JPS5856075Y2 - 抵抗溶接機における導電接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、抵抗溶接機の可動電極に溶接電源を導電部
材を介して接続する際の導電接続装置に関するもので、
さらに詳しく言えば、電極ストロークの大きい、しかも
二次回路の長い腕をもった溶接機において、長い二次導
電板を効果的に保護し、溶接電流の損失を防ぐために有
用な導電接続装置に関するものである。

周知のように、電極ストロークの長い、しかも腕の長い
溶接機の場合、とくに溶接トランスと可動電極をつなぐ
二次回路として、重くて長い単一の可焼性の導電板ある
いは導線を使用する場合に可動電極の直線的な繰返し運
動によって屈折や曲げ運動が導電部材に加わると、疲労
や断線が加速度的に進み、電流損失や導電部材の寿命を
短かくするという問題がある。

そこで、この対策として従来では、単一の可撓性銅板や
導線は使わず、いくつかの導電リンク。

バーＢｌ、Ｂ２をそれぞれピボットＰＩ、Ｐ２゜Ｐ３を
介してつなぎ合せ、そのつなぎ合せた関節部を一平面内
で摺動回転するようにして本体０内にある溶接トランス
Ｔと固定電極１６の軸線上にある可動電極１間を連結し
ている。

この場合、関節部のコンタクトは、加圧シリンダ２によ
り上下動する可動電極の運動により摺動回転し、関節部
のスライド面を通じて溶接電流を可動電極に給電するよ
うになっている。

しかし、この種リンク・バー・スライド給電方式の場合
は、摺動給電のため、スライド面を常に一様な平均的力
で圧着する必要があり、その構造が複雑でしかも製作工
数や費用もかかる。

またスライド面のよごれや、発熱も大きくなることしば
しば経験するため、電流の損失を増加する不具合から溶
接結果に悪影響をおよぼすという欠点があった。

この考案は、上記の欠点の解決を意図するもので、複数
のＵ字形可撓性導電板を中継的かつ段階的につなぎ、可
動電極の上下ストローク移動に関連して各導電板の中継
点が支持案内されながら連動するように構成して、可動
電極の上下運動に対応できる接続構造をとり、電流の損
失を防ぐと共に二次導電板の耐久性を向上させるために
工夫されたものである。

以下、図面に示された「実施例」に基づきこの考案を説
明する。

第２図は、この考案にかかる導電接続装置の要部を示す
もので、可動電極１は、溶接機０の上腕に固定された加
圧シリンダ２のロッド３先端に電極アーム４が取付けら
れ、この電極アームに電極ホルダ５を介して電極チップ
６が取付けられている。

電極ホルダ５の後端には、第１のＵ字形可撓性導電板７
ａの端部がボルト８で締付は固定されている。

そして上記第１導電板７ａの他方の端部には連結片９ａ
を介して第２のＵ字形可撓性導電板７ｂの端部が固定さ
れ、さらに上記第２導電板の他方の端部は溶接トランス
Ｔの出力端子１０に接続された第３のＵ字形可撓性導電
板７ｃの端部が連結片９ｂを介して接続されている。

そして各連結片９ａ、９ｂには、連結金具として上記可
動電極１の上下ストローク移動に関連して各連結部が係
合しあって連動するように、各導電板７ａ、７ｂの互い
に向き合う側に、導電板のストローク分に相当するコ字
形受は具１１と、その反対側において上記受は具１１の
突片１２に係合する丁字形金具１３がそれぞれ絶縁され
て取付けられている。

上記各連結片９ａ、９ｂには上腕によって支持案内され
るガイド装置に相当するガイドロッド１４．１５がそれ
ぞれ連結されている。

今、図示状態の可動電極は、加圧シリンダにより下降途
中にある。

したがって上記連結片９ａの丁字形金具１３は相手方の
コ字形受は具１１の中間点にいるが、なおも加圧シリン
ダ２により可動電極１が下がると上記第１導電板７ａが
下がり、上記金具１３は上記受は具１１の突片１２に引
っかかって次なる連結片９ｂに接続された上記第２導電
板７ｂを下げ、さらに同様に次なる金具１３′が次なる
受は具１１′と係合して上記第３導電板７Ｃが押し下が
り可動電極が固定電極１６の被加工物Ｗに当接するまで
所定のストロークだけ上記各導電板全体が段階的に下が
る。

なお、この場合に各連結片９ａ、９ｂはガイドロッド１
４．１５によって可動電極１の運動期間中において案内
支持されているがら円滑に移動することができる。

かくして、被加工物を二つの電極間で挟圧した状態で、
溶接トランスから電流が投入されると、電流は上記第３
導電板７Ｃから上記第２導電板７ｂを経て上記第１導電
板７ａに流れ、電極アーム４を通して電極ホルダ５そし
て電極チップ６に給電して溶接を行う。

溶接後は、可動電極の上昇運動で、第１導電板。

第２．第３導電板の順に導電板全体が段階的に上がるこ
とになる。

以上、説明したように、この考案は、可動電極のストロ
ークの長いしかも長い腕をもつ溶接機の可動電極に溶接
電源を導電部材を介して接続する場合において、固定電
極の軸線上で上下動する可動電極と、これら各電極間に
電気的に接続される溶接トランスとを、互いに各々の端
部を連結しあった複数のＵ字形可撓性導電板で直列に接
続し、上記導電板の各連結部には、上記可動電極の上下
運動に関連して相隣なる連結部が互いに係合しあって連
動するように、連結金具を設けると共に、上記可動電極
の運動期間中に上記連結部を支持案内するガイド装置を
設けたことを特徴とする導電接続装置を提供する。

したがって、この考案によれば、電極ストロークの長い
、しかも長い二次回路を構成する場合でも可動電極の動
きにむりなく対応できるから、従来のように導電部材の
疲労・断線をなくすことができるのみならず、スライド
給電方式のような高価複雑構造でなく、しかも電流の損
失をなくし、導電部材の寿命を高めることができるなど
多くの優れた効果を発揮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の導電リング・バーを用いた導電接続装
置を示すスポット溶接機の全体側面図である。 第２図は、この考案にかかる実施例で、Ｕ字形可撓性導
電板を用いた導電接続装置の要部を示、す側面図である
。 １・・・可動電極、７ａ、 ７ｂ、 ７Ｃ・・・Ｕ
字形可撓性導電板、９ａ、９ｂ・・・連結片、１１．１
３・・・連結金具、１４．１５・・・ガイド装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定電極の軸線上で上下動する可動電極と、これら各電
   極間に電気的に接続される溶接トランスとを、互いに各
   々の端部を連結しあったＵ字形可焼性導電板で直列に接
   続し、上記導電板の各連結部には、上記可動電極の上下
   運動に関連して相隣なる連結部が互いに係合しあって連
   動するように連結金具を設けると共に、上記可動電極の
   運動期間中に上記連結部を支持案内するガイド装置を設
   けてなる抵抗溶接機における導電接続装置。