JPS6052391B2 - 時計用装飾板の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は上部に合成樹脂を設け下部に金属基板を設けて
なる時計用装飾板の製造方法に関する。

従来、文字板はムーブメントを外部から隠し且つ時刻を
判読させる機能の他に、時計全体の装飾美を演出する機
能も有している。このため、文字板はその表面に種々の
色彩、模様、形状を施すことによつてデザインの多様性
を可能な限り高めようとしている。この中にあつて、古
来、上部に透明又は半透明の合成樹脂板を設け、下部に
金属基板を設けた、いわゆる張り合せ文字板が考案、実
施されている。

この張り合せ文字板は、基板表面の模様、色彩が立体的
かつ異彩的にみえるが、一般的には、平坦な合成樹脂板
を平坦な基板に張り合わせるため、その多様性が若干、
低いものとなつている。このため、植字、マーク等の小
部品を合成樹脂板の上に取り付けることにより、デザイ
ンの多様性をいくらかでも拡大しようとしている。しか
し、製作について考えてみると、張り合せ技術が必要で
ある。

小部品を取り付けるためのドリル小穴加工が必要である
、等の問題があつて、製品化するまでに困難なことが多
い。また、他の方法によるこの種の文字板としては、金
属基板の表面に注型用合成樹脂を注入し固化させ、その
後、不用な合成樹脂を除去してつくつた文字板も考案さ
れている。

この文字板は、基板表面に顕著な凹凸模様を形成し、こ
の模様を埋めるように合成樹脂を注入固化してやれば、
前記の張り合せ文字板より立体感と多様性を得ることが
できるが、合成樹脂を注入する手間がかかつて量産向き
でなく、また、固化したときに合成樹脂内に気泡を発生
させないようにしてやらねばならなく、これもまた、実
用化において問題がある。

本発明は上記従来技術の欠点に鑑み、なされたもので、
完成した文字板が立体感、高級感、多様性に富むと共に
製造コストが大巾に低減できる文・字板の製造方法を堤
供しようとするもので、凸部を有するプラ母型の表面に
導電膜を形成し、該導電膜に金属を電鋳して金属基板を
形成した後、該プラ母型の一部が残留する範囲内で金属
基板の凸部を除去したことを特徴とする。

以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。

図は本発明の実施例を示し、第１図は本発明によつて完
成された文字板の平面図であり、第２は第１図の一線に
沿つて描かれた断面図である。

第３図乃第７図は本発明の製造方法における部品の断面
図である。先ず、第１図及び第２図について説明する。

電鋳金属の基板１は下部にムーブメント取付足１ａを有
し、上部に指標、マーク等に相当する凸部１ｂと表面模
様を形成する表面部１ｃとを有しており、この表面部１
ｃの上に装飾色を兼ねた導電膜２を設けてる。１ｄは指
針取軸を挿通するための中心穴である。

合成樹脂部３は導電処理膜２を介して基板１の表面を覆
つている。基板１の凸部１ｂと合成樹脂部３と上面は一
致しており、高級感を高めるために鏡面仕上を施してい
る。次に本発明の製造方法について述べる。

先ず、Ｂｓ．Ｃｕ等の材料を用いてプラ成型金属４を製
作する。

第３図プラ成型金属４の凸部４ｂは完成文字板の指標、
マーク等の凸部となり、表面部Ａｃは完成文字板の表面
模様の表面部となる。従つて、プラ成型金型４の凸部４
ｂと表面部４ｃはそれぞれ所定の仕上げを施されている
。このプラ成型金属４を用いて、次にプラ母型５を成型
する。（第４図）プラ母型５は透明、半透明、有色透明
でできている。次いて、プラ母型５に導電処理を施して
導電膜２を形成し、その後、金属６を電鋳させる。

（第５図）導電膜２は完成文字板において仕上色となる
ため、銀又は金を素材としており、これらを蒸着によつ
てプラ母型に密着させる。電着される金属は銅である。
次いで、電鋳金属６の不用部分を切削によつて除去する
。

（第６図）この除去されない電鋳金属６は後に金属基板
１となるものである。次いで、プラ母型５の一部が残留
する範囲内で、電鋳金属６の凸部６ｂを除去する。

（第７図）この除去されないプラ母型５は後に合成樹脂
部３となる。除去する手順は、先ず切削によつて粗仕上
げを行ない、その後にダイヤモンドバイトによつて行な
う。更にラツプ仕上げを行なつて終了する。この除去作
業は凸部６ｂを表面に露出するために行なわれるのであ
るから、仕上面をダイヤカツト仕上げまで終了しても良
く、さらに、切削仕上げまでで終了しても良い。このよ
うにして製作された文字板は、中心穴１ｂを穿設し取付
足１ａを固着し、仕上げメツキを施されて、第１図及び
第２図に示すような文字板が出来上る。

第８図は本発明によつて製作された文字板であり、電鋳
金属の基板の凸部１ｂを波紋状に配列して模様の多様化
をはかつている。

第９図は本発明によつて製作されたデジタル時計の見切
板であり、第１０図は同じくアナログ時計用の見返しリ
ングである。

以上述べた如く、本発明はプラ母型の一部が残留する範
囲内で電鋳金属の凸部を除去した構成であるので、製作
工程中にのみ使用されているプラ母型をそのまま基板の
合成樹脂部として構成することができ、きわめて製作コ
ストを低減することができる。

また、合成樹脂部と基板との密着性も、従来の注型方式
や張り合せ方式と比べ、数段、勝るものであり、基板の
凸部と表面部の組合せによる立体模様と相まつて、高級
惑のある高品質の文字板、見切板、見返しリング等をつ
くることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によつて完成された文字板の平面図、第
２図は第１図の−線断面図、第３図乃至第７図は本発明
の工程を示す断面図、第８図乃至第１０図は本発明によ
つて完成された他の時計用装飾板の平面図、である。 １・・・金属基板、１ｂ・・・凸部、１ｃ・・・表面部
、２・・・導電膜、３・・・合成樹脂部、４・・・プラ
成型金型、４ｂ・・・凸部、４ｃ・・・表面部、５・・
・プラ母型、６・・・電鋳金属。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 凸部を有するプラ母型の表面に導電膜を形成し、該
   導電膜に金属を電鋳して金属基板を形成した後、該プラ
   母型の一部が残留する範囲内で該金属基板の凸部を除去
   したことを特徴とする時計用装飾板の製造方法。 ２ プラ母型は透明、半透明、有色透明の合成樹脂であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の時計用
   装飾板の製造方法。