WO2015040823A1 - ブラシ付きモータ - Google Patents

Abstract

本発明のブラシ付きモータ（１００）は、回転子（８）と、一対の軸受（４Ａ、４Ｂ）と、ブラシホルダー（１）と、ブラシ（６）と、弾性部材であるブラシバネ（７）と、保持部（１Ａ）と、を備える。保持部（１Ａ）は、防塵板（１０、１０Ａ）と、集塵部（１１）と、を有する。防塵板（１０、１０Ａ）は、一対のブラシホルダー（１）間において、整流子（５）と対向する。防塵板（１０、１０Ａ）は、シャフト（３）の軸心（３Ｂ）方向に沿って位置する。集塵部（１１）は、ブラシ（６）と整流子（５）とが摺動する際に発生するブラシ摩耗粉を、防塵板（１０、１０Ａ）を介して蓄積する。

Description

ブラシ付きモータ

　本発明は、特に、モータの交換作業やモータの整備作業に困難を伴う、自動車用電装品や産業用機器等に有用なブラシ付きモータに関する。

　従来、ブラシ付きモータは、起動トルクが大きく、安価である等の理由により、各種製品の動力源として広く用いられている。特許文献１には、この種のブラシ付きモータの構造が開示されている。

　図１８に示すように、ブラシ付きモータは、シャフト３と、一対の軸受４Ｃ、４Ｄと、整流子５と、ブラシ６と、フレーム２と、コア１４と、巻線１５と、マグネット９と、を備える。

　一対の軸受４Ｃ、４Ｄは、シャフト３を支持する。整流子５は、シャフト３の外周面に取付けられる。ブラシ６は、整流子５と摺りながら接する。フレーム２は、ブラシ６を保持する。コア１４は、シャフト３の外周面に取付けられる。巻線１５は、コア１４に巻き回される。マグネット９は、固定子であり、コア１４の外側に配置される。

　さらに、特許文献１に開示されたブラシ付きモータは、ポケット１１１を有する。ブラシ付きモータにおいて、シャフト３が回転すれば、整流子５はシャフト３とともに回転する。このとき、ブラシ６と整流子５とは、お互いが接する摺動面で、摺りながら接する。ブラシ６と整流子５とが摺りながら接すると、摺動面では、ブラシ６からブラシ摩耗粉が発生する。発生したブラシ摩耗粉は、ポケット１１１に溜められる。

　ブラシ付きモータは、リブ１１０を介してブラシ摩耗粉をポケット１１１に溜めることで、ブラシ摩耗粉がブラシ付きモータ内に拡散することを抑制する。よって、ブラシ付きモータは、ブラシ付きモータの内部に位置する各部材において、絶縁抵抗値が著しく低下することを防止していた。

実開昭５８－２２８６５号公報

　本発明が対象とするブラシ付きモータは、回転子と、一対の軸受と、ブラシホルダーと、ブラシと、弾性部材であるブラシバネと、保持部と、を備える。

　回転子は、シャフトとシャフトの外周面に位置する整流子とを有する。回転子は、シャフトの軸心を回転中心として回動する。

　一対の軸受は、シャフトを回転自在に支持する。

　ブラシホルダーは、一対の正負極を成し、整流子と相対する位置へ開口部を有する。ブラシホルダーは、軸心と直交するシャフトの半径方向に沿って、整流子と対向して位置する。

　ブラシは、正負極各々のブラシホルダー内に位置し、シャフトの半径方向に沿って移動可能である。ブラシは、開口部を介して整流子とは摺動面で接触摺動する。

　弾性部材は、正負極各々のブラシホルダー内において、ブラシを整流子に対して押圧するように位置する。

　保持部は、ブラシホルダーを保持する。特に、保持部は、防塵板と、集塵部と、を有する。防塵板は、一対のブラシホルダー間において、整流子と対向する。防塵板は、シャフトの軸心方向に沿って位置する。

　集塵部は、ブラシと整流子とが摺動する際に発生するブラシ摩耗粉を、防塵板を介して蓄積する。

図１は、本発明の実施の形態１におけるブラシ付きモータの断面図である。 図２は、本発明の実施の形態１におけるブラシ付きモータに用いられるブラシホルダーの概要を示す斜視図である。 図３は、図２に示したブラシホルダーの要部を拡大した概要図である。 図４は、図２に示したブラシホルダーの他の要部を拡大した概要図である。 図５は、本発明の実施の形態２におけるブラシ付きモータの断面図である。 図６は、本発明の実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるブラシホルダーの概要を示す斜視図である。 図７は、図６に示したブラシホルダーの要部を拡大した概要図である。 図８は、図６に示したブラシホルダーの他の要部を拡大した概要図である。 図９は、図６に示したブラシホルダーのさらに他の要部を拡大した概要図である。 図１０は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例１を示す要部拡大図である。 図１１は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例２を示す要部拡大図である。 図１２は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例３を示す要部拡大図である。 図１３は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例４を示す要部拡大図である。 図１４は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例５を示す要部拡大図である。 図１５は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例６を示す要部拡大図である。 図１６は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例７を示す要部拡大図である。 図１７は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例８を示す要部拡大図である。 図１８は、従来のブラシ付きモータの断面図である。

　本発明の実施の形態におけるブラシ付きモータは、後述する構成により、ブラシ付きモータが駆動することで発生するブラシ摩耗粉を、所定の場所に溜めることができる。よって、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、ブラシ付きモータの内部において、ブラシ摩耗粉の拡散を防止できる。その結果、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、ブラシ付きモータ内の不特定部において、絶縁抵抗値が低下することを抑制できる。

　つまり、従来のブラシ付きモータには、つぎの改善すべき点があった。すなわち、従来のブラシ付きモータは、回転子が回転する速度の影響を受けて、ブラシ磨耗粉が発生していた。発生したブラシ摩耗粉は、ブラシとポケットとの間に位置する隙間からブラシ付きモータの内部へと拡散していた。ブラシ付きモータの内部において、不特定部に蓄積されたブラシ摩耗粉は、不特定部の絶縁抵抗値を著しく低下させていた。

　さらに、ブラシ付きモータが組み込まれた製品は、激しい振動を受ける等の苛酷な環境下で使用されることがある。このような環境下において、一旦、ポケットに入ったブラシ摩耗粉は、外的要因である振動等により、再度、ブラシ付きモータ内に拡散されることがあった。

　そこで、本発明の実施の形態におけるブラシ付きモータは、ブラシと整流子とが接する摺動面に対して、整流子が回転する方向に位置する防塵板を設ける。特に、防塵板は、整流子と防塵板との隙間が狭くなるように、整流子と対向して設けることが好ましい。

　本構成とすれば、ブラシと整流子とが摺れて接することにより発生する、ブラシ磨耗粉が、ブラシ付きモータの内部に拡散することを抑制できる。

　ブラシ摩耗粉が、ブラシ付きモータの内部に拡散することを抑制できれば、ブラシ付きモータ内の不特定部において、絶縁抵抗値が低下する現象を抑制できる。換言すれば、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、長期間、ブラシ付きモータ内部の絶縁抵抗値を高い値で維持できる。

　さらに、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、このブラシ付きモータが組み込まれる製品の使用状態を考慮した位置に、集塵部を有する。具体的には、集塵部は、ブラシ摩耗粉が重力の作用により集積される位置に設けられる。

　本構成とすれば、ブラシ付きモータの内部に漏れたブラシ摩耗粉は、自ずと集塵部に集められる。

　特に、集塵部の底部において、複数のフィンを形成してもよい。各フィンは、平板で形成される。

　本構成とすれば、隣接するフィン間に溜まったブラシ摩耗粉は、再度、拡散することがない。

　すなわち、上述した構成により、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、一旦、集塵部に集積されたブラシ摩耗粉が、再度、ブラシ付きモータ内に拡散することを防止できる。

　よって、本実施の形態におけるブラシ付きモータが組み込まれた製品が、激しい振動を受ける等の過酷な環境下で使用されたとしても、長期間、ブラシ付きモータ内部の絶縁抵抗値を高い値で維持できる。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

　（実施の形態１）
　図１は、本発明の実施の形態１におけるブラシ付きモータの断面図である。図２は、本発明の実施の形態１におけるブラシ付きモータに用いられるブラシホルダーの概要を示す斜視図である。

　図１に示すように、本実施の形態１におけるブラシ付きモータ１００は、回転子８と、一対の軸受４Ａ、４Ｂと、ブラシホルダー１と、ブラシ６と、弾性部材であるブラシバネ７と、保持部１Ａと、を備える。

　回転子８は、シャフト３と、シャフト３の外周面３Ａに位置する整流子５とを有する。回転子８は、シャフト３の軸心３Ｂを回転中心として回動する。

　一対の軸受４Ａ、４Ｂは、シャフト３を回転自在に支持する。

　図１、図２に示すように、ブラシホルダー１は、一対の正負極を成し、整流子５と相対する位置へ開口部１Ｂを有する。ブラシホルダー１は、軸心３Ｂと直交するシャフト３の半径方向に沿って、整流子５と対向して位置する。

　ブラシ６は、正負極各々のブラシホルダー１内に位置し、シャフト３の半径方向に沿って移動可能である。ブラシ６は、開口部１Ｂを介して整流子５とは摺動面１７で接触して摺動する。

　図１に示すように、弾性部材であるブラシバネ７は、正負極各々のブラシホルダー１内において、ブラシ６を整流子５に対して押圧するように位置する。

　保持部１Ａは、ブラシホルダー１を保持する。特に、保持部１Ａは、防塵板１０、１０Ａと、集塵部１１と、を有する。

　図１、図２に示すように、防塵板１０、１０Ａは、一対のブラシホルダー１間において、整流子５と対向する。防塵板１０、１０Ａは、シャフト３の軸心３Ｂ方向に沿って位置する。

　集塵部１１は、ブラシ６と整流子５とが摺動する際に発生するブラシ摩耗粉を、防塵板１０、１０Ａを介して蓄積する。

　図２に示すように、特に、防塵板１０は、軸心３Ｂと直交する断面上、軸心３Ｂを中心とする円周方向において、整流子５の外周面５Ａと対向して位置する。また、防塵板１０は、少なくとも、整流子５に対して重力方向に位置する。なお、重力方向とは、ブラシ付きモータが使用される状態で、定まる方向である。

　あるいは、防塵板１０は、少なくとも、整流子５が回転する方向２０において、下流側に位置してもよい。

　さらに、防塵板１０Ａは、ブラシ摩耗粉を集塵部１１へと導くように形成される。

　また、ブラシホルダー１は、絶縁性の樹脂により、保持部１Ａと一体で成形される。

　図１から図４を用いて、さらに、詳細に説明する。

　図３は、図２に示したブラシホルダーの要部を拡大した概要図である。図４は、図２に示したブラシホルダーの他の要部を拡大した概要図である。

　図１に示すように、ブラシ付きモータ１００は、保持部１Ａとフレーム２とで密閉された筐体内に、シャフト３と、一対の軸受４Ａ、４Ｂと、整流子５と、ブラシ６と、回転子８と、固定子であるマグネット９と、を備える。

　本実施の形態１において、ブラシホルダー１は、保持部１Ａと一体で形成される。保持部１Ａは、後述する凹部１３Ｂを有する。

　フレーム２は、筒型の形状を成し、筒型の形状の中心軸２Ｃに沿って延伸する胴部２Ｄを有する。フレーム２は、胴部２Ｄの一方の端にフレーム密閉端部２Ａを有し、他方の端にフレーム開口端部２Ｂを有する。本実施の形態１において、フレーム密閉端部２Ａは、保持部１Ａと向かい合って位置する。フレーム２は、フレーム開口端部２Ｂで保持部１Ａと接する。フレーム密閉端部２Ａは、後述する凹部１３Ａを有する。

　一対の軸受４Ａ、４Ｂは、シャフト３を支持する。整流子５は、シャフト３の外周面３Ａに取り付けられる。ブラシ６は、整流子５と摺れて接する。回転子８は、シャフト３の外周面３Ａに、コア１４と、コア１４に巻き回された巻線１５と、を有する。固定子であるマグネット９は、回転子８の外側に位置する。

　図２に示すように、防塵板１０は、ブラシ６と整流子５とが接する摺動面１７に対して、整流子５が回転する方向２０に位置する。対向する、防塵板１０と整流子５との間には、隙間が存在する。また、防塵板１０は、ブラシ６と整流子５とが摺動することで発生するブラシ摩耗粉を、集塵部１１に誘導する。

　図１に示すように、シャフト３は、フレーム２の中心軸２Ｃ上に位置する。一方のシャフト３の先端部３Ｃは、フレーム密閉端部２Ａからフレーム２の外部に向けて突出する。シャフト３の両端には、各々、軸受４Ａ、軸受４Ｂが取り付けられる。本実施の形態１において、軸受４Ａは、シャフト３の先端部３Ｃ側に位置し、フレーム密閉端部２Ａが有する凹部１３Ａに嵌め込まれている。軸受４Ｂは、シャフト３の先端部３Ｃの反対側に位置し、保持部１Ａが有する凹部１３Ｂに嵌め込まれている。シャフト３の軸心３Ｂが延伸する方向において、軸受４Ｂと凹部１３Ｂとの間には、スラストワッシャー１６が挿入される。スラストワッシャー１６は、軸受４Ｂと凹部１３Ｂに対して、軸心３Ｂが延伸する方向に作用する与圧を与える。

　整流子５は、金属材料と、樹脂モールドに用いられる絶縁材料と、で形成される。本実施の形態１において、整流子５は、シャフト３の外周面３Ａに取付けられ、コア１４よりも保持部１Ａ側に位置する。後述するように、整流子５には、ブラシバネ７により弾性力が加えられたブラシ６が付勢される。

　本実施の形態１において、フレーム２と保持部１Ａとは、フレーム２が有するフレーム開口端部２Ｂに保持部１Ａを嵌め込むことで、筐体を構成する。フレーム２と保持部１Ａとは、ネジ止め等により固定される。

　また、ブラシホルダー１は、保持部１Ａと一体で成形される。ブラシホルダー１と保持部１Ａとは、絶縁性の樹脂で成形される。ブラシホルダー１の内部には、ブラシ６とブラシバネ７と、が挿入される。ブラシ６には、ブラシ６が整流子５と接するように、ブラシバネ７から弾性力を受ける。

　回転子８は、コア１４と、巻線１５と、を有する。コア１４は、鋼板が積層されて形成される。コア１４は、シャフト３の外周面３Ａに取り付けられる。巻線１５は、コア１４に巻き回される。

　固定子であるマグネット９は、隙間を介して、コア１４と対向して位置する。マグネット９は、フレーム２が有する胴部２Ｄの内周面２Ｅに取り付けられる。

　以上のように構成された、本実施の形態１におけるブラシ付きモータ１００の動作について、説明する。

　図１に示すように、固定子であるマグネット９は、マグネット９が有する磁力により、磁界を形成する。

　一方、回転子８には、後述する経路を経て電流が流される。つまり、マグネット９により形成された磁界の中で、回転子８が有する巻線１５に電流が流されるため、フレミングの左手の法則（Ｆｌｅｍｉｎｇ’ｓ　ｌｅｆｔ　ｈａｎｄ　ｒｕｌｅ）に従い、シャフト３が回転する。

　巻線１５に電流が供給される経路とは、ブラシ付きモータ１００の外部に位置する電源から、正極側のブラシ６、整流子５を経て、巻線１５へとつながる経路をいう。なお、巻線１５に供給された電流は、再び、整流子５から負極側のブラシ６を経て、ブラシ付きモータ１００の外部に位置する電源に戻る。

　シャフト３が回転すれば、シャフト３に取り付けられた整流子５も、シャフト３とともに回転する。整流子５には、ブラシバネ７から弾性力を受けたブラシ６が付勢される。この状態で、整流子５が回転すれば、整流子５上をブラシ６が摺動する。ブラシ６が摩耗すれば、ブラシ摩耗粉が発生する。

　発生したブラシ摩耗粉は、マグネット９に起因する磁力や、整流子５が回転する力等の影響を受ける。よって、ブラシ摩耗粉は、フレーム２の半径方向、すなわち、胴部２Ｄの内周面２Ｅに向かって拡散される。

　図３、図４を用いて、より詳細に説明する。

　まず、図３に示すように、シャフトとともに回転する整流子５は、図中、矢印で示した回転する方向２０に回転する。ブラシ６は、ブラシホルダー１が有する開口部１Ｂから突出した部分が、摺動面１７で整流子５と接する。

　このとき、上述したように、ブラシ摩耗粉２１は、マグネットの磁力や、整流子５が回転する力等の影響を受け、胴部の内周面に向かって拡散される。

　しかしながら、本実施の形態１におけるブラシ付きモータは、摺動面１７を覆うようにして、整流子５の外周面５Ａと向かい合う位置に、防塵板１０を有する。本構成とすれば、ブラシ摩耗粉２１は、防塵板１０に行く手を遮られるため、拡散が抑制される。

　つぎに、図４に示すように、防塵板１０Ａは、防塵板１０Ａと衝突したブラシ摩耗粉２１が集塵部１１に導かれるよう、形成されている。本実施の形態１において、集塵部１１の端部１１Ａは、防塵板１０Ａの端部１０Ｂと接続される。

　本構成とすれば、防塵板１０Ａに行く手を遮られたブラシ摩耗粉２１は、防塵板１０Ａに沿って、集塵部１１へと導かれる。よって、ブラシと整流子５とが摺動することで発生したブラシ摩耗粉２１は、ブラシ付きモータ内に拡散されることがなく、集塵部１１に蓄積される。

　以上の説明から明らかなように、本実施の形態１におけるブラシ付きモータを用いれば、ブラシ摩耗粉が、ブラシ付きモータの内部に拡散することを抑制できる。よって、ブラシ付きモータ内の不特定部において、絶縁抵抗値が低下する現象を抑制できる。換言すれば、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、長期間、ブラシ付きモータ内部の絶縁抵抗値を高い値で維持できる。

　（実施の形態２）
　図５は、本発明の実施の形態２におけるブラシ付きモータの断面図である。図６は、本発明の実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるブラシホルダーの概要を示す斜視図である。図７は、図６に示したブラシホルダーの要部を拡大した概要図である。図８は、図６に示したブラシホルダーの他の要部を拡大した概要図である。図９は、図６に示したブラシホルダーのさらに他の要部を拡大した概要図である。

　図１０は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例１を示す要部拡大図である。図１１は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例２を示す要部拡大図である。図１２は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例３を示す要部拡大図である。図１３は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例４を示す要部拡大図である。図１４は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例５を示す要部拡大図である。図１５は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例６を示す要部拡大図である。図１６は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例７を示す要部拡大図である。図１７は、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられるフィンの具体例８を示す要部拡大図である。

　実施の形態２で示すブラシ付きモータは、実施の形態１で説明したブラシ付きモータと集塵部が異なる。具体的には、実施の形態２で示すブラシ付きモータは、集塵部に複数のフィンを有する。

　以下、図５から図１７を用いて説明する。

　なお、上述した実施の形態１に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付して、説明を援用する。

　図５、図６に示すように、本実施の形態２におけるブラシ付きモータ１００Ａは、複数のフィン１２を有する集塵部３１を備える。なお、図６に示す斜視図では、整流子５の構造がよく分かるように、防塵板１０Ａの一部を割愛している。

　以下、要部を拡大した図面を用いて説明する。

　図７に示すように、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられる集塵部３１は、さらに、軸心を含む断面方向に延伸する平面で形成される、複数のフィン１２を有する。

　また、図８に示すように、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられる集塵部３１Ａは、さらに、シャフトが位置する方向に向かって延伸する平面で形成される、複数のフィン１２を有する。

　図７、図８に示すように、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに用いられる複数のフィン１２は、軸心と直交する断面上、軸心を中心とする円周方向において、順次位置する。

　図７から図９を用いて、さらに、詳細に説明する。

　図７、図８に示したように、集塵部３１、３１Ａは、複数のフィン１２を有する。フィン１２は、平面で形成される。平面が延伸する方向は、集塵部３１、３１Ａの底部３２から、集塵部３１、３１Ａの開口部３３が位置する方向であればよい。

　これらの構成とすれば、集塵部３１、３１Ａ内の表面積を大きくできる。よって、集塵部３１、３１Ａに集められたブラシ摩耗粉２１が、集塵部３１、３１Ａ内の表面に付着し易くなる。この結果、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに対して、激しい振動などの外的要因が加えられたとしても、集塵部３１、３１Ａに集められたブラシ摩耗粉２１が、再び、フレームと保持部とで形成される筐体内に拡散されることを抑制できる。

　なお、図９に示すように、集塵部３１Ｂ内に形成されるフィン１２は、シャフトの軸心方向に沿って配置してもよい。

　すなわち、図７に示すように、複数のフィン１２は、隣接するフィン１２間の開口部３４がシャフトの軸心方向に沿って平行に配置される。本構成であれば、集塵部３１の開口部３３と隣接するフィン１２間の開口部３４とが、同じ向きに開口するよう形成できる。よって、ブラシ摩耗粉２１が、フィン１２間の底部にまで到着し易くなる。

　また、図８に示すように、複数のフィン１２は、隣接するフィン１２間の開口部３４がシャフトの軸心方向に沿って平行に配置される。しかも、フィン１２は、シャフトの軸心に向けて傾斜している。本構成であれば、集塵部３１Ａの開口部３３と隣接するフィン１２間の開口部３４とが、同じ向きに開口するよう形成できる。しかも、隣接するフィン１２間の傾斜も、シャフトの軸心に向かう傾斜を有する。よって、ブラシ摩耗粉２１が、フィン１２間の底部にまで、より到着し易くなる。

　さらに、図９に示すように、複数のフィン１２は、隣接するフィン１２間の開口部３４が整流子の回転方向に沿って平行に配置される。本構成であれば、整流子が回転することにより発生するブラシ摩耗粉２１が集塵部３１Ｂの開口部３３に流入される方向と、隣接するフィン１２間の開口部３４とが、同じ向きになるよう形成できる。よって、ブラシ摩耗粉２１が、フィン１２間の底部にまで、到着し易くなる。

　つぎに、実施の形態２で示すブラシ付きモータに用いられるフィンは、平面に付着したブラシ磨耗粉が飛散することを防止する程度の表面粗さを有する。

　また、図１０から図１３に示すように、実施の形態２で示すブラシ付きモータに用いられるフィン１２は、表面上に凸部４０、４０Ａ、４０Ｂ、４０Ｃを有する。

　あるいは、図１４から図１７に示すように、実施の形態２で示すブラシ付きモータに用いられるフィン１２は、表面上に凹部４１、４１Ａ、４１Ｂ、４１Ｃを有する。

　図１０から図１７を用いて、さらに、詳細に説明する。

　フィン１２は、フィン１２の表面に対して、表面粗さが粗くなる加工が施される。表面粗さは、フィン１２の表面に付着したブラシ摩耗粉が、再度、飛散することを防止する程度である。

　つぎに、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂ内の表面積を大きくする具体的な態様として、２つの方法がある。以下、凸部を用いる態様を、１．として説明する。また、凹部を用いる態様を、２．として説明する。

　１．具体例１から具体例４について
　図１０、図１１に示すように、フィン１２の表面上には、凸部４０、４０Ａとして示される、突起が形成される。あるいは、図１２、図１３に示すように、フィン１２の表面上には、凸部４０Ｂ、４０Ｃとして示される、凸状部が形成される。

　これらの構成とすれば、各フィン１２の表面積を、より大きくすることができる。よって、図７から図９に示した、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂに集められたブラシ摩耗粉２１が、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂ内の表面に付着し易くなる。この結果、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに対して、激しい振動などの外的要因が加えられたとしても、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂに集められたブラシ摩耗粉２１が、再び、フレーム２と保持部１Ａとで形成される筐体内に拡散されることを抑制できる。

　特に、図１１、図１３に示した、凸部４０Ａ、４０Ｃは、つぎの形状を成す。すなわち、凸部４０Ａ、４０Ｃは、突起あるいは凸状部の先端部４２側に位置する上面４３が底部３２側に傾斜する。凸部４０Ａ、４０Ｃは、突起あるいは凸状部の底部３２側に位置する下面４４が底部３２側を向いている。

　これらの構成とすれば、図７から図９に示した、隣接するフィン１２間の開口部３４において、ブラシ摩耗粉２１は、上面４３を滑るため、隣接するフィン１２間の底部３２まで到着し易くなる。一方、隣接するフィン１２間の底部３２まで到着したブラシ摩耗粉２１は、下面４４に遮れられるため、隣接するフィン１２間の底部３２から、再び、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂの開口部３３を経て、拡散されることを抑制できる。

　２．具体例５から具体例８について
　図１４、図１５に示すように、フィン１２の表面上には、凹部４１、４１Ａとして示される、窪みが形成される。あるいは、図１６、図１７に示すように、フィン１２の表面上には、凹部４１Ｂ、４１Ｃとして示される、凹状溝が形成される。

　これらの構成とすれば、各フィン１２の表面積を、より大きくすることができる。よって、図７から図９に示した、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂに集められたブラシ摩耗粉２１が、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂ内の表面に付着し易くなる。この結果、本実施の形態２におけるブラシ付きモータに対して、激しい振動などの外的要因が加えられたとしても、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂに集められたブラシ摩耗粉２１が、再び、フレーム２と保持部１Ａとで形成される筐体内に拡散されることを抑制できる。

　特に、図１５、図１７に示した、凹部４１Ａ、４１Ｃは、つぎの形状を成す。すなわち、凹部４１Ａ、４１Ｃは、窪みあるいは凹状溝の底部３２側に位置する下面４５が底部３２側に傾斜する。凹部４１Ａ、４１Ｃは、窪みあるいは凹状溝の先端部４２側に位置する上面４６が底部３２側を向いている。

　これらの構成とすれば、図７から図９に示した、隣接するフィン１２間の開口部３４において、ブラシ摩耗粉２１は、下面４５を滑るため、隣接するフィン１２間の底部３２まで、到着し易くなる。一方、隣接するフィン１２間の底部３２まで到着したブラシ摩耗粉２１は、上面４６に遮れられるため、隣接するフィン１２間の底部３２から、再び、集塵部３１、３１Ａ、３１Ｂの開口部３３を経て、拡散されることを抑制できる。

　以上の説明から明らかなように、本実施の形態２におけるブラシ付きモータは、集塵部に複数のフィンを形成する。さらに、本実施の形態２におけるブラシ付きモータは、各フィンの表面上に、凸部や凹部を形成する。

　これらの構成とすることで、集塵部内の表面積が、より大きくなる。この結果、集塵部内に集められたブラシ摩耗粉は、集塵部内の表面に付着し易くなる。換言すれば、集塵部は、ブラシ摩耗粉の保持力が向上する。

　よって、本実施の形態２におけるブラシ付きモータにおいて、外的要因によって、集塵部から筐体内に向けて、再度、ブラシ摩耗粉が放出されることを抑制できる。

　この結果、ブラシ付きモータ内の不特定部において、絶縁抵抗値が低下する現象を抑制できる。換言すれば、本実施の形態におけるブラシ付きモータは、長期間、ブラシ付きモータ内部の絶縁抵抗値を高い値で維持できる。

　本発明におけるブラシ付きモータは、ブラシ磨耗粉がブラシ付きモータの内部に飛散し難くなる。よって、特に、モータの交換作業やモータの整備作業に困難を伴う、自動車用電装部品や産業用機器等に有効である。

　１　ブラシホルダー
　１Ａ　保持部
　１Ｂ　開口部
　２　フレーム
　２Ａ　フレーム密閉端部
　２Ｂ　フレーム開口端部
　２Ｃ　中心軸
　２Ｄ　胴部
　２Ｅ　内周面
　３　シャフト
　３Ａ，５Ａ　外周面
　３Ｂ　軸心
　３Ｃ，４２　先端部
　４Ａ，４Ｂ，４Ｃ，４Ｄ　軸受
　５　整流子
　６　ブラシ
　７　ブラシバネ
　８　回転子
　９　マグネット（固定子）
　１０，１０Ａ　防塵板
　１０Ｂ，１１Ａ　端部
　１１，３１，３１Ａ，３１Ｂ　集塵部
　１２　フィン
　１３Ａ，１３Ｂ　凹部
　１４　コア
　１５　巻線
　１６　スラストワッシャー
　１７　摺動面
　２０　回転する方向
　２１　ブラシ摩耗粉
　３２　底部
　３３，３４　開口部
　４０，４０Ａ，４０Ｂ，４０Ｃ　凸部
　４１，４１Ａ，４１Ｂ，４１Ｃ　凹部
　４３，４６　上面
　４４，４５　下面
　１００，１００Ａ　ブラシ付きモータ
　１１０　リブ
　１１１　ポケット

Claims (11)

1. シャフトと前記シャフトの外周面に位置する整流子とを有し、前記シャフトの軸心を回転中心として回動する回転子と、
   前記シャフトを回転自在に支持する、一対の軸受と、
   一対の正負極を成し、前記整流子と相対する位置へ開口部を有するとともに、前記軸心と直交する前記シャフトの半径方向に沿って前記整流子と対向して位置するブラシホルダーと、
   前記正負極各々の前記ブラシホルダー内に位置し、前記半径方向に沿って移動可能であって、前記開口部を介して前記整流子とは摺動面で接触摺動するブラシと、
   前記正負極各々の前記ブラシホルダー内において、前記ブラシを前記整流子に対して押圧するように位置する弾性部材と、
   前記ブラシホルダーを保持する保持部と、を備え、
   前記保持部は、
   一対の前記ブラシホルダー間において、前記整流子と対向するとともに、前記シャフトの軸心方向に沿って位置する防塵板と、
   前記ブラシと前記整流子とが摺動する際に発生するブラシ摩耗粉を、前記防塵板を介して蓄積する集塵部と、を有する、ブラシ付きモータ。
2. 前記防塵板は、前記軸心と直交する断面上、前記軸心を中心とする円周方向において前記整流子の外周面と対向して位置し、かつ、少なくとも、前記整流子に対して重力方向に位置する、請求項１に記載のブラシ付きモータ。
3. 前記防塵板は、前記軸心と直交する断面上、前記軸心を中心とする円周方向において前記整流子の外周面と対向して位置し、かつ、少なくとも、前記整流子が回転する方向において下流側に位置する、請求項１に記載のブラシ付きモータ。
4. 前記防塵板は、前記ブラシ摩耗粉を前記集塵部へと導くように形成される、請求項１に記載のブラシ付きモータ。
5. 前記集塵部は、さらに、前記軸心を含む断面方向に延伸する平面で形成される、複数のフィンを有する、請求項１に記載のブラシ付きモータ。
6. 前記集塵部は、さらに、前記シャフトが位置する方向に向かって延伸する平面で形成される、複数のフィンを有する、請求項１に記載のブラシ付きモータ。
7. 前記複数のフィンは、前記軸心と直交する断面上、前記軸心を中心とする円周方向において、順次位置する、請求項５または６のいずれか一項に記載のブラシ付きモータ。
8. 前記フィンは、前記平面に付着した前記ブラシ磨耗粉が飛散することを防止する程度の表面粗さを有する、請求項５または６のいずれか一項に記載のブラシ付きモータ。
9. 前記フィンは、前記表面上に凸部を有する、請求項５または６のいずれか一項に記載のブラシ付きモータ。
10. 前記フィンは、前記表面上に凹部を有する、請求項５または６のいずれか一項に記載のブラシ付きモータ。
11. 前記ブラシホルダーは、絶縁性の樹脂により、前記保持部と一体で成形される、請求項１から６のいずれか一項に記載のブラシ付きモータ。

Images