JPWO2005023953A1 - 高温貼り付け可能な耐熱ラベル - Google Patents
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Abstract
本発明は、300〜1100℃の高温条件において貼り付けが可能な耐熱ラベル用組成物、耐熱ラベル、該ラベルが貼り付けられた製品、及び該ラベルの製造方法に関する。(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂、(C)溶剤及び任意に(D)無機粉末を含有する組成物の半硬化(hardened)塗膜を粘着層として有する耐熱ラベルが高温条件において貼り付け可能である。即ち、本発明は、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である、耐熱ラベル用組成物、該組成物を使用した耐熱ラベル、並びに該ラベルが貼り付けられた製品などに関する。
Description
本発明は、300℃以上の高温条件において貼り付けが可能な耐熱ラベル用組成物、耐熱ラベル、該ラベルが貼り付けられた製品、及び該ラベルの製造方法に関する。
食品、機械、化学などの広い工業分野において、生産物又はその包装に、記号、文字、パターンなどを印刷したラベル、つまりパターン形成ラベルが貼り付けられ、工程管理に利用されている。その代表的な例がバーコードを利用した管理システムである。このバーコード管理システムでは、製品の製造状況、製造責任者、製造工程時間、出荷先、価格などの情報をバーコードラベルから機械的に読み取ることにより、製造、販売、流通の管理を行うようにしている。
しかし、耐熱性の低い樹脂や紙などでラベルを作製し、これにアクリル樹脂などからなる粘着剤を付着させた現在汎用されているバーコードラベルは、300℃以上の高温条件においては、ラベル本体及び粘着剤ともに分解蒸発してしまうため、窯業、金属工業などの高温処理工程を要する工業分野などでは使用できない。また、日本特許公報第2614022号には耐熱ラベルが開示されているが、高温条件下で貼り付けることについての開示はない。さらに特開2003−126911号には、アルミニウムコイルの加熱加工工程を利用した焼き付けラベルが開示されているが、貼り付け時の温度が150℃以下でないと情報が不鮮明になることが明細書中の比較例3に示されている。
このため、金属鉱業分野では、金属を溶融形成せしめた後、金属製品がラベルが正常に機能する温度域(多くの場合室温程度)まで冷却してから、製品管理用のラベルを貼り付けていた。窯業やガラス工業などの高温処理を要する分野でも同様であった。
しかし、耐熱性の低い樹脂や紙などでラベルを作製し、これにアクリル樹脂などからなる粘着剤を付着させた現在汎用されているバーコードラベルは、300℃以上の高温条件においては、ラベル本体及び粘着剤ともに分解蒸発してしまうため、窯業、金属工業などの高温処理工程を要する工業分野などでは使用できない。また、日本特許公報第2614022号には耐熱ラベルが開示されているが、高温条件下で貼り付けることについての開示はない。さらに特開2003−126911号には、アルミニウムコイルの加熱加工工程を利用した焼き付けラベルが開示されているが、貼り付け時の温度が150℃以下でないと情報が不鮮明になることが明細書中の比較例3に示されている。
このため、金属鉱業分野では、金属を溶融形成せしめた後、金属製品がラベルが正常に機能する温度域(多くの場合室温程度)まで冷却してから、製品管理用のラベルを貼り付けていた。窯業やガラス工業などの高温処理を要する分野でも同様であった。
しかしながら、金属製品の温度が室温付近になるまで待ってラベルを貼り付けると冷却に要する時間やエネルギー、冷却場所の確保が必要となるため、金属製品の製造効率の点から、より高温時にラベルを貼り付けることによってより早く製品管理を行うことが必要とされていた。従って、本発明は、高温条件下で貼り付け可能な耐熱ラベルの提供を目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂、(C)溶剤及び任意に(D)無機粉末を含有する組成物の半硬化(hardened)塗膜を粘着層として有する耐熱ラベルが300℃以上の高温条件において貼り付け可能であることを見出した。さらに、本発明者らは、支持体の片面側にアルミニウム箔層を有する耐熱ラベルが、700℃以上の高温条件において貼り付け可能であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の組成物、耐熱ラベル、製品及び製造方法に係るものである。
項1:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である、耐熱ラベル用組成物。
項2:
さらに(D)無機粉末を含有し、(D)無機粉末の配合割合が約0.0001〜約80重量%である耐熱ラベル用組成物。
項3:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約3:約7〜約8:約2である項1又は2に記載の耐熱ラベル用組成物。
項4:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂の重量平均分子量が約500〜約10000である項1〜3のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項5:
(B)シリコーン樹脂の重量平均分子量が約200〜約5000000である項1〜4のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項6:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂がポリチタノカルボシラン樹脂及びポリジルコニアカルボシラン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である項1〜5のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項7:
支持体の片面上に項1〜6のいずれかに記載の組成物を塗布し、該組成物から溶剤を乾燥させて得られる半硬化(hardened)塗膜からなる粘着層を有する耐熱ラベル。
項8:
前記粘着層の厚みが約5〜約100μmである項7に記載の耐熱ラベル。
項9:
前記支持体の厚みが約5〜約100μmである項7又は8に記載の耐熱ラベル。
項10:
前記支持体がアルミニウム箔、ステンレス箔又は銅箔である項7〜9のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項11:
支持体のもう一方の片面上に、耐熱性のラベル基材層を有する項7〜10のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項12:
前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである項11に記載の耐熱ラベル。
項13:
前記ラベル基材層が、項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である項11又は12に記載の耐熱ラベル。
項14:
前記ラベル基材層上に識別部を有する項11〜13のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項15:
項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルが、硬化粘着層を介して貼り付けられた製品。
項16:
項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して半硬化塗膜にする工程を有する耐熱ラベルの製造方法。
項17:
前記塗布物を乾燥する温度が約50〜約240℃である項16に記載の製造方法。
項18:
項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程の前に、耐熱性のラベル基材層用組成物を支持体のもう一方の面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して硬化(cured)塗膜とする工程を有する項16又は17に記載の製造方法。
項19:
前記ラベル基材層用組成物が項1〜6のいずれかに記載の組成物である項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
項20:
約300〜約670℃の製品に項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
項21:
支持体と該支持体の片面側にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を積層してなる耐熱ラベル。
項22:
前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層が接着層を介して前記支持体と接着されている項21に記載の耐熱ラベル。
項23:
前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層の厚みが5〜100μmである項21又は22に記載の耐熱ラベル。
項24:
前記支持体がステンレス箔、銅箔又は鉄箔である項21〜23のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項25:
前記支持体のもう一方の片面側に、耐熱性のラベル基材層を有する項21〜24のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項26:
前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである項25に記載の耐熱ラベル。
項27:
前記ラベル基材層が、項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である項25又は26に記載の耐熱ラベル。
項28:
前記ラベル基材層上に識別部を有する項25〜27のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項29:
項21〜28のいずれかに記載の耐熱ラベルが貼り付けられた製品。
項30:
約300〜約1100℃の製品に項21〜29のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
本発明の耐熱ラベル用組成物は、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である。
本発明では、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂を配合することにより、高温条件下での貼り付けが可能となる。(A)ポリメタロカルボシラン樹脂は、例えば、ポリカルボシランと金属のアルコキシドとを反応させて得られる架橋構造を有する樹脂である。前記の金属としては、チタン、ジルコニウム、モリブデン、クロム等が通常使用され、これらの中でもチタン、ジルコニウムが好ましく使用される。好ましい(A)ポリメタロカルボシラン樹脂の具体的な化合物名としては、ポリチタノカルボシラン樹脂、ポリジルコニアカルボシラン樹脂などが挙げられる。ポリチタノカルボシラン樹脂を含む混合物としては、例えば宇部興産社製のチラノコートVS−100、チラノコートVN−100などを使用することができる。ポリメタロカルボシラン樹脂の重量平均分子量は約500〜約10000が好ましく、約700〜約3000がより好ましい。
本発明において、(B)シリコーン樹脂は、ポリオルガノシロキサン構造を分子内に有する化合物である。シリコーン樹脂としては、ストレートシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂のいずれもが使用でき、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。好ましいのはストレートシリコーン樹脂である。また、これらの樹脂は、そのまま、あるいは溶剤に溶解した樹脂液として用いられるが、ラベルを製造する際の支持体への塗布工程を容易にするため、溶剤に溶解した樹脂液として用いるのが望ましい。
このような(B)シリコーン樹脂の重量平均分子量は、通常約200〜約5000000、好ましくは約1000〜約1000000である。
ストレートシリコーン樹脂とは、炭化水素基を主たる有機基とするオルガノポリシロキサンであり、水酸基を有していてもよい。上記の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基があり、その中でも、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましい。これらの炭化水素基は、1種であっても2種以上であってもよい。
炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などがある。炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基、ナフチル基、スチリル基、アリルフェニル基、プロペニルフェニル基などがある。
ストレートシリコーン樹脂は、例えば、上記の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含有するクロロシラン化合物やアルコキシシラン化合物からなる1種又は2種以上のシラン化合物を加水分解して縮合させるか、上記のシラン化合物にテトラクロロシランやテトラアルコキシシランを加えた混合物を加水分解して共縮合させることにより、得られる。
上記のクロロシラン化合物としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシランなどが挙げられる。
また、アルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルメチルメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジプロポキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
変性シリコーン樹脂とは、炭化水素基以外の有機基を含むオルガノポリシロキサンであって、例えば、メトキシ基含有シリコーン樹脂、エトキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂などがある。
これらの変性シリコーン樹脂は、例えば、ストレートシリコーン樹脂中に含まれる水酸基と、この水酸基と反応しうるカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アルデヒド基、エポキシ基、クロリド基などの官能基を有する有機化合物とを反応させる方法、ビニル基などの不飽和炭化水素基を有するストレートシリコーン樹脂と不飽和二重結合を有する化合物を共重合させる方法、上記のシラン化合物と他の有機化合物とを反応させて得た変性シラン化合物を加水分解により縮合又は共縮合させる方法などにより、得られる。なお、反応させる有機化合物は、低分子化合物でも樹脂のような高分子化合物でもよい。
(B)シリコーン樹脂の具体的な化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルメチルフェニルシリコーンレジン等を挙げることができる。
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合割合は、約1:約9〜約9:約1である。好ましい重量配合割合は、約3:約7〜約8:約2である。両樹脂の配合割合が上記の範囲内のときは、高温条件下における貼り付けに有利である。また、両樹脂の合計量が本発明組成物の約5〜約50重量%であることが好ましく、約10〜約45重量%であることがより好ましい。
本発明において、(C)溶剤は、組成物中の成分を溶解又は分散し、組成物の粘度を調整する働きを有する。(C)溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、セロソルブアセテート、酢酸エチル、ブチルカルビトール、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)などが用いられる。好ましくは、キシレン、トルエンである。(C)溶剤の配合量は、本発明の組成物を使用して耐熱ラベルを製造することができる限り特に制限されない。従って、(C)溶剤の配合量は、本発明の組成物を支持体に塗布し、乾燥する場合に有利な粘度となるよう適宜調整可能である。通常、本発明の組成物の約15〜約70重量%であり、好ましくは約20〜約50重量%である。
本発明において、(D)無機粉末は、熱による耐熱ラベルの膨張及び収縮を緩和するため、(D)無機粉末の配合により耐熱性を向上させることができる。このため、(D)の無機粉末を配合することが好ましい。また、(D)無機粉末に着色顔料を使用するとラベル基材層に色を付与することができる。(D)無機粉末は、1種又は2種以上を用いることができる。また、粒径は、約0.01〜約200μmが好ましく、約0.1〜約100μmがより好ましい。(D)無機粉末の形状は特に限定されない。例えば、チタン酸カリウムウィスカー等の単結晶無機繊維などのアスペクト比の大きなものも(D)無機粉末に包含される。(D)無機粉末の配合量は、通常、本発明の組成物の約0.0001〜約80重量%であり、好ましくは約1〜約65重量%である。
(D)無機粉末としては、無機顔料を好ましく使用できる。例えばシリカ、二酸化チタン、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、マイカ、酸化カルシウム、硫化亜鉛・硫酸バリウム(リトポン)、タルク、クレー、カオリン、炭酸カルシウムなどの白色物があげられる。また、耐熱ラベル製造時の加熱によって酸化されてこれらの白色物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの金属化合物もあげられる。また、鉄、銅、金、クロム、セレン、亜鉛、マンガン、アルミニウム、錫等の金属イオンを含む赤褐色物(例えば、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄など);マンガン、クロム、アルミニウム、コバルト、銅、鉄、ジルコニア、バナジウム等の金属イオンを含む青色物(例えば、酸化コバルト・酸化アルミニウム、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウムなど);鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト、アルミニウム等の金属イオンを含む黒色物(例えば、酸化銅・酸化クロム・酸化マンガン、酸化クロム・酸化マンガン・酸化鉄、酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガン、クロム酸塩、過マンガン酸塩など);バナジウム、亜鉛、錫、ジルコニウム、クロム、チタン、アンチモン、ニッケル、プラセオジム、バナジウム等の金属イオンを含む黄色物(例えば、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化クロム、酸化亜鉛・酸化鉄、ジルコニウム・ケイ素・プラセオジム、バナジウム・錫、クロム・チタン・アンチモンなど);クロム、アルミニウム、コバルト、カルシウム、ニッケル、亜鉛等の金属イオンを含む緑色物(例えば、酸化チタン・酸化亜鉛・酸化コバルト・酸化ニッケル、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム・酸化チタン、酸化クロム、コバルト・クロム、アルミナ・クロムなど);鉄、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、マンガン等の金属イオンを含む桃色物(例えば、アルミニウム・マンガン、鉄・ケイ素・ジルコニウムなど)も(D)無機粉末として使用できる。好ましくは、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化クロム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化チタン・酸化亜鉛・酸化コバルト・酸化ニッケル、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化コバルト・酸化アルミニウム、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化銅・酸化クロム・酸化モリブデン、酸化銅・酸化クロム・酸化マンガン、酸化銅・酸化マンガン・酸化鉄である。カオリンを用いたラベルは、貼り付け時にラベル貼り付け機のヘッド部の繊維と接触しても、ラベル基材層に印刷される識別部が取れにくいため、より好ましい。
また、本発明の耐熱ラベル用組成物には、(E)分散剤を配合することが好ましい。(E)分散剤を配合することによって分散速度が向上し、組成物の調製が容易になるためである。(E)分散剤としては、脂肪族多価カルボン酸、ポリエステル酸のアミン塩、ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリエーテルエステル酸のアミン塩、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、ポリエーテルリン酸エステル、ポリエステル酸のアマイドアミン塩などが使用できる。分散剤は、本発明の組成物の約0.01〜約5重量%、好ましくは約0.1〜2重量%使用することが好ましい。
また、本発明の耐熱ラベル用組成物には、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂、(C)溶剤、(D)無機粉末、(E)分散剤以外に、必要に応じて、架橋剤、可塑剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
架橋剤としては、ホウ酸化合物、有機金属化合物などがある。このうち、ホウ酸化合物は、分子内にホウ酸残基を含む化合物であり、例えば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステルなどがある。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、無水ホウ酸などがあり、ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウムなどがあり、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸メチル、ホウ酸エチル、ホウ酸ブチル、ホウ酸オクチル、ホウ酸ドデシルなどがある。これらのホウ酸化合物の中でも、オルトホウ酸がとくに好ましい。
また、有機金属化合物としては、有機ニッケル化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、有機マンガン化合物、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物などがあり、この中でもキレート化合物が好ましい。架橋剤は、架橋剤中の金属の量が(A)樹脂及び(B)樹脂の合計100重量部に対し約0.05〜約10重量部、好ましくは約0.1〜約5重量部となるように配合することが好ましい。
可塑剤としては、脂肪族エステル、芳香族エステル、リン酸エステルなどがある。脂肪族エステルには、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジラウリン酸エステル、アジピン酸ジ(2−エチルブトキシエチル)などがあり、芳香族エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジラウリル、安息香酸オレイル、オレイン酸フェニルなどがあり、リン酸エステルとしては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルなどがある。これら可塑剤の添加により、ラベル基材層の柔軟性をさらに向上できる。
本発明の組成物は、上記の成分を混合及び分散することによって調製できる。分散する方法としては、ビーズミル、ディスパーボールミル、サンドミル、ロールミル等のミル分散機等の分散機にて分散する方法が揚げられる。分散機における分散粒度は、約0.01〜約200μmが好ましく、約0.1〜約20μmがより好ましい。
また、本発明の組成物は、約300〜約670℃での使用に適した本発明耐熱ラベルの粘着層を形成する原料として使用できる。即ち、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が除去される程度に乾燥し、該組成物を半硬化(hardened)塗膜とならしめることによって、粘着層が形成される。さらに、本発明の組成物は、本発明の耐熱ラベルのラベル基材層を形成する原料として使用できる。即ち、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、ラベル基材層が形成される。
本明細書において、半硬化塗膜とは、本発明の組成物を、少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下において粘着層としての機能を有するものをいう。粘着層としての機能を有する範囲内で樹脂の架橋が進行しても良い。溶剤が残存すると高温条件下で発火するおそれがある。このため、半硬化塗膜中の溶剤の残存量は約0.1重量%以下、好ましくは、0.0001重量%以下である。溶剤を除去する乾燥過程で前記組成物中の樹脂の架橋が発生する可能性があるが、架橋が進行しすぎると硬化(cure)が進行し、高温条件下における粘着機能を失うため、半硬化塗膜形成時には、溶剤が除去され、架橋が進行する場合には高温条件下での粘着機能を保持する範囲内での架橋となるような乾燥条件とすることが重要である。
硬化塗膜は、耐熱ラベルのラベル基材層として有用である。例えば、後述の本発明の耐熱ラベルのラベル基材層として使用できる。また、ステンレス箔等の支持体を貼り付け対象物に溶接(スポット溶接等)により貼り付けられるラベルも知られているが、前記の硬化塗膜は溶接で貼り付けられるラベルの基材層としても使用できる。
また、本明細書において、硬化塗膜とは、本発明の組成物を、少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下の貼り付け時において、貼り付け機械に付着せず、識別部を有する場合にはその識別部が保持される程度に硬化しているものをいう。貼り付け機械に付着しないためには、架橋を進行させて硬化させる必要があるため、硬化塗膜の形成には、必然的に半硬化塗膜形成時の乾燥条件より厳しい乾燥条件が必要となる。
本発明の耐熱ラベルは、約300℃以上の貼り付け対象物への貼り付けに適している。また、本発明の耐熱ラベルは、貼り付け対象物の温度が通常、約300℃〜約670℃での使用に適した耐熱ラベルと、該温度が約300℃〜約1100℃、好ましくは約670〜1100℃での使用に適した耐熱ラベルとに大別される。本明細書においては前者を耐熱ラベル1、後者を耐熱ラベル2と称することがある。
本発明の耐熱ラベル1について説明する。耐熱ラベル1は、支持体の片面上に上記本発明の組成物を塗布し、該組成物から溶剤を乾燥させて得られる半硬化塗膜からなる粘着層を有する。また、耐熱ラベル1には、支持体の、粘着層を有する面とは反対の面に耐熱性のラベル基材層を設けることも可能である。ラベル基材層を設けない場合には、支持体に直接バーコード等の識別部を設けることが可能である。
本発明の耐熱ラベル1において、支持体は、フィルム状で耐熱性を有する物質が使用され、金属箔が好ましく使用される。支持体には微小な孔が設けられていても良い。孔を設けることによって、支持体に積層された粘着層やラベル基材層に含有される樹脂が高温下で分解する際に生じるガスが抜けやすくなり、ラベル基材層の膨張を抑制することができる。また、支持体の材質が、ラベルの貼り付け対象物となる製品と同じ材質であると、熱による膨張や収縮に対して比較的耐性のあるラベルとなる。金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などが例示できる。より好ましい支持体はアルミニウム箔である。支持体の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約50μm、より好ましくは、約10〜約40μmである。支持体が前記の範囲内にあると、熱膨張又は熱収縮を抑制する効果が大きいためラベルの崩壊が抑制され、柔軟性も併せ持つため貼り付け時に貼り付け対象物の形状に合わせることができる。
アルミニウム箔としては、JIS合金1N30、1085、1N90、1N99、3003、3004、5052、8079、8021等を使用することができ、好ましくは1N30である。
ステンレス箔としては、マルテンサイト系(SUS410,SUS440)、フェライト系(SUS430,SUS444)、オーステナイト系(SUS304,SUS316)、二相系(SUS329J1,SUS329J4L)、SUS630、SUS631等を使用することができる。
その他の金属としてはJIS規格SPHC、SPCC、SECC、SGCC、SZACC、SA1C等が使用できるがSPHC、SPCC規格のものが好ましい。
上記の支持体としては、通常、金属箔として市販されているものを使用することができ、入手は容易である。
本発明の耐熱ラベル1において、粘着層は、上記の半硬化塗膜をいう。即ち、本発明の組成物を少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下において粘着層としての機能を有するものである。
粘着層を形成するための、本発明の組成物を乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物が乾燥されて、高温条件下において粘着層として使用できる限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約50〜240℃、好ましくは約80〜約200℃で約1分〜約60分間、好ましくは約1分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の風量に応じて適宜調節できる。
粘着層の乾燥時の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約60μmである。乾燥膜厚がこの範囲にあると、被着体との接着性に優れ、粘着層の凝集破壊が抑制される。
本発明の耐熱ラベル1は、支持体の片側に粘着層を有するが、支持体のもう一方の側に耐熱性のラベル基材層を設けることもできる。ラベル基材層は300℃以上の高温条件に耐えるものであれば、従来使用又は報告されているラベル基材形成用の組成物、例えばシリコーン樹脂、無機粉末及び有機溶剤を含有する組成物を乾燥して得られる塗膜などが使用できる。また、本発明の組成物を乾燥して得られる硬化塗膜もラベル基材層として使用できる。該ラベル基材層は、支持体の片側に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が実質的に除去され、かつ該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、形成することができる。
本発明の組成物を使用してラベル基材層を形成する際に、本発明の組成物を乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物が乾燥されて高温条件下においてラベル基材層として使用できる限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約245〜500℃、好ましくは約250〜約400℃で約1分〜約40分間、好ましくは約2分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の風量に応じて適宜調節できる。ラベル基材層の乾燥時の厚みは、通常、約0.5〜約100μm、好ましくは、約1〜約60μmである。
なお、本発明の組成物が硬化したラベル基材層を有する耐熱ラベル1を製造する場合には、まず支持体の片側にラベル基材層を形成し、次いで支持体の反対の側に粘着層を形成する。これは、ラベル基材層形成にて使用される乾燥条件が粘着層形成にて使用される乾燥条件より厳しいため、粘着層を形成してからラベル基材層を形成すると、両層とも硬化塗膜となり、高温条件下での耐熱ラベルの貼り付けができなくなるためである。従来のラベル基材形成用の組成物を使用してラベル基材層を形成する場合には、該組成物に適用される乾燥条件と、粘着層に適用される乾燥条件とを考慮して、層形成の順番を適宜設定できる。
本発明の耐熱ラベル1の製造方法は、本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して半硬化塗膜にする工程を有する。
本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程としては、例えば、本発明の組成物が、スクリーン印刷等の印刷、ロールコーター方式、グラビヤロールコーター方式、ドクターブレード方式、バーコーター方式等により支持体の片面上に塗布する方法により行われる。塗布方法としては、スクリーン印刷、グラビヤロールコーター方式、バーコーター方式が好ましい。本発明の組成物は支持体に塗布された後、乾燥され半硬化塗膜(粘着層)が形成される。乾燥条件は、上記の粘着層の乾燥条件と同様である。
また、本発明の組成物の硬化塗膜のラベル基材層を有する耐熱ラベル1の製造方法は、前記の製造方法における本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程の前に、耐熱性のラベル基材層用組成物を支持体のもう一方の面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して硬化(cured)塗膜とする工程を有する。
耐熱性のラベル基材層用組成物として本発明の組成物を使用する場合、耐熱性のラベル基材層用組成物を塗布する工程は、上記の本発明の組成物を塗布する工程と同様にして行うことができる。また、該塗布物を乾燥して該組成物を硬化させる(cured)工程は、上記のラベル基材層形成の乾燥条件と同様である。
耐熱性のラベル基材層用組成物として従来のラベル基材形成用の組成物を使用する場合も上記の本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程と同様にして行うことができる。硬化させる工程は、使用する組成物に応じて適宜乾燥条件を選択できる。
本発明の耐熱ラベル2について説明する。耐熱ラベル2は、支持体と該支持体の片側にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を有し、約300〜約1100℃、好ましくは約670〜約1100℃、より好ましくは約700〜約1000℃での使用に適する。支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層の間にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を接着するための接着層を設けることもできる。耐熱ラベル2は、アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層が高温で溶融することによって、貼り付け対象物に貼り付く。なお、溶射により支持体表面にアルミニウムを吹き付けてアルミニウム層を設けた場合、貼り付け対象物の温度では溶融せず、貼り付け対象物に貼り付けられない。これは、溶射による層では表面積が大きく、その表面が酸化され、溶融温度が上昇したと考えられる。
耐熱ラベル2において、支持体は、所望のラベルが使用される温度域において溶融することのない、フィルム状の物質が使用され、好ましくは金属箔である。支持体の材質が貼り付け対象物の材質と同じであると、熱による膨張や収縮に対してより耐性のあるラベルとなる。金属箔としては、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などが例示でき、好ましいのはステンレス箔である。支持体の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約50μm、より好ましくは、約10〜約40μmである。支持体が前記の範囲内にあると、熱膨張又は熱収縮を抑制する効果が大きいためラベルの崩壊が抑制され、柔軟性も併せ持つため貼り付け時に貼り付け対象物の形状に合わせることができる。ステンレス箔の具体例については、耐熱ラベル1の支持体の場合と同様である。また、他の金属箔の具体例についても耐熱ラベル1の支持体の場合と同様である。
耐熱ラベル2においては、アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層が高温で溶融することによって、ラベルの貼り付けが可能となる。従って、アルミニウム箔層は支持体の片側にしか設けられない。アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層の厚みは通常、約1〜約300μm、好ましくは約10〜約100μmである。アルミニウム箔としては、JIS合金1N30、1085、1N90、1N99、3003、3004、5052、8079、8021等を使用することができ、好ましくは1N30である。アルミニウム合金箔は、合金に占めるアルミニウムの組成割合が通常、1〜99重量%、好ましくは5〜99重量%である。アルミニウム合金としては、アルミニウムとその他の金属との合金であり、耐熱ラベル2の使用される温度において溶融するものであれば良い。合金化することで溶融温度を調整することができる。例えば、アルミニウムと、亜鉛、錫、インジウム、銅、ニッケル、銀からなる群から選択される少なくとも1種の金属との合金であり、好ましくは、アルミニウムと亜鉛の合金、アルミニウムと錫の合金である。
アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層は、例えば、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を樹脂等により構成される接着層を介して接着する方法によって、支持体に積層される。
接着層は、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔とを接着する。接着層はアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が溶融して支持体及び貼り付け対象物と付着するまでの間、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔とを接着できるものであれば特に限定されない。接着層を構成する接着剤としては、通常、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを包含する)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化プロピレン、ポリ塩化プロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテルなどのポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリルアミドなどのアクリレート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリシクロペンタジエンなどの石油系樹脂;ストレートシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などのシリコーン系樹脂;100%フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール系樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、シリコーン変性アルキド樹脂などの変性アルキド樹脂等が例示でき、1種単独或いは2種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂は必要に応じて溶剤に溶解又は分散されて使用される。また、これらの樹脂だけではなく、融点の低い金属箔も使用することが可能である。接着層を構成する接着剤は、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が支持体に付着する温度付近で熱により蒸発又は分解する樹脂が好ましい。また、樹脂接着剤には、これらの接着剤に加えて、適宜添加剤などを配合することが可能である。
接着層は支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が剥離しない程度の接着性を保持すればよい。樹脂接着剤の場合、通常、溶剤除去後の厚みが、約0.1〜約50μm、好ましくは約2〜約10μmである。接着層の厚みは、薄い方が樹脂接着剤の蒸発及び分解に有利である。
また樹脂接着剤層の面積は、上述のように、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が剥離しない程度の接着性を保持するものであればよいが、好ましくは、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の面積に対し10〜90%、より好ましくは20〜80%である。
樹脂接着剤を使用して、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を接着する場合、上記の接着剤(必要に応じて溶剤を加えられ)を支持体に塗布後、乾燥させてからアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を接着してもよいし、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に接着剤を塗布後、乾燥させてから支持体を接着してもよい。これらの方法は接着剤中の溶剤が乾燥により除去しやすいため好ましい。また、支持体に接着剤を接着後アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を該接着剤に接着してから乾燥したり、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に接着剤を接着後支持体を該接着剤に接着してから乾燥しても良い。さらに、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔との間に樹脂フィルムを挟み、樹脂が接着性を発揮する温度で加熱し、圧着する方法でも良い。
接着剤を支持体、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に塗布する方法は特に限定されないが、通常、スクリーン印刷等の印刷、ロールコーター方式、グラビヤロールコーター方式、ドクターブレード方式、バーコーター方式などが用いられる。接着剤の乾燥は溶剤が実質的に除去されるまで行われ、乾燥温度、乾燥時間等は接着剤に応じて適宜設定できる。
融点の低い金属箔を接着剤に使用する場合、該金属箔を支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の間に積層し、挟まれた金属が溶融する温度で加熱することにより接着できる。
本発明の耐熱ラベル2は、支持体の片側にアルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層を有するが、もう一方の側に耐熱性のラベル基材層を設けることもできる。ここで、ラベル基材層は、耐熱ラベル2が使用される温度条件(約300℃〜約1100℃)に耐えるものであれば、従来使用又は報告されているラベル基材形成用の組成物、例えばシリコーン樹脂、無機粉末及び有機溶剤を含有する組成物を乾燥して得られる塗膜などが使用できる。また、本発明の組成物を乾燥して得られる硬化塗膜は1100℃での使用にも耐えることから、ラベル基材層として好ましい。この場合、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が実質的に除去され、かつ該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、ラベル基材層を形成することができる。ラベル基材層を支持体に塗布する方法は、耐熱ラベル1の場合と同様である。
支持体に本発明の組成物を塗布後、本発明の組成物を硬化させるため、乾燥する。乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物中の溶剤が実質的に除去される限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約245〜500℃、好ましくは約250〜約400℃で約1分〜約40分間、好ましくは約2分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の温度や風量に応じて適宜調節できる。ラベル基材層の乾燥時の厚みは、通常、約0.5〜約100μm、好ましくは、約1〜約60μmである。
ラベル基材層の形成は、支持体が接着剤層、アルミニウム箔層及びアルミニウム合金箔層を積層していない状態で行われても良いし、支持体が接着剤層とアルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層とにより積層されている状態で行われても良い。
本発明の耐熱ラベル1及び2に共通な事項について説明する。色による分類で製品管理の要求を十分に満たすのであれば、着色した(例えば着色無機粉末を含有した)ラベル基材層を使用することによって、製品管理可能となるため、識別部を設けなくてもよい。しかし、より詳細に製品管理をする場合であれば、ラベル基材層に識別部を設けることが好ましい。識別部を設けることによって、耐熱ラベルをデータキャリヤーとして使用することが可能となる。従って、識別部を設けたラベルを製品に貼り付けることによって、その製品に様々な情報を付与することが可能となる。耐熱ラベル1又は2がラベル基材層を有していない場合には、支持体の貼り付け対象物との接着側と反対側に設けられる。
識別部は、通常は公知の耐熱性インクにより、ラベル基材層に文字や記号(バーコード等)をはじめとするパターンやイメージを印刷することによって形成される。このような識別部を設けることによって、バーコードラベルに代表されるようなデータキャリヤーラベルとして使用される。識別部の例としては、UPCコード、JANコード(EANコード)、CODE39、CODE128、ITF、NW−7のような1次元バーコード、QRコード、Micro QRコードのような2次元コードなどの任意の識別コード、文字が挙げられる。好ましい識別部は、1次元バーコード、2次元バーコードである。
上記の耐熱性インクとしては、高温処理工程を行う温度、すなわち、300℃以上の温度に耐えられるインクが用いられるが、とくに好適なものは着色顔料として、カーボン、金属酸化物等を含有する耐熱性インクである。この耐熱性インクに使用される金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、銅、マンガン、チタン、アルミニウムなどの金属の酸化物を1種又は2種以上混合したものであり、これらの金属酸化物は粉末として供給され、その粒径は通常、約0.01〜約50μm、好ましくは約0.1〜約10μmである。
この着色顔料を含有した耐熱性インクは、例えば、着色顔料100重量部に対して、バインダー約1〜約1,000重量部、好ましくは約10〜約200重量部を混合して、必要により溶剤を加え、ディスパー、ボールミル、ロールミル、サンドミルなどの分散機により分散又は混練りして、液状又はペースト状とする方法により、製造することができる。この際、用いられるバインダーには、樹脂、ワックス、油脂、低融点ガラス(ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等のガラスフリット)などが挙げられる。好ましくは、着色顔料、ガラスフリット及び有機のバインダーを含有する耐熱性インクである。
樹脂としては、シリコーン樹脂、炭化水素樹脂、ビニル樹脂、アセタール樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、タンパク樹脂、セルロース樹脂などが挙げられ、例えば、オルガノポリシロキサン、ポリメタロカルボシラン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ゼラチン、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの1種又は2種以上の混合物又は共重合物が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、天然ワックス、高級アルコールワックス、高級アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックスなどが挙げられ、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、蜜蝋、カルナバワックス、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール、ステアロアミド、オレオアミド、パルミチロアミド、エチレンビスステアロアミド、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、エチルステアレート、ブチルパルミテート、パルミチルステアレート、ステアリルステアレートなどが挙げられる。
油脂としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ油、オリーブ油、牛脂、ラード、鉱油などが挙げられる。また、低融点ガラスとしては、融点70℃以下のガラス又は溶剤に可溶なガラスがあり、例えば、融点700℃以下のガラスフリットで粒径約0.1〜約100μm、好ましくは約0.2〜約50μmのものや、水ガラスなどが挙げられる。
分散又は混練りの際に使用される溶剤としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ナフタリンなどの芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、蟻酸エチル、アセト酢酸エチルなどのエステル、ガソリン、灯油、軽油などの石油蒸留成分、水などがある。これらの希釈用に使用される溶剤は、着色顔料とバインダーとの合計量100重量部に対し、約500重量部以下、好ましくは約200重量部以下で用いるのがよい。
本発明の耐熱ラベルに、このような構成材料からなる耐熱性インクを用いて、パターンを形成するには、公知の印刷方法やレーザーマーキングなどにより、文字やバーコードなどの記号をはじめとする任意のパターンを形成すればよい。印刷方法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、平板オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、リボン印刷などが揚げられる。これらの印刷方法やレーザーマーキングは、ラベル基材層に識別部を設ける場合だけでなく支持体に直接識別標識を付与する場合にも適用され得る。
本発明の耐熱ラベルの形状は特に制限されないが、高温時の貼り付けに貼り付け機を使用するため、貼り付け機が扱える形状が好ましい。本発明の耐熱ラベルは、製品への貼り付けに適した形状に加工した支持体に他の構成要素(ラベル基材層、粘着層、接着層、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、識別部など)を設けることによって製造することもできるし、大きな支持体に他の構成要素を設けたシートを作製した後、製品への貼り付けに適した形状に加工することによって製造することもできる。加工する方法としては特に制限されないが、スリット加工、打ち抜き加工等の方法が例示される。
本発明の耐熱ラベルの貼り付け使用される貼り付け機は、高温での使用に耐えるものであれば特に制限されない。通常、貼り付け機のヘッド部のラベルと接触する部位が、高温でゆがみの少ない織物(好ましくは立体的に織り込まれた織物)が使用される。織物に使用される繊維は、通常、チラノ繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ・シリカ繊維などが例示され、単独又は2種以上混合して使用される。これらの中でもチラノ繊維が好ましい。
表面の凹凸が大きい部分への貼り付けにおいては、貼り付け機のヘッドに使用される織物の凹凸に対する追従性が重要となる。即ち、織物の凹凸に対する追従性が良いと、ラベルが貼り付け部分に接触する面積が大きくなり、その結果、ラベルの付着性が強いものとなる。チラノ繊維の織物は、折り込み幅を厚くすることによって弾力性が大きく、追従性が良好となる。従って、折り込み幅の厚いチラノ繊維の織物は、ラベルの付着性の点で有利である。
また、出願人は、下記の条件でチラノ繊維の織物の耐熱加圧サイクル試験を行い、チラノ繊維の織物が高温での貼り付けでも優れた耐熱性と耐加圧性を有することを確認している。
耐熱加圧サイクル試験
立体的に織り込まれたチラノ繊維を直方体(縦×横×高さ:80mm×180mm×8mm)を600℃の電気炉内に放置して、加圧(10秒間、100g/cm2)、次いで無加圧(6秒間)を1サイクルとし、9000サイクル繰り返した。チラノ繊維の外観上の劣化もなく、貼り付け機能も良好であった。
次に本発明の製品について説明する。本発明の製品は本発明の耐熱ラベル1又は2が貼り付けられたものであり、中間製品であっても最終製品であっても良い。本発明の耐熱ラベル1及び2は約300℃〜約1100℃において短時間で耐熱性製品に貼り付けが可能である。貼り付け時間は、通常、約1秒〜約2分、好ましくは、約1秒〜約1分、より好ましくは、約1秒〜30秒である。製品としては、本発明の耐熱ラベルを貼り付け可能であり、製品の生産過程において製品の温度が約300〜約1100℃になるものであれば良い。耐熱ラベル1の貼り付けに適した製品は約300〜約670℃の製品であり、耐熱ラベル2の貼り付けに適した製品は約300℃〜約1100℃、好ましくは約670〜約1100℃、より好ましくは約700〜約1000℃の製品である。本発明の製品は、通常、金属製品、窯業製品、ガラス製品等である。金属製品の具体例は、鉄鋼ビレット、アルミニウムビレット、ステンレスビレット、銅ビレットなどの金属ビレット、スラブ、コイル、H鋼、丸管、棒材、板材等の一次成形製品、これら一次成形製品を押出成型、鋳造成型等の成形することにより得られる二次成形製品等である。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂、(C)溶剤及び任意に(D)無機粉末を含有する組成物の半硬化(hardened)塗膜を粘着層として有する耐熱ラベルが300℃以上の高温条件において貼り付け可能であることを見出した。さらに、本発明者らは、支持体の片面側にアルミニウム箔層を有する耐熱ラベルが、700℃以上の高温条件において貼り付け可能であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の組成物、耐熱ラベル、製品及び製造方法に係るものである。
項1:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である、耐熱ラベル用組成物。
項2:
さらに(D)無機粉末を含有し、(D)無機粉末の配合割合が約0.0001〜約80重量%である耐熱ラベル用組成物。
項3:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約3:約7〜約8:約2である項1又は2に記載の耐熱ラベル用組成物。
項4:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂の重量平均分子量が約500〜約10000である項1〜3のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項5:
(B)シリコーン樹脂の重量平均分子量が約200〜約5000000である項1〜4のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項6:
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂がポリチタノカルボシラン樹脂及びポリジルコニアカルボシラン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である項1〜5のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
項7:
支持体の片面上に項1〜6のいずれかに記載の組成物を塗布し、該組成物から溶剤を乾燥させて得られる半硬化(hardened)塗膜からなる粘着層を有する耐熱ラベル。
項8:
前記粘着層の厚みが約5〜約100μmである項7に記載の耐熱ラベル。
項9:
前記支持体の厚みが約5〜約100μmである項7又は8に記載の耐熱ラベル。
項10:
前記支持体がアルミニウム箔、ステンレス箔又は銅箔である項7〜9のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項11:
支持体のもう一方の片面上に、耐熱性のラベル基材層を有する項7〜10のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項12:
前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである項11に記載の耐熱ラベル。
項13:
前記ラベル基材層が、項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である項11又は12に記載の耐熱ラベル。
項14:
前記ラベル基材層上に識別部を有する項11〜13のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項15:
項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルが、硬化粘着層を介して貼り付けられた製品。
項16:
項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して半硬化塗膜にする工程を有する耐熱ラベルの製造方法。
項17:
前記塗布物を乾燥する温度が約50〜約240℃である項16に記載の製造方法。
項18:
項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程の前に、耐熱性のラベル基材層用組成物を支持体のもう一方の面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して硬化(cured)塗膜とする工程を有する項16又は17に記載の製造方法。
項19:
前記ラベル基材層用組成物が項1〜6のいずれかに記載の組成物である項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
項20:
約300〜約670℃の製品に項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
項21:
支持体と該支持体の片面側にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を積層してなる耐熱ラベル。
項22:
前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層が接着層を介して前記支持体と接着されている項21に記載の耐熱ラベル。
項23:
前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層の厚みが5〜100μmである項21又は22に記載の耐熱ラベル。
項24:
前記支持体がステンレス箔、銅箔又は鉄箔である項21〜23のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項25:
前記支持体のもう一方の片面側に、耐熱性のラベル基材層を有する項21〜24のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項26:
前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである項25に記載の耐熱ラベル。
項27:
前記ラベル基材層が、項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である項25又は26に記載の耐熱ラベル。
項28:
前記ラベル基材層上に識別部を有する項25〜27のいずれかに記載の耐熱ラベル。
項29:
項21〜28のいずれかに記載の耐熱ラベルが貼り付けられた製品。
項30:
約300〜約1100℃の製品に項21〜29のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
本発明の耐熱ラベル用組成物は、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である。
本発明では、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂を配合することにより、高温条件下での貼り付けが可能となる。(A)ポリメタロカルボシラン樹脂は、例えば、ポリカルボシランと金属のアルコキシドとを反応させて得られる架橋構造を有する樹脂である。前記の金属としては、チタン、ジルコニウム、モリブデン、クロム等が通常使用され、これらの中でもチタン、ジルコニウムが好ましく使用される。好ましい(A)ポリメタロカルボシラン樹脂の具体的な化合物名としては、ポリチタノカルボシラン樹脂、ポリジルコニアカルボシラン樹脂などが挙げられる。ポリチタノカルボシラン樹脂を含む混合物としては、例えば宇部興産社製のチラノコートVS−100、チラノコートVN−100などを使用することができる。ポリメタロカルボシラン樹脂の重量平均分子量は約500〜約10000が好ましく、約700〜約3000がより好ましい。
本発明において、(B)シリコーン樹脂は、ポリオルガノシロキサン構造を分子内に有する化合物である。シリコーン樹脂としては、ストレートシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂のいずれもが使用でき、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。好ましいのはストレートシリコーン樹脂である。また、これらの樹脂は、そのまま、あるいは溶剤に溶解した樹脂液として用いられるが、ラベルを製造する際の支持体への塗布工程を容易にするため、溶剤に溶解した樹脂液として用いるのが望ましい。
このような(B)シリコーン樹脂の重量平均分子量は、通常約200〜約5000000、好ましくは約1000〜約1000000である。
ストレートシリコーン樹脂とは、炭化水素基を主たる有機基とするオルガノポリシロキサンであり、水酸基を有していてもよい。上記の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基があり、その中でも、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましい。これらの炭化水素基は、1種であっても2種以上であってもよい。
炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などがある。炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基、ナフチル基、スチリル基、アリルフェニル基、プロペニルフェニル基などがある。
ストレートシリコーン樹脂は、例えば、上記の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含有するクロロシラン化合物やアルコキシシラン化合物からなる1種又は2種以上のシラン化合物を加水分解して縮合させるか、上記のシラン化合物にテトラクロロシランやテトラアルコキシシランを加えた混合物を加水分解して共縮合させることにより、得られる。
上記のクロロシラン化合物としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシランなどが挙げられる。
また、アルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルメチルメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジプロポキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
変性シリコーン樹脂とは、炭化水素基以外の有機基を含むオルガノポリシロキサンであって、例えば、メトキシ基含有シリコーン樹脂、エトキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂などがある。
これらの変性シリコーン樹脂は、例えば、ストレートシリコーン樹脂中に含まれる水酸基と、この水酸基と反応しうるカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アルデヒド基、エポキシ基、クロリド基などの官能基を有する有機化合物とを反応させる方法、ビニル基などの不飽和炭化水素基を有するストレートシリコーン樹脂と不飽和二重結合を有する化合物を共重合させる方法、上記のシラン化合物と他の有機化合物とを反応させて得た変性シラン化合物を加水分解により縮合又は共縮合させる方法などにより、得られる。なお、反応させる有機化合物は、低分子化合物でも樹脂のような高分子化合物でもよい。
(B)シリコーン樹脂の具体的な化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルメチルフェニルシリコーンレジン等を挙げることができる。
(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合割合は、約1:約9〜約9:約1である。好ましい重量配合割合は、約3:約7〜約8:約2である。両樹脂の配合割合が上記の範囲内のときは、高温条件下における貼り付けに有利である。また、両樹脂の合計量が本発明組成物の約5〜約50重量%であることが好ましく、約10〜約45重量%であることがより好ましい。
本発明において、(C)溶剤は、組成物中の成分を溶解又は分散し、組成物の粘度を調整する働きを有する。(C)溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、セロソルブアセテート、酢酸エチル、ブチルカルビトール、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)などが用いられる。好ましくは、キシレン、トルエンである。(C)溶剤の配合量は、本発明の組成物を使用して耐熱ラベルを製造することができる限り特に制限されない。従って、(C)溶剤の配合量は、本発明の組成物を支持体に塗布し、乾燥する場合に有利な粘度となるよう適宜調整可能である。通常、本発明の組成物の約15〜約70重量%であり、好ましくは約20〜約50重量%である。
本発明において、(D)無機粉末は、熱による耐熱ラベルの膨張及び収縮を緩和するため、(D)無機粉末の配合により耐熱性を向上させることができる。このため、(D)の無機粉末を配合することが好ましい。また、(D)無機粉末に着色顔料を使用するとラベル基材層に色を付与することができる。(D)無機粉末は、1種又は2種以上を用いることができる。また、粒径は、約0.01〜約200μmが好ましく、約0.1〜約100μmがより好ましい。(D)無機粉末の形状は特に限定されない。例えば、チタン酸カリウムウィスカー等の単結晶無機繊維などのアスペクト比の大きなものも(D)無機粉末に包含される。(D)無機粉末の配合量は、通常、本発明の組成物の約0.0001〜約80重量%であり、好ましくは約1〜約65重量%である。
(D)無機粉末としては、無機顔料を好ましく使用できる。例えばシリカ、二酸化チタン、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、マイカ、酸化カルシウム、硫化亜鉛・硫酸バリウム(リトポン)、タルク、クレー、カオリン、炭酸カルシウムなどの白色物があげられる。また、耐熱ラベル製造時の加熱によって酸化されてこれらの白色物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの金属化合物もあげられる。また、鉄、銅、金、クロム、セレン、亜鉛、マンガン、アルミニウム、錫等の金属イオンを含む赤褐色物(例えば、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄など);マンガン、クロム、アルミニウム、コバルト、銅、鉄、ジルコニア、バナジウム等の金属イオンを含む青色物(例えば、酸化コバルト・酸化アルミニウム、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウムなど);鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト、アルミニウム等の金属イオンを含む黒色物(例えば、酸化銅・酸化クロム・酸化マンガン、酸化クロム・酸化マンガン・酸化鉄、酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガン、クロム酸塩、過マンガン酸塩など);バナジウム、亜鉛、錫、ジルコニウム、クロム、チタン、アンチモン、ニッケル、プラセオジム、バナジウム等の金属イオンを含む黄色物(例えば、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化クロム、酸化亜鉛・酸化鉄、ジルコニウム・ケイ素・プラセオジム、バナジウム・錫、クロム・チタン・アンチモンなど);クロム、アルミニウム、コバルト、カルシウム、ニッケル、亜鉛等の金属イオンを含む緑色物(例えば、酸化チタン・酸化亜鉛・酸化コバルト・酸化ニッケル、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム・酸化チタン、酸化クロム、コバルト・クロム、アルミナ・クロムなど);鉄、ケイ素、ジルコニウム、アルミニウム、マンガン等の金属イオンを含む桃色物(例えば、アルミニウム・マンガン、鉄・ケイ素・ジルコニウムなど)も(D)無機粉末として使用できる。好ましくは、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化クロム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化亜鉛・酸化鉄・酸化クロム、酸化チタン・酸化亜鉛・酸化コバルト・酸化ニッケル、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化コバルト・酸化アルミニウム、酸化コバルト・酸化アルミニウム・酸化クロム、酸化銅・酸化クロム・酸化モリブデン、酸化銅・酸化クロム・酸化マンガン、酸化銅・酸化マンガン・酸化鉄である。カオリンを用いたラベルは、貼り付け時にラベル貼り付け機のヘッド部の繊維と接触しても、ラベル基材層に印刷される識別部が取れにくいため、より好ましい。
また、本発明の耐熱ラベル用組成物には、(E)分散剤を配合することが好ましい。(E)分散剤を配合することによって分散速度が向上し、組成物の調製が容易になるためである。(E)分散剤としては、脂肪族多価カルボン酸、ポリエステル酸のアミン塩、ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリエーテルエステル酸のアミン塩、ポリエーテルリン酸エステルのアミン塩、ポリエーテルリン酸エステル、ポリエステル酸のアマイドアミン塩などが使用できる。分散剤は、本発明の組成物の約0.01〜約5重量%、好ましくは約0.1〜2重量%使用することが好ましい。
また、本発明の耐熱ラベル用組成物には、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂、(C)溶剤、(D)無機粉末、(E)分散剤以外に、必要に応じて、架橋剤、可塑剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
架橋剤としては、ホウ酸化合物、有機金属化合物などがある。このうち、ホウ酸化合物は、分子内にホウ酸残基を含む化合物であり、例えば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステルなどがある。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、無水ホウ酸などがあり、ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウムなどがあり、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸メチル、ホウ酸エチル、ホウ酸ブチル、ホウ酸オクチル、ホウ酸ドデシルなどがある。これらのホウ酸化合物の中でも、オルトホウ酸がとくに好ましい。
また、有機金属化合物としては、有機ニッケル化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、有機マンガン化合物、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物などがあり、この中でもキレート化合物が好ましい。架橋剤は、架橋剤中の金属の量が(A)樹脂及び(B)樹脂の合計100重量部に対し約0.05〜約10重量部、好ましくは約0.1〜約5重量部となるように配合することが好ましい。
可塑剤としては、脂肪族エステル、芳香族エステル、リン酸エステルなどがある。脂肪族エステルには、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジラウリン酸エステル、アジピン酸ジ(2−エチルブトキシエチル)などがあり、芳香族エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジラウリル、安息香酸オレイル、オレイン酸フェニルなどがあり、リン酸エステルとしては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルなどがある。これら可塑剤の添加により、ラベル基材層の柔軟性をさらに向上できる。
本発明の組成物は、上記の成分を混合及び分散することによって調製できる。分散する方法としては、ビーズミル、ディスパーボールミル、サンドミル、ロールミル等のミル分散機等の分散機にて分散する方法が揚げられる。分散機における分散粒度は、約0.01〜約200μmが好ましく、約0.1〜約20μmがより好ましい。
また、本発明の組成物は、約300〜約670℃での使用に適した本発明耐熱ラベルの粘着層を形成する原料として使用できる。即ち、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が除去される程度に乾燥し、該組成物を半硬化(hardened)塗膜とならしめることによって、粘着層が形成される。さらに、本発明の組成物は、本発明の耐熱ラベルのラベル基材層を形成する原料として使用できる。即ち、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、ラベル基材層が形成される。
本明細書において、半硬化塗膜とは、本発明の組成物を、少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下において粘着層としての機能を有するものをいう。粘着層としての機能を有する範囲内で樹脂の架橋が進行しても良い。溶剤が残存すると高温条件下で発火するおそれがある。このため、半硬化塗膜中の溶剤の残存量は約0.1重量%以下、好ましくは、0.0001重量%以下である。溶剤を除去する乾燥過程で前記組成物中の樹脂の架橋が発生する可能性があるが、架橋が進行しすぎると硬化(cure)が進行し、高温条件下における粘着機能を失うため、半硬化塗膜形成時には、溶剤が除去され、架橋が進行する場合には高温条件下での粘着機能を保持する範囲内での架橋となるような乾燥条件とすることが重要である。
硬化塗膜は、耐熱ラベルのラベル基材層として有用である。例えば、後述の本発明の耐熱ラベルのラベル基材層として使用できる。また、ステンレス箔等の支持体を貼り付け対象物に溶接(スポット溶接等)により貼り付けられるラベルも知られているが、前記の硬化塗膜は溶接で貼り付けられるラベルの基材層としても使用できる。
また、本明細書において、硬化塗膜とは、本発明の組成物を、少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下の貼り付け時において、貼り付け機械に付着せず、識別部を有する場合にはその識別部が保持される程度に硬化しているものをいう。貼り付け機械に付着しないためには、架橋を進行させて硬化させる必要があるため、硬化塗膜の形成には、必然的に半硬化塗膜形成時の乾燥条件より厳しい乾燥条件が必要となる。
本発明の耐熱ラベルは、約300℃以上の貼り付け対象物への貼り付けに適している。また、本発明の耐熱ラベルは、貼り付け対象物の温度が通常、約300℃〜約670℃での使用に適した耐熱ラベルと、該温度が約300℃〜約1100℃、好ましくは約670〜1100℃での使用に適した耐熱ラベルとに大別される。本明細書においては前者を耐熱ラベル1、後者を耐熱ラベル2と称することがある。
本発明の耐熱ラベル1について説明する。耐熱ラベル1は、支持体の片面上に上記本発明の組成物を塗布し、該組成物から溶剤を乾燥させて得られる半硬化塗膜からなる粘着層を有する。また、耐熱ラベル1には、支持体の、粘着層を有する面とは反対の面に耐熱性のラベル基材層を設けることも可能である。ラベル基材層を設けない場合には、支持体に直接バーコード等の識別部を設けることが可能である。
本発明の耐熱ラベル1において、支持体は、フィルム状で耐熱性を有する物質が使用され、金属箔が好ましく使用される。支持体には微小な孔が設けられていても良い。孔を設けることによって、支持体に積層された粘着層やラベル基材層に含有される樹脂が高温下で分解する際に生じるガスが抜けやすくなり、ラベル基材層の膨張を抑制することができる。また、支持体の材質が、ラベルの貼り付け対象物となる製品と同じ材質であると、熱による膨張や収縮に対して比較的耐性のあるラベルとなる。金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などが例示できる。より好ましい支持体はアルミニウム箔である。支持体の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約50μm、より好ましくは、約10〜約40μmである。支持体が前記の範囲内にあると、熱膨張又は熱収縮を抑制する効果が大きいためラベルの崩壊が抑制され、柔軟性も併せ持つため貼り付け時に貼り付け対象物の形状に合わせることができる。
アルミニウム箔としては、JIS合金1N30、1085、1N90、1N99、3003、3004、5052、8079、8021等を使用することができ、好ましくは1N30である。
ステンレス箔としては、マルテンサイト系(SUS410,SUS440)、フェライト系(SUS430,SUS444)、オーステナイト系(SUS304,SUS316)、二相系(SUS329J1,SUS329J4L)、SUS630、SUS631等を使用することができる。
その他の金属としてはJIS規格SPHC、SPCC、SECC、SGCC、SZACC、SA1C等が使用できるがSPHC、SPCC規格のものが好ましい。
上記の支持体としては、通常、金属箔として市販されているものを使用することができ、入手は容易である。
本発明の耐熱ラベル1において、粘着層は、上記の半硬化塗膜をいう。即ち、本発明の組成物を少なくとも該組成物中の溶剤が実質的に除去されるまで乾燥したものであって、300℃以上の高温条件下において粘着層としての機能を有するものである。
粘着層を形成するための、本発明の組成物を乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物が乾燥されて、高温条件下において粘着層として使用できる限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約50〜240℃、好ましくは約80〜約200℃で約1分〜約60分間、好ましくは約1分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の風量に応じて適宜調節できる。
粘着層の乾燥時の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約60μmである。乾燥膜厚がこの範囲にあると、被着体との接着性に優れ、粘着層の凝集破壊が抑制される。
本発明の耐熱ラベル1は、支持体の片側に粘着層を有するが、支持体のもう一方の側に耐熱性のラベル基材層を設けることもできる。ラベル基材層は300℃以上の高温条件に耐えるものであれば、従来使用又は報告されているラベル基材形成用の組成物、例えばシリコーン樹脂、無機粉末及び有機溶剤を含有する組成物を乾燥して得られる塗膜などが使用できる。また、本発明の組成物を乾燥して得られる硬化塗膜もラベル基材層として使用できる。該ラベル基材層は、支持体の片側に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が実質的に除去され、かつ該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、形成することができる。
本発明の組成物を使用してラベル基材層を形成する際に、本発明の組成物を乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物が乾燥されて高温条件下においてラベル基材層として使用できる限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約245〜500℃、好ましくは約250〜約400℃で約1分〜約40分間、好ましくは約2分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の風量に応じて適宜調節できる。ラベル基材層の乾燥時の厚みは、通常、約0.5〜約100μm、好ましくは、約1〜約60μmである。
なお、本発明の組成物が硬化したラベル基材層を有する耐熱ラベル1を製造する場合には、まず支持体の片側にラベル基材層を形成し、次いで支持体の反対の側に粘着層を形成する。これは、ラベル基材層形成にて使用される乾燥条件が粘着層形成にて使用される乾燥条件より厳しいため、粘着層を形成してからラベル基材層を形成すると、両層とも硬化塗膜となり、高温条件下での耐熱ラベルの貼り付けができなくなるためである。従来のラベル基材形成用の組成物を使用してラベル基材層を形成する場合には、該組成物に適用される乾燥条件と、粘着層に適用される乾燥条件とを考慮して、層形成の順番を適宜設定できる。
本発明の耐熱ラベル1の製造方法は、本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して半硬化塗膜にする工程を有する。
本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程としては、例えば、本発明の組成物が、スクリーン印刷等の印刷、ロールコーター方式、グラビヤロールコーター方式、ドクターブレード方式、バーコーター方式等により支持体の片面上に塗布する方法により行われる。塗布方法としては、スクリーン印刷、グラビヤロールコーター方式、バーコーター方式が好ましい。本発明の組成物は支持体に塗布された後、乾燥され半硬化塗膜(粘着層)が形成される。乾燥条件は、上記の粘着層の乾燥条件と同様である。
また、本発明の組成物の硬化塗膜のラベル基材層を有する耐熱ラベル1の製造方法は、前記の製造方法における本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程の前に、耐熱性のラベル基材層用組成物を支持体のもう一方の面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して硬化(cured)塗膜とする工程を有する。
耐熱性のラベル基材層用組成物として本発明の組成物を使用する場合、耐熱性のラベル基材層用組成物を塗布する工程は、上記の本発明の組成物を塗布する工程と同様にして行うことができる。また、該塗布物を乾燥して該組成物を硬化させる(cured)工程は、上記のラベル基材層形成の乾燥条件と同様である。
耐熱性のラベル基材層用組成物として従来のラベル基材形成用の組成物を使用する場合も上記の本発明の組成物を支持体の片面上に塗布する工程と同様にして行うことができる。硬化させる工程は、使用する組成物に応じて適宜乾燥条件を選択できる。
本発明の耐熱ラベル2について説明する。耐熱ラベル2は、支持体と該支持体の片側にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を有し、約300〜約1100℃、好ましくは約670〜約1100℃、より好ましくは約700〜約1000℃での使用に適する。支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層の間にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を接着するための接着層を設けることもできる。耐熱ラベル2は、アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層が高温で溶融することによって、貼り付け対象物に貼り付く。なお、溶射により支持体表面にアルミニウムを吹き付けてアルミニウム層を設けた場合、貼り付け対象物の温度では溶融せず、貼り付け対象物に貼り付けられない。これは、溶射による層では表面積が大きく、その表面が酸化され、溶融温度が上昇したと考えられる。
耐熱ラベル2において、支持体は、所望のラベルが使用される温度域において溶融することのない、フィルム状の物質が使用され、好ましくは金属箔である。支持体の材質が貼り付け対象物の材質と同じであると、熱による膨張や収縮に対してより耐性のあるラベルとなる。金属箔としては、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などが例示でき、好ましいのはステンレス箔である。支持体の厚みは、通常、約5〜約100μm、好ましくは、約10〜約50μm、より好ましくは、約10〜約40μmである。支持体が前記の範囲内にあると、熱膨張又は熱収縮を抑制する効果が大きいためラベルの崩壊が抑制され、柔軟性も併せ持つため貼り付け時に貼り付け対象物の形状に合わせることができる。ステンレス箔の具体例については、耐熱ラベル1の支持体の場合と同様である。また、他の金属箔の具体例についても耐熱ラベル1の支持体の場合と同様である。
耐熱ラベル2においては、アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層が高温で溶融することによって、ラベルの貼り付けが可能となる。従って、アルミニウム箔層は支持体の片側にしか設けられない。アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層の厚みは通常、約1〜約300μm、好ましくは約10〜約100μmである。アルミニウム箔としては、JIS合金1N30、1085、1N90、1N99、3003、3004、5052、8079、8021等を使用することができ、好ましくは1N30である。アルミニウム合金箔は、合金に占めるアルミニウムの組成割合が通常、1〜99重量%、好ましくは5〜99重量%である。アルミニウム合金としては、アルミニウムとその他の金属との合金であり、耐熱ラベル2の使用される温度において溶融するものであれば良い。合金化することで溶融温度を調整することができる。例えば、アルミニウムと、亜鉛、錫、インジウム、銅、ニッケル、銀からなる群から選択される少なくとも1種の金属との合金であり、好ましくは、アルミニウムと亜鉛の合金、アルミニウムと錫の合金である。
アルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層は、例えば、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を樹脂等により構成される接着層を介して接着する方法によって、支持体に積層される。
接着層は、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔とを接着する。接着層はアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が溶融して支持体及び貼り付け対象物と付着するまでの間、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔とを接着できるものであれば特に限定されない。接着層を構成する接着剤としては、通常、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを包含する)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化プロピレン、ポリ塩化プロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテルなどのポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリルアミドなどのアクリレート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリシクロペンタジエンなどの石油系樹脂;ストレートシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などのシリコーン系樹脂;100%フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール系樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、シリコーン変性アルキド樹脂などの変性アルキド樹脂等が例示でき、1種単独或いは2種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂は必要に応じて溶剤に溶解又は分散されて使用される。また、これらの樹脂だけではなく、融点の低い金属箔も使用することが可能である。接着層を構成する接着剤は、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が支持体に付着する温度付近で熱により蒸発又は分解する樹脂が好ましい。また、樹脂接着剤には、これらの接着剤に加えて、適宜添加剤などを配合することが可能である。
接着層は支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が剥離しない程度の接着性を保持すればよい。樹脂接着剤の場合、通常、溶剤除去後の厚みが、約0.1〜約50μm、好ましくは約2〜約10μmである。接着層の厚みは、薄い方が樹脂接着剤の蒸発及び分解に有利である。
また樹脂接着剤層の面積は、上述のように、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が剥離しない程度の接着性を保持するものであればよいが、好ましくは、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の面積に対し10〜90%、より好ましくは20〜80%である。
樹脂接着剤を使用して、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を接着する場合、上記の接着剤(必要に応じて溶剤を加えられ)を支持体に塗布後、乾燥させてからアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を接着してもよいし、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に接着剤を塗布後、乾燥させてから支持体を接着してもよい。これらの方法は接着剤中の溶剤が乾燥により除去しやすいため好ましい。また、支持体に接着剤を接着後アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を該接着剤に接着してから乾燥したり、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に接着剤を接着後支持体を該接着剤に接着してから乾燥しても良い。さらに、支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔との間に樹脂フィルムを挟み、樹脂が接着性を発揮する温度で加熱し、圧着する方法でも良い。
接着剤を支持体、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔に塗布する方法は特に限定されないが、通常、スクリーン印刷等の印刷、ロールコーター方式、グラビヤロールコーター方式、ドクターブレード方式、バーコーター方式などが用いられる。接着剤の乾燥は溶剤が実質的に除去されるまで行われ、乾燥温度、乾燥時間等は接着剤に応じて適宜設定できる。
融点の低い金属箔を接着剤に使用する場合、該金属箔を支持体とアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の間に積層し、挟まれた金属が溶融する温度で加熱することにより接着できる。
本発明の耐熱ラベル2は、支持体の片側にアルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層を有するが、もう一方の側に耐熱性のラベル基材層を設けることもできる。ここで、ラベル基材層は、耐熱ラベル2が使用される温度条件(約300℃〜約1100℃)に耐えるものであれば、従来使用又は報告されているラベル基材形成用の組成物、例えばシリコーン樹脂、無機粉末及び有機溶剤を含有する組成物を乾燥して得られる塗膜などが使用できる。また、本発明の組成物を乾燥して得られる硬化塗膜は1100℃での使用にも耐えることから、ラベル基材層として好ましい。この場合、支持体の片面に本発明の組成物を塗布し、該組成物中の溶剤が実質的に除去され、かつ該組成物中の樹脂が架橋する温度で乾燥し、該組成物を硬化塗膜とならしめることによって、ラベル基材層を形成することができる。ラベル基材層を支持体に塗布する方法は、耐熱ラベル1の場合と同様である。
支持体に本発明の組成物を塗布後、本発明の組成物を硬化させるため、乾燥する。乾燥する温度及び時間は、本発明の組成物中の溶剤が実質的に除去される限り特に制限されず、本発明の組成物を塗布した塗膜の厚みや溶剤含有量、支持体の材質や厚みに応じて適宜変更される。例えば、熱風循環式オーブンを使用し、約245〜500℃、好ましくは約250〜約400℃で約1分〜約40分間、好ましくは約2分〜約20分間乾燥する。なお、乾燥時間は、熱風の温度や風量に応じて適宜調節できる。ラベル基材層の乾燥時の厚みは、通常、約0.5〜約100μm、好ましくは、約1〜約60μmである。
ラベル基材層の形成は、支持体が接着剤層、アルミニウム箔層及びアルミニウム合金箔層を積層していない状態で行われても良いし、支持体が接着剤層とアルミニウム箔層又はアルミニウム合金箔層とにより積層されている状態で行われても良い。
本発明の耐熱ラベル1及び2に共通な事項について説明する。色による分類で製品管理の要求を十分に満たすのであれば、着色した(例えば着色無機粉末を含有した)ラベル基材層を使用することによって、製品管理可能となるため、識別部を設けなくてもよい。しかし、より詳細に製品管理をする場合であれば、ラベル基材層に識別部を設けることが好ましい。識別部を設けることによって、耐熱ラベルをデータキャリヤーとして使用することが可能となる。従って、識別部を設けたラベルを製品に貼り付けることによって、その製品に様々な情報を付与することが可能となる。耐熱ラベル1又は2がラベル基材層を有していない場合には、支持体の貼り付け対象物との接着側と反対側に設けられる。
識別部は、通常は公知の耐熱性インクにより、ラベル基材層に文字や記号(バーコード等)をはじめとするパターンやイメージを印刷することによって形成される。このような識別部を設けることによって、バーコードラベルに代表されるようなデータキャリヤーラベルとして使用される。識別部の例としては、UPCコード、JANコード(EANコード)、CODE39、CODE128、ITF、NW−7のような1次元バーコード、QRコード、Micro QRコードのような2次元コードなどの任意の識別コード、文字が挙げられる。好ましい識別部は、1次元バーコード、2次元バーコードである。
上記の耐熱性インクとしては、高温処理工程を行う温度、すなわち、300℃以上の温度に耐えられるインクが用いられるが、とくに好適なものは着色顔料として、カーボン、金属酸化物等を含有する耐熱性インクである。この耐熱性インクに使用される金属酸化物としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、銅、マンガン、チタン、アルミニウムなどの金属の酸化物を1種又は2種以上混合したものであり、これらの金属酸化物は粉末として供給され、その粒径は通常、約0.01〜約50μm、好ましくは約0.1〜約10μmである。
この着色顔料を含有した耐熱性インクは、例えば、着色顔料100重量部に対して、バインダー約1〜約1,000重量部、好ましくは約10〜約200重量部を混合して、必要により溶剤を加え、ディスパー、ボールミル、ロールミル、サンドミルなどの分散機により分散又は混練りして、液状又はペースト状とする方法により、製造することができる。この際、用いられるバインダーには、樹脂、ワックス、油脂、低融点ガラス(ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等のガラスフリット)などが挙げられる。好ましくは、着色顔料、ガラスフリット及び有機のバインダーを含有する耐熱性インクである。
樹脂としては、シリコーン樹脂、炭化水素樹脂、ビニル樹脂、アセタール樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、タンパク樹脂、セルロース樹脂などが挙げられ、例えば、オルガノポリシロキサン、ポリメタロカルボシラン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ゼラチン、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの1種又は2種以上の混合物又は共重合物が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、天然ワックス、高級アルコールワックス、高級アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックスなどが挙げられ、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、蜜蝋、カルナバワックス、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール、ステアロアミド、オレオアミド、パルミチロアミド、エチレンビスステアロアミド、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、エチルステアレート、ブチルパルミテート、パルミチルステアレート、ステアリルステアレートなどが挙げられる。
油脂としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ油、オリーブ油、牛脂、ラード、鉱油などが挙げられる。また、低融点ガラスとしては、融点70℃以下のガラス又は溶剤に可溶なガラスがあり、例えば、融点700℃以下のガラスフリットで粒径約0.1〜約100μm、好ましくは約0.2〜約50μmのものや、水ガラスなどが挙げられる。
分散又は混練りの際に使用される溶剤としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ナフタリンなどの芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、蟻酸エチル、アセト酢酸エチルなどのエステル、ガソリン、灯油、軽油などの石油蒸留成分、水などがある。これらの希釈用に使用される溶剤は、着色顔料とバインダーとの合計量100重量部に対し、約500重量部以下、好ましくは約200重量部以下で用いるのがよい。
本発明の耐熱ラベルに、このような構成材料からなる耐熱性インクを用いて、パターンを形成するには、公知の印刷方法やレーザーマーキングなどにより、文字やバーコードなどの記号をはじめとする任意のパターンを形成すればよい。印刷方法としては、例えば、グラビアオフセット印刷、平板オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、リボン印刷などが揚げられる。これらの印刷方法やレーザーマーキングは、ラベル基材層に識別部を設ける場合だけでなく支持体に直接識別標識を付与する場合にも適用され得る。
本発明の耐熱ラベルの形状は特に制限されないが、高温時の貼り付けに貼り付け機を使用するため、貼り付け機が扱える形状が好ましい。本発明の耐熱ラベルは、製品への貼り付けに適した形状に加工した支持体に他の構成要素(ラベル基材層、粘着層、接着層、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、識別部など)を設けることによって製造することもできるし、大きな支持体に他の構成要素を設けたシートを作製した後、製品への貼り付けに適した形状に加工することによって製造することもできる。加工する方法としては特に制限されないが、スリット加工、打ち抜き加工等の方法が例示される。
本発明の耐熱ラベルの貼り付け使用される貼り付け機は、高温での使用に耐えるものであれば特に制限されない。通常、貼り付け機のヘッド部のラベルと接触する部位が、高温でゆがみの少ない織物(好ましくは立体的に織り込まれた織物)が使用される。織物に使用される繊維は、通常、チラノ繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ・シリカ繊維などが例示され、単独又は2種以上混合して使用される。これらの中でもチラノ繊維が好ましい。
表面の凹凸が大きい部分への貼り付けにおいては、貼り付け機のヘッドに使用される織物の凹凸に対する追従性が重要となる。即ち、織物の凹凸に対する追従性が良いと、ラベルが貼り付け部分に接触する面積が大きくなり、その結果、ラベルの付着性が強いものとなる。チラノ繊維の織物は、折り込み幅を厚くすることによって弾力性が大きく、追従性が良好となる。従って、折り込み幅の厚いチラノ繊維の織物は、ラベルの付着性の点で有利である。
また、出願人は、下記の条件でチラノ繊維の織物の耐熱加圧サイクル試験を行い、チラノ繊維の織物が高温での貼り付けでも優れた耐熱性と耐加圧性を有することを確認している。
耐熱加圧サイクル試験
立体的に織り込まれたチラノ繊維を直方体(縦×横×高さ:80mm×180mm×8mm)を600℃の電気炉内に放置して、加圧(10秒間、100g/cm2)、次いで無加圧(6秒間)を1サイクルとし、9000サイクル繰り返した。チラノ繊維の外観上の劣化もなく、貼り付け機能も良好であった。
次に本発明の製品について説明する。本発明の製品は本発明の耐熱ラベル1又は2が貼り付けられたものであり、中間製品であっても最終製品であっても良い。本発明の耐熱ラベル1及び2は約300℃〜約1100℃において短時間で耐熱性製品に貼り付けが可能である。貼り付け時間は、通常、約1秒〜約2分、好ましくは、約1秒〜約1分、より好ましくは、約1秒〜30秒である。製品としては、本発明の耐熱ラベルを貼り付け可能であり、製品の生産過程において製品の温度が約300〜約1100℃になるものであれば良い。耐熱ラベル1の貼り付けに適した製品は約300〜約670℃の製品であり、耐熱ラベル2の貼り付けに適した製品は約300℃〜約1100℃、好ましくは約670〜約1100℃、より好ましくは約700〜約1000℃の製品である。本発明の製品は、通常、金属製品、窯業製品、ガラス製品等である。金属製品の具体例は、鉄鋼ビレット、アルミニウムビレット、ステンレスビレット、銅ビレットなどの金属ビレット、スラブ、コイル、H鋼、丸管、棒材、板材等の一次成形製品、これら一次成形製品を押出成型、鋳造成型等の成形することにより得られる二次成形製品等である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例において使用した材料は以下のとおりである。
<支持体>
アルミニウム箔:
日本製箔(株)製 「1N−30−H−40RT」
厚さ40μm
ステンレススチール箔:
新日本製鐵(株)製 「SUS304 H−TA/MW」
厚さ20μm
<ポリメタロカルボシラン樹脂>
宇部興産(株)製 「チラノコートVS−100」
「チラノコートVN−100」
<シリコーン樹脂>
信越化学工業(株)製 「KR255」(ストレートシリコーン樹脂)
東芝シリコン(株)製 「TSR116」(ストレートシリコーン樹脂)
<無機粉末>
チタン工業(株)製 「KR−380」
大日精化(株)製 「TRNS OXIDE RED AA2005」
(Fe2O3)
丸尾カルシウム(株)製 「BIカオリン」
<分散剤>
楠本化成(株)製 「ディスパロンDA705」
<耐熱性インク>
ゼネラル(株)製 「HP−350A」
<アルミニウム箔層>
アルミニウム箔
日本製箔(株)製 「1N−30−H−40RT」
厚さ40μm
<接着層>
ポリイソブチレン樹脂
新日本石油(株)製 「テトラックス 4T」
また、ラビングテストは、キシレンを含浸させた3〜5枚のガーゼを使用して0.5〜1kg/cm2の圧力で粘着層又はラベル基材層をこすることにより行った。なお、ラビングテストにおいて5〜6回こすって層が剥離し、ガーゼに層が付着する場合には半硬化状態とし、15回こすっても層が剥離せず、ガーゼに層がほとんど付着しない場合には硬化状態とした。
<支持体>
アルミニウム箔:
日本製箔(株)製 「1N−30−H−40RT」
厚さ40μm
ステンレススチール箔:
新日本製鐵(株)製 「SUS304 H−TA/MW」
厚さ20μm
<ポリメタロカルボシラン樹脂>
宇部興産(株)製 「チラノコートVS−100」
「チラノコートVN−100」
<シリコーン樹脂>
信越化学工業(株)製 「KR255」(ストレートシリコーン樹脂)
東芝シリコン(株)製 「TSR116」(ストレートシリコーン樹脂)
<無機粉末>
チタン工業(株)製 「KR−380」
大日精化(株)製 「TRNS OXIDE RED AA2005」
(Fe2O3)
丸尾カルシウム(株)製 「BIカオリン」
<分散剤>
楠本化成(株)製 「ディスパロンDA705」
<耐熱性インク>
ゼネラル(株)製 「HP−350A」
<アルミニウム箔層>
アルミニウム箔
日本製箔(株)製 「1N−30−H−40RT」
厚さ40μm
<接着層>
ポリイソブチレン樹脂
新日本石油(株)製 「テトラックス 4T」
また、ラビングテストは、キシレンを含浸させた3〜5枚のガーゼを使用して0.5〜1kg/cm2の圧力で粘着層又はラベル基材層をこすることにより行った。なお、ラビングテストにおいて5〜6回こすって層が剥離し、ガーゼに層が付着する場合には半硬化状態とし、15回こすっても層が剥離せず、ガーゼに層がほとんど付着しない場合には硬化状態とした。
ポリメタロカルボシラン樹脂としてチラノコートVS−100を20重量部、無機粉末としてKR−380を60重量部、分散剤としてディスパロンDA705を0.5重量部、及び有機溶剤としてキシレンを5重量部とり混練した後、ビーズミル分散機(アジサワ社製「LMZ−2」)を使用して3000rpmで1時間分散し、グラインドゲージで平均粒子径5μm以下であることを確認し、分散ミルベースM−1を得た。
85.5gの分散ミルベースM−1にシリコーン樹脂として20gのKR255を添加し、次いでキシレンを5g添加し、混練し、I・H・S粘度カップ(岩田粘度カップ社製)を使用した粘度計測にて25〜30秒/25℃となるようさらにキシレンを追加して粘度調整し、塗布液とした。次に、厚さ40μmのアルミニウム箔の片面に、塗布液を乾燥後の塗膜厚が15μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して250℃で10分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が硬化状態であることを確認し、ラベル基材層を有する支持体を得た。
次に、この支持体の反対側(粘着層側)に、前記の塗布液を乾燥後の塗膜厚が40μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して200℃で5分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が半硬化状態であることを確認し、5cm×3cmの大きさにカットし、耐熱ラベルを得た。
85.5gの分散ミルベースM−1にシリコーン樹脂として20gのKR255を添加し、次いでキシレンを5g添加し、混練し、I・H・S粘度カップ(岩田粘度カップ社製)を使用した粘度計測にて25〜30秒/25℃となるようさらにキシレンを追加して粘度調整し、塗布液とした。次に、厚さ40μmのアルミニウム箔の片面に、塗布液を乾燥後の塗膜厚が15μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して250℃で10分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が硬化状態であることを確認し、ラベル基材層を有する支持体を得た。
次に、この支持体の反対側(粘着層側)に、前記の塗布液を乾燥後の塗膜厚が40μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して200℃で5分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が半硬化状態であることを確認し、5cm×3cmの大きさにカットし、耐熱ラベルを得た。
表1〜3に示す組成及び乾燥条件で実施例1と同様にして耐熱ラベルを得た。なお、実施例10〜12では、ビーズミル分散機による分散は3000rpmで1時間ではなく3時間行った。また、実施例13では支持体の片面に半硬化塗膜(粘着層)のみ設け、硬化塗膜(ラベル基材層)は設けなかった。
比較例1〜3
ラベル基材層を設けず、表4に示す組成及び乾燥条件で実施例1と同様にして粘着層を有するラベルを得た。
試験例1
上記実施例1〜14及び比較例1〜3において得られたラベルを使用して以下に示す試験を行った。試験結果を表5及び6に示す。これに加え、実施例14のラベル基材層にバーコードを印刷すると、鮮明なバーコード印刷が可能であった。また、バーコードの印刷された前記ラベルを、貼り付け試験1、2及び3と同じ条件で貼り付け、バーコードの状態を観察したところ、貼り付け機によるバーコードのはがれがなく鮮明で、バーコード読みとり機による読みとりも良好であった。
高温貼り付け試験1:
表面温度500℃のアルミニウムビレットの側面に、手動の貼り付け機を使用して、ラベルを50g/cm2の圧力で5秒間圧着した後、アルミニウムビレットを室温まで放冷し、ラベルの付着状況、ラベルの外観及び耐擦傷性を観察した。なお、実施例13のラベルについてはラベル基材層がないため、外観及び耐擦傷性の評価を行っていない。結果を表5に示す。
付着性については、ラベルがはがれ落ちていないものを「A」と示し、ラベルがはがれ落ちていたものを「C」とした。
外観については、ラベル基材層が支持体から一部剥離している状態を「C」と示し、ラベルに大きな変化のない状態を「A」とした。
耐擦傷性については、ラベル基材層を、500g程度の荷重を硬貨にかけながら5cm/秒の速度で2〜3回スクラッチし、ラベル基材層が支持体からボロボロと剥離する状態を「C」と示し、ラベル基材層が全く傷つかない又は該層の表面の一部が欠けた程度の状態を「A」と示した。
高温貼り付け試験2:
貼り付け対象物の表面温度が600℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。結果を表5に示す。
高温貼り付け試験3:
貼り付け対象物の表面温度が660℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。結果を表6に示す。
比較例1〜3
ラベル基材層を設けず、表4に示す組成及び乾燥条件で実施例1と同様にして粘着層を有するラベルを得た。
試験例1
上記実施例1〜14及び比較例1〜3において得られたラベルを使用して以下に示す試験を行った。試験結果を表5及び6に示す。これに加え、実施例14のラベル基材層にバーコードを印刷すると、鮮明なバーコード印刷が可能であった。また、バーコードの印刷された前記ラベルを、貼り付け試験1、2及び3と同じ条件で貼り付け、バーコードの状態を観察したところ、貼り付け機によるバーコードのはがれがなく鮮明で、バーコード読みとり機による読みとりも良好であった。
高温貼り付け試験1:
表面温度500℃のアルミニウムビレットの側面に、手動の貼り付け機を使用して、ラベルを50g/cm2の圧力で5秒間圧着した後、アルミニウムビレットを室温まで放冷し、ラベルの付着状況、ラベルの外観及び耐擦傷性を観察した。なお、実施例13のラベルについてはラベル基材層がないため、外観及び耐擦傷性の評価を行っていない。結果を表5に示す。
付着性については、ラベルがはがれ落ちていないものを「A」と示し、ラベルがはがれ落ちていたものを「C」とした。
外観については、ラベル基材層が支持体から一部剥離している状態を「C」と示し、ラベルに大きな変化のない状態を「A」とした。
耐擦傷性については、ラベル基材層を、500g程度の荷重を硬貨にかけながら5cm/秒の速度で2〜3回スクラッチし、ラベル基材層が支持体からボロボロと剥離する状態を「C」と示し、ラベル基材層が全く傷つかない又は該層の表面の一部が欠けた程度の状態を「A」と示した。
高温貼り付け試験2:
貼り付け対象物の表面温度が600℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。結果を表5に示す。
高温貼り付け試験3:
貼り付け対象物の表面温度が660℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。結果を表6に示す。
ポリメタロカルボシラン樹脂としてチラノコートVS−100を20重量部、無機粉末としてKR−380を60重量部、分散剤としてディスパロンDA705を0.5重量部、及び有機溶剤としてキシレンを5重量部とり混練した後、ビーズミル分散機(アジサワ社製「LMZ−2」)を使用して3000rpmで1時間分散し、グラインドゲージで平均粒子径5μm以下であることを確認し、分散ミルベースM−1を得た。
85.5gの分散ミルベースM−1にシリコーン樹脂として20gのKR255を添加し、次いでキシレンを5g添加し、混練し、I・H・S粘度カップ(岩田粘度カップ社製)を使用した粘度計測にて25〜30秒/25℃となるようさらにキシレンを追加して粘度調整し、塗布液とした。次に、厚さ20μmのステンレス箔の片面に、塗布液を乾燥後の塗膜厚が15μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して250℃で10分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が硬化状態であることを確認し、ラベル基材層を有する支持体を得た。
次に、厚さ40μmのアルミニウム箔片面の全面に接着剤としてテトラックス4Tを、乾燥後の塗膜厚が8μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して100℃で5分間乾燥した後、室温に放置し、接着層を有するアルミニウム箔を得た。
得られたラベル基材層を有する支持体と接着層を有するアルミニウム箔とを貼り合わせた。得られた積層シートを5cm×3cmの大きさにカットし、耐熱ラベルを得た。
85.5gの分散ミルベースM−1にシリコーン樹脂として20gのKR255を添加し、次いでキシレンを5g添加し、混練し、I・H・S粘度カップ(岩田粘度カップ社製)を使用した粘度計測にて25〜30秒/25℃となるようさらにキシレンを追加して粘度調整し、塗布液とした。次に、厚さ20μmのステンレス箔の片面に、塗布液を乾燥後の塗膜厚が15μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して250℃で10分間乾燥した後、室温に放置した。ラビングテストにて塗膜が硬化状態であることを確認し、ラベル基材層を有する支持体を得た。
次に、厚さ40μmのアルミニウム箔片面の全面に接着剤としてテトラックス4Tを、乾燥後の塗膜厚が8μmとなるようにバーコーターでコートし、熱風循環式オーブン(ASSF−114S、いすゞ製作所製)を使用して100℃で5分間乾燥した後、室温に放置し、接着層を有するアルミニウム箔を得た。
得られたラベル基材層を有する支持体と接着層を有するアルミニウム箔とを貼り合わせた。得られた積層シートを5cm×3cmの大きさにカットし、耐熱ラベルを得た。
表7〜9に示す組成及び乾燥条件で実施例15と同様にして耐熱ラベルを得た。なお、実施例24〜26では、ビーズミル分散機による分散は3000rpmで1時間ではなく3時間行った。また、実施例27では支持体の片面に接着層を介してアルミニウム箔のみ形成し、硬化塗膜(ラベル基材層)は設けなかった。
表10〜12に示す組成及び乾燥条件で、アルミニウム箔の片面にストライプ状に接着剤をコートした以外は、実施例15と同様にして耐熱ラベルを得た。接着剤のコート方法は以下のとおりである。
アルミニウム箔の片面に、バーコーターを使用して、幅5mmの接着剤コート領域及び幅10mmの接着剤非コート領域を交互に設け、45℃の角度のスパイラル方式でストライプ状に接着剤を塗布した。
なお、実施例36〜38では、ビーズミル分散機による分散は3000rpmで1時間ではなく3時間行った。また、実施例39では支持体の片面に接着層を介してアルミニウム箔のみ形成し、硬化塗膜(ラベル基材層)は設けなかった。
試験例2
上記実施例1及び15〜39及び比較例1〜3において得られたラベルを使用して以下に示す試験を行った。
高温貼り付け試験4:
貼り付け対象物の表面温度が680℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、外観については、ラベルにわずかなクラックが発生していたものを「B」とした。結果を表13に示す。
高温貼り付け試験5:
貼り付け対象物の表面温度が700℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、実施例1のラベルについては本試験の対象外とした。結果を表13に示す。
高温貼り付け試験6:
貼り付け対象物の表面温度が1000℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、実施例1のラベルについては本試験の対象外とした。結果を表14に示す。
産業上の利用の可能性
本発明の耐熱ラベルは、耐熱性を有するため、高温処理工程の途中又は該工程後すぐの高温状態の耐熱性製品に貼り付けることが可能である。このため、バーコード等による耐熱性製品の管理がより早い段階から可能となる。また、金属製品等の耐熱製品の温度が室温付近になるまで待って従来のラベルを貼り付ける際に必要となる時間やエネルギー、冷却場所を削減することが可能となる。例えば、ステンレスビレットの生産においては、約1100℃のステンレスビレットに耐熱ラベル2を貼り付けることが可能である。また、アルミニウムビレットの生産においては、製造終了後の約650℃のアルミニウムビレットに耐熱ラベル1を直ぐに貼り付けることが可能である。
また、本発明のラベルを貼り付けた後にはがさなければ、従来のバーコードラベル等と同様に、流通、販売管理を行うことも可能である。なお、本発明において、製品とは製造工程後の流通されるものだけでなく、製造工程中の原料、中間物質等も含まれる。
アルミニウム箔の片面に、バーコーターを使用して、幅5mmの接着剤コート領域及び幅10mmの接着剤非コート領域を交互に設け、45℃の角度のスパイラル方式でストライプ状に接着剤を塗布した。
なお、実施例36〜38では、ビーズミル分散機による分散は3000rpmで1時間ではなく3時間行った。また、実施例39では支持体の片面に接着層を介してアルミニウム箔のみ形成し、硬化塗膜(ラベル基材層)は設けなかった。
試験例2
上記実施例1及び15〜39及び比較例1〜3において得られたラベルを使用して以下に示す試験を行った。
高温貼り付け試験4:
貼り付け対象物の表面温度が680℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、外観については、ラベルにわずかなクラックが発生していたものを「B」とした。結果を表13に示す。
高温貼り付け試験5:
貼り付け対象物の表面温度が700℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、実施例1のラベルについては本試験の対象外とした。結果を表13に示す。
高温貼り付け試験6:
貼り付け対象物の表面温度が1000℃であること以外は高温貼り付け試験1と同様にして試験した。なお、実施例1のラベルについては本試験の対象外とした。結果を表14に示す。
産業上の利用の可能性
本発明の耐熱ラベルは、耐熱性を有するため、高温処理工程の途中又は該工程後すぐの高温状態の耐熱性製品に貼り付けることが可能である。このため、バーコード等による耐熱性製品の管理がより早い段階から可能となる。また、金属製品等の耐熱製品の温度が室温付近になるまで待って従来のラベルを貼り付ける際に必要となる時間やエネルギー、冷却場所を削減することが可能となる。例えば、ステンレスビレットの生産においては、約1100℃のステンレスビレットに耐熱ラベル2を貼り付けることが可能である。また、アルミニウムビレットの生産においては、製造終了後の約650℃のアルミニウムビレットに耐熱ラベル1を直ぐに貼り付けることが可能である。
また、本発明のラベルを貼り付けた後にはがさなければ、従来のバーコードラベル等と同様に、流通、販売管理を行うことも可能である。なお、本発明において、製品とは製造工程後の流通されるものだけでなく、製造工程中の原料、中間物質等も含まれる。
Claims (30)
- (A)ポリメタロカルボシラン樹脂、(B)シリコーン樹脂及び(C)溶剤を含有し、(A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約1:約9〜約9:約1である、耐熱ラベル用組成物。
- さらに(D)無機粉末を含有し、(D)無機粉末の配合割合が約0.0001〜約80重量%である耐熱ラベル用組成物。
- (A)ポリメタロカルボシラン樹脂と(B)シリコーン樹脂の重量配合比が約3:約7〜約8:約2である請求項1又は2に記載の耐熱ラベル用組成物。
- (A)ポリメタロカルボシラン樹脂の重量平均分子量が約500〜約10000である請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
- (B)シリコーン樹脂の重量平均分子量が約200〜約5000000である請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
- (A)ポリメタロカルボシラン樹脂がポリチタノカルボシラン樹脂及びポリジルコニアカルボシラン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱ラベル用組成物。
- 支持体の片面上に請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を塗布し、該組成物から溶剤を乾燥させて得られる半硬化(hardened)塗膜からなる粘着層を有する耐熱ラベル。
- 前記粘着層の厚みが約5〜約100μmである請求項7に記載の耐熱ラベル。
- 前記支持体の厚みが約5〜約100μmである請求項7又は8に記載の耐熱ラベル。
- 前記支持体がアルミニウム箔、ステンレス箔又は銅箔である請求項7〜9のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 支持体のもう一方の片面上に、耐熱性のラベル基材層を有する請求項7〜10のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである請求項11に記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層が、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である請求項11又は12に記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層上に識別部を有する請求項11〜13のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 請求項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルが、硬化粘着層を介して貼り付けられた製品。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して半硬化塗膜にする工程を有する耐熱ラベルの製造方法。
- 前記塗布物を乾燥する温度が約50〜約240℃である請求項16に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を支持体の片面上に塗布する工程の前に、耐熱性のラベル基材層用組成物を支持体のもう一方の面上に塗布する工程、及び該塗布物を乾燥して硬化(cured)塗膜とする工程を有する請求項16又は17に記載の製造方法。
- 前記ラベル基材層用組成物が請求項1〜6のいずれかに記載の組成物である請求項16〜18のいずれかに記載の製造方法。
- 約300〜約670℃の製品に請求項7〜14のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
- 支持体と該支持体の片面側にアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層を積層してなる耐熱ラベル。
- 前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層が接着層を介して前記支持体と接着されている請求項21に記載の耐熱ラベル。
- 前記アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔層の厚みが5〜100μmである請求項21又は22に記載の耐熱ラベル。
- 前記支持体がステンレス箔、銅箔又は鉄箔である請求項21〜23のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 前記支持体のもう一方の片面側に、耐熱性のラベル基材層を有する請求項21〜24のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層の厚みが約0.5〜約100μmである請求項25に記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層が、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物中の樹脂が架橋して得られる硬化(Cured)塗膜である請求項25又は26に記載の耐熱ラベル。
- 前記ラベル基材層上に識別部を有する請求項25〜27のいずれかに記載の耐熱ラベル。
- 請求項21〜28のいずれかに記載の耐熱ラベルが貼り付けられた製品。
- 約300〜約1100℃の製品に請求項21〜29のいずれかに記載の耐熱ラベルを貼り付ける、耐熱ラベル付き製品の製造方法。
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