JPS5914098B2 - 高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼 - Google Patents
高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼Info
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- JPS5914098B2 JPS5914098B2 JP8569280A JP8569280A JPS5914098B2 JP S5914098 B2 JPS5914098 B2 JP S5914098B2 JP 8569280 A JP8569280 A JP 8569280A JP 8569280 A JP8569280 A JP 8569280A JP S5914098 B2 JPS5914098 B2 JP S5914098B2
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、高温純水環境において使用される耐応力腐食
割れ性に優れたフェライト系ステンレス鋼に関する。
割れ性に優れたフェライト系ステンレス鋼に関する。
近年、原子力工業や化学工業において、塩素イオン濃度
10pP以下で100℃以上の高温純水(含水蒸気)を
使用する環境では多数のステンレス鋼が使用されている
が、過去において数多くの応力腐食割れ事故が報告され
、現在国内外で大きな問題となっている。
10pP以下で100℃以上の高温純水(含水蒸気)を
使用する環境では多数のステンレス鋼が使用されている
が、過去において数多くの応力腐食割れ事故が報告され
、現在国内外で大きな問題となっている。
この塩化物を実質的−に含有していない(塩素イオン濃
度10p一以下)高純水環境におけるステンレス鋼の応
力腐食割れに関しても鋼の化学成物と応力腐食割れの関
%をはじめ、隙間の存在、熱処理条件、純水中の溶存酸
素濃度等の各因子の影響等について研究報告があるが、
この何れもオーステナイト系ステンレス鋼に関するもの
であり、鋼の成分についてはCが有害であり、Moが有
効であることが明らかにされており、耐応力腐食割れ性
の良好な鋼として、Type316LC(オーステナイ
ト系ステンレス鋼)が開発されている。
度10p一以下)高純水環境におけるステンレス鋼の応
力腐食割れに関しても鋼の化学成物と応力腐食割れの関
%をはじめ、隙間の存在、熱処理条件、純水中の溶存酸
素濃度等の各因子の影響等について研究報告があるが、
この何れもオーステナイト系ステンレス鋼に関するもの
であり、鋼の成分についてはCが有害であり、Moが有
効であることが明らかにされており、耐応力腐食割れ性
の良好な鋼として、Type316LC(オーステナイ
ト系ステンレス鋼)が開発されている。
しかしながら、フェライト系ステンレス鋼の高温純水環
境における応力腐食割れに関しての研究報告は皆無であ
る。この状況下において、本発明者等は先に18Cr系
、愛いは、18Cr−Mo系のフェライト系ステンレス
鋼の高温純水環境における応力腐食割れ感受性を熱処理
条件や化学成分との関連で詳細に検討した結果、鋼中の
C含有量を0.015%以下、N含有量を0.020%
以下とし、更にTi、Nb、Taの内1種、或いは2種
以上を(Ti+Nb+O、5Ta)/(C+N)の比が
12以上となるよう化学成分を調整すること(こより実
質的ζこ応力腐食割れ感受性のない鋼が得られることを
知見し提案したのである(特願昭54−17584号明
細書参照)。
境における応力腐食割れに関しての研究報告は皆無であ
る。この状況下において、本発明者等は先に18Cr系
、愛いは、18Cr−Mo系のフェライト系ステンレス
鋼の高温純水環境における応力腐食割れ感受性を熱処理
条件や化学成分との関連で詳細に検討した結果、鋼中の
C含有量を0.015%以下、N含有量を0.020%
以下とし、更にTi、Nb、Taの内1種、或いは2種
以上を(Ti+Nb+O、5Ta)/(C+N)の比が
12以上となるよう化学成分を調整すること(こより実
質的ζこ応力腐食割れ感受性のない鋼が得られることを
知見し提案したのである(特願昭54−17584号明
細書参照)。
しかしながら、Cr含有量16%以上のフエライト系ス
テンレス鋼には475゜C脆性と称される脆化現象があ
り、従って、上記の鋼を400℃以上の温度領域での実
用化は実際上困難である。この上記に説明した事情に鑑
み、本発明者等は更に鋭意実験研究を重ねた結果、Cr
含有量12〜16%の鋼であっても、鋼中のC+Nの合
計含有量を0.04%以下、Alの含有量を0.01〜
0.i5とし、更に(Ti+Nb十0.5Ta)/ (
C+N )の重量比が12以上となるよう化学成分を
調整することにより高温純水環境において耐応力腐食割
れ性、及び、一般耐食性の優れたフエライト系ステンレ
ス鋼が得られることを知見し、高温純水環境、特に塩素
イオン濃度10ppm以下で100℃以上の高温純水環
境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステ
ンレス鋼を開発したのである。
テンレス鋼には475゜C脆性と称される脆化現象があ
り、従って、上記の鋼を400℃以上の温度領域での実
用化は実際上困難である。この上記に説明した事情に鑑
み、本発明者等は更に鋭意実験研究を重ねた結果、Cr
含有量12〜16%の鋼であっても、鋼中のC+Nの合
計含有量を0.04%以下、Alの含有量を0.01〜
0.i5とし、更に(Ti+Nb十0.5Ta)/ (
C+N )の重量比が12以上となるよう化学成分を
調整することにより高温純水環境において耐応力腐食割
れ性、及び、一般耐食性の優れたフエライト系ステンレ
ス鋼が得られることを知見し、高温純水環境、特に塩素
イオン濃度10ppm以下で100℃以上の高温純水環
境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステ
ンレス鋼を開発したのである。
本発明に係る高温純水環境Qこおける耐応力腐食割れ性
に優れたフエライト系ステンレス鋼(以下本発明の鋼と
いうこともある。)は,C+NO.O4係以下、Sil
%以下、Mnl%以下、Crl2〜16%(但し16%
を含まず)、AlO.Ol〜0.15%を含有し、更C
こ、’Ili,Nb,Taのうち1種成いは2種以上を
合計で1.5以下、( Ti+Nb+0.5Ta)/(
C+N )の重量比で12以上含み、残部Fe及び不
純物からなるこおを特徴とする高温純水環境Qこおける
耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼を
第1の発明とし、C十NO.O4%以下、Sil%以下
、Mnl係以下、Crl2〜16%(但し16係を含ま
ず)、MOO.5〜4%、AlO.Ol〜0.15%を
含有し、更QこTi,Nb,Taのうち1種或いは2種
以上を合計で1.5係以下、( Ti+Nb十0.5T
a)/(C−}−N)の重量比で12以上を含み、残部
がFe及び不純物からなることを特徴とする高温純水環
境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステ
ンレス鋼を第2の発明とする2つの発明よりなるもので
ある。
に優れたフエライト系ステンレス鋼(以下本発明の鋼と
いうこともある。)は,C+NO.O4係以下、Sil
%以下、Mnl%以下、Crl2〜16%(但し16%
を含まず)、AlO.Ol〜0.15%を含有し、更C
こ、’Ili,Nb,Taのうち1種成いは2種以上を
合計で1.5以下、( Ti+Nb+0.5Ta)/(
C+N )の重量比で12以上含み、残部Fe及び不
純物からなるこおを特徴とする高温純水環境Qこおける
耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼を
第1の発明とし、C十NO.O4%以下、Sil%以下
、Mnl係以下、Crl2〜16%(但し16係を含ま
ず)、MOO.5〜4%、AlO.Ol〜0.15%を
含有し、更QこTi,Nb,Taのうち1種或いは2種
以上を合計で1.5係以下、( Ti+Nb十0.5T
a)/(C−}−N)の重量比で12以上を含み、残部
がFe及び不純物からなることを特徴とする高温純水環
境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステ
ンレス鋼を第2の発明とする2つの発明よりなるもので
ある。
次に、本発明に係る高温純水環境における耐応力腐食割
れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼について詳細に
説明する。
れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼について詳細に
説明する。
以下の説明において、内側試験片の割れの有無、或いは
、最大割れ深さ、及び、全面腐食量については次のよう
な実験力法Cこより求めたものである○即ち、各種組成
のフエライト系ステンレス鋼板を850℃X3O分水冷
による焼鈍熱処理を施した後、更に、1250℃×30
分空冷の条件により鋭敏化熱処理を施した。
、最大割れ深さ、及び、全面腐食量については次のよう
な実験力法Cこより求めたものである○即ち、各種組成
のフエライト系ステンレス鋼板を850℃X3O分水冷
による焼鈍熱処理を施した後、更に、1250℃×30
分空冷の条件により鋭敏化熱処理を施した。
これを機械力p工して65x15x2(m)の寸法に成
形し、この成形品を2枚重ねて2重U字曲げ( DOu
bleU−Bend)により応力を負荷した後、240
゜Cの塩素イオン濃度10pp111以下の高温純水中
に14日間(7日目Qこ液を更新)浸漬した。応力腐食
割れは何れも2重U字曲げ試験片の内側試験片における
背側(引張応力側)にのみ発生しており、以下のデータ
はこの内側試験片の割れの有無、或いは、最大割れ深さ
についての値を示している。また、全面腐食量は上記外
側試験片を用いて10係クエン酸アンモニウム水溶液(
約90℃)中で陰極的に脱スケールを行ない、浸漬前後
の重量変化から算出し、同時に浸漬した18Cr鋼に対
する比率によって表示した。本発明の鋼の含有成分と成
分割合について説明する。
形し、この成形品を2枚重ねて2重U字曲げ( DOu
bleU−Bend)により応力を負荷した後、240
゜Cの塩素イオン濃度10pp111以下の高温純水中
に14日間(7日目Qこ液を更新)浸漬した。応力腐食
割れは何れも2重U字曲げ試験片の内側試験片における
背側(引張応力側)にのみ発生しており、以下のデータ
はこの内側試験片の割れの有無、或いは、最大割れ深さ
についての値を示している。また、全面腐食量は上記外
側試験片を用いて10係クエン酸アンモニウム水溶液(
約90℃)中で陰極的に脱スケールを行ない、浸漬前後
の重量変化から算出し、同時に浸漬した18Cr鋼に対
する比率によって表示した。本発明の鋼の含有成分と成
分割合について説明する。
C+Nは、フエライト系ステンレス鋼の高温純水環境で
の応力腐食割れ感受性を著しく高める元素である。
の応力腐食割れ感受性を著しく高める元素である。
この高温純水環境ζこおける応力腐食割れ感受性を及ぼ
すC,Hの作用については、オーステナイト系ステンレ
ス鋼の場合にはN含有量ζこ関係なくC含有量0.02
0%以下とすることにより応力腐食割れ感受性が実質的
になくなるのに対して、フエライト系ステンレ反鋼では
C十Nの合計含有量で0.04%以下にすることが必須
条件であることがわかった。即ち、第1図}は種々の化
学組成を有するフエライト系ステンレス鋼(こ関する応
力腐食割れ試験結果を鋼中の(C+N)含有量、及び、
(Ti+Nb+0.5Ta)/(C+N)の重量比の関
係で整理したものを示したものであって、(Ti+Nb
+0.5Ta)/(C+N)の重量比に関係な< (C
+N)含有量が0.04%を超えると、応力腐食割れが
発生しているのである。よって、( C+N )含有量
は0.04%を越えてはならないのである。なお、C及
びNの含有量の低減化技術は最近取鍋内精錬法の技術的
進歩が著しく、工業的にも容易Cこ行なうことができる
。因に、高温純水環境におけるフエライト系ステンレス
鋼の応力腐食割れに対する(C+N)、及び、( Ti
+Nb十0.5Ta)/ ( C+N )の影響を示し
てあるのが第1図である。
すC,Hの作用については、オーステナイト系ステンレ
ス鋼の場合にはN含有量ζこ関係なくC含有量0.02
0%以下とすることにより応力腐食割れ感受性が実質的
になくなるのに対して、フエライト系ステンレ反鋼では
C十Nの合計含有量で0.04%以下にすることが必須
条件であることがわかった。即ち、第1図}は種々の化
学組成を有するフエライト系ステンレス鋼(こ関する応
力腐食割れ試験結果を鋼中の(C+N)含有量、及び、
(Ti+Nb+0.5Ta)/(C+N)の重量比の関
係で整理したものを示したものであって、(Ti+Nb
+0.5Ta)/(C+N)の重量比に関係な< (C
+N)含有量が0.04%を超えると、応力腐食割れが
発生しているのである。よって、( C+N )含有量
は0.04%を越えてはならないのである。なお、C及
びNの含有量の低減化技術は最近取鍋内精錬法の技術的
進歩が著しく、工業的にも容易Cこ行なうことができる
。因に、高温純水環境におけるフエライト系ステンレス
鋼の応力腐食割れに対する(C+N)、及び、( Ti
+Nb十0.5Ta)/ ( C+N )の影響を示し
てあるのが第1図である。
この第1図は、Crl2.l〜14.7%、MOO.O
4〜3.15%、AlO.Ol〜0.15%、TiO〜
1.08%、NbO〜0.60%、TaO〜0.08%
を含有する鋼を1250℃X3O分空冷の熱処理を行な
ったものQこついての、(’C+N)含有量と( Ti
+Nb+0.5Ta)/ ( C+N )との関係を示
したものである。この第1図において、○は応力腐食割
れ発生せず、×は応力腐食割れ発生、///Aま本発明
の鋼の範囲を夫々示している。Siは、製鋼時の脱酸剤
として不可欠な元素であるとともに水蒸気に対する一般
耐食性を高めるが、高温純水環境における応力腐食割れ
に対しては殆んど機能を発揮しない。
4〜3.15%、AlO.Ol〜0.15%、TiO〜
1.08%、NbO〜0.60%、TaO〜0.08%
を含有する鋼を1250℃X3O分空冷の熱処理を行な
ったものQこついての、(’C+N)含有量と( Ti
+Nb+0.5Ta)/ ( C+N )との関係を示
したものである。この第1図において、○は応力腐食割
れ発生せず、×は応力腐食割れ発生、///Aま本発明
の鋼の範囲を夫々示している。Siは、製鋼時の脱酸剤
として不可欠な元素であるとともに水蒸気に対する一般
耐食性を高めるが、高温純水環境における応力腐食割れ
に対しては殆んど機能を発揮しない。
かえって、含有量が1%を越えるとシグマ相やカイ相等
の金属間化合物の形成を加速して、加工性、溶接性の劣
化の原因となる。よって、Si含有量は1係以下とする
。Mnは、Siと同じく製鋼時の脱酸剤として不町欠な
元素であるが、高温純水環境での耐応力腐食割れ性には
殆んど影響がない。そして、Mnはオーステナイト形成
元素であり、含有量が1係を越えると目的とするフエラ
イト組織が不安定となる。Crは、フエライト生成元素
であり、また、ステンレス鋼における一般耐食性向上元
素として不可欠の合金成分であって、高温純水環境にお
いて充分な一般耐食性を維持するためには次Cこ説明す
るAlとの関連で12係以上のCrを含有するに要があ
る。
の金属間化合物の形成を加速して、加工性、溶接性の劣
化の原因となる。よって、Si含有量は1係以下とする
。Mnは、Siと同じく製鋼時の脱酸剤として不町欠な
元素であるが、高温純水環境での耐応力腐食割れ性には
殆んど影響がない。そして、Mnはオーステナイト形成
元素であり、含有量が1係を越えると目的とするフエラ
イト組織が不安定となる。Crは、フエライト生成元素
であり、また、ステンレス鋼における一般耐食性向上元
素として不可欠の合金成分であって、高温純水環境にお
いて充分な一般耐食性を維持するためには次Cこ説明す
るAlとの関連で12係以上のCrを含有するに要があ
る。
しかし、Cr含有量が16%以上になると溶接部の切欠
衝撃靭性が急激0こ劣化し、また、475℃脆性を受け
易くなるのでこの温度頌域での実用化は困難となる。よ
って、Cr含有量は12〜16%(16%を含まず)、
望ましくは12〜15%とする。Alは、フエライト生
成元素として溶接熱影響部における硬度上昇を抑制する
効果があり、また、12係以上のCrとの共存により高
温純水環境での一般耐食性向上Cこ顕著な効果を発揮す
る。
衝撃靭性が急激0こ劣化し、また、475℃脆性を受け
易くなるのでこの温度頌域での実用化は困難となる。よ
って、Cr含有量は12〜16%(16%を含まず)、
望ましくは12〜15%とする。Alは、フエライト生
成元素として溶接熱影響部における硬度上昇を抑制する
効果があり、また、12係以上のCrとの共存により高
温純水環境での一般耐食性向上Cこ顕著な効果を発揮す
る。
即ち、第2図は10〜12%Cr系鋼、及び、12〜1
4%Cr系鋼1こついてAl含有量と一般耐食性との関
係を示したもので、12%以上のCrが共存すると0.
01%程度の微量のAlの含有により一般耐食性が著し
く向上している。また、Al含有量が0.15%を越え
ると鋼の清浄度が著しく低下して加工性が劣化する他に
、一般耐食性向上の効果も飽和してしまう。よって、A
l含有量は0.01〜0.15%とする。因に、第2図
は高温純水環境におけるフエライト系ステンレス鋼の一
般耐食性に及ぼすAlの影響を示したものであり、18
Cr鋼を1と.した場合の比率を全面腐食量として縦軸
にとり、横軸はAl含有量(%)を示し、AはCrlO
〜12%のものを示し、BはCrl2〜14%のものを
示している。
4%Cr系鋼1こついてAl含有量と一般耐食性との関
係を示したもので、12%以上のCrが共存すると0.
01%程度の微量のAlの含有により一般耐食性が著し
く向上している。また、Al含有量が0.15%を越え
ると鋼の清浄度が著しく低下して加工性が劣化する他に
、一般耐食性向上の効果も飽和してしまう。よって、A
l含有量は0.01〜0.15%とする。因に、第2図
は高温純水環境におけるフエライト系ステンレス鋼の一
般耐食性に及ぼすAlの影響を示したものであり、18
Cr鋼を1と.した場合の比率を全面腐食量として縦軸
にとり、横軸はAl含有量(%)を示し、AはCrlO
〜12%のものを示し、BはCrl2〜14%のものを
示している。
Ti,Nb,’J”aは、強力な炭化物、及び、窒化物
の形成元素であって、最も重要な元素である。
の形成元素であって、最も重要な元素である。
即ち、第1図Qこ示すように、(C十N)含有量が0.
04%以下のフエライト系ステンレス鋼においても、(
Ti+Nb+0.5Ta)/(C+N)重量比が12以
下では応力腐食割れを起し、12以上では応力腐食割れ
感受性がなくなっている。従って、( Ti+Nb十0
.5Ta)/( C+N )の重量比は12以上とする
ことが必須である。なお、Taの係数を0.5としたの
は同じ重量係ではTaの炭化物、窒化物形成能がTiや
Nbの1/2程度しか期待できないからである。また、
Ti,Nb,Taの1種、或いは2種以上を合計での含
有量が1.5係を越えるとステンレス鋼の製造時Cこ地
疵を発生させるおそれがあり、さらCこ、応力腐食割れ
防止効果も飽和してしまうのである。MOは、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の高温純水環境Cこおける応力腐
食割れ感受性の低減には顕著な効果を発揮する元素であ
るが、フエライト系ステンレス鋼においては殆んどその
効果は認められない。
04%以下のフエライト系ステンレス鋼においても、(
Ti+Nb+0.5Ta)/(C+N)重量比が12以
下では応力腐食割れを起し、12以上では応力腐食割れ
感受性がなくなっている。従って、( Ti+Nb十0
.5Ta)/( C+N )の重量比は12以上とする
ことが必須である。なお、Taの係数を0.5としたの
は同じ重量係ではTaの炭化物、窒化物形成能がTiや
Nbの1/2程度しか期待できないからである。また、
Ti,Nb,Taの1種、或いは2種以上を合計での含
有量が1.5係を越えるとステンレス鋼の製造時Cこ地
疵を発生させるおそれがあり、さらCこ、応力腐食割れ
防止効果も飽和してしまうのである。MOは、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の高温純水環境Cこおける応力腐
食割れ感受性の低減には顕著な効果を発揮する元素であ
るが、フエライト系ステンレス鋼においては殆んどその
効果は認められない。
しかしながら、MOはCrとの共存下で一般耐食性を高
める効果を有する他、ステンレス鋼の使用時Cこ婁々形
成される隙間部分て生じる局部腐食、即ち、隙間腐食を
軽減するために極めて有効な元素であり、含有量が05
%未満では上記の効果が充分発揮されず、4%を越える
とカイ相等の金属間化合物が生成し易くなり、加工性、
溶解性を劣化させる。よって、MO含有量は0.5〜4
%とする。本発明に係る高温純水環境における耐応力腐
食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼の実施例O
こついて比較鋼とともQこ説明する。
める効果を有する他、ステンレス鋼の使用時Cこ婁々形
成される隙間部分て生じる局部腐食、即ち、隙間腐食を
軽減するために極めて有効な元素であり、含有量が05
%未満では上記の効果が充分発揮されず、4%を越える
とカイ相等の金属間化合物が生成し易くなり、加工性、
溶解性を劣化させる。よって、MO含有量は0.5〜4
%とする。本発明に係る高温純水環境における耐応力腐
食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼の実施例O
こついて比較鋼とともQこ説明する。
実施例
第1表に示す各種含有成分、成分割合のステンレス鋼を
電気炉にて溶製し、必要により取鍋精錬を行なった。
電気炉にて溶製し、必要により取鍋精錬を行なった。
分塊後熱間押出し、及び、冷間抽伸を行ない、外径40
M、肉厚4層の鋼管を製造した。* これを所定の寸法
Qこ切断した後、次に示す溶接熱サイクル再現熱処理を
施した。
M、肉厚4層の鋼管を製造した。* これを所定の寸法
Qこ切断した後、次に示す溶接熱サイクル再現熱処理を
施した。
なお、熱処理はステンレス鋼を挾接した場合の溶接熱影
響の各部に生じる熱履歴を模凝したものである。次いで
、機械力ロエにより試験片を作り、前述の条件で応力腐
食割れ試験を行なった。溶接熱サイクル再現熱処理条件 最高加熱温度(’C) 900,1150,1250
.800〜500℃の冷却域通過時間 10,2
0.30秒 第2表に応力腐食割れ試験結果を第2表に示してある。
響の各部に生じる熱履歴を模凝したものである。次いで
、機械力ロエにより試験片を作り、前述の条件で応力腐
食割れ試験を行なった。溶接熱サイクル再現熱処理条件 最高加熱温度(’C) 900,1150,1250
.800〜500℃の冷却域通過時間 10,2
0.30秒 第2表に応力腐食割れ試験結果を第2表に示してある。
本発明鋼は何れの熱処理を施した場合にも応力腐食割れ
を生じなかった。一刀、比較鋼は最高力口熱温度が90
0℃の場合には、応力腐食割れを生じなかったが、最高
加熱温度が1150℃以上の場合には応力腐食割れを発
生した。以上説明したように、焼鈍状態では勿論、液接
熱影響部の熱履歴を模凝した熱処理を施した場合でも、
本発明に係る高温純水環境Cこおける耐応力腐食割れ性
に優れたフエライト系ステンレス鋼は応力腐食割れ感受
性を全く示さないので、特に、溶接部Cこおける応力腐
食割れが問題となる高温純水取扱い装置、機器類用材料
として極めて有効なものである。
を生じなかった。一刀、比較鋼は最高力口熱温度が90
0℃の場合には、応力腐食割れを生じなかったが、最高
加熱温度が1150℃以上の場合には応力腐食割れを発
生した。以上説明したように、焼鈍状態では勿論、液接
熱影響部の熱履歴を模凝した熱処理を施した場合でも、
本発明に係る高温純水環境Cこおける耐応力腐食割れ性
に優れたフエライト系ステンレス鋼は応力腐食割れ感受
性を全く示さないので、特に、溶接部Cこおける応力腐
食割れが問題となる高温純水取扱い装置、機器類用材料
として極めて有効なものである。
第1図は高温純水環境におけるフエライト系ステンレス
鋼の応力腐食割れに対する( C+N )、及び、(T
i+Nb+0.5Ta)/(C+N)の影響を示したも
ので、第2図は高温純水環境におけるフエライト系ステ
ンレス鋼の一般耐食性に及ぼすAlの影響を示すもので
ある。
鋼の応力腐食割れに対する( C+N )、及び、(T
i+Nb+0.5Ta)/(C+N)の影響を示したも
ので、第2図は高温純水環境におけるフエライト系ステ
ンレス鋼の一般耐食性に及ぼすAlの影響を示すもので
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C+N0.04%以下、Si1%以下、Mn1%以
下、Cr12〜16%(但し16%を含まず)、Al0
.01〜0.15%を含有し、更に、Ti、Nb、Ta
のうち1種或いは2種以上を合計で1.5%以下、(T
i+Nb+0.5Ta)/(C+N)の重量比で12以
上含み、残部Fe及び不純物からなることを特徴とする
高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフェラ
イト系ステンレス鋼。 2 C+N0.04%以下、Si1%以下、Mn1%以
下、Cr12〜16%(但し16%を含まず)、Mo0
.5〜4%、Al0.01〜0.15%を含有し、更に
Ti、Nb、Taのうち1種或いは2種以上を合計で1
.5%以下、(Ti+Nb+0.5Ta)/(C+N)
の重量比で12以上含み、残部がFe及び不純物からな
ることを特徴とする高温純水環境における耐応力腐食割
れ性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8569280A JPS5914098B2 (ja) | 1980-06-24 | 1980-06-24 | 高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8569280A JPS5914098B2 (ja) | 1980-06-24 | 1980-06-24 | 高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5713149A JPS5713149A (en) | 1982-01-23 |
JPS5914098B2 true JPS5914098B2 (ja) | 1984-04-03 |
Family
ID=13865884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8569280A Expired JPS5914098B2 (ja) | 1980-06-24 | 1980-06-24 | 高温純水環境における耐応力腐食割れ性に優れたフエライト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5914098B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4799972A (en) * | 1985-10-14 | 1989-01-24 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Process for producing a high strength high-Cr ferritic heat-resistant steel |
-
1980
- 1980-06-24 JP JP8569280A patent/JPS5914098B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5713149A (en) | 1982-01-23 |
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