JPS5844171B2 - 高温熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高温熱交換器に係り、特にスターリングエン
ジンの作動媒体ガスの熱膨張を効果的に行う為の高温熱
交換器に関するものである。

スターリングエンジンは、内燃機関の燃焼及び爆発によ
ってピストンを押下げる代りに、油を燃焼してその火炎
及び燃焼ガスによって加熱される高温熱交換器の伝熱管
内に作動媒体ガスを通過させて、昇温による膨張によっ
てピストンを押下げる機関であるが、作動媒体ガスの熱
膨張を効果的に行う為には作動媒体ガスの通過する高温
熱交換器の伝熱管の容積が小さいことが必要である。

勿論作動媒体ガスの存在するスターリングエンジンのシ
リンダー、低温熱交換器、蓄熱器などの容積も同様に小
さいものであることを要する。

前記高温熱交換器の伝熱管の容積を小さくして作動媒体
ガスの熱膨張を効果的ならしめる構造のものとしては、
前面にバーナーを設けた円筒形燃焼室内の軸方向に、こ
れと中心を同じ（する円周方向に一定間隔を存して作動
媒体ガスを通す多数の円管を配設し、燃焼室内周壁には
耐火材を被覆して、前記円管群を火炎の輻射と火炎及び
燃焼ガスの接触伝熱の他、耐火壁からの輻射によって加
熱する構造のものが考えられるが、これを実際に使用で
きるものにする為には、火炎が燃焼室前壁内面より周壁
内面に沿って流れ、円管群と燃焼室内周の耐火壁との間
を、バーナーと対向する燃焼室後壁の中心に設けた燃焼
室内径より小径のガス出口に向って流れ、円管群の適当
長位置から円管群を横切って燃焼室の中央に集まり、燃
焼を完結してガス出口から出るようにしなければならな
い。

然し乍ら、かように火炎及び燃焼ガスの流れを制御する
ことは極めて困難である。

即ち火炎をバーナーの設けられた燃焼室前壁内面より周
壁内面に沿って流すには、燃焼室前壁をバーナ一部でト
ランペット形にしなければならないなどというようにバ
ーナー附近の壁面形状が重要なポイントになるが、この
他火炎の旋回力も影響し、非常に複雑である。

もしバーナー附近の壁面形状が適切でないと、火炎を燃
焼室の前壁内面から周壁内面に沿って流すには、火炎に
強力な旋回力を与える必要がある。

通常火炎の旋回は、燃焼用空気に旋回を与え、これによ
って火炎が旋回するように燃料の噴霧を行うことによっ
て達せられるので、燃焼用空気に旋回を与える送風機の
動力が大きくなり過ぎる。

また燃料と燃焼用空気の混合が不良たと、燃焼用空気を
旋回させても生じた火炎はバーナー軸心附近に集まって
棒状になることがある。

この場合には燃焼用空気の旋回を強めても火炎は燃焼室
の周壁内面に沿って流れないものである。

本発明は、かかる問題点を解決し、火炎が燃焼室前壁内
面より周壁内面に沿って流れ、円管群と燃焼室内周の耐
火壁との間を流れるようになして、少ない伝熱面積の円
管群で多量の熱量を吸収して円管群内を通過する作動媒
体ガスの熱膨張を効果的に行うようにした高温熱交換器
を提供せんとするものである。

以下本発明の一実施例を図によって説明すると、１は円
筒形の燃焼室で、その周壁２の内面には耐火材３が張設
され、火炎流入口４を中央に穿設した前壁即ちバッフル
５の内面及び燃焼ガス出口６を中央に穿設した後壁７の
内面にも耐火材３が張設されている。

燃焼室１の前壁であるバッフル５の前方にはウィンドボ
ックス８が設けられ、該ウィンドボックス８の前壁９の
中心部より内方にはバーナーの噴霧器１０の先端部が貫
通して設けられ、該噴霧器１０の先端部を貫通した部分
からウィンドボックス８内には円錐形状の噴霧燃料案内
板１１が設けられている。

またウィンドボックス８の周壁１２には燃焼用空気をウ
ィンドボックス８内に導入し、旋回する為に接線方向に
おいて複数の、本例では４個の吹込口１３が設けられて
いる。

前記燃焼室１内の軸方向には、該燃焼室１の中心を同心
とする円周方向に一定間隔を存して多数の円管１４が配
設され、この各円管１４はその前後端が環状の管寄１５
、１５’に結合され、管寄１５．１５’には燃焼室１
外に連絡する管１６゜１６′が結合されていて、各円管
１４には例えば管１６より作動媒体ガスが入り、管１６
′より出るようになっている。

尚各円管１４の外周には管軸と平行なヒレ１７を設けて
、伝熱面積を増大せしめである。

かように構成された本発明の高温熱交換器において、燃
料（油）はバーナーの噴霧器１０によってウィンドボッ
クス８内に噴射され、円錐状の噴霧が生じる。

一方燃焼用空気は図示せぬ送風機にて圧送されて吹込口
１３からウィンドボックス８内に吹込まれ、案内板１１
の外側で旋回しながら燃焼室１側に向う。

そして案内板１１の端に至ると燃焼用空気は燃焼室１の
前壁であるバッフル５によりその前進が規制されて旋回
しつつ方向を変えてウィンドボックス８の中心部に向う
。

ウィンドボックス８の中心部には噴霧燃料（油）が存在
するので、燃焼用空気は噴霧燃料（油）と混合しつつバ
ッフル５の火炎流入口４から燃焼室１内に入る。

この燃焼室１内に入る混合物は、燃焼用空気の強力な旋
回によって旋回しているので、燃焼室１の前部の適当位
置に設けられた図示せぬ点火具にて混合物に着火すると
、火炎は燃焼室１の前壁であるバッフル５の内面の耐火
材３及び周壁２の内面の耐火材３０表面に沿って流れる
。

旋回力が適当であると、火炎は燃焼室１内の中間位置で
周壁２の耐火材３かも離れて、燃焼室１内の中心部に集
まろうとして円管１４の群を外から内へ通過しようとす
るが、円管１４の群を通過する前に燃焼が完了するので
、火炎が円管１４との接触によって冷されて噴霧燃料が
未燃焼となることはない。

従って各円管１４は、燃焼ガスの接触によって加熱され
、また前記火炎の接触によって加熱され高温となったバ
ッフル５及び周壁２の耐火材３０表面からの熱輻射及び
火炎からの輻射とによって加熱され、該各円管１４内を
通過する作動媒体ガスは少ない伝熱面積で多量の熱量を
吸収することになる。

然して円管１４の群を通過した燃焼ガスは、燃焼室１の
中心に集まり、後壁７の中央に開口する鞍焼ガス出口６
かも燃焼室１外に排出される。

以上の説明で判るように本発明の高温熱交換器によれば
、燃焼用空気を吹込旋回せしめて噴霧燃料と混合でき、
この旋回する混合物が点火されると火炎が燃焼室前壁内
面より周壁内面に沿って流れ、燃焼室内の円管群と周壁
内周の耐火壁との間を流れて燃焼を完結し、燃焼ガスは
円管群を通過して燃焼室中心部に集まってガス出口より
排出するので、燃焼室内の円管群は少ない伝熱面積で多
量の熱量を吸収することができ、従って円管群の曹内に
通過する作動媒体ガスを効率良く熱膨張せしめることが
できるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による高温熱交換器の一実施例を示す縦
断側面図、第２図は第１図の左側面図である。 １・・・・・・燃焼室、２・・・・・・周壁、３・・・
・・・耐火材、４・・・・・・火炎流入口、５・・・・
・・バッフル、６・・・・・・燃焼ガス出口、７・・・
・・・後壁、８・・・・・・ウィンドボックス、９・・
・・・・ウィンドボックスの前壁、１０・・・・・・噴
霧器。 １１・・・・・・噴霧燃料案内板、１２・・・・・・ウ
ィンドボックスの周壁、１３・・・・・・吹込口、１４
・・・・・・円管、１５ 、１５’・・・・・・管寄、
１６ 、１６’・・・・・・管、１７・・・・・・ヒレ
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中央部に油バーナーの噴霧器からの噴霧燃料を外側
   から覆う円錐形状の案内板を備え外周の接線方向に複数
   の燃焼用空気の吹込口を設けたウィンドボックスと、該
   ウィンドボックスに接続して設けられ前壁中央に案内板
   の最大径より小径の火炎流入口を有し後壁中央に火炎流
   入口と略同径のガス流出口を有し前後壁及び周壁の内面
   に耐火材が張設されてその内径が火炎流入口より大径と
   なっている円筒形燃焼室と、該円筒形燃焼室内の同心円
   周方向において一定間隔を存して軸方向に多数配設され
   てその前後端が燃焼室外に連絡する管を備えた環状の管
   寄に結合された円管群とより成る高温熱交換器。