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JPWO2007126048A1 - 均一かつ安定な懸濁物の製造方法、及びそのための装置 - Google Patents

均一かつ安定な懸濁物の製造方法、及びそのための装置 Download PDF

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JPWO2007126048A1
JPWO2007126048A1 JP2008513288A JP2008513288A JPWO2007126048A1 JP WO2007126048 A1 JPWO2007126048 A1 JP WO2007126048A1 JP 2008513288 A JP2008513288 A JP 2008513288A JP 2008513288 A JP2008513288 A JP 2008513288A JP WO2007126048 A1 JPWO2007126048 A1 JP WO2007126048A1
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崇行 菊地
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みちる 菅野
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Abstract

本発明は、均一かつ安定な懸濁物の簡便な製造方法及びそのための装置を提供する。また、本発明は、粒子径の揃った懸濁物の簡便な製造方法及びそのための装置を提供する。本発明は、簡便な方法で被処理物を媒体中に均一かつ安定に分散させる方法に関する。より詳細には本発明は、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置する容器に、媒体及び被処理物の所要量並びに「重し」を入れてなる容器を、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置し、当該自転公転型脱泡混練装置にて当該容器を自転及び公転させて容器中の被処理物と媒体を混練させて被処理物を媒体中に均一に分散させる方法、そのための重し、それを有する容器、及びその使用に関する。

Description

本発明は、簡便な方法で被処理物を媒体に均一かつ安定に分散させる方法に関する。より詳細には本発明は、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置する容器に、媒体及び被処理物の所要量並びに「重し」を入れてなる容器を、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置し、当該自転公転型脱泡混練装置にて当該容器を自転及び公転させて容器中の被処理物と媒体を混練させて被処理物を媒体中に均一に分散させる方法、そのための重し、それを有する容器、及びその使用に関する。
有効成分を均一かつ安定に懸濁した懸濁液を調製することは、医薬品や農薬などの生理活性成分を取り扱う分野だけでなく、化粧品、食品などの多くの産業分野で必要とされている技術である。とりわけ、医薬品分野においては、懸濁液は投与剤型の一つとして用いられ、開発初期段階の少量スケールから、製品化後の実生産スケールまで均一に安定した懸濁液を製剤化する技術が必要となる。従来懸濁液の調製は、有効成分を乳鉢で磨砕し、これを媒体で懸濁又は練合することにより製剤化する手法が主流であった。しかしながら、乳鉢の取り扱いによる分散性や含有量の均一性などの再現性が低いこと、乳鉢の大きさによる量的な制限があること、また乳鉢による磨砕や練合に時間がかかることなどの多くの問題点が有った。
さらに、磨砕された粒子を懸濁化するに際しても、媒体中での粒子の凝集や、特に、媒体に対する「濡れ」が悪い場合には、粒子を媒体に混合した瞬間に粒子が分離(浮遊や沈殿)して、均一な分散が困難なことが多く、均一かつ安定な懸濁液の調製には多くの問題があった。
これらの問題を改善する手段の一つとして、固液の攪拌を十分にするために攪拌翼が自転しながら容器の内周を公転する混合攪拌機が使用されている。例えば、食品材料を混練するための攪拌装置(特許文献1参照)や、液相の上部に表面層を攪拌するための攪拌翼を別に有する攪拌装置(特許文献2参照)や、カーボンナノチューブの分散性を良くするための特別な攪拌翼を有する攪拌装置(特許文献3参照)などが提案されてきている。
さらに、粉状物質と液体を混練するための装置として、水平軸に対して傾斜して設置された容器を自転させながら、さらに公転させて、自転と公転の遠心力により容器内の被混練物を混練する装置が開発されてきた(特許文献4及び5参照)。このような装置の容器は、自転軸での回転と公転軸での回転を有し、これらの遠心力で混練することから、その攪拌混合は従来の攪拌翼や攪拌子を用いる場合に比べて非常に効果的に行われるだけでなく、微細気泡の脱泡も効率的に行うことができ(特許文献6参照)、さらに成分が混合される容器の内部に攪拌翼のような異物が無いので攪拌翼への被混練物の付着の問題も無く、また攪拌翼の洗浄が必要で無く、簡便で効果的な脱泡混練装置として注目されてきている。このような装置は、毎分数百回転〜数千回転という高速で運転される公転と自転による遠心力で混練するために、バランサーとして流体を利用する改良(特許文献7参照)や、容器内に装置の潤滑油などの異物が混入しないように防止策を講じた装置(特許文献8参照)などの改良が行われてきている。しかし、このような装置では、一般に比重が大きく異なる物質を混練することは困難であるし、また、被混練物の攪拌に都合の良い自転速度と、被混練物の脱泡に都合の良い自転速度との調節が困難であることが知られている。このために、容器の内部にさらに攪拌翼を設けたもの(特許文献9参照)や、自転と公転の回転速度を調節することができる装置(特許文献10参照)や、より均一な混練を行うために容器の底部の中央を高くしたり(特許文献11参照)などの改良も行われてきている。
このように、水平軸に対して傾斜して設置された容器を自転させながら、さらに公転させて、自転と公転の遠心力により容器内の被混練物を混練する装置は、強い混練力と脱泡作用を有しており、簡便で短時間での混練が可能であることから、いろいろな産業分野で広く使用されてきている。例えば、食用粉を混練するために使用する方法(特許文献12参照)、粉体を含有する化粧料や固形化粧料の製造に使用する方法(特許文献13及び14参照)、医薬用の懸濁液を投与液瓶のままで懸濁化させるために使用する方法(特許文献15参照)、眼科用製剤のヒアルロン酸含有組成物を混練するために使用する方法(特許文献16参照)などだけでなく、高分子材料、電気材料などの混練などにも広く利用されてきている。
しかしながら、水などの液体媒体に対する「濡れ」の悪い物質を混練しようとした場合には、液体媒体と接した瞬間に物質の凝集が起こり、この凝集塊のままで混練され均一かつ安定な懸濁液を製造することはできない。また、粒子径が揃った懸濁液を製造することもできなかった。
特開2003−135950号公報 特開平5−49892号公報 特開2005−324999号公報 特開昭61−290946号公報 実公平5−32110号公報 特許第2711964号公報 特開2002−85953号公報 特開2000−246082号公報 特許第3217272号公報 特開2000−271465号公報 特開2001−353405号公報 特開2001−299191号公報 特開2002−302413号公報 特開2006−1883号公報 特開2002−320835号公報 特開2005−154305号公報
本発明は、均一かつ安定な懸濁液のような被処理物が媒体中に均一かつ安定に分散した分散体の簡便な製造方法及びそのための装置を提供する。また、本発明は、粒子径の揃った懸濁液などの分散体の簡便な製造方法及びそのための装置を提供する。
本発明者らは、水に対する「濡れ」の悪い物質の懸濁方法を種々検討してきた。乳鉢での磨砕および練合による従来の方法、磨砕効率の高いホモジナイザーを用いた方法などにより懸濁化を行ったが、1週間の保存で沈殿化が起こり安定な懸濁液の製造をすることはできなかった。さらに、水平軸に対して傾斜して設置された容器ホルダと、当該容器ホルダに略同軸に保持される有底筒状の容器を自転させながら、さらにこれを公転させて、自転と公転の遠心力により容器内の被混練物を混練する装置(以下、自転公転型脱泡混練装置という。)を用いて自転速度が毎分800回転で、公転速度が毎分2000回転での混練を試みたが、30分運転しても物質の凝集が起こり、安定な懸濁液を得ることができなかった。
本発明者らは、さらに検討を続けてきた結果、驚くべきことに容器の中に円盤形のスターラーのような重しを入れて同様に懸濁化を試みたところ、短時間で粒子径の揃った安定した懸濁液を製造することができる見出した。
即ち、本発明は、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置する容器に、媒体及び被処理物の所要量並びに「重し」を入れてなる容器を、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置し、当該自転公転型脱泡混練装置にて当該容器を自転及び公転させて容器中の被処理物と媒体を混練させて被処理物を媒体中に均一に分散させる方法に関する。
また本発明は、自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れるための「重し」に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明の「重し」を容器中に含有してなる、被処理物を媒体中に均一に分散させるための自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器に関する。
また本発明は、自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れる「重し」の使用(use)に関する。
本発明をより詳細に説明すれば以下のとおりとなる。
(1)自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置する容器に、媒体及び被処理物の所要量並びに「重し」を入れてなる容器を、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置し、当該自転公転型脱泡混練装置にて当該容器を自転及び公転させて容器中の被処理物と媒体を混練させて被処理物を媒体中に均一に分散させる方法。
(2)重しが、金属である前記(1)に記載の方法。
(3)金属が、鉄又は銅である前記(2)に記載の方法。
(4)重しが、柔軟性のあるプラスチックで覆われている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)柔軟性のあるプラスチックが、テフロン(登録商標)である前記(4)に記載の方法。
(6)重しの形状が、略円柱状である前記(1)〜(5)いずれかに記載の方法。
(7)略円柱状の重しの直径の容器の内側の直径に対する比率が、0.2〜0.8である前記(6)に記載の方法。
(8)被処理物が、容器中に入れられている重しにより粉砕及び/又は練合され、粒子径が整えられるものである前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)媒体が液体である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)被処理物の液体媒体における分散が、懸濁である前記(9)に記載の方法。
(11)液体媒体が、分散媒を含有するものである前記(9)又は(10)に記載の方法。
(12)液体媒体が、水又は水性分散媒を含有した水である前記(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)分散媒が、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選択される化合物の1種又は2種以上である前記(11)又は(12)に記載の方法。
(14)分散媒が、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩である前記(11)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)被処理物が、疎水性物質である前記(1)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)被処理物が、医薬品である前記(1)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17)前記(1)〜(16)のいずれかに記載の方法により製造される被処理物が媒体中に均一に分散した分散体。
(18)被処理物の50%粒子径が100μm以下、90%粒子径が200μm以下である前記(17)に記載の分散体。
(19)被処理物の50%粒子径が50μm以下、90%粒子径が100μm以下である前記(17)に記載の分散体。
(20)媒体が液体であり、分散体が懸濁液である前記(17)〜(19)のいずれかに記載の分散体。
(21)自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れるための重し。
(22)重しが、金属である前記(21)に記載の重し。
(23)金属が、鉄又は銅である前記(22)に記載の重し。
(24)重しが、柔軟性のあるプラスチックで覆われている前記(21)〜(23)のいずれかに記載の重し。
(25)柔軟性のあるプラスチックが、テフロン(登録商標)である前記(24)に記載の重し。
(26)重しの形状が、略円柱状である前記(21)〜(25)のいずれかに記載の重し。
(27)略円柱状の重しの直径の容器の内側の直径に対する比率が、0.2〜0.8である前記(26)に記載の重し。
(28)媒体が液体である前記(21)〜(27)のいずれかに記載の重し。
(29)前記(21)〜(28)のいずれかに記載の「重し」を容器中に含有してなる、被処理物を媒体中に均一に分散させるための自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器。
(30)自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れる「重し」の使用。
(31)重しが、前記(21)〜(28)のいずれかに記載された重しである前記(30)に記載の使用。
さらに、本発明の「使用」を詳細に説明すれば、次のとおりとなる。
(32)前記(21)〜(28)のいずれかに記載の重しからなる被処理物を媒体中に均一に分散させるための混練用補助具。
(33)重しが、金属である前記(32)に記載の混練用補助具。
(34)金属が、鉄又は銅である請求項2に記載の混練用補助具。
(35)重しが、柔軟性のあるプラスチックで覆われている前記(32)〜(34)のいずれかに記載の混練用補助具。
(36)柔軟性のあるプラスチックが、テフロン(登録商標)である前記(35)に記載の混練用補助具。
(37)重しの形状が、略円柱状である前記(32)〜(36)のいずれかに記載の混練用補助具。
(38)略円柱状の重しの直径の容器の内側の直径に対する比率が、0.2〜0.8である前記(37)に記載の混練用補助具。
(39)被処理物が、容器中に入れられている重しにより粉砕及び/又は練合され、粒子径が整えられるものである前記(32)〜(38)のいずれかに記載の混練用補助具。
(40)媒体が液体である前記(32)〜(39)のいずれかに記載の混練用補助具。
(41)被処理物の液体媒体における分散が、懸濁である前記(40)に記載の混練用補助具。
(42)混練が、自転公転型脱泡混練装置により行われる前記(32)〜(41)のいずれかに記載の混練用補助具。
次に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明における「自転公転型脱泡混練装置」は、前記してきたように水平軸に対して傾斜して設置された容器ホルダと、当該容器ホルダに略同軸に保持される有底筒状の容器を自転させながら、さらにこれを公転させて、自転と公転の遠心力により容器内の被混練物を混練する装置として定義されるものである。本発明における「自転公転型脱泡混練装置」の具体例としては、特許文献4に記載されている、電気モータによって公転軸を回転駆動し、同モータの駆動力を公転軸に設けた遊星歯車装置等を介して回転腕の先端に装着された混練容器に伝達し、該混練容器を自転駆動するように構成されている装置、特許文献5に記載されている、外部よりベルト駆動された公転軸の先端に、自在継手を連接して、その軸心を約45°の角度に傾斜させ、先端部に従動ベルトを介して、略45°の角度に軸支されたカップホルダを回転駆動するように構成されている装置、また、特許文献9に「略垂直な公転軸に取り付けられた回転体上に設けられて公転軸の周りを公転するとともに該公転軸に対し上部が公転軸側に傾斜した軸線の周りを自転する容器ホルダと、該容器ホルダに略同軸に保持される有底筒状の混練容器とを備えた混練装置」と記載されている装置や、特許文献6に「ケース内に設置した固定軸と、該固定軸に対して回転自在に枢着した公転ドラム直結用歯車と容器取付用アームとを備えた公転用ドラムと、公転駆動用歯車を上記公転用ドラムにおける公転ドラム直結用歯車に係合させた公転駆動用モータと、上記容器取付用アームの端部に回転自在に枢着した容器自転用回転軸と、該容器自転用回転軸上に備えた容器回転用傘歯車及び容器取付部と、上記公転用ドラム上に公転・自転カットベアリングを介して回転自在に枢着した自転用中継歯車と、自転伝達用駆動歯車を上記公転用ドラム上の自転用中継歯車に係合させた自転駆動用モータと、上記容器取付用アームに回転自在に枢着した自転伝達軸と、該自転伝達軸上に備えた一方の自転伝達用歯車を上記公転用ドラム上の自転用中継歯車に係合させると共に該自転伝達軸上に備えた他方の自転伝達用傘歯車を上記容器自転用回転軸上の容器回転用傘歯車に係合させて構成した」と記載されている装置などが挙げられる。より具体的には、株式会社シンキーから商品名「あわとり練太郎」として市販されている「自転公転型脱泡混練装置」が挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらの「自転公転型脱泡混練装置」は前記した特許文献にも記載されているように以下のような作用効果を有するものである。容器ホルダに設置された容器が傾斜しているので、遠心力による押圧力が傾斜した混練容器内壁に作用し、押圧力の分力が混練容器内壁の下方へと作用し、混練容器の自転による作用力と相まって被処理物の撹拌及び脱泡が促進される。また、混練容器の底部が容器ホルダの自転軸線に対し傾斜しているため、容器ホルダに保持された混練容器の自転により容器内部の被処理物に上下の流れが生じる。これにより、自転および公転によって発生する遠心力のベクトルが容器の傾斜した底面によって一部上向きのベクトルに変えられ、対流状の流れとなる。したがって、被処理物を効果的に撹拌、混練することができるので、比重が大きく異なる複数種の被処理物を混ぜて練和させる場合であってもそれらの遠心分離作用を防止して均一に混練することができる。しかも、混練容器の筒状側壁部は自転軸線と略同軸に配置されるので、混練容器を保持する容器ホルダを自転可能に支持する自転支持部にアンバランスな回転負荷が加わることを防止することができ、振動音の発生や自転支持部の早期偏摩耗等を防止し耐久性を向上させることができる。
「自転公転型脱泡混練装置」に関する特許文献4〜11の記載を参照して、本明細書に取り込む。
このように「自転公転型脱泡混練装置」は、大きな遠心力により容器内部の被処理物を強力な力で混練するものであり、例えば、商品名「あわとり練太郎」の商品説明では、「懸濁液の調製を簡便で高品質なものにできる。毒性試験では投与量が多いため、高濃度の懸濁液を調製する頻度が高くなります。そして、水に対してぬれの悪い化合物の懸濁液は、乳鉢、ホモゲナイザー、モルターグラインザーでの調製が不可能でした。また、水に対してぬれが良い化合物は、これら従来型で懸濁液が調製される反面、粒子経が若干小さくなる傾向がみられました。本機による攪拌・脱泡なら、原末の粒子径との差がなく、品質の良い懸濁液が、いとも簡単に実現できます。」(商品名「あわとり練太郎」のホームページ参照)と記載されている。
そこで、本発明者らは、水に対する「濡れ」の悪い被処理物の懸濁化を行ってみた。「自転公転型脱泡混練装置」として、株式会社シンキー製の「あわとり練太郎」を用いて、自転800rpm、公転2,000rpmでパルミチン酸クロラムフェニコール((2R,3R)-2-(Dichloroacethyl)amino-3-hydroxy-3-(4-nitrophenyl)propan-1-yl palmitate、以下「クロマイパルミ」という。)の水性懸濁液の調製を行った。なお、クロマイパルミは水に対する「濡れ」の悪い物質である。
この結果、30分間かけて懸濁化を試みたが、安定な懸濁液を調製することはできなかった。「自転公転型脱泡混練装置」による遠心力だけでは十分な懸濁化ができないことから、本発明者らは、メノウ乳鉢での杵と臼のような作用を加えることができないだろうかと思い立った。このような杵と臼のような作用を高速で回転する容器の中で再現させるために種々検討した結果、容器内に「重し」を入れてみることにした。そこで、表面がポリパーフルオロエチレン(テフロン(登録商標))で被覆された鉄製の略円柱状の「重し」を容器に入れて同種の「自転公転型脱泡混練装置」で実験したところ、2分間の処理を5回行うことより、「重し」を入れない場合に比べて粒子の凝集化が抑制され、懸濁液の均一性が顕著に改善することが分かった。平均粒子径を測定したところ、50%粒子径が45μm、90%粒子径が120μmであった。なお、本明細書における「50%粒子径」とは、粒子を小さいほうから数えたときに、全体の数の50%の位置にある粒子径を意味し、「90%粒子径」とは、粒子を小さいほうから数えたときに、全体の数の90%の位置にある粒子径を意味する。よって、50%粒子径が小さいほど、また、50%粒子径と90%粒子径の差が小さいほど、懸濁剤の分散性及び均一性が優れていることを示す。
平均粒子径の測定は、レーザー式粒度分布測定装置(HELOS & QUIXEL)を用い、測定条件: 使用レンズ(R5:875μm以下の粒子を検出)、ポンプ速度(20%)、温度(20℃)の条件で測定した。また、顕微鏡による評価を行ってもよい。
クロマイパルミの粒度分布について解析した結果を図1にグラフで示す。図1のグラフの横軸は粒子径(μm)を対数で示し、縦軸は頻度分布(%)及び積算分布(%)を示す。凸型の曲線が頻度分布を示し、増加曲線が積算分布を示す。
このように、「自転公転型脱泡混練装置」の容器内に「重し」を入れることにより、粒子径の揃った安定な懸濁化が可能になった理由の詳細は未だ充分には解明されていないが、容器に入れられた「重し」の側面部と容器の底面(および壁面)との間で、メノウ乳鉢の杵と臼のような作用が生じ、遠心力による攪拌・混練と同時に臼のような作用による微粉化が生じて、短時間で簡便に懸濁化が可能になったものと考えられる。
さらに、分散媒として0.5%又は2%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)を用いた実験を行った。この結果と前記の結果を併せて次の表1に示す。
さらに、2%CMC−Naでの結果について粒子径の分布を検討した結果を図2にグラフで示す。図2のグラフの横軸は粒子径(μm)を対数で示し、縦軸は頻度分布(%)及び積算分布(%)を示す。凸型の曲線が頻度分布を示し、増加曲線が積算分布を示す。この結果、約15μmの所に単一のピークを有し、約50μm以上の粒子が約5%以下となっており、極めて優れた粒度分布を有する懸濁液の調製ができることが明らかになった。
この結果を、従来からの乳鉢法と比較してみた。被処理物としては、クロマイパルミを使用した。結果(平均粒子径)を次に表2に示す。
この結果、本発明の方法は、従来からの乳鉢法とほぼ同等の結果が得られることが明らかとなった。従来の乳鉢法は、熟練を必要とし、処理する人の技量や処理方法などによりバラツキが生じており、熟練者が十分な時間をかけて注意深く行わないといけなかったが、本発明の方法は熟練を必要とせず、短時間で確実に再現性良く行うことができ、しかも従来の乳鉢法と同様な結果を得ることができるのである。
次に、スケールアップを試みてみた。被処理物を1g使用したときと、15g使用したときの粒度分布を検討した。結果を次の表3及び図3に示す。
この結果、平均粒子径においては殆ど差がみられないことがわかった。また、図3にはその粒子径の分布の結果がグラフで示されており、図3のグラフの横軸は粒子径(μm)を対数で示し、縦軸は頻度分布(%)及び積算分布(%)を示す。薄い四角印(□)(原図では赤色)は被処理物が1gの場合を示し、黒丸(●)(凸型の高い方のグラフ)(原図では青色)は被処理物が15gの場合を示す。いずれのグラフも凸型の曲線が頻度分布を示し、増加曲線が積算分布を示す。この結果、約15倍にスケールアップしても粒子径の分布には大きな影響を与えないことがわかり、本発明の方法は大容量でも可能であることがわかった。
次に、「重し」の形状について検討した。図4に図面に代わる写真で示される3種類の「重し」を使用した。即ち、図4の左側のものは、容器の底面の接する「重し」の形状が略平面である略円柱状の「重し」であり、中央の「重し」は容器の底面の接する「重し」の形状が突起を有する凹凸形状で略円柱状のものであり、右側の「重し」はボール状の「重し」である。
この結果を次の表4に示す。
この結果、「重し」の形状としては、略円柱状のものが好ましいことがわかった。これは、容器の底面や壁面と「重し」の表面とで乳鉢のような杵と臼のような作用を生じるためと考えられる。このために、ボール状のように容器の底面や壁面と点で接している場合には充分な懸濁作用が得られないが、略円柱状のように底面と面で接し、壁面と線で接している場合には杵と臼のような作用を生じ、充分な懸濁作用となることがわかった。
このように本発明の方法は、従来から使用されている「自転公転型脱泡混練装置」において、その容器内に略円柱状の「重し」を入れることを特徴とするものであり、当該「重し」により「自転公転型脱泡混練装置」による遠心力に基づく攪拌・混練と同時に「重し」と容器の底面及び側面との杵と臼による作用により、粒度分布の揃った懸濁液などの分散体を簡便に、かつ再現性よく製造できることを特徴とするものである。
本発明における「容器」としては、市販の「自転公転型脱泡混練装置」に付属している各種の容器を使用することができるが、これに限定されるものではない。
また、本発明における「重し」としては、「自転公転型脱泡混練装置」の運転中においても当該容器を破壊又は破損しないものであって、容器の底面又は側面の両方又は一方において臼の作用により被処理物を処理可能な十分な形状、材質、及び重量を有するものであれば特に制限されるものではない。このために本発明の「重し」の形状は、容器の形状にも関連しており、容器の底面又は側面の両方又は一方において臼の作用により被処理物を処理可能な十分な形状をしているものが好ましい。例えば、容器が円柱状の場合の本発明における「重し」の好ましい例としては、略円柱状の形状であって少なくとも容器の底面又は側面と十分な接触が可能なものが挙げられる。また、容器の形状がフラスコのように球面状又は丸底のような形状をしている場合には、当該容器の曲率半径とほぼ同様な曲率半径を有する形状のものが容器の壁と大きな接触面積を有することから好ましい形状となる。本発明の「重し」は、前記した表4の結果からも明らかなように、容器底面との接触面積が広いものが好ましいが、必ずしも「重し」の底面全面で容器の底面と接触する必要は無く、必要に応じて凹凸などを有することもできる。また、その材質としては、十分な重量を確保するために密度が1g/cm以上、好ましくは2g/cm以上、2〜15g/cm、より好ましくは3〜10g/cm程度のものが挙げられる。好ましい材質としては、鉄や銅などの金属が挙げられる。さらに、当該「重し」は容器との接触により容器を破壊又は破損することを防止するために、その表面、特に容器と接触する部分が緩衝作用を有する比較的柔らかい材質で被覆されているものが好ましい。このような被覆材としては、ポリパーフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、ポリエチレン、ポリスチレンなどのプラスチックが挙げられる。耐薬品性や耐酸性などの点からポリパーフルオロエチレン(テフロン(登録商標))での被覆が好ましい。
本発明における「重し」の大きさとしては、容器内で自由に運動することができる大きさであれば特に制限はないが、好ましくは重しの直径の容器の内径(容器の内側の直径)に対する比率が、0.2〜0.7、より好ましくは0.3〜0.6、又は0.4〜0.6のものが挙げられる。その高さとしては、重しの高さの容器の内側の高さに対する比率が、0.1〜0.7、より好ましくは0.2〜0.6、0.2〜0.5、又は0.2〜0.4程度が挙げられる。
本発明における「重し」の重量としては、被処理物の堅さや容器の材質などに応じて適宜選択することができるが、通常は液体媒体の重量の0.1〜1倍、好ましくは0.2〜0.8倍程度が挙げられる。
本発明の「重し」は、単に重量があることを特徴とするものではなく、容器の底面及び側面との杵と臼による作用により、容器内の被処理物と媒体とを簡便にかつ均一に混練し、分散させるものである。したがって、本発明の「重し」は、被処理物を媒体中に均一かつ安定に分散させるための充分な混練を簡便にかつ短時間で確実に行うための混練用の補助用具として有用なものである。このような補助用具は、混練用補助用具として単品で製造・販売また使用することもできるが、前述してきたようにその作用は容器の形状にも関連していることから容器と一緒にセットとして製造・販売又は使用することもできる。
本発明の「自転公転型脱泡混練装置」は、脱泡用のものとして市販されているものが多数あり、脱泡用のものであって差し支えないが、必ずしも脱泡用のものに限定されるものではなく、容器が自転し、さらに公転できるものであればよい。また、さらに脱気装置などが付属しているものであっても自転と公転ができるものであれば制限はない。本発明の「自転公転型脱泡混練装置」の自転速度、公転速度はなどの運転条件も特に制限はなく、被処理物の種類や量、液体媒体の種類や量などに応じて適宜設定することができる。
本発明の方法における被処理物としては、媒体中に分散又は懸濁可能なものであれば特に制限はなく、好ましくは粒子径の分布が揃った状態での分散化又は懸濁化が望まれる被処理物が挙げられ、例えば、医薬品や農薬などの有効成分、食品類、化粧品類などが挙げられる。
また、本発明の方法における媒体としては、液体媒体が好ましいがこれに限定されるものではなく、固体同士の分散体を製造するために使用されるものであってもよい。液体媒体としては流動性を有するものであればよく、粘性の大きな液体であってもよいが、より好ましい液体媒体としては水が挙げられるがこれに限定されるものではなく、アルコール、グリコールなどの有機溶媒又は含水有機溶媒などであってもよい。本発明の液体媒体は必要により、分散媒を含有していてもよい。液体媒体が水の場合には当該分散媒としては水性分散媒が好ましい。好ましい分散媒としては、例えば、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)などが挙げられ、より好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)が挙げられる。
分散媒の濃度としては、特に制限はないが、通常は0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%程度が挙げられる。
本発明の懸濁液の平均粒子径としては、特に制限はないが、通常は50%粒子径が100μm以下、90%粒子径が200μm以下であり、好ましくは50%粒子径が50μm以下、90%粒子径が100μm以下程度が挙げられる。
本発明の方法により製造される分散体としては、水などの液体媒体に分散された懸濁液が典型的な例として挙げられるが、これに限定されるものではなく、水や有機溶媒などと一緒に混練されたクリームや軟膏、又は樹脂などと混練されたペースト状の生成物などが挙げられる。本発明の方法により製造された分散体は、分散された固体の粒子径が揃っており、粒度分布が比較的狭い範囲になっていることを特徴とするものである。これは、本発明の「重し」により混練中に粒度分布が均質化されてくるためと考えられる。
本発明は、従来から使用されている「自転公転型脱泡混練装置」における容器に「重し」を入れることにより、更に簡便かつ再現性のよい懸濁化方法を提供するものである。また、本発明は、このための「重し」、即ち、自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と液体媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を液体媒体に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れるための「重し」、及び「重し」としての使用(use)を提供するものである。さらに、本発明は、当該「重し」を容器中に含有してなる、被処理物を液体媒体に均一に分散させるための自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器を提供するものである。
本発明の「重し」を従来の「自転公転型脱泡混練装置」に適用することにより、本発明が開示したような作用効果を奏することは本発明により初めて開示されたものであり、本発明はこのような新規かつ有用な「自転公転型脱泡混練装置」の容器における「重し」及び当該「重し」からなる混練用補助具を提供するものである。
本発明の方法は、簡便で短時間に、且つ再現性よく、安定で均一な、しかも粒子径の揃った懸濁液を製造する方法を提供するものである。
また、本発明は「自転公転型脱泡混練装置」の容器に「重し」を入れることにより、従来の遠心力だけによる攪拌・混練だけでなく、同時に粒子径を揃えて均一な分散状態を作る新規な手法、及びそのための「重し」を提供するものである。本発明の「重し」を入れる方法は、操作が簡単であり、かつその混練作用と整粒効果は予想外に顕著なものであり、医薬品を始め、農薬、食品、化粧品などの懸濁液の製造方法として極めて優れたものである。
図1は、被処理物としてクロマイパルミ12.5gと0.5%CMC−Na水溶液12.5gを用いて本発明の方法で懸濁液を製造したときの懸濁液中のクロマイパルミの粒子径の分布を示すグラフである。 図2は、被処理物としてクロマイパルミ12.5gと2%CMC−Na水溶液12.5gを用いて本発明の方法で懸濁液を製造したときの懸濁液中のクロマイパルミの粒子径の分布を示すグラフである。 図3は、被処理物としてクロマイパルミ1g又は15gを用いて本発明の方法で懸濁液を製造したときの懸濁液中のクロマイパルミの粒子径の分布を示すグラフである。 図4は、本発明の方法における「重し」と容器を示す図面に代わる写真である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
以下の方法においては、「自転公転型脱泡混練装置」としてシンキー株式会社製の「あわとり練太郎」AR−250を使用した。
実験例1
被処理物としてクロマイパルミ1gと、0.5%CMC−Na水溶液200gとを「あわとり練太郎」の容器に入れ、自転速度800rpm、公転速度2,000rpmで、5分間運転した。その結果均一な懸濁液は得られなかった。また、運転時間を30分にしたが、結果は同様であった。
被処理物としてクロマイパルミ1gと、0.5%CMC−Na水溶液5g、並びに周囲がテフロン(登録商標)樹脂で被覆されている重さ45g、直径40mm、高さ17mmの略円柱状の「重し」とを「あわとり練太郎」の容器(内径75mm、高さ75mm)に入れ、自転速度800rpm、公転速度2,000rpmで、2分間の運転を行った。更に、0.5%CMC−Na水溶液5gを追加し、2分間の運転を行った。この操作を繰り返し、2分間の運転を計5回行った。その後、0.5%CMC−Naを加え、50gとした(薬物濃度20mg/g)。その結果、50%粒子径が45μm、90%粒子径が120μmの均一な懸濁液が得られた。平均粒子径の測定は、レーザー式粒度分布測定装置(HELOS & QUIXEL)を用い、測定条件: 使用レンズ(R5:875μm以下の粒子を検出)、ポンプ速度(20%)、温度(20℃)の条件で測定した。得られた懸濁液は、25℃で48時間放置後も安定な懸濁液であった。
得られた懸濁液の粒子径の分布を測定した結果を図1に示す。
被処理物としてクロマイパルミ12.5gと、0.5%又は2%CMC−Na水溶液500g(調製濃度25mg/g)をそれぞれ用いた他は実施例1と同様にして均一で安定な懸濁液を得た。ただし、2%CMC−Na水溶液を使用した場合の運転時間は1分間を1回とした。
結果を前記の実施例1の結果と併せて表1に示す。
2%CMC−Naを用いた場合の粒子径の分布を測定した結果を図2に示す。
実施例1と同じ被処理物を同じ量用いて、実施例1と同様に処理した。比較として従来からの乳鉢法で懸濁液を製造した。
これらの懸濁液の粒子径を測定した結果を表2に示す。
被処理物としてクロマイパルミ1g又は15gを用いて、それぞれの調製濃度が25mg/gになるように、精製水を添加して、実施例1と同様にして均一で安定な懸濁液を得た。これらのいずれの懸濁液も、25℃で48時間放置後も安定な懸濁液であった。
得られた懸濁液のそれぞれの平均粒子径を表3に示し、それぞれの粒子径の分布を図3に示す。
「重し」として底面に凸状の突起2個を有する略円柱状の「重し」(図4の中央の写真参照)、又はボール状の「重し」(直径8mm、重さ2gの球状の重し30個)(図4の右側の写真参照)を用いた他は実施例1と同様にした。
結果を表4に示す。
本発明は、医薬品、農薬、食品、化粧品などの懸濁液の新規な製造方法を提供するものであり、医薬品、農薬、食品、化粧品などの産業分野において利用可能性を有している。
また、本発明は、「重し」を用いた新規な攪拌・混練の手法を提供するものであり、攪拌・混練や整粒を必要とする化学工学、精密材料分野などの産業分野において利用可能性を有している。

Claims (31)

  1. 自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置する容器に、媒体及び被処理物の所要量並びに「重し」を入れてなる容器を、自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置し、当該自転公転型脱泡混練装置にて当該容器を自転及び公転させて容器中の被処理物と媒体を混練させて被処理物を媒体中に均一に分散させる方法。
  2. 重しが、金属である請求の範囲の範囲第1項に記載の方法。
  3. 金属が、鉄又は銅である請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 重しが、柔軟性のあるプラスチックで覆われている請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
  5. 柔軟性のあるプラスチックが、テフロン(登録商標)である請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 重しの形状が、略円柱状である請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の方法。
  7. 略円柱状の重しの直径の容器の内側の直径に対する比率が、0.2〜0.8である請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 被処理物が、容器中に入れられている重しにより粉砕及び/又は練合され、粒子径が整えられるものである請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の方法。
  9. 媒体が液体である請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の方法。
  10. 被処理物の液体媒体における分散が、懸濁である請求の範囲第9項に記載の方法。
  11. 液体媒体が、分散媒を含有するものである請求の範囲第9項又は第10項に記載の方法。
  12. 液体媒体が、水又は水性分散媒を含有した水である請求の範囲第9項〜第11項のいずれかに記載の方法。
  13. 分散媒が、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースから選択される化合物の1種又は2種以上である請求の範囲第11項又は第12項に記載の方法。
  14. 分散媒が、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩である請求の範囲第11項〜第13項のいずれかに記載の方法。
  15. 被処理物が、疎水性物質である請求の範囲第1項〜第14項のいずれかに記載の方法。
  16. 被処理物が、医薬品である請求の範囲第1項〜第15項のいずれかに記載の方法。
  17. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれかに記載の方法により製造される被処理物が媒体中に均一に分散した分散体。
  18. 被処理物の50%粒子径が100μm以下、90%粒子径が200μm以下である請求の範囲第17項に記載の分散体。
  19. 被処理物の50%粒子径が50μm以下、90%粒子径が100μm以下である請求の範囲第17項に記載の分散体。
  20. 媒体が液体であり、分散体が懸濁液である請求の範囲第17項〜第19項のいずれかに記載の分散体。
  21. 自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れるための重し。
  22. 重しが、金属である請求の範囲第21項に記載の重し。
  23. 金属が、鉄又は銅である請求の範囲第22項に記載の重し。
  24. 重しが、柔軟性のあるプラスチックで覆われている請求の範囲第21項〜第23項のいずれかに記載の重し。
  25. 柔軟性のあるプラスチックが、テフロン(登録商標)である請求の範囲第24項に記載の重し。
  26. 重しの形状が、略円柱状である請求の範囲第21項〜第25項のいずれかに記載の重し。
  27. 略円柱状の重しの直径の容器の内側の直径に対する比率が、0.2〜0.8である請求の範囲第26項に記載の重し。
  28. 媒体が液体である請求の範囲第21項〜第27項のいずれかに記載の重し。
  29. 請求の範囲第21項〜第28項のいずれかに記載の「重し」を容器中に含有してなる、被処理物を媒体中に均一に分散させるための自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器。
  30. 自転公転型脱泡混練装置により当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置された容器を自転及び公転させて当該容器中の被処理物と媒体を混練させて、当該容器中の被処理物を媒体中に均一に分散させるための、当該自転公転型脱泡混練装置の容器ホルダに設置される容器中に入れる「重し」の使用。
  31. 重しが、請求の範囲第21項〜第28項のいずれかに記載された重しである請求の範囲30項に記載の使用。
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