WO2011004432A1 - パイプ支持台 - Google Patents

Abstract

[課題]軽量で施工性がよく、必要により重量を与えることもできるパイプ支持台を提供する。 [解決手段]四面が囲まれた、断面矩形の中空筒体である。その内部には貫通する貫通路を備えている。ほぼ中央に十字型のリブを備えている。少なくともいずれかの表面には、貫通路と平行方向に溝を凹設し、溝の縁には、溝の断面内に突出した係合板を備えている。

Description

パイプ支持台

　本発明は、ビルの屋上などに各種のパイプを配管する場合に、それらのパイプを支持する架台に関するものである。

　ビルの屋上には給水タンクは、冷暖房機器が設置してある。
　これらのタンクや機器から、室内へ水や気体の供給するためには、屋上でのパイプの設置が必要になる。　　
　これらのパイプは、防水の関係から屋上の面に直接固定せず、屋上表面から一定の距離だけ浮き上がらせて設置する。
　そのために、木材のブロックやコンクリートブロック、あるいは鋼製の支柱を架台としてパイプを支持する構造が一般的であった。

特開２００２－１３０５３９号公報。

　前記した従来のパイプ支持台にあっては、次のような問題点がある。
＜１＞　木材のブロックにパイプを固定するような構造では、安価で加工が簡単であるという利点はある。しかし風雨、太陽の影響で木材が腐食してしまい、ボルトが紛失したりしてパイプを固定するという機能が果たせなくなる場合がある。
＜２＞　現場でコンクリートを混練して型枠の内部に充填して架台を製作する方法では、現地の状況に合わせた架台の設置はできるが、手数と時間のかかるものである。
＜３＞　ある種の工法では、パイプ架台を屋上の防水工と一体として構築する方法もある。この方法では、屋上の防水工の改修工事の際には架台の周囲をシートで包囲して行うなどの煩雑な工事が必要となり、しかもその部分の防水が不完全となる可能性がある。

　上記のような課題を解決するために、本発明のパイプ支持台は、四面が囲まれた、断面矩形の中空筒体であって、その内部には貫通する通路を備え、ほぼ中央に十字型のリブを備え、少なくともいずれかの表面には、貫通通路と平行方向に溝を凹設し、溝の縁には、溝の断面内に突出した係合板を形成してあるパイプ支持台を特徴としたものである。
　また本発明のパイプ支持台は、その下に敷く重量板を備え、重量板の面積は、パイプ支持台の１面の面積よりも大きく、かつその表面には爪材を突設し、この爪材は、パイプ支持台の貫通通路に挿入が可能である寸法と位置に設置してあるパイプ支持台である。
　また本発明のパイプ支持台は、貫通する通路の内側形状とほぼ相似している形状の重量調整ブロックを備えているパイプ支持台である。
　また本発明のパイプ支持台のいずれかの表面に、貫通通路と平行方向に凹設した溝において、その断面内に突出した係合板は、その内部に挿入するパイプ固定具の締め付けによって、パイプを下から線状に支持する状態まで変形可能であるパイプ支持台である。

　本発明のパイプ支持台は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
＜１＞　パイプを支持する支持台は中空の筒体であるので軽量であり、取り扱いが簡単で工事費を低減することができる。
＜２＞　軽量の支持台に耐風圧用の荷重を与えたい場合には、中空の通路内に重量を与えるブロックを挿入したり、支持台の表面積より広い面積を持つ重量板に取り付けることによって行うことができる。
＜３＞　このように支持台は屋上の表面に設置するだけで、屋上の表面を加工するような工事が不要であるから、屋上の防水工に損傷を与える可能性が全くない。
＜４＞　建築物では、建築後に一定の期間が経過すると屋上の防水工の修理が必要になる。その際にも本発明の支持台は屋上の表面に加工を施しておらず、単に表面に乗せてあるだけである。そのために容易に位置の変更や撤去を行うことができて、防水工の障害にならない。
＜５＞　１個の支持台に複数本の溝を形成しておけば、複数の溝の中から、市販のパイプ固定具の規格に一致した溝を選択し、その面を上向きにして使用できる。このように１個の支持台によって、複数種類のパイプ固定具に対応することができるので、きわめて経済的である。

本発明のパイプ支持台の実施例の説明図 パイプ支持台の実施例の説明図 パイプ支持台の実施例の説明図 本発明のパイプ支持台の実施例の説明図 パイプ支持台の実施例の説明図 パイプ支持台の実施例の説明図

　以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。

＜１＞　支持台。
　まず、支持台１の構成について説明する。

＜１－１＞基本形状。
　パイプＰを支持するパイプ支持台１の基本形状は、四面が囲まれた断面が矩形の中空の筒体である。
　その筒体素材は、ＡＢＳ樹脂、ＡＥＳ樹脂のような合成樹脂、あるいは薄い鋼板で構成した軽量なものである。
　筒体であるが、そのほぼ中央に十字型のリブ１１を備えている。
　その結果、筒体の内部には複数の貫通する通路が形成される。

＜１－２＞溝。
　パイプ支持台１を構成する矩形の筒体のいずれかの表面には、貫通路１３と平行方向に溝１２を凹設する。
　そして、この溝１２の縁には、溝１２の断面内に向けて庇状に突出した係合板１２ａを形成する。
　この係合板１２ａを、後述するパイプ固定具２を取り付ける手がかりとなる。
　この係合板１２ａは、単なる庇状の板でもよく、あるいは内側へ曲げた断面Ｌ字状の部材でもよい。
　支持台１の複数個所に溝１２を形成する場合には、各溝の寸法を市販の各種のパイプ固定具２の規格と一致させておく。
　すると、１個の支持台１において、複数の溝１２の中から、パイプ固定具２の規格に一致した溝１２を選択し、その面を上向きにして使用する。
　このように１個の支持台１によって、複数種類のパイプ固定具２に対応することができるので、きわめて経済的である。

＜２＞パイプ固定具。
　本発明の支持台１と、固定すべきパイプＰとは、パイプ固定具２を介して行う。
　このパイプ固定具２はすでに市販されている、２枚の半円プレートの組み合わせ、あるいはボルトによって構成する。
　半円プレートは、図３、４に示すように、その一部に曲線部を形成した矩形の薄板である。
　そして２枚の半円プレートを組み合わせた状態でパイプＰを挟む場合に、曲線部がパイプＰの上半分に接触する。
　そして２枚の半円プレートを組み合わせた状態では、曲線部より上の部分は、曲線部より下の部分より接近しており、その接近部をボルトで貫通して締結できるように構成してある。

＜３＞パイプ固定具と溝との関係。
　溝１２の断面幅は、市販のパイプ固定具２の寸法と一定の関係がある。
　パイプ固定具２が、ある種の規格の半円プレートである場合には、曲線部より上の部分の幅は、溝１２の幅よりも広く構成する。
　曲線部より下の部分の幅は、溝１２の幅よりも狭く構成する。
　そして最下部には側面への拡張部が形成してあり、拡張部の両端の上端はフック２１状に上向きに突設している。
　このフック２１が、溝１２の両側から内側へ突設したＬ字状の係合板１２ａの内側に係合する。
　パイプ固定具２がボルトである場合には、溝１２の幅は、ある規格のボルトの頭部の幅とほぼ同一に構成してある。
　すると、溝１２内へボルトの頭部を開放側からスライドさせると、ボルトの頭部が溝１２の両側の壁面によって拘束された回転が不可能となる。
　したがって本発明の支持台１に形成する複数の溝１２の幅を、各種のボルトの頭部の規格と一致させておけば、各種のボルトを利用してパイプＰの固定を行うことができる。
　あるいは複数の溝１２の内でひとつは半円プレートの規格と一致させ、他の溝１２はボルトの規格と一致させておけば、ひとつの支持台１によって複数のパイプ固定具２を取り付けることができる。

＜４＞重量板。
　本発明のパイプ支持台１は、それ自体は軽量であることが特徴である。
　しかしビルの環境やパイプＰの配管状況、その他の要求から重量が必要になってくる場合も考えられる。
　その場合には支持台１と重量板３と組み合わせることができる。
　重量板３は、支持台１の下に敷く、コンクリート製の平らな板である。
　その重量板３の面積は、パイプ支持台１の１面の面積よりも大きく形成してある。
　さらに重量板３の表面には爪板３１を突設する。
　この爪板３１は、パイプ支持台１の貫通路１３に挿入が可能である寸法と位置に設置してある金属製の固定部材である。
　爪板３１はコンクリート製の重量板３に一体に埋め込んで製造することも、あるいは重量板３に形成したナット穴にボルトを介して取り付けることもできる。
　重量板３に乗せた支持台１を挟む状態で両側から爪板３１を貫通路１３に挿入すれば、支持台１を重量板３に固定することができる。
　重量板３の長さを、パイプＰの配置方向と直交する方向に長い矩形の板として形成しておけば、パイプＰに風が当たった場合にも大きな抵抗として作用させることができる。

＜５＞載荷ブロック。
　また本発明のパイプ支持台１は、載荷ブロック４と組み合わせることもできる。
　この載荷ブロック４は、貫通する通路１３の内側形状とほぼ相似している形状のコンクリート製の重量体である。
　この重量体を支持台１の通路に挿入することによって、本来軽量である支持台１に重量を与えることができる。
　通路の内側形状をできるだけ統一しておけば、少数の種類の載荷ブロック４を用意しておくだけで対応することができる。

＜６＞係合板の変形。
　前記したように、貫通路１３と平行方向に凹設した溝１２では、その断面内に屋根の庇のように突出した係合板１２ａが存在する。
　この係合板１２ａが特に断面Ｌ字状である場合には、パイプＰを設置するパイプ固定具２のボルトを締め付けると、パイプ固定具２のフック２１が係合板１２ａを下から押し上げることになる。
　すると支持台１の断面は比較的薄い合成樹脂、あるいは薄い鋼板によって形成してあるから、パイプ固定具２の締め付けによって、フック２１が押し上げるような変形を与える。
　その結果、係合板１２ａの端面がパイプＰの下から線状に、パイプＰを支持ことになる。
　このようにパイプＰと支持台１とは、係合板１２ａの端面によって２本の線がわずかに食い込むような状態で接触するので、強固に保持することが可能となる。
　

１：支持台
１１：リブ
１２：溝
１２ａ：係合板
１３：貫通路
２：パイプ固定具
２１：フック
３：重量板
３１：爪板
４：載荷ブロック
Ｐ：パイプＰ

Claims (4)

1. 　四面が囲まれた、断面矩形の中空筒体であって、
   　その内部には貫通する貫通路を備え、
   　ほぼ中央に十字型のリブを備え、
   　少なくともいずれかの表面には、貫通路と平行方向に溝を凹設し、
   　溝の縁には、溝の断面内に突出した係合板を備えた、
   　パイプ支持台。
2. 　パイプ支持台は、その下に敷く重量板を備え、
   　重量板の面積は、パイプ支持台の１面の面積よりも大きく、
   　かつその表面には爪材を突設し、
   　この爪材は、パイプ支持台の貫通通路に挿入が可能である寸法と位置に設置してある、
   　請求項１記載のパイプ支持台。
3. 　パイプ支持台は、
   　貫通する通路の内側形状とほぼ相似している形状の重量調整ブロックを備えている、
   　請求項１記載のパイプ支持台。
4. 　パイプ支持台のいずれかの表面に、貫通路と平行方向に凹設した溝において、
   　その断面内に突出した係合板は、
   　その内部に挿入するパイプ固定具の締め付けによって、パイプＰを下から線状に支持する状態まで変形可能である、
   　請求項１記載のパイプ支持台。

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