WO2017119080A1

WO2017119080A1 - 内視鏡用処置具

Info

Publication number: WO2017119080A1
Application number: PCT/JP2016/050248
Authority: WO
Inventors: 和毅炭山; 恒哉西村; 創紀滝野
Original assignee: マルホ発條工業株式会社
Priority date: 2016-01-06
Filing date: 2016-01-06
Publication date: 2017-07-13

Abstract

操作部の片手での操作性が優れた内視鏡用処置具を提供する。操作部３は、先端１６、基端１７、及び、先端１６と基端１７間をのびる側面１８を有し、側面１８の基端１７側がオペレータによって把持される把持部１９として構成された操作部本体１５を備える。さらに、操作部３は、把持部１９に対して近接及び離間するように操作部本体１５の側面１８に揺動可能に設けられた揺動レバー２０と、操作部本体１５の側面１８に回転可能に設けられ、側面１８の揺動レバー２０が設けられた側と反対側から操作可能な回転部材２１と、揺動レバー２０が揺動されたときに操作ワイヤ４を進退移動させ、回転部材２１が回転されたときに操作ワイヤ４をその軸線周りに回転させる伝達機構２４と、を備える。

Description

内視鏡用処置具

　本発明は、内視鏡外科手術に用いられる内視鏡用処置具に関する。

　内視鏡用処置具には、生体組織を処置する処置部材を有する先端処置部（例えば、鉗子）と、オペレータに操作される操作部と、先端処置部と操作部とに接続され、操作部の操作を先端処置部へ伝達する操作ワイヤとを備えたものがある。オペレータが操作部を操作して操作ワイヤを進退移動させると、処置部材は生体組織を処置するように動作される。オペレータが操作部を操作して操作ワイヤをその軸線周りに回転すると、処置部材が回転される。

　この種の内視鏡用処置具は、例えば特許文献１に開示されている。この文献の処置具は、一対の鉗子片を有する鉗子と、一対の鉗子片を回転及び開閉するために操作される操作部と、鉗子と操作部とに接続された操作ワイヤとを備えている。操作部は、回転操作リングを備えている。オペレータが回転操作リングを回転すると、操作ワイヤが回転操作リングと一体的にその軸線周りに回転される。その結果、一対の鉗子片が回転される。

　さらに、操作握り及び操作ハンドルが操作部の基端に設けられている。操作握り及び操作ハンドルは、ハサミの把持部のように構成されている。具体的には、操作握り及び操作ハンドルのそれぞれに指通し孔が形成されており、操作ハンドルが操作握りに対して揺動可能に設けられている。

　オペレータは、指を各指通し孔に通して操作握り及び操作ハンドルを把持し、これらを操作すると、操作ワイヤが進退移動される。その結果、一対の鉗子片が開閉される。

特開２００８－２２０９７２号公報

　しかしながら、この文献の回転部材、操作握り及び操作ハンドルの配置では、片手での操作性は悪い。例えば、オペレータが片手の指で上記のように操作握り及び操作ハンドルを把持している状態では、回転操作リングを操作できない。回転操作リングを操作するためには、操作握り及び操作ハンドルから一度手を離して操作部の持ち方を変えるか、もう片方の手を使わなければならない。

　このように特許文献１を始めとする従来の内視鏡用処置具は、操作部の操作によって処置部材に処置動作及び回転の双方をさせることができるが、片手だけで簡単に操作できるものではなかった。

　本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、操作部の片手での操作性が優れた内視鏡用処置具を提供することを課題とする。

　本発明は、生体組織を処置する処置部材を有する先端処置部と、
　オペレータによって操作される操作部と、
　前記先端処置部と前記操作部とに接続された操作ワイヤと、を備え、
　前記処置部材は、前記操作ワイヤが前記操作部により進退移動されたときに生体組織を処置するように動作され、前記操作ワイヤが前記操作部によりその軸線周りに回転されたときに回転される、内視鏡用処置具であって、
　前記操作部は、
　先端、基端、及び、前記先端と前記基端間をのびる側面を有し、前記側面の基端側がオペレータによって把持される把持部として構成された操作部本体と、
　前記把持部に対して近接及び離間するように前記操作部本体の前記側面に揺動可能に設けられた揺動レバーと、
　前記操作部本体の前記側面に回転可能に設けられ、前記側面の前記揺動レバーが設けられた側と反対側から操作可能な回転部材と、
　前記揺動レバーが揺動されたときに前記操作ワイヤを進退移動させ、前記回転部材が回転されたときに前記操作ワイヤをその軸線周りに回転させる伝達機構と、を備える、
　ことを特徴とする。

　好ましくは、前記回転部材は、
　その回転軸線周りの円周側面と、
　前記回転軸線を中心に等角度間隔で前記円周側面に形成された複数の凹部と、を備え、
　前記操作部は、
　前記凹部に着脱可能に嵌る突起と、
　前記突起を前記円周側面に向けて付勢する位置決め用バネと、を備える。

　貫通孔が、前記回転部材の回転軸線に沿ってのびるように前記回転部材に形成され、
　前記操作ワイヤは、前記回転軸線と一直線上になるように前記貫通孔に挿通され、
　前記伝達機構は、
　前記貫通孔に沿って移動可能にかつ前記回転部材とともに回転するよう前記貫通孔に配置され、前記操作ワイヤに取り付けられた回転伝達部材と、
　前記操作ワイヤをその軸線周りに回転可能に受容し、前記操作ワイヤを進退移動させるように前記操作部本体に摺動可能に設けられた摺動部材と、
　前記揺動レバーと前記摺動部材とに連結され、前記揺動レバーの揺動と前記摺動部材の摺動とを連動させる連結部材と、を備える。

　好ましくは、前記伝達機構は、
　前記揺動レバーを前記把持部から離間させる方向に付勢する復帰用バネを備える。

　本発明によれば、上記構成により、オペレータは、把持部及び揺動レバーを把持している手で回転部材を操作することができる。従って、処置部材の処置動作及び回転のために、操作部から一度手を離して操作部の持ち方を変える必要はなく、また両手を使う必要もない。
　以上のように、本発明によれば、操作部の片手での操作性が優れた内視鏡用処置具を提供することができる。

本発明の一実施形態に係る内視鏡用処置具の概略構成を示す図である。先端処置部の一例の鉗子を示す斜視図である。先端処置部の一例のスネア・高周波スネアを示す斜視図である。先端処置部の一例の止血クリップを示す斜視図である。伝達機構を説明するための操作部本体の内部を示す斜視図である。伝達機構を説明するための操作部本体の内部を示す斜視図である。操作部を操作する様子を示す図である。回転部材の回転を説明するための操作部本体の内部を部分的に示す斜視図である。

　以下、添付図面を参照して本発明に係る内視鏡用処置具（以下、単に処置具とする）の一実施形態について説明する。

　図１を参照して、処置具は、生体組織を処置する処置部材２を有する先端処置部１と、先端処置部１の動作のためにオペレータに操作される操作部３とを備えている。さらに、処置具は、先端処置部１と操作部３とに接続された操作ワイヤ４と、先端処置部１と操作部３とに接続されたシース５とを備えている。

　操作ワイヤ４は、可撓性を有する。操作ワイヤ４は、進退移動可能に、かつ、その軸線周りに回転可能にシース５に挿通されている。操作ワイヤ４は、操作部３の操作を先端処置部１へ伝達する。操作ワイヤ４は、操作部３によって、シース５に対して、進退移動され、またその軸線周りに回転される。シース５も可撓性を有する。シース５はチューブ形状である。

　処置部材２は、操作ワイヤ４が操作部３によって進退移動されたときに動作して、生体組織を処置する。さらに、処置部材２は、操作ワイヤ４が操作部３によってその軸線周りに回転されたときに回転される。

　先端処置部は、例えば図２の操作部材としての一対の鉗子片２を有する鉗子１である。図２Ｃ、図２Ｄは、鉗子１と操作ワイヤ４・シース５との接続構造を示し、一方の鉗子片２が省略されている。鉗子１は、操作ワイヤ４の軸線周りに回転可能にシース５の先端に取り付けられた基体６と、基体６に進退移動可能に挿入されかつ基体６とともに操作ワイヤ４の軸線周りに回転可能な支持部材７とを備えている。操作ワイヤ４の先端が支持部材７に接続されている。一対の鉗子片２は、その基端で支軸８を介して支持部材７に接続され、支軸８を中心に開閉する。ピン９は、基体６に支持され、一対の鉗子片２に形成された長孔１０に挿通されている。

　操作ワイヤ４がその軸線周りにシース５に対して回転されると、一対の鉗子２も操作ワイヤ４の軸線周りに回転される。操作ワイヤ４がシース５に対して退避されると、一対の鉗子片２は閉じる（図２Ｂ、図２Ｄ）。一方、操作ワイヤ４がシース５に対して進出すると、一対の鉗子片２は開く（図２Ａ、図２Ｃ）。こうして、一対の鉗子片２は、操作ワイヤ４の進退移動によって生体組織を把持するように動作することができる。

　先端処置部は、例えば図３のスネア１である。スネア１は、処置部材として、操作ワイヤ４の先端に接続されたループ状のスネアワイヤ２を備えている。操作ワイヤ４がその軸線周りにシース５に対して回転されると、スネアワイヤ２も操作ワイヤ４の軸線周りに回転される。操作ワイヤ４がシース５に対して退避されると、スネアワイヤ２はシース５内に引き込まれて閉じる（図３Ｂ）。一方、操作ワイヤ４がシース５に対して進出すると、スネアワイヤ２はシース５から押し出されて開く（図３Ａ）。こうして、スネアワイヤ２は、操作ワイヤ４の進退移動によって、生体組織を切除するように動作することができる。なお、スネア１は、高周波スネアでもよい。

　先端処置部は、例えば図４の止血クリップ１である。止血クリップ１は、処置部材としてのクリップ本体２備えている。クリップ本体２の基端側に、係合リング１２が設けられている。クリップ本体２と係合リング１２とは一体形成されている。止血クリップ１は、シース５の先端に隣接して位置し、クリップ本体２及び係合リング１２が挿通される筒体１３を備えている。操作ワイヤ４の先端が、フック１４として形成され、係合リング１２と係合している。

　操作ワイヤ４がその軸線周りにシース５に対して回転されると、クリップ本体２も操作ワイヤ４の軸線周りに回転される。操作ワイヤ４がシース５に対して退避されると、クリップ本体２は筒体１３に引き込まれて閉じる（図４Ｂ、図４Ｄ）。操作ワイヤ４がさらに退避されると、フック１４が係合リング１２から外れ、それによってクリップ本体２は筒体１３とともに操作ワイヤ４及びシース５に対して離脱する（図４Ｂ、図４Ｄ）。こうして、クリップ本体２は、操作ワイヤ４の進退移動によって、生体組織に対して止血するよう動作することができる。
　先端処置部１は、図２～図４の例示に限られるものではない。

　再び図１を参照して、操作部３について説明する。
　操作部３は、操作部本体１５を備えている。操作部本体１５は、先端１６、基端１７、及び、先端１６と基端１７間を長手方向Ｘにのびる側面１８を有する。側面１８の基端１７側は、オペレータによって把持される把持部１９として構成されている。また、操作ワイヤ４及びシース５の基端側は、先端１６から長手方向Ｘに沿って操作部本体１５に挿入されている。

　さらに、操作部３は、操作部本体１５の側面１８に揺動可能に設けられた揺動レバー２０と、操作部本体１５の側面１８に回転可能に設けられた回転部材２１とを備えている。揺動レバー２０は、操作ワイヤ４の進退移動のために、即ち処置部材２の処置動作のためにオペレータによって操作される。回転部材２１は、操作ワイヤ４のその軸線周りの回転のために、即ち処置部材２の回転動作のためにオペレータによって操作される。

　揺動レバー２０の一端は、操作部本体１５の把持部１９よりも先端１６側においてヒンジ２２を介して支持されている。それによって、揺動レバー２０は、把持部１９に対して近接及び離間するように、この一端を中心として長手方向Ｘに直角にのびる軸線周りに揺動可能である。揺動レバー２０は、把持部１９と対向する側と反対側が波形形状になっている。揺動レバー２０を操作するオペレータの指が波形形状にフィットするようになっており、揺動レバー２０をグリップし易くなっている。

　回転部材２１は、側面１８に形成された切欠き２３に配置されて、把持部１９より先端１６側に位置している。また、回転部材２１は、円筒形状であり、その中心の回転軸線が長手方向Ｘと平行となるように配置されている。即ち、回転部材２１は、長手方向Ｘにのびる回転軸線周りに回転可能である。さらに、回転部材２１は、操作部本体１５の側面１８において揺動レバー２０が設けられた側（図１では下方側）と反対側（図１では上方側）に位置する。即ち、回転部材２１は、側面１８の揺動レバー２０が設けられた側と反対側から操作可能となっている。なお、回転部材２１は切欠き２３内に配置されているが、部分的に切欠き２３から突出しており、それによってオペレータの指を回転部材２１に当て易くなっている。

　さらに、操作部３は、揺動レバー２０が揺動されたときに操作ワイヤ４を進退移動させ、回転部材２１が回転されたときに操作ワイヤ４をその軸線周りに回転させる伝達機構２４を備えている。

　以下、操作部本体１５の内部を示す図５を参照して、伝達機構２４の構成について説明する。
　図５の通り、操作部本体１５には、先端１６と切欠き２３との間で長手方向Ｘにのびる挿通孔２５が形成されている。操作ワイヤ４及びシース５が挿通孔２５に先端１６側から挿入されている。挿通孔２５の切欠き２３側の径が先端１６側の径より小さくなっている。それによって、シース５の基端が挿通孔２５の径の違いにより生じる段差に係止され、操作ワイヤ４だけが切欠き２３にまで挿通されている。

　回転部材２１内には、回転部材２１の回転軸線Ｃに沿って（即ち、長手方向Ｘに沿って）のびる貫通孔２６が形成されている。操作ワイヤ４は、回転軸線Ｃと一直線状なるようにこの貫通孔２６に挿通されている。

　回転伝達部材２７が、貫通孔２６に配置されている。貫通孔２６の断面は略矩形状である。回転伝達部材２７の断面は、貫通孔２６の断面に対応する略矩形状である。従って、回転伝達部材２７は、貫通孔２６に沿って移動可能であり、回転部材２１とともに回転軸線Ｃ周りに回転する。操作ワイヤ４は回転伝達部材２７に挿通されている。回転伝達部材２７は、操作ワイヤ４に取り付けられている。従って、回転伝達部材２７は、操作ワイヤ４及び回転部材２１と一体的に回転軸線Ｃ周りに回転するようになっており、操作ワイヤ４と一体的に長手方向Ｘに移動するようになっている。

　この構成により、回転部材２１がオペレータによって回転されたときに、操作ワイヤ４がその軸線周りに回転され、それによって処置部材２が回転される。

　さらに、操作ワイヤ４を進退移動させるための摺動部材２８が、操作部本体１５の基端１７側に摺動可能に設けられている。操作部本体１５の基端１７側には、長手方向Ｘにのびて基端１７で開口した摺動孔２９が形成されている。摺動部材２８は、摺動孔２９に挿入されて長手方向Ｘに摺動可能となっている。

　回転部材２１を通過した操作ワイヤ４が、長手方向Ｘにのびた状態で摺動部材２８に挿入されている。支持部材３０が摺動部材２８内に配置されており、操作ワイヤ４は支持部材３０に取り付けられている。それによって、摺動部材２８が長手方向Ｘに沿って摺動されたときに、操作ワイヤ４が進退移動されるようになっている。

　摺動部材２８は、操作ワイヤ４をその軸線周りに回転可能に受容している。これは、操作ワイヤ４をその軸線周りに回転可能に摺動部材２８内の支持部材３０に取り付けることによって達成されている。それによって、前述の回転部材２１の回転による操作ワイヤ４の回転が保障されている。

　さらに、揺動レバー２０の揺動と摺動部材２８の摺動とを連動させる連結部材３１が設けられている。連結部材３１は、略くの字形状である。連結部材３１の一端は、ヒンジ（図示略）を介して揺動レバー２０の中央部に取り付けられ、連結部材３１の他端は、摺動孔２９から突出している摺動部材２８の基端にヒンジ（図示略）を介して取り付けられている。

　さらに、揺動レバー２０を把持部１９から離間させる方向に付勢するための復帰用バネ３２が設けられている。操作部本体１５の切欠き２３と摺動孔２９との間に収容孔３３が形成されている。復帰用バネ３２は、収容孔３３と回転部材２１の貫通孔２６とに渡って配置され、回転伝達部材２７を先端１６に向けて付勢し、それによって操作ワイヤ４を進出する方向に付勢している。復帰用バネ３２の付勢力は、摺動部材２８及び連結部材３１を介して揺動レバー２０へ伝達され、揺動レバー２０は図５のように把持部１９から離間する方向へ付勢される。

　オペレータは、把持部１９及び揺動レバー２０を片手で握り込むことで、揺動レバー２０を復帰用バネ３２の付勢力に抗して把持部１９に近接するように揺動させることができる。このように揺動レバー２０が揺動されると、図６のように、摺動部材２８は、連結部材３１によってこの揺動レバー２０の揺動に連動して摺動され、操作ワイヤ４及び回転伝達部材２７とともに退避される。

　図６の状態から、オペレータが把持部１９及び揺動レバー２０の握り込みを解くと、復帰用バネ３２の付勢力によって、摺動部材２８、操作ワイヤ４、及び回転伝達部材２７が一体的に進出される。揺動レバー２０は、連結部材３１によってこの摺動部材２８の摺動に連動し、把持部１９から離間するように揺動されて、図５の状態に自動的に復帰する。

　こうして、揺動レバー２０が揺動されたときに、操作ワイヤ４が進退移動され、それによって処置部材２が生体組織を処置するよう動作される。

　なお、図５、図６から明らかな通り、回転伝達部材２７は揺動レバー２０の揺動に伴い貫通孔２６に沿って移動するが、貫通孔２６から抜け出ないようになっている。即ち、回転伝達部材２７は、揺動レバー２０がどの位置にあっても常に貫通孔２６内に位置し、回転部材２１とともに回転するようになっている。従って、回転部材２１の操作による処置部材２の回転と揺動レバー２０による処置部材２の処置動作の双方が常に保障されている。

　本発明に係る処置具によれば、図７に示されるように、オペレータが手の平を把持部１９に当て、人差し指、中指、薬指、小指の少なくともいずれかの指を揺動レバー２０に当てるようにして、把持部１９及び揺動レバー２０を把持することができる。オペレータは、これらを握り込むことで揺動レバー２０を揺動操作することができる。さらに、オペレータは、親指を回転部材２１に当てることができ、回転部材２１を回転操作することができる。

　従って、処置部材２の処置動作及び回転のために、操作部３から一度手を離して操作部３の持ち方を変える必要はないし、また両手を使う必要もない。即ち、処置部材２の処置動作及び回転を片手で簡単にできる。また、処置部材２の同時の処置動作及び回転も片手で簡単にできる。

　以上のように、本発明に係る処置具によれば、操作部３の片手による操作性は非常に高い。

　また、オペレータが把持部１９及び揺動レバー２０の握り込みを解除したときに、揺動レバー２０が自動的に図６の状態から図５の状態に復帰することも操作性の向上に貢献している。

　さらに、処置具は以下のような構成も備えている。図８は、操作部本体１５の内部の構造を部分的に示す斜視図である。操作ワイヤ４等の一部の構成の図示は省略されている。まず、図８Ａを参照して、回転部材２１の回転軸線Ｃ周りの円周側面には、複数の凹部３４が回転軸線Ｃを中心に等角度間隔（例えば、２０度間隔）で形成されている。各凹部３４は、回転軸線Ｃに沿ってのびている。

　さらに、操作部本体１５内には、回転部材２１の円周側面に隣接して位置決め部材３５が配置されている。位置決め部材３５は、操作部本体１５に設けられて回転軸線Ｃに対して直交する方向にのびるピン３６に差し込まれており、ピン３６周りに回転可能となっている。

　突起３７が、ピン３６から回転軸線Ｃに沿った一方向にオフセットした位置において、位置決め部材３５から円周側面に向けて突出するように設けられている。この突起３７は、凹部３４に着脱可能に嵌る。

　さらに、操作部本体１５内には、突起３７を円周側面へ付勢するための位置決め用バネ３８が設けられている。位置決め用バネ３８は、ピン３６から回転軸線Ｃに沿って他方向にオフセットして位置している。

　位置決め部材３５が位置決め用バネ３８によってピン３６周りの一方の回転方向に付勢され、それによって突起３７は円周側面に付勢されている。突起３７は、このように位置決め用バネ３８により付勢された状態で凹部３４に嵌っている。それによって、回転部材２１は、位置決めされる。

　回転部材２１がオペレータによって所定以上の力で回転されると、図８Ｂの通り、突起３７は、位置決め用バネ３８の付勢力に抗して、嵌っている凹部３４とその次の隣接する凹部３４との間の凸部に乗り上げる。回転部材２１がそこからさらに回転されると、突起３７は位置決め用バネ３８の付勢力によって次の凹部３４に嵌り、図８Ａの状態になる。

　このように、突起３７が位置決め用バネ３８の付勢力に抗して凹部３４から離脱し、それから該付勢力によって次の凹部３４に嵌ることによって、クリック感をオペレータに与えることができる。そして、回転部材２１を所定の角度で回転させ、回転後の位置に位置決めしておくことができる。即ち、処置部材２を所定の角度で正確に回転させ、回転後の位置に保持させることができる。こうして、処置部材２の正確な回転が実現される。

　以上のように、オペレータにクリック感を与える構成により、処置部材２の回転に関する操作部３の操作性がさらに向上する。

　以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。

１　先端処置具
２　処置部材
３　操作部
４　操作ワイヤ
１５　操作部本体
１６　操作部本体の先端
１７　操作部本体の基端
１８　操作部本体の側面
１９　把持部
２０　揺動レバー
２１　回転部材
２４　伝達機構
２６　回転部材の貫通孔
２６　回転伝達部材
２８　摺動部材
３１　連結部材
３２　復帰用バネ
３４　凹部
３７　突起
３８　位置決め用バネ
Ｃ　回転部材の回転軸線
Ｘ　操作部本体の長手方向

Claims

　生体組織を処置する処置部材を有する先端処置部と、
　オペレータによって操作される操作部と、
　前記先端処置部と前記操作部とに接続された操作ワイヤと、を備え、
　前記処置部材は、前記操作ワイヤが前記操作部により進退移動されたときに生体組織を処置するように動作され、前記操作ワイヤが前記操作部によりその軸線周りに回転されたときに回転される、内視鏡用処置具であって、
　前記操作部は、
　先端、基端、及び、前記先端と前記基端間をのびる側面を有し、前記側面の基端側がオペレータによって把持される把持部として構成された操作部本体と、
　前記把持部に対して近接及び離間するように前記操作部本体の前記側面に揺動可能に設けられた揺動レバーと、
　前記操作部本体の前記側面に回転可能に設けられ、前記側面の前記揺動レバーが設けられた側と反対側から操作可能な回転部材と、
　前記揺動レバーが揺動されたときに前記操作ワイヤを進退移動させ、前記回転部材が回転されたときに前記操作ワイヤをその軸線周りに回転させる伝達機構と、を備える、
　ことを特徴とする内視鏡用処置具。
　前記回転部材は、
　その回転軸線周りの円周側面と、
　前記回転軸線を中心に等角度間隔で前記円周側面に形成された複数の凹部と、を備え、
　前記操作部は、
　前記凹部に着脱可能に嵌る突起と、
　前記突起を前記円周側面に向けて付勢する位置決め用バネと、を備える、
　ことを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用処置具。
　貫通孔が、前記回転部材の回転軸線に沿ってのびるように前記回転部材に形成され、
　前記操作ワイヤは、前記回転軸線と一直線上になるように前記貫通孔に挿通され、
　前記伝達機構は、
　前記貫通孔に沿って移動可能にかつ前記回転部材とともに回転するよう前記貫通孔に配置され、前記操作ワイヤに取り付けられた回転伝達部材と、
　前記操作ワイヤをその軸線周りに回転可能に受容し、前記操作ワイヤを進退移動させるように前記操作部本体に摺動可能に設けられた摺動部材と、
　前記揺動レバーと前記摺動部材とに連結され、前記揺動レバーの揺動と前記摺動部材の摺動とを連動させる連結部材と、を備える、
　ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の内視鏡用処置具。
　前記伝達機構は、
　前記揺動レバーを前記把持部から離間する方向に付勢するための復帰用バネを備える、
　ことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の内視鏡用処置具。