【発明の詳細な説明】
粉 砕 機
発明の分野
本発明は、粉砕、混合又はある範囲の原料の反応を促進する装置に関し、特に詳
しくは粉砕機に関するものである。
発明の背景
従来の粉砕機はハウジングの中にローターを具備し、ソノローター軸の一端は軸
受部に軸支され、他端はプーリーを保持し、そのプーリーはベルト伝動によって
電動機と連結している。これらの各要素は、中空軸上に取付けられており、その
中空軸を通って処理される原料がローター室内に供給される。(ソ連発明者証、
第448,031号、国際特許分類B○2c13/22.1971年発行参照)
この種の粉砕機の保守管理は容易でない。そのわけは、ローターの取替えのため
にローターをお互に動かすことはたやすくできないからである。ローターの取替
えには装置全体を取外さなければならず、このことは大きな労働力と経費を必要
とする。
また、粉砕機の容量を増すためには、更に大きな寸法のローターを準備する必要
があり、このために構造的に信頼性のある大きな中空軸が必要となり、それに応
じて、更に大きな軸受部を使用しなければならない。
また、お互に反対方向に回転するローターを持ったハウジングより成る粉砕機も
公知である。この場合のローターは軸受支持部材に軸支された両ジャーナル軸上
に装着されている。
このジャーナル軸の他端にはベルト伝動によって電動域と連結されているプーリ
ーを備えている。この粉砕機のハウジングは二つの部分を持ち、その中の一つは
固定されて動かすことはなく、他の一つはランク機構によって軸方向に動くこと
ができる。この粉砕機はハウジング部分をお互に固定させる装置を有している。
(米国特許第4,378,911号1983年発行参照)
この粉砕機はローターを交換整備するために、ハウジングを引き離す設備を持っ
てはいるが、この作業を行うには錠留め手段を解放して、ベルト伝動装置を取り
外さなければならず、これには労力と時間がかかる。ローターを保持している軸
部は軸受部材による軸支とベルト駆動を介して電動機と連結しているが、このこ
とはその粉砕機の構造を?!雑化し、嵩高なものとしている。
これに加えて、この装置は粉砕機の部品を取り替えたあと、ハウジングの二つの
部分を合わせて閉鎖した場合に両者が一線上に正しく整合するようには設計され
ていないので該粉砕機の部品の位置が変化し、このため粉砕機の作動の信頼性が
そこなわれている。
もう一つの先行技術の粉砕機(一つの原型)では、羽根車を持つローターを収容
している取外し可能なハウジングと、その出力軸上にローターを支持している電
動機とから成り、更にその台枠上にはその粉砕機の主要なユニ・7トが搭載され
ている。(ソ連発明者証第317./120号、国際特許分類B○2C2310
0、1968年発行参照)
しかし、この粉砕機の保守管理は充分に便利であるとはいえない。何故ならその
ハウジングの少なくとも一部を電動機と共に取外すようにハウジングを分割する
際には台枠に取り付けられている控え部材を外さなければならないからである。
これに加えて、この台枠の設備は、この粉砕機を重い嵩張ったものとしている。
この先行技術の粉砕機の構造のもう一つの不都合なことは、その稼動中に使用さ
れた媒体により、電動機を強制冷却する装置を備えていないことである。
発明の概要
本発明は、電動機の外被に対しての結合を堅く動かないものとしてより信頼性の
ある作動を保証し、保守管理を容易にし、さらに、粉砕機の全体の大きざを縮少
することを目標としている。
本発明の目的は、お互に反対方向に回転している羽根車を持ったローターと、そ
の軸にローターを装着している電動機を収容している分離可能なハウジングから
成る粉砕機によって達成される。また本発明によれば、各電動機のハウジングは
2つのフランジを持ち、その中の一つは粉砕機ハウジングの前側部分に固く結合
され、第2のフランジは支持枠上に装着され、少くとも電動機の一つは隣接した
ハウジングの部分と−緒にねし機構によって案内に沿って動くことができ、この
粉砕機のハウジングの前記2つの部分はお互に中心位置を一致させる芯合せ要素
を備えている。
このような仕組みによって、該粉砕機の全体寸法をより小さくすることができる
。すなわち、これは粉砕機のハウジングに電vJJ11をしっかりと固く結合し
であるので、支持台なしですませることができるからであり、更ににより容易な
保守管理を行うことができる。何となれば粉砕機のハウジングは、粉砕機の部分
品を取り外すことなく、ねじ機構を利用して付設の電動機と共にハウジングの可
動部分を一緒に動かすだけで該ハウジングを開閉することができるからである。
構造的な信頼性は、二つのハウジング部分がお互に合わせられたとき、相互の中
心位置を一致させる芯合せ要素を設けたことにより、確かなものとなる。この芯
合せ要素は粉砕機のハウジング部分が閉鎖している間は、その部分の変位移動作
用を防いでおり、また、粉砕機の作動中はその半径方向に作用する負荷を支えて
いる。
本発明の一つの特徴は、上記ねし機構がねじ嵌合による1組のねし対偶部を形成
していることである。そのねじ嵌合対偶中の固定要素は粉砕機のハウジングと電
動機が搭載されている衝撃吸収用台座と連結しており、そしてねじ嵌合対偶部の
他方の可動要素は、粉砕機のハウジングの可動部分に隣接した電動機に連結され
ている。上述のねじ嵌合対偶をもつねじ機構を使用することにより、このような
小型装置を用いて粉砕機の開閉作用を信頼性のあるものとしている。
なるべくなら、このねじ機構は粉砕機のハウジングの固定部分と結合した固定要
素を持ついくつかのねじ嵌合対偶部を持つことが望ましい。また可動要素は、ハ
ウジングの可動部分に隣接している電動機に連結しており、この可動要素の末端
部は共通した一個のチェンにより巻回された、スプロケットを保持しており、そ
の中の一つのスプロケ7+−は駆動用スプロケットである。
このようなねじ機構は、粉砕機のハウジングの開閉を確実に行うほかに、容量の
大きな粉砕機の大型の重い電動機を動かしまたねじ嵌合対偶をなしている要素に
よって軸方向にかかる負荷ツノを支えまた粉砕機のハウジングの部分を他の追加
の錠留め手段を用いることなく固く結合させている。
本発明のもう一つの特徴としては、この粉砕機は少くとも電動機の一つのフラン
ジに連結しているケーシングを有し、粉砕機のハウジングの可動部分と固定部分
に固く結合しており、そのケーシングの内部に案内に沿って設けたローラ形支持
部材上を動くことができる電動機を収容している。また、ねじ嵌合対偶の可動要
素がケーシングに連結され、そのケーシングはハウジングの可動部分に固く取付
けられており、そのケーシングと粉砕機のハウジングは衝撃吸収用台座上に搭載
されている。
上記開示の粉砕機の構成中にケーシングを備えたことは機械の構造的剛性を増大
化する。このために少くとも、電動機の一つのフランジがケーシングと接合すれ
ば粉砕機ハウジングの剛性は強大化される。このことは特に容量の大きな粉砕機
用の大型大重量の電動機を用いるときに重要なことである。
電動機を搭載したり、3T]シたりする間の電動機の保守管理を容易にするため
に、ケーシングには電動機がその上を動けるようにしたローラ形支持部材を備え
ている。電動機を移動させるには例えば、ねじ嵌合対偶がローター室を閉じるた
めに動かされている間に、両型動機出力軸間に押したり突っ張ったりする用具を
挿入して移動させることができる。ねじ嵌合対偶の可動要素と固定要素はケーシ
ングの外側に設けであるので、保守管理を行うために近づき易くなっている。緩
衝手段は粉砕機の稼動中の振動を3叶利するために備えである。
電動機の冷却を確実に行うためにケーシングには吸入骨付のカバーを有しており
、その吸入管を通ってガスや空気を送る穴が電動機のフランジ部に設けである。
このことは、例えば爆発の危険性をもつ環境下において、ガスによって電動機を
冷すことができる。
本発明のもう一つの特徴としては該粉砕機のハウジングにディスクを設けである
ことである。そのディスクは電動機のフランジが接触している側面とは反対側に
あるハうジングの側面と共にチャンバを形成し、このチャンバは一つの側面では
、ハウジング内に設けられ、調整弁を有する穴を通って大気圧に通じ、他の側面
では、ディスクとシャフトハブとの間の間隙を通ってローター室に通じている。
この設備によって、空気やガスをチャンバおよびディスクと軸部ハブの間隙なら
びにローター室とを通って、外側のファン装置により排出管に吸い出してロータ
ーを冷却すると同時に、ローター室から軸受部の中に塵埃を含んだ空気が侵入す
ることを防ぐことを可能としている。
4、
【図面の簡単な説明】
本発明は添付図面を参照し、種々の実施例について詳細に説明する。
第1図は一部を破断して示した本発明による粉砕機の正面図、
第2図は第1図に示した粉砕機の側面図、第3図は、本発明の他の変形実施例の
部分断面正面図、第4図は、第3図の粉砕機の側面図を示す。
発明を実施する最良の形態
粉砕機は固定部分】 (第1図)と可動部分2と両型動機3を含むハウジングか
ら成り立っている。ハウジング内部には羽根車5を取付けたディスク4の形態を
採る各ローターが設置されている。ディスク4はハブ6に取り付けられ、ハブ6
は両型動機3の各出力軸上に嵌合している。
各電動機3を支持するために、電動機の外被には2つのフランジ7と8とが設け
られており、その中の1つのフランジ7は電動機3の外被の前側部分に形成され
ると共に粉砕機ハウジングの可動部分2と固定部分1とにそれぞれ固く連結され
ている。
第2のフランジ8は、緩衝台座10の上に搭載した支持枠9の上に設けられてい
る。
少くとも、電動機の一つ、すなわち、電動機3と該電動機に隣接している粉砕機
ハウジングの可動部分2とは、ねじ機構13(第1図)の作動によって、案内1
1とローラ形支持部材12 (第2図)に沿って動くことができる。この機構は
1組のib’i合対偶と、固定要素14とから成り、該固定要素14は粉砕機の
ハウジングと電動機3が搭載されている緩衝台座10に対しリンクにより連結さ
れる。
このねじ嵌合対偶の可動要素15は電動63と連結される。
該電動機は、これに隣接している粉砕機ハウジングの可動部分2と共に動かされ
る。
上記対偶の可動要素15は駆動手段16により回転可能である。ハウジングの固
定部分1と可動部分2とは、お互の中心が合って両者が緊密嵌合可能な凹み部分
17と突起部分18からなる芯合せ要求を具備し粉砕機が閉じられたときに該粉
砕機ハウジングの整合作用が確保されると共に粉砕機の作動中に作用する半径方
向力を支えている。
粉砕機の固定部分1と可動部分2間に強固な固着作用を確実にするために、錠留
め19の形態を取る保持手段が設けられている。
該粉砕機は処理する原料を充填するための装填用漏斗管20と排出管21 (第
2図)を備えている。
第3図には本発明に係る粉砕機の変形例が示されている。
この変形実施例において粉砕機ハウジングの固定部分1に取付けられている固定
要素23に対し数個の進退可能に噛合する対偶より成るねじ機構を備えているが
この場合該ねし対偶の可動要素24は電動@3に連結されて、隣接したハウジン
グの可動部分2と共に案内25 (第4図)とローラ形支持部材26に沿って動
くことができる。
可動要素24の末端部にスプロケット27が配設され、このスプロケット27に
は1本の共通チェ728が巻回されている。この共通チェ728は電動機30の
出力軸上に固着されスプロケット29によって駆動される。
この粉砕機はケーシング31と32 (第3図)を備え、その中のケーシング3
1は該粉砕機のハウジングの可動部分2に固く結合され、ケーシング32はこの
ハウジングの固定部分1と結合し、この両者のケーシング31と32は両側フラ
ンジ8,8に結合されて各電動機3はケーシング31と32の中に収められて、
案内34に沿ってローラ形支持部材33上を移動できる。
ねじ嵌合対偶22の中の可動部分24はケーシング31と連結している。
ケーシング31と32と粉砕機のハウジングは、衝撃吸収台座上に搭載され、そ
の台座は例えばゴム製のような弾力性のある部材36の上に置かれている梁35
(第4図)の形をしている。
ケーシング31と32 (第3図)は吸入管38を有するカバー37を備え、フ
ランジ7と8には穴39があけてあり、電動機3を冷却するために吸入管38を
通って導入されるガス又は空気の通路をここに設けている。
両フランジ7と8並びにハウジングの部分1と2とは、通し孔40を有し、これ
に粉砕機の全体構造の剛性を確保するために牽引用スタンド41を挿通している
。
ディスク42がさらに粉砕機のハウジングの中に設けられ、電動機3のフランジ
7が接触している側とは反対側のハウジングの壁面と共にチャンバ43を、形成
している。このチャンバ43の1側面はハウジングに設けられた穴44を通して
大気と通じており、該穴44は調節弁45を有している。チャンバ43の他の側
面はディスク42とハブ6との間の間隙47を通してローター室46と通じてい
る。
第3図に示す粉砕機の作動を以下述べる。
処理する原料は漏斗状装填管20を通して供給され、ローターの羽根車5のハブ
6の付近に投入される。遠心力作用により、原料は羽根車の列を通り抜は排出管
21を通って排出される。運転中に空気か又はガスが調節弁45、チャンバ43
と隙間47を通ってロークー室46に入り粉砕機の作動部分を冷却し、ロークー
室46からの粉末が電動機3の軸受部に侵入するのを防いでいる。空気又はガス
は、吸入管38からの安全性が確保される。粉砕機の運転中に発生する振動は梁
35に設けた緩衝部材36によって減衰され、緩衝部材36は、例えばゴムによ
って作られている。ねじ対偶22によって電動機3と共に粉砕機のハウジングの
可動部分2の開閉を行うときにはこれらは、ローラ33の上の室内34に沿って
動かされる。電動機3を取り外すときには、粉砕機ハウジングを閉じるように働
いているねじ嵌合対偶22に対して、突張り部材を両型動機3の出力軸間に挿入
して、ローラ33とガイド34の上にある電動機3を外側に押し出す。
粉砕機の作動中においてねじ嵌合対偶22はハウジングの固定部分1と可動部分
2とは固く結合されているから、軸方向の負荷力に耐えることができると共に芯
合せ要素17と18とにより、半径方向の負荷力を吸収しうる。
2とに強固に一体化されると同時に両フランジ7と8とハウジングの各部分1と
2とが牽引用スタンド41による相互の牽引作用により粉砕機の格別の構造的剛
性が確保される。
産業上の利用可能性
本発明は土木工学、鉄及び非鉄の冶金学、化学工業、其の他の産業に有効に利用
することができる。
国際調査報告