JPS5842041Y2 - 汚水用スプレ−ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばごみ汚水等の懸濁物を含有する汚水
を噴霧するスプレーノズルに関するものである。

例えば最近のごみ処理プラントでは、ごみ汚水をごみ焼
却炉の高温の排ガス中に噴霧して、液分の蒸発処理と高
温脱臭処理を行っている。

この噴霧にはスプレーノズルが使用され、その噴出孔径
は、一般に約２ｍｍ以下であり、これに対してごみ汚水
には、大きさ２ｍｍ″！程度に破砕された固形物が懸濁
物として含有されているため、ノズル閉塞を生じること
がある。

一方、上記スプレーノズルには１流体方式と２流体方式
があり、前者は噴出孔をもったノズルヘッドに、加圧さ
れた懸濁物を含有する汚水（以下単に汚水という）を供
給して圧出噴霧する方式からなるが、前記のノズル閉塞
を回避するために噴出孔径を大きくすると、ノズル閉塞
は生じないが、噴霧粒径が大きくなって前記噴霧粒子の
到達距離が長くなる等噴霧効率の低下をきたしてしまう
。

また後者は圧力空気を利用して汚水を噴出する方式であ
るが、圧力空気と汚水を混合する際の圧力バランスが適
正でないと脈動を生じ、安定した噴霧状態が得られなく
なるものの、噴霧粒径が１流方式におけるように大きく
はならない利点があり、脈動の発生さえなければ、一極
めて良好な汚水用スプレーノズルといえる。

そこで、この考案は、２流体、即ち汚水と圧力空気とを
ノズルヘッド内において充分混合し、かつ、混合室内に
おける圧力を汚水供給圧及び圧力空気供給圧よりも低く
すると脈動の発生が回避できるという観点に基きなされ
たもので、ノズルヘッド内に、２流体を予混合する予混
合室と、この予混合室から急激に容積が大きくなる混合
室とを設け、さらに混合室に入った混合２流体の直進噴
射を避けて、噴射孔を予混合室の軸芯から偏位した位置
に設けることにより脈動発生をなくした２流体方式の汚
水用スプレーノズルに特徴を有するものである。

つぎに、この考案を実施例により図面を参照しながら説
明する。

第１図には、この考案の一実施例が縦断面図で示され、
又、第２図には第１図Ｘ−Ｘ矢視断面図が示されている
。

図面において符号１で示されるノズルヘッドは、圧力空
気管２に螺着されるもので、圧力空気管２の口径を次第
に縮径するように傾斜したテーパ凹面３と、このテーパ
凹面の中心に開口する小径の直孔面４と、再び次第に拡
径するテーパ凹面５とからなる内面形状を有する。

一方、上記圧力空気管２の内部に同心配置した汚水管６
の目端には汚水噴出孔７を先端に形成した内部ノズル８
が螺着されている。

内部ノズル８は、基部の円周上４ケ所に突設した突起９
によって、前記ノズルヘッド１のテーパ凹面３内におけ
る同心配置姿勢が保たれている。

さらに汚水噴出７Ｌ７はテーパ凹面３側にあって直孔面
４からなる小径の孔の部分に先端が臨ませられ、その外
周面とテーパ凹面３によって環状の圧力空気噴出孔１０
が形成されている。

上記直孔面４からなる孔内は、汚水噴出孔７から噴射さ
れる汚水と、圧力空気噴出孔１０から噴射される圧力空
気とが混合される予混合室Ａとなり、テーパ凹面５と、
ノズルヘッド１の先端に螺着したキャップ１１とで囲ま
れる空間が混合室Ｂとなる。

キャップ１１には軸芯より偏位した位置に、所定の開度
で軸線方向を斜め外向きとした噴霧孔１２が数個穿設さ
れている。

上述の構成からなるこの考案のスプレーノズルにおいて
は、汚水噴出孔７から噴霧される汚水が、圧力空気噴出
孔１０から噴射される圧力空気に吸引されつつ予混合室
Ａで混合され、続いて混合室Ｂに入ると急激に膨張され
るので、その圧力を低下する。

しかし、予混合室Ａにおいて直進性を与えられた混合２
流体は、その進路上に噴射孔１２が存在しないことによ
り、キャップ１１に衝突して反転し、後続の混合２流体
と充分に混合され、順次噴射孔１２から外部に噴出され
て霧化する。

以上説明したように、この考案のスプレーノズルにおい
ては、まず予混合室Ａにおいて２流体が混合されるとと
もに直進成分のみに整流されるので、その後、圧力の低
下する混合室Ｂ内に入ったとき、キャップ１１に衝突し
て反転し、充分な混合状態となり、この状態が継続され
ながら混合室Ｂ内から噴射孔１２を経て噴出霧化される
ため、脈動は完全に防止される。

又、噴射孔１２の口径を、かなり大きくしても正常な霧
化をはかることができるので、ノズル詰りを生じること
がなく、さらに汚水流量の零から１００％までの全域に
おいてそれぞれ安定した噴霧状態を得ることができるな
ど、工業上有用な効果がもたらされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の汚水用スプレーノズルの一実施例を
示す縦断面図、第２図は第１図Ｘ−Ｘ矢視断面図である
。 図面において、１・・・・・・ノズルヘッド、２・・・
・・・圧力空気管、３・・・・・・テーパ凹面、４・・
・・・・直孔面、５・・・・・・テーパ凹面、６・・・
・・・汚水管、７・・・・・・汚水噴出孔、８・・・・
・・内部ノズル、９・・・・・・突起、１０・・・・・
・圧力空気噴出孔、１１・・・・・・キャップ、１２・
・・・・・噴射孔、Ａ・・・・・・予混合室、Ｂ・・・
・・・混合室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 圧力空気管と、 前記圧力空気管の先端に取付けられた、前記圧力空気管
   の口径を次第に縮径するように傾斜したテーパ凹面と、
   前記縮径するように傾斜したテーパ凹面の中心に開口す
   る小径の直孔面からなる予混合室と、前記予混合室に続
   いて次第に拡径するように傾斜したテーパ凹面と、前記
   拡径するように傾斜したテーパ凹面とその先端に取付け
   られたキャップとによって囲まれた混合室とからなるノ
   ズルヘッドと、 前記ノズルヘッドの先端に取付けられた前記キャップに
   、軸芯より偏位した位置に設けられた噴射孔と、 前記圧力空気管の内部に、前記圧力空気管と図芯に設け
   られた汚水管と、 前記汚水管の先端に設けられた、端部に前記汚水管と同
   一軸線上に汚水噴出孔が形成された内部ノズルとからな
   り、 前記内部ノズルは、前記汚水噴出孔が前記予混合室の元
   端に臨んで配置され、前記汚水噴出孔の外周面と、前記
   ノズルヘッドの次第に縮径するように傾斜したテーパ凹
   面との間に環状の圧力空気噴出孔が形成されていること
   を特徴とする汚水用スプレーノズル。