JPS588252B2 - 尿道内留置用バル−ンカテ−テル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ■ 発明の背景 〔技術分野〕 この発明は尿道にカテーテルを留置した際に起る尿路感
染を防止し得るようにした尿道内留置用バルーンカテー
テルに関する。

尿道内留置用バルーンカテーテルを尿道に長期間留置し
ておくと、細菌の上行性感染による尿道炎、膀胱炎、腎
盃炎を発生させることがしばしば認められている。

この上行性感染の経路としては（１）、管外性（カテー
テルの外側からの細菌の進入）、（２）、管内性（カテ
ーテル導路からの細菌の進入）があり、後者については
閉鎖式導尿回路の採用により効果的に防止し得ることが
一般に認められているが、後者の管外性感染によるもの
に対しては従来、種々の方法が提案されているが未だ満
足とは云えない。

〔従来技術〕

この管外性感染に対する従来の防止法として、（１）金
、銀、銅などの金属イオンの殺菌作用を利用することを
目的としてカテーテル表面にこれら金属ないし合金をコ
ーテングする方法、（１ｊ）膀胱洗滌と抗生物質の予防
的投与による方法、ＧｉＤシリコン、テフロン等の撥水
性材質を使用し、尿道細胞に対する刺激を抑制し、尿道
粘膜の防御能低下防止法などが提案されている。

〔従来技術の問題点〕

しかし、上記（ｉ）の方法は感染防止効果の点で問題が
あるとともにコスト高の点で好ましくなく、（ｉｉ）の
方法は投与した抗生物質がその後の尿流によシ洗い流さ
せ、持続的効果が期待できず、感染防止効果も十分とは
云えない。

さらに（■）の方法は十分な感染防止効果は期待できな
い。

■ 発明の目的 この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、簡
単な方法によって管外性尿路感染を防止することができ
、しかも患者への苦痛を与えるおそれも少ない尿道内留
置用バルーンカテーテルを提供することを目的とする。

すなわち、この発明は液体流通路および該流通路と連通
する開口部を先端部に有し基端を開口してなるカテーテ
ルチューブと、該開口部より後方のカテーテルチューブ
外周に膨縮自在に設けられたバルーンと、上配カテーテ
ルチューブに沿って設けられ先端が上記バルーン内部と
連通し、基端に逆止弁を設けてなるバルーン膨張用通気
路とを具備してなる尿道内留置用バルーンカテーテルに
おいて、基端に逆止弁を設けると共に上記バルーンよシ
１〜２ｃｒｎ後方のカテーテルチューブ外周に開口する
尿道洗浄用通路を該カテーテルチューブに沿って設ける
とともに、該洗浄用通路の開口部が該カテーテルチュー
ブの円周方向に向って次第に拡大する楕円形状をなして
いることを特徴とする尿道内留置用バルーンカテーテル
を提供するも，のである。

この発明はさらに尿道洗浄用通路の開口部がバルーン位
置から１〜２ｃｍ離間させて１以上設けられていること
を特徴とする尿道内留置用バルーンカテーテルを提供す
るものである。

■ 発明の具体的説明 以下、この発明を図示の実施例に基づいて説明する。

第１図は本発明に係わる尿道内留置用バルーンカテーテ
ルの全体図を示すものであって、第２図に示すように先
端が閉塞し、液体流通路１お．よび該流通路１に連通ず
る開口部３を先端近傍に有するカテーテルチューブ５と
、該開口部３よシ後方のカテーテルチューブ５外周に膨
縮自在に設けられカテーテルを留置するだめのバルーン
７と、上記カテーテルチューブ５に沿って一体的に設け
１られ先端が上記バルーン７内部と連通ずるバルーン膨
張用通気路９と、上記バルーン７よりやや後方のカテー
テルチューブ５外周に開口する洗浄口１１（たとえば図
示の如く、１〜２ｃｍ後方に１個、さらにその後方約１
ｃｍの位置に１個開口させたも．の）を有する尿道洗浄
用通路１３を上記カテーテルチューブ５に沿って一体的
に設けてなるものである。

又、この尿道内留置用バルーンカテーテルの後端には液
体流通路１と連通ずる排尿口１５、バルーン膨張用通路
９と連通ずるバルーン用分岐管１７であって基端に注入
した液体が逆流して漏出しない様に逆止弁１９を設けた
もの、および尿道洗浄用通路１３と連通ずる分岐管２１
であって基端に注入した洗浄液が逆流して漏出しない様
に逆止弁２３を設けたものが形成されている。

尿道洗浄用通路１３ぱその本数、口径等について特に制
限はないが、通常、カテーテルチューブ一５に設けたバ
ルーン膨張用通気路９と反対側に１本設け、その口径は
１〜１．５ｍｍ程度で十分である。

洗浄口１１の数についても特に制限はないが通常２個程
度で十分であろう。

その形状は洗浄効果の点カラしてバルーンカテーテル５
の円周方向に次；第に拡大するものが好ましい。

この尿道内留置用バルーンカテーテルの材質は、たとえ
ばカテーテルチューブ５としてはシリコーンゴム、ゴム
ラテックス、軟質ポリ塩化ビニル又はこれらにシリコー
ンをコートしたものなど適宜；使用し得る。

また、バルーン１の材質としてはシリコーンゴム、ゴム
ラテックス等ヲ用い、カテーテルチューブ５の所定位置
外周に設ける。

さらにバルーン膨張用通気路９および尿道洗浄用通路１
３の形成方法については、たとえば液体流通路・１を形
成する為の棒状金型の表面に例えばゴムラテックスを被
着させ、バルーン部に導通するバルーン膨張用通路を形
成する為の細棒状金型にラテックス凝固剤を被着させた
後これを上記棒状金型に沿い、かつその先端を上記棒状
金型の先端よシ［やや後退させて付設する。

しかるのち、尿道洗浄用通路を形成する為の細棒状金型
にラテックス凝固剤を被着させこれを上記棒状金型に沿
い、かつその先端を上記バルーン部よシやや後方に付設
する。

次いで上記棒状金型及び細棒状金型を回転さ．せながら
上記細棒状金型先端部及びその近傍周面にシリコーンの
揮発性溶液及び２価又は３価の金属塩の低級アルコール
麹液に順次あるいは同時に被着する。

そして、これら全体を再びゴムラテックスで被覆したの
ち乾燥させて製造する。

洗浄口１１の開口方法としては種々の手段が考えられる
が、たとえば尿道洗浄用通路１３が側面にぐるようにカ
テーテルチューブ５を押しつぶし、その状態で垂直方向
からパンチングして尿道洗浄用通路と連通する開口を形
成させる。

このようにして開口を形成させた場合洗浄口１１の形状
はカテーテルチューブ５の円周方向に向って次第に拡大
する楕円形状となり、上述の如く洗浄効果の点で好まし
い。

■発明の具体的作用効果 つぎに、この発明に係わる尿道内留置用バルーンカテー
テルの使用方法について説明する。

まず、従来と同様の方法によシ、該カテーテル先端を膀
胱内に挿入し、バルーンＴを膨張させて該カテーテルを
尿道に留置する。

この留置したままの状態で必要時にシリンジを用い洗浄
液を逆止弁２３から注入する。

注入された洗浄液は尿道洗浄用通路１３を通って洗浄口
１１に達し、ここから尿道全体に拡がり尿道壁面を洗浄
しながら外尿道口方向へ流れ体外に排出される。

なお、この場合、膀胱と尿道の境界組織は巾約１ｃＩｆ
Ｌに亘って筋肉質であるため膀胱内に洗浄液が流入する
ことはない。

洗浄後として必要に応じ殺菌剤を混入してもよく、又、
洗浄液の代りに軟膏等を注入することも可能である。

以上詳述したように本発明によれば、尿道内留置用バル
ーンカテーテルを尿道内に留置したままの状態で随時、
尿道を洗浄ないし消毒することができるので、患者に苦
痛を与えることなく、簡単、かつ完全にバルーンカテー
テルの尿道内留置中に生ずる細菌による二次感染や上行
性感染を防止することができ、この種カテーテルの無菌
的管理上極めて有意義なものとなる。

又、尿道洗浄用通路の開口部をバルーン位置から１〜２
ｃｍ離間させて１以上設けたり尿道洗浄用通路の開口部
の形状をカテーテルチューブの円周方向に向って次第に
拡大する楕円形状にすれば尿道の洗浄をより効果的に行
なうことができる。

又、本発明はコスト面からみても安価に製造できるもの
である。

そして、カテーテル表面に抗生物質をコートするもので
ない為特異体質の人にも用いることができる、等の優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係わる尿道内留置用バルー
ンカテーテルのバルーン部を膨張させた様様を示す平面
図、第２図は第１図のカテーテルの要部を切欠して示す
断面図である。 図中、１・・・・・・液体流通路、３・・・・・・開口
部、５・・・・・・カテーテルチューブ、１・・・・・
・バルーン、９・・・・・・バルーン膨張用通気路、１
１・・・・・・洗浄口、１３・・・尿尿洗浄用通路、１
５・・・・・・排尿口、１７．２１・・・分岐管、１９
，２３・・・・・・逆止弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液体流通路および該流通路と連通ずる開口部を先端
   部に有し、基端を開口してなるカテーテルチューブと、
   該開口部よシ後方のカテーテルチューブ外周に膨縮自在
   に設けらｈたバルーンと、上記カテーテルチューブに沿
   って設けられ先端が上記バルーン内部と連通し、基端に
   逆止弁を設けてなるバルーン膨張用通気路とを具備して
   なる尿道内留置用バルーンカテーテルにおいて、基端に
   逆止弁を設けると共に上記バルーンよシ１〜２ｃｒｒＬ
   後方のカテーテルチー−ブ外周に開口する尿道洗浄用通
   路を該カテーテルチューブに沿って設けるとともに、該
   洗浄用通路の開口部が該カテーテルチューブの円周方向
   に向うて次第に拡大する楕円形状をなしていることを特
   徴とする尿道内留置用バルーンカテーテル。 ２ カテーテルチューブが表面にシリコーンをコートし
   たものである特許請求の範囲第１項記載のバルーンカテ
   ーテル。