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JPWO2017018499A1 - 成人t細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤 - Google Patents

成人t細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤 Download PDF

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JPWO2017018499A1
JPWO2017018499A1 JP2016549413A JP2016549413A JPWO2017018499A1 JP WO2017018499 A1 JPWO2017018499 A1 JP WO2017018499A1 JP 2016549413 A JP2016549413 A JP 2016549413A JP 2016549413 A JP2016549413 A JP 2016549413A JP WO2017018499 A1 JPWO2017018499 A1 JP WO2017018499A1
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Abstract

本発明は、特定の化学構造を有する化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含む、成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤を提供する。7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤。

Description

関連出願の参照
本願は、特願2015−151170号(出願日:2015年7月30日)に基づく優先権の利益を享受する出願であり、この内容は引用することによりその全体が本明細書に組込まれるものである。
本発明は、特定の化学構造を有する化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含む、成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤に関する。
成人T細胞白血病リンパ腫(Adult T cell leukemia/lymphoma, ATL)は、50〜60年という長い潜伏期間にHTLV−1感染末梢血T細胞に複数の遺伝子異常が蓄積しがん化が引き起こされる。現在世界には2000万人以上のヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(Human T−cell Leukemia Virus Type I, HTLV−1)感染者(キャリア)がいると考えられ、我が国では、108万人以上の感染者が存在し毎年約1200人のATLが発症していると考えられている(非特許文献1)。コホート研究の結果からは、末梢血におけるHTLV−1感染細胞の割合(Provirus load, PVL)が4%以上のキャリアからのみATLが発症している事が明らかになっている(非特許文献2)。この発症高危険群はキャリア全体の25%を占め、感染細胞数の削減がATL発症リスクの低減に繋がることが期待されている。しかしながら、HTLV−1による細胞の不死化や腫瘍化、治療抵抗性などの分子メカニズムは不明な点が多く、ATLに対する有効な治療法や感染細胞を選択的に除去する方法は未だに存在しない。ATLに対する分子標的薬である抗CCR4抗体の登場により治療成績が向上したが、未だに予後は悪性リンパ腫の中で最低であり(非特許文献3)、急性型ATLに対する化学療法の治療成績は全生存期間中央値が12.7ヶ月(非特許文献4)、再発例に対するCCR4抗体の治療成績は13.7ヶ月である(非特許文献5)。従って、分子レベルの病態解明を基盤にして、ウイルス感染の予防と白血病発症の予防、新規治療法開発が急務である。
多数のATL臨床検体を用いた遺伝子発現の大規模解析の結果から、ATL細胞は非常に均一で異常な遺伝子発現パターンをもつ集団であることが明らかにされた(非特許文献6)。さらに、ATL細胞には特徴的なシグナル伝達系の異常があり腫瘍細胞の生存や増殖の基軸となっているが、その背景にはエピジェネティックな異常の蓄積があることが明らかとなってきた(非特許文献7)。
ポリコームファミリーは、ヒストン修飾を介したクロマチン制御を通じて遺伝子発現を負に制御する。Enhancer of zeste homologue 1/2 (EZH1/2)はヒストンH3K27をトリメチル化するPolycomb repressive complex 2 (PRC2)の活性中心である。EZH1とEZH2は互いに機能を補償しあい、細胞内のエピゲノムを維持している。EZH2の阻害は細胞全体のH3K27のメチル化レベルの減少につながるが、EZH1による補償効果によりその効果は限定的となる。EZH1とEZH2を同時に阻害することでメチル化をより効果的に消失させることができる(非特許文献8)。PRC2構成因子の異常はがんや幹細胞機能の異常につながることが示されており、特にEZH2の遺伝子異常や発現亢進から誘導されるメチル化H3K27me3の蓄積は多くのがんで同定されており、EZH2を中心に新たながんの分子標的として精力的に研究が進められている(非特許文献9、10)。
ATLにおけるポリコームファミリーの異常は,網羅的遺伝子発現解析によって明らかにされた(非特許文献6,11)。その中でもEZH2の過剰発現が顕著であり,細胞全体のH3K27のメチル化レベルの亢進も検出されている。またEZH2依存的なmiR−31の抑制が結果的にNF−κB inducing kinase (NIK)の発現を引き起こしNF−κB経路を恒常的に活性化することが明らかになっており、EZH2がATLの分子標的として有効であると考えられる。
Yamaguchi K, Watanabe T., Int J Hematol 2002; 76 Suppl 2: 240. Iwanaga, M et al., Blood 2010;116(8):1211−9. Vose, Armitage, J et al., J Clin Oncol 2008;26(25):4124−30. Utsunomiya, A et. al., J Clin Oncol 2007;25(34):5458−64. Ishida, Joh, et. al., J Clin Oncol 2012;30(8):837−42. Yamagishi M et al., Cancer Cell 2012; 21: 121. Yamagishi M, Watanabe T., Front Microbiol 2012; 3: 334. Shen, X et al., Mol Cell 2008;32(4):491−502. Sparmann A, van Lohuizen M., Nat Rev Cancer 2006; 6: 846. Lund, Adams, Copland., Leukemia 2014;28(1):44−9. Sasaki D, et al., Haematologica 2011; 96: 712.
本発明は、特定の化学構造を有する化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含む、成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤を提供する。
本発明者らは、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩が、成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び予防に著効を示すことを明らかにした。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明によれば、以下〔1〕〜〔34〕に記載の発明が提供される。
〔1〕:7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤。
〔2〕:(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤。
〔3〕:(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
〔4〕:(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
〔5〕:(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
〔6〕:(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
〔7〕:(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
〔8〕:(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
〔9〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔10〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔11〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔12〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔13〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔14〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔15〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩の使用。
〔16〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
〔17〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩の使用。
〔18〕:成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
〔19〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩の使用。
〔20〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
〔21〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩の使用。
〔22〕:ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
〔23〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物であって、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を含む組成物。
〔24〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物であって、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を含む組成物。
〔25〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物であって、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を含む組成物。
〔26〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物であって、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を含む組成物。
〔27〕:その必要のある対象において、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させる、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させる、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させる方法であって、該対象に7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔28〕:その必要のある対象において、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させる、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させる、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させる方法であって、該対象に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔29〕:その必要のある対象において、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させる、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させる、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させる方法であって、該対象に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を投与することを含む、方法。
〔30〕:その必要のある対象において、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させる、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させる、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させる方法であって、該対象に(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
〔31〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物の製造における、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩の使用。
〔32〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
〔33〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩の使用。
〔34〕:成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
本発明の化合物又はその薬理上許容される塩は、ATLの予防及び/又は治療において有用である。
図1は、実施例1の化合物で処理したATL患者腫瘍細胞由来細胞株TL−Om1の増殖を経時的に(図1A)及び用量依存的に(図1B)示す。DMSO処理群の細胞増殖を100%として示す。 図2は、実施例3の化合物で処理したATL患者腫瘍細胞由来細胞株TL−Om1の増殖を経時的に(図2A)及び用量依存的に(図2B)示す。DMSO処理群の細胞増殖を100%として示す。 図3は、ATL患者から単離した末梢血単核球(26例)の増殖に対する本発明の化合物の効果を示す。 図4は、HTLV−1キャリア検体から単離した末梢血単核球における感染細胞の割合(PVL)に対する本発明の化合物の効果を示す。
発明の具体的な説明
本明細書では、「成人T細胞白血病リンパ腫」(以下、単に「ATL」ということがある)とは、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1)の感染が原因となって惹起される白血病/リンパ腫である。ATLは、「成人T細胞白血病」又は「成人T細胞リンパ腫」とも呼ばれることがある。
本明細書では、「HTLV−1キャリア」とは、HTLV−1ウイルスに感染した対象(温血動物、特にヒト)を意味する。対象がHTLV−1に対する抗体を有している場合には、その対象はHTLV−1キャリアと見なすことができる。
本明細書では、「予防する」及びその派生語は、ATL発症前のHTLV−1キャリアにおいてATLの発症率を低減することを意味する。好ましくは、HTLV−1キャリア群において、該キャリア群中の60%以上の対象のATL発症を防ぐことであり、より好ましくは該キャリア群中の80%以上の対象のATL発症を防ぐことである。
本明細書では、「治療する」及びその派生語は、ATLを発症した患者において、ATLの臨床症状の寛解、緩和及び/又は悪化の遅延を意味する。
ATLの診断は、対象の臨床症状から医師により判断することができる。また、ATLは、HTLV−1がプロウイルスとしてゲノムに組込まれたT細胞がモノクローナルに増殖して生じる疾病であり、ATLの診断は、対象から得られたサンプル中のATL細胞のDNAにHTLV−1プロウイルスがモノクローナルに組込まれていることをサザンブロット法などにより検出することにより診断することができる。
対象がHTLV−1キャリアであることを診断するための検査法としては、粒子凝集法(PA法)、化学発光法、ウイルス感染細胞を抗原とする間接蛍光抗体法、及びウェスタンブロットによる方法などが知られており、適宜用いることができる。ウェスタンブロット法では、対象から得られたサンプルにおいて、ウイルスのエンベロープタンパク質(gp46)に対する抗体が陽性であり、かつ、3種類のコアタンパク質(p19、p24及びp53)に対する抗体のうち1以上が陽性である場合に、当該対象はHTLV−1キャリアであると診断することができる。あるいは、補助的にHTLV−1のプロウイルスゲノムを増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により対象がキャリアであるか否かを診断してもよい。
本発明によれば、以下の化合物又は医薬上許容可能なその塩をATLの予防及び/又は治療のために用いることができる。
(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
Figure 2017018499
又は、医薬上許容可能なその塩。
(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
Figure 2017018499
又は、医薬上許容可能なその塩。
本発明の化合物は、所望により医薬上許容可能な塩とすることができる。医薬上許容可能な塩とは、著しい毒性を有さず、医薬として使用され得る塩をいう。本発明の化合物は、塩基性の基を有するため、酸と反応させることにより塩にすることができる。
塩基性の基に基づく塩としては、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のようなC−Cアルキルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、アジピン酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩が挙げられる。
本発明の化合物の医薬上許容可能なその塩は、大気中に放置したり、再析出させることにより、水分子を取り込んで、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の塩に包含される。
本発明の化合物の医薬上許容可能なその塩は、溶媒中に放置されたり、再析出させることにより、ある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があり、そのような溶媒和物も本発明の塩に包含される。
また、本発明は、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明の医薬組成物の有効成分である実施例1の化合物又は実施例2の化合物に変換される化合物、すなわち、酵素的に酸化、還元、又は加水分解等を起こして実施例1の化合物又は実施例2の化合物に変換される化合物又は胃酸等により加水分解等を起こして実施例1の化合物又は実施例2の化合物に変換される「医薬的に許容されるプロドラッグ化合物」も本発明に包含する。
本発明の化合物又は薬学上許容可能なその塩は、公知の方法、例えば、抽出、沈殿、蒸留、クロマトグラフィー、析出による分別、再析出等により単離、精製することができる。
本発明の化合物は、このような化合物を構成する原子の1以上に、非天然割合の原子同位体も含有し得る。原子同位体としては、例えば、重水素(H)、トリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素−14(14C)などが挙げられる。また、前記化合物は、例えば、トリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射性標識され得る。放射性標識された化合物は、治療又は予防剤、研究試薬、例えば、アッセイ試薬、及び診断剤、例えば、インビボ画像診断剤として有用である。本発明の化合物の全ての同位体変異種は、放射性であると否とを問わず、本発明の範囲に包含されるものとする。
本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩は、他の抗腫瘍剤と併用して用いてもよい。抗腫瘍剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍性植物成分、BRM(生物学的応答性制御物質)、ホルモン、ビタミン、抗腫瘍性抗体、分子標的薬、及びその他の抗腫瘍剤等が挙げられる。
より具体的に、アルキル化剤としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、ナイトロジェンマスタードN−オキシドもしくはクロラムブチル等のアルキル化剤、カルボコンもしくはチオテパ等のアジリジン系アルキル化剤、ディブロモマンニトールもしくはディブロモダルシトール等のエポキシド系アルキル化剤、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ニムスチンハイドロクロライド、ストレプトゾシン、クロロゾトシンもしくはラニムスチン等のニトロソウレア系アルキル化剤、ブスルファン、トシル酸インプロスルファン又はダカルバジン等が挙げられる。
各種代謝拮抗剤としては、例えば、6−メルカプトプリン、6−チオグアニンもしくはチオイノシン等のプリン代謝拮抗剤、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフール、ドキシフルリジン、ブロクスウリジン、シタラビンもしくはエノシタビン等のピリミジン代謝拮抗剤、メトトレキサートもしくはトリメトレキサート等の葉酸代謝拮抗剤等が挙げられる。
抗腫瘍性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ペプロマイシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、THP−アドリアマイシン、4’−エピドキソルビシンもしくはエピルビシン等のアントラサイクリン系抗生物質抗腫瘍剤、クロモマイシンA3又はアクチノマイシンD等が挙げられる。
抗腫瘍性植物成分としては、例えば、ビンデシン、ビンクリスチンもしくはビンブラスチン等のビンカアルカロイド類、パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン類、又はエトポシドもしくはテニポシド等のエピポドフィロトキシン類が挙げられる。
BRMとしては、例えば、腫瘍壊死因子、又はインドメタシン等が挙げられる。
ホルモンとしては、例えば、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プラステロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、オキシメトロン、ナンドロロン、メテノロン、ホスフェストロール、エチニルエストラジオール、クロルマジノン又はメドロキシプロゲステロン等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンC、又はビタミンA等が挙げられる。
抗腫瘍性抗体、分子標的薬としては、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、デノスマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、メシル酸イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、ラパチニブ、又はソラフェニブ等が挙げられる。
その他の抗腫瘍剤としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、タモキシフェン、カンプトテシン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、L−アスパラギナーゼ、アセクラトン、シゾフィラン、ピシバニール、プロカルバジン、ピポブロマン、ネオカルチノスタチン、ヒドロキシウレア、ウベニメクス、又はクレスチン等が挙げられる。
本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩は、種々の形態で投与することができる。その投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、乳剤、丸剤、散剤、シロップ剤(液剤)等による経口投与、又は注射剤(静脈内、筋肉内、皮下又は腹腔内投与)、点滴剤、坐剤(直腸投与)等による非経口投与が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医薬の製剤技術分野において通常使用し得る補助剤を用いて製剤化することができる。
錠剤として使用する場合、担体として、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等を使用することができる。また、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
丸剤として使用する場合、担体として、例えば、グルコース、乳糖、カカオバター、デンプン、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン、寒天等の崩壊剤等を使用することができる。
坐剤として使用する場合、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセリド等が挙げられる。
注射剤として使用する場合、液剤、乳剤又は懸濁剤として使用することができる。これらの液剤、乳剤又は懸濁剤は、滅菌され、血液と等張であることが好ましい。これら液剤、乳剤又は懸濁剤の製造に用いる溶媒は、医療用の希釈剤として使用できるものであれば特に限定はなく、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するのに充分な量の食塩、グルコース又はグリセリンを製剤中に含んでいてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を含んでいてもよい。
また、上記の製剤には、必要に応じて、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等を含めることもでき、更に、他の医薬品を含めることもできる。
上記製剤に含まれる有効成分としての化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常、全組成物中0.5乃至70重量%、好ましくは1乃至30重量%含む。
その使用量は患者(温血動物、特に人間)の症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1日あたり、上限として2000mg(好ましくは100mg)であり、下限として0.1mg(好ましくは1mg、さらに好ましくは10mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
本発明によれば、ATLを罹患した患者においてATLを治療する方法であって、前記患者に本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法が提供される。本発明によればまた、HTLV−1キャリアである対象においてATLの発症を予防する方法であって、前記対象に本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法が提供される。
本発明によれば、ATLを罹患した患者においてATLを治療することに用いるための医薬組成物であって、本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩を含む、医薬組成物が提供される。本発明によればまた、HTLV−1キャリアである対象においてATLの発症を予防することに用いるための医薬組成物であって、本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩を含む、医薬組成物が提供される。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩に加えて、医薬上許容可能な賦形剤を含んでいてもよい。
本発明によれば、ATLを罹患した患者においてATLを治療することに用いるための本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩が提供される。本発明によればまた、HTLV−1キャリアである対象においてATLの発症を予防することに用いるための本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩が提供される。本発明によれば、ATLを罹患した患者においてATLを治療することに用いるための医薬組成物の製造における、本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩の使用が提供される。本発明によればまた、HTLV−1キャリアである対象においてATLの発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、本発明の化合物又は医薬上許容可能なその塩の使用が提供される。
後述する試験例1〜3によれば、本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩は、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることができる。従って、本発明によれば、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための組成物又は医薬組成物であって、本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含む組成物が提供される。本発明によれば、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させること、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させること、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させることに用いるための組成物又は医薬組成物の製造における、本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩の使用が提供される。本発明によれば、その必要のある対象において、成人T細胞白血病リンパ腫の増殖を低下させる、成人T細胞白血病リンパ腫の生存率を低下させる、及び/又は成人T細胞白血病リンパ腫を死滅させる方法であって、該対象に本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法が提供される。
参考例1
メチル 5−クロロ−3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート
Figure 2017018499
メチル 3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート(12.1 g, 66.2 mmol)を酢酸エチル(265 mL)に溶解し、N−クロロスクシンイミド(13.3 g, 99.2 mmol)を加え室温にて1時間撹拌した後、p−アニソール(7.15 g, 66.2 mmol)を加え、更に15分撹拌した。反応液を、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンで洗浄し、標記化合物(8.03 g, 37.1 mmol, 56% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 2.34 (3H, s), 3.76 (3H, s), 7.36 (1H, s), 9.11 (1H, br s), 9.96 (1H, br s). MS (ESI) m/z: 215 (M−H)
参考例2
tert−ブチル N−(trans−4−エチニルシクロヘキシル)カルバメート
Figure 2017018499
tert−ブチル N−(trans−4−ホルミルシクロヘキシル)カルバメート(0.856 g, 3.77 mmol)のメタノール溶液(30 mL)に、炭酸カリウム(1.04 g, 7.54 mmol)、1−ジアゾ−1−ジメトキシホスホリル−プロパン−2−オン(0.565 mL, 3.77 mmol)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→85:15)で精製し、標記化合物(0.678 g, 3.04 mmol, 81% Yield)を得た。
1H−NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.04−1.17 (2H, m), 1.42−1.55 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.94−2.05 (4H, m), 2.04 (1H, d, J = 2.5 Hz), 2.16−2.25 (1H, m), 3.34−3.50 (1H, m), 4.29−4.43 (1H, br s).
参考例3
メチル 5−ブロモ−3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート
Figure 2017018499
メチル 3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート(43.1 g, 237 mmol)を酢酸(250 mL)およびジクロロメタン(250 mL)に溶解し、氷冷下、臭素(37.8 g, 237 mmol)のジクロロメタン溶液(20 mL)を15分かけて滴下し、同温度にて4時間撹拌した。更に臭素(3.78 g, 23.7 mmol)を追加し、氷冷にて1.5時間撹拌した後、反応液に氷水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンで洗浄し、標記化合物(50.4 g, 193 mmol, 82% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 2.47 (3H, s), 3.87 (3H, s), 5.61 (1H, br s), 5.83 (1H, br s), 7.67 (1H, s). MS (ESI) m/z: 259, 261 (M−H)
実施例1
(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
Figure 2017018499
(工程1−1)
メチル 2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート
参考例1で合成したメチル 5−クロロ−3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート (1.00 g, 4.62 mmol) および参考例2で合成したtert−ブチル N−(trans−4−エチニルシクロヘキシル)カルバメート(1.55 g, 6.93 mmol)のトルエン溶液(50 mL)に、ドデカカルボニル三ルテニウム(0)(0.0738g, 0.115 mmol)、5−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1’,3’,5’−トリフェニル−1’H−[1,4’]ビピラゾール(0.175g, 0.346 mmol)を加え、窒素雰囲気下120℃にて1時間撹拌した。反応終了後、減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→80:20)で精製し、標記化合物(1.00 g, 2.28 mmol, 49% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 1.02−1.16 (2H, m), 1.24−1.40 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.62 (3H, s), 1.78−1.88 (1H, m), 1.91−2.00 (2H, m), 2.04−2.12 (2H, m), 2.38 (3H, s), 3.33−3.46 (1H, m), 3.85 (3H, s), 4.37 (1H, br s), 7.53 (1H, s).
(工程1−2)
メチル (2R)−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート
工程1−1で合成したメチル 2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレートを以下の条件にて各エナンチオマーを分離した。
カラム:ダイセル CHIRALCEL OZ−H 4.6mmIDx250mmL
溶出溶媒:n−へキサン:エタノール=98:2
流速:1.00 mL/min
温度:25℃
第1ピーク:10.7分 ([α] 20 = −18.3 (C = 0.92、クロロホルム))
第2ピーク:11.7分 ([α] 20 = +18.3 (C = 0.96、クロロホルム))
以下、分取用キラルカラムを用いて分離された第2ピークを用いて実施した。
(工程1−3)
(2R)−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸
工程1−2で分離したメチル (2R)−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート(第2ピーク,0.234 g, 0.532 mmol)にテトラヒドロフラン(3 mL)、メタノール(1.5 mL)を加え、さらに1M水酸化ナトリウム水溶液(1.33 mL, 1.33 mmol)を加えて室温にて16時間撹拌した。反応終了後、1M塩酸(1.33 mL, 1.33 mmol)を加えて中和し、さらにジクロロメタンを加え抽出した。得られた有機層を減圧下にて濃縮し、標記化合物(0.227 g, 0.532 mmol, 100% Yield)を得た。
(工程1−4)
tert−ブチル N−[trans−4−[(2R)−7−クロロ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート
工程1−3で合成した(2R)−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−7−クロロ−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(0.227 g, 0.532 mmol)のジメチルホルムアミド溶液(5 mL)に、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン塩酸塩(0.116 g, 0.586 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.122 g, 0.639 mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.0869g, 0.639 mmol)および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.223 mL, 1.28 mmol)を加えて、窒素雰囲気下室温にて1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、さらに酢酸エチルを用いて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し、標記化合物(0.298 g, 0.532 mmol, 100% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 1.01−1.16 (2H, m), 1.23−1.38 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.59 (3H, s), 1.76−1.84 (1H, m), 1.88−1.95 (2H, m), 2.02−2.11 (2H, m), 2.22 (3H, s), 2.25 (3H, s), 2.37 (3H, s), 3.30−3.46 (1H, m), 4.35−4.41 (1H, m), 4.49 (2H, d, J = 6.1 Hz), 5.96 (1H, s), 6.87 (1H, s), 7.23 (1H, t, J = 6.1 Hz). MS (APCI) m/z: 560 (M+H)
(工程1−5)
(2R)−2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程1−4で合成したtert−ブチル N−[trans−4−[(2R)−7−クロロ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート(0.298 g, 0.532 mmol)をメタノール(1.3 mL)に溶解し、4M塩酸−1,4−ジオキサン溶液(1.33 mL, 5.32 mmol)を加え1時間室温にて撹拌した。反応終了後、飽和重曹水溶液を加え中和し、20%メタノール−クロロホルムを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムにて乾燥したのち、減圧下で濃縮し、標記化合物(0.241 g, 0.524 mmol, 98% Yield)を得た。
MS (APCI) m/z: 460 (M+H)
(工程1−6)
(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程1−5で合成した(2R)−2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド(17.0 g, 36.9 mmol)をメタノール(200 mL)に溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液(6.29 g, 77.5 mmol)を加え、室温にて10分間撹拌した後に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(34.2 g, 129 mmol)を加え室温にて16時間撹拌した。反応終了後、1M水酸化ナトリウム水溶液で中和し、20%メタノール−クロロホルムを用いて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0→96:4)にて精製し、標記化合物(15.3 g, 31.4 mmol, 85% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 1.08−1.21 (4H, m), 1.59 (3H, s), 1.77−1.90 (5H, m), 2.03−2.09 (1H, m), 2.11 (6H, s), 2.13 (6H, s), 2.16 (3H, s), 4.21 (2H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, s), 6.84 (1H, s), 8.13 (1H, t, J = 4.9 Hz), 11.48 (1H, s).
MS (APCI) m/z: 488 (M+H)
比旋光度[α] 20 = +1.0 (C = 1.0、クロロホルム)
実施例2
(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
Figure 2017018499
(工程2−1)
メチル 7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート
参考例3で合成したメチル 5−ブロモ−3,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゾエート (23.5 g, 90.0 mmol) および、参考例2で合成したtert−ブチル N−(trans−4−エチニルシクロヘキシル)カルバメート (22.1 g, 99.0 mmol)、ドデカカルボニル三ルテニウム(0)(1.44 g, 2.25 mmol)および、5−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1’,3’,5’−トリフェニル−1’H−[1,4’]ビピラゾール(3.42 g, 6.75 mmol)を用いて工程1−1と同様の反応を行い、標記化合物(38.9 g, 80.3 mmol, 89% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 1.04−1.15 (2H, m), 1.25−1.38 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.63 (3H, s), 1.79−1.87 (1H, m), 1.91−1.99 (2H, m), 2.04−2.12 (2H, m), 2.38 (3H, s), 3.31−3.46 (1H, m), 3.84 (3H, s), 4.37 (1H, br s), 7.67 (1H, s).
(工程2−2)
(2R)−メチル 7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート
工程2−1で合成したメチル 7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレートを以下の条件にて各エナンチオマーを分離した。
カラム:ダイセル CHIRALCEL OZ−H 4.6mmIDx250mmL
溶出溶媒:n−へキサン:エタノール=98:2
流速:1.00 mL/min
温度:25℃
第1ピーク:11.2分 (比旋光度[α] 20 = −6.5 (C = 1.0,クロロホルム))
第2ピーク:12.3分 (比旋光度[α] 20 = +6.3 (C = 1.0,クロロホルム))
以下、分取用キラルカラムを用いて分離された第2ピークを用いて実施された。
(工程2−3)
(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸
工程2−2で分離した(2R)−メチル 7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート(第2ピーク,0.956 g, 1.97 mmol)、テトラヒドロフラン(6 mL)、メタノール(3 mL)および、1M水酸化ナトリウム水溶液(2.96 mL, 2.96 mmol)を用いて工程1−3と同様の反応を行い、標記化合物(0.903 g, 1.92 mmol, 97% Yield)を得た。
(工程2−4)
tert−ブチル N−[trans−4−[(2R)−7−ブロモ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート
工程2−3で合成した(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(0.903 g, 1.92 mmol)、ジメチルホルムアミド(20 mL)に、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン塩酸塩(0.399 g,2.11 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.442 g,2.30 mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.314 g,2.30 mmol)および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.803 mL, 4.61 mmol)を用いて工程1−4と同様の反応を行い、標記化合物 (0.801 g, 1.32 mmol, 69% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 1.03−1.15 (2H, m), 1.21−1.38 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.59 (3H, s), 1.75−1.84 (1H, m), 1.89−1.97 (2H, m), 2.02−2.10 (2H, m), 2.21 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.37 (3H, s), 3.34−3.45 (1H, m), 4.41−4.45 (1H, m), 4.49 (2H, d, J = 6.0 Hz), 5.95 (1H, s), 7.00 (1H, s), 7.18 (1H, t, J = 6.0 Hz). MS (APCI) m/z: 604, 606 (M+H)
(工程2−5)
(2R)−2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−ブロモ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程2−4で合成したtert−ブチル N−[trans−4−[(2R)−7−ブロモ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート(0.801 g, 1.32 mmol)、メタノール(1.5 mL)、および、4M塩酸−1,4−ジオキサン溶液(1.67 mL,6.62 mmol)を用いて工程1−5と同様な反応を行い、標記化合物(0.668 g, 1.32 mmol,100% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 0.93−1.05 (2H, m), 1.08−1.23 (2H, m), 1.59 (3H, s), 1.73−1.85 (5H, m), 2.10 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.39−2.49 (1H, m), 4.21 (2H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, s), 6.94 (1H, s), 8.14 (1H, t, J = 4.9 Hz).
MS (ESI) m/z: 504, 506 (M+H)
(工程2−6)
(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程2−5で合成した(2R)−2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−ブロモ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド(21.1 g, 41.7 mmol)、メタノール(250 mL)、37%ホルムアルデヒド水溶液(7.12 g, 87.8 mmol)、および、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(38.8 g, 146 mmol)を用いて工程1−6と同様な反応を行い、標記化合物(15.1 g, 28.4 mmol,68% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 1.08−1.20 (4H, m), 1.59 (3H, s), 1.75−1.90 (5H, m), 2.02−2.12 (1H, m), 2.09 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.13 (6H, s), 2.16 (3H, s), 4.21 (2H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, s), 6.93 (1H, s), 8.12 (1H, t, J = 4.9 Hz), 11.47 (1H, s).
MS (APCI) m/z: 532, 534 (M+H)
比旋光度[α] 20 = −7.2 (C = 1.0、クロロホルム)
実施例3
7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
Figure 2017018499
(工程3−1)
7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸
工程2−1で合成したメチル 7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキシレート(23.5 g, 48.5 mmol)、テトラヒドロフラン(120 mL)、メタノール(60 mL)および、1M水酸化ナトリウム水溶液(72.8 mL, 72.8 mmol)を用いて工程1−3と同様の反応を行い、標記化合物(22.8 g, 48.5 mmol, 100% Yield)を得た。
H−NMR (CDCl) δ: 1.04−1.16 (2H, m), 1.25−1.38 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.64 (3H, s), 1.80−1.90 (1H, m), 1.92−2.00 (2H, m), 2.06−2.16 (2H, m), 2.41 (3H, s), 3.35−3.48 (1H, m), 4.40 (1H, br s), 7.80 (1H, s).
MS (ESI) m/z: 468, 470 (M−H)
(工程3−2)
tert−ブチル N−[trans−4−[(7−ブロモ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1H−ピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート
工程3−2で合成した7−ブロモ−2−[trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(22.8 g, 48.5 mmol)、ジメチルホルムアミド(300 mL)、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1,2−ジヒドロピリジン−2−オン塩酸塩(10.1 g, 53.4 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(11.2 g, 58.2 mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(7.92 g, 58.2 mmol)および、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.3 mL, 146 mmol)を用いて工程1−4と同様の反応を行い、標記化合物 (26.8 g, 44.3 mmol, 91% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, CDCl) δ: 1.02−1.15(2H, m), 1.23−1.40 (2H, m), 1.43 (9H, s), 1.59 (3H, s), 1.75−1.84 (1H, m), 1.89−1.97 (2H, m), 2.02−2.10 (2H, m), 2.21 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.37 (3H, s), 3.34−3.45 (1H, m), 4.39 (1H, d, J = 8.4 Hz), 4.49 (2H, d, J = 5.5 Hz), 5.96 (1H, s), 7.00 (1H, s), 7.21 (1H, t, J = 5.5 Hz).
MS (ESI) m/z: 604, 606 (M+H)
(工程3−3)
(2R)−2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−ブロモ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程3−2で合成したtert−ブチル N−[trans−4−[7−ブロモ−5−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチルカルバモイル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]シクロヘキシル]カルバメート(6.04 g, 9.99 mmol)、メタノール(10 mL)、および、4M塩酸−1,4−ジオキサン溶液(12.5 mL, 50.0 mmol)を用いて工程1−5と同様な反応を行い、標記化合物(4.20 g, 8.30 mmol,83% Yield)を得た。
H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 0.93−1.05 (2H, m), 1.08−1.23 (2H, m), 1.59 (3H, s), 1.73−1.85 (5H, m), 2.10 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.39−2.49 (1H, m), 4.21 (2H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, s), 6.94 (1H, s), 8.14 (1H, t, J = 4.9 Hz).
MS (ESI) m/z: 504, 506 (M+H)
(工程3−4)
7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド
工程3−3で合成した2−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−7−ブロモ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド(21.0 g, 41.6 mmol)、ジクロロメタン(500 mL)、37%ホルムアルデヒド水溶液(8.45 g, 104 mmol)、および、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(55.2 g, 208 mmol)を用いて工程1−6と同様な反応を行い、標記化合物(20.0 g, 37.6 mmol,90% Yield)を得た。H−NMR (400MHz, DMSO−d) δ: 1.08−1.23 (4H, m), 1.59 (3H, s), 1.75−1.90 (5H, m), 2.02−2.09 (1H, m), 2.10 (3H, s), 2.11 (3H, s), 2.13 (6H, s), 2.16 (3H, s), 4.21 (2H, d, J = 4.9 Hz), 5.85 (1H, s), 6.94 (1H, s), 8.14 (1H, t, J = 4.9 Hz), 11.48 (1H, s).
MS (APCI) m/z: 532, 534 (M+H)
実施例4
(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩
実施例1で合成した(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド (0.202 g, 0.414 mmol)にアセトン(7.97 mL)、4.00 mol/Lのp−トルエンスルホン酸水溶液(0.103 mL,0.414 mmol)を室温で加えた。その後、40℃で約20時間攪拌し、さらに、室温で約0.5時間攪拌した後、析出した固体をろ取した。その後、室温で一晩乾燥し、標記化合物(0.256 g, 回収率99%)を得た。
H−NMR (DMSO−d) δ: 1.15−1.32 (2H, m), 1.36−1.50 (2H, m), 1.62 (3H, s), 1.88−2.06 (5H, m), 2.11 (3H, s), 2.12 (3H, s), 2.17 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.70 (3H, s), 2.71 (3H, s), 3.10−3.22 (1H, m), 4.22 (2H, d, J = 5.0 Hz), 5.86 (1H, s), 6.87 (1H, s), 7.11 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.48 (2H, d, J = 8.2 Hz), 8.14 (1H, t, J = 5.0 Hz), 9.31 (1H, br s), 11.48 (1H, s).
元素分析 Anal. Calcd for C2634ClN・CS: C, 60.03; H, 6.41; N, 6.36; Cl, 5.37; S, 4.86. Found: C, 58.81; H, 6.48; N, 6.21; Cl, 5.32; S, 4.85.
試験例1
TL−Om1に対する増殖抑制効果
ATL患者腫瘍細胞由来細胞株TL−Om1は地方独立行政法人宮城県立病院機構理事長、菅村和夫博士よりご供与いただいた。TL−Om1細胞を培地(10%牛胎児血清(FBS、Invitrogen社)を含むRPMI1640培地(Invitrogen社))に懸濁し、12ウェルプレートに1×10細胞/1mL/ウェルの密度で播種した。その直後に、DMSOで作成した実施例1又は実施例3の化合物の希釈系列を添加し、37℃、5%CO条件下で培養した。細胞は2〜3日毎に回収し、培養液300μLを新たな培地を1mL含む12ウェルプレートに移すことで継代した。さらに実施例1又は実施例3の化合物の希釈系列を再添加し、継続的に培養を行った。培養開始後3、5、7、10、12、14日の段階で培養液から細胞を回収し、細胞濃度を求めることで実施例1又は実施例3の化合物の細胞増殖に与える影響を検討した。各日数における細胞数はWST−8 (Dojindo社)により求めた。培養後の細胞を96ウェルプレートに100μLずつ播種し、WST−8を終濃度10%で各ウェルに加え、ついでプレートを37℃で2時間インキュベートした。サンプルの450nmの吸光度をプレートリーダー(iMark Microplate Reader, Biorad社)を用いて測定した。細胞数と吸光度の検量線を求め、実際の試験における吸光度から細胞数を算出した。継代毎に細胞数を算出し、DMSO処理群の細胞増殖を100%とした時の各化合物処理群の細胞増殖率を計算した。結果を図1および2に示す。
試験例2
ATL患者由来検体に対する増殖抑制効果
ATL患者由来末梢血は、HTLV−1感染者コホート共同研究班(Joint Study on Predisposing Factors of ATL Development, JSPFAD)に登録されている施設においてWHO分類及び下山分類(Yamaguchi K, Watanabe T. (2002))によってATLと診断された検体を使用した。26例(実施例1の化合物, 19例;実施例3の化合物, 7例)のATL患者の全血からフィコール(GEヘルスケア社)を用いて腫瘍細胞を含む末梢血単核球(Peripheral Blood Mononuclear Cell, PBMC)を遠心分離により取得した。このPBMCを培地(10%患者血漿を含むRPMI1640培地)に懸濁し、48ウェルプレートに3×10細胞/300μL/ウェルの濃度(ATL No.1−5)、2×10細胞/300μL/ウェルの密度(ATL No.6−26)でそれぞれ播種した。さらにIL−2R((CD25)を発現するATL細胞の長期培養を維持するため、終濃度10ng/mLのIL−2(R&D systems社)を添加した。細胞を播種後、DMSOで作成した化合物の希釈系列を添加し、37℃、5%CO条件下で7日間培養した。培養後の細胞を96ウェルプレートに100μLずつ播種し、WST−8を終濃度10%で各ウェルに加え、次いでプレートを37℃で4時間インキュベートした後、溶液中の細胞濃度の指標として450nmの吸光度を測定した。結果を図3に示す。この結果、本発明の化合物は、ATLの処置に用いることができることが明らかとなった。
試験例3
Carrier由来検体に対するPVL減少効果
JSPFADに登録されている施設において抗体検査によってHTLV−1キャリアと診断された9例の全血からフィコールを用いてHTLV−1感染細胞を含むPBMCを遠心分離により取得した。このPBMCを培地(10%FBSを含むRPMI1640培地)に懸濁し、48ウェルプレートに5×10細胞/250μL/ウェルの密度で播種した。その後、DMSOもしくは終濃度100nMの実施例1又は実施例3の化合物を添加し、37℃、5%CO条件下で10〜12日間培養した。培養後の細胞を回収し、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN社)を用いてゲノムDNAを抽出した。培養後の細胞集団における感染細胞の割合を、リアルタイムPCRシステム(7500 Real Time PCR System, Applied Biosystems社)を用いてHTLV−1のコピー数を測定した。内部コントロールとしてRNaseP遺伝子数を同時に測定し、感染細胞の割合(PVL)として算出した。リアルタイムPCRに使用したプライマーとプローブの配列は以下の通り。
Figure 2017018499
RNaseP遺伝子のプライマーとプローブはApplied Biosystems社より購入した。
DMSO処理群のPVLを100%とした時の相対的なPVL変化を計算し、図4に示した。化合物処理群はDMSO処理群に比べてPVLが著しく減少した。この結果、本発明の化合物は、HTLV−1キャリアにおいてATL発症率を低下させることが示された。
試験例1の結果、EZH1/2阻害化合物はTL−Om1細胞に対して用量依存的かつ有意に細胞増殖を低下させることが示された。また同化合物はATL患者由来腫瘍細胞の細胞生存を有意に低下させた。さらに、キャリア末梢血中に存在するHTLV−1感染細胞の割合の著しい低下が確認できた。このことはHTLV−1感染細胞に対して細胞死を誘導していることを示唆している。

Claims (22)

  1. 7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤。
  2. (2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療及び/又は予防剤。
  3. (2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
  4. (2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
  5. (2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
  6. (2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
  7. (2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の治療剤。
  8. (2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を有効成分とする成人T細胞白血病リンパ腫の予防剤。
  9. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  10. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  11. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療する方法であって、前記患者に(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  12. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  13. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  14. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防する方法であって、前記対象に(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩を投与することを含む、方法。
  15. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩の使用。
  16. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
  17. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩の使用。
  18. 成人T細胞白血病リンパ腫を罹患した患者において成人T細胞白血病リンパ腫を治療することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
  19. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩、又は7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミドもしくは医薬上許容可能なその塩の使用。
  20. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
  21. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−クロロ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド p−トルエンスルホン酸塩の使用。
  22. ヒト成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV−1)キャリアである対象において成人T細胞白血病リンパ腫の発症を予防することに用いるための医薬組成物の製造における、(2R)−7−ブロモ−2−[trans−4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2,4−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボキサミド又は医薬上許容可能なその塩の使用。
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