明 細 書
生体関連物質の検査方法と、 そのための流体移送装置と流体 移送方法
技術分野
本発明は、 生体関連物質の検査方法に する 。 また本発明 は、 そのために流体の移送を制御する壮
衣 mと方法に関する。 背景技術
ヒ 卜ゲノムの解析は、 システマティ ソクな塩基配列決定か t>、 システマティ ックな機能解析へと隹 "、、 占が移つてきている。 遺伝情報の解析方法は、 主と して二つに分類できる。 一つは、 遺伝子自体および遺伝子から発現する m R N Aやタンパク質 が 「どのようなものであるか」 を解析するものである。 もう 一つは、 その m R N Aやタンパク質が Γ如何なる条件下で合 成されるか」 を解析するものである。
前者に属する方法と しては、 サザン • ブ □ ッ 卜法、 ノーザ ン · プロ ッ ト法、 ゥ エスタン · ブロ ッ 卜法等があり、 これら は主に、 注目する D N A 、 R N A、 またはタ ンパク質につい ての解析を行なうためのものである。 従つて、 細胞から抽出 された全ての D N A 、 R N A、 または夕ンパク質を包括的に 解析する方法と しては適さない。
一方、 如何なる条件で合成されるかとい 占に関しては、 タンパク質の合成が転写レベルで制御されているため、 D N
Aにおける転写の制御配列と、 それに対応する制御メカニズ 厶との双方のデータが不足している現状においては、 十分に 解析することが非常に困難である。
ところが 近年、 D N Aチソプゃ D N Aマイク 口ァ レィと
R ばれる 、 1 センチ四方程度の基体表面上に、 a向 度に任思 の才リ ゴヌク レ才チ ドを固定する技術の進歩によつて 、 伝 子の発現情報の解析が飛躍的に進歩する とが期待されてい 0
D N Aチソプは、 シリ コ ンチップをフ 才 卜 リ ソグラフィ ― 技術によつて多く の区画に分割し、 それぞれの区画上にそれ ぞれの特定の塩基配列を持つた一本鎖 D N Aを直接合成した ものである o D N Aマイク ロァ レイは 、 従来メ ンブレン上に プロ ッ 卜されたスポッ 卜サイズが約 3 0 0 mめるいはそれ 以上であ た D N Aマイク ロァ レイを 、 スポッ 卜サィズを約
2 0 0 M mあるいはそれ以下にしてスラィ グラス上にプ □ ッ 卜 したちの め 。
これら D N Aチップや D N Aマィク ロア レィは ib S7C取
Is ¾と; 算ュニッ 卜システムとに がれ、 チップ上、 あるい はマイク Pァ レイ上に供給された 例えば蛍光標識された D
N Aがどのプローブとハイブリ ダィズしたかを知ることがで さるよう になつている。 D N Aチ Vプゃ D Ν Aマイクロア レ ィ上に配 Λされるプローブの種類とその配置次第で、 遺伝子
D N Aの変異解析、 多型解析 基配列解析 発現解析など 様々な用途に用いることが可能な ¾のである o
例えば 特表 2 0 0 0 — 5 1 5 2 5 Ί 号公報と米国特許出 願公開第 2 0 0 2 / 0 0 2 5 5 3 3 A 1 号明細 は、 このよ うな D N Aチップの具体例を開示している。 その D N Aチッ プでは、 酸化アルミニウム製の多孔質基体にプ □ープ D N A
が固相化されている。 その D N Aチップを用いた検査では、 その多孔質基体の内部に、 蛍光標識された D N Aを含む溶液 を予め決められた一定速度で行き来させるよラ ,よ /ノ ίί動状態で 移送することによ y 、 高効率かつ高速な八ィ ブリ ダィズ 5Ζ. )心 が得られ 9 0
特表 2 0 0 0 - 5 1 5 2 5 1 号公報には 多孔質基体にプ
□―ブを固相化し 、 圧力差によ り検体液を流動させて 生体 関連物質を検出する方法が開示されている o しかし 、 mi動 is 度に関する具体的な §己威( ない。
米国特許出願公開第 2 0 0 2 / 0 0 2 5 5 3 3 A 1 明細 書には 、 基体を洗浄した後に検出することが記載されている が、 洗浄時と検出時の溶液の流動 ¾法については示されてい ない。 つま り、 一つの工程では常に唯一の流動条件だけが適 用される。
発明の開示
本発明は、 ひとつには、 遺伝子に限定されない生体関連物 ftを検出する 能性基体か 成る検査チップを用いた生体関 連物質の検査方法に向けられている。 つま り 、 上述した D N
Aチップや他の検査チップを用いた生体関連物質の検查方法 に向けられている 0 言い換えれば 、 遺伝子および遺伝子以外 の生体関連物質の検査のための機能性基体から成る種々の検 査チップを用いた検査方法に向けられている o
本発明の検査方法は、 機能性基体を用いた生体関連物質の 検査方法において 、 流体を流動させて流体と慨能性 体を接 触させる複数のェ程を有し、 それぞれの工程においてそのェ
程に i .した 動速度で流体を流動させる。
本発明の別の検査方法は、 機能性基体を用いた生体関連物 質の検査方法において、 流体を往復流動させて流体と機能性 基体を繰 返し接触させる工程を有し、 その工程において、 往時と復時とで異なる流動速度で流体を流動させる。
本発明の別の検査方法は、 機能性基体を用いた生体関連物 質の検査方法において、 流体を流動させて流体と機能性基体 を接触させる工程を有し、 一定でない流動速度で流体を流動 させる o
本発明の別の検査方法は、 体積型ポンプを用いて流体を流 動させて流体と機能性基体を接触させる複数の工程を有し、 体積型ポンプの体積を変化させる量が流動させる流体の体積 よ ち多い o
本発明の別の検査方法は、 機能性を有しかつ流動可能な基 体を複数のェ程で流体中に保持しながら、 生体関連物質に関 する検査を行なう生体関連物質の検査方法であ り 、 それぞれ のェ程においてその工程に適した流動速度で基体を流動させ o
また本発明は、 ひとつには、 上述した生体関連物質の検査 方法に 用される移送装置に向けられている。
本発明の移送装置は、 流体を移送する移送手段と、 流体の 移送に対して連続的に接触可能な機能性基体を保持する保持 手段と 、 移送手段を制御する手段と、 流体の特性に応じて少 な < とち一 の制御条件を選択的に設定する制御条件設定手 段とを備えている。
また本発明は、 ひとつには、 上述した生体関連物質の検査 方法に適用される移送方法に向けられている。
本発明の移送方法は 、 流体に対し機能する基体を流体と連 続的に接触させる工程と、 流体を少なく とも二つの制御条件 によつて移送する工程と、 制御条件を流体の特性に応じて設 定する工程とを有している。
図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の実施形態において共通に使用される D N
Aチソプ読み取リ装置の概略構成を示している。
図 2 は、 図 1 に示された反応容器の構成を概略的に示す斜 視図でめ 0
図 3 は、 図 1 と図 2 に示された反応容器の横断面を示す図 である o
図 4 は、 本発明の第一実施形態に関連した、 シリ ンジポン プの一般的な駆動パ夕ーンを示している。
図 5 は、 本発明の第二実施形態におけるシリ ンジボンプの 駆動パターンを示している。
図 6 は、 本発明の第三実施形態におけるシリ ンジポンプの 駆動パターンを示している。
図 7 は、 図 6 の駆動パターンの比較例における駆動パ夕一 ンを示している。
図 8 は、 図 6 の駆動パターンに従った駆動において得られ た、 あるプローブの蛍光の輝度の時間的変化の測定例を示し ている o
図 9 は、 図 7 の駆動パターンに従つた駆動において得られ
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6 た、 同じプ □一プの蛍光の輝度の時間的変化の測定例を示し ている。
図 1 0 は 3%明の第四実施形態における反応工程の駆動 パターンを示している
図 1 1 は 、 ¾明の第四実施形態における洗浄工程の駆動 パターンを示している ο
図 1 2 は 明の第五実施形態を実施する装置を不す図
C1ある。
図 1 3 は 9¾明の第/、芙施形態ないし第九実施形態を実 施 9 る衣置を示す図でめ 。
國 1 4 は 発明に迴用ロ I能なシリ ンジボンプの駆動パ夕 一ンを示している o
図 1 5 は 、 本発明に迴用可能なシリ ンジビス 卜ンポンプの よ り好適な駆動パ夕一ンを示している。
発明を実施するための最良の形態
[生体関連物質の検査 ¾ε Λの基本構造]
図 1 は 後述する本発明の実施形態において基本的に使用 される D N Aチッ ~f =*
ノ nTCみ取り装置の概略構成を示している o 図 1 に示されるよう に、 D N Aチップ読み取リ装置は 、 反 応容器 2 が載置されるステージ 1 を有している 。 ステ一ジ 1 は、 固定板 1 a と 、 固定板 1 a上に Y軸方向に移動可能な Y 移動板 1 b と 、 Y移動板 1 b上に X軸方向に移動可能な X移 動板 1 c とを有してお y 、 これら Y移動板 1 b と X移動板 1 c によ り 反応容器 2 を X— Y軸方向に移動可能にしている。 反応容器 2 は、 図 2 に示されるよう に、 直方体形状の上板
2 0 1 と下板 2 0 2 を重ねて構成されている。 上板 2 0 1 に は、 これに限定されないが 、 例えば 4個の円筒状の孔部 2 0
1 a , 2 0 1 b 、 2 0 1 c 、 2 0 1 d が長手方向に沿って一 列に形成されている た 、 下板 2 0 2 には、 孔部 2 0 1 a
2 0 1 b、 2 0 1 c 、 2 0 1 d に対応する位置に円筒状の孔 部 2 0 2 a 、 2 0 2 b、 2 0 2 c 、 2 0 2 d が長手方向に沿 つて一列に形成されている 。 これら上板 2 0 1 と下板 2 0 2 は重ね合わせられ、 4個の反応室 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d を 形成している
汉応室 3 a、 3 b 、 3 c 、 3 d には、 それぞれ 、 機能性基 体と しての D N Aチップ 4 の反応部 4 a、 4 b 4 c 、 4 d が収納されている D N Aチップ 4 は、 反応室 3 a、 3 b、
3 c 、 3 d 内に供給または収容される各種溶液を通過し得る 微細孔を多数有している 好適な実施の態様において、 D N
Aチップ 4 は、 例えば、 2 5 m m X 7 5 m m程度の基体上に 直径 6 m m程度の 4個の反応部 4 a、 4 b、 4 c 、 4 dが 9 m m ピッチで形成されている。 このような D N Aチップ 4 を 図 3 に示されるよう に上板 2 0 1 と下板 2 0 2 の間に挟み込 むことで、 反応部 4 a、 4 b、 4 c 、 4 d が反応室 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d の各底面から若干上方の位置にそれぞれ収容 される。
反応 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d の上板 2 0 Ί 側の孔部 2 0
1 a、 2 0 1 b , 2 0 1 c 、 2 0 1 d の上部には、 蛍光検出 ュニッ 卜によ り反応部 4 a 、 4 b、 4 c 4 d の反応経過や
¾Π 7¾ ¾1測定するための開口部 3 0 1 a , 3 0 1 b、 3 0 1 c ,
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3 0 1 dがそれぞれ形成されている。 これらの開口部 3 0 1 a 、 3 0 1 b , 3 0 1 c , 3 0 I d は、 それぞれ反応に必要 なサンプル溶液と試薬溶液が順次または同時または混合状態 で供給できるよう に開放している。 開口部 3 0 1 a 、 3 0 1 b 、 3 0 1 c , 3 0 I d には、 場合によっては、 サンプルと 試薬以外の液体、 例えば希釈用溶液、 洗浄用溶液、 測定用試 薬 (基質酵素等) も供給される。 開口部 3 0 1 a 、 3 0 1 b 、 3 0 1 c 、 3 0 1 d には、 温湿環境を維持するため、 液体を 供給しない時期に適当な蓋部材が被せられ場合もある。 また、 下板 2 0 2 の孔部 2 0 2 a 2 0 2 b 、 2 0 2 c 、 2 0 2 d 内の側面には 反応容器 2 の目リ側面まで導出される接続口 3
0 2 a , 3 0 2 b 、 3 0 2 c 、 3 0 2 d がそれぞれ形成され ている。
反応容器 2 は 、 図 1 に示されるよう に 、 反応室 3 a 、 3 b
3 c 、 3 dが X軸方向に沿つて一列に配置されるよう に、 ス テージ 1 の X移動板 1 c 上に載置される
、容 #5 2 の接続口 3 0 2 a 、 3 0 2 b 、 3 0 2 c 、 3 0
2 d には、 配 5 a 、 5 b 5 c 、 5 d を介して流路切替手 段と しての切替バルプ 6 が接 feeされている。 また、 切替バル ブ 6 には、 配管 7 を介して移送手段の流動源と して機能する ポンプ 8が接続されている
ポンプ 8 は 、 各反応室 3 a 、 3 b 3 c 、 3 d 中のプロ一 プ溶液に流動を与えるための のでめ y 、 例えばシリ ンジポ ンプ (例えば八ミル 卜ン社 ィク 口ラボ ML510B) で構成さ れる。 切替パ、ルブ 6 は 、 例えば 、 回転式 4方選択バルプ (例
えば、 ハミル 卜ン社 H V D P 4 _ 5 など) で構成される。 操 作軸 a には 、 ピニオン 9 が取り付けられている o
ステージ 1 の X移動板 1 c の X軸方向に沿つた側面、 つま り、 反 )心谷 ¾ 2 の各反応室 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d が並ぶ X 軸方向に沿つた側面には、 ラ ック 1 0が設けられている。 ま た、 Y移動板 1 bの側面には、 保持板 1 1 を介して切替バル ブ 6 が取リ付けられている。
切替バルプ 6 に取り付けられている ピニ才ン 9 は、 ラック
1 0 に嚙み合つている。 従って、 ピニオン 9 は 、 ステーシ 1 の X軸方向の移動によ り、 ラック 1 0 を介して回転される。 ピニオン 9 の回転は操作軸 6 a を回転させる o これによ り 、 配 5 a、 5 b 、 5 c 、 5 d のうちの一つが m択的に配管 7 を介してボンプ 8 に接続され得る。
ピニオン 9 は 、 1 / 4 回転が、 D N Aチップ 4 の反応部 4 a 4 b、 4 c 、 4 d のピッチ ( 9 m m ) に相当するサイズ を有している。 ステージ 1 の移動によ り 、 反応容器 2 が反応 部 4 a、 4 b、 4 c 、 4 d の ピッチ分だけ移動されると、 こ れに応じて、 切替バルブ 6 の操作軸 6 aが 9 0 ° 回転され、 配管 5 a、 5 b、 5 c 、 5 d の切替が行なわれる。
ステージ 1 の X軸方向の移動によ り、 反応室 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d のう ちの所望のひとつが、 後述する蛍光検出ュニ ッ 卜 1 2 の測定位置まで移動されたとき、 測定位置に移動さ れた反応室 3 a、 3 b、 3 c 、 3 d のひとつに対応する配管 5 a、 5 b、 5 c 、 5 d のひとつがポンプ 8 と接続されるよ う に調整されている。
ポンプ 8 は ポンプ制御ュニッ 卜 1 4 を介して演算ュニッ 1 5 に接 feeされており 、 演算ュ一ッ 卜 1 5 によ り 、 溶液の 流動速度を変えることが可能である 。 演算ュニッ 卜 1 5 は、
、
D N Aチップ 4 に流通させる流体浴液の特性に }心して複数の 流動速度の中から好ましい速度条件を設定する流動条件設定 手段と してち機能する。
例えば、 反応室 3 d の反応部 4 d の反応経過や結果を測定 するには、 ステージ 1 を X軸方向の図示左端まで移動し、 反 応部 4 d を蛍光検出ュニッ 卜 1 2 の対物レンズ 1 3 の焦点位 置に移動させる 。 X移動板 1 c の移動に伴いラ ック 1 0 も移 動し、 ピニ才ン 9が回転し、 切替ノ ルプ 6 の操作軸 6 a も回 車 Eし、 JS }心室 3 c とポンプ 8 の流路が切替バルブ 6 を介して 接続される o < の状態で、 演算ュ一ッ 卜 1 5 によ りポンプ制 御ュニッ 卜 1 4 を介してポンプ 8 をコ ン 卜口 ールすることに よ り、 }心室 3 c 中の溶液を流動させることが可能となる。
[生体関連物質の検査方法]
以下 、 生体関連物質の検査方法に関する実施形態について 説明する
生体関連物質の検査方法には色 なェ程があ リ、 それぞれ の工程 1 あいて必要な溶液が用意される。 例えば、 必要な溶 液は、 プロ一プと検査対象の生体関連物質を反応させる反応 工程においては、 プローブと反応する検査対象の生体関連物 質を含む検体液であり、 検査チップに残留する不所望な検体 液を取り 除く洗浄工程においては、 洗浄水である。 以下の説 明では、 それぞれの工程において用意される必要な溶液を総
称して単に溶液とい
本明 書にお一いて、 J"生体関連物 J は 動物 、 植物 、 微 生物等の細胞のみならず 、 し れらに寄生しなければ自 ら増殖 できないウィルスや細菌等に由来する物質をも含む。 生体関 連物質は 、 これらの細胞等よ り直接抽出 · 単離された天然形 態のもののみならず、 遺伝子ェ学的手法を利用 して生産され たもの、 化学的に修飾されたものも む。 よ り具体的には ホルモン類、 酵素、 抗体 、 抗原 、 ァブザィ厶 、 その他の夕ン パク 核酸 (例えば D N A 、 R N A 、 P N A ) 等が含まれ また 「プロ一ブ J は、 上記の生体関 物質に対して特異的 に結合する物質を意味し、 例えば、 ホルモン等のリガン ドと その受容体、 酵素とその基質 、 抗原とその抗体、 特定配列を 有する核酸とこれに相補的な配列を有する核酸等の関係にあ る、 何れかが含まれる。
また Γ D N Aチップ J は、 上記の 「プローブ J を試薬とす る生物学的反応を行なう反応性を有する機能性基体を章味す る。 「機能性基体 J は、 上記生体関連物質に応答して測定可 能な変化を生じるような機能性を有する支持体全般を 味す 勺 。 よって、 本発明の機能性基体は、 上記生体関連物 «と特 的な相互作用を C=lする任意の種類の試薬成分を備える任意の 形状の支持体である o
また 「流体」 は 、 機能性基体と接触して基体に機能させる ような物質を含む流体全般を意味する ο 流体が溶液である場 合に、 上記生体関連物質に対して不活性の気体を含有しても
よい。 流体が無数の微小粒である場合に、 上記生体関連物質 に対して不活性の 体中に含有されていてもよい。
また 「流動 J とは 、 液体が基体との接触部位を変化するよ うな動きである o 流動は、 液体の動きを制御する手段によつ て能動的に移動させられる。 液体の動きを制御する手段は、 流動速度の追加 - 減衰 ' 維持 · 停止という動的パラメータ一 を適切な組み合わせで含んでおり 、 選ばれた各動的パラメ一 ターに適切な時間配分を振り分ける機能を有する。
前述の装置において、 溶液は、 シリ ンジポンプ 8 によって 流動され、 D N Aチップ 4 の反応部 4 a 4 b 4 c , 4 d のひとつに行き来させられる。 つま り 、 溶液は往復流動され、 反応部 4 a 4 b 4 c 4 d のひとつを繰り返し通過させ られる。
従って、 本発明に適用され得る基体の好適な態様は、 基体 内を流体が通過でさるような孔を有し、 さ らに好適には多孔 質の材料からなる機能部分を少なく とも一部に有する。 しか し、 本発明の主曰 によれば、 機能性を有し、 かつ機能性表面 に流体が流動状態で接触し得る形状であれぱ、 別の形状を有 する基体であつてちよい。
第一実施形態
図 4 は、 シリ ンンポンプ 8 の一般的な駆動パターンを示し ている。 図 4 において、 X軸は経過時間を示し、 Y軸はシリ ンジポンプ 8 のピス 卜ンの位置を示している。 右下がりの区 間は 「弓 1く」 動作に対応し、 右上がり の区間は 「押す」 動作 に対応している o 傾きの大きさは、 ピス トンの移動速度を表
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1 3 しておリ、 従って検体液の流動速度に対応している。
図 4から分かるよう に、 一般に、 シリ ンジポンプ 8のビス 卜ンは、 一定の速度で押され、 一定時間のあいだ停止された 後、 押す動作時と同じ速度で引かれる。 この一連の動作が、 一定時間の間隔を置いて、 繰り返し行なわれる。
本実施形態は、 生体関連物質の検査における複数のそれぞ れの工程において、 その工程に適した流動速度で溶液を流動 させることに向けられている。 つま り、 それぞれの工程にお いて、 シリ ンジポンプ 8 を、 そのピス トンの移動速度が異な る駆動パターンに従って駆動する。 言い換えれば、 シリ ンジ ポンプ 8 のピス トンの移動速度が、 生体関連物質の検査方法 のそれぞれの工程において変更される。
例えば、 反応工程においては、 図 4 の駆動パターンに準じ て、 シリ ンジポンプ 8 のピス トンは、 溶液に 1 0 I Z秒の 流動速度を与える一定の速度で引かれ、 一定時間のあいだ停 止された後、 溶液に 1 0 t I /秒の流動速度を与える速度で 押される。 この一連の動作が、 一定時間の間隔を置いて、 繰 リ返し、 必要な回数だけ行なわれる。 これに対して、 洗浄ェ 程においては、 図 4の駆動パターンに準じて、 シリ ンジボン プ 8のピス トンは、 溶液に 2 0 I Z秒の流動速度を与える 一定の速度で引かれ、 一定時間のあいだ停止された後、 溶液 に 2 0 n I Z秒の流動速度を与える速度で押される。 この一 連の動作が、 一定時間の間隔を置いて、 繰り返し、 必要な回 数だけ行なわれる。
反応工程における溶液 (検体液) の最適な流動速度と洗浄
4 工程における溶液 (洗浄水) の最 ieな ; ι£動速度は異なる 。 従 つて、 このよう に、 それぞれのェ にあいて その工程に適 した流動速度で溶液を流動させることによ U 、 それぞれのェ 程を短時間で終了させる とが可能となる o ま り 、 それぞ れの工程を効率良く行なラ とができる o 結果と して、 生体 関連物質の検査の 卜一夕ルの所要時間を短縮でさるよう にな る o
第二実施形態
本実施形態は 、 溶液を往 流動させて溶液に検査チ Vプを 繰り返し通過させる一つのェ程において 、 そのェ程において 往時と復時とで異なる流動速度で溶液を流動させる < とに向 けられている。
つま り、 本実施形態においては、 生体関連物質の検査の一 つの工程において、 シリ ンンポンプ 8 のビス 卜ンの移動 が、 「引 く」 動作時と Γ押す J 動作時とで変えられる ο つま り 、 シリ ンジポンプ 8 の Γ引 く J 動作時と Γ押す J 動作時と で、 溶液の流動速度が異なる o
図 5 は、 「引 く」 動作時と 「押す」 動作時でピス 卜ンの移 動速度が異なる駆動バタ一ンを示している o 図 5 の駆動パ夕 ーンに従った駆動においては 、 シリ ンジポンプ 8 のピス 卜ン は、 例えば、 溶液に 1 0 At 1 /秒の流動 度を与える一定の 速度で引かれ、 一定時間のあいだ停止された 溶液に 5 μ.
1 Z秒の流動速度を与える速度で押される o この ―連の動作 が、 一定時間の間隔を置いて 、 繰り返し 、 必要な回数だけ行 なわれる。
D Ν Αチップ 4 の反応部 4 a 、 4 b 、 4 c 、 4 d は、 材質 や周辺保持部の形状によ り 、 正圧に対する耐圧特性と負圧に 対する耐圧特性とが異なる。 ここで 、 正圧は、 シリ ンジボン プ 8のピス トンの 「押す」 動作時に反応部 4 d が受ける圧力 であり、 負圧は、 シリ ンジポンプ 8 のビス 卜ンの 「引く」 動 作時に受ける圧力である。 反応部 4 a 、 4 b 、 4 c 、 4 d は 特に正圧に対する耐圧特性が低いため、 シリ ンジポンプ 8 の ピス 卜ンの 「押す」 動作時に、 最悪の場合、 破壊する傾向が 強い
図 5 の駆動パターンに従つた駆動においては、 「押す」 動 作時の ピス トンの移動速度が低く抑えられているため、 「押 す」 動作時に反応部 4 a 、 4 b 、 4 c 、 4 d が受ける圧力が 低く抑えられる。 言い換えれば、 往時と復時の溶液の流動速 度が 、 反応部 4 a 、 4 b 、 4 c 、 4 d の往時と復時の耐圧特 性に合わせて設定されている。 結果と して、 反応部 4 a 、 4 b 、 4 c 、 4 d の破損の発生を減らすことが可能となる。 勿論、 本実施形態においても、 溶液は、 その工程に適した 速度で流動させるとよい。 これにより 、 その工程を短時 間で終了させることが可能となる 結果と して、 生体関連物 質の検査の所要時間を短縮することが可能となる。
第三実施形態
本実施形態は、 溶液を流動させて溶液に検査チップを通過 させる一つの工程において、 一定でない流動速度で溶液を流 動させることに向けられている。 ま り 、 本実施形態では、
「引く 」 動作時の最中や 「押す j 動作時の最中、 ピス トンの
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、、、
移動速度が一定でない駆動パターンに従ってシ U ンンポンプ を駆動する o
本実施形態では、 例えば、 溶液を間欠的に一定の 1し動 is度 で流動させる o すなわち、 生体関連物質の検査方法の一つの 曰
工程内の r引 < J 動作時の最中や 「押す」 動作時の 中、 シ リ ンジポンプ 8のビス トンが間欠的に一定速度で移動される 図 6 は、 Γ引 < J 動作時と 「押す」 動作時でピス 卜ンが間欠 的に移動される駆動パターンを示している。
図 6 の駆動パターンに従った駆動においては 、 シ U ンジポ ンプ 8 のピス 卜ンは、 「引く 」 動作時に、 溶液に 1 0 f I / 秒の流動速度を与える一定の速度で 1 秒間引かれ 1 秒間停 止され、 この一連の動作が 4 回繰り返される 0 その後 、 「押 す」 動作時に 、 溶液に 〗 0 At I /秒の流動速度を与える一定 の速度で 1 秒間押され、 1 秒間停止され、 この一連の動作が
4 回繰 返される 。 この一連の動作が 〗 サイクルを成し、 そ のサィクルが、 繰り返し 、 必要な回数だけ行なわれる 図 6 の駆動バターンに従つた駆動においては、 「引 く J 動 作時と Γ押す」 動作時に それぞれ、 8秒間に 4 0 1 の溶 液が駆動される。
流動速度が一定の流体においては、 流路の壁面近く の流体 が攪拌されないという、 層流と呼ばれる現象が起こる o 図 6 の駆動パ夕ーンに従つた駆動においては、 r引 く J 動 作時と Γ押す」 動作時において 、 ピス トンが間欠的に移動さ れるため 、 層流の発生が効果的に抑制される。 結果と して、 検体液が効率良く攪拌される。 これによ り、 プローブと生体
0
関連物質の反応効率が向上し 、 検出時間を短縮する とか可 能となる。
また、 ピス トンが間欠的に移動されるため、 D N Aチップ
4の反応部 4 a 、 4 b、 4 c 、 4 d の圧力が過度に上昇する ことが抑制される。 結果と して、 反応部 4 a、 4 b 、 4 c、
4 d の破損の発生を減らす < とが可能となる。
図 6 の駆動パターンによる反応効率の向上について比較例 をあげて説明する。 図 7 は 、 比較例における駆動パ夕ーンを 示している。
図 7の駆動パターンに従 た駆動においては、 シ ンジポ ンプ 8 のビス 卜ンは、 溶液に 5 μ, 1 秒の流動速度を与える 一定の速度で 8 秒間引かれ その後、 溶液に 5 At 1 /秒の流 動速度を与える一定の速度で 8秒間押される。 の一連の動 作が、 繰り返し 、 必要な回数だけ行なわれる。
図 7 の駆動パターンに従つた駆動においては、 図 6 の駆動 パターンに従つた駆動と同様に、 「引 く J 動作時と Γ押す」 動作時に、 それぞれ、 8秒間に 4 0 ja 1 の溶液が駆動される。 つま り、 図 7 の駆動パターンに従つた駆動において 図 6 の 駆動パターンに従つた駆動においても、 駆動される浴液の量 は同じである。
図 8 は、 図 6 の駆動パタ ―ンに従つた駆動に対して得られ た、 あるプロ一ブの蛍光の輝度の時間的変化の測定例を示し ている。 また、 図 9 は、 図 7 の駆動パ夕 —ンに従つた駆動に 対して得られた 、 同 じプロ一プの蛍光の輝度の時間的変化の 測定例を示している。
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Ί 8 図 8 と図 9 を比較して分かるよう に、 駆動される溶液の量 が同じであつてち、 図 7 の駆動パ夕ーンに従つた駆動よ り ち、 図 6 の駆動パタ一ンに従フた駆動の方が反応効率が向い 。 つ ま り、 ピス 卜ンを一定速度で移動させるよ り も 、 ピス 卜ンを 間欠的に一定速度で移動させる方が 、 ι¾い /X !、効率が得られ つま り 、 刖 Μしたよう に、 図 6 の駆動パ夕一ンに従った駆 動においては、 「引 く 」 動作時と Γ押す J 動作時にビス 卜ン が間欠的に移動されるため、 層流の発生が効果的に抑制され、 検体液が効率良く攪拌される。 これによ プロ一プと生体 関連物質の反応効率が向上し、 in果と して 、 検
時間を短縮 することが可能となる。
層流の発生を抑制する駆動パタ一ンは 、 Γ引 く J 動作時と
「押す」 動作時に、 ビス 卜ンを間欠的に ―定 is度で移動させ る駆動パターンに限定されない o 例えば Γ引 < J 動作時と
「押す」 動作時に、 溶液を脈動的に流動させるよラ にビス 卜 ンを移動させる駆動パ夕一ン、 フま U、 一定 ½度を基準にし て正弦波形的に変化する速度でピス 卜ンを移動させる駆動パ ターンであってもよい。 あるいは、 「引 く 」 動作時と 「押 す」 動作時に、 不規則に変化する速度でピス 卜ンを移動させ る駆動パターンであつてもよい o
勿麵、 本実施形態においても 、 溶液は そのェ程に した 流動速度で流動させるとよい。 < れによ y 、 その工程を短時 間で終了させることが可能となる 0 結果と して 生体 連物 質の検査の所要時間を短縮する < とが可能となる o
第四実施形態
図 1 ひは本実施形-態における反応 I程の駆動パターンを示 し、 図 1 1 は本実施形態における洗浄工程の駆動パターンを 示している。 それぞれの図において、 横軸は経過時間を示し、 縦軸はシリ ンジポンプ 8のピス トンの位置を示している。 右 下がり の区間は 「引 く 」 動作に対応し、 右上がり の区間は
「押す」 動作に対応している。 傾きの大きさは、 ピス トンの 移動速度を表しており 、 従って検体液の流動速度に対応して いる。 さ らに、 「弓 I く 」 動作から 「押す」 動作へと続く 区間
(略水平部) は、 各駆動パターンにおける ピス トン停止位置 を示しており 、 各工程で駆 する液量に対応してい Ό o
シリ ンジポンプ 8 のビス 卜ン停止位置は、 fe. }心 2-程よ り洗 浄工程の方が下方 («- nX At Sれている。 これに伴って 、 検体液 を反応させた後に 、 反応液よ り ち多量の洗浄液を供給して 、 洗浄工程の方がよ り 多く の液厘を駆動する。 これによ り、 反
『心工程において、 反応容器の管路に付着した検体液を、 続 < 洗浄工程で装置のバラツキ等の影響を受けることなく 、 よ 効果的に洗浄することが可能となる
本実施形態は、 生体関連物質の検査における複数のそれぞ れの工程において 、 そのェ程に適した駆動位置で溶液を流動 させることに向けられている 。 つま り 、 それぞれの工程にお いて、 シリ ンジポンプ 8 を 、 そのピス 卜ンの駆動位置が異な る駆動パターンに従って駆動する o 曰 い換えれば、 シリ ンン ポンプ 8のビス 卜ンの駆動里が、 生体関連物質のそれぞれの ェ に <IOいて変更される。 その変更したビス 卜ンの駆動量に
合わせて、 溶液を供給す Ό M t 変更される 0
例えば、 反応工程においては m 1 0 の駆動パ夕一ンに準じ て、 シリ ンジポンプ 8のビス 卜ンは、 溶液に 1 0 t I z秒の 流動速度を与える一定の速度で 5 秒間引かれる とによ り 、
5 0 μ Ι の溶液を流動す o 一方、 図 1 1 の駆動パ夕一ンの 洗浄工程においては、 1 2 iL 1 秒の流動速度を与える一定 の速度で 5 秒間引かれることによ り、 6 0 I の溶液を流動 する。
このとき、 接続口 3 0 2 a〜 3 0 2 d に接続された管路に は、 流動させる液量に応じて溶液が吸い込まれる O 例えば 、 反応工程で 5 の溶液を流動した場合 、 流 ¾·の内径が 1 m mであ り 、 吸い込まれる溶液長さは 6 4 m m程度となり 、 繰り返し流動を行なう ことによ り 、 溶液先端部である 6 4 m m近傍に溶液残りが生じ あてれがある o
これを避けるため、 続く洗浄工程では、 6 0 I の溶液を 供給して、 ポンプを駆動し流動する。 これによ y 吸い込ま れる溶液長さは 7 6 m m程度となリ、 反応ェ程時の溶液残 も十分洗い流すことができる。
[流体の移送制御]
以下、 生体関連物質の検査方法における流体の移送制御に ついて説明する。
本発明の移送制御は、 流体の特性が機能性基体との接触条 件によって反応性に影響を与える点に着目 し 、 流体の特性に 応じて流体の移送の制御条件を変更する 0 れによ 能 性基体の流体に対する機能を最大限に引き出す とを図つて
いる。 制御条件は、 流速、 移動時間、 移送回数、 移送方向等 の一つまたは複数の組み合わせから適宜選ばれる。 流体の特 性と しては 、 物理的特性と化学的特性とがある 。 「物理的特 性」 と しては 、 例えば、 粘性、 容積、 蒸 /土、 光屈折率、 磁 性、 拡散定数があげられる。 「化学的特性 J は 、 例えば、 T m値、 反応力一ブ 、 機能性成分 (核酸 、 in,体、 酵素等) があ げられる。
第五実施形態
本実施形態においては、 サンプルまたは 式 ¾または両者の 粘性に応じて D N Aチップへの移送圧力を変化させる。 機能 性基体と しての D N Aチップに適用されるサンプルは、 由来 する個体ごとに異なる粘性を有している 。 この粘性は、 サン プル中の多彩な成分が関係するので、 粘性を一定の値に調節 することは通常困難である 別々のサンプルに存在する同じ 成分は、 異なる粘性条件において基体と接触する 粘性が異 なる液体は同じ表面に対して異なる摩擦抵抗でもつて移動す 従つて 、 本実施形態では 、 粘性レベルに対応してサンプ ルの流動状態を変化させるしとによつて、 基体の m をなる ベく 同じよう に発揮させるよう にシ ンジポンプ 8 を駆動さ せる な 、 本実施形態において 便宜上、 基体の破損や詰 ま りのよラな故障に起因する流動性のばらつきは考慮しない。
図 1 2 は > 本矣施形態を実施するための D N Aチップ読み 取リ装置の概略構成を示している 図 1 2 において 、 図 Ί に 示された部材と同一の参 "昭、、符 C指示された部材は同様の部 材であ り 、 その詳しい St明は省略する 。 この D N Aチップ読
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2 2
o み取リ装 o置は 、 図 1 2 に示されるよう に 、 D N Aチップ 4上 のサンプルに Όいて粘性を調べるために 、 シリ ンジポンプ 8 と切替バルプ 6 の間の連結流路に相当する配管 7 に圧力セン サ 1 7 を備えている。 圧力センサ 1 7 を切替バルブ 6 ょリ ポ ンプ側に配置することにより 、 切り替えられた各連結流路に 相当する配管 5 a 、 5 b、 5 c 、 5 d を通じて各反応室 3 a
3 b、 3 c 3 d 内に対応する各反応部 4 a 、 4 b、 4 c 、
4 d における流動抵抗を、 共通の圧力センサ 1 7 によって選 択的に検知でさる 。 圧力センサ 1 7 の値は演算ユニッ ト 1 5 を介してシ ンンポンプ 8のポンプ制御ユニッ ト 1 4 にフィ 一 ド J ック される 。 但し、 圧力センサ 1 7 によるシリ ンジポ ンプ 8 へのフィ 一 ドバック制御は、 D N Aチップ 4 の品質異 常に関係する異常な圧力変化 (例えば、 亀裂、 破損、 詰ま り
) とは連動しないよつ にする。 基体の標準の品質異常に起因 する流動抵抗値は 異な 流体溶液によつても類似の圧力変 動パターンを示すので、 粘性による 、答性の増減パターンと は明らかに区別することが可能であろ う 。 具体例と して、 孔 mないし 0 . 6 μ mの範囲のアルミナ製の多孔 質材料を 0 • 0 5 c mないし 0 . 5 c mの厚さに成形した D
N Aチップ 4 を用いた場合、 標準的な粘性を有するサンプル に ί ¾ ネ示 の /ノ ιΐ速を 3 5 At I /秒とすると、 比較的高い粘 性群のサンプルについては 5 0 n I 秒の流速と し、 比較的 低い粘性群のサンプルについては 2 0 t 1 Z秒の流速とする のが好ま しい o れによ り、 機能性基体に対する機能を最大 限に引き出すことが可能となる。
第六実施形態
本実施形態においては、 検査項目の入力データに基づいて 試薬情報を演算ユニッ ト 1 5 に送出し、 試薬情報に含まれて いる試薬の特性または試薬が作用するサンプル中の成分の特 性またはその両方に応じて異なる流動条件に設定する。 例え ば、 試薬が核酸成分を含んでいるか核酸成分に反応する何ら かの成分を含んでいる場合、 サンプルまたは試薬の T m特性 毎に異なる流動条件となるような変更可能な制御信号をボン プの流速制御部へ送出する。 機能性基体と しての D N Aチッ プに適用されるサンプルまたはこのサンプルと反応するため の試薬は、 温度依存性の成分である核酸を含んでいる。 核酸 の温度依存性は、 D N Aの二本鎖が、 一本鎖同士に解離する 温度と二本鎖に復帰する温度とに関係する。 多く の場合、 一 本鎖へと解離する温度である T m値が核酸の塩基配列によつ て異なる。 異なる温度条件はサンプルおよび試薬の流動に影 響を与えるので、 T m値の違いに対応する流動速度に制御す るのが好ま しい。 各 T m値に対応する温度ごとにサンプルま たは試薬または両者の熱力学的条件を一定に維持するよう に 流動条件を調整することによって、 多数の核酸八ィプリダイ ズ反応が一定の反応条件下で実行され ¾■
向 m度な丁一夕解析 が可能となる
図 1 3 は、 本実施形態を実施するための D N Aチ Vプ αΤΠみ 取り装置の概略構成を示している。 図 1 3 において 、 図 1 に 示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部 材であり 、 その詳しい説明は省略する この D N Aチク ノ e
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2 4 み取り装置は、 図 1 3 に示されるよう に、 D N Aチップ 4上 のサンプルについての T m値を演算ュニッ 卜 1 5 に認識させ るために、 入力装置 1 8 を備えている。 入力装置 1 8 は、 例 えば、 キーボー ド、 夕 ツチパネル、 マウスを用いて、 使用者 が T m値に関連する情報を入力することができる。
入力 した情報は表示用のディ スプレイ 1 9 によって使用者が 確認する。 入力装置 1 8 の別な態様は、 例えばバーコ ー ド (一次元または二次元模様から成る) のような情報媒体をデ 一夕処理によってコー ド解読するようなコー ド · リ ーダーで ある。 公知のコー ド · リ ーダ一は、 使用者が操作する場合と、 検査システム内に搭載して保持された基体上に自動的にァク セスする場合とが有り得る。 入力装置 1 8 を通じて演算ュニ ッ 卜 1 5 にサンプルごとの T m値が送信されると、 演算ュニ ッ 卜 1 5 は、 T m値の違いに応じて攪拌の強さ又は時間を変 化させる。 特に、 T mが小さ く解離し易いほど、 流速を緩慢 にするよう に制御することによって、 余分な解離を少なく す る。 核酸ハイブリダィズ反応における安定な解離条件は、 反 応結果の信頼性に寄与する。
第七実施形態
試薬が P C R (ポリ メラーゼチェーンリ アクシ ョ ン) 用で ある場合にはサーマルサイクルにおける反応カーブに応じて 攪拌の強さを変化させる。 サ一マルサイクルは、 核酸の二本 鎖に関する解離と復帰に適用される異なる温度条件からなる。 同じサンプルでさえ、 高温時と低温時の流体特性は変化する ので、 同じ D N Aチップに対する接触条件が異なる。 サーマ
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2 5 ルサイクルにおいてなるベく 同じ接触条件に維持するのが好 ま しい。 二本鎖の解離には比較^!強い i動条件が適している。 反対に、 一本鎖からの復帰には比較的 い流動条件が適して いる。 本実施形態では 、 サ一マルサイクル中の! ¾温過 では 低温過程に比べて相対的に流動 is度 问速にする。 核酸八ィ ブリ ダイズ反応のサィクルが常に同等の接触条件で進行すれ ば、 反応結果と しての R応厘が最高に向か Ό
本実施形態は、 図 1 3 と同様の装置で実施することができ る。 まず、 入力装 Λ 1 8 から送られた検査項目の入力デ一夕 に基づいて試薬情報を演算ュニッ 卜 1 5 に送出し、 P C R用 試薬の特性に関連するサ一マルサイクル毎にポンプの流速制 御部へ制御信号を送る
第八実施形態
本実施形態では、 πϊ 薬の反応感度に応じて洗浄液の流 の 強さを変化させ 问咸度の試薬による J5Z. K> R応糸百果の 測定において精度低下の原因となるような余分な反応の を抑制する必要が有る
本実施形態は 、 図 1 3 と同様の装置で実施することがでさ る ず、 入力装置 1 8 による検査項目の入力データに づ いて試薬情報を 寅 ュ一ッ 卜 1 5 に送出し \ B 薬と しての洗 浄液の強弱の要求に関連する反応感度毎にポンプの流速制御 を行なうようなポンプ制御ュニッ 卜 1 4 へ制御信号を送る。 反応感度が高い試薬を使用 した反応の洗浄については比較的 強力な洗浄を行なう必要があるので、 流動速度や時間、 回数 の数値を高く 設定する。 逆に、 反応感度が比較的低い試薬を
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2 6 使用 した反応の洗浄については、 相対的に低い設定値にする 第九実施形態
本実施形態では 、 ポンプ駆動時の D N Αチップ上の水位に 応じて気泡が生じない最速な流動に変化させる 。 特に 、 液体 の移動中に水位が変化する l¾j。■において D N Aチップ上の 水位が低いほど緩慢な速度に 9 る。
本実施形態は、 図 1 と同様の装置で実施することができる が、 演算ユニッ ト 1 5 が、 蛍光検出ュ二ッ 卜 1 2 の励起用 ビ 厶の光吸収または光反射に関する検 ιΔ丁 夕に基づいて、
D N Aチップ上の水面画像を解析して、 水位を算出する点が 異な O まず }心室 3 d の反 )'L、部 4 d の反応経過や結果を 測定するための蛍光検出ュ二ッ 卜 2 をステーン 1 を X軸方 向の図示 2c mまで移動することによつて反応部 4 d の上方に 移動させ ■0 次に上述したよう に X移動板 1 c の移動に伴 いラック 1 0 ち移動し、 ピニ才ン 9 が回転し、 切替バルブ 6 の操作軸 6 a 回転し、 反応 3 c とポンプ 8 の流路が切替 バゾレブ 6 を介して接続される の状態で、 演算ュニッ 卜 1
5 によりポンプ制御ュニ y 卜 1 4 を介してボンプ 8 をコ ン 卜 ロールする とによ り 、 反応室 3 C 中の溶液を流動させるこ とが可能となる 。 本実施形態では 蛍光検出ュ ッ 卜 1 2 の 対物レンズ 1 3 を上下に移動可能とするのが好ま しく 、 隹占 位 を nj'変にすること によつて D N Aチップ上の水位を光 源からの出射ビームによる水面付近における光吸収または光 反射を継続的に検出する。 公知のフォーカシング機構によれ ば、 対物レンズを移動させずに焦点位置を可変にする光学的
2 技術も利用できる。 光検出ユニッ トによる検出データは、 反 ϋ5室 3 c 中の溶液の流動状態をモ二タ リ ングするのに用いら れる 。 このよう にして、 蛍光検出ュ一ッ 卜 1 2 の C C Dで取 得した光吸収 (または光反射) デー夕を演算ユニッ ト 1 5 に 送出して、 ポンプの流速制御部にフィ一 ドバックさせる。
第十実施形態
本実施形態では、 D Ν Αチップにおける測定タイミ ングに 合わせて基体上の流動速度を増減させる。 測定時には流動状 態をなるべく 静的な条件にするととちに、 非測定時には流動 状態をなるベく 動的な条件にする。
本実施形態は、 図 1 と同様の装置で実施することができる。 まず 、 反応室 3 d の反応部 4 d を蛍光検出ュニッ 卜 1 2 の対 物レンズ 1 3 の焦点位置に移動させる 。 次に、 ステージ 1 を
X軸方向の図示左端まで移動することによって反応部 4 d の 上方に移動させる。 次に上述したよ 0 に、 X移動板 1 c の移 動に伴いラック 1 0 も移動し、 ピニ才ン 9 が回転し、 切替バ ルブ 6 の操作軸 6 a も回転し、 反応室 3 c とポンプ 8 の流路 が切替バルブ 6 を介して接続される ο この状態で、 演算ュニ ッ 卜 Ί 5 によ りポンプ制御ュニッ 卜 1 4 を介してポンプ 8 を コ ン 卜ロールすることによ り 、 反応室 3 c 中の溶液を流動さ せることが可能となる。 ここで、 ポンプ 8 による駆動を断続 的に実施しながら蛍光検出ュニッ 卜 1 2 による D N Aチップ 上の反応を連続的に測定する。 この連続的な測定において、 ポンプ 8 による溶液駆動を実質的に静止させるか波を生じな いような一定の低速条件 (例えぱ 5 At 1 /秒) を間欠的に適
用 し この低速に いて得られる蛍光デー夕を実測値と して 採用する 。 このよう に ― 定タイ ミ ングに合わせて基体上の 流動 を増減させることによって、 D N Aチップ上の反応 を促進しながら リ ァル夕ィム測定できるので検査時間を短縮 することが可能となる なお、 この実施例において、 一定の 低速条件とは、 液面の乱れを抑制する流速に減速すること、 あるいは均等な対流状態で測定を行なうよう に液面に応じて 加減速することを意味する。 蛍光検出ュニッ 卜 1 2 は、 励起 用 ビームの光吸収または光反射に関する検出データを用いて、 液体の動的および静的状況をモニタ リ ングするために利用す ることも可能である。
表 1 はサンプルまたは試薬の各特性に対する好適なピス ト ン駆動速度との関係である。
液体の特性とピストン駆動速度の関係
ピストン駆動速度
第五実施形態
问 ^ p性 加速(到達値 50 IZ秒)
低粘性 減速(到達値 20 jW IZ秒)
第六実施形態
高 Tm値 加速(到達値 40 1/秒)
低 Tm値 減速(到達値 秒)
第七実施形態
PCR試薬 (1 )高温時は加速(到達値 40 lZ秒)
(2)低温時は減速(到達値 10 IZ秒) 定温試薬 一定速度(平均値 20 i l/秒) 第八実施形態
高感度試薬 加速(到達値 40 U I 秒)
低感度試薬 減速(到達値 10 U IZ秒)
第九実施形態
高水位 加速(到達値 40 β I 秒)
低水位 減速(到達値 10 μ Iノ秒)
第十実施形態
測定実施中 減速(到達値 10 μ I 秒)
測定非実施中 加速(到達値 40 U Iノ秒)
以上の流体移送の制御においては、 以下のよう にシリ ンン ポンプを駆動することがでさる 図 1 4 は 、 シリ ンジポンプ
8 の一般的な駆動パターンに cfcる 2種類の 動条件を示して いる。 図 1 4 において、 X軸は経過時間を示し 、 Y軸はシリ ンジポンプ 8 のビス 卜ンの位置を示している 右下がリの区 間は 「弓 1く j 動作に対応し 、 右上がりの区間は 「押す」 動作 に対応している 。 傾きの大ささは 、 ビス 卜ンの移動速度を表
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3 0 しており 、 従つて検体液の流動速度に対応している 。 図 1 4 において 実線は相対的に高速の駆動パ夕一ンを示し、 点線 は相対的に低速 (実線の 2分の 〗 の速度) の駆動パターンを 示している o 図から分かるよう に 1 回のポンプ往復に要する 時間は流動 件によって違うので、 高速駆動するほど所定回 数の駆動に する時間は短縮される。
1 4 から分かるよう に、 一般に、 シリ ンジボンプ 8 のピ ス 卜ンは、 一定の速度で連続的に押され、 一定時間のあいだ 停止された後、 押す動作時と同じ速度で連続的に引かれる。 この一連の動作が、 一定時間の間隔を置いて、 繰り返し行な われ Ό。
なお、 ンリ ノ ンホンプ 8の駆動パ夕一ンは、 上述した例に 限定される のではな < 、 本発明の要日を逸脱しない範囲に おいて様々な変形や変更が施されてもよい。 例えば、 他の駆 動パターンと しては 、 ン リ ンンポンプ 8 のビス 卜ンを、 「引 く J 動作時に 、 一定の速度で 1 秒間引かれ、 1 秒間停止され この一連の動作が 4 回繰リ返される。 その後、 「押す」 動作 時に 、 一定の速度で 1 秒間押され 1 秒間停止され、 この一連 の動作が 4 回繰り返される o この一連の間欠的な動作全体が
1 サィクルを成し、 そのサイクルが、 繰り返し、 必要な回数 だけ行なわれる o 流動速度が連続的な一定の流体においては 流路の壁面近 < の流体が攪拌されないという、 層流と呼ばれ る現象が起こる 0 上記の間欠的な駆動パターンに従つた駆動
I おいては、 Γ引く J 動作時と 「押す」 動作時において、 ピ ス 卜ンが間欠的に移動されるため、 層流の発生が効果的に抑
制される。 層流の発生を抑制する駆動パ夕一ンは、 「引く」 動作時—と 「押す」 動作時に、 ピス トンを間欠的に一定速度で 移動させる駆動パターンに限定されない。 例えば、 「引く J 動作時と 「押す」 動作時に、 溶液を脈動的に //it動させるよう にビス 卜ンを移動させる駆動パターン 、 つま 、 一定速度を 基準にして正弦波形的に変化する速度でピス 卜ンを移動させ る駆動パターンであってもよい。 あるいは 、 Γ引 く」 動作時 と 「押す」 動作時に、 不規則に変化する is度でビス 卜ンを移 動させる駆動パターンであってもよい o
また、 上記の実施形態では流体の特性に応じて 2種類の流 速条件を選択的に設定したが、 3 種類以上の条件を設けても よい。 例えば、 サンプルまたは試薬ごとに不特定多数のバラ ツキが有る特性 (粘性、 容積等) については 中間的な流速 に相当する標準条件を設定して、 標準レベル内の特性につい ては標準条件でもって流体移送するよう にしてもよい。
これまで、 図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べ たが、 本発明は、 これらの実施の形態に限定されるものでは なく 、 その要旨を逸脱しない範囲において様 な変形や変更 が施されてもよい。 言い換えれば、 本発明は 発明の要旨と 請求の範囲が及ぼす技術範囲において種々の 更ゃ均等物を 含む。
上述した実施形態では、 機能性基体と して D N Aチップを 用いた遺伝子反応の検査を例にあげて説明したが、 本発明は、 遺伝子以外の生体関連物質の検査のための 能性基体から成 る他の検査チップを用いた他の生体関連物質の検査、 例えば
免疫反応や生化学反応や電気化学反応等の検査に適用されて もよい。 さ らに、 機能性 は、 種々の形態のものを適用す ることが可台 B匕 例 、 シリ コ ンウェハやガラスのよ うな二次元基体、 種々の ズゃ微粒子、 種々の多孔質基体 種々のゲル 種々のキャ リ ー型ア レイ (特開平 1 1 — 7
5 8 1 2 号公報や特開 2 1 一 1 5 3 8 6 0号公報参照) 種々のカラ厶を単独また 宜組み合わせて適用することが 可能であ り 、 機能性を有する基体と機能性を有さない基板と の組み合わせでもあ り得る。 特にキヤ ピラ リ ー型ア レイを基 体と して利用する場合には、 微細流路の内壁に機能性を有す る試薬を必要数量だけ固相化してちよいし、 機能性を有する 試薬を必要個数だけ固相化したビ一ズまたは微粒子を流路内 にポジシ ョニングするよう にしてちよい 。 微細流路における 流体の流動条件は、 上述した D N Aチップと同様のコ ンセプ 卜で適宜最適化を行なうのが好ま しい o また、 複数の検査結 果に対応する複数の基体を統合的に処理する場合には 、 複数 の基体を同じ領域に並べたり 、 共用のポジシ ヨ ンに対して順 香に位置付けた リするよう に搬送するしとができる。 また、 複数の機能性を有する ½体によ 検査を 、 設定すべき '/Μ動条 件ごとに各基体をソ一ティ ングして処理する制御システ厶で 実行させてもよい。 また、 非浸透性の一次元 ¾体 ¾用いる ½ 口に 1よ、 基体全体を囲む扁平な中ェ セルに成形する < とが できる。 扁平な中空型セルにおいては 、 部分的に異なる幅の 分岐通路を設けるとともに、 流体の流 方向または流動 is度 または両者を電気化学的または機械的 制御する機構を適宜
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3 3 付加する « とによって、 分岐通路ごとに 動条件を変更する ことが可能となる。 また、 種々のビーズ 、 種々の多孔質基体、 種々のゲルは、 多く の表面積を持つので 溶液を流動させな がら各種ェ程を行なう と効率が向上するが 本発明を適用す るとさ らに効率を向上することが可能となるので好ましい。 種々のビ一ズゃ微粒子を流体中に一緒に mi動させる場合には、 常に粒子沈降が生じない程度の流速に設定されているのが好 ましい o 機能性基体と して、 赤血球のよラな粒子状の細胞ま たはシ ―卜状の細胞膜を用いてもよい。 ビ ―ズや微粒子が磁 性体を含有していれば、 磁気発生手段による磁力でもって、 液体または気体の流動条件に依存せずに 、 磁気的に移動を加 速または減速させたり選択的に静止させた することが可能 となる 0 これによ り 、 本発明は、 磁性体含有の成分を有する 流体の mi動条件を磁気的に制御する方法および装置も包含す る。 磁力の制御は、 電磁石の電力を変化させるか、 永久磁石 との距離を増減することで自動化できる o また、 キヤ ビラ リ ー型ァレィは、 キヤ ピラ リー内壁表面またはキヤ ピラ リ ー内 に導入した複数個の微粒子表面に固相化した試薬に対して流 体と してのサンプルや試薬をポンプ等の圧力供給装置に接続 することによ り流体の往復移送を可能とする 自動化デバイス となり得るので好ま しい。 流体の往復移送中に複数回の測定 を行なうよう にすれば、 流体中の全部分から効率良く反応結 果を得ることができるという利点もある o
また 上述した実施形態では、 蛍光を発する試薬を用いた 蛍光検出を例に説明したが、 蛍光以外の測定可能な信号を発
生する試薬を用いた他の検出ュニッ 卜であ てもよい。 また 検出ュニッ トの検出は、 撮像用の c C Dを用いた広視野領域 に限らず、 例えば共焦点レ一ザー顕微鏡のような狭小領域に 関する測定であってもよい。 狭小領域をスキャニングすれば 複数の測定ポイ ン 卜を効率良く 測定できる o
また 、 上述した実施形態では、 シリ ンンピス 卜ンポンプを 中心に説明したが、 本発明はこれに限定されるものではなく 種々のポンプが適用可能である。 好ま しいポンプの形式は容 積型ポンプでめ "O 0 容積型ポンプと しては 例えば、 往復ポ ンプゃ隔膜ポンプゃ回転ボンプがぁげられる o 往復ポンプと しては 、 例えば、 ピス 卜ンポンプゃブランンャ一ポンプがあ る。 回転ボンプと しては、 例えば、 m卓ポンプゃ仕切リ板ポ ンプゃスク リ ユ ーポンプゃ口一ブポンプがある 。 これらのポ ンプは、 空間容積を周期的に変化させて液体の吸い込みと吐 出を行なうため 、 圧力変化を容易に制御可能であ y 種々の 工程に最迴な溶液の :ぉ
/ ll動を行なう ことが可能であるので好ま しい o 液体を往復で固相化基体に接触させる場合には 、 特に 往復ポンプが好ま しい 。 例えぱ、 ビス 卜ンポンプやプランジ ャ一ポンプでは 、 ピス 卜ンゃブランジヤーの往復距離と移動 度によ り 、 溶液の駆動量および駆動速度を制御可能である ので 、 精密な溶液の i動を容易に行なう ことが可能でめ o 。
例えば、 往復型ポンプであるシリ ンジピス 卜ンポンプの場 シリ ンジピス 卜ンの移動が停止状態に近づいてい < と、 圧力差が小さ く なリ 溶液の移動速度が遅く なる o 溶液の粘 度が向かった り流路に抵抗があつた リ する場合など 溶液の
移動とシリ ンジビス 卜ンの移動に時間差が発生してしまう場
1=1は 、 この効果が顕著に現れ、 例えば 、 往復型ポンプの体積 の変化量を溶液の体積里 [<- 1¾ U 1<- 9 ると、 溶液の移動が不十 分になる。 そこで、 往復型ポンプの体積の変化量を溶液の体 積里よ り も多く すると 、 溶液の移動とポンプの動作状態に時 間差が発生しても、 溶液の移動が十分に起こ リ、 機能性基体 と溶液の接触が十分に起こる。 例えば 、 図 1 5 に示すよう に シリ ンジビス 卜ンポンプの初期化位置 P (例えば上死点) か ら下げた位置 Aで溶液を D N Aチップに添加する。 次に、 シ リ ンジピス トンを溶液の添加量に相当する体積分に相当する 位置 B まで降下させて溶液を吸引する 。 さ らに、 オフセッ 卜 体積 (吸引) 分に相当する位置 Cまで降下させ、 必要であれ ば一定時間 T 1 のあいだ保持した後、 位置 Dと位置 Eを経由 してシリ ンジビス 卜ンポンプの初期化位置に相当する位置 F
(または溶液を添加した位置よ り高い位置) までシリ ンジピ ス 卜ンを上昇させる。 位置 E と位置 Fの間の体積がオフセッ 卜体積 (排出) に相当する。 e t に、 必要ならば一定時間 τ
2 のあいだ保持した後 、 一連の動作を繰り返す。 図 1 5 で、 ピス トン位置の下向きの動きは溶液の吸引を示し、 上向きの 動さは溶液の排出を示している。
本発明を統括すると 次のよう に発明を捉えることができ る ο 本発明は、 別々のェ程に対応する異種の流体が、 工程ご とに異なる流動条件で |。]じ機能性基体に接触する。 ここで同 じ種類の流体が同時期または別時期に複数の機能性基体と接 触してもよい。 各工程において基体と接触する流体は異なる
目的を有するので、 目的を達成するに適した流動条件を工程 ごとに設定 tることによって生体関連物質に関する検査の質 を取高のものにすることができる。 特に、 実施形 ¾Eで述べた よう に、 生体関連物質と機能性基体との反応工程と測定前の 洗浄工程とをそれぞれ最適な流動条件で組み合わせるのが有 効でめ ^ ) また 、 測定前の洗浄工程の代わリ に、 測定工程と 反応工程とを取適な流動条件で組み合わせるものち同様に有 効でめ o 流動条件を詳細に説明するには、 基体の形状ごと に異なる流体の方向や流量を考慮 しなければならない。 つま
U 、 基体が多孔質フィルターの場合には、 フィ ル夕 を通過 するよう に 方向または双方向に流動させる。 実施形態のよ に試薬と しての複数種類のプローブを同一面上に配置でき るフ口 一スル 型の三次元構造を有する D N Aチップを基体 とする場合には 、 図示されるよう に D N Aチップの面を水平 にして流体と しての液面を上昇 (ポンプは陽圧) させたり下 降 (ポンプは陰圧) させたり する。 基体が溝または管状の微 細流路である場合には 流路に沿って一方向または双方向に 流体を流動させる。 流路の異なる位置に同種または異種の複 数の試薬を不動状態で配置することによ り 多数の反応を同時 に実行でさる 。 基体がビ ズまたは微粒子である場合には、 流動方向は任意であり 例えば円形や螺旋形や線状の流路内 の一方向または双方向であつてよい。 複数のビーズまたは微 粒子にそれぞれ異なる 5式薬を固相化することができ、 必要に
/心し c 敕列させたり 流体の流動に依存せずに停止または 移動させた y することによ り 多様な流動条件を設定できる。
いずれの形状の基体であつても、 上述したよ に一定の連続 的なポンプ圧による層流を M用するょ リ は、 間欠的または断 続的なポンプ圧の付与による脈流を適用する方が 、 流体中の 生体関連物質をよ り 多く基体と接触させることがでさるとい う顕著な作用を有する。 一定の流動条件を維持した検査は、 反応 · 洗浄 · 測定のどのよ うな組み合わせについても検査の 質が低下する。
本発明は、 機能性を有する基体のすべてに m用可能である が、 生体液中 に定常的に均一に存在する液状生体関連物質
(例えば電解質成分や酵素成分 ) にとつてよ り はむしろ、 機 能性基体における高比率で安定的な接触を要求する 、 非定常 的または不均一に存在する不溶性生体関連物質 (例えば核酸 や細胞や腫瘍マーカー蛋白 ) にとって重要である o 特 I -〜 δ 薬と しての不溶性の生体関連物質を固相化した基体は 、 生体 関連物質からなる極微細な突状構造を具備するので 、 その突 起群を動的に誘導するよう cC wit動条件の制御は基体表面全域 との良好な接触に寄与する。 突起群を形成する基体の底面付 近は 、 流体と接触が困難な場所で 、 流体と接触の比率または 確率が低い場所である。 この意味において、 上述した流体の 駆動パターンのうち、 流体の駆動中に任意の夕イ ミ ングで流 動を停止させる条件を付与することは、 突起群と流体との浸 透を顕著に向上させる点で好ま しい 。 突起群と流体との不十 分な接触は、 反応または洗浄またはその m方に不満足な結果 をもたらすだけでなく 、 場合によつては気泡または前工程の 流体の液残り を許してしま う。 測定工程においても、 気泡ま
たは液残り による測定ノイズを除去するために流動条件を制 御するのが好ま しい。 反応工程の前段階と して、 サンプルま たは試薬またはその両方と しての生体関連物質を基体の所定 領域に不動化 (i m mo bi l izatio n ) する不動化工程を含む場合 には、 不動化を達成するに十分な流動の停止期間を設けるこ とが好ましい。 不動化工程は、 浮遊した生体関連物質を電気 化学的または有機化学的に直接的に基体に固相化する永久的 不動化処理に限らず、 あらかじめ生体関連物質を固相化した ビーズまたは微粒子を電気的または磁気的に基体のァ ド レス 化された位置に動かなく する可逆的不動化処理を含んでいる。 本発明は、 任意の異なる流体と接触する機能性基体の機能性 を高比率かつ高確率で最大限に発揮させる方法および装置を 提供する。 また、 機能性基体が複数の異なる機能化成分 (例 えば試薬) を有する多項目測定においても、 個々の機能を必 要なタイ ミ ングで確実に発揮させるのに有効である。