に平坦な載頭円錐面（以降単に円錐面とも称す。）、詳しくは載頭円錐の側面となっている。

　フランジ部２３ｄは、テーパ部２３ｃの軸方向他端を屈曲部Ｐ２として曲げ形成されており、底部２３ａと略平行に延びている。すなわち、屈曲部Ｐ２は、テーパ部２３ｃとフランジ部２３ｄとの連結部分である。

　このように構成されたリテーナ２３は、スリーブ２１の軸方向一端側の端面２１ｂにフランジ部２３ｄの他端面２３ｈを面当接させた状態で、端面２１ｂの外縁から軸方向一端側に延びるかしめ端としてのかしめ片２１ｃを内径側にかしめることで、スリーブ２１に固定されている（図２参照）。

　次いで、ソレノイドバルブ１の組み立て方法について図３および図４を用いて説明する。
先ず、図３（ａ）に示されるように、リテーナ２３のフランジ部２３ｄの他端面２３ｈをスリーブ２１の端面２１ｂに当接させる。

　尚、リテーナ２３は、かしめ前の状態において、屈曲部Ｐ１’’、Ｐ２’’の２箇所で屈曲されている。

　フランジ部２３ｄの他端面２３ｈおよびスリーブ２１の端面２１ｂは、軸方向に直交して延びる環状面であるため、フランジ部２３ｄの他端面２３ｈとスリーブ２１の端面２１ｂとを面当接させることができる。

　次いで、図３（ｂ）に示されるように、スリーブ２１の端面２１ｂの外縁から軸方向一端側に延びるかしめ片２１ｃを内径側に折り曲げ、リテーナ２３をスリーブ２１に仮固定する。

　このかしめ片２１ｃは、周方向に複数設けられている。詳しくは、端面２１ｂの外縁の周方向の一部を除いて円弧状に設けられているため、かしめ片２１ｃを内径側に折り曲げる際には、周方向に分断された部分に曲げ応力を逃がすことができる。尚、かしめ片２１ｃは環状のものが周方向に１つであってもよく、Ｃ字状のものが周方向に１つであってもよい。

　リテーナ２３をスリーブ２１に仮固定した状態にあっては、かしめ片２１ｃはリテーナ２３のテーパ部２３ｃの外周面２３ｇに当接しているのみであり、テーパ部２３ｃを軸方向他端側に向けて押圧する力はほとんど作用していない。

　また、リテーナ２３をスリーブ２１に仮固定した状態にあっては、テーパ部２３ｃの内周面２３ｆとスリーブ２１の端面２１ｂとの間に、内径側に拡がる空間Ｓ１’’が形成されている。

　次いで、スリーブ２１の軸方向他端からスプリング２９およびスプール２２を挿入した後、スリーブ２１の軸方向他端にソレノイド部３を固定する（すなわち図３（ｃ）に示される状態となる。）。スプリング２９の軸方向一端は、リテーナ２３の底部２３ａに当接して受け止められるようになっている。

　尚、このとき、スリーブ２１の端面２１ｂとリテーナ２３の底部２３ａの他端面との間の軸方向寸法はＬ１となっている。

　次いで、図４（ａ）に示されるように、図示しない治具により、かしめ片２１ｃを軸方向他端側に押圧し、スプリング２９の付勢力を調整する（黒矢印参照）。尚、このとき、スプリング２９の付勢力を直接的または間接的にセンサでモニタリングしながらスプリング２９の付勢力を調整する。

　リテーナ２３は、かしめ片２１ｃによりテーパ部２３ｃが軸方向他方側に向かって押圧されることで、屈曲部Ｐ１’’，Ｐ２’’が弾性変形して屈曲部Ｐ１’，Ｐ２’となる（Ｐ１’’，Ｐ２’’→Ｐ１’，Ｐ２’）。

　詳しくは、屈曲部Ｐ１’は、図３（ｃ）の状態からテーパ部２３ｃが側壁部２３ｂに対して拡径する方向に弾性変形している。屈曲部Ｐ２’は、図３（ｃ）の状態からテーパ部２３ｃがフランジ部２３ｄに対して平行に近づく方向に弾性変形している。これにより底部２３ａは、スリーブ２１の端面２１ｂに対して軸方向に近接する。

　言い換えれば、テーパ部２３ｃの内周面２３ｆとスリーブ２１の端面２１ｂとの間に形成された空間Ｓ１’’を屈曲部Ｐ１’’，Ｐ２’’の弾性変形代として利用できるため、底部２３ａをスリーブ２１の端面２１ｂに対して軸方向に近接させることができるようになっている。

　スリーブ２１の端面２１ｂとリテーナ２３の底部２３ａの他端面との間の軸方向寸法Ｌ２は、図３（ｃ）のときの軸方向寸法Ｌ１よりも短くなる（Ｌ１＞Ｌ２）。

　尚、図４（ａ）の状態にあっては、テーパ部２３ｃが側壁部２３ｂに対して拡径する方向に傾斜することにより空間Ｓ１’’よりも狭い空間Ｓ１’となる（Ｓ１’’→Ｓ１’）。

　図４（ｂ）に示されるように、図示しない治具により、かしめ片２１ｃを軸方向他端側にさらに押圧することで、底部２３ａは、スリーブ２１の端面２１ｂに対して軸方向にさらに近接する。

　言い換えれば、スリーブ２１の端面２１ｂとリテーナ２３の底部２３ａの他端面との間の軸方向寸法Ｌ３は、図４（ａ）のときの軸方向寸法Ｌ２よりも短くなる（Ｌ２＞Ｌ３）。この軸方向寸法Ｌ３は、スプリング２９の付勢力が適正となる寸法である。

　尚、屈曲部Ｐ１’，Ｐ２’は弾性変形して屈曲部Ｐ１，Ｐ２となる（Ｐ１’，Ｐ２’→Ｐ１，Ｐ２）。また、空間Ｓ１’は、該空間Ｓ１’よりも狭い空間Ｓ１となる（Ｓ１’→Ｓ１）。

　その後、図示しない治具を撤去することで、スプリング２９の付勢力が適正な状態でソレノイドバルブ１の組み立てが完了する。

　この状態にあっては、屈曲部Ｐ１，Ｐ２が弾性復帰しようとするが、テーパ部２３ｃの外周面２３ｇが塑性変形されたかしめ片２１ｃに係止されるため、リテーナ２３が軸方向に圧縮された状態が維持される。すなわち、スリーブ２１の端面２１ｂとかしめ片２１ｃとの間には、リテーナ２３における屈曲部Ｐ１，Ｐ２の弾性復帰力（白矢印参照）が作用するようになっている。

　テーパ部２３ｃの外周面２３ｇは、平坦な円錐面をなしており、かしめ片２１ｃに対して周方向に略均等に弾性復帰力が作用するため、スリーブ２１とリテーナ２３との相対的な傾きが規制されている。

　また、リテーナ２３の底部２３ａには、貫通孔２３ｅが設けられており、貫通孔２３ｅを呼吸孔として作動油を流通させることができるため、ソレノイドバルブ１の使用時においてスプール２２を円滑に動作させることができるようになっている。

　尚、上述したスプリング２９の付勢力を調整する際には、フランジ部２３ｄの外周面がかしめ片２１ｃの内側面に当接してもよいし、離間していてもよい。

　以上説明したように、屈曲部Ｐ１，Ｐ２を圧縮方向に弾性変形させた状態でかしめ片２１ｃをテーパ部２３ｃの外周面２３ｇに係止させているため、スプリング２９の付勢力を精度よく調整することができる。

　また、かしめ片２１ｃにはリテーナ２３における屈曲部Ｐ１，Ｐ２の弾性復帰力が作用しているため、経年によりかしめ片２１ｃが例えば開く方向に変形してもリテーナ２３の弾性復帰力により、かしめ片２１ｃとテーパ部２３ｃとの当接が維持されスリーブ２１とリテーナ２３とにがたつきが生じない。

　また、スリーブ２１の端面２１ｂとテーパ部２３ｃの内周面２３ｆとの間に内径側に拡がる空間Ｓ１が形成されており、該空間Ｓ１を屈曲部Ｐ１，Ｐ２の弾性変形代として利用できるので、屈曲部Ｐ１，Ｐ２を大きく弾性変形させることができる。したがって、空間Ｓ１によりリテーナ２３に弾性復帰力を簡便な構造で生じさせることができる。

　また、テーパ部２３ｃにおける軸方向他端には、スリーブ２１の端面２１ｂに沿って外径側に延びるフランジ部２３ｄが形成されている。これによれば、フランジ部２３ｄがスリーブ２１の端面２１ｂに面当接するので、スリーブ２１に対してリテーナ２３を安定させることができるとともに、アーム長を長く確保できるため屈曲部Ｐ１を弾性変形させやすい。

　また、リテーナ２３は、屈曲部Ｐ１に加えて屈曲部Ｐ２も弾性変形可能に構成されているため、側壁部２３ｂの底部２３ａとスリーブ２１との軸方向の相対位置を細やかに調整できる。また、かしめ片２１ｃとテーパ部２３ｃとの当接が一層維持されやすい。

　また、テーパ部２３ｃの外周面２３ｇは、平坦な円錐面をなしているため、屈曲部Ｐ１の弾性復帰力がかしめ片２１ｃの周方向に略均等に作用するため、リテーナ２３とスリーブ２１との相対的な傾きを抑えることができる。

　また、リテーナ２３は、金属製の薄板により構成されているため、屈曲部Ｐ１，Ｐ２が弾性変形可能なリテーナ２３を簡便に構成することができる。

　以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。

　例えば、前記実施例では、スリーブ２１の端面２１ｂとテーパ部２３ｃの内周面２３ｆとの間に、内径側に拡がる空間Ｓ１が形成されている形態を例示したが、これに限られず、例えば、スリーブの端面とテーパ部の内周面との間に一定の幅の空間が形成されていてもよい。

　また、前記実施例では、リテーナ２３は、テーパ部２３ｃの軸方向他端側から外径方向に延びる環状のフランジ部２３ｄを有する形態を例示したが、これに限られず、フランジ部が設けられていなくてもよい。

　また、前記実施例では、フランジ部２３ｄとテーパ部２３ｃとの連結部分である屈曲部Ｐ２が弾性変形する形態を例示したが、フランジ部とテーパ部との連結部分が弾性変形しないように構成されていてもよい。

　また、前記実施例では、テーパ部２３ｃの外周面２３ｇが平坦な円錐面となっている形態を例示したが、これに限られず、例えば、テーパ部の外周面にかしめ端の端部が係合する溝が形成されていてもよい。

　また、前記実施例では、テーパ部２３ｃおよびフランジ部２３ｄが環状に形成されている形態を例示したが、これに限られず、拡径部およびフランジ部は、周方向に複数設けられる片であってもよい。

　また、前記実施例では、リテーナ２３が塑性変形可能な金属製の薄板で構成されていたが、これに限らず、少なくとも筒状部と拡径部との連結部分が変形可能であれば自由に変更できる。

　また、前記実施例では、付勢手段が圧縮ばねである形態を例示したが、引きばねであってもよい。

　また、前記実施例では、弁体にスプールを用いるスプールタイプの弁として説明したが、これに限られず、グローブ弁やゲート弁等を用いた弁であってもよい。

１　　　　　　　　ソレノイドバルブ（弁）
２１　　　　　　　スリーブ（ケース）
２１ｂ　　　　　　端面
２１ｃ　　　　　　かしめ片（かしめ端）
２２　　　　　　　スプール（弁体）
２３　　　　　　　リテーナ
２３ａ　　　　　　底部（座面）
２３ｂ　　　　　　側壁部（筒状部）
２３ｃ　　　　　　テーパ部（拡径部）
２３ｄ　　　　　　フランジ部
２９　　　　　　　スプリング（付勢手段）
Ｐ１，Ｐ２　　　　屈曲部
Ｓ１　　　　　　　空間

Claims (7)

1. 　ケースと、前記ケース内で動作可能な弁体と、前記弁体を付勢する付勢手段と、前記付勢手段を保持するリテーナと、を備え、前記ケースの軸方向一端に設けられたかしめ端により前記リテーナが該ケースにかしめ固定された弁であって、
   　前記リテーナは、前記付勢手段の座面を有する筒状部と、前記筒状部の前記ケース側端から外径側にテーパ状に拡がる拡径部と、を有し、
   　前記拡径部の外周部に前記かしめ端が前記筒状部と前記拡径部との連結部分が弾性変形した状態で係止されている弁。
2. 　前記拡径部と前記ケースとの間に内径側に拡がる空間が形成されている請求項１に記載の弁。
3. 　前記拡径部における前記ケース側端には、前記ケースの端面に沿って外径側に延びるフランジ部が形成されている請求項１または２に記載の弁。
4. 　前記拡径部と前記フランジ部との連結部分が弾性変形可能に構成されている請求項３に記載の弁。
5. 　前記拡径部の外周面は、平坦な載頭円錐面をなしている請求項１に記載の弁。
6. 　前記リテーナは、薄板により構成されている請求項１に記載の弁。
7. 　ケースと、前記ケース内で動作可能な弁体と、前記弁体を付勢する付勢手段と、前記付勢手段を保持するリテーナと、を備え、前記ケースの軸方向一端に設けられたかしめ端により前記リテーナが該ケースにかしめ固定された弁の組み立て方法であって、
   　前記リテーナにおける筒状部と該筒状部の前記ケース側端から外径側にテーパ状に拡がる拡径部との連結部分を弾性変形させた状態で、前記かしめ端を前記拡径部の外周面に係止させる弁の組み立て方法。

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