JPS627911B2 - - Google Patents
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- JPS627911B2 JPS627911B2 JP9570079A JP9570079A JPS627911B2 JP S627911 B2 JPS627911 B2 JP S627911B2 JP 9570079 A JP9570079 A JP 9570079A JP 9570079 A JP9570079 A JP 9570079A JP S627911 B2 JPS627911 B2 JP S627911B2
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- compound
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
〔〕 発明の背景
技術分野
本発明は、新規化合物およびその用途に関す
る。さらに具体的には、本発明は、新規なベンゼ
ンスルホンアミド誘導体およびそれを有効成分と
する植物病害防除剤に関する。 現在、紋枯病防除薬剤として広範囲に使用され
ている抗生物質剤は、残効性が少ないため薬効不
足が指摘され、耐性菌の出現が懸念されている。
また一方、有機砒素剤も、紋枯病防除剤として使
用されているが、有効成分の中に重金属が含まれ
ているため、人畜に対する毒性ならびに環境汚染
の点から問題があるなど、既存防除薬剤には多く
の難点があり、新しい型の防除薬剤の開発が各界
から強く要望されている。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は、新規なベンゼンスルホンアミド誘導
体を提供することによつて上記の点に解決を与え
ようとするものである。 従つて、本発明による2−シアノベンゼンスル
ホンアミド誘導体は、一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示されるものである。 また、本発明による植物病害防除剤は、一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分とする
ものである。 効 果 本発明による新規化合物は一般に広範囲の農園
芸作物病害に防除活性を示すが、特にイネ紋枯病
ならびにトマトおよびきうりの立枯病にすぐれた
防除効果を有している。 この新規化合物は重金属を含まない極めて低毒
性の合成化合物であつて、人畜ならびに魚類に対
する毒性は実用上全くなく、また作物に対する薬
害も認められない。従つて、この化合物は、前記
した既存薬剤の欠点を補なうに充分な作用性を有
するものと考えられる。 〔〕 発明の具体的説明 1 化合物 本発明による化合物は、一般式()で示さ
れる。 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロ
ピル基を示す。以下の各々の式についても同
じ) 一般式()の化合物のうち、Rがともにエ
チル基およびイソプロピル基であるもの、すな
わち下記の化合物(1)および(2)が代表的である。 化合物(1) 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニ
ル)ベンゼンスルホンアミド 化合物(2) 2−シアノ−N−(2′・6′−ジイソプロピル
フエニル)ベンゼンスルホンアミド 2 化合物の製造 本発明化合物は、式()中の希望の置換基
ないし結合の導入ないし形成に合目的的な任意
の方法によつて合成することができる。 適当な合成法の一つは、下記の反応式に示さ
れる反応によるものであつて、2−シアノベン
ゼンスルホン酸の水酸基に関しての反応性誘導
体、たとえばハロゲニド、特にクロリド、と
2・6−ジアルキルアニリン()とを反応さ
せて、目的物()を得る方法である。 化合物()と()との反応はハロゲン化
水素の発生を併なうものであるから、種々の有
機塩基ないし無機塩基の酸補捉剤の存在下に行
なうのが好ましい。また、反応は、化合物
()〜()および場合により使用する酸捕
捉剤の少なくともいずれかを所望濃度に溶解な
いし分散させることができ、しかもこの反応を
実質的に阻害しない溶媒ないし分散媒の存在下
に行なうことができる。その場合に、過剰量の
化合物()を酸捕捉剤兼溶媒ないし分散媒と
して利用することができる。 この反応を行なうときの具体的な反応条件そ
の他は、後記実験例の記載およびJ.Am.Chem.
Soc.82、1594(1960)(文献1)または
Beilstein Handbuch der organischen Chemie
XI、376(文献2)記載の方法に準じて適宜
選定すればよい。なお、原料の一つである化合
物()は、たとえば、上記J.A.C.Sまたは
Beilstein(文献1または文献2)の記載の方法
に準じて合成することができる。 3 化合物の有用性−植物病害防除剤 本発明による植物病害防除剤は、活性成分が
前記の化合物()であることに留意すべきこ
とを除けば、農園芸用薬剤、特に殺菌剤、とし
て採用しうる任意の形態ないし使用態様をとる
ことができる。 具体的には、たとえば、本発明の化合物をそ
のまま、または水、固体粉末、その他の適当な
担体を用いて稀釈し、必要に応じて展着剤等の
補助剤を加えて使用するか、あるいは農薬製造
に一般的に使用されている方法によつて各種の
液体または固体担体を混合し、必要ならば湿展
剤、展着剤、分散剤、乳化剤、固着剤などの補
助剤を加えて、水和剤、液剤、乳剤、粉剤、粒
剤などの製剤形態にして使用することができ
る。 これらの製剤を製造するに当つて、液体担体と
しては、本発明の化合物に対して溶剤となるもの
または補助剤によつて分散もしくは溶解させ得る
もの、が用いられる。たとえば、ケロシン、ジオ
キサン、アセトン、ジメチルスルホキサイド、動
植物油、および界面活性剤など、固体担体として
は粘土、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭
酸カルシウム、重炭酸カルシウムなどが用いられ
る。 このようにして得られる製剤中の有効成分の含
量は、広い範囲で変更することができる。たとえ
ば、液剤として使用する場合の液中濃度は
10ppm〜500ppm程度が適当であり、粉剤あるい
は粒剤の場合は本発明の化合物を1%〜20%程度
の範囲で含有することが望ましい。このような濃
度よりも高濃度に製剤化して、使用時に稀釈する
ようにすることができることはいうまでもない。
また、事情が許せば、製剤化に際しては両立性の
他の農園芸用薬剤または肥料を混合することもで
きる。 本発明による防除剤は、作物の茎葉に散布して
用いることができるほか、水面や水中あるいは土
壤表面や土壤中に施用して用いることもできる。
その場合に、両立性の農園芸用薬剤ないし肥料を
混用することができる。そのような農園芸用薬剤
には、たとえば、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物
生長調整剤などがある。 施用量は、対象病害の種類および程度、対象作
物の種類、施用態様その他によつて変化するが、
土壤に施す場合の例を挙げれば10アール当り0.1
Kg〜10Kg程度の施用量が一般に適当である。 4 実施例 (1) 化合物の合成 合成例 1 化合物(1)の合成 2−シアノベンゼンスルホン酸クロリド2.01g
と2・6−ジエチルアニリン3.0gとを混合し、
撹拌しながら150℃に加熱した。発熱して反応
し、透明な溶液は間をなく固化した。直ちに加熱
をやめて放冷し、メタノールを加え、析出する結
晶を過し、少量のメタノールで洗つて、2−シ
アノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)−ベンゼ
ンスルホンアミド(一般式()に於てR=エチ
ル基の化合物)1.3gを得た。 (1) 融点 131.5〜133℃(再結晶溶媒メタノー
ル)。 (2) 赤外吸収スペクトル(Nujol)(cm-1) 3230(NH)、2260(C≡N)、1660、1586、
1406、1334、1264、1192、1158、1132、1068、
1038、971、946、684、606 (3) NMRスペクトル(DMSO−d6−TMS)δ 8.05〜6.78(7H、多重線、芳香環プロトン)、
2.30(4H、四重線、J=7Hz、−CH2 −CH3×
2)、0.93(6H、三重線、J=7Hz、−CH2−C
H3 ×2) (4) Massスペクトル m/e 314(M+) (5) 元素分析値(%) C17H18N2O2S(314.4) 計算値 C 64.95、H 5.77、N 8.91 分析値 C 64.87、H 5.80、N 8.88 合成例 2 化合物(2)の合成 2・6−ジイソプロピルアニリン6.48gと2−
シアノ−ベンゼンスルホン酸クロリド4.2gとを
混合し、浴温140℃で撹拌しながら加熱した。透
明な溶液は、次第に固化した。内温120℃に達し
て内容物が完全に固化したときに加熱をやめ、放
冷し、メタノール30ml、を加えてスラリー状と
し、析出している無色の結晶を過し、冷メタノ
ールで洗つて、2.8gの2−シアノ−N−(2・6
−ジイソプロピルフエニル)−ベンゼンスルホン
アミドの結晶が得られた。 (1) 融点 175〜176.5(分解)、(再結晶溶媒メタ
ノール)。 (2) 赤外吸収スペクトル(Nujol)(cm-1) 3240(NH)、2260(C≡N)、1589、1408、
1339、1260、1185、1161、1131、1104、1066、
928、804、773、756、703、688、625、600、
571 (3) NMRスペクトル(DMSO−d6−TMS)δ 8.05〜6.82(7H、多重線、芳香環プロトン)、
2.97(2H、七重線、J=6.5Hz、−CH(CH3)2
×2)、0.91(12H、二重線、J=6.5Hz、−CH
(CH3 )×2)。 (4) 元素分析値(%) C19H22N2O2S(342.46) 計算値 C 66.63、H 6.48、N 8.18 分析値 C 66.56、H 6.52、N 8.13 (5) Massスペクトル m/e 342(M+)、299(M+−CH(CH3)2)、176 (2) 製剤化 製剤例 1 水和剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)
ベンゼンスルホンアミド 20重量部 クレー 10〃 珪藻土 65〃 リグニンスルホン酸 3〃 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル2〃 上記の成分物質を均一に混合粉砕して、水和剤
組成物をつくり、所定濃度で10アール当り100〜
150リツトル散布する。 製剤例 2 粉 剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジイソプロピルフエ
ニル)ベンゼンスルホンアミド 3重量部 ステアリン酸カルシウム 1〃 無水珪酸粉末 1〃 クレー 48〃 タルク 47〃 上記の成分を混合粉砕して得た粉剤組成物を、
10アール当り4Kg散布する。 製剤例 3 粒 剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)
ベンゼンスルホンアミド 8重量部 クレー 89〃 カルボキシメチルセルローズ 3〃 上記の成分物質を混合し、適当量の水を加えて
練合成型ののち乾燥してなる粉剤組成物を、10ア
ール当り3Kg散粒する。 (3) 薬効試験 試験例 1 イネ紋枯病の防除効果試験 1/5000アールのワグネルポツトで栽培した穂孕
期の水稲(品種+石)に、前記製剤例1により製
造した水和剤を所定濃度の散布液に調整したもの
を、薬剤散布装置スプレーガン(3Kg/cm2)を使
用して、70ml/3ポツトの割合で散布した。 当日接種区は、風乾後ただちに、ペプトン加用
馬鈴薯煎汁寒天培地に48時間平面培養して得た紋
枯病菌を径0.5cmのコルクボーラーで打抜いた含
菌糸寒天片を株の中心、地表面から15cmのところ
へ挿入して接種を行なつた。また、侵入の予防効
果をみるため行なつた散布後7日目接種区は、薬
液散布風乾後、7日間ガラス温室内に静置したの
ちに、上記当日接種区に準じた方法で接種を行な
つた。 接種後は、当日接種区および7日後接種区の両
区とも、紋枯病菌の侵入進展を助長するためポツ
ト毎にビニル円筒で覆い、日中30℃および夜間24
℃のガラス温室に静置して発病させ、接種処理10
日後に発病茎の病斑長を測定し、次式に従つて防
除価を算出した。また薬害の発生状況は、同時に
肉眼観察によつて行なつた。 防除価=(1−処理区の平均病斑長/無処理区の平均病
斑長)×100 結果は、下表に示す通りであつた。
る。さらに具体的には、本発明は、新規なベンゼ
ンスルホンアミド誘導体およびそれを有効成分と
する植物病害防除剤に関する。 現在、紋枯病防除薬剤として広範囲に使用され
ている抗生物質剤は、残効性が少ないため薬効不
足が指摘され、耐性菌の出現が懸念されている。
また一方、有機砒素剤も、紋枯病防除剤として使
用されているが、有効成分の中に重金属が含まれ
ているため、人畜に対する毒性ならびに環境汚染
の点から問題があるなど、既存防除薬剤には多く
の難点があり、新しい型の防除薬剤の開発が各界
から強く要望されている。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は、新規なベンゼンスルホンアミド誘導
体を提供することによつて上記の点に解決を与え
ようとするものである。 従つて、本発明による2−シアノベンゼンスル
ホンアミド誘導体は、一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示されるものである。 また、本発明による植物病害防除剤は、一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分とする
ものである。 効 果 本発明による新規化合物は一般に広範囲の農園
芸作物病害に防除活性を示すが、特にイネ紋枯病
ならびにトマトおよびきうりの立枯病にすぐれた
防除効果を有している。 この新規化合物は重金属を含まない極めて低毒
性の合成化合物であつて、人畜ならびに魚類に対
する毒性は実用上全くなく、また作物に対する薬
害も認められない。従つて、この化合物は、前記
した既存薬剤の欠点を補なうに充分な作用性を有
するものと考えられる。 〔〕 発明の具体的説明 1 化合物 本発明による化合物は、一般式()で示さ
れる。 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロ
ピル基を示す。以下の各々の式についても同
じ) 一般式()の化合物のうち、Rがともにエ
チル基およびイソプロピル基であるもの、すな
わち下記の化合物(1)および(2)が代表的である。 化合物(1) 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニ
ル)ベンゼンスルホンアミド 化合物(2) 2−シアノ−N−(2′・6′−ジイソプロピル
フエニル)ベンゼンスルホンアミド 2 化合物の製造 本発明化合物は、式()中の希望の置換基
ないし結合の導入ないし形成に合目的的な任意
の方法によつて合成することができる。 適当な合成法の一つは、下記の反応式に示さ
れる反応によるものであつて、2−シアノベン
ゼンスルホン酸の水酸基に関しての反応性誘導
体、たとえばハロゲニド、特にクロリド、と
2・6−ジアルキルアニリン()とを反応さ
せて、目的物()を得る方法である。 化合物()と()との反応はハロゲン化
水素の発生を併なうものであるから、種々の有
機塩基ないし無機塩基の酸補捉剤の存在下に行
なうのが好ましい。また、反応は、化合物
()〜()および場合により使用する酸捕
捉剤の少なくともいずれかを所望濃度に溶解な
いし分散させることができ、しかもこの反応を
実質的に阻害しない溶媒ないし分散媒の存在下
に行なうことができる。その場合に、過剰量の
化合物()を酸捕捉剤兼溶媒ないし分散媒と
して利用することができる。 この反応を行なうときの具体的な反応条件そ
の他は、後記実験例の記載およびJ.Am.Chem.
Soc.82、1594(1960)(文献1)または
Beilstein Handbuch der organischen Chemie
XI、376(文献2)記載の方法に準じて適宜
選定すればよい。なお、原料の一つである化合
物()は、たとえば、上記J.A.C.Sまたは
Beilstein(文献1または文献2)の記載の方法
に準じて合成することができる。 3 化合物の有用性−植物病害防除剤 本発明による植物病害防除剤は、活性成分が
前記の化合物()であることに留意すべきこ
とを除けば、農園芸用薬剤、特に殺菌剤、とし
て採用しうる任意の形態ないし使用態様をとる
ことができる。 具体的には、たとえば、本発明の化合物をそ
のまま、または水、固体粉末、その他の適当な
担体を用いて稀釈し、必要に応じて展着剤等の
補助剤を加えて使用するか、あるいは農薬製造
に一般的に使用されている方法によつて各種の
液体または固体担体を混合し、必要ならば湿展
剤、展着剤、分散剤、乳化剤、固着剤などの補
助剤を加えて、水和剤、液剤、乳剤、粉剤、粒
剤などの製剤形態にして使用することができ
る。 これらの製剤を製造するに当つて、液体担体と
しては、本発明の化合物に対して溶剤となるもの
または補助剤によつて分散もしくは溶解させ得る
もの、が用いられる。たとえば、ケロシン、ジオ
キサン、アセトン、ジメチルスルホキサイド、動
植物油、および界面活性剤など、固体担体として
は粘土、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭
酸カルシウム、重炭酸カルシウムなどが用いられ
る。 このようにして得られる製剤中の有効成分の含
量は、広い範囲で変更することができる。たとえ
ば、液剤として使用する場合の液中濃度は
10ppm〜500ppm程度が適当であり、粉剤あるい
は粒剤の場合は本発明の化合物を1%〜20%程度
の範囲で含有することが望ましい。このような濃
度よりも高濃度に製剤化して、使用時に稀釈する
ようにすることができることはいうまでもない。
また、事情が許せば、製剤化に際しては両立性の
他の農園芸用薬剤または肥料を混合することもで
きる。 本発明による防除剤は、作物の茎葉に散布して
用いることができるほか、水面や水中あるいは土
壤表面や土壤中に施用して用いることもできる。
その場合に、両立性の農園芸用薬剤ないし肥料を
混用することができる。そのような農園芸用薬剤
には、たとえば、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物
生長調整剤などがある。 施用量は、対象病害の種類および程度、対象作
物の種類、施用態様その他によつて変化するが、
土壤に施す場合の例を挙げれば10アール当り0.1
Kg〜10Kg程度の施用量が一般に適当である。 4 実施例 (1) 化合物の合成 合成例 1 化合物(1)の合成 2−シアノベンゼンスルホン酸クロリド2.01g
と2・6−ジエチルアニリン3.0gとを混合し、
撹拌しながら150℃に加熱した。発熱して反応
し、透明な溶液は間をなく固化した。直ちに加熱
をやめて放冷し、メタノールを加え、析出する結
晶を過し、少量のメタノールで洗つて、2−シ
アノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)−ベンゼ
ンスルホンアミド(一般式()に於てR=エチ
ル基の化合物)1.3gを得た。 (1) 融点 131.5〜133℃(再結晶溶媒メタノー
ル)。 (2) 赤外吸収スペクトル(Nujol)(cm-1) 3230(NH)、2260(C≡N)、1660、1586、
1406、1334、1264、1192、1158、1132、1068、
1038、971、946、684、606 (3) NMRスペクトル(DMSO−d6−TMS)δ 8.05〜6.78(7H、多重線、芳香環プロトン)、
2.30(4H、四重線、J=7Hz、−CH2 −CH3×
2)、0.93(6H、三重線、J=7Hz、−CH2−C
H3 ×2) (4) Massスペクトル m/e 314(M+) (5) 元素分析値(%) C17H18N2O2S(314.4) 計算値 C 64.95、H 5.77、N 8.91 分析値 C 64.87、H 5.80、N 8.88 合成例 2 化合物(2)の合成 2・6−ジイソプロピルアニリン6.48gと2−
シアノ−ベンゼンスルホン酸クロリド4.2gとを
混合し、浴温140℃で撹拌しながら加熱した。透
明な溶液は、次第に固化した。内温120℃に達し
て内容物が完全に固化したときに加熱をやめ、放
冷し、メタノール30ml、を加えてスラリー状と
し、析出している無色の結晶を過し、冷メタノ
ールで洗つて、2.8gの2−シアノ−N−(2・6
−ジイソプロピルフエニル)−ベンゼンスルホン
アミドの結晶が得られた。 (1) 融点 175〜176.5(分解)、(再結晶溶媒メタ
ノール)。 (2) 赤外吸収スペクトル(Nujol)(cm-1) 3240(NH)、2260(C≡N)、1589、1408、
1339、1260、1185、1161、1131、1104、1066、
928、804、773、756、703、688、625、600、
571 (3) NMRスペクトル(DMSO−d6−TMS)δ 8.05〜6.82(7H、多重線、芳香環プロトン)、
2.97(2H、七重線、J=6.5Hz、−CH(CH3)2
×2)、0.91(12H、二重線、J=6.5Hz、−CH
(CH3 )×2)。 (4) 元素分析値(%) C19H22N2O2S(342.46) 計算値 C 66.63、H 6.48、N 8.18 分析値 C 66.56、H 6.52、N 8.13 (5) Massスペクトル m/e 342(M+)、299(M+−CH(CH3)2)、176 (2) 製剤化 製剤例 1 水和剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)
ベンゼンスルホンアミド 20重量部 クレー 10〃 珪藻土 65〃 リグニンスルホン酸 3〃 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル2〃 上記の成分物質を均一に混合粉砕して、水和剤
組成物をつくり、所定濃度で10アール当り100〜
150リツトル散布する。 製剤例 2 粉 剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジイソプロピルフエ
ニル)ベンゼンスルホンアミド 3重量部 ステアリン酸カルシウム 1〃 無水珪酸粉末 1〃 クレー 48〃 タルク 47〃 上記の成分を混合粉砕して得た粉剤組成物を、
10アール当り4Kg散布する。 製剤例 3 粒 剤 2−シアノ−N−(2′・6′−ジエチルフエニル)
ベンゼンスルホンアミド 8重量部 クレー 89〃 カルボキシメチルセルローズ 3〃 上記の成分物質を混合し、適当量の水を加えて
練合成型ののち乾燥してなる粉剤組成物を、10ア
ール当り3Kg散粒する。 (3) 薬効試験 試験例 1 イネ紋枯病の防除効果試験 1/5000アールのワグネルポツトで栽培した穂孕
期の水稲(品種+石)に、前記製剤例1により製
造した水和剤を所定濃度の散布液に調整したもの
を、薬剤散布装置スプレーガン(3Kg/cm2)を使
用して、70ml/3ポツトの割合で散布した。 当日接種区は、風乾後ただちに、ペプトン加用
馬鈴薯煎汁寒天培地に48時間平面培養して得た紋
枯病菌を径0.5cmのコルクボーラーで打抜いた含
菌糸寒天片を株の中心、地表面から15cmのところ
へ挿入して接種を行なつた。また、侵入の予防効
果をみるため行なつた散布後7日目接種区は、薬
液散布風乾後、7日間ガラス温室内に静置したの
ちに、上記当日接種区に準じた方法で接種を行な
つた。 接種後は、当日接種区および7日後接種区の両
区とも、紋枯病菌の侵入進展を助長するためポツ
ト毎にビニル円筒で覆い、日中30℃および夜間24
℃のガラス温室に静置して発病させ、接種処理10
日後に発病茎の病斑長を測定し、次式に従つて防
除価を算出した。また薬害の発生状況は、同時に
肉眼観察によつて行なつた。 防除価=(1−処理区の平均病斑長/無処理区の平均病
斑長)×100 結果は、下表に示す通りであつた。
【表】
試験例 2
苗立枯病防除試験
苗立枯病菌(リゾクトニア菌A型菌)を馬鈴
薯煎汁寒天培地上で培養し、3倍量の米糠ととも
に混合磨砕して、接種源をつくつた。供試作物と
してトマト(品種ひかり)ならびにキユウリ(品
種さつきみどり)を用い、殺菌畑土壤をつめた1/
5000アールワグネルポツトに20粒/ポツトの芽出
し種子を播種および覆土し、上記の接種源と殺菌
畑土とを等量混合したものをその上に均一に散布
して接種を行なつた。接種後、28℃の恒温室に48
時間静置したのち、製剤例1の本発明の化合物を
所定濃度に調製して潅注液とし、ポツト当り100
mlのこの薬液をピペツトで地表面に均一に注下施
用した。その後、接種菌の侵入進展を容易にする
ため、30℃〜28℃のガラス温室に搬入し、ポツト
内土壤の湿度をやゝ乾燥気味の状態で経過させて
発病させた。調査は、播種3週間後までの発芽数
および健全菌数を調べて、播種粒数に対する発芽
率および発芽数に対する健全菌率を算出した。 結果は、下表に示す通りであつた。
薯煎汁寒天培地上で培養し、3倍量の米糠ととも
に混合磨砕して、接種源をつくつた。供試作物と
してトマト(品種ひかり)ならびにキユウリ(品
種さつきみどり)を用い、殺菌畑土壤をつめた1/
5000アールワグネルポツトに20粒/ポツトの芽出
し種子を播種および覆土し、上記の接種源と殺菌
畑土とを等量混合したものをその上に均一に散布
して接種を行なつた。接種後、28℃の恒温室に48
時間静置したのち、製剤例1の本発明の化合物を
所定濃度に調製して潅注液とし、ポツト当り100
mlのこの薬液をピペツトで地表面に均一に注下施
用した。その後、接種菌の侵入進展を容易にする
ため、30℃〜28℃のガラス温室に搬入し、ポツト
内土壤の湿度をやゝ乾燥気味の状態で経過させて
発病させた。調査は、播種3週間後までの発芽数
および健全菌数を調べて、播種粒数に対する発芽
率および発芽数に対する健全菌率を算出した。 結果は、下表に示す通りであつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示される2−シアノベンゼンスル
ホンアミド誘導体。 2 一般式 (式中、Rはそれぞれエチル基またはイソプロピ
ル基を示す)で示される化合物を有効成分とする
植物病害防除剤。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9570079A JPS5620564A (en) | 1979-07-27 | 1979-07-27 | 2-cyanobenzenesulfonamide derivative and plant disease prophylactic containing the same |
PH24349A PH16716A (en) | 1979-07-27 | 1980-07-25 | 2-cyanobenzenesulfonamide derivatives and preventives or remedies for plant diseases containing the same |
BR8004670A BR8004670A (pt) | 1979-07-27 | 1980-07-25 | Preventivo ou remedio para doencas de plantas |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9570079A JPS5620564A (en) | 1979-07-27 | 1979-07-27 | 2-cyanobenzenesulfonamide derivative and plant disease prophylactic containing the same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5620564A JPS5620564A (en) | 1981-02-26 |
JPS627911B2 true JPS627911B2 (ja) | 1987-02-19 |
Family
ID=14144770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9570079A Granted JPS5620564A (en) | 1979-07-27 | 1979-07-27 | 2-cyanobenzenesulfonamide derivative and plant disease prophylactic containing the same |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5620564A (ja) |
BR (1) | BR8004670A (ja) |
PH (1) | PH16716A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58203529A (ja) * | 1982-05-21 | 1983-11-28 | Kinugawa Rubber Ind Co Ltd | ギヤシフトレバ− |
JPS5927328A (ja) * | 1982-08-04 | 1984-02-13 | Kinugawa Rubber Ind Co Ltd | シフトレバ− |
BRPI0607707A2 (pt) * | 2005-03-24 | 2010-03-16 | Basf Ag | método para a proteção de sementes contra insetos do solo e dos brotos e raìzes das mudas contra insetos do solo e foliares, uso dos compostos, e, semente |
GB0526252D0 (en) * | 2005-12-22 | 2006-02-01 | Novartis Ag | Organic compounds |
-
1979
- 1979-07-27 JP JP9570079A patent/JPS5620564A/ja active Granted
-
1980
- 1980-07-25 BR BR8004670A patent/BR8004670A/pt unknown
- 1980-07-25 PH PH24349A patent/PH16716A/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
BR8004670A (pt) | 1981-02-10 |
PH16716A (en) | 1984-01-25 |
JPS5620564A (en) | 1981-02-26 |
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