JPS6056685B2 - 潤滑剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は新規な潤滑剤に関し、主として中高年から老
人層に至る性生活に好適な膣内潤滑剤を提供するもので
ある。

近年の人口の動態は、中高年及び老人層の寿命の伸長で
高台化社会へと移行しつつあり、これに伴つて高令者層
の性生活人口も年々増加する傾向が見られる。

このような背景にあつて、高令者層の性生活の実態は、
女性側の愛液の減少、又は枯渇によつて性交がスムーズ
に行えず、却つて苦通を伴うものであつたから、従来は
便法として屡々唾液や食物油或いは軟膏類が代用されて
いたが、それらは非衛生であり、又膣粘膜からの吸収に
よる副作用も紗くなかつたのである。

一方、産婦人科、泌尿器科等における医療の実際に当つ
ても、検診器具を患部に挿入して検診する場合に、その
挿入を容易にするため従来はグリセリン、キシロカイン
などが検診器具に塗布されていたのである。

しかし、これらの塗布剤は、いづれも刺激性、”又は麻
酔性があり、必ずしも好ましいものとはいえなかつたと
ころから、こうした医療の分野においても、挿入用潤滑
剤の要請が高まつているというのが現状である。

このような実情に鑑み、本発明者らは、中高年、老人の
性生活用として、又産婦人科、泌尿器科などの診療用と
して好適な潤滑剤を提供することを目的として、種々実
験、研究の結果、カルボキシル基、又はカルボキシル基
への転換が可能な基を有するビニル系単量体を、ポリサ
ッカラードにグラフト重合したものを必須成分としてゼ
リー剤を構成することで所期の潤滑効果を有し、しかも
安全、衛生に優れた潤滑剤を経剤的に得ることに成功し
たものである。

以下その構成を述べると、本発明の潤滑剤は、アクリル
酸、メタアクリル酸、又はそれらのナトリウム塩、イタ
コン酸、フアール酸、又はアクリルニトリル、アクリル
アミドのように加水分解によつてカルボキシル基への転
換が可能なビニル系単量体を庶糖、マンナン、でんぷん
（アミロース）等のポリサッカライド物質にグラフト重
合したポリマーを基剤としたものであり、その具体例と
しては、例えばアクリル酸を主として、これに少量のア
・リル庶糖などを配して重合させたカルボキシビニルポ
リマー等がこの系に属し、これらの基剤に適量のＰＨ調
整剤と必要に応じて防腐剤及び潤滑補助剤を任意に配合
してなるものである。

今、上記カルボキシビニルポリマー（ＰＨ２〜３）を基
材とした本発明の潤滑剤の配合例を２〜３示すと、配合
例１ 配合例２ ″−”−”配合例
３上記三つの配合例に示された本発明の潤滑剤は、いづ
れも不快なベトツキ感がなく、適度の滑らかさを有し、
且つ膣粘膜などへのなじみが優れているし、又その組成
から明らかなように、非水成分が少量で水に極めて溶け
易く、水による希釈が早いので使用の洗浄が容易である
と同時に、経時変化及び温度変化に対して安定で、特に
カルボキシビニルポリマーの抗菌作用により、防腐剤の
添加を省略しても腐敗や発黴に基づく変質が少ない等、
多くの有利性が認められるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 精製水中に、基剤としてカルボキシル基、又はカル
   ボキシル基への転換が可能な基を有するビニル系単量体
   を、ポリサツカライドにグラフト重合してなるポリマー
   を０．０５〜３．０重量パーセントと、適量のｐＨ調整
   剤を混合し、更に必要に応じて３．０重量パーセント以
   下の潤潤補助剤を添加配合したことを特徴とする潤滑剤
   。 ２ 基剤がカルボキシビニルポリマーである特許請求の
   範囲第１項記載の潤滑剤。 ３ 潤滑補助剤がポリエチレングリコール、ポリビニル
   アルコール、カルボキシメチルセルローズ、アルギン酸
   ナトリウム、ポリアクリル酸のポリマーの１又は２以上
   の混合物である特許請求の範囲第１項及び第２項記載の
   潤滑剤。