JPS6366829B2 - - Google Patents
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- JPS6366829B2 JPS6366829B2 JP59263110A JP26311084A JPS6366829B2 JP S6366829 B2 JPS6366829 B2 JP S6366829B2 JP 59263110 A JP59263110 A JP 59263110A JP 26311084 A JP26311084 A JP 26311084A JP S6366829 B2 JPS6366829 B2 JP S6366829B2
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C317/00—Sulfones; Sulfoxides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07B—GENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
- C07B45/00—Formation or introduction of functional groups containing sulfur
- C07B45/04—Formation or introduction of functional groups containing sulfur of sulfonyl or sulfinyl groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C309/00—Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、芳香族誘導体のスルホニル化方法を
目的とする。 特に、本発明は、失活された芳香族誘導体のス
ルホニル化方法に関する。 本発明において、「失活された芳香族誘導体」
とは、少なくとも1個の次式 −ACoX1(X2)o(X3)o (ここでAは共有結合、酸素原子又は硫黄原子を
表わし、X1、X2及びX3はそれぞれ同一又は異な
つたハロゲンを表わし、nは0又は1に等しい) の基を有する芳香族誘導体の全てをいう。 従来技術では、スルホニル化方法を記載する文
献が知られている。 これらの文献は三つのグループに分けられる。 第一のグループの文献(Chemical Abstract
1941、35、2123;仏国特許第2381027号)は、活
性化された誘導体に対してHF媒体中で高温
(140〜150℃)で硫酸を作用させることからなる
スルホニル化方法を開示している。しかし、これ
らの方法は失活された誘導体には決して適用され
ない。 第二のグループの文献(ポーランド国特許第
102679号;英国特許第1351453号、独国特許出願
第2252571号)は、非常に高温(230〜250℃)で
H2SO4のみによるスルホニル化方法を開示して
いる。 第三のグループの文献(Shestov及びN.A.
Osipova著「Sb Statei Nauchn−Issled Inst.
Organ.Poluprod.i Krasitelei 1961、No.2、13−
45;独国特許出願第1950394号)は、Na2SO4又
はヘキサクロルエタンのような触媒の存在下に高
温(約150℃)でH2SO4によるスルホニル化方法
を開示している。 この後者のグループには、Kozlov他によりZh.
Org.Khim.1978、14(9)、1918−21を含めることが
できる。この文献は、0℃でふつ化水素酸中、五
ふつ化アンチモンを主体とした触媒の存在下にお
けるスルホニル化を開示している。このスルホニ
ル化は活性化された芳香族誘導体に対して行われ
る。 しかし、上記の方法のどれも120℃よりも低い
温度での失活された芳香族誘導体に対するスルホ
ニル化の実施を可能にするものではない。 ここに、長期間の研究の結果、上記の目的を達
成させるスルホニル化方法が見出された。 実際には、本発明は、液体ふつ化水素酸中で少
なくとも1バールの三ふつ化ほう素絶対圧下に失
活された芳香族誘導体と硫酸とを反応させること
を特徴とするスルホニル化方法に関する。 三ふつ化ほう素は、従来技術で用いられた触媒
と比較して大きな利点を与える。このものは工業
製品であり、したがつて市場に容易に入手でき、
またそれは反応終了後に容易に回収し且つそれを
再循環することができるガス形態で存在する。 上記のKozlov他が用いた五ふつ化アンチモン
のような触媒は液体である。このために、そのよ
うな触媒は、反応により生ずる生成物が反応温度
でガス状であるときにのみ付加操作なしで回収で
き且つ再循環できるにすぎない。しかし、本発明
ではそのようなことはない。 本発明において、失活された芳香族誘導体と
は、次の一般式 (ここで、R′はふつ素、塩素、臭素及びトリフ
ルオルメトキシ基よりなる群から選ばれ、pは1
又は2であり、Rは水素又は低級アルキル基であ
る) の化合物を意味する。 本発明の好ましい実施態様によれば、式()
におけるRは水素である。しかして、芳香族誘導
体は、ハロゲノベンゼン類、トリフルオルメトキ
シベンゼン類で代表される。 さらに詳しくは、ベンゼン誘導体はハロゲノベ
ンゼン類のうちから選ばれる。 用いられる硫酸は、市販の濃硫酸である。ま
た、このものは、本発明の範囲から逸脱すること
なく、無水硫酸又は発煙硫酸で置き換えてもよ
く、また反応媒体中ではフルオロスルホン酸の形
で存在できる。 硫酸対芳香族化合物のモル比は、有利には0.4
〜1.5である。 用いられるふつ化水素酸は好ましくは無水であ
る。 含水ふつ化水素酸の使用には、HF・BF3・
H2O(H3O+BF4 -)の形で三ふつ化ほう素の無用
な消費が伴なう。 反応室内のBF3の絶対圧が6〜20バールである
ような量のBF3を用いて実施するのが好ましい。 圧力が高くなるほど反応速度は増大する。20バ
ールを越える圧力を本発明の範囲から除外するわ
けではないが、そのような高い圧力が特別の利点
をもたらすわけではない。したがつて、当業者で
あれば、圧力をプロセスの経済性に適応させるこ
とができよう。 ふつ化水素酸対ベンゼン誘導体のモル比は、有
利には5〜50である。さらに好ましくは、このモ
ル比は10〜30である。 反応温度は好ましくは20〜120℃である。 得られるスルホン誘導体は、反応条件に左右さ
れる。これは、次の一般式 に相当するふつ化スルホニルか、又は次の一般式 に相当するジアリールスルホンか、又は両者の混
合物である。ここでR、R′及びpは前記の意味
を有する。 核へのSO2F基の結合位置は、他のオルト、メ
タ又はパラ配向性の基の存在に従つて当業者に周
知の置換法則に従つて決まる。 反応過程は二工程で行われる。 第一工程では、硫酸、芳香族誘導体、HF及び
BF3の間で反応してふつ化スルホニルを与える反
応が存在する。後者、即ちふつ化スルホニルは第
二の芳香族誘導体分子と反応してジアリールスル
ホンを与えることができる。反応条件及び出発反
応体に従つて、第一工程、両工程又は第二工程の
部分だけが行われる。 しかして、p=1の化合物の場合においては、
硫酸対芳香族化合物のモル比が0.5以下であり、
温度が80〜120℃であり且つ反応時間が少なくと
も5時間であるときは、主としてジフエニルスル
ホンが得られる。 p=2の化合物の場合には、主としてふつ化ス
ルホニルが得られる。 式()に相当する分子のうちでも、例えば、
フルオルベンゼン、クロルベンゼン、ブロムベン
ゼン、ジフルオルベンゼン類、ジクロルベンゼン
類、ジブロムベンゼン類、クロルフルオルベンゼ
ン類、クロルブロムベンゼン類、ブロムフルオル
ベンゼン類、トリフルオルメトキシベンゼン、フ
ルオルトルエン類、クロルトルエン類などが特に
使用できる。 式()に相当するふつ化スルホニルとして
は、ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル、ふ
つ化4−クロルベンゼンスルホニル、ふつ化4−
ブロムベンゼンスルホニル、ふつ化4−トリフル
オルメトキシベンゼンスルホニル、ふつ化2−フ
ルオル−5−メチルベンゼンスルホニル、ふつ化
3−クロル−6−メチルベンゼンスルホニル、ふ
つ化3,4−ジクロルベンゼンスルホニル、ふつ
化2,4−ジクロルベンゼンスルホニル、ふつ化
2,4−ジフルオルベンゼンスルホニル、ふつ化
2−フルオル−4−トリフルオルメトキシベンゼ
ンスルホニル、ふつ化4−フルオル−2−トリフ
ルオルメトキシベンゼンスルホニルなどがあげら
れる。 式()に相当するジアリールスルホンとして
は、4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン、
4,4′−ジクロルジフエニルスルホン、4,4′−
ジブロムジフエニルスルホン、4,4′−ビストリ
フルオルメトキシジフエニルスルホン、ジフルオ
ルジメチルジフエニルスルホン類、2,2′,4,
4′−テトラフルオルジフエニルスルホン、3,
3′,4,4′−テトラフルオルジフエニルスルホン
などがあげられる。 本発明の方法によつて得られるふつ化スルホニ
ル又はジアリールスルホンは、製薬又は農薬工業
における合成中間体として用いられる(米国特許
第3970752号;特開昭58−67604号)。 本発明を下記の実施例によつて詳細に説明す
る。 例 1 冷水浴によつてほぼ10℃に保持した反応器に
100gの無水HF、32.4g(0.2モル)のトリフル
オルメトキシベンゼン及び10g(0.1モル)の濃
硫酸を導入する。反応器を閉じ、次いでガス状
BF3を20℃で10バールの圧力まで導入する。反応
終了後、反応器を約10℃に冷却し、圧力を下げ、
次いで反応混合物200gの枠氷上に注ぐ。次いで
200c.c.のCH2Cl2で3回抽出する。有機相を200c.c.
のイオン交換水で2回、200c.c.の5%KOH溶液及
び200c.c.のイオン交換水で2回洗い、次いで乾燥
し、蒸発させる。かくして33.7g(収率87%)
の4,4′−ビストリフルオルメトキシジフエニル
スルホンが回収された(赤外線(IR)、気相クロ
マトグラフイ−(CPG)及び質量スペクトルで分
析)。Mp=104.5−105℃(MeOH)。 例 2 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 19.2g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 7バール(20℃) 温 度 80℃ 期 間 4時間15分 IR、CPG及び質量スペクトルにより、下記の
組成が認められた。 フルオルベンゼン 30% ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 20% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 50% 例 3 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 40g(2モル) クロルベンゼン 22.5g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 8バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 3時間45分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 クロルベンゼン 50% ふつ化4−クロルベンゼンスルホニル 20% 4,4′−ジクロルジフエニルスルホン 30% 例 4 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行つた。 ふつ化水素酸 100g(5モル) ブロムベンゼン 31.4g(0.2モル) 濃H2SO4 20g(0.2モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 4時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ブロムベンゼン 88% ふつ化4−ブロムベンゼンスルホニル 10% 4,4′−ジブロムジフエニルスルホン 2% 例 5 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 120g(6モル) ブロムベンゼン 31.4g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 6バール 温 度 80℃ 期 間 23時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−ブロムベンゼンスルホニル 25% 4,4′−ジブロムジフエニルスルホン 50% 例 6 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で実施する。 ふつ化水素酸 100g(5モル) 4−フルオルトルエン 22g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 8バール(20℃) 温 度 34℃ 期 間 5時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 4−フルオルトルエン 60% ふつ化2−フルオル−5−メチルベンゼンスルホ
ニル及びふつ化3−フルオル−6−メチルベンゼ
ンスルホニル 35% ジフルオルジメチルジフエニルスルホン類5% 例 7 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 50g(2.5モル) m−ジクロルベンゼン 14.5g(0.1モル) 濃H2SO4 5g(0.05モル) BF3 6バール(20℃) 温 度 120℃ 期 間 19時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 m−ジクロルベンゼン 75% ふつ化2,4−ジクロルベンゼンスルホニル25% 例 8 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 50g(2.5モル) o−ジクロルベンゼン 14.5g(0.1モル) 濃H2SO4 7.5g(0.075モル) BF3 6バール(20℃) 温 度 120℃ 期 間 17時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 o−ジクロルベンゼン 80% ふつ化2,3−ジクロル−及び3,4−ジクロル
−ベンゼンスルホニル 20% 例 9 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 9.6g(0.1モル) 濃H2SO4 14.7g(0.15モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 4時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 40% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 50% その他の誘導体 10% 例 10 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 60g(3モル) フルオルベンゼン 19.6g(0.2モル) 濃H2SO4 9.8g(0.1モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 23℃ 期 間 19時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 27% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 66% その他の誘導体 7% 例 11 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 19.6g(0.2モル) 濃H2SO4 9.8g(0.1モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 80℃ 期 間 1時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 48% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 48% その他の誘導体 4% 前記の例2〜11で得られた化合物のスルホン及
びふつ化スルホニル構造の赤外線スペクトルデー
タを下記の表1に要約する。 【表】
目的とする。 特に、本発明は、失活された芳香族誘導体のス
ルホニル化方法に関する。 本発明において、「失活された芳香族誘導体」
とは、少なくとも1個の次式 −ACoX1(X2)o(X3)o (ここでAは共有結合、酸素原子又は硫黄原子を
表わし、X1、X2及びX3はそれぞれ同一又は異な
つたハロゲンを表わし、nは0又は1に等しい) の基を有する芳香族誘導体の全てをいう。 従来技術では、スルホニル化方法を記載する文
献が知られている。 これらの文献は三つのグループに分けられる。 第一のグループの文献(Chemical Abstract
1941、35、2123;仏国特許第2381027号)は、活
性化された誘導体に対してHF媒体中で高温
(140〜150℃)で硫酸を作用させることからなる
スルホニル化方法を開示している。しかし、これ
らの方法は失活された誘導体には決して適用され
ない。 第二のグループの文献(ポーランド国特許第
102679号;英国特許第1351453号、独国特許出願
第2252571号)は、非常に高温(230〜250℃)で
H2SO4のみによるスルホニル化方法を開示して
いる。 第三のグループの文献(Shestov及びN.A.
Osipova著「Sb Statei Nauchn−Issled Inst.
Organ.Poluprod.i Krasitelei 1961、No.2、13−
45;独国特許出願第1950394号)は、Na2SO4又
はヘキサクロルエタンのような触媒の存在下に高
温(約150℃)でH2SO4によるスルホニル化方法
を開示している。 この後者のグループには、Kozlov他によりZh.
Org.Khim.1978、14(9)、1918−21を含めることが
できる。この文献は、0℃でふつ化水素酸中、五
ふつ化アンチモンを主体とした触媒の存在下にお
けるスルホニル化を開示している。このスルホニ
ル化は活性化された芳香族誘導体に対して行われ
る。 しかし、上記の方法のどれも120℃よりも低い
温度での失活された芳香族誘導体に対するスルホ
ニル化の実施を可能にするものではない。 ここに、長期間の研究の結果、上記の目的を達
成させるスルホニル化方法が見出された。 実際には、本発明は、液体ふつ化水素酸中で少
なくとも1バールの三ふつ化ほう素絶対圧下に失
活された芳香族誘導体と硫酸とを反応させること
を特徴とするスルホニル化方法に関する。 三ふつ化ほう素は、従来技術で用いられた触媒
と比較して大きな利点を与える。このものは工業
製品であり、したがつて市場に容易に入手でき、
またそれは反応終了後に容易に回収し且つそれを
再循環することができるガス形態で存在する。 上記のKozlov他が用いた五ふつ化アンチモン
のような触媒は液体である。このために、そのよ
うな触媒は、反応により生ずる生成物が反応温度
でガス状であるときにのみ付加操作なしで回収で
き且つ再循環できるにすぎない。しかし、本発明
ではそのようなことはない。 本発明において、失活された芳香族誘導体と
は、次の一般式 (ここで、R′はふつ素、塩素、臭素及びトリフ
ルオルメトキシ基よりなる群から選ばれ、pは1
又は2であり、Rは水素又は低級アルキル基であ
る) の化合物を意味する。 本発明の好ましい実施態様によれば、式()
におけるRは水素である。しかして、芳香族誘導
体は、ハロゲノベンゼン類、トリフルオルメトキ
シベンゼン類で代表される。 さらに詳しくは、ベンゼン誘導体はハロゲノベ
ンゼン類のうちから選ばれる。 用いられる硫酸は、市販の濃硫酸である。ま
た、このものは、本発明の範囲から逸脱すること
なく、無水硫酸又は発煙硫酸で置き換えてもよ
く、また反応媒体中ではフルオロスルホン酸の形
で存在できる。 硫酸対芳香族化合物のモル比は、有利には0.4
〜1.5である。 用いられるふつ化水素酸は好ましくは無水であ
る。 含水ふつ化水素酸の使用には、HF・BF3・
H2O(H3O+BF4 -)の形で三ふつ化ほう素の無用
な消費が伴なう。 反応室内のBF3の絶対圧が6〜20バールである
ような量のBF3を用いて実施するのが好ましい。 圧力が高くなるほど反応速度は増大する。20バ
ールを越える圧力を本発明の範囲から除外するわ
けではないが、そのような高い圧力が特別の利点
をもたらすわけではない。したがつて、当業者で
あれば、圧力をプロセスの経済性に適応させるこ
とができよう。 ふつ化水素酸対ベンゼン誘導体のモル比は、有
利には5〜50である。さらに好ましくは、このモ
ル比は10〜30である。 反応温度は好ましくは20〜120℃である。 得られるスルホン誘導体は、反応条件に左右さ
れる。これは、次の一般式 に相当するふつ化スルホニルか、又は次の一般式 に相当するジアリールスルホンか、又は両者の混
合物である。ここでR、R′及びpは前記の意味
を有する。 核へのSO2F基の結合位置は、他のオルト、メ
タ又はパラ配向性の基の存在に従つて当業者に周
知の置換法則に従つて決まる。 反応過程は二工程で行われる。 第一工程では、硫酸、芳香族誘導体、HF及び
BF3の間で反応してふつ化スルホニルを与える反
応が存在する。後者、即ちふつ化スルホニルは第
二の芳香族誘導体分子と反応してジアリールスル
ホンを与えることができる。反応条件及び出発反
応体に従つて、第一工程、両工程又は第二工程の
部分だけが行われる。 しかして、p=1の化合物の場合においては、
硫酸対芳香族化合物のモル比が0.5以下であり、
温度が80〜120℃であり且つ反応時間が少なくと
も5時間であるときは、主としてジフエニルスル
ホンが得られる。 p=2の化合物の場合には、主としてふつ化ス
ルホニルが得られる。 式()に相当する分子のうちでも、例えば、
フルオルベンゼン、クロルベンゼン、ブロムベン
ゼン、ジフルオルベンゼン類、ジクロルベンゼン
類、ジブロムベンゼン類、クロルフルオルベンゼ
ン類、クロルブロムベンゼン類、ブロムフルオル
ベンゼン類、トリフルオルメトキシベンゼン、フ
ルオルトルエン類、クロルトルエン類などが特に
使用できる。 式()に相当するふつ化スルホニルとして
は、ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル、ふ
つ化4−クロルベンゼンスルホニル、ふつ化4−
ブロムベンゼンスルホニル、ふつ化4−トリフル
オルメトキシベンゼンスルホニル、ふつ化2−フ
ルオル−5−メチルベンゼンスルホニル、ふつ化
3−クロル−6−メチルベンゼンスルホニル、ふ
つ化3,4−ジクロルベンゼンスルホニル、ふつ
化2,4−ジクロルベンゼンスルホニル、ふつ化
2,4−ジフルオルベンゼンスルホニル、ふつ化
2−フルオル−4−トリフルオルメトキシベンゼ
ンスルホニル、ふつ化4−フルオル−2−トリフ
ルオルメトキシベンゼンスルホニルなどがあげら
れる。 式()に相当するジアリールスルホンとして
は、4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン、
4,4′−ジクロルジフエニルスルホン、4,4′−
ジブロムジフエニルスルホン、4,4′−ビストリ
フルオルメトキシジフエニルスルホン、ジフルオ
ルジメチルジフエニルスルホン類、2,2′,4,
4′−テトラフルオルジフエニルスルホン、3,
3′,4,4′−テトラフルオルジフエニルスルホン
などがあげられる。 本発明の方法によつて得られるふつ化スルホニ
ル又はジアリールスルホンは、製薬又は農薬工業
における合成中間体として用いられる(米国特許
第3970752号;特開昭58−67604号)。 本発明を下記の実施例によつて詳細に説明す
る。 例 1 冷水浴によつてほぼ10℃に保持した反応器に
100gの無水HF、32.4g(0.2モル)のトリフル
オルメトキシベンゼン及び10g(0.1モル)の濃
硫酸を導入する。反応器を閉じ、次いでガス状
BF3を20℃で10バールの圧力まで導入する。反応
終了後、反応器を約10℃に冷却し、圧力を下げ、
次いで反応混合物200gの枠氷上に注ぐ。次いで
200c.c.のCH2Cl2で3回抽出する。有機相を200c.c.
のイオン交換水で2回、200c.c.の5%KOH溶液及
び200c.c.のイオン交換水で2回洗い、次いで乾燥
し、蒸発させる。かくして33.7g(収率87%)
の4,4′−ビストリフルオルメトキシジフエニル
スルホンが回収された(赤外線(IR)、気相クロ
マトグラフイ−(CPG)及び質量スペクトルで分
析)。Mp=104.5−105℃(MeOH)。 例 2 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 19.2g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 7バール(20℃) 温 度 80℃ 期 間 4時間15分 IR、CPG及び質量スペクトルにより、下記の
組成が認められた。 フルオルベンゼン 30% ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 20% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 50% 例 3 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 40g(2モル) クロルベンゼン 22.5g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 8バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 3時間45分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 クロルベンゼン 50% ふつ化4−クロルベンゼンスルホニル 20% 4,4′−ジクロルジフエニルスルホン 30% 例 4 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行つた。 ふつ化水素酸 100g(5モル) ブロムベンゼン 31.4g(0.2モル) 濃H2SO4 20g(0.2モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 4時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ブロムベンゼン 88% ふつ化4−ブロムベンゼンスルホニル 10% 4,4′−ジブロムジフエニルスルホン 2% 例 5 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 120g(6モル) ブロムベンゼン 31.4g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 6バール 温 度 80℃ 期 間 23時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−ブロムベンゼンスルホニル 25% 4,4′−ジブロムジフエニルスルホン 50% 例 6 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で実施する。 ふつ化水素酸 100g(5モル) 4−フルオルトルエン 22g(0.2モル) 濃H2SO4 10g(0.1モル) BF3 8バール(20℃) 温 度 34℃ 期 間 5時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 4−フルオルトルエン 60% ふつ化2−フルオル−5−メチルベンゼンスルホ
ニル及びふつ化3−フルオル−6−メチルベンゼ
ンスルホニル 35% ジフルオルジメチルジフエニルスルホン類5% 例 7 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 50g(2.5モル) m−ジクロルベンゼン 14.5g(0.1モル) 濃H2SO4 5g(0.05モル) BF3 6バール(20℃) 温 度 120℃ 期 間 19時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 m−ジクロルベンゼン 75% ふつ化2,4−ジクロルベンゼンスルホニル25% 例 8 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 50g(2.5モル) o−ジクロルベンゼン 14.5g(0.1モル) 濃H2SO4 7.5g(0.075モル) BF3 6バール(20℃) 温 度 120℃ 期 間 17時間30分 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 o−ジクロルベンゼン 80% ふつ化2,3−ジクロル−及び3,4−ジクロル
−ベンゼンスルホニル 20% 例 9 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 9.6g(0.1モル) 濃H2SO4 14.7g(0.15モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 50℃ 期 間 4時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 40% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 50% その他の誘導体 10% 例 10 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 60g(3モル) フルオルベンゼン 19.6g(0.2モル) 濃H2SO4 9.8g(0.1モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 23℃ 期 間 19時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 27% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 66% その他の誘導体 7% 例 11 下記の化合物及び条件を用いて例1と類似の態
様で行う。 ふつ化水素酸 100g(5モル) フルオルベンゼン 19.6g(0.2モル) 濃H2SO4 9.8g(0.1モル) BF3 10バール(20℃) 温 度 80℃ 期 間 1時間 IR、CPG及び質量スペクトル分析により下記
の組成が認められた。 ふつ化4−フルオルベンゼンスルホニル 48% 4,4′−ジフルオルジフエニルスルホン 48% その他の誘導体 4% 前記の例2〜11で得られた化合物のスルホン及
びふつ化スルホニル構造の赤外線スペクトルデー
タを下記の表1に要約する。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 液体ふつ化水素酸中で少なくとも1バールの
三ふつ化ほう素絶対圧下に次の一般式 (ここで、R′はふつ素、塩素、臭素及びトリフ
ルオルメトキシ基よりなる群から選ばれ、pは1
又は2であり、Rは水素又は低級アルキル基であ
る) に相当する失活された芳香族誘導体と硫酸とを反
応させることを特徴とする、次の一般式 に相当するふつ化スルホニルか、又は次の一般式 に相当するジアリールスルホンか、又は両者の混
合物(ここで、R、R′及びpは前記の意味を有
し、そして核への−SO2−の結合位置はオルト又
はパラ配向性基R′の存在によつて周知の置換法
則に従つて決まる)を得る方法。 2 Rが水素であることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の方法。 3 芳香族誘導体がフルオルベンゼンであること
を特徴とする特許請求の範囲第1又は2項のいず
れかに記載の方法。 4 ふつ化水素酸対芳香族誘導体のモル比が5〜
50であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の方法。 5 硫酸対芳香族誘導体のモル比が0.4〜1.5であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
方法。 6 用いるふつ化水素酸が無水ふつ化水素酸であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1〜5項の
いずれかに記載の方法。 7 反応室内のBF3の絶対圧が6〜20バールであ
るような量の三ふつ化ほう素が用いられることを
特徴とする特許請求の範囲第1〜6項のいずれか
に記載の方法。 8 反応が20〜120℃の温度で行われることを特
徴とする特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに
記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR8320538A FR2557107B1 (fr) | 1983-12-22 | 1983-12-22 | Procede de sulfonylation |
FR83.20538 | 1983-12-22 |
Publications (2)
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---|---|
JPS60197655A JPS60197655A (ja) | 1985-10-07 |
JPS6366829B2 true JPS6366829B2 (ja) | 1988-12-22 |
Family
ID=9295429
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
EP (1) | EP0147298B1 (ja) |
JP (1) | JPS60197655A (ja) |
AT (1) | ATE42535T1 (ja) |
CA (1) | CA1221376A (ja) |
DE (1) | DE3477921D1 (ja) |
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JPH01299266A (ja) * | 1988-05-26 | 1989-12-04 | Agency Of Ind Science & Technol | 4,4’−ジハロゲン化ジフェニルスルホンの製造法 |
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FR2519979A1 (fr) * | 1982-01-21 | 1983-07-22 | Rhone Poulenc Spec Chim | Procede de preparation de trifluoromethoxy ou trifluoromethylthiophenylsulfones |
-
1983
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-
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JPS60197655A (ja) | 1985-10-07 |
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