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JPS6111991B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6111991B2
JPS6111991B2 JP56194655A JP19465581A JPS6111991B2 JP S6111991 B2 JPS6111991 B2 JP S6111991B2 JP 56194655 A JP56194655 A JP 56194655A JP 19465581 A JP19465581 A JP 19465581A JP S6111991 B2 JPS6111991 B2 JP S6111991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coking
temperature
coke
drum
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56194655A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57121089A (en
Inventor
Shii Suze Moogan
Emu Bennetsuto Toomasu
Ei Shimon Andore
Efu Oguren Denisu
Mikio Nakaniwa
Kenji Furukawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Co Ltd
Lummus Technology LLC
Original Assignee
Maruzen Oil Co Ltd
Lummus Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruzen Oil Co Ltd, Lummus Co filed Critical Maruzen Oil Co Ltd
Publication of JPS57121089A publication Critical patent/JPS57121089A/ja
Publication of JPS6111991B2 publication Critical patent/JPS6111991B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10BDESTRUCTIVE DISTILLATION OF CARBONACEOUS MATERIALS FOR PRODUCTION OF GAS, COKE, TAR, OR SIMILAR MATERIALS
    • C10B55/00Coking mineral oils, bitumen, tar, and the like or mixtures thereof with solid carbonaceous material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10BDESTRUCTIVE DISTILLATION OF CARBONACEOUS MATERIALS FOR PRODUCTION OF GAS, COKE, TAR, OR SIMILAR MATERIALS
    • C10B57/00Other carbonising or coking processes; Features of destructive distillation processes in general
    • C10B57/005After-treatment of coke, e.g. calcination desulfurization

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Coke Industry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は遅延コークス化法による針状コークス
の製造法の改良に関する。特に本発明は人造黒鉛
電極の原料等に使用される高品位針状コークスの
製造のための有用な改良された遅延コークス化法
に関するものである。 広範囲の原料から遅延コークス化法によつてコ
ークスを製造することは当業者に既知である。
かゝる方法は陽極の製造に使用される等級及びプ
レミアム級コークス、すなわちしばしば針状コー
クスと呼ばれている高品質コークスの両者の製造
のために用いられている。 針状コークスの製造のための慣用的な遅延コー
クス化法は、適当なコークス化原料、通常は適当
な予備処理を施されたコークス化原料を予めコー
クス加熱炉でコークス化所要温度まで加熱してコ
ークス化ドラムに連続的に供給し、該供給油の熱
エネルギーによつてコークス化を進行させ、生成
コークスが該コークス化ドラム中に所望の水準ま
で充填された後にコークス化原料の導入を停止し
て該コークス化原料の供給を別のコークス化ドラ
ムに切替え、原料の導入を停止されたドラム中の
コークスは通常切り離し直後に水蒸気ストリツピ
ングにより残油分を除去した後ジエツト水流等に
よりコークス化ドラムから切り出すことによつて
生コークスを取得するという工程からなる。かく
得られる生コークスはついで通常1000〜1400℃程
度の温度で〓焼され、さらに人造黒鉛電極製造用
の用途に対しては一般に2700〜3000℃程度の高温
に加熱して黒鉛化される。 ところで、針状コークスの品質評価のために現
在もつとも一般的に採用されている一指針は黒鉛
化処理されたコークスの熱膨張係数(以下CTE
と略称する)であり、一般にCTE値が低いほど
針状コークスとしての品質が優れているものと判
定されている。このため、針状コークスの製造を
目的とする場合の遅延コークス化法では、CTE
値をできる限り低く押さえるための多くの提案が
なされており、その多くはコークス化原料の予備
処理による不良成分の除去、改質に、また一部は
遅延コークス化法の処理条件の選定に向けられ、
さらに又両者の組合せ法も種々提案されている。 たとえば、コークス化原料の予備処理の一例と
して、米国特許第4108798号明細書(特開昭53−
34807号公報)には、石油コークス化原料をまず
イオウの存在下で熱ソーキング処理し、ついで制
御された熱分解を行なわせて非結晶性物質を分
離、除去する方法が記載されており、かく処理さ
れたコークス化原料を遅延コークス化処理するこ
とによつて針状コークス(高結晶性石油コーク
ス)を製造し得ることが示されている。 針状コークス製造用原料を提供するための別の
予備処理法として、米国特許第4199434号明細書
には約375〓〜425〓(約190℃〜219℃)以上の沸
点をもつ熱分解重油にイオウを添加して30ppm
より少なくない量のイオウを該熱分解重油中に溶
解させ、この熱分解重油を450〓〜600〓(232℃
〜316℃)の温度でソーキング処理して該重油中
に存在する高度に不飽和の化合物を重合させ、か
く処理された熱分解重油を加熱帯域中で300〜
600psigの出口圧力で850〓〜1100〓(454℃〜593
℃)の温度に加熱し、この加熱を該熱分解重油の
API比重を500〓(260℃)以上の沸点をもつ物質
に基づいて少なくとも1゜だけ低下させて該物質
に基づいて−3゜よりも大でないAPI比重をもつ
処理済み熱分解重油を得るに十分な時間行ないそ
してかく処理された熱分解重油を回収することか
らなる方法が記載されている。 また原料の予備処理と特定の遅延コークス化条
件の組合せの一例として、米国特許第4177133号
明細書(特開昭51−44103号、特公昭54−31483号
公報)には、イオウ含有量0.4重量%以下の原
油、それから得られる蒸留残渣油、イオウ合有量
0.8重量%以下の分解残渣油および任意の蒸留残
渣油ならびに分解残渣油を水添脱硫してイオウ含
有量0.8重量%以下としたものから選んだ原料油
を、第一段階としてまず少割合のアルカリ金属ま
たはアルカリ土金属の水酸化物および(または)
炭酸塩の存在または不存在において、加熱炉にお
いて4〜20Kg/cm2Gの加圧下で430〜520℃の温度
まで加熱し、この温度で加熱炉内に30〜500秒の
時間滞留させてクラツキングおよびソーキングを
行なわせた後、反応物を高温フラツシユ塔に送入
し、0〜2Kg/cm2Gの圧力および380〜480℃の温
度条件で高温フラツシユ蒸留を行ない、非結晶性
カーボン形成性成分をピツチとして高温フラツシ
ユ塔から連続的に分離除去し、一方留出分から分
解ガス、ガソリン、灯軽油留分等の軽質分を分離
して重質留分を得、ついで第二段階としてこの重
質留分をコークス化の所要温度まで加熱してコー
クスドラムに送入し、4〜20Kg/cm2Gの圧力およ
び430〜460℃の温度条件下で30時間以上遅延コー
クス化処理を行ない、その黒鉛化成型品の熱膨張
係数が100゜〜400℃平均で1.0×10-6/℃以下で
ある高結晶性の石油コークスを生成させることを
特徴とする高結晶性石油コークスの製造法が開示
されている。 さらに原料の予備処理と遅延コークス化法の変
形法との組合せの一例として、米国特許第
4040946号明細書(特開昭51−44101号、特公昭54
−31482号公報)には、低硫黄含有の原油、蒸留
残渣油、分解残渣油または同類物を少割合のアル
カリ金属またはアルカリ土金属の水酸化物および
(または)炭酸塩の存在または不存在において熱
処理することによりその非結晶性カーボン形成性
成分をピツチあるいはコークスとして分離、除去
した重質油を予めコークス化所要温度まで加熱し
た後、外套加熱保温浴を備えかつ上部に噴射ノズ
ルを有する管を備え、下部にパージ用水蒸気吹込
みノズルを備えた加圧式タテ型コーキングクリス
タライザーの上部から該噴射ノズル管を通じて下
方に向つて連続的に噴射し、そこで気相状炭化水
素はクリスタライザー上部から排出し、残留液状
炭化水素は所定のコークス化温度においてクリス
タライザー内に順次滞留させてゆき、一方パージ
用水蒸気吹込みノズルからその閉塞を防止するに
足る低速度で少量の加熱した水蒸気、気相炭化水
素または不活性ガスを送入し、前記滞留中に液状
炭化水素を下部から上部に向つて順次コークス化
させかつコークス結晶の成長を行なわせることに
より高純度、大結晶子コークスを生成させること
を特徴とする上部噴射式コーキング法による高純
度大結晶子石油コークスの製造方法が示されてい
る。 コークス化原料の予備処理法の問題は別とし
て、所望の低いCTE値をもつ針状コークスの製
造のためのもつとも重要な遅延コークス化条件は
コークス化温度であることは当業者のすでに認識
するところである。すなわち過度に高いコークス
化温度は得られるコークスのCTE値に悪影響を
与えるものであり、しかもコーカー加熱炉内で早
期コーキングを生起して加熱管閉塞の危険をもた
らす。かかる不都合を回避するためにコークス化
温度を低く抑えると遅延コークス化方式に必然的
に伴うコークス化時間の制約のため得られる生コ
ークス中の揮発性可燃性物質(volatile
combustible matters、以下VCMと略称する)含
量が高くなる。ところで、生コークスのVCM含
量はその後の〓焼工程に重大な影響を及ぼすもの
であり、一般に昇温速度が10℃/分以下である実
験室規模のバツチ式〓焼炉においてはVCM含量
が10重量%以上であつても得られる〓焼コークス
の気孔率の増加は大きくないが、通常工業的に使
用されるロータリーキルン方式のごとき企業化規
模の〓焼炉では生コークスの昇温速度が速いた
め、生コークスのVCM含量の増大に伴つて〓焼
コークスの気孔率が顕著に増加するという重大な
不都合が生ずる(Transacticns of the
Metallurgical Society of AME、239、1084〜
1089頁、特に1088頁、July1967参照)。また、生
コークスのVCMが増加すると〓焼コークスの密
度が低下し、したがつて強度も低下する
(Kirk‐Othmer、Encyclopedia of Chemical
Technology、第3版、第4巻、572頁参照)。特
に上述したごとく、工業的規模の〓焼工程では
VCM含量の高い生コークスはそのハンドリング
及び〓焼工程での粉化による損失及び炉内での巨
塊生成等のトラブルが重大な問題となつている。
一方生コークスのVCM含量が過度に少ない場合
には当然のことながらコークス化ドラムからの生
コークスの切出しがきわめて困難になる。 このように、遅延コークス化法による針状コー
クスの製造においてコークスのCTE値と生コー
クスのVCM含量とはコークス化温度に対して二
律背反の関係にあり、したがつて遅延コークス化
の条件、特に温度の選定に関しては自由度がきわ
めて制限されていたのが実状である。 実際、高品質の針状コークスの製造を目的とす
る従来の遅延コークス化法では、所望の低い
CTE値を達成することを第一の要件とするため
のコークス化温度の制約によつて該コークス化ド
ラムにおいて最終的に得られる生コークスの
VCMは比較的高くならざるを得ず、市販品を含
めて通常10%前後又はそれを若干上回る水準であ
つた。しかも遅延コークス化法に固有の方式であ
る加熱済み原料油のコークス化ドラムへの連続的
通送と該ドラム内での逐次コークス化のため、加
熱原料油の通送がストツプされる直前にコークス
化ドラムに導入された原料油部分のコークス化に
よつて得られる生コークス化、すなわちコークス
化ドラム最上層部の生コークスは特に高い
VCM、通常12〜15%程度のVCM含量となること
は不可避であり、かゝる高いVCM含量の最上層
部コークスは前記した〓焼工程での問題により高
品質針状コークスとはなり得ず、経済性の点から
従来法の大きな問題点となつていた。 本発明の主目的はコークス化温度に対して二律
背反的関係にある生コークスのVCM含量とコー
クスのCTE値をともに所望の水準に保持し得る
針状コークスの製造のための改良された遅延コー
クス化法を提供するにある。 本発明の別の目的は同一のコークス化原料を用
いて従来の遅延コークス化法で得られる針状コー
クスよりも実質的に低いCTE値をもつ針状コー
クスを製造する改良された遅延コークス化法を提
供するにある。 本発明のさらに別の目的は遅延コークス化法に
おいて生成コークスのVCMを調節する新しい方
法を提供するにある。 したがつて、本発明によれば、コークス化原料
をコーカー加熱炉中で加熱してコークス化ドラム
に導入しそしてコークス化が進行してコークスが
該コークス化ドラム中に所望の水準まで充填され
た後にコークス化原料の導入を停止することによ
つて該コークス化ドラムを切離し、上記操作を別
のコークス化ドラムについて反復することからな
る遅延コークス化法によつて針状コークスを製造
する際、コークス化ドラムの切離し前の該コーク
ス化ドラム中でのコークス化原料のコークス化を
415℃〜455℃の温度で行ないそして該コークス化
ドラムの切離し後に切離したコークス化ドラムの
内容物をそれに加熱された非コークス化蒸気を通
送することによつて450℃〜500℃の範囲、たゞし
さきのコークス化温度よりも少なくとも10℃高い
温度に加熱し、しかも該加熱を少なくとも4重量
%でかつ10重量%を越えない揮発性可燃性物質
(VCM)含量をもつコークスを取得するに十分な
時間行なうことを特徴とする遅延コークス化法に
よる針状コークスの製造法が提供される。 以下、本発明の特徴についてより詳細に説明す
れば、本発明のもつとも主要な特徴は、最終的に
4〜10重量%のVCM含量をもつ生コークスを取
得するために、コークス化ドラムの加熱条件とし
て(a)415℃〜455℃の範囲のコークス化温度及び(b)
それに引続くコークス化ドラムの切離し後に切離
されたコークス化ドラムの内容物を450℃〜500℃
の範囲、ただしさきのコークス化温度よりも少な
くとも10℃高い温度にさらに加熱することの組合
せを採用した点にある。かゝる加熱条件の採用に
よつて、本発明によれば上記所望の範囲のVCM
含量の生コークスを取得し得ると同時に、同一の
コークス化原料から従来の遅延コークス化条件を
採用した場合よりも実質的に低いCTE値をもつ
より高品質の針状コークスを、しかも前述したご
とき〓焼工程でのトラブルを防止して提供し得る
ものである。 本発明で規定した範囲の生コークスのVCM含
量は、既述した理由により従来から一般に望まし
いVCM含量の目安として認められていた範囲に
ほゞ相当するものであるが、従来の遅延コークス
化法では加熱されたコークス化原料のコークス化
ドラムへの導入を終了する時点、すなわちコーク
ス化ドラムの切離し時点において所望のコークス
化を完了するようにコークス化温度を設定するも
のであり、したがつてコークス化温度は通常切離
し時点で所望のVCM含量をもつ生コークスが得
られるように制御することが要求されながら、特
にCTE値の低い針状コークスの製造を目的とす
る場合には、上述したごとく他の相反する制約、
特に比較的低いコークス化温度を採用すべきであ
るとの制約のため、かゝる望ましい範囲のVCM
含量を達成することは実際上不可能であり、これ
が遅延コークス化法に固有の難点となつていたの
である。 本発明は遅延コークス化技術を採用しながら、
コークス化ドラムを切離し後にその内容物をさら
に前記特定のより高温に加熱して生コークスの
VCM含量を所望の範囲に調整することによつて
従来の遅延コークス化法よりも同一コークス化原
料についてより低いコークス化温度、すなわち切
離し前のコークス化温度の採用を可能にし、それ
によつて上記した遅延コークス化法に固有の問題
点を解決し得たものである。 すなわち、本発明は上記構成を採用することに
よつてコークス化ドラムからのコークスの切出し
及び後に行なわれるべき〓焼工程を有利に行ない
得るとともに、同一のコークス化原料から従来の
遅延コークス化法におけるよりもCTE値のより
低い針状コークスを製造し得たものである。した
がつて、本発明は遅延コークス化法においてコー
クスのVCMを調節する全く新しい方法を開発し
たものであり、それによつて低いCTE値を与え
るという見地からより望ましい低いコークス化温
度の採用を可能にしたものであるということがで
きる。 さらに、本発明の特徴とする前記遅延コークス
化条件を従来提案されている針状コークスの製造
のための種々のコークス化原料の調製法、すなわ
ち予備処理法と組合わせればより低いCTE値を
もつより改善された品質の針状コークスを提供し
得ることは明らかであろう。 したがつて、本発明は針状コークスの製造のた
めの広範囲の遅延コークス化法に適用し得るが、
特に熱ソーキング及び/又は熱分解及び/又は非
結晶性物質の除去によつて前処理されたコークス
化原料から高品位結晶性コークスを製造するのに
好ましく適用し得るものである。たとえば、本発
明の方法は前記引用した米国特許第4108798号又
は同第4199434号明細書に記載された方法によつ
て予備処理されたコークス化原料に対してもつと
も好ましく適用し得るものである。 本発明の遅延コークス化法の操作条件につきよ
り具体的に説明すれば、切離し前、すなわち加熱
されたコークス化原料を連続的に導入して運転中
のコークス化ドラムを通常のコークス化温度より
も低温、すなわち415℃〜455℃、より好ましくは
420℃〜450℃で運転しかつ該コークス化ドラムを
切離した後、すなわちコークス化原料の該コーク
ス化ドラムへの導入を停止した後、切離されたコ
ークス化ドラムの内容物を少なくとも450℃、好
ましくは少なくとも460℃でありかつ500℃を越え
ない、好ましくは480℃を越えない温度である
が、前段のコークス化温度よりは少なくとも10
℃、好ましくは少なくとも15℃、より好ましくは
少なくとも20℃、高い温度に、加熱した非コーク
ス化蒸気を該コークス化ドラムの内容物中に通送
することによつて、最終的に少なくとも4重量
%、好ましくは少なくとも5重量%でかつ10重量
%、好ましくは8重量%を越えない揮発性可燃性
物質(VCM)含量をもつコークスを取得するに
十分な時間、加熱するものである。コークス化ド
ラムを切離した後、前記したごときVCM含量を
もつコークスを生成するために必要な時間は生成
コークス、かゝるコークスの製造に使用される原
料及び加熱温度に応じて変動するであろう。しか
しながら、多くの場合、かゝるVCM含量の減少
は4時間ないし24時間程度の時間の切離し後加熱
によつて達成可能である。 既述のごとく、コークス化ドラム内容物の切離
し後加熱は非コークス化蒸気の使用によつて達成
される。コークスの製造には適さない広範囲の物
質の任意のものをかゝる加熱用に使用し得る。こ
の目的に適当な物質の代表例としては、軽質コー
カー留出油、コーカーガス(C1〜C4炭化水素)、
水蒸気、窒素及び酸化性ガス以外のその他の非コ
ークス化ガスを挙げることができる。この加熱を
実施するために適当なガスの選定は本明細書中の
記載から当業者には自明であると思われる。 コークス化工程及びそれに続く切離し後の加熱
工程の各々において使用される特定の温度は個々
特定のコークス化原料及び最終生成物に望まれる
CTE値に応じて変動するであろう。一般に、前
記規定したコークス化温度範囲内でより低い温度
を使用すればより低いCTE値をもつ最終生成物
が得られるが、若干のコークス化原料を用いる場
合には適当な反応速度を達成するために前記規定
したコークス化温度範囲内でより高い温度を使用
する必要があることが認められた。 本発明に従うコークスの製造に一般に使用され
る原料は重質石油原料、たとえば原油から誘導さ
れる蒸留残渣、潤滑油エキストラクト及び水添脱
硫潤滑油エキストラクト、分解残渣又は石油の蒸
留又は分解残渣の水添脱硫生成物及び石炭系原
料、たとえばコールタール又はピツチ留出物等で
ある。好ましい原料はいわゆる熱分解重油又は黒
油、すなわち液状炭化水素原料の熱分解において
オレフインと共に生成する熱分解ガソリンよりも
高い沸点、すなわち熱分解ガソリンの上限沸点で
ある187℃〜218℃程度より高い沸点をもつ残留重
質黒油、接触分解デカントオイル、熱分解ター
ル、潤滑油エキストラクト及びその水添脱硫生成
物、コールタール又はピツチ留出物等である。一
般に、かゝる原料は低イオウ含量、すなわち1.5
重量%又はそれ以下、好ましくは0.8重量%又は
それ以下のイオウ含量をもつ。かゝる原料の混合
物も使用し得る。 つぎに本発明の特に好ましい実施態様として、
前記米国特許第4108798号明細書に記載の予備処
理法に準拠してコークス化原料を予備処理する場
合について具体的に説明する。 原料はまず少なくとも300ppmのイオウの存在
下で熱ソーキング処理される。かゝるイオウは好
ましくはイオウ(通常元素態イオウ、メルカプタ
ン及び二硫化イオウからなる群から選んだ少なく
とも一種の形態で)を添加することによつて与え
られる。ほとんどの場合、添加イオウの量は
200ppmを越えない。熱ソーキングは通常少なく
とも5分間、もつとも普通には5〜120分間行な
われる。熱ソーキング温度は通常230℃〜315℃程
度である。必要量のイオウが原料中に存在する場
合にはイオウの添加を必要としないことは当然で
ある。ある場合には、イオウを添加することなし
に、230℃〜315℃の温度で熱ソーキング処理する
ことによつて所望の結果を達成し得る。熱ソーキ
ング工程は原料中の重合性成分を重合させること
によつて全体の効果を改善するものと考えられ
る。 熱ソーキング処理された原料はついで制御され
た熱分解を行なわせかつそれによつて芳香族性を
増加させる(API比重を低下させる)ために熱処
理される。最初の熱ソーキングに続く熱分解を達
成させるための熱処理は原料を通常は管状加熱炉
中で4〜50Kg/cm2G程度の圧力下で450℃〜595℃
程度の出口温度に加熱することによつて達成され
る。熱分解は芳香族性を増加させるに十分な時間
行なわれる。かゝる熱分解時間は通常15〜120秒
適度である。一般に、API比重は少なくとも1゜
だけ低減される(沸点260℃以上の物質に基づい
て) この加熱処理の後、原料を非結晶性成分及び非
留出性重質成分を除去するために処理し得る。
かゝる分離は通常高温フラツシング(flashing)
の使用によつて容易に達成される。かゝる高温フ
ラツシング処理は通常0.1Kg/cm2A〜2Kg/cm2Gの
圧力下で380℃〜510℃の高温で行なわれる。この
フラツシングにおいて、非結晶性成分はピツチと
してフラツシユ塔底から選択的に除去し得る。コ
ークス化原料として回収される物質は通常260℃
〜538℃の範囲で沸騰するものである。ガス、ガ
ソリン及びガスオイルのような原料からのより軽
質の成分は別々に分離、回収し得る。 前述のごとく予備処理されたコークス化原料を
ついで本発明に従つて、従来技術において通常使
用されているコークス化温度よりも低い415℃〜
455℃の温度で遅延コークス化処理する。最適の
コークス化温度は各原料に応じて変動する。コー
クス化圧力は通常2〜10Kg/cm2G程度である。 コークス化ドラムが充填された後、該コークス
化ドラムを切離しそしてその内容物を450℃〜500
℃の範囲内であるが、前段のコークス化温度より
も少なくとも10℃高い温度にその揮発性可燃性成
分含量を前記規定した値まで低減するに十分な時
間加熱する。 前述した本発明の実施態様は好ましいものであ
るが本発明のコークス化法を用いれば原料の予備
処理工程のうちの一又はそれ以上の工程を除外す
ることができ、そのような場合にもコークス品質
の改良を達成し得る。しかしながら、多くの場合
には、前記三つの予備処理工程の組合せを本発明
の特徴とする制御されたコーカー加熱炉出口温度
及びそれに続くコークス化ドラム切離し後の揮発
性可燃性物質含量の低減のための加熱と組み合わ
せることによつて最高品質のコークスを製造する
ことができる。したがつて、たとえば、コーカー
加熱炉を前記規定した温度で運転しかつコークス
化ドラムを切離した後にその内容物を前記規定し
た範囲の揮発性をもつコークスを取得するために
前記規定した条件で加熱するという条件で、本発
明の範囲内の最初のソーキング処理を除外し及
び/又は原料の熱分解処理を除外し及び/又は非
結晶性成分の分離を除外することができる。 たとえば、米国特許第4199434号明細書にはコ
ークス化原料をイオウの存在下で第一の温度でソ
ーキングし、ついでより高温に加熱してAPI比重
を低減させることからなるコークス化原料の予備
処理法が記載されている。また米国特許第
3687840号明細書にはコークス化原料をイオウの
存在下で予備処理する方法が記載されている。 本発明の一実施態様を以下図面を参照して説明
する。 図において、コークス化原料は管10からソー
キングドラム12に導入され、その際所要に応じ
てイオウを管13からソーキングドラム12に同
時に導入する。ドラム12内でコークス化原料を
前述のごとく熱ソーキング(熱浸漬)して高不飽
和性化合物の重合を達成させる。 かく熱ソーキング処理された原料を管14によ
つてドラム12からとり出しそして熱分解加熱炉
16のコイル15中に導入し、そこで原料を前述
した条件で熱分解してその芳香族性を増加させる
(API比重を減少させる)。熱分解した原料はコイ
ル15から管17中にとり出し、後述するごとく
得られる管18中の軽質ガスオイルで冷却しそし
て結合流を減圧弁19を通じて減圧フラツシユ塔
21に送る。減圧フラツシユ塔は原料から非結晶
性物質及び他の重質成分を除去するに十分な温度
及び圧力で操作される。一般に、フラツシユ塔は
380℃〜510℃程度の温度及び0.1Kg/cm2A〜2Kg/
cm2Gの程度の圧力で運転される。 重質ピツチ様の塔底生成物(bottoms)を塔2
1から管22を通じて回収する。軽質ガスオイル
は塔21から管23を通じて回収し、その一部は
管18中で冷却油として使用する。ナフサ及びそ
れより軽質のガスは管24を通じてフラツシユ塔
21から回収する。 管25を通じて回収される予備処理されたコー
クス化原料は260℃〜538℃程度の沸点範囲内の成
分であり、かゝる成分をついでコーカー精留塔
(coker combination fractionator tower)27に
導入する。 コーカー精留塔27は、当業者には既知である
ごとく、コークス化原料を塔底から回収しかつ通
常はコークス化原料として使用されない軽質成
分、たとえば重質コーカーガスオイルを管28を
通じて、軽質コーカーガスオイルを管29を通じ
てそしてコーカーナフサ及びガスを管31を通じ
て回収するような条件で運転される。コーカー精
留塔27はまた、当業者に既知であるごとく、コ
ークス化ドラムの塔頂蒸気を管32を通じて受入
れる。 コーカー精留塔27から管34を通じてとり出
される塔底生成物は当業者には既知の型のコーカ
ー加熱炉35に送られそして加熱された物質はコ
ークス化ドラム36に導入される。コークス化ド
ラム36は前記規定した温度及び圧力で運転され
る。塔頂蒸気は管38を通じてコークス化ドラム
からとり出されそして管39中の軽質ガスオイル
の一部によつて冷却された後管32を通じてコー
カー精留塔27に導入される。 コークス化ドラムが所望の水準まで満たされた
後、コークス化ドラムを当業者に既知のごとく切
離し(“off−line”)、すなわちコークス化ドラム
へのコークス化原料の供給がもはや行なわれない
ようにする。切離されたコークス化ドラムは図面
には36′として示されている。 本発明によれば、切離されたドラム36′をよ
り高温に加熱してその揮発性可燃性物質含量を低
下させかつCTEの値を低減させる。図面に示し
たごとく、軽質コーカー留出油、ナフサ、コーカ
ーガス等のような過熱ガスを管101を通じてコ
ークス化ドラム36′に導入する。かゝるガスは
通常切離されたコークス化ドラム36′をその揮
発性可燃性物質含量を低下させるために前記規定
した温度に保持するに十分な温度及び圧力下にあ
るものである。一般に、蒸気は450℃〜525℃程度
の温度及び2〜10Kg/cm2G適度の圧力で導入され
る。かく管101を通じて導入された蒸気及びド
ラム内容物から駆出された揮発性物質は管102
を通じて切離されたコークス化ドラム36′から
とり出されそして切離されたコークス化ドラム3
6′中で使用されるべき非コークス化蒸気を回収
するように設計、運転される冷却塔103中に導
入される。冷却塔103中で軽質成分は管104
からガスとして回収され、乾燥用ガス(切離し後
のコークス化ドラム内容物の加熱用に使用される
ガス)として使用されるべき物質は管105を通
じて液体として回収されそして重質成分は管10
6を通じて回収される。管105中の物質の一部
は管109を通じて塔103中に還流として導入
するために冷却器108を含む管107中に送ら
れる。残りの部分は管111を通じて加熱炉11
2中で加熱され乾燥用ガスとして使用するために
蒸気化される。加熱炉112からの加熱された物
質は分離塔115に導入されて非蒸気化物質を分
離させ、それを管116を通じてとり出す。過熱
蒸気は前述したごとき揮発性可燃性物質含量をも
つコークスを取得するために分離塔115から導
管101を通じて切離されたコークス化ドラム3
6′中に導入される。 本発明の一変形においては、乾燥工程用の蒸気
はコーカー精留塔から回収することができそして
切離されたコークス化ドラムからとり出された物
質はコーカー精留塔に還付される。したがつて、
かゝる運転の場合には、コーカー精留塔は運転中
(“on−line”)コークス化ドラム及び切離された
(“off−line”)のコークス化ドラムの両者のため
に使用される。 同様に、前記図面を参照しての好ましい実施態
様では、(1)低温における熱ソーキング処理による
不飽和分の重合、(2)熱分解処理による芳香族含量
の増加(API比重の減少)及び(3)ピツチの分離に
よるコークス化原料の予備処理を採用する場合を
説明したが、本発明はかゝる予備処理を行なうこ
となしにコークスを製造する場合及びかゝる予備
処理工程の一又はそれ以上を用いてコークスを製
造する場合にも適用し得るものである。 つぎに本発明を実施例によつてさらに説明す
る。 実施例 第1表に示した性状をもつデカントオイルにイ
オウ50ppmを添加して260℃の温度で熱ソーキン
グ処理した。かく処理された原料を内径6mmの管
中に導入し、500℃の温度及び20Kg/cm2Gの圧力下
で熱分解処理した(滞留時間は冷油基準で78秒で
あつた)。ついで、この原料を大気圧力下に480℃
に保持されたフラツシユ塔に導入してその塔底か
ら不揮発性物質をピツチとして除去した。塔頂留
出物を冷却することによつて得られる油をコーク
ス化原料として用いた。
【表】 前記条件で得られた油を用い、遅延コークス化
を第2表に示す条件で行なつた。内径約30cm及び
高さ約50cmをもつコークス化ドラムを溶融塩浴中
に装入して外部加熱を行ない得るようにした。 コークス化ドラムが満たされた後、該ドラムを
切離しそして表に記載した条件で加熱した。
【表】 第2表中に示した操業AないしCは本発明の方
法によつて行ない、一方操業D及びEは別の条
件、すなわち操業Dにおいては切離し後加熱温度
を本発明の方法で用いる温度よりも低くし、操業
Eにおいてはコークス化温度を本発明の方法で用
いる温度よりも高くして、行なつた。これらの条
件下で得られた生コークスを通常の方法で1400℃
で〓焼しそして〓焼コークスを粉砕した。〓焼コ
ークスの各試料を結合剤としてコールタールピツ
チと混合しそして混合物を電極を製造するために
棒状に押出した。得られた電極を1000℃で焼成し
そして3000℃で黒鉛化した。黒鉛化電極の押出方
向に対して平行方向の熱膨張係数(CTE)を測
定し、その結果を第3表に示す。
【表】 操業Dで得られた生コークスはその上部に多量
のピツチ状物質を含有していた。それは〓焼工程
中に溶融、発泡しかつきわめて不満足な外観を有
していた。操業Eにおいて得られた生コークスは
多量の泡を含むスポンジ状の外観のものであつ
た。 第3表から明らかなごとく、本発明の方法にお
いて得られたコークスはきわめて高品質のもので
あつた。 さらに上記本発明に従う操業A、B、C中、最
良のCTE値を与えた操業Bに対して、同一の原
料油を用い操業条件を種々変えた比較操業を行な
つた。各操業条件及び得られた結果を次表に操業
Bと対比して示す。原料油の予備処理工程は各操
業Bと同一である。
【表】
【表】 比較操業B−2は本発明方法と前記米国特第
4108798号明細書(特開昭53−34801号公報)記載
の方法とを同一原料及び同一コークス化条件で行
なつた場合と比較するためのものであり、B−2
において採用した切離し後の水蒸気による350
℃、3時間の処理は通常の遅延コークス化におけ
る切離し後に行なわれる水蒸気ストリツピング条
件に全体としてシミユレートさせたものである。
B−2の結果は本発明の特徴とする切離し後加熱
を行なわない場合、この原料について435℃のコ
ークス化温度は所望のVCM含量を達成するには
低過ぎ、さらにコークス化ドラム上層部により高
いVCM含量をもつ生コークスが生成し、〓焼工
程での支障のおそれがあること及び最終目的物た
る黒鉛化針状コークスのCTE値はかなり低いが
本発明に従う操業Bよりは若干劣ることを示して
いる。 比較操業B−3は本発明の操業Bで得られるも
のと同一水準の生コークスVCM含量を達成する
ために比較操業B−2と同様の従来技術に従う遅
延コークス化法において必要となるより高いコー
クス化温度460℃を採用した場合であり、切離し
後の水蒸気ストリツピングはB−2の場合と同じ
く通常の遅延コークス化法における切離し後の処
理にシミユレートさせたものである。B−3の結
果は所望のVCM含量を達成させるためには本発
明で規定したよりも高いコークス化温度を用いる
必要があり、その結果目的物のCTE値が実質的
に上昇し、望ましくないことを示している。 比較操業B−4は本発明に従う操業Bにおいて
コークス化温度を本発明で規定する下限値よりも
低くした場合には、切離し後に本発明に従つてさ
らに高温に加熱してVCM含量を操業Bと同水準
に調整しても切離し前のコークス化率が過度に低
いため、切離し後の475℃への加熱により著量の
ガス及び蒸発物の留出とともに急激なコークス化
反応が生起し、その結果生成針状コークス中に気
泡を含むスポンジ状の強度の低いコークスがかな
りの量で混入し、得られる針状コークスのCTE
値も操業Bと比較して実質的に劣ることを示して
いる。 比較操業B−5は本発明に従う操業Bと同一条
件でコークス化処理した後、切離し後加熱を本発
明で規定した上限値を超える505℃で24時間行な
つた場合であり、平均VCM値は本発明で規定す
る範囲内の4.6%を示すが、コークスドラム下層
部にVCMの異状に低いコークスが生成し、切出
し時に不都合を生じ、また針状コークスのCTE
値も劣り、さらに上層部にスポンジ状コークスの
生成が認められた。 実施例 第4表に示した性状をもつデカントオイルを第
5表に要約して示した条件下で予備処理してコー
クス化原料を得た。
【表】
【表】 圧 力 大気圧
上記予備処理における物質収支を第6表に示
す。
【表】 かく得られたコークス化原料について第7表に
示した条件下でコークス化を行なつた。かくして
得られた生コークスのVCM含量も第7表中に併
記する。
【表】 操業F及びGは本発明の方法によつて行ない、
一方操業Hは本発明よりも高いデイレードコーキ
ング運転中のコークス化温度で行ない、また操業
は本発明よりも低い切離し後加熱温度で行なつ
た。第7表に示した条件下で製造されたコークス
から電極を製造しそして3000℃で黒鉛化した。黒
鉛化電極のCTEを第8表に示す。
【表】 第8表から明らかなごとく、本発明の方法で得
られたコークスはきわめて高品質のものであつ
た。 実施例 ガスオイルの熱分解において副生物として得ら
れる熱分解タールを第9表に示した条件下で予備
処理しそしてかく精製されたコークス化原料から
コークスを製造した。
【表】 このコークス化原料を用い、第10表に示した条
件でコークス化を行なつた。
【表】 操業J、L及びMは本発明の方法によつて行な
い、一方操業Kは本発明の方法よりも高いデイレ
ードコーキング運転中コークス化温度で行なつ
た。得られたコークスから実施例におけると同
様にして電極を製造しそして3000℃で黒鉛化され
た電極のCTEを測定した。測定結果を第11表に
示す。
【表】 実施例 第12表に示す性状をもつ水添脱硫されたデカン
トオイルを実施例の第5表に示したと同一条件
下で予備処理してコークス化原料を得た。
【表】 このコークス化原料を用い、第13表に示した条
件下でコークス化を行なつた。得られた生コーク
スのVCM含量も第13表に併記する。
【表】
【表】 操業Nは本発明の方法によつて行ない、一方操
業Pは本発明で規定したよりも高い運転中コーク
ス化温度で行なつた。操業Oは運運中コークス化
温度455℃で行ない、ついでコークス化ドラムが
満たされた後ドラム内容物をコークス化温度より
も高温を使用することなしに非過熱水蒸気で2時
間パージした。第13表に示した条件下で得られた
コークスから電極を製造しそしてそれを3000℃で
黒鉛化した。黒鉛化電極のCTE値を第14表に示
す。
【表】 第14表から明らかなごとく、本発明の方法(操
業N)で得られたコークスはきわめて高品質のも
のであつた。 本発明は従来技術で用いられているよりも低い
温度でデイレードコーキングを行なうこと及びそ
れに引続いてコークス化ドラムを切離した後その
内容物をより高温に加熱して規定した範囲内の
VCM含量をもつコークスを得ることの組合せに
よつて、得られるコークスが(その〓焼及び黒鉛
化の後に)より低いCTE値をもつという点で特
に有利である。コークスを本発明におけるごとき
低温で製造し、ついで〓焼及び黒鉛化する(〓焼
前に生成コークスのVCM含量を前記規定した範
囲内とするためにコークス化ドラム内で制御され
た温度で切離し後加熱する工程を行なわないで)
場合には、黒鉛化コークスのCTR値は本発明に
従う場合よりも高いものとなる。 本発明は、前述したとおり、特に針状コークス
(100〜400℃平均で測定したCTEが1.35×10-6
℃以下である)及び超針状コークス(100〜400℃
平均で測定したCTRが1.1×10-6/℃以下であ
る)の製造に適用し得るものである。 本発明は(1)通常はイオウの存在下で(ある場合
にはイオウを必要としないが)、230℃〜315℃の
温度で熱ソーキング処理して次後の製造ライン又
は装置中にコークス及び/又は重合体が折出する
傾向を低減させる工程及び/又は(2)450℃〜595℃
で熱分解してその芳香族性を増加させる工程及
び/又は(3)非結晶性物質を分離する工程によつて
予備処理された原料のコークス化に特に有利に適
用し得るものである。予備処理は必須のものでは
なく及び/又は前記した予備処理工程の一又は二
工程のみを使用し得るものであるが、最良の結果
(最低のCTE値)は上記三種の予備処理工程を制
御された温度におけるコークス化及びそれに続く
VCM含量を低減させるための切離し後の加熱工
程と組合わせることによつて達成され得る。 実施例 ナフサを原料とするエチレンの製造において副
生するいわゆるエチレンタール(その性状は第15
表のとおり)を何等予備処理することなく操業Q
及びRに従う遅延コークス化に使用した。
【表】 操業Qは本発明の方法に従うものであり、一方
操業Rは操業Qと同水準の生コークスのVCM含
量を与えるように従来の遅延コークス化法の温度
条件を選定したものである。操業Q及びRの操業
条件及び得られる結果を対比して第16表に示す。
【表】 上記の結果は本発明の方法が予備処理を施さな
いコークス化原料に適用した場合にも通常の遅延
コークス化法に比較してCTE値の顕著な改良を
与えることを例証している。 実施例 本実施例では、本発明の方法を石炭系コークス
化原料に適用する場合を例証する。すなわち操業
Sはコールタールを出発原料とし、一方操業Tは
水素化処理されたコールタールを出発原料とする
例である。操業Uは操業Sで使用したと同一のコ
ールタールを原料とする従来技術の方法に従う比
較例であり、コークス化温度を操業Sで得られる
生コークスのVCM含量と同水準のVCM含量を与
えるように選定した場合を示す。これらの操業で
使用した原料の性状を第17表に、操業条件及び結
果を第18表にそれぞれ示す。
【表】
【表】 量パーセント
【表】 ト
灰分、重量パーセント 0.01 0.01
【表】 【図面の簡単な説明】
図面は本発明の好ましい一実施態様を示す概略
工程図である。 12……ソーキングドラム、16……熱分解
炉、21……減圧フラツシユ塔、27……コーカ
ー精留塔、35……コーカー加熱炉、36,3
6′……コークス化ドラム、103……冷却塔、
112……加熱炉。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コークス化原料をコーカー加熱炉中で加熱し
    てコークス化ドラムに導入しそしてコークス化が
    進行してコークスが該コークス化ドラム中に所望
    の水準まで充填された後にコークス化原料の導入
    を停止することによつて該コークス化ドラムを切
    離し、上記操作を別のコークス化ドラムについて
    反復することからなる遅延コークス化法によつて
    針状コークスを製造する際、コークス化ドラムの
    切離し前の該コークス化ドラム中でのコークス化
    原料のコークス化を415℃〜455℃の温度で行ない
    そして該コークス化ドラムの切離し後に切離した
    コークス化ドラムの内容物をそれに加熱された非
    コークス化蒸気を通送することによつて450℃〜
    500℃の範囲、たゞしさきのコークス化温度より
    も少なくとも10℃高い温度に加熱し、しかも該加
    熱を少なくとも4重量%でかつ10重量%を越えな
    い揮発性可燃性物質含量をもつコークスを取得す
    るに十分な時間行なうことを特徴とする遅延コー
    クス化法による針状コークスの製造法。 2 前記切離し後の加熱温度が切離し前のコーク
    ス化温度よりも少なくとも15℃高い温度である特
    許請求の範囲第1項記載の方法。 3 前記コークス化温度は420〜450℃である特許
    請求の範囲第2項記載の方法。 4 前記加熱温度が少なくとも460℃でかつ480℃
    を越えない温度である特許請求の範囲第3項記載
    の方法。 5 コークス化原料を230℃〜315℃の温度で熱ソ
    ーキングすることによつて予備処理して該原料中
    の不飽和分を重合させる特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 6 熱ソーキングを少なくとも30ppmの溶解イ
    オウの存在下で行なう特許請求の範囲第5項記載
    の方法。 7 コークス化原料を450℃〜595℃の最終温度に
    加熱してその熱分解を生起させるという方法で予
    備処理する特許請求の範囲第1項記載の方法。 8 熱ソーキングに続いてコークス化原料を450
    ℃〜595℃の最終温度に加熱してその熱分解を生
    起させるという方法で予備処理する特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 9 コークス化原料を230℃〜315℃の温度で熱ソ
    ーキング処理して不飽和分を重合させ;熱ソーキ
    ング処理されたコークス化原料を450℃〜595℃の
    最終温度に加熱してその熱分解を生起させ;該熱
    処理物から非結晶性物質及び重質成分を分離して
    ピツチを含有しないコークス化原料を得、これを
    コーカー加熱炉中で加熱してコークス化ドラムに
    導入し、そこで415℃〜455℃の温度でコークス化
    し;コークスが該コークス化ドラム中に所望の水
    準まで充填された後に該コークス化原料の導入を
    停止することによつて該コークス化ドラムを切離
    し、そして切離されたコークス化ドラムの内容物
    をそれに加熱された非コークス化蒸気を通送する
    ことによつて450℃〜500℃の範囲、たゞしさきの
    コークス化温度よりも少なくとも10℃高い温度に
    最終的に少なくとも4重量%でかつ10重量%を越
    えない揮発性可燃性物質含量をもつコークスを取
    得するに十分な時間加熱することからなる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 10 コークス化原料が熱分解重油、潤滑油エキ
    ストラクト、水添脱硫された潤滑油エキストラク
    ト、接触分解デカントオイル、熱分解タール又は
    それらの混合物である特許請求の範囲第1項ない
    し第9項のいずれかに記載の方法。
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