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JPWO2006006653A1 - マイクロヒーター及びその製造方法 - Google Patents

マイクロヒーター及びその製造方法 Download PDF

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JPWO2006006653A1
JPWO2006006653A1 JP2006529120A JP2006529120A JPWO2006006653A1 JP WO2006006653 A1 JPWO2006006653 A1 JP WO2006006653A1 JP 2006529120 A JP2006529120 A JP 2006529120A JP 2006529120 A JP2006529120 A JP 2006529120A JP WO2006006653 A1 JPWO2006006653 A1 JP WO2006006653A1
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Abstract

所望の温度が得られ、且つ、空気と接して、すぐに発熱反応を開始するマイクロヒーターであり、且つマイクロヒーターを複数個連鎖又は包材に組み込むことができるマイクロヒーターを提供する。余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物からなる発熱組成物成形体を、通気性を有する収納袋に収納したマイクロヒーターであって、前記収納袋がヒートシール層を有する基材と被覆材とからなり、実質的に平面状で、ポケット、収納区画及び収納区域を有しない前記基材上に成形された発熱組成物成形体を積層し、前記被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより形成された発熱部を有し、前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、前記発熱組成物成形体の体積が、0.1〜30cm3であり、前記発熱組成物成形体の体積と発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmであることを特徴とする。

Description

本発明は余剰水を連結物質として用い、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とする成形性発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を含有するマイクロヒーターに関する。
微小領域の温熱刺激として灸があるが、微小マイクロヒーターの用途として温灸具が提案されている。即ち、東洋医学における灸は、体内に張り巡らされた経絡の上の経穴(ツボ)に対しておこなう温熱局所刺激によって血液循環を良くするものであり、肩こり、神経痛、腰痛、筋肉疲労等の治療や回復に効果が認められている。そして従来から一般におこなわれている灸は、ヨモギの葉を乾燥して作ったモグサを直接皮膚の患部(ツボ)に貼り付け、これに火をつけて燃焼させることによって温熱刺激を患都に与えるようにしている。しかし、この場合には皮膚が受ける熱さが強烈であり、しかも火傷跡が残るなど、使用の上で種々の問題がある。
また、電気温灸器等も従来から提供されているが、このものでは装置が高価になると共に電源を必要とする等の不便もあり、普及するには至っていない。そこで、厚紙等で形成した台座上に円柱形に形成したモグサを取り付けて作成した温灸具や、酸化反応により発熱する組成物を円盤形の容器内に封入して作成した温灸具が提供されており、これらは広く普及するに至っている。
この前者のものは、台座を皮膚の患部に貼り付けて使用するようにしたものであり、台座がモグサを燃焼させた際の熱の緩衝体となるために、皮膚に強烈な熱が作用することが緩和されると共に火傷跡が残ることも極めて少なくなるものである。また後者のものは、容器を皮膚の患部に貼り付けて使用するようにしたものであり、容器に孔をあける等して内部の組成物に空気中の酸素を作用させることによって発熱させると共にこの熱を患部に作用させて温灸をおこなうようにしたものである。この場合、酸化による発熱の温度はあまり高くなることがないので、皮膚に強烈な熱が作用したり火傷跡が残ったりすることなく使用することができるものである。
例えば、特許文献1には薬剤とマイクロヒーターからなる温灸具が提案されている。
また、特許文献2にはモグサとマイクロヒーターからなる温熱灸が提案されている。
一方、上記より大型のマイクロヒーターとしては、鉄等の金属の酸化反応を利用した発熱組成物を粉体又は粒状、粘体やクリーム体等の形態で使用したマイクロヒーターが作成され、コスト、安全性、発熱温度等からみて非常に優れており、例えば、通気性を有する袋に充填されたいわゆる化学カイロとして既に実用に供せられている。
更に、より快適な使用感を得るため、発熱組成物の片寄り防止や多種の形状によるフィット性を求めて、増粘剤、結合剤等を用い、形状維持性と発熱特性の維持を図った発熱組成物がいろいろ提案されている。
例えば、特許文献3には0.5mm以上の平均粒径となるように造粒した発熱組成物の製造方法、及び添加水に、水ガラス、ポリビニルアルコール等の粘着性バインダ成分を10〜20重量部配合することにより造粒後粒子強度を向上した発熱組成物の製造方法が提案されている。
また、特許文献4にはコーンスターチ、馬鈴薯デンプン等の粉末状増粘剤を添加して形状維持性を持たせた発熱組成物からなる使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献5にはα化デンプン、カルボキシメチルセルロース等の賦形剤を添加して、内容物の片寄りを生じない発熱組成物を使用した使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献6には粉末状又は粒状発熱組成物にCMC等の結合剤を混合し圧縮成型した固形発熱組成物が提案されている。
また、特許文献7には架橋剤等と吸水性ポリマーを使用し、圧力により加圧一体化したマイクロヒーターが提案されている。
また、特許文献8にはカルボキシメチルセルロース等の増粘剤を含有させた発熱組成物を、インキ状乃至クリーム状にした発熱組成物及びマイクロヒーター及びその製造方法が提案されている。
また、特許文献9には結合剤を使用した発熱組成物成形体の表面をCMC等の通気性皮膜で覆い、形状維持を図ったものが提案されている。
また、特許文献10や、特許文献11にはカルボキシメチルセルロース等の増粘剤を含有させた発熱組成物を、インキ状乃至クリーム状にし、水分がバリア層として働き、一定量の水分を吸水等で除いた後に発熱する発熱組成物にし、従来の矩形の形状を変更し、足形状や楕円形状の形状にし、被保温体の輸郭に適合できるようにすることが提案されている。
また、特許文献12にはフィルム層基材に予め収納用のポケット作成しておき、そのポケットに粒状発熱組成物を充填し、別の基材でそれを覆い、シールし、基材の針穴から水を注入してマイクロヒーターを作成するヒートセルが提案されている。
また、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16には、身体等へのフィット性を増すために、ゼラチン、コーンシロップ等の凝集化剤や、カルボキシメチルセルロース等の乾燥結合剤を使用した発熱組成物を使用したり、粒状発熱組成物と収納ポケットを有する基材を使用して、発熱組成物発熱部を複数の区画に分けたマイクロヒーターが提案されている。
しかし、従来の温灸具では患部に十分な温熱が作用しない場合があり、温灸効果が不十分になる場合があるという問題もあった。
また、マイクロヒーターを使用した温灸具では、従来方式の様に、包材をシールしながら粉体状の発熱組成物をそれに充填する充填方式のマイクロヒーターの生産方式では、サイズに制限が有り、灸用の小さいマイクロヒーターを量産的に生産することは、サイズ、生産量、歩留まり等に問題があり、温灸具の品質、コストに問題があった。
また、従来の使い捨てカイロのサイズの大型マイクロヒーターにおいては、肩や腕、首や足などの人体の各所に適用することを目的とした使い捨てカイロの用途分散に伴い、発熱組成物を増粘剤等で固めても、単包形態では例えば接着保持が困難で容易に脱落したり、装着に強い違和感を生じたりする問題点があった。かかる問題点は、マイクロヒーターの反応進行に伴う塊状化による柔軟性の低下でより助長される。また収納袋を形成する延伸フィルムが発熱で収縮カールして単包袋の端部が捲れ上がり、そこへの引っ掛りで接着保持のカイロが簡単に剥がれて落下する問題点もあった。
また、従来、マイクロヒーターは充填方式で製造されたり、凝集剤や結合剤を含有させた発熱組成物を凝集体や圧縮体を減圧成形された収納区画を有する包材へ充填され製造されていた。また、基材に充填用ポケットを予め作製しておき、そのポケットに粒状発熱組成物を充填し、包材をその上に被せ、シールすることにより製造されていた。
また、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を発熱組成物として用い、区分化した発熱部を有するマイクロヒーターを製造する場合、充填方式を用いる方法では、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を一部シールをした袋状の収納体に収納し全体をシールするため、区分領域のサイズに製造上制限があった。即ち、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を部分シールしながら充填する方法では小サイズの区分領域を複数個有するマイクロヒーターを製造することは機械的には実質的に不可能であり、更に発熱組成物がシール部に混入し、シール不足等による問題が生じていた。特に、サイズが20mm以下の部分形状を持つものや20mm以下の小さい形状の連続生産は実質的に不可能であった。また、回転磁石方式を用いる方法では、4本の回転構造体を用いる方法では前記3本の回転構造体A、C、D各々の周面には底部に磁石を有する凹部が設けられており、他の回転構造体Bの平面周面には底部に磁石が設けられており、回転構造体Aと回転構造体Bとは互いに反対方向に隣接して回転し、回転構造体Bと回転構造体Cとは互いに反対方向に隣接して回転し、回転構造体Cと回転構造体Dとは互いに反対方向に隣接して回転し、且つ回転構造体Aの凹部と回転構造体Bの磁石とが対面するように同調し、回転構造体Bの磁石と回転構造体Cの凹部とが対面するように同調し、回転構造体Cの磁石と回転構造体Dの凹部とが対面するように同調し、磁石が回転するという複雑な操作を行なわなければならないし、構造も複雑である。したがって、発熱層形成時の操作が面倒であり、使用する装置が複雑且つ高価で、故障しやすくメンテナンスに手間がかかり、取扱が不便であるという問題を有していた。
また、ポケット方式を用いる方法では、凝集剤や結合剤を含む発熱組成物を用い、凝集剤や結合剤を含む発熱成分の乾燥粉末混合物をそのままか、圧縮して顆粒、ペレット、錠剤又はスラグに整形した発熱組成物を、予め、包材に作成されてある凹状のポケット内に充填し、場合によっては更に圧縮し、発熱部を作成する。
また、凝集助剤等で、発熱組成物を固めた形態のものは、凝集剤や結合剤が混入されていないものに比ベ、発熱性能が悪化し、実用上問題があった。
特開平7−136233号公報 特開2000−254205号公報 待開平4−293989号公報 特開平6−343658号公報 特開平7−194641号公報 特開昭59−189183号公報 国際公開第00/13626号パンフレット 特開平9−75388号公報 特開昭60−101448号公報 特開平9−276317号公報 特開平11−299817号公報 特表平11−508314号公報 実開平6−26829号公報 特開2000−288008号公報 特表平11−508786号公報 特表2002−514104号公報
従って、本発明の目的は、調節及び維持された温度を与え、且つ、空気と接して、すぐに発熱反応を開始するマイクロヒーターであり、且つマイクロヒーターを複数個連鎖又は包材に組み込むことができるマイクロヒーターを提供することにある。即ち、皮膚に十分な温熱を作用させて温灸をおこなうことができ、しかも温熱が作用し始める時間を短くすることができると共に温熱或いは温熱感が作用する時間を長く維持して温灸効果を高く得ることができるマイクロヒーターを提供することにある。更に、本発明の目的は、一定の、便利な且つ心地よい熱を提供できる、複数個の区分された発熱源として連鎖することができるマイクロヒーターを提供することであり、また、一定の、便利な且つ心地よい熱を提供する、広範な種々の体型に採用される使い捨て包材に、複数個のマイクロヒーターを、容易に組み込むことができるマイクロヒーターを提供することにある。
そこで、本発明者等は、これら従来の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を行い、調節及び維持された温度を与え且つすぐに感知温度に到達するマイクロヒーターを得るべく、検討した結果、本発明に至ったのである。
即ち、本発明のマイクロヒーターは、請求項1に記載の通り、余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物からなる発熱組成物成形体を、通気性を有する収納袋に収納したマイクロヒーターであって、
1)前記収納袋がヒートシール層を有する基材と被覆材とからなり、実質的に平面状で、ポケット、収納区画及び収納区域を有しない前記基材上に成形された発熱組成物成形体を積層し、前記被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより形成された発熱部を有し、
2)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が、0.1〜30cmであり、前記発熱組成物成形体の体積と発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
4)前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmであることを特徴とする。
また、請求項2に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱組成物成形体、発熱部及びマイクロヒーターの形状が、円形状、三角形状、星形状、長方形状、正方形状、花形状、楕円形状、立方体形状、平行六面体形状、多角錐形状、円錐形状、円柱体形状、楕円柱形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、円筒形状及び球形状の群から選ばれた少なくとも1種の形状であることを特徴とする。
また、請求項3に記載のマイクロヒーターは、請求項2に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱部の形状は、円柱体形状であり、直径が1〜50mmであり、最高の高さが0.1〜10mmであることを特徴とする。
また、請求項4に記載のマイクロヒーターは、請求項2に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱部の形状は、平行六面体形状であり、最大の長さが5〜200mmであり、最大の幅が1〜50mmであり、最大の高さが0.1〜10mmであり、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより発熱部が形成されることを特徴とする。
また、請求項5に記載のマイクロヒーターは、請求項2に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱部の形状は、楕円柱形状であり、最大の幅が3〜30mmであることを特徴とする。
また、請求項6に記載のマイクロヒーターは、請求項2に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱部の最大の幅が1〜50mmであり、最大の高さが0.1〜10mmであり、最長の長さが5〜200mmであることを特徴とする。
また、請求項7に記載のマイクロヒーターは、請求項2に記載のマイクロヒーターにおいて、前記発熱部の形状が立方体形状であり、最大の幅が5〜30mmであり、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより前記発熱部が形成されることを特徴とする。
また、請求項8に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、少なくとも前記発熱組成物成形体が圧縮されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記ヒートシール部は、前記ヒートシール層上に形成された粘着剤層による仮着後、ヒートシールすることにより形成され、前記ヒートシール部には前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする。
また、請求項10に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記成形性発熱組成物が、少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とした混合物を、酸化性ガスに接触処理をした成分を含有することを特徴とする。
また、請求項11に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において、酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を、20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項12に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、鉄とのX線ピーク強度比としてウスタイト量が2〜50重量%である活性鉄粉を、20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項13に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記成形性発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項14に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記成形性発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の80%以上が粒径300μm以下であり、且つ、最大粒径が1mm以下であることを特徴とする。
また、請求項15に記載のマイクロヒーターは、請求項1に記載のマイクロヒーターにおいて、前記基材又は前記被覆材において、露出面の少なくとも一部に固定手段として粘着層が積層されていることを特徴とする。
本発明のマイクロヒーターの製造方法は、請求項16に記載の通り、通気性収納袋に発熱組成物成形体を収納したマイクロヒーターの製造方法であって、
1)余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を成形し、前記発熱組成物成形体を実質的に平面状で、収納ポケットを有しない基材上に積層し、被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより発熱部を形成し、
2)前記成形性発熱組成物として、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、前記成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすものとし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cmとし、前記発熱組成物成形体の容積と前記発熱部の容積との比率が0.6〜1.0とし、
4)前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmとしたことを特徴とする。
また、請求項17に記載のマイクロヒーターの製造方法は、請求項16に記載のマイクロヒーターの製造方法において、少なくとも前記発熱組成物成形体の周縁部において、前記記基材と前記被覆材を、粘着層を介して仮着後、ヒートシールすることを特徴とする。
また、前記マイクロヒーターにおいて、前記粘着剤層が非親水性粘着剤層であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤剤が非芳香族系ホットメルト系粘着剤であることが好ましい。
また、前記マイクロヒーターにおいて、前記粘着剤層が親水性粘着剤層であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が架橋型吸水性ポリマーと水溶性高分子と軟化剤を必須成分とし、架橋型吸水性ポリマーの含有量が3〜80重量%であることが好ましい。
また、前記マイクロヒーターにおいて、前記粘着層が薬剤を含有することが好ましい。
また、前記マイクロヒーターにおいて、前記マイクロヒーターは、発熱開始後、3分以内に40℃以上になり、最高温度が45℃以上を有することが好ましい。
また、前記マイクロヒーターの製造方法において、前記成形性発熱組成物を型内で圧縮することが好ましい。
本発明によれば、
1)本発明のマイクロヒーターは、調節及び維持された温度を与え且つすぐに最高温度に到達し、且つ、一定の、便利な且つ心地よい熱を提供できる。
2)粘着剤層付きマイクロヒーターは温灸ための熱を発生する熱発生部と、皮膚に対する温感付与層とを具備して形成されているので、粘着剤層付きマイクロヒーターを皮膚に貼ってから短時間で温熱感を皮膚に与えることができると共に、皮膚への密着性が良好のため、皮膚に対する温熱刺激を高めることができ、温灸効果を高く得ることができる。
3)本発明の粘着剤層付きマイクロヒーターは小型であり、領域に絞って、効率よく温熱効果を上げることができ、薬物含有の粘着層を用いた場合、温熱効果によって、循環が活発になった血液などに薬物を吸収させて一層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることができるので、局所治療効果を一層向上させたり、全身治療効果を一層向上させて、薬理効果を一層高める結果、医薬品として至極有益である。
4)本発明のマイクロヒーターは小型であるので、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使用されると、温熱による治療効果を発現するのである。
5)本発明のマイクロヒーターは複数個、一定間隔をおいた連鎖体にできるので、広範囲な種々の体の輪郭に適用でき、一時的又は慢性の痛みの治療のための、一定で、便利な且つ心地よい熱の適用のための調節及び持続された温度を与えることができる。
6)更に、広範な種々の体型に採用される使い捨て身体固定用包材に容易に組み込むことがでるので、広範囲な種々の体の輪郭に適用でき、一時的又は慢性の痛みの治療のための、一定で、便利な且つ心地よい熱の適用のための調節及び持続された温度を与えることができる。
7)本発明に係る粘着剤付きマイクロヒーターからなる温熱貼付剤は、扁平状袋体を構成する基材及び被覆材が非伸長性の材料で形成され、製造方法が簡単である。
8)表面に鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉を使用することにより、同じ発熱立ち上がり性を有する発熱組成物の場合、発熱組成物中の炭素成分を減少させることができるので、同容積であれば、鉄粉の割合が増え、発熱温度持続時間をより長くすることができる。
以上の通り、本発明は余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いたマイクロヒーターであって、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤を使用せず、易動水値で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、又疎水基の周辺において高い構造性を有して存在すると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に自由水と呼べる状態の水分もある。余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水も認められる。また、鉄粉が酸化反応を起こすためには、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量とが支配因子となる。吸着水膜(〜100Å)程度へは水分が十分でなく、酸化速度は小さいを言われている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になるとともに、水膜厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易なので、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えて厚くなると、酸素供給量が減少する。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表すが易動水値であり、0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止めることにより、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分がバリア層として機能しないため、本発明に用いる成形性発熱組成物は空気と接触して発熱する。また、前記マイクロヒーターは成形性発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を実質的に平面状の基材上に積層し、更に発熱組成物成形体の上に前記被覆材を被せ、シールすることにより、製造された発熱部を有し、積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱し、且つ、マイクロヒーター自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れたマイクロヒーター並びにそれらの製造方法を提供できる。また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体とにおいて、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周辺部及びマイクロヒーター周辺部をヒートシールすることによりマイクロヒーター製造の高速化が図れる。これにより、発熱組成物成形体と被覆材の間が粘着層により仮着されたマイクロヒーターが得られる。
本発明のマイクロヒーターは、余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物からなる発熱組成物成形体を、通気性を有する収納袋に収納したマイクロヒーターであって、
1)前記収納袋がヒートシール層を有する基材と被覆材とからなり、実質的に平面状で、ポケット、収納区画及び収納区域を有しない前記基材上に成形された発熱組成物成形体を積層し、前記被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより形成された発熱部を有し、
2)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が、0.1〜30cmであり、前記発熱組成物成形体の体積と発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
4)前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmであることを特徴とするものである。
尚、本発明では発熱組成物成形体は圧縮されていても良く、その圧縮体である発熱組成物圧縮体も発熱組成物成形体に含ませる。
凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤は、発熱反応に対しては有害であり、基材にポケットを設けることは成形が煩雑になり、コスト的に問題がある。本発明はこれらを使用せず、これらの問題を一気に解決したものである。
マイクロヒーターの構造は、少なくとも2つの対面する表面間に発熱組成物成形体が収納され、発熱組成物成形体の周辺部がシールされ、少なくとも1つの表面は酸素透過性であり、成形性発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体が2つの表面でシールされたとき、発熱組成物成形体容積、空間容積及び発熱部容積を有する。本発明では、各表面を構成する包材は基材と被覆材から構成され、通気性は少なくとも何れか一方又はその一部が有していれば良く、成形性発熱組成物が成形された発熱組成物成形体が積層される包材を基材と称し、積層後に、基材及び発熱組成物成形体に被せられる包材を被覆材と称する。また、少なくとも発熱組成物成形体が積層される基材は実質的に平面上であり、発熱組成物成形体を収納するポケットを有しない。
ここで、ポケットとは、特表平11−508786号公報に記載されている様な、収納用ポケットであり、それにより発熱組成物成形体が収納されるポケットである。発熱組成物成形体の収納用でない凹凸はポケットではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。本発明の方法と収納用ポケットを用いた方法を説明すると次のようになる。図2に示すように、本発明の基材3は実質的に平面であり、前記基材上に発熱組成物成形体を積層し、更に被覆材を被せ、発熱組成物成形体の周辺部をシールするものである。一方、収納用ポケットを用いる方法は予め、包材に収納用ポケット作っておき、その中に粒状の発熱組成物を充填し、更に別の包材を被せ、シールするものである。
本発明の成形方式の場合は、成形順序は発熱組成物成形体の大きさが決まり、次に発熱部の大きさが決まる。
本発明の固定手段としては、マイクロヒーターや発熱部を有するものを所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと雌ファスナーと締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等があるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に設けられていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層と親水性粘着剤から構成される親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有しで吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤層をマイクロヒーターに設ける場合、制限はなく、マイクロヒーターのシール処理後に粘着剤層をマイクロヒーターに設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法や、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間に通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法等が一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性がよく、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤や、テルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充墳剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等を適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上を施してもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、スチレン系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤としては、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとしては、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーとしては、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体が挙げられる。また、他のモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物で、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS等)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に防湿性包材を設けることが好ましい。これを使用することにより、マイクロヒーターを非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防止できる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m/day以下であり、好ましくは1.0g/m/day以下であり、より好ましくは0.5g/m/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m/dayである。ここでは、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材の例としては、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法についてはマイクロヒーターが固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
尚、温灸器としてのマイクロヒーターの温度は制限はないが、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは40〜65℃であり、更に好ましくは40〜50℃であり、更に好ましくは40〜45℃であり、更に好ましくは40〜43℃である。
また、40℃以上を保つ時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは1分〜4時間であり、更に好ましくは30分〜4時間であり、更に好ましくは1時間〜4時間である。
本発明のマイクロヒーターは連鎖させて、大型マイクロヒーターにすることもできるし、身体固定用包材等に容易に組み込むことができる。これらは体型にフィットし、心地良さを与え、使用感の優れたマイクロヒーターになる。
本発明の区分発熱部又は発熱組成物成形体は、最大幅は、通常、0.5〜60mmであり、好ましくは0.5〜50mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmであり、更に好ましくは5〜15mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。また、最高高さは、通常0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜10mmであり、更に好ましくは0.3〜10mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは2〜10mmである。また、最長長さは、通常5〜300mmであり、好ましくは5〜200mmであり、より好ましくは5〜100mmであり、更に好ましくは20〜150mmであり、更に好ましくは30〜100mmである。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cmであり、好ましくは0.04〜30cmであり、より好ましくは0.1〜30cmであり、更に好ましくは1〜30cmであり、更に好ましくは3〜20cmである。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
前記マイクロヒーターの形状は如何なるものでもよいが、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状、そらまめ形状、アイマスク形状、提灯形状、繭形状、瓢箪形状、角丸長方形状、角丸正方形状、卵形状、ブーメラン形状、まが玉形状、翼形状、鼻形状、星形状及び足形状の群の中から選ばれた形状とすることができる。
また、マイクロヒーター又は収納袋には、少なくとも一部に文字、図柄、記号、数字、模様、写真、絵、着色のいずれか一種以上を設けることもできる。
前記シールには、シールできればよく、そのシール法に制限はなく、所望により適宜選択する。例えば、粘着剤層及び/又は接着剤層及び/又はヒートシール層を介して加圧、加温、加熱等又はそれらの組み合わせ手段により圧着シール(粘着シール)、加温圧着シール(粘着シール)、接着シール、熱接着シール、熱融着シール(ヒートシール)等で、点状(欠線状)或いは全面状等にすることが一例として挙げられるが、その何れか又はその組み合わせは所望により選択する。これらにより、発熱部を封着形成できる。縫製加工もシールの一手段として使用できる。なかでものヒートシールが強度の点から好ましい。特に高速でヒートシールする場合は、粘着剤層を用いた圧着シールを仮着とし、その後ヒートシールする方法がヒートシールを確実にするという点から好ましい。
前記基材や被覆材等の収納袋を形成する基材において、シールされる周縁部のシール幅は適宜に決定しうる。通常は50mm以下であり、好ましくは1〜30mmであり、より好ましくは3〜20mmであり、更に好ましくは5〜20mmである。
また、少なくとも前記発熱組成物成形体の表面の一部を網状ポリマー等の通気性粘着剤層により覆ったり、また、前記通気性粘着剤層と被覆材の間に不織布等の敷材を設けてもよい。
また、発熱組成物成形体、基材、被覆材、通気性粘着剤層及び敷材の少なくとも1種の全面又はその一部に加圧処理等をしたり、また、凹凸を形成してもよい。これらにより、基材と被覆材間での積層体の移動を防止してもよい。
即ち、本発明の発熱組成物の成形物である発熱組成物成形体を加圧により適量圧縮したものは成形性が格段に向上し、例えば、通気部の素材に多孔質フィルムの代わりに、圧力調整が難しい穿孔フィルムを使用しても、収納袋の内圧が外圧以上になっても、形崩れが起こりにくく、多孔質フィルム及び穿孔フィルムの使用が可能であるので、通気性素材の選択の幅が拡がり、コストダウンができるとともに、被加温体を長時間、適度の温度で、均一に加温できる。
前記発熱部に磁気物質を含有させ、磁気効果による血行向上や肩こりの改善などを目的に磁石等の磁気物質を収容することもできる。
このようにすることにより、前記マイクロヒーターを、患部の筋肉やすじと前記粘着性膏体層とが平行になるように患部に貼付した際には、筋肉やすじの緊張に対して逆の物理的緊張が継続的に与えられることとなり、筋肉やすじの緊張が解きほぐされる。また、隣り合う筋肉やすじとの問に、断層的な歪みをもたらし、筋肉やすじの緊張を解きほぐすための上記物理的緊張が増強される。その結果、気血の滞留が解消され、生理痛の症状が緩和される。また、領域の刺激である、いわゆる「つぼ」の刺激も生理痛の症状緩和に効果がある。
前記マイクロヒーターは非通気性収納袋に収納され、保管、輸送されるが、その例としては、製造されたマイクロヒーターを2枚の非通気性フィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、前記2枚のフィルム又はシートを前記マイクロヒーター以上の大きさに打ち抜き、この打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記マイクロヒーターの大きさを超える周辺部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着したマイクロヒーターが一例として挙げられる。
前記マイクロヒーターは、非通気性収納袋である外袋に収納され、保管、輸送されるが、前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよい。
本発明のマイクロヒーターは、各種形状、厚み、温度帯が得られるため、通常の身体採暖用の外、貼付剤として使用できる。即ち、温灸用、足等の履物内用、関節用、美顔用、目用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク、手袋、痔瘻用、生理痛症状緩和用、肩用、座布団用、芳香用、腹部用、酸素吸収用、癌治療用等の各種用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温及び保温等へ利用できる。
また、前記マイクロヒーターの使用法としては、例えば、治療を必要とする人の痛みのある身体の部位にマイクロヒーターを適用し、皮膚の温度や、維持時間を治療を必要とする人によって適切に選択して、快適に、実質的に苦痛を緩和するようにして、急性、再発性、慢性の、筋肉の痛み、骨格の痛み、又は関連した痛みによる苦痛を治療する使用例が一例として挙げられる。
前記基材、被覆材を構成する素材としては、発熱組成物の収納袋として機能すれば制限はない。通常化学カイロやマイクロヒーターに使用されている素材が使用できる。例えば素材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの複合体の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m/24hr、更に好ましくは100〜700g/m/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明のマイクロヒーターにおいて、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよいたとえばOPP、CPP、ポリ塩化ビニリデン、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の酸化金属(半導体を含む)などにより防湿処理されたナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム、更にはアルミ箔又はアルミ蒸着されたプラスチックフィルムなどがあげられる。その例としては、製造されたマイクロヒーターを2枚の非通気性フィルム又はシートの間に封着したマイクロヒーターが一例として挙げられる。
前記成形性発熱組成物としては、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、凝集助剤及び凝集化剤及び集塊補助剤及び乾燥結合材及び乾燥結合剤及び乾燥バインダ及び粘着剤バインダ及び増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記余剰水による成形性を持ち、且つ発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こす発熱組成物であれば制限はない。
尚、本発明において、バリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすとは、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリア層として機能せず、発熱組成物製造直後に、空気と接触して直ちに発熱反応を起こすことをいう。
前記発熱組成物としては、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着剤バインダ、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記余剰水による成形性を持ち、且つ発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こす発熱組成物であれば制限はない。
更に所望により、前記発熱組成物は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を加えてもよい。
また、本発明の発熱組成物等は、その配合割合は特に限定されるものではないが、鉄粉100重量部に対して、反応促進剤1.0〜50重量部であり、水は1.0〜60重量部で、炭素成分1.0〜50重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、発熱組成物として易動水値が0.01〜20になるように配合割合を選択するのが好ましい。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
前記炭素成分としては、炭素を成分としたものであれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが一例として挙げられる。ドーピング等により導電性を有するものであってもよい。ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調製された活性炭や、動物産物、天然ガス、脂肪、油及び樹脂のような他の原料から調製されたものも一例として挙げられる。特に、吸着保持能を有する活性炭が好ましい。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記反応促進剤としては、発熱物質の反応促進ができるものであれば制限はない。金属ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属硫酸塩類等が一例として挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化第一鉄、臭化第二鉄、沃化ナトリウム、沃化カリウム等が一例として挙げられる。硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が一例として挙げられる。酢酸塩としては、酢酸ナトリウム等が一例として挙げられる。炭酸塩としては、炭酸第一鉄等が一例として挙げられる。金属硫酸塩類としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等が一例として挙げられる。
前記保水剤としては、保水できれば制限はない。木粉、パルプ粉、活性炭、おがくず、多くの綿毛を有する綿布、綿の短繊維、紙屑、植物質材料及び他の大きい毛細管機能と親水性とを有する植物性多孔質材料、活性白土、ゼオライト等の含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、パーライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、珊瑚化石、火山灰系物質(テラバルーン、シラスバルーン、タイセツバルーン等)等が一例として挙げられる。尚、これら保水剤の保水力の増加、形状維持力の強化等のため、焼成及び/又は粉砕等の加工処理をしたものもよい。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、NaCO、NaHCO、NaPO、NaHPO、Na10、NaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)、Ca(POなどが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl、FeCl、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記鉄粉とは、通常の鉄粉、鉄合金粉、鉄粉の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉又は鉄合金粉からなる活性鉄粉が好ましい。尚、鉄酸化物皮膜とは、鉄の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物等の酸素を含む鉄からなる皮膜である。また、活性鉄粉とは、鉄粉表面に鉄酸化物皮膜を少なくとも局部的に形成したもので、地鉄と鉄酸化物皮膜間に形成される局部電池や鉄酸化物皮膜内外のピットによる酸化反応促進効果が得られるものである。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては、
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
上記Aについて
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、上記活性鉄粉によれば、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を用いることにより、酸化性ガスと接触処理時の反応速度を上げ、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にする時間を10分以内で達成できる。所定温度以上に達する時間を短くすることにより、適正な活性化をすることができ、鉄粉上の不必要な酸化を防止できる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状のマイクロヒーターが生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
上記発熱組成物の温度上昇を測定する方法は次の通りである。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
マイクロヒーターの発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
前記酸化性ガス処理をした発熱組成物中の鉄粉又は活性鉄粉は、表面の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されている。鉄の酸素含有皮膜の表面の被覆程度は表面の少なくとも一部が被覆されていれば、制限はなく、全面でもよい。本発明の発熱組成物の場合、塩素イオン等の反応促進剤のイオンが発熱組成物に含まれるので、塩素イオン等の反応促進剤のイオンによる腐食効果により、酸化皮膜の防食効果がないので、一種の腐食である酸化反応が阻害されることはない。特に鉄の酸素含有皮膜が塩素イオン等の反応促進剤のイオンと共存して作成される場合は、その効果は大である。上記鉄以外の金属が表面にある場合はそれら鉄以外の金属以外の部分の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されていればよい。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著しく向上すると思われる。
上記Bについて
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
前記鉄粉が炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉も好ましく、前記炭素成分に対して、鉄成分が50重量%以上であれば前記炭素成分の割合は制限はないが、鉄粉表面が0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉は有用である。導電性炭素質物質は、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等が一例として挙げられ、ドーピングによって導電性を有するものであってもよく、鉄粉は、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、スポンジ鉄粉が一例として挙げられ、特に、導電性炭素質物質が活性炭で、鉄粉が還元鉄粉である場合がマイクロヒーターには有用である。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
マイクロヒーター中の発熱組成物の易動水値及び混合物やマイクロヒーター中の発熱組成物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量を測定する場合は、発熱組成物や混合物を各項目に従って測定すればよい。即ち、
1)易動水値
マイクロヒーターから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、その製造方法は、工業的に実用化が可能で、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が1〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を、0℃以上の環境下、酸化性ガスと接触させ、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にし、発熱混合物を製造し、該発熱混合物を原料とし、発熱組成物とするか、又は、その後、更に水分調整をし発熱組成物とするか、炭素成分等の添加や水分調整をし、発熱組成物としてもよい。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
水分調整とは発熱混合物を酸化性ガスと接触処理した後に水又反応促進剤の水溶液を加えることである。加える量には制限はないが、接触処理により、減量した重量を加えることや、所望の易動水値となる重量を加えることが一例として挙げられる。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、鉄粉、反応促進剤及び水を必須成分とした反応混合物を酸化性ガスで接触処理したものを原料にしたもので、通常は発熱混合物を水分調整したもので、発熱立ち上がりがよく、適量の余剰水と相まって、優れた成形性を有する発熱組成物である。また、これを使用して、使用時にすぐに温まるマイクロヒーターが製造できる。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
本発明の酸化性ガスの接触処理をした鉄粉を使用すると、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分を、例えば、20%以上減らすことができる。炭素成分添加量を減少することにより、コストが下がる。
本発明の発熱混合物の製造方法によれば、優れた発熱立ち上がり性、優れた親水性、優れた成形性を有する発熱組成物を得ることができる。易動水値0.01〜50、特に0.01〜20との併用により著しく優れた成形性と発熱特性を併せ持つ発熱組成物が得られる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのないマイクロヒーターが製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状のマイクロヒーターができる。
また、発熱組成物の発熱立ち上がり性を向上させる意味から、下記のものが好ましい。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
前記酸化性ガス処理をした発熱組成物又は活性鉄粉を含有する発熱組成物及びそれを利用してものを長時間保存する場合は、水素発生抑制剤を組み合わせるのが好ましい。これにより、水素発生が抑制され、保存時等に外袋の膨らみもなく、発熱立ち上がり性のよい発熱特性の優れたマイクロヒーターが得られるからである。
また、前記易動水値0.01〜20以外の発熱組成物は、立ち上がり特性に影響しない範囲において、水溶性高分子、凝集助剤、凝集化助剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤、賦形剤、凝集剤、可溶性粘着性素材を含有することができる。
また、市場に提供される、発熱組成物を収納袋に収納したマイクロヒーターは非通気性の収納袋である外袋に収納して長期保存可能を前提として提供されるので、水素発生抑制剤を含有した発熱組成物を使用することが好ましい。酸化性ガスの接触処理を経た発熱組成物は活性な組成物であるので、水素発生抑制剤を含有する事が肝要である。また、pH調整剤を併用するとその効力はより強化される。
また、易動水値0.01未満の発熱組成物は、その反応特性や発熱特性に影響しない範囲において、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤、賦形剤、水溶性高分子をそれぞれ0.01〜3重量部の範囲内で含有してもよい。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
本発明の成形性発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の粒径は、発熱組成物が成形性を有すれば制限はない。発熱組成物を成形した発熱組成物成形体のサイズである縦、横、高さの何れかが小さくなる場合は粒径を小さくする方が成形性が向上する。
更に、成形性発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。成形性発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
また、発熱組成物は、水分調整状態や余剰水量により、粉体又は粒状発熱組成物(易動水値が0.01未満)、成形性発熱組成物(易動水値が0.01〜20)、シャーベット状発熱組成物(易動水値が20を超え50以下)に分類することができる。易動水値により分類された発熱組成物は前記通りである。
本発明のマイクロヒーターの製造方法は、磁石や型を使用して、形状を作り、成形性発熱組成物を所望の形状に成形し、マイクロヒーターを製造する方法であれば、制限はなく型通し成形法や鋳込み成形法が一例として挙げられる。即ち、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、凝集助剤及び乾燥結合剤及び凝集化剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有する成形性発熱組成物を型通し成形等により成形した発熱組成物成形体を、実質的に平面状で、収納ポケットを有しない基材上に積層し、次に前記発熱組成物成形体を被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周辺部をヒートシールすることによりマイクロヒーターが形成される。
型通し成形の代わりに、鋳込み成形により成形し、同様にして、実質的に平面状で、収納ポケットを有しない基材上に積層し、マイククロヒーターを作成する事もできる。
また、成形性発熱組成物や熱組成物成形体を圧縮してもよい。その圧縮方法としては、制限はないが、成形性発熱組成物や成形性発熱組成物成形体を型内圧縮や型外圧縮する方法が一例として挙げられる。易動水値0.01〜20の余剰水を有する成形性発熱組成物に圧力をかけると粒子間が接し、摩擦力や余剰水の表面張力により粒子が固定され、砂団子状態になると推定している。これは基材上に積層され、被覆材を被せ、シールし、マイクロヒーターにするに十分に足りる形状維持性を持つ。発熱組成物や発熱組成物成形体を圧縮したものを発熱組成物圧縮体とするが発熱組成物成形体に含める。
型内圧縮とは、成形性発熱組成物が所望の形状の抜き穴型内に存在している間に、柔軟性のあるゴムロール等を使い、抜き穴内にゴムロール等を変形させながら押し込む。又は、抜き穴形状に合った押し込み形状を持つ押し込み型等を押し込むことにより成形性発熱組成物を圧縮するものである。次に圧縮された成形性発熱組成物成形体を実質的に平面状で、収納ポケットを有しない基材上に積層する方法である。一方、型外圧縮とは成形性発熱組成物が型からはなれ、成形性発熱組成物成形体として基材上に積層された後、前記成形性発熱組成物成形体をロール等で圧縮するものである。これは通常、成形性発熱組成物成形体を敷材及び/又は被覆材で覆った後に行うが、覆う前に行ってもよい。
また、発熱組成物積層体が積層された基材上にホットメルト系粘着剤等の粘着剤を少なくとも発熱組成物積層体の周辺部の基材上に設け、被覆材を被せ、圧着し、基材と被覆材とを仮着した後に、ヒートシールをしてもよい。高速ヒートシールをする場合には有用である。
ここでは、成形性発熱組成物、基材、被覆材、発熱組成物成形体、発熱部、マイクロヒーターの形状、材料、素材等、前記マイクロヒーターで上記記載のものすべてが使用、利用できる。
本発明のマイクロヒーターは前記シール工程後、カット工程等を経てマイクロヒーターを製造する。前記シール工程、カット工程等は従来方法、装置から適宜選択して使用すればよい。
また、前記シール工程において、シールはシールできれば制限はないが、通常、ヒートシール又は圧着シール及びその混合が使用される。シール部の表面は無地、断面形状が凹凸状の模様、無地と断面形状が凹凸状の模様の混合の何れでもよい。模様の混合とはシール部の内側が無地で外側が模様又はシール部の内側が模様で外側が無地又は部分的に無地、部分的に模様のことである。また、裏が無地で、表が模様でもよいし、その逆でもよい。また模様の一部又は全部が重複模様であってもよい。従ってシールロールもそれに準じた無地や模様のシールロールを使用する。また、一対のシールロールで行ってもよいし、二対以上複数設置し、多重シールをしてもよい。例えば、2連、3連、4連、5連等の多重シールである。シール幅は同じであっても、異なって適宜決めればよい。高速シールになるほど、連数はおおきくするのが好ましい。ヒートーシールロールや温度をかけた圧着シールロールを使用する場合、一対のロールの温度は同じでもよいし、一つのロールを他のロールの温度が異なってもよい。また、シール後、発熱部をロール等で、軽く押して、発熱部をより平坦にしてもよい。
型通し成形法とは抜き型を使用し、抜き型の抜き穴の一面を基材、ベルトやロール等で塞ぎ、他面より発熱組成物を収納し、所定の形状の成形する成形方法である。例えば、長尺の基材の上に型の抜き形状の発熱組成物成形体を積層する回転体状の成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、発熱組成物成形体の周辺部において基材と被覆材をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)する。ここで、シール器として、回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部をヒートシールし、封入処理すれば連続成形方法になる。
鋳込み成形法とは、凹部を有する鋳込み型への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材等の上へ積層する成型法である。連続式の場合は、回転体状回転体による凹部への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)する。ここで、シール器として、回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部をヒートシールし、封入処理すれば連続成形方法になる。
また、本発明の成形性発熱組成物の成形には、磁石を使用してもよい。所望形状に加工された磁石で発熱組成物を所望形状に形成してもよいし、他の方法へ磁石を利用すると、成形性発熱組成物の型内への収容や、その成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物積層体の成形がより容易になる。
尚、少なくとも前記発熱組成物成形体と被覆材の間に通気性粘着剤層を設けたり、発熱組成物成形体と被覆材の間に不織布等の敷材を設けたりして、マイクロヒーターを製造してもよい。
また、少なくとも発熱組成物成形体と被覆材の間に粘着剤から構成される通気性の粘着層を設ける場合は、少なくとも発熱組成物成形体と被覆材の間に通気性の粘着層が存在していれば、制限はない。例えば被覆材の発熱組成物成形体と対する面に設けてもよいし、発熱組成物成形体上や積層された前記発熱組成物成形体と基材に通気性の粘着層設け、被覆材と発熱組成物成形体及び/又は基材と間での加圧等による仮着や圧着シールが一例として挙げられる。
また、前記基材及び基材上に積層された発熱組成物成形体と被覆材間を、粘着層により圧着シールによる仮着をしてから、発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより確実なマイクロヒーターの高速製造方法が可能になる。
仮着に使用する粘着層の粘着剤は制限はないが、本発明で用いられる粘着剤層を構成する粘着剤が一例として挙げられる。それ設ける方法やその形態としては、制限はなく、グラビア印刷等の印刷法、コート法、メルトブロー法、カーテンスプレー法等により、粘着剤層に通気性が確保できれば制限はなく、点状、蜘蛛の巣状、網目状等が一例として挙げられる。特にメルトブロー法やカーテンスプレー法等により前記ホットメルト系粘着剤を蜘蛛の巣状に設けるのが好ましい。
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図6乃至図10を使って説明する。図6に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙23を、図7及び図8に示すように、ステンレス板27上に置き、前記濾紙23の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴25を持つ長さ150mm×幅100mmの型板24を置き、その中空円筒状の穴25付近に試料26を置き、押し込み板20を型板24上に沿って動かし、試料26を押し込みながら中空円筒状の穴25へ入れ、型板24面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、図9に示すように、前記穴25を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム22Aを置き、更にその上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板22を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図10に示すように、濾紙23を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部29から浸みだし先端までの距離28として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離28を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。
即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。
本発明において、易動水値0.01〜20の余剰水量を有する発熱組成物を成形した発熱組成物成形体は、基材に積層し、被覆材を被せ、少なくとも発熱組成物成形体の周縁部をシールするだけでマイクロヒーターとすることができる。基材や被覆材等の包材に収納した後は、水分を添加する必要がない。従って、工程が著しく簡素化されるので、コスト的にも優位性がある。
本発明での易動水値(0〜100)は、0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
本発明の余剰水を連結物質とした、成形性のある発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いたマイクロヒーターは、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤等を使用せず、易動水値0.01〜20で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。
発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、また、疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に、自由に動ける自由水と呼べる状態の水分もあり、余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水が増加すると思われる。また、鉄粉が酸化反応を起こす支配因子は、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量である。吸着水膜(100Å未満)程度では水分が十分でなく、酸化速度は小さいといわれている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になる。また、水膜の厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易となり、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えると、酸素供給量が減少すると推定される。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表す易動水値が0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止め、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分が実質的にバリア層として機能しないため、発熱組成物は空気と接触して発熱する。更に、活性鉄粉を用いた発熱組成物や活性発熱組成物を用いることにより発熱立ち上がり性の著しく優れ、また、成形性の高い発熱組成物となる。また、成形積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱する。更に、発熱組成物成形体をシール部により区分けした区分発熱部を複数設けることにより、マイクロヒーター自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れたマイクロヒーターを提供できる。
また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体において、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周縁部及びマイクロヒーター周辺部をヒートシールすることにより、ヒートシールの確実性が向上するので、マイクロヒーター製造の高速化及びヒートシール幅の小幅化が図れる。
本発明の成形性とは抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や、凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の成形体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式によるマイクロヒーターの製造は不可能である。
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明のマイクロヒーターの一実施例の平面図 同Z−Zの断面図 本発明のマイクロヒーターの他実施例の断面図 本発明のマイクロヒーターの他実施例の平面図 本発明のマイクロヒーターの他実施例の断面図 本発明の易動水値測定用濾紙の平面図 本発明の易動水値の測定を説明するための斜視図 本発明の易動水値の測定を説明するための断面図 同断面図 本発明易動水値測定実施後の濾紙の平面図
符号の説明
1 マイクロヒーター
2 発熱部
2B 発熱性組成物成形体
3 基材
4 被覆材
5 網状ホットメルト系粘着剤層
6 シール部
7 粘着剤層
7a セパレータ
20 押し込み板
22 平板
22A 非吸収性フィルム
23 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
24 型板
25 穴
26 試料
27 ステンレス板
28 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
29 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
(実施例1)
還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭5.0重量部、3%食塩水を混合した易動水値10の成形性発熱組成物を使用した。
次に、幅8mm×長さ50mm×厚さ3mmの抜き穴がある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物をセパレータ付き厚さ30μmSIS系粘着剤層付きポリエチレンフィルムからなる基材3のポリエチレンフィルム面上に発熱部2Bを構成する発熱組成物成形体2を積層し、次に、その上に穿孔ポリエチレンフィルムに目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4のポリエチレンフィルム側が発熱組成物成形体2Bに被せた後、各発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でシールすることにより、外寸で幅26mm×長さ68mmの粘着層付きマイクロヒーター1を得た(図1、図2)。
尚、通気性被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で1000g/m/24hrであった。
発熱組成物成形体の周辺部に発熱組成物成形体の崩れ片はなく、ヒートシールも確実に行うことができ、シール切れはなかった。
前記マイクロヒーターを外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行った。7分後42℃になり、3時間後に35℃になった。肩こりのつぼに貼り、身体発熱試験を行ったが、十分にお灸効果があり、使い勝手についても優れていた。
(比較例1)
易動水値を0以下にした以外は、実施例1と同様にして発熱組成物を製造した。実施例1と同様にしてマイクロヒーターを製造したが、発熱組成物成形体の周縁部に発熱組成物積層体の崩れ片が散在し、シール部でシール切れが生じた。
身体発熱試験を行ったが、温度が上がりすぎたり、温度が一定せず、マイクロヒーターとしては、使用できなかった。
(実施例2)
穿孔したポリエチレンフィルムに不織布を積層した包材を基材と被覆材に使用した以外は、実施例1と同様にしてヒートシール幅3mmの外寸直径31mmのマイクロヒーターを得た。
基材及び被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、1000g/m/24hrであった。
次に、前記マイクロヒーターの片面に厚さ1mm×直径24mmのセパレータ付き両面テープを貼着した。次に、前記マイクロヒーターを外袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行った。両面テープが設けられていない側の温度は、6分後41℃になり、ほぼ42℃を保持した後に3時間後に35℃になった。このマイクロヒーターを、肩こりのツボに貼り、身体発熱試験を行ったが、十分にお灸効果があり、使い勝手も優れていた。
(実施例3)
実施例1の発熱部を使用し、粘着剤層の代わりに台座を使用したマイクロヒーターを作成した(図4)。前記台座は、ポリエチレン発泡体の台紙の両面に粘着剤層7を設けて構成される。尚、人体等に貼着される側の粘着剤層7にはセパレータを設けている。尚、図5に示すものは、通気性被覆材4を発熱組成物成形体2Bに圧着したものである。
(実施例4)
実施例1のマイクロヒーターの形状を三角形状にしたマイクロヒーターを作成した(図4)。
(実施例5)
還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭5重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に入れた。
次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放系で、空気中に開放した状態で攪拌しながら、反応混合物の温度上昇分15℃になった時点で、非通気性収納袋に封入し、発熱混合物を得た。
次に、図5に示すように、直径8mm×高さ3mmの抜き穴がある抜き型を用いた型通し成形で、前記成形性発熱組成物をセパレータ付き厚さ30μmSIS系粘着剤層付きポリエチレンフィルムからなる基材3のポリエチレンフィルム面上に発熱部2Bを構成する発熱組成物成形体2を積層し、次に、その上に穿孔ポリエチレンフィルムに目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4のポリエチレンフィルム側が発熱組成物成形体2Bに接するように被せた後、各発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でシールすることにより、実施例1と同形状の外寸で直径28mmの粘着層付きマイクロヒーター1を得た。
尚、通気性被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で、1000g/m/24hrであった。
発熱組成物成形体の周辺部に発熱組成物成形体の崩れ片はなく、ヒートシールも確実に行え、シール切れはなかった。
前記マイクロヒーターを外袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行った。5分後40℃になり、ほぼ42℃を約3時間保った。このマイクロヒーターを肩こりのつぼに貼り、身体発熱試験を行ったが、十分にお灸効果があり、使い勝手も優れていた。
(比較例2)
酸化性ガス接触処理をしない以外は、実施例6と同様にしてマイクロヒーターを製造した。前記マイクロヒーターを非通気性収納袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行ったが、38℃に達するのに5分を要した。
(実施例6)
還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、保水剤3.0重量部(粒度300μm以下)、活性炭(粒度300μm以下)5.0重量部、11%食塩水を混合した易動水値8の成形性発熱組成物を使用した。
次に、図5に示すように、幅8mm、長さ100mm、厚さ3mmの抜き穴がある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、ポリエチレンフィルムからなる基材3の片面に発熱組成物成形体(幅8mm、長さ100mm、高さ3mm)2Bを設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4の多孔質フィルム面が発熱組成物成形体2Bと接するように被せた後、且つ発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でヒートシールすることにより、外寸で幅28mm×長さ116mmのマイクロヒーター1を得た(図4)。
尚、通気性被覆材4の通気性は、リッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、基材及び被覆材ともに伸長率1.2未満であった。発熱組成物成形体の周辺部に崩れ片はなく、ヒートシールも確実にされていた。
前記マイクロヒーターを非通気性収納袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、38℃に達した。本実施例のマイクロヒーターは、長方形状であるため、患部の筋肉や筋に沿って貼着することができるので、各種の症状緩和に効果がある。
(実施例7)
酸化性ガス処理装置として換気扇の羽形状の回転翼を備えたミキサーからなるバッチ式攪拌層を酸化性ガス接触処理装置として用い、酸化性ガスとして空気を使用した。
まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、木粉(粒度300μm以下)3.5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3.0重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水5重量部を混合し、易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に入れた。
次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放系で、空気中に開放した状態で、攪拌しながら、最高発熱組成物の温度が55℃で、2分間自己発熱させ、酸化性ガス接触処理をした。この反応混合物のウスタイト量は10%であった。次に、この反応混合物に11%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値10の成形性発熱組成物を得た。
次に、図5に示すように、直径8mm、高さ3mmの抜き穴が抜き型を用いた型通し成形で、前記成形性発熱組成物を用いて、ポリエチレンフィルムからなる基材3上に発熱部2Bを構成する発熱組成物成形体2Bを設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4の多孔質フィルム面が発熱組成物成形体2Bと接するように被せた後、各発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でシールすることにより、幅28mm×長さ116mmのマイクロヒーター1を得た。
尚、通気性被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、基材及び被覆材ともに伸長率は、
1.2未満であった。発熱組成物成形体の周辺部に崩れ片はなく、ヒートシールも確実に行われていた。
このマイクロヒーター1を外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行ったところ、3分で38℃に達した。このマイクロヒーター1は、例えば、身体固定用包材に組み込むこともできる。
(実施例8)
実施例3と同様にして、ウスタイト含有量が1%未満である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)25重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3重量部、消石灰0.5重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01未満の発熱混合物を接触処理装置容器内に入れた。
次に、20℃環境下、接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、攪拌しながら、自己発熱させ、反応混合物の温度上昇分が35℃になった時点で、非通気性収納袋に収納し、発熱混合物を得た。前記発熱混合物に11%食塩水を混合し、易動水値9の成形性発熱組成物を得た。
次に、前記成形性発熱組成物を用いて、直径10mm、高さ3mmの抜き穴がある抜き型を用いた型通し成形で、図5に示すように、セパレータ7a付き粘着剤層7を片面に設けたポリエチレンフィルムからなる基材3の粘着層のないポリエチレンフィルム面上に発熱部2Bを構成する発熱組成物成形体2を積層し、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4の多孔質フィルム上に、SIS系ホットメルト系粘着剤をメルトブロー法で網状に設け、前記網状粘着剤層を発熱組成物成形体と接するように被せた後、スポンジロールで圧着し、発熱組成物成形体及びその周辺部を仮着した。
その後、各発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でヒートシールすることにより、外寸で直径30mmのマイクロヒーター1を得た。
尚、通気性被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、基材及び被覆材ともに伸長率1.2未満であった。発熱組成物成形体の周辺部に発熱組成物成形体の崩れ片はなく、ヒートシールも確実に行え、シール切れはなかった。このマイクロヒーター1を外袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーターを取り出し、発熱試験を行い、3分で38℃に達した。
このマイクロヒーター1は、例えば、身体固定用包材に組み込むこともできる。
(実施例9)
直径約0.5mmの26個のピンで、LDPEで被覆されたポリプロピレン不織布からなる非通気性被覆材に孔を開け、通気性被覆材を作製した。この孔開け法により、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。
前記被覆材を使用した以外は、実施例3と同様にして、実施例1と同形状の直径30mmのマイクロヒーター1を作製した。このマイクロヒーター1を外袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーター1を取り出し、発熱試験を行ったところ、3分で、38℃に達した。
このマイクロヒーター1は、例えば、身体固定用包材に組み込むこともできる。
(実施例10)
次に、直径8mm、高さ3mmの抜き穴がある抜き型を用いた型通し成形で、実施例2の成形性発熱組成物を用いて、ナイロン製不織布とポリエチレンフィルムの積層体からなり、前記ナイロン製不織布側にセパレータ付き厚さ30μmSIS系粘着剤層を設けた基材3を用い、前記ポリエチレンフィルム面上に発熱部2Bを構成する発熱組成物積層体2を積層し、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/mのナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材4の多孔質フィルム側が発熱組成物成形体2Bに接するように被せた後、各発熱組成物成形体2Bの周辺部を8mmのシール幅でシールすることにより、直径28mmの粘着層付きマイクロヒーター1を得た。
尚、通気性被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、基材及び被覆材ともに伸長率1.2未満であり、被覆材及び基材は伸長性はなかった。発熱組成物成形体の周辺部に崩れ片はなく、ヒートシールも確実に行うことができ、シール切れはなかった。
また、粘着剤層付き基材は次のようにして作製した。
ブチルゴム5.0重量部、ポリイソブチレン5.0重量部、ポリスチレンブタジエンゴム5.0重量部、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体25.0重量部、流動パラフィン15.0重量部、二酸化ケイ素0.6重量部を、加熱加圧下で混合し、これに、ロジンエステル樹脂42.0、高吸水性ポリマー1.4重量部、酢酸トコフェロール1.0重量部を添加して粘着剤を調製した。
このマイクロヒーター1を外袋に収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からマイクロヒーター1を取り出し、肩こりのつぼに貼り、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが3時間続いた。同時に、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
また、肩の筋肉疲労を有する被験者15人を対象に、患部に、薬剤入り粘着剤層を有するマイクロヒーター1を貼着し、3時間経過後の症状の改善度を評価した。温感について、非常に強く感じる者は11人、強く感じる者は4人であった。患部の症状の改善については、顕著に改善されたと感じた者は9人、中程度の改善が得られたと感じた者は6人であった。
また、被験者全員が、この温熱貼着剤が使用中に剥離することがない上、外皮との密着性が良好であり、違和感がなく、使用感が良好であると訴えた。
(実施例11)
アクリル酸エチルヘキシル−メタクリル酸ドデシル共重合体樹脂91重量%及びミリスチン酸イソプロピル9重量%からなる粘着剤97.9重量%を酢酸エチルに溶解し、ビタミンE2.0重量%、ニコチン酸ベンジルエステル0.1重量%と混合して粘着剤を得た。実施例1と同様な直方体状の試験片を作製し、粘着剤層を基材側に設け、幅28mm、長さ116mmの薬剤入り粘着剤層付きマイクロヒーター1を得た。
ふくらはぎに、疲労を有する被験者15人を対象に、患部に、試験片を貼着し、3時間経過後の症状の改善度を評価した。温感について、非常に強く感じる者は11人、強く感じる者は4人であった。患部の症状の改善については、顕著に改善されたと感じた者は9人、中程度の改善が得られたと感じた者は6人であった。
また、被験者全員が、この温熱貼着剤が使用中に剥離することがない上、外皮との密着性が良好であり、違和感がなく、使用感が良好であると訴えた。

Claims (17)

  1. 余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物からなる発熱組成物成形体を、通気性を有する収納袋に収納したマイクロヒーターであって、
    1)前記収納袋がヒートシール層を有する基材と被覆材とからなり、実質的に平面状で、ポケット、収納区画及び収納区域を有しない前記基材上に成形された発熱組成物成形体を積層し、前記被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより形成された発熱部を有し、
    2)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分として含有し、成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
    3)前記発熱組成物成形体の体積が、0.1〜30cmであり、前記発熱組成物成形体の体積と発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
    4)前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmであることを特徴とするマイクロヒーター。
  2. 前記発熱組成物成形体、発熱部及びマイクロヒーターの形状が、円形状、三角形状、星形状、長方形状、正方形状、花形状、楕円形状、立方体形状、平行六面体形状、多角錐形状、円錐形状、円柱体形状、楕円柱形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、円筒形状及び球形状の群から選ばれた少なくとも1種の形状であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  3. 前記発熱部の形状は、円柱体形状であり、直径が1〜50mmであり、最高の高さが0.1〜10mmであることを特徴とする請求項2に記載のマイクロヒーター。
  4. 前記発熱部の形状は、平行六面体形状であり、最大の長さが5〜200mmであり、最大の幅が1〜50mmであり、最大の高さが0.1〜10mmであり、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより発熱部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロヒーター。
  5. 前記発熱部の形状は、楕円柱形状であり、最大の幅が3〜30mmであることを特徴とする請求項2に記載のマイクロヒーター。
  6. 前記発熱部の最大の幅が1〜50mmであり、最大の高さが0.1〜10mmであり、最長の長さが5〜200mmであることを特徴とする請求項2に記載のマイクロヒーター。
  7. 前記発熱部の形状が立方体形状であり、最大の幅が5〜30mmであり、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより前記発熱部が形成されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロヒーター。
  8. 少なくとも前記発熱組成物成形体が圧縮されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  9. 前記ヒートシール部は、前記ヒートシール層上に形成された粘着剤層による仮着後、ヒートシールすることにより形成され、前記ヒートシール部には前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  10. 前記成形性発熱組成物が、少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とした混合物を、酸化性ガスに接触処理をした成分を含有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  11. 前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において、酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を、20〜100重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  12. 前記鉄粉が、少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、鉄とのX線ピーク強度比としてウスタイト量が2〜50重量%である活性鉄粉を、20〜100重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  13. 前記成形性発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  14. 前記成形性発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の80%以上が粒径300μm以下であり、且つ、最大粒径が1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  15. 前記基材又は前記被覆材において、露出面の少なくとも一部に固定手段として粘着層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロヒーター。
  16. 通気性収納袋に発熱組成物成形体を収納したマイクロヒーターの製造方法であって、
    1)余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を成形し、前記発熱組成物成形体を実質的に平面状で、収納ポケットを有しない基材上に積層し、被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより発熱部を形成し、
    2)前記成形性発熱組成物として、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、前記成形性発熱組成物中の水の含有量が1〜60%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすものとし、
    3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cmとし、前記発熱組成物成形体の容積と前記発熱部の容積との比率が0.6〜1.0とし、
    4)前記発熱部の最大高さが0.1〜10mmとしたことを特徴とするマイクロヒーターの製造方法。
  17. 少なくとも前記発熱組成物成形体の周縁部において、前記記基材と前記被覆材を、粘着層を介して仮着後、ヒートシールすることを特徴とする請求項16に記載のマイクロヒーターの製造方法。
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