WO2016203645A1

WO2016203645A1 - 防水装置、防水栓、および固定部材

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Publication number: WO2016203645A1
Application number: PCT/JP2015/067748
Authority: WO
Inventors: 浩貴吉田
Original assignee: 株式会社インター工業
Priority date: 2015-06-19
Filing date: 2015-06-19
Publication date: 2016-12-22

Abstract

【課題】シール部材の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる、防水装置を提供する。【解決手段】　周方向において連結分離可能に構成された複数の分割アセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃを有し、分割アセンブリのそれぞれは、ゴム材料からなるシール部材２０と、管路の出口側であってシール部材の厚み方向における表面側に配置される第１の固定部材１０と、管路の奥側であってシール部材の厚み方向における裏面側に配置される第２の固定部材５０と、第１の固定部材および第２の固定部材をシール部材の厚み方向に沿って締め付ける締結部材６０と、を備える。

Description

防水装置、防水栓、および固定部材

　本発明は防水装置、防水栓、および固定部材に関する。

　一般的に都市部において建物に電力供給を行う場合、地中ケーブルが使用される。地中ケーブルは、管路を経由し、建物内に引き込まれている。例えば、管路を介して建物内に地下水が浸入することを防止する防水装置や、既設配管等の管路からの出水を防止する防水栓が知られている。

　これに関連して、例えば下記の特許文献１には、管路内を挿通するケーブルと管路との間に配置される弾性変形可能なシール部材を有する防水装置が開示されている。このように構成された防水装置によれば、シール部材をケーブルの外周面および管路の内周面に圧接させて管路からの地下水の浸入を防止する。

特開２００６－１１５５６０号公報

　例えば地下水の充満に伴って増加する圧力に対するシール部材の耐圧性が十分でない場合、シール部材に位置ずれが生じる虞がある。シール部材に位置ずれが生じた場合、シール部材がシールした箇所に隙間が生じて、シール性が低下することが懸念される。

　本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、シール部材の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる、防水装置、防水栓、および固定部材を提供することを目的とする。

　上記目的を達成する本発明に係る防水装置は、ケーブルが敷設された管路に設置される防水装置であって、周方向において連結分離可能に構成された複数の分割アセンブリを有する。前記分割アセンブリのそれぞれは、ゴム材料からなるシール部材と、前記管路の出口側であって前記シール部材の厚み方向における表面側に配置される第１の固定部材と、前記管路の奥側であって前記シール部材の厚み方向における裏面側に配置される第２の固定部材と、前記第１の固定部材および前記第２の固定部材を前記シール部材の厚み方向に沿って締め付ける締結部材と、を備える。前記第１の固定部材および前記第２の固定部材のそれぞれは、前記管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、前記ケーブルの外面形状に対応した面形状に形成された第２端部と、前記第１端部と前記第２端部との間に連なる本体部と、前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、を備える。前記シール部材は、前記締結部材の締め付けに伴い、前記管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する外壁部と、前記締結部材の締め付けに伴い、前記ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する内壁部と、を備える。前記複数の分割アセンブリは、前記第１の固定部材の前記突出部の先端部が前記管路の奥側に向いた状態で、前記管路に設置される。

　また、上記目的を達成する本発明に係る防水栓は、管路に配置されて栓をする防水栓である。防水栓は、ゴム材料からなるシール部材と、前記管路の出口側であって前記シール部材の厚み方向における表面側に配置される第１の固定部材と、前記管路の奥側であって前記シール部材の厚み方向における裏面側に配置される第２の固定部材と、前記第１の固定部材および前記第２の固定部材を前記シール部材の厚み方向に沿って締め付ける締結部材と、を備える。前記第１の固定部材および前記第２の固定部材のそれぞれは、前記管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、前記第１端部から径方向内方に向かって形成される本体部と、前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、を備える。前記シール部材は、前記締結部材の締め付けに伴い、前記管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する外壁部を備える。前記第１の固定部材の前記突出部の先端部が前記管路の奥側に向いた状態で、前記管路に設置される。

　また、上記目的を達成する本発明に係る固定部材は、ゴム材料からなるシール部材を、前記シール部材の厚み方向へ圧縮させて、管路に固定する固定部材である。固定部材は、管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、前記第１端部から内方に向かって形成される本体部と、前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、有する。

　上述の防水装置によれば、複数の分割アッセンブリが順に管路に設置されて、連結される。この状態で、締結部材を締め付けることによって、シール部材の外壁部は、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成し、シール部材の内壁部は、ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する。また、締結部材を締め付けることによって、シール部材は、締結部材によって締め付けられる部位を起点に厚み方向に圧縮される。圧縮されたシール部材は、第１の固定部材の突出部に対して径方向外方に押し広げる力を作用させる。この結果、第１の固定部材の管路に対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材の外壁部が管路の内壁面と圧接し、シール部材の内壁部がケーブルの外周面と圧接するとともに、第１の固定部材の管路に対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性が向上する。したがって、シール部材の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる防水装置を提供することができる。

　また、上述の防水栓によれば、防水栓が管路に設置された状態で、締結部材を締め付けることによって、シール部材の外壁部は、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する。また、締結部材を締め付けることによって、シール部材は、締結部材によって締め付けられる部位を起点に厚み方向に圧縮される。圧縮されたシール部材は、第１の固定部材の突出部に対して径方向外方に押し広げる力を作用させる。この結果、第１の固定部材の管路に対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材の外壁部が管路の内壁面と圧接するとともに、第１の固定部材の管路に対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性がより向上する。したがって、シール部材の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる防水栓を提供することができる。

　また、上述の固定部材によれば、シール部材を、シール部材の厚み方向へ圧縮させて、管路に固定する。また、固定部材は突出部を有するため、圧縮されたシール部材が突出部に対して径方向外方に押し広げる力を作用させる。この結果、固定部材の管路に対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材を管路に固定するとともに、固定部材の管路に対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性が向上する。したがって、シール部材の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる固定部材を提供することができる。

第１実施形態に係る防水装置を示す斜視図である。防水装置を示す正面図である。図２の３－３線に沿う断面図である。分割アッセンブリを示す斜視図である。第１の固定部材を示す図であって、図５（Ａ）は正面図を、図５（Ｂ）は側面図を、図５（Ｃ）は背面図を示す。第１ゴム部材を示す図であって、図６（Ａ）は正面図を、図６（Ｂ）は側面図を、図６（Ｃ）は背面図を示す。第２ゴム部材を示す図であって、図７（Ａ）は正面図を、図７（Ｂ）は側面図を、図７（Ｃ）は背面図を示す。第２の固定部材を示す図であって、図８（Ａ）は正面図を、図８（Ｂ）は側面図を、図８（Ｃ）は背面図を示す。第１実施形態に係る防水装置の使用例を説明するための図であって、図９（Ａ）は締結部材を締め付けた後、図９（Ｂ）は締結部材を締め付ける前の様子を示す図である。改変例１に係る防水装置を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。改変例２に係る防水装置を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。改変例３に係る防水装置を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。第２実施形態に係る防水栓を示す斜視図である。

　＜第１実施形態＞
　本発明の第１実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本実施形態では防水装置の構成について説明する。以下の説明において、管路が延在する方向を「Ｘ方向」、管路の径方向を「Ｙ方向」と称する。

　図１～図３は、第１実施形態に係る防水装置１の構成の説明に供する図である。図４は、分割アッセンブリの構成の説明に供する図である。図５は、第１の固定部材の構成の説明に供する図である。図６は、第１ゴム部材の構成の説明に供する図である。図７は、第２ゴム部材の構成の説明に供する図である。図８は、第２の固定部材の構成の説明に供する図である。

　防水装置１は、図１、９に示すように、管路Ｐに配置され、管路Ｐからの地下水の浸入を防止する。防水装置１は、図１、図２に示すように、周方向において連結分離可能に構成された３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃを有する。３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃは、図２に示すように、互いに連結されることによって、ケーブルが挿通可能な貫通孔Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３が形成される。以下の説明において、３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃは、それぞれ、第１分割アッセンブリ２ａ、第２分割アッセンブリ２ｂ、第３分割アッセンブリ２ｃと称する場合がある。

　３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃは、図２に示すように、周方向に１２０度ずつ均等に分割されて配置される。３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃは、略同一の構造を備える。以下、第１分割アッセンブリ２ａの構成について説明し、第２、第３分割アッセンブリ２ｂ、２ｃの構成については、適宜説明を省略する。

　第１分割アッセンブリ２ａは、図１～図４に示すように、管路の出口側（図３の左側）に配置される第１の固定部材１０と、第１の固定部材１０に対して管路の奥側（図３の右側）に配置されるシール部材２０と、シール部材２０に対して管路の奥側に配置される第２の固定部材５０と、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０をＸ方向に沿って締め付ける締結部材６０と、を有する。

　＜第１の固定部材＞
　第１の固定部材１０は、管路の出口側であって、シール部材２０のＸ方向における表面側（図３の左側）に配置される。

　第１の固定部材１０は、図５に示すように、管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された外周部（第１端部に相当）１１と、略半円形状に形成された２つの内周部（第２端部に相当）１２ａ、１２ｂと、外周部１１と内周部１２ａ、１２ｂとの間に連なる本体部１３と、外周部１１から管路の出口側に突出するように形成されたテーパ状の突出部１４と、を有する。

　外周部１１は、図５（Ａ）に示すように、周方向に１２０度の範囲で扇状に形成される。

　内周部１２ａは、図５（Ａ）に示すように、２つの端部１２ｃ、１２ｄの間に略半円形状に形成される。２つの端部１２ｃ、１２ｄは、図２に示すように、第２分割アッセンブリ２ｂの端部１２ｃ、１２ｄに接触されることによって、内周部１２ａは、第２分割アッセンブリ２ｂの内周部１２ａと組み合わされて、ケーブルが通過可能な貫通孔Ｈ１を形成する。

　内周部１２ｂは、図５（Ａ）に示すように、２つの端部１２ｅ、１２ｆの間に略半円形状に形成される。２つの端部１２ｅ、１２ｆは、図２に示すように、第３分割アッセンブリ２ｃの端部１２ｅ、１２ｆに接触されることによって、内周部１２ｂは、第３分割アッセンブリ２ｃの内周部１２ｂと組み合わされて、ケーブルが通過可能な貫通孔Ｈ２を形成する。

　同様に、第２分割アッセンブリ２ｂの内周部１２ｂは、図２に示すように、第３分割アッセンブリ２ｃの内周部１２ａと組み合わされて、ケーブルが通過可能な貫通孔Ｈ３を形成する。

　本体部１３は、平坦状に形成される。本体部１３には、Ｘ方向に沿って、貫通孔１５が設けられ、貫通孔１５には、後述する締結部材６０のフランジ付きボルト６１が挿通する。

　突出部１４は、図３に示すように、管路に圧接される圧接部１４１と、圧接部１４１へ向けて傾斜する傾斜部１４２と、を有する。圧接部１４１は、Ｘ方向に略平行に形成され、傾斜部１４２は、管路の奥側（図３の右側）に向かってＹ方向外方に向かうように傾斜する。

　次に、図３を参照して、第１の固定部材１０を構成する材料について説明する。

　第１の固定部材１０は、平板状である金属板１６の周囲がゴム材料によって被覆されている。金属板１６の周囲をゴム材料によって被覆する方法は、例えば樹脂成型である。金属板１６は、Ｘ方向視で、第１の固定部材１０に対して一回り小さい形状を有する。

　第１の固定部材１０は樹脂成型によって形成されるため、金属板１６の周囲には、ゴム材料からなり金属板１６を被覆する被覆部１７が形成される。また、突出部１４は、被覆部１７と一体的に構成される。すなわち、突出部１４は、ゴム材料によって形成される。

　金属板１６としては、例えばアルミを用いることができる。また、被覆部１７としては、例えば加硫ゴムを用いることができる。

　＜シール部材＞
　シール部材２０は、図１、３に示すように、第１ゴム部材３０と、第２ゴム部材４０と、を有する。シール部材２０は、第１ゴム部材３０および第２ゴム部材４０が接着剤によって接着されることによって形成される。

　第１ゴム部材３０は、図６に示すように、締結部材６０の締め付けに伴い、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する第１外壁部（外壁部に相当）３１と、締結部材６０の締め付けに伴い、ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する第１内壁部（内壁部に相当）３２と、第１外壁部３１と第１内壁部３２との間に連なる連結部３３と、を有する。

　第１外壁部３１は、図６（Ａ）に示すように、周方向に１２０度の範囲で扇状に形成される。

　第１外壁部３１は、図６（Ｂ）に示すように、第１の固定部材１０の突出部１４に対応するように、Ｘ方向に対して傾斜するテーパ部３１１と、Ｘ方向に沿って複数設けられた第１溝部３１２と、管路の奥側（図６（Ｂ）の右側）に設けられ径方向内方に凹む第１凹部３１３と、を有する。

　テーパ部３１１には、図３に示すように、第１の固定部材１０の傾斜部１４２が接触する。締結部材６０の締め付けに伴い、傾斜部１４２は、テーパ部３１１に当接しつつＸ方向に押し進める。

　第１溝部３１２は、図６（Ｂ）に示すように、Ｘ方向に沿って設けられる。このように第１溝部３１２が設けられることによって、摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路への挿入が容易になる。また、第１外壁部３１と管路の内壁との間の密着性つまり止水効果も向上する。

　第１凹部３１３は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度に管路側に広がることを防止できるため、管路に過度の圧力が加えられることを防止できる。

　第１内壁部３２は、上述した第１の固定部材１０の内周部１２ａ、１２ｂと同様に、他の第１ゴム部材３０の第１内壁部３２と組み合わされて、ケーブルが通過する貫通孔を形成する。詳細な構成については、第１の固定部材１０の内周部１２ａ、１２ｂと同様であるため、ここでは説明を省略する。

　第１内壁部３２は、管路の出口側（図６（Ｂ）の左側）に設けられ管路の出口側に向けて突出する凸部３２１と、Ｘ方向に沿って複数設けられた第２溝部３２２と、管路の奥側（図６（Ｂ）の右側）に設けられ径方向外方に凹む第２凹部３２３と、を有する。

　凸部３２１は、Ｘ方向視で、第１の固定部材１０の内周部１２ａ、１２ｂの形状に沿うように構成される。

　第２溝部３２２は、Ｘ方向に沿って設けられる。このように第２溝部３２２が設けられることによって、ケーブルに対する摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路への設置が容易になる。また、第１内壁部３２とケーブルとの間の密着性つまり止水効果も向上する。

　第２凹部３２３は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　連結部３３は、平坦状に形成される。連結部３３のうち管路の出口側の面３３ａには、第１の固定部材１０の本体部１３が接触する。

　また、連結部３３のうち管路の奥側の面３３ｂには、第２ゴム部材４０の連結部４３が接触する。また、連結部３３のうち管路の奥側の面３３ｂには、図６（Ｃ）に示すように、１１個の空洞部３３１が設けられる。１１個の空洞部３３１は、第１内壁部３２の外周に均等に配置され、管路の出口側に向かって貫通しないように配置される（図３参照）。

　空洞部３３１は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。また、１１個の空洞部３３１は、第１内壁部３２の外周に均等に配置されるため、挟持圧力を均等に分散することができる。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　連結部３３には、Ｘ方向に沿って、貫通孔３５が設けられ、貫通孔３５には、後述する締結部材６０のフランジ付きボルト６１が挿通する。また、管路の奥側に設置される面３３ｂの貫通孔３５の周辺には、窪み３５２が設けられる（図３参照）。

　窪み３５２は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　第２ゴム部材４０は、図７に示すように、締結部材６０の締め付けに伴い、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する第２外壁部（外壁部に相当）４１と、締結部材６０の締め付けに伴い、ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する第２内壁部（内壁部に相当）４２と、第２外壁部４１と第２内壁部４２との間に連なる連結部４３と、を有する。

　第２外壁部４１は、図７（Ａ）に示すように、周方向に１２０度の範囲で扇状に形成される。

　第２外壁部４１は、図７（Ｂ）に示すように、Ｘ方向に沿って複数設けられた第１溝部４１２と、管路の出口側（図７（Ｂ）の左側）に設けられ、径方向内方に凹む第１凹部４１３と、を有する。

　第１溝部４１２は、図７（Ｂ）に示すように、Ｘ方向に沿って設けられる。このように第１溝部４１２が設けられることによって、摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路への挿入が容易になる。また、第２外壁部４１と管路の内壁との間の密着性つまり止水効果も向上する。

　第１凹部４１３は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度に管路側に広がることを防止できるため、管路に過度の圧力が加えられることを防止できる。

　第２内壁部４２は、上述した第１の固定部材１０の内周部１２ａ、１２ｂと同様に、他の第２ゴム部材４０の第２内壁部４２と組み合わされて、ケーブルが通過する貫通孔を形成する。詳細な構成については、第１の固定部材１０の内周部１２ａ、１２ｂと同様であるため、ここでは説明を省略する。

　第２内壁部４２は、管路の奥側（図７（Ｂ）の右側）に設けられ管路の奥側に向けて突出する凸部４２１と、Ｘ方向に沿って複数設けられた第２溝部４２２と、管路の出口側（図７（Ｂ）の左側）に設けられ径方向外方に凹む第２凹部４２３と、を有する。

　凸部４２１は、Ｘ方向視で、後述する第２の固定部材５０の内周部５２ａ、５２ｂの形状に沿うように、配置される。

　第２溝部４２２は、Ｘ方向に沿って設けられる。このように第２溝部４２２が設けられることによって、ケーブルに対する摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路への設置が容易になる。また、第２内壁部４２とケーブルとの間の密着性つまり止水効果も向上する。

　第２凹部４２３は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　連結部４３は、平坦状に形成される。連結部４３のうち管路の出口側の面４３ａには、第１ゴム部材３０の連結部３３のうち管路の奥側の面３３ｂが接触する。また、連結部４３のうち管路の出口側の面４３ａには、図７（Ａ）に示すように、１１個の空洞部４３１が設けられる。１１個の空洞部４３１は、第２内壁部４２の外周に均等に配置され、管路の奥側に向かって貫通しないように配置される（図３参照）。

　空洞部４３１は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。また、１１個の空洞部４３１は、第２内壁部４２の外周に均等に配置されるため、挟持圧力を均等に分散することができる。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　また、連結部４３のうち管路の奥側の面４３ｂには、後述する第２の固定部材５０の本体部５３が接触する。

　連結部４３には、Ｘ方向に沿って、貫通孔４５が設けられ、貫通孔４５には、後述する締結部材６０のフランジ付きボルト６１が挿通する。また、管路の出口側に設置される面４３ａの貫通孔４５の周辺には、窪み４５２が設けられる（図３参照）。

　窪み４５２は、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形に伴って、Ｘ方向に収縮されるため、シール部材２０の変形を吸収する。したがって、シール部材２０が過度にケーブル側に広がることを防止できるため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　＜第２の固定部材＞
　第２の固定部材５０は、図１に示すように、第２ゴム部材４０に対して、管路の奥側に配置される。第２の固定部材５０は、第１の固定部材１０と略同一の構成を有するため、簡略して説明する。

　第２の固定部材５０は、管路の奥側であって、シール部材２０のＸ方向における裏面側（図３の右側）に配置される。

　第２の固定部材５０は、図８に示すように、管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された外周部（第１端部に相当）５１と、略半円形状に形成された２つの内周部（第２端部に相当）５２ａ、５２ｂと、外周部５１と内周部５２ａ、５２ｂとの間に連なる本体部５３と、外周部５１から管路の出口側に突出するように形成されたテーパ状の突出部５４と、を有する。

　本体部５３は、平坦状に形成される。本体部５３には、Ｘ方向に沿って、貫通孔５５が設けられ、貫通孔５５には、後述する締結部材６０のフランジ付きボルト６１が挿通する。

　突出部５４は、図３、８に示すように、管路に圧接される圧接部５４１と、圧接部５４１へ向けて傾斜する傾斜部５４２と、を有する。圧接部５４１は、Ｘ方向に略平行に形成され、傾斜部５４２は、管路の奥側（図３の右側）に向かってＹ方向外方に向かうように傾斜する。

　＜締結部材＞
　締結部材６０は、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０をＸ方向に締め付けることによって、シール部材２０をＸ方向へ圧縮させて、管路に固定する。締結部材６０は、図３に示すように、フランジ付きボルト６１と、ナット６２と、ワッシャ６３と、緩衝部材６４と、を有する。

　フランジ付きボルト６１は、管路の奥側から出口側に向かって、第２の固定部材５０の貫通孔５５、第２ゴム部材４０の貫通孔４５、第１ゴム部材３０の貫通孔３５、および第１の固定部材１０の貫通孔１５に挿通されて、管路の出口側からナット６２によって締め付けられる。このとき、ワッシャ６３は、ナット６２と第１の固定部材１０との間に配置され、緩衝部材６４は、フランジ付きボルト６１と第２の固定部材５０との間に配置される。緩衝部材６４は、例えばゴム材料である。

　次に、図９を参照して、本実施形態に係る防水装置１の作用について説明する。

　図９は、図２の９－９線に沿う断面図であって、防水装置１の使用例を説明するための図である。図９（Ａ）は、締結部材６０を締め付けた後の様子を示す図であって、図９（Ｂ）は、締結部材を締め付ける前の様子を示す図である。

　内部にケーブル（不図示）が配置された管路Ｐに対して、ケーブルが貫通孔Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３を挿通するように、防水装置１を構成する３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃを管路Ｐに設置して連結する（図９（Ｂ）参照）。このとき、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０は、Ｙ方向に略平行に配置される。

　この状態で、例えば１５０Ｎ・ｍの締め付けトルクで、各分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃの締結部材６０のナット６２を締め付ける。

　この結果、図９（Ａ）に示すように、シール部材２０はＸ方向に圧縮されるとともにＹ方向に拡張し、第１外壁部３１、第２外壁部４１が管路Ｐの内壁面と圧接して外側シール部を形成する。ここで、防水装置１は、第１凹部３１３、４１３を有するため、管路Ｐに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　また、ナット６２を締め付けることによって、シール部材２０はＸ方向に圧縮され、第１内壁部３２、第２内壁部４２がケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する。ここで、防水装置１は、空洞部３３１、４３１、窪み３５２、４５２、および第２凹部３２３、４２３を有するため、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　また、ナット６２を締め付けることによって、シール部材２０は、締結部材６０によって締め付けられる部位Ｐ１を起点にＸ方向に圧縮される。圧縮されたシール部材２０は、第１の固定部材１０の突出部１４に対してＹ方向外方に押し広げる力Ｆ１を作用させる。この結果、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上する。

　また、ナット６２を締め付けることによって、第１の固定部材１０の突出部１４の傾斜部１４２は、第１ゴム部材３０のテーパ部３１１に当接しつつ、Ｘ方向に押し進める。この結果、図９（Ａ）に示すように、シール部材２０は、Ｙ方向内方（径方向中心側）に比較して、Ｙ方向外方がより多くＸ方向に圧縮される。このため、第１の固定部材１０は、Ｙ方向外方側が管路の奥側（図９の右側）となるように傾斜する。よって、締結部材６０の締め付け前の傾斜しない場合と比較して、第１の固定部材１０の管路Ｐの出口側の部位１０Ａは、管路Ｐに対してＹ方向外方に広げる力をより強く作用させる。したがって、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上する。

　以上のように、シール部材２０の外壁部３１、４１が管路Ｐの内壁面と圧接するとともに、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性がより向上する。

　さらに、実施形態に係る第１の固定部材１０は、金属板１６の周囲に被覆部１７が覆われて構成するため、第１の固定部材１０が上述のように傾斜することによって、図９（Ａ）に示すように、金属板１６の外周のうち管路の出口側の端部１６ａは、被覆部１７を介して、管路Ｐに対して周方向に亘って略線接触し、水圧に対する耐圧が向上する。

　一方、管路Ｐに防水装置１が配置された状態で、管路Ｐの奥側において地下水が充満して圧力が増加した場合、第２の固定部材５０の突出部５４に対してＹ方向外方に押し広げる力Ｆ２が作用する。この結果、第２の固定部材５０の突出部５４が管路Ｐに圧接するため、水圧に対する耐圧がさらに向上する。

　以上説明したように、本実施形態に係る防水装置１によれば、３つの分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃが順に管路Ｐに設置されて、連結される。この状態で、締結部材６０を締め付けることによって、シール部材２０の外壁部３１、４１は、管路Ｐの内壁面と圧接して外側シール部を形成し、シール部材２０の内壁部３２、４２は、ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する。また、締結部材６０を締め付けることによって、シール部材２０は、締結部材６０によって締め付けられる部位Ｐ１を起点にＸ方向に圧縮される。圧縮されたシール部材２０は、第１の固定部材１０の突出部１４に対して径方向外方に押し広げる力Ｆ１を作用させる。この結果、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材２０の外壁部３１、４１が管路Ｐの内壁面と圧接し、シール部材２０の内壁部３２、４２がケーブルの外周面と圧接するとともに、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性が向上する。したがって、シール部材２０の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる防水装置１を提供することができる。

　また、シール部材２０の第１ゴム部材３０は、第１の固定部材１０の突出部１４に対応するように、Ｘ方向に対して傾斜するテーパ部３１１を有し、第１の固定部材１０の突出部１４は、締結部材６０の締め付けに伴い、テーパ部３１１に当接しつつ、Ｘ方向に押し進める。このため、締結部材６０の締め付けに伴い、シール部材２０は、Ｙ方向内方に比較して、Ｙ方向外方がより多くＸ方向に圧縮される。このため、第１の固定部材１０は、Ｙ方向外方側が管路の奥側（図９の右側）となるように傾斜する。よって、締結部材６０の締め付け前の傾斜しない場合と比較して、第１の固定部材１０の管路Ｐの出口側の部位１０Ａは、管路Ｐに対してＹ方向外方に広げる力をより強く作用させる。したがって、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上する。よって、シール部材２０の位置ずれの発生をより抑制し、シール性の低下をより防止することができる。

　また、第１の固定部材１０は、平板状である金属板１６と、ゴム材料からなり金属板１６を被覆する被覆部１７と、を有し、突出部１４は被覆部１７と一体的に構成される。したがって、締結部材６０の締め付けに伴って、金属板１６の外周のうち管路の出口側の端部１６ａは、被覆部１７を介して、管路Ｐに対して周方向に亘って略線接触し、水圧に対する耐圧がより向上する。さらに、突出部１４がゴム材料によって構成されるため、シール部材２０、管路Ｐ、またはケーブルに傷をつけることを防止できる。

　また、複数の分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃは、第２の固定部材５０の突出部５４の先端部が管路Ｐの奥側に向いた状態で、管路Ｐに設置される。このため、管路Ｐに防水装置１が配置された状態で、管路Ｐの奥側において地下水が充満して圧力が増加した場合、第２の固定部材５０の突出部５４に対してＹ方向外方に押し広げる力Ｆ２が作用する。この結果、第２の固定部材５０の突出部５４が管路Ｐに圧接するため、水圧に対する耐圧が向上する。

　また、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０は、略同一の形状を備える。このため、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０を共有することができ、製造コストを低減することができる。

　また、シール部材２０は、内壁部３２、４２の周囲に、Ｘ方向に延在する複数の空洞部３３１、４３１を有する。このように空洞部３３１、４３１が設けられることによって、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形を吸収する緩衝効果を有する。したがって、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　また、シール部材２０は、外壁部３１、４１にＸ方向に沿って複数設けられた第１溝部３１２、４１２と、内壁部３２、４２にＸ方向に沿って複数設けられた第２溝部３２２、４２２と、を有する。第１溝部３１２、４１２が設けられることによって、摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路Ｐへの挿入が容易になる。また、外壁部３１、４１と管路Ｐの内壁との間の密着性つまり止水効果が向上する。さらに第２溝部３２２、４２２が設けられることによって、摩擦抵抗が低下し、防水装置１の管路Ｐへの設置が容易になる。また、内壁部３２、４２とケーブルとの間の密着性つまり止水効果が向上する。

　また、シール部材２０は、外壁部３１、４１に設けられ径方向内方に凹む第１凹部３１３、４１３と、内壁部３２、４２に設けられ径方向外方に凹む第２凹部３２３、４２３と、を有する。第１凹部３１３、４１３が設けられることによって、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形を吸収する緩衝効果を有する。したがって、管路に過度の圧力が加えられることを防止できる。また、第２凹部３２３、４２３が設けられることによって、締結部材６０の締め付けに伴う挟持圧力によるシール部材２０の変形を吸収する緩衝効果を有する。したがって、ケーブルに過度の圧力が加えられることを防止できる。

　また、上述の第１の固定部材１０によれば、シール部材２０を、Ｘ方向へ圧縮させて、管路Ｐに固定する。また、第１の固定部材１０は突出部１４を有するため、圧縮されたシール部材２０が突出部１４に対して径方向外方に押し広げる力Ｆ１を作用させる。この結果、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材２０を管路Ｐに固定するとともに、第１の固定部材１０の管路Ｐに対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性が向上する。したがって、シール部材２０の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる第１の固定部材１０を提供することができる。

　また、固定部材１０は、平板状である金属板１６と、ゴム材料からなり金属板１６を被覆する被覆部１７と、を有し、突出部１４は、被覆部１７と一体的に構成される。したがって、締結部材６０の締め付けに伴って、金属板１６の外周のうち管路の出口側の端部１６ａは、被覆部１７を介して、管路Ｐに対して周方向に亘って略線接触し、水圧に対する耐圧がより向上する。

　次に、第１実施形態に係る防水装置１の改変例について説明する。改変例に係る防水装置は、第１の固定部材および第２の固定部材の突出部の構成が異なる。

　＜改変例１＞
　図１０は、改変例１に係る防水装置４を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。上述した実施形態では、第２の固定部材５０の突出部５４は、管路の奥側を向くように配置された。しかしながら、第２の固定部材５０の突出部２５４は、図１０に示すように、管路の出口側を向くように配置されてもよい。このとき、第２ゴム部材２４０に、第１ゴム部材３０のテーパ部３１１と同様に、突出部２５４に対応したテーパ部４１１を設けることによって、締結部材６０の締め付けに伴い、より確実に第１の固定部材１０および第２の固定部材２５０を、それらのＹ方向において互いに近づくように、傾斜させることができる。したがって、シール部材２２０の位置ずれをより抑制し、シール性の低下をより防止できる。

　＜改変例２＞
　図１１は、改変例２に係る防水装置５を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。上述した実施形態では、第２の固定部材５０の突出部５４は、管路の奥側を向くように配置された。しかしながら、第２の固定部材５０の突出部５４、２５４は、図１１に示すように、管路の出口側および奥側の両方に突出してもよい。このとき、上述した実施形態の効果および上述した改変例２の効果の両方を奏することができるため、シール部材２２０の位置ずれをより抑制し、シール性の低下をより防止できる。

　＜改変例３＞
　図１２は、改変例３に係る防水装置６を示す図であって、図３に対応する断面を示す図である。上述した実施形態では、第１の固定部材１０の突出部１４は、管路の奥側を向くように配置された。しかしながら、第１の固定部材１０の突出部１４、３１４は、図１２に示すように、管路の奥側および出口側の両方に突出されてもよい。このとき、突出部３１４が管路の出口側に向けて突出されることによって、管路との圧接長さが長くなるため、シール部材２０の位置ずれをより抑制し、シール性の低下をより防止できる。

　＜第２実施形態＞
　次に、本発明の第２実施形態の構成について説明する。

　第２実施形態では、防水栓３の構成について説明する。図１３は、第２実施形態に係る防水栓３を示す斜視図である。

　防水栓３は、管路に配置されて栓をする防水栓３である。

　防水栓３は、上述した防水装置１と比較して、ケーブルが通過可能な貫通孔が形成されていない。このため、防水栓３は、防水装置１と異なり、周方向において分割されておらず、周方向に一体的に構成される。防水栓３は、上述した構成の差異点以外は、上述した実施形態に係る防水装置１の構成と略同一である。以下、改変例１に係る防水栓３の構成について適宜簡略して説明する。

　防水栓３は、図１３に示すように、管路の出口側に配置される第１の固定部材１１０と、第１の固定部材１１０に対して管路の奥側に配置されるシール部材１２０と、シール部材１２０に対して管路の奥側に配置される第２の固定部材１５０と、第１の固定部材１１０および第２の固定部材１５０をＸ方向に沿って締め付ける締結部材６０と、を有する。

　第１の固定部材１１０は、管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された外周部１１１（第１端部に相当）と、外周部１１１から径方向内方に向かって形成される本体部１１３と、外周部１１１から管路の出口側に突出するように形成されたテーパ状の突出部１１４と、を有する。

　シール部材１２０は、第１ゴム部材１３０と第２ゴム部材１４０とを有する。

　第１ゴム部材１３０および第２ゴム部材１４０は、締結部材６０の締め付けに伴い、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する外壁部１３５、１４５を備える。

　以上説明したように、第２実施形態に係る防水栓３によれば、防水栓３が管路に設置された状態で、締結部材６０を締め付けることによってシール部材１２０の外壁部１３５、１４５は、管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する。また、締結部材６０を締め付けることによって、シール部材１２０は、締結部材６０によって締め付けられる部位を起点にＸ方向に圧縮される。圧縮されたシール部材１２０は、第１の固定部材１１０の突出部１１４に対して径方向外方に押し広げる力を作用させる。この結果、第１の固定部材１１０の管路に対する圧接力が向上する。以上のように、シール部材１２０の外壁部１３５、１４５が管路の内壁面と圧接するとともに、第１の固定部材１１０の管路Ｐに対する圧接力が向上するため、水圧に対する耐圧性がより向上する。したがって、シール部材１２０の位置ずれを抑制し、シール性の低下を防止することのできる防水栓３を提供することができる。

　以上のように実施形態および改変例を通じて本発明に係る防水装置、防水栓、または固定部材を説明したが、本発明に係る防水装置、防水栓、または固定部材は、説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々改変することが可能である。

　例えば、上述した実施形態では、固定部材１０は、金属板１６およびゴム材料からなる被覆部１７から構成されたが、金属のみまたはゴム材料のみから構成されてもよい。

　また、上述した実施形態では、第１の固定部材１０および第２の固定部材５０は、略同一の形状であったが、互いに異なる形状であってもよい。

　また、上述した実施形態では、シール部材２０は、第１溝部３１２、４１２と第２溝部３２２、４２２とを有したが、第１溝部および第２溝部が設けられなくてもよい。

　また、上述した実施形態では、シール部材２０は、第１凹部３１３、４１３および第２凹部３２３、４２３を有したが、第１凹部および第２凹部が設けられていなくてもよい。

　また、上述した実施形態では、シール部材２０は空洞部３３１、４３１を有したが、空洞部が設けられていなくてもよい。

　また、上述した実施形態では、管路内にケーブルが３本配設され、分割アッセンブリ２ａ、２ｂ、２ｃが３つから構成される形態について説明したが、ケーブルが２本であって、分割アッセンブリが２つから、またはケーブルが４本以上であって、分割アッセンブリが４つ以上から構成される形態であってもよい。

　また、ケーブルは例えば通信ケーブルであるが、これに限定されない。

　　１、４、５、６　　防水装置、
　　２ａ、２ｂ、２ｃ　　分割アッセンブリ、
　　３　　防水栓、
　　１０、１１０　　第１の固定部材（固定部材）、
　　１１、１１１　　外周部（第１端部）、
　　１２ａ、１２ｂ　　内周部（第２端部）、
　　１３、１１３　　本体部、
　　１４、１１４、３１４　　突出部、
　　１４１　　圧接部、
　　１４２　　傾斜部、
　　１６　　金属板、
　　１７　　被覆部、
　　２０、１２０、２２０　　シール部材、
　　３０、１３０　　第１ゴム部材、
　　３１　　第１外壁部（外壁部）、
　　３１１　　テーパ部、
　　３１２　　第１溝部、
　　３１３　　第１凹部、
　　３２　　第１内壁部（内壁部）、
　　３２２　　第２溝部、
　　３２３　　第２凹部、
　　３３１　　空洞部、
　　４０、１４０、２４０　　第２ゴム部材、
　　４１　　第２外壁部（外壁部）、
　　４１１　　テーパ部、
　　４１２　　第１溝部、
　　４１３　　第１凹部、
　　４２　　第２内壁部（内壁部）、
　　４２２　　第２溝部、
　　４２３　　第２凹部、
　　４３１　　空洞部、
　　５０、１５０、２５０　　第２の固定部材（固定部材）、
　　５１　　外周部（第１端部）、
　　５２ａ、５２ｂ　　内周部（第２端部）、
　　５３　　本体部、
　　５４、１５４、２５４　　突出部、
　　５４１　　圧接部、
　　５４２　　傾斜部、
　　６０　　締結部材、
　　１３５、１４５　　外壁部、
　　Ｐ　　管路。

Claims

　ケーブルが敷設された管路に設置される防水装置であって、
　周方向において連結分離可能に構成された複数の分割アセンブリを有し、
　前記分割アセンブリのそれぞれは、
　ゴム材料からなるシール部材と、
　前記管路の出口側であって前記シール部材の厚み方向における表面側に配置される第１の固定部材と、
　前記管路の奥側であって前記シール部材の厚み方向における裏面側に配置される第２の固定部材と、
　前記第１の固定部材および前記第２の固定部材を前記シール部材の厚み方向に沿って締め付ける締結部材と、を備え、
　前記第１の固定部材および前記第２の固定部材のそれぞれは、
　前記管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、
　前記ケーブルの外面形状に対応した面形状に形成された第２端部と、
　前記第１端部と前記第２端部との間に連なる本体部と、
　前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、を備え、
　前記シール部材は、
　前記締結部材の締め付けに伴い、前記管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する外壁部と、
　前記締結部材の締め付けに伴い、前記ケーブルの外周面と圧接して内側シール部を形成する内壁部と、を備え、
　前記複数の分割アセンブリは、前記第１の固定部材の前記突出部の先端部が前記管路の奥側に向いた状態で、前記管路に設置される、防水装置。
　前記シール部材は、前記第１の固定部材の前記突出部に対応するように、前記厚み方向に対して傾斜するテーパ部を有し、
　前記第１の固定部材の前記突出部は、前記締結部材の締め付けに伴い、前記テーパ部に当接しつつ前記厚み方向に押し進める請求項１に記載の防水装置。
　前記固定部材は、
　平板状である金属板と、
　ゴム材料からなり前記金属板を被覆する被覆部と、を有し、
　前記突出部は前記被覆部と一体的に構成される請求項１または請求項２に記載の防水装置。
　前記複数の分割アッセンブリは、前記第２の固定部材の前記突出部の先端部が前記管路の奥側に向いた状態で、前記管路に設置される、請求項１～３のいずれか１項に記載の防水装置。
　前記第１の固定部材および前記第２の固定部材は、略同一の形状を備える請求項１～４のいずれか１項に記載の防水装置。
　前記シール部材は、前記内壁部の周囲に、前記厚み方向に延在する複数の空洞部を有する請求項１～５のいずれか１項に記載の防水装置。
　前記シール部材は、
　前記外壁部に前記厚み方向に沿って複数設けられた第１溝部と、
　前記内壁部に前記厚み方向に沿って複数設けられた第２溝部と、を有する請求項１～６のいずれか１項に記載の防水装置。
　前記シール部材は、
　前記外壁部に設けられ径方向内方に凹む第１凹部と、
　前記内壁部に設けられ径方向外方に凹む第２凹部と、を有する請求項１～７のいずれか１項に記載の防水装置。
　管路に配置されて栓をする防水栓であって、
　ゴム材料からなるシール部材と、
　前記管路の出口側であって前記シール部材の厚み方向における表面側に配置される第１の固定部材と、
　前記管路の奥側であって前記シール部材の厚み方向における裏面側に配置される第２の固定部材と、
　前記第１の固定部材および前記第２の固定部材を前記シール部材の厚み方向に沿って締め付ける締結部材と、を備え、
　前記第１の固定部材および前記第２の固定部材のそれぞれは、
　前記管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、
　前記第１端部から径方向内方に向かって形成される本体部と、
　前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、を備え、
　前記シール部材は、
　前記締結部材の締め付けに伴い、前記管路の内壁面と圧接して外側シール部を形成する外壁部を備え、
　前記第１の固定部材の前記突出部の先端部が前記管路の奥側に向いた状態で、前記管路に設置される、防水栓。
　ゴム材料からなるシール部材を、前記シール部材の厚み方向へ圧縮させて、管路に固定する固定部材であって、
　管路の内壁面の形状に対応した面形状に形成された第１端部と、
　前記第１端部から内方に向かって形成される本体部と、
　前記第１端部から前記本体部の厚み方向へ突出し、前記管路に圧接される圧接部および前記圧接部へ向けて傾斜する傾斜部が形成されたテーパ状の突出部と、有する固定部材。
　平板状である金属板と、
　ゴム材料からなり前記金属板を被覆する被覆部と、を有し、
　前記突出部は前記被覆部と一体的に構成される請求項１０に記載の固定部材。