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JPH1199394A - 水中の有機物除去方法 - Google Patents

水中の有機物除去方法

Info

Publication number
JPH1199394A
JPH1199394A JP11670198A JP11670198A JPH1199394A JP H1199394 A JPH1199394 A JP H1199394A JP 11670198 A JP11670198 A JP 11670198A JP 11670198 A JP11670198 A JP 11670198A JP H1199394 A JPH1199394 A JP H1199394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
treated
organic substances
sulfur compound
ozone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11670198A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisaku Yano
大作 矢野
Takeshi Murakami
健 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
Priority to JP11670198A priority Critical patent/JPH1199394A/ja
Publication of JPH1199394A publication Critical patent/JPH1199394A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルオキシド基を含む硫黄化合物を利用した
水中の有機物除去方法であって、この化合物の使用量を
削減して、有機物除去処理のコスト低減、有機物除去の
ための反応容器の腐食抑制、並びに、副生成物である硫
酸イオンの処理工程の負荷低減及び該工程の設備の大型
化抑制を図る。 【解決手段】 被処理水に過酸化水素及び/又はオゾン
を添加して有機物を分解除去する第1工程と、第1工程
の処理水にペルオキシド基を含む硫黄化合物を添加して
有機物を分解除去する第2工程とを行う。例えば、過酸
化水素及び/又はオゾン添加手段2より過酸化水素及び
/又はオゾンを被処理水に添加し、第1反応装置4にて
反応を行わせる(第1工程)。次いで、硫黄化合物添加
手段6よりペルオキシド基を含む硫黄化合物を第1工程
の処理水に添加し、第2反応装置8にて反応を行わせる
(第2工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水中に含ま
れる有機物を分解除去する方法に関する。本発明の有機
物除去方法は、例えば、半導体製造工場、液晶製造工
場、原子力発電所、医薬品製造工場等で用いられる純水
の製造工程、あるいは、工場廃水、し尿廃水、ゴミ処理
場からの浸出水等の廃水の処理に好適に使用される。な
お、本明細書においては、一般には必ずしも明確に定義
分けされていない純水、超純水等の語で説明される高純
度な水を総称して「純水」という。
【0002】
【従来の技術】半導体製造用水として用いられる純水
は、年々その使用量が増大していると同時に、LSI集
積度の増加に伴ってさらなる水質の向上が要求されてい
る。純水の製造に当たっては、原水中に含まれる無機物
及び有機物の除去処理が行われるが、なかでも有機物の
除去は純水の水質を向上させる上で、極めて重要な処理
である。
【0003】水中に含まれる有機物の除去は、種々の単
位操作を組み合わせて行うのが一般的である。例えば、
凝集沈殿、活性炭による吸着、イオン交換、逆浸透膜や
限外濾過膜を用いた分離等の処理が行われ、これらの処
理によって大部分の有機物を除去した後、さらに残存す
る有機物を分解して除去することが行われている。ま
た、純水を半導体製造時の洗浄用水として使用した後の
洗浄排水を回収し、溶存する有機物を分解して除去した
後、再利用することが行われている。
【0004】また、工場廃水、し尿廃水、ゴミ処理場か
らの浸出水等の廃水の処理工程においても、有機物を分
解して除去することが行われている。これら廃水は、有
害物質、汚染物質等の除去処理をしたのち環境中へ排出
することが求められており、その内の有機物の処理方法
としては、従来より、オゾン酸化法、紫外線酸化法、生
物処理法等が用いられている。
【0005】水中の有機物分解法としては、従来、オゾ
ン酸化法、紫外線酸化法、触媒湿式酸化法、生物処理法
が主として用いられている。オゾン酸化法は、被処理水
にオゾンを溶解し、オゾンの酸化力により有機物を酸化
分解して除去するものである。しかしながら、この方法
には分解が困難な有機物が存在し、したがってオゾン酸
化法では有機物を著しく低減せしめることは難しい。
【0006】紫外線酸化法は、紫外線光源より特定波長
の紫外線を被処理水に照射し、被処理水中に含まれる有
機物を酸化分解して除去するものである。また近年は、
有機物の酸化分解効率をさらに高めるために、予め被処
理水に過酸化水素又はオゾンを添加した後、この被処理
水に紫外線を照射する方法も行われている。この方法で
は、紫外線を吸収した過酸化水素又はオゾンがヒドロキ
シラジカル等の反応活性の高い化学種を生成し、これら
化学種が被処理水に含まれる有機物と反応することで、
有機物を酸化分解して除去する。
【0007】しかし、上述した過酸化水素又はオゾンを
添加した被処理水に紫外線を照射する方法には、オゾン
酸化法と同様に分解が困難な有機物が存在し、したがっ
てこの方法でも有機物を著しく低減せしめることは難し
い。例えば、半導体現像工程において剥離剤として用い
られるテトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、被処
理水に過酸化水素又はオゾンを添加した後に紫外線を照
射してもほとんど分解されないことが知られている。
【0008】なお、オゾン酸化法、紫外線酸化法で分解
が困難な有機物としては、上記テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシドの他に、例えば、エステル類として酢酸
ブチル等、アミノ酸としてグリシン等、窒素化合物とし
てエチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、モノエタノールアミン、メラニン、
ヘキサメチレンテトラミン、モノエチルアニリン、ジエ
チルアニリン、アクリロニトリル、ホルムアミド、ニト
ロベンゼン等、硫黄化合物としてジメチルスルホキシド
等、ケトン類としてメチルイソブチルケトン等、エーテ
ル類としてエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキ
サン等、アルコール類として第三ブチルアルコール、ジ
エチレングリコール等、フェノール類としてピロガロー
ル等、芳香族炭化水素としてベンゼン、トルエン、キシ
レン、ナフタレン等、置換芳香族炭化水素としてα−メ
チルナフタレン等、ハロゲン化炭化水素としてトリクロ
ロエチレン、エチレンジクロライド、クロロホルム、四
塩化炭素、モノクロロベンゼン、ポリ塩化ビフェニル、
ダイオキシン類等や、その他これらに類似する有機物が
挙げられる。
【0009】触媒湿式酸化法は、二酸化マンガン等の触
媒粒子を充填した充填塔に有機物を含む被処理水を通水
し、高圧高温下において有機物を酸化分解して除去する
ものである。しかし、この方法は、高圧高温下での処理
が必要となるため、処理コストが増大する。また、安全
面においても特別な配慮が必要となり、処理コストをさ
らに増大させることになる。
【0010】生物処理法は、活性汚泥等を構成する生物
により被処理水中の有機物を分解して除去するものであ
る。生物処理法は処理コストは極めて低いが、分解対象
となる有機物は生分解性を有するものに限られるため、
この方法でもやはり有機物を著しく低減せしめることは
難しい。
【0011】そこで、より強力かつ安全な有機物分解法
として、ペルオキシド基を含む硫黄化合物の酸化力を用
いた方法が提案されている。例えば、ドイツ民主共和国
特許明細書第149799号は、ペルオキシ二硫酸塩を
用いた純水の製造方法を開示している。この方法では、
被処理水にペルオキシ二硫酸塩及び触媒を添加し、70
〜80℃に加熱することで有機物を酸化分解せしめ、さ
らに蒸留処理を施すことにより純水を得ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ペルオキシド基を含む
硫黄化合物は非常に強力な酸化力を有することから、該
化合物を用いた前記のごとき有機物除去方法は、有機物
の種類に依らず効果的に有機物を酸化分解して除去する
ことができるという長所がある反面、ペルオキシド基を
含む硫黄化合物を大量に必要とするという短所を有す
る。
【0013】例えば、有機物がイソプロピルアルコー
ル、ペルオキシド基を含む硫黄化合物がペルオキシ二硫
酸イオンである場合を例に説明すると、このときの有機
物の酸化分解反応は、次式(1)のように表される。 C37OH+9S28 2-+5H2O→3CO2+18SO4 2-+18H+ …(1)
【0014】式(1)から明らかなように、1モルのイ
ソプロピルアルコールを酸化分解するのに、ペルオキシ
二硫酸イオンは9モル必要となる。このように、ペルオ
キシド基を含む硫黄化合物を用い有機物を酸化分解して
除去する方法は、該化合物を大量に必要とすることか
ら、次のような問題を有していた。
【0015】第1は、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
を大量に使用するために、ペルオキシド基を含む硫黄化
合物の薬品代が嵩み、処理コストが高くなることであ
る。
【0016】第2は、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
は非常に強力な酸化力を有するため、該化合物を大量に
使用した場合、有機物の除去を行う反応容器が腐食し易
くなることである。例えば、この方法においては、反応
容器として通常ステンレススチール製のものを使用する
が、ステンレススチール304製の反応容器では、ペル
オキシド基を含む硫黄化合物を大量に使用した場合、容
易に腐食してしまう。
【0017】第3は、高純度の水を得るためには、有機
物除去工程の後段で脱イオン処理工程を行うことによ
り、副生成物である硫酸イオンを除去する必要がある
が、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を大量に使用した
場合には硫酸イオンの副生成量が多くなり、脱イオン処
理工程の負荷が大きくなるとともに、脱イオン処理工程
の設備が大型になることである。例えば、有機物がイソ
プロピルアルコール、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
がペルオキシ二硫酸イオンである場合を例に説明する
と、式(1)から明らかなように、1モルのイソプロピ
ルアルコールを酸化分解した場合には、18モルの硫酸
イオンが副生成物として生成する。この硫酸イオンは、
蒸留処理、イオン交換処理、逆浸透膜処理等の通常の脱
イオン処理により分離除去することが可能であるが、硫
酸イオンの副生成量が増大するほど、その脱イオン処理
設備に加わる負荷は増大し、かつ、その脱イオン処理設
備の装置規模は大きくなる。
【0018】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を利用した水中の
有機物除去方法であって、該化合物の使用量を削減し、
これにより有機物除去処理のコスト低減、有機物除去の
ための反応容器の腐食抑制、並びに、副生成物である硫
酸イオンの処理工程の負荷低減及び該工程の設備の大型
化抑制を図った有機物除去方法を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に述べ
た課題を解決するために種々検討を行った結果、被処理
水に含まれる有機物を分解して除去するに当たり、まず
被処理水に過酸化水素及び/又はオゾンを添加して有機
物を分解除去する第1の有機物処理工程を実施し、次い
で第1の有機物処理工程の処理水にペルオキシド基を含
む硫黄化合物を添加して有機物を分解除去する第2の有
機物処理工程を実施することにより、ペルオキシド基を
含む硫黄化合物の使用量を削減して前述した第1〜第3
の問題を解消することができることを知見し、本発明を
なすに至った。
【0020】すなわち、過酸化水素及び/又はオゾンを
用いた有機物除去方法には分解が困難な有機物が存在す
るが、まず第1の有機物処理工程で過酸化水素及び/又
はオゾンで除去できる有機物を被処理水中から除去し、
その後に残存している過酸化水素及び/又はオゾンでは
除去できない有機物を第2の有機物処理工程でペルオキ
シド基を含む硫黄化合物を用いて除去することにより、
従来の有機物除去方法では除去が困難であった有機物を
除去することが可能になるとともに、ペルオキシド基を
含む硫黄化合物を用いて除去する有機物の量が少なくな
るため、該化合物の使用量を削減でき、その結果有機物
除去コストを低減せしめることができることを見出した
ものである。
【0021】したがって、本発明は、被処理水中に含ま
れる有機物を分解して除去するに当たり、被処理水に過
酸化水素及び/又はオゾンを添加して有機物を分解除去
する第1工程と、第1工程の処理水にペルオキシド基を
含む硫黄化合物を添加して有機物を分解除去する第2工
程とを行うことを特徴とする水中の有機物除去方法を提
供する。
【0022】また、本発明者らは、後述するように、前
述した基本的な構成にさらに下記構成〜を付加する
ことにより、本発明の目的をより効果的に達成できるこ
とを見出した。 第2工程の処理水に脱イオン処理を施す第3工程をさ
らに行うこと。 第1工程において、過酸化水素及び/又はオゾンを添
加した被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去す
ること。 第1工程において、被処理水を加熱した状態で有機物
を分解除去すること。 第2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
を添加した第1工程の処理水に紫外線を照射して有機物
を分解除去すること。 第2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
を添加した第1工程の処理水を加熱した状態で該処理水
に紫外線を照射して有機物を分解除去すること。 第2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
を添加した第1工程の処理水を70℃以上に加熱して有
機物を分解除去すること。 第1工程の処理水中に含まれる被酸化性無機物を除去
又は分解した後に第2工程を行うこと。
【0023】以下に本発明を詳細に説明する。本発明を
行う工程図の一例を図1に示す。図1において、2は被
処理水に過酸化水素及び/又はオゾンを添加する過酸化
水素及び/又はオゾン添加手段、4は第1反応装置、6
は第1反応装置4の処理水にペルオキシド基を含む硫黄
化合物を添加する硫黄化合物添加手段、8は第2反応装
置を示す。この工程図に示されているように、まず、過
酸化水素及び/又はオゾン添加手段2より適当量の過酸
化水素及び/又はオゾンを被処理水に添加し、第1反応
装置4にて反応を行わせ、有機物を酸化分解して除去す
る(第1工程)。次いで、硫黄化合物添加手段6より適
当量のペルオキシド基を含む硫黄化合物を第1工程の処
理水に添加し、第2反応装置8にて反応を行わせ、有機
物を酸化分解して除去する(第2工程)。なお、特に図
示しないが、過酸化水素及び/又はオゾン添加手段2よ
り適当量の過酸化水素及び/又はオゾンを第1反応装置
4内の被処理水に直接添加してもよく、硫黄化合物添加
手段6より適当量のペルオキシド基を含む硫黄化合物を
第2反応装置8内の被処理水に直接添加してもよい。ま
た、必要に応じ、第1工程と第2工程との間において他
の工程を行ってもよい。
【0024】以上の説明からわかるように、本発明で
は、まず、被処理水に過酸化水素及び/又はオゾンを添
加して有機物を分解除去する第1工程を行い、これによ
り被処理水中に含まれる比較的酸化され易い有機物の分
解を行う。
【0025】第1工程においては、反応容器内に酸化反
応を促進せしめる触媒を配置し、被処理水を該触媒に接
触させながら酸化分解反応を行わせてもよい。該触媒と
しては、白金系、パラジウム系、マンガン系等の酸化反
応を促進せしめる効果を持つ公知の触媒を用いることが
できる。また、PPM誌1984年6月号54ページに
紹介されている、過酸化水素に触媒としてニッケル酸化
物を使用して有機物を酸化分解する方法を使用すること
もできる。
【0026】また、第1工程においては、例えば特開平
10−85770に記述されているように、被処理水を
アルカリ性とした後にオゾンを溶解せしめて有機物を酸
化分解する方法を採用することができる。
【0027】さらに、第1工程においては、過酸化水素
とオゾンとを併用してもよく、例えば、水処理技術誌V
ol.33、No.6、273ページ(1992年)に
記述されている、オゾンと過酸化水素とを共存させて有
機物を酸化分解する方法を採用することができる。
【0028】本発明では、次に、第1工程の処理水にペ
ルオキシド基を含む硫黄化合物を添加して第1工程の処
理水中に残留する有機物を分解除去する第2工程を行
う。ここでペルオキシド基を含む硫黄化合物とは、分子
構造中にペルオキシド基[−O−O−]を含む硫黄化合
物のことであり、かかる硫黄化合物としては、例えば、
ペルオキシ二硫酸イオンS28 2-を含む塩又は酸や、ペ
ルオキシ硫酸イオンSO 5 -を含む塩又は酸などを挙げる
ことができる。本発明で好適に使用できるペルオキシド
基を含む硫黄化合物として、より具体的には、入手の容
易さ及び取り扱いの容易さから、ペルオキシ二硫酸ナト
リウム塩Na228、ペルオキシ二硫酸アンモニウム
塩(NH4228、ペルオキシ二硫酸カリウム塩K2
28等を挙げることができる。また、ペルオキシ硫酸
イオンを含む複塩であるオキソン(Oxone・デュポ
ン社商品名)なども好ましい。
【0029】第2工程においては、第1工程と同様に、
反応容器内に酸化反応を促進せしめる触媒を配置し、被
処理水を該触媒に接触させながら酸化分解反応を行わせ
てもよい。該触媒としては、白金系、パラジウム系、マ
ンガン系等の酸化反応を促進せしめる効果を持つ公知の
触媒を用いることができる。
【0030】第1工程及び第2工程において有機物除去
反応を行わせる反応容器としては、押し出し流れを形成
させる円筒形反応容器、完全混合流れを形成させる槽型
反応容器といった公知の反応容器を用いることができ
る。また、反応容器内の濃度分布を均一にするために、
該反応容器に撹拌装置を装備するのも好ましい。撹拌装
置としては、公知の装置を用いることができ、例えば、
反応容器底部に備えた散気板より空気泡を生成させ撹拌
する装置、反応容器の内部あるいは外部に流体循環ポン
プを設置し撹拌する装置等を使用できる。
【0031】而して図1の工程のごとく、第1工程及び
第2工程をこの順に行った場合には、被処理水中に含ま
れる有機物を著しく低減せしめることができる。また、
第1工程で過酸化水素及び/又はオゾンで除去できる有
機物を被処理水中から予め除去するため、第2工程でペ
ルオキシド基を含む硫黄化合物を用いて除去する有機物
の量が少なくなり、第2工程におけるペルオキシド基を
含む硫黄化合物の使用量が少なくなるので、第2工程の
反応容器が腐食することを効果的に防止することができ
る。
【0032】さらに、本発明では、第1工程で過酸化水
素及び/又はオゾンを用いることにより、高純度の水を
得る場合に第2工程の後段で行う脱イオン処理工程(第
3工程)の負荷を低減させることができる。すなわち、
被処理水に過酸化水素及び/又はオゾンを添加すること
により有機物を酸化分解する方法では、過酸化水素及び
/又はオゾンより生成される高い反応性を持った活性ラ
ジカルである水酸基ラジカルが有機物を酸化分解して除
去するものであり、この方法は酸素が副生成されるがイ
オン状物質を副生成させるものではないため、第2工程
の後段の脱イオン処理工程に余分な負荷を与えることが
ない。
【0033】
【発明の実施の形態】前記〜の構成を付加した本発
明の有機物除去方法について説明する。まず、の点に
ついて述べる。本発明者らは、ペルオキシド基を含む硫
黄化合物を用いた有機物除去方法では副生成物として硫
酸イオンが生じるが、高純度の水を得るためには、第2
工程の処理水に脱イオン処理を施す第3工程をさらに行
って上記硫酸イオンを除去すればよいことに想到した。
【0034】第2工程の反応の副生成物として生じる硫
酸イオンは、通常、第3工程を行うことにより除去され
る。第3工程で用いる脱イオン処理の種類に限定はない
が、例えば、イオン交換樹脂によるイオン交換処理、逆
浸透膜を用いた脱イオン処理等が挙げられる。
【0035】ただし、本発明では第1工程でイオン状物
質を副生成させない過酸化水素及び/又はオゾンを用
い、かつ、第2工程でのペルオキシド基を含む硫黄化合
物の使用量を削減し、第2工程における硫酸イオンの副
生成量を低減させている。したがって、本発明によれ
ば、第3工程の負荷の低減、及び、第3工程の設備の小
型化を図ることができる。
【0036】の構成を付加した本発明を行う工程図の
一例を図2に示す。図2において、10は被処理水に過
酸化水素を添加する過酸化水素添加手段、4は第1反応
装置、6は硫黄化合物添加手段、8は第2反応装置、1
2は脱イオン処理装置を示す。この工程図に示されてい
るように、まず、過酸化水素添加手段10より適当量の
過酸化水素を被処理水に添加し、第1反応装置4にて反
応を行わせ、有機物を酸化分解して除去する(第1工
程)。次いで、硫黄化合物添加手段6より適当量のペル
オキシド基を含む硫黄化合物を第1工程の処理水に添加
し、第2反応装置8にて反応を行わせ、有機物を酸化分
解して除去する(第2工程)。さらに、第2工程の処理
水を脱イオン処理装置12に通水することにより(第3
工程)、有機物濃度及び硫酸イオン等のイオン濃度を著
しく低減せしめた純水を得ることができる。
【0037】第1工程でオゾンを用いる場合の工程図の
一例を図3に示す。図3において、14は被処理水にオ
ゾンを添加するオゾン溶解装置、16はオゾン溶解装置
14にオゾンを供給するオゾン発生装置、4は第1反応
装置、6は硫黄化合物添加手段、8は第2反応装置、1
2は脱イオン処理装置を示す。この工程図に示されてい
るように、まず、オゾン発生装置16で発生させたオゾ
ンをオゾン溶解装置14にて被処理水に溶解し、第1反
応装置4にて反応を行わせ、有機物を酸化分解して除去
する(第1工程)。その後、図2に示した例と同様に第
2工程及び第3工程を行うことにより、有機物濃度及び
硫酸イオン等のイオン濃度を著しく低減せしめた純水を
得ることができる。
【0038】の点について述べる。本発明者らは、第
1工程において、過酸化水素及び/又はオゾンを添加し
た被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去するこ
とにより、第1工程における有機物の除去効率を向上さ
せ、有機物を著しく低減せしめることができることに想
到した。
【0039】過酸化水素及び/又はオゾンを添加した被
処理水に紫外線を照射して有機物を酸化分解する方法
は、紫外線を吸収した過酸化水素及び/又はオゾンがヒ
ドロキシラジカル等の反応活性の高い化学種を生成し、
これら化学種が被処理水中に含まれる有機物と反応する
ことで、有機物を酸化分解し除去するものである。この
方法は、添加する物質が過酸化水素及び/又はオゾンで
あり、何ら塩類負荷を増大させるものではないこと、及
び、有機物の除去効率を向上せしめることが可能である
ことから、本発明においては特に有効に用いることがで
きる。
【0040】の構成を付加した本発明を行う一例とし
ては、図1〜図3に示したシステムにおいて、第1反応
装置4の反応容器の中に紫外線を照射する光源を設置す
る方法が挙げられる。紫外線を照射する光源としては、
高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ハ
ロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、インジュームランプ、タリウムランプ、紫外線発光
レーザーといった公知のものを用いることができるが、
有機物を効率的に分解することができる点で高圧、中
圧、低圧の水銀ランプを特に好適に使用することができ
る。
【0041】また、の構成を付加した本発明において
は、前述した触媒に代えて、あるいは前述した触媒と共
に、第1工程の反応容器内に二酸化チタン、酸化タング
ステン等の紫外線を照射することで酸化反応を促進する
光触媒を配置することができる。
【0042】の点について述べる。本発明者らは、被
処理水に過酸化水素及び/又はオゾンを添加して有機物
を分解除去する第1工程を行うに当たり、被処理水を加
熱した状態で処理を行うことにより、第2工程でのペル
オキシド基を含む硫黄化合物の使用量が削減でき、か
つ、第2工程における硫酸イオンの副生成量を低減でき
ることに想到した。
【0043】の構成を付加した本発明では、被処理水
の水温が高いほど有機物の酸化分解速度が増大する傾向
を示し、したがって被処理水の水温は高ければ高いほど
有機物の除去効率は向上する。ただし、好ましいのは、
被処理水の水温を40℃以上100℃未満とすることで
ある。被処理水の水温が100℃に達すると沸騰が起き
て取り扱いが面倒となり、40℃未満では加熱による有
機物の除去効率の向上が加熱に要するコストに見合わな
い。より好ましい被処理水の水温は、40℃以上70℃
以下である。70℃を越えると加熱コストが高くなり、
経済的に得策でない。
【0044】の点について述べる。本発明者らは、第
2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を添
加した第1工程の処理水に紫外線を照射して有機物を分
解除去することにより、第2工程における有機物の除去
効率を向上させ、有機物を著しく低減せしめることがで
きることに想到した。
【0045】ペルオキシド基を含む硫黄化合物は、紫外
線を照射することで遊離ラジカルを生じる。例えば、ペ
ルオキシ二硫酸イオンに紫外線を照射することで遊離ラ
ジカルを生成する反応は次式(2)の通りである。 S28 2-→2SO4- …(2)
【0046】この遊離ラジカルSO4-は非常に強い酸
化力を有しており、次式(3)に示される反応に従い有
機物を酸化せしめ、最終的に有機物を完全に酸化分解に
至らしめることが可能である。なお、式(3)における
-は有機物より奪う電子である。反応の副生成物とし
て生じる硫酸イオンは、通常、前記第3工程を行うこと
により除去される。 SO4-+e-→SO4 2- …(3)
【0047】の構成を付加した本発明を行う一例とし
ては、図1〜図3に示したシステムにおいて、第2反応
装置8の反応容器の中に紫外線を照射する光源を設置す
る方法が挙げられる。紫外線を照射する光源としては、
前述したように種々のものがある。しかし、本発明者ら
の知見によれば、ペルオキシド基を含む硫黄化合物は波
長300nm以下の紫外線のみを吸収し、この吸収した
紫外線のエネルギーを使い遊離ラジカルを生成する。し
たがって、主たる発光波長が254nmである低圧水銀
ランプを光源として用いた場合、大部分の光エネルギー
がペルオキシド基を含む硫黄化合物に吸収されるため、
効率よく遊離ラジカルを生成せしめることができ、紫外
線照射のために必要な電力コストを著しく低減せしめる
ことが可能である。よって、の構成を付加した本発明
において、第2工程で用いる紫外線を照射する光源とし
ては、低圧水銀ランプが特に好ましい。
【0048】の構成を付加した本発明における前記式
(2)及び(3)の反応は、被処理水のpHに依らず進
行するが、反応容器の腐食を防ぐため、反応容器内の被
処理水のpHは2〜12とすることが好ましい。また、
必要に応じ、被処理水のpHを調整するために、被処理
水に酸又はアルカリ溶液を添加するpH調整剤注入装置
を設けてもよい。
【0049】また、の構成を付加した本発明において
は、前述した触媒に代えて、あるいは前述した触媒と共
に、第2工程の反応容器内に二酸化チタン、酸化タング
ステン等の紫外線を照射することで酸化反応を促進する
光触媒を配置することができる。
【0050】の点について述べる。本発明者らは、第
2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を添
加した第1工程の処理水に紫外線を照射して有機物を分
解除去するに当たり、第1工程の処理水を加熱した状態
で処理を行うことにより、第2工程における有機物の除
去効率を向上させ、有機物を著しく低減せしめることが
できることに想到した。
【0051】の構成を付加した本発明では、ペルオキ
シド基を含む硫黄化合物を添加した第1工程の処理水の
水温が高いほど有機物の酸化分解速度が増大する傾向を
示し、したがって第1工程の処理水の水温は高ければ高
いほど有機物の除去効率は向上する。ただし、好ましい
のは、第1工程の処理水の水温を40℃以上100℃未
満とすることである。上記処理水の水温が100℃に達
すると沸騰が起きて取り扱いが面倒となり、40℃未満
では加熱による有機物の除去効率の向上が加熱に要する
コストに見合わない。より好ましい第1工程の処理水の
水温は、40℃以上70℃以下である。70℃を越える
と加熱コストが高くなる割には有機物の除去効率はそれ
程大きく向上しないので、経済的に得策でない。
【0052】また、の構成を付加した本発明は、の
構成を付加した発明と共に用いることが好ましい。及
びの構成を付加した本発明を行う工程図の一例を図4
に示す。図4において、18は熱交換器、20は補助加
熱装置、10は過酸化水素添加手段、4は第1反応装
置、6は硫黄化合物添加手段、8は第2反応装置、12
は脱イオン処理装置を示す。熱交換器18では被処理水
と第2工程の処理水との熱交換を行い、補助加熱装置2
0では熱交換器18を流出した被処理水の加熱を行う。
第2反応装置8の反応容器の中には紫外線を照射する光
源を設置してある。また、第1反応装置4の反応容器の
中に紫外線を照射する光源を設置しても構わない。さら
に、特に図示しないが、過酸化水素添加手段10は、補
助加熱装置20又は熱交換器18の前に設けても構わな
い。
【0053】この工程図に示されているように、まず、
被処理水を熱交換器18に通し、加熱状態にある第2工
程の処理水から熱エネルギーを回収して被処理水を加熱
せしめる。さらに、補助加熱装置20により被処理水を
所定の温度まで加熱した後、過酸化水素添加手段10及
び第1反応装置4によって第1工程を行い、さらに硫黄
化合物添加手段6及び第2反応装置8によって第2工程
を行う。次いで、第2工程の処理水を熱交換器18に通
して被処理水に熱エネルギーを供給すると共に第2工程
の処理水の温度を低下させる。そして、第2工程の処理
水を脱イオン処理装置12に通水することにより、有機
物濃度及び硫酸イオン等のイオン濃度を著しく低減せし
めた純水を得ることができる。
【0054】ここで、補助加熱装置20の加熱手段とし
ては、電気熱ヒーターを用いる手段、蒸気加熱を用いる
手段等の公知の手段を適用できる。また、特に図示しな
いが、補助加熱装置20は第1反応装置4内に設置して
も構わない。また、必要に応じて第1工程の処理水をさ
らに加熱するための補助加熱装置を、第1反応装置4か
ら第2反応装置8に至る経路の任意の場所に設置するこ
ともできる。
【0055】の点について述べる。本発明者らは、第
2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を添
加した第1工程の処理水を70℃以上に加熱して有機物
を分解除去することにより、第2工程における有機物の
除去効率を向上させ、有機物を著しく低減せしめること
ができることに想到した。
【0056】ペルオキシド基を含む硫黄化合物は、70
℃以上に加熱することで遊離ラジカルを生じる。その反
応は前記式(2)と同様である。この遊離ラジカルSO
4-は非常に強い酸化力を有しており、前記式(3)に
示される反応に従い有機物を酸化せしめ、最終的に有機
物を完全に酸化分解に至らしめることが可能である。
【0057】ペルオキシド基を含む硫黄化合物からの遊
離ラジカルの発生量は、水温が高いほど増大する傾向を
示す。したがって水温は高ければ高いほど有機物の除去
効率は向上する。
【0058】なお、該の構成は、第2工程において紫
外線照射を行わず、ペルオキシド基を含む硫黄化合物の
添加のみで有機物の分解を行う場合に特に効果的であ
る。第2工程において紫外線照射を行う前記の構成を
採用した場合は、ペルオキシド基を含む硫黄化合物と紫
外線との相乗効果によって強力な酸化力が得られるの
で、加熱温度は前述の如く70℃以下で十分である。
【0059】の構成を付加した本発明を行う工程図の
一例を図5に示す。図5において、10は過酸化水素添
加手段、4は第1反応装置、18は熱交換器、20は補
助加熱装置、6は硫黄化合物添加手段、8は第2反応装
置を示す。熱交換器18では第1工程の処理水と第2工
程の処理水との熱交換を行い、補助加熱装置20では熱
交換器18を流出した第1工程の処理水の加熱を行う。
また、特に図示しないが、硫黄化合物添加手段6は、補
助加熱装置20又は熱交換器18の前に設けても構わな
い。
【0060】この工程図に示されているように、まず、
過酸化水素添加手段10及び第1反応装置4によって第
1工程を行う。次いで、第1工程の処理水を熱交換器1
8に通し、加熱状態にある第2工程の処理水から熱エネ
ルギーを回収して第1工程の処理水を加熱せしめる。次
いで、この第1工程の処理水を補助加熱装置20により
所定の温度まで加熱した後、硫黄化合物添加手段6及び
第2反応装置8によって第2工程を行い、第2工程の処
理水を熱交換器18に通して第1工程の処理水に熱エネ
ルギーを供給すると共に第2工程の処理水の温度を低下
させる。
【0061】ここで、補助加熱装置22の加熱手段とし
ては、前記と同様に、電気加熱ヒーターを用いる手段、
蒸気加熱を用いる手段等の公知の手段を適用できる。ま
た、特に図示しないが、補助加熱装置22は第2反応装
置8内に設置しても構わない。
【0062】の構成を付加した本発明における前記式
(2)及び(3)の反応は、被処理水のpHに依らず進
行するが、反応容器の腐食を防ぐため、反応容器内の被
処理水のpHは2〜12とすることが好ましい。また、
必要に応じ、被処理水のpHを調整するために、被処理
水に酸又はアルカリ溶液を添加するpH調整剤注入装置
を設けてもよい。
【0063】また、の構成を付加した本発明は、前述
したの構成を付加した発明と共に用いることが好まし
い。及びの構成を付加した本発明を行う工程図の一
例を図6に示す。図6において、18は熱交換器、10
は過酸化水素添加手段、4は第1反応装置、20は補助
加熱装置、6は硫黄化合物添加手段、8は第2反応装置
を示す。熱交換器18では被処理水と第2工程の処理水
との熱交換を行い、補助加熱装置20では第1工程の処
理水の加熱を行う。
【0064】この工程図に示されるように、被処理水を
熱交換器18に通し、加熱状態にある第2工程の処理水
から熱エネルギーを回収して被処理水を加熱せしめる。
次いで、過酸化水素添加手段10及び第1反応装置4に
よって第1工程を行う。この第1工程の処理水を補助加
熱装置20により所定の温度まで加熱した後、硫黄化合
物添加手段6及び第2反応装置8によって第2工程を行
い、第2工程の処理水を熱交換器18に通して被処理水
に熱エネルギーを供給すると共に第2工程の処理水の温
度を低下させる。
【0065】なお、図5、図6に示した実施形態例にお
いて、熱交換器18を通過して温度の低下した第2工程
の処理水をさらに脱イオン処理装置に通水して純水を得
るようにしてもよい。
【0066】の点について述べる。本発明者らは、第
1工程の処理水中に被酸化性無機物が含まれている場
合、含まれる被酸化性無機物を予め除去又は分解した後
に、第1工程の処理水にペルオキシド基を含む硫黄化合
物を添加することで、第2工程におけるペルオキシド基
を含む硫黄化合物の使用量をさらに低減できることを見
出した。
【0067】ここで、被酸化性無機物とは、ペルオキシ
ド基を含む硫黄化合物又は該化合物に紫外線を照射した
ときに生じる遊離ラジカルにより酸化され得る無機物の
ことをいう。被酸化性無機物が第1工程の処理水に含ま
れていた場合、ペルオキシド基を含む硫黄化合物は、第
1工程の処理水に含まれる有機物を酸化分解するのに必
要な量に加え、これら被酸化性無機物を酸化するために
消費される量が余分に必要となる。したがって、予め第
1工程の処理水から被酸化性無機物を除去した後に、ペ
ルオキシド基を含む硫黄化合物を添加することで、第2
工程でのペルオキシド基を含む硫黄化合物の使用量を低
減できるという効果が得られる。
【0068】被酸化性無機物としては、例えば、亜硫酸
イオン、次亜塩素酸イオン等のイオン状の化学種がある
が、これらは通常の脱イオン処理、例えばイオン交換樹
脂による吸着処理、あるいは逆浸透膜を用いた分離処理
などを適用して除去することができる。
【0069】また、過酸化水素、オゾン等もペルオキシ
ド基を含む硫黄化合物又は該化合物に紫外線を照射した
ときに生じる遊離ラジカルにより酸化され得る無機物で
あり、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を添加する前に
予め除去又は分解を行うことが好ましい。過酸化水素、
オゾン等の除去又は分解には公知の方法を用いることが
でき、例えば、活性炭等を用いた分解若しくは吸着処理
による除去方法や、触媒を用いた分解処理方法などを適
用することができる。また、オゾンの場合は、空気や窒
素ガスを用いた曝気処理によっても除去することができ
る。
【0070】本発明においては、第1工程で過酸化水素
及び/又はオゾン用いるため、第1工程の処理水中には
過酸化水素及び/又はオゾンが残留する可能性がある。
したがって、第1工程の処理水中に含まれるこれらの被
酸化性無機物を予め除去又は分解した後に、第1工程の
処理水にペルオキシド基を含む硫黄化合物を添加するこ
とは、第2工程でのペルオキシド基を含む硫黄化合物の
使用量を低減する点で特に有効である。
【0071】また、本発明者らは、第2工程と第3工程
との間において、第2工程の処理水中に存在するペルオ
キシド基を含む硫黄化合物の除去処理を行うことで、第
3工程に用いる脱イオン処理装置の酸化による劣化を著
しく低減せしめることを見出した。
【0072】第2工程では、添加したペルオキシド基を
含む硫黄化合物が全て消費されるとは限らず、該化合物
が第2工程の処理水中に残留する可能性がある。この残
留したペルオキシド基を含む硫黄化合物を、ペルオキシ
ド基を含む硫黄化合物の除去処理によって除去した後、
脱イオン処理装置に通水することで、ペルオキシド基を
含む硫黄化合物が脱イオン処理装置に悪影響を及ぼすこ
とを防止するという効果が得られる。
【0073】ペルオキシド基を含む硫黄化合物の除去処
理に用いる装置としては、例えば、適当な触媒を充填し
た触媒充填塔若しくは活性炭塔又はこれらを併用した装
置等を用いることができる。触媒充填塔に充填する触媒
としては、ペルオキシド基を含む硫黄化合物を分解する
ものであればいずれのものでも使用することができ、例
えば白金系、ゼオライト系、アルミナ系の触媒等を用い
ることができる。また、活性炭塔に充填する活性炭とし
ても、目的を達成できるものであればいずれのものでも
使用することができ、例えば、ヤシガラ系、石炭系の活
性炭等を用いることができる。さらに、ペルオキシド基
を含む硫黄化合物の除去処理に用いる装置としては、紫
外線照射によってペルオキシド基を含む硫黄化合物を分
解するものでもよい。
【0074】第1工程の処理水中に含まれる被酸化性無
機物を予め除去又は分解した後に、第1工程の処理水に
ペルオキシド基を含む硫黄化合物を添加する前記の構
成を付加するとともに、第2工程と第3工程との間にお
いて、第2工程の処理水中に存在するペルオキシド基を
含む硫黄化合物の除去処理を行うようにした工程図の一
例を図7に示す。
【0075】図7のシステムは、図2に示したシステム
において、第1反応装置4と硫黄化合物添加手段6設置
位置との間に、第1工程の処理水中に含まれる被酸化性
無機物を除去又は分解する被酸化性無機物処理装置22
を設けるとともに、第2反応装置8と脱イオン処理装置
12との間に、第2工程の処理水中に存在するペルオキ
シド基を含む硫黄化合物の除去処理を行う硫黄化合物除
去装置24を設けたものである。したがって、図7にお
いて、図2と同一の構成部分には同一の参照符号を付し
てその説明を省略する。
【0076】なお、図7では、前記の構成、及び、第
2工程と第3工程との間で第2工程の処理水中に存在す
るペルオキシド基を含む硫黄化合物の除去処理を行う構
成の2つを同時に採用した例を示したが、被酸化性無機
物処理装置22及び硫黄化合物除去装置24の一方を取
り外すことにより、前記2つの構成の内の一方のみを採
用した装置を作製してもよいことは言うまでもない。
【0077】本発明の有機物除去方法は、前述の如く、
各種廃水の処理や、半導体製造用水、液晶ディスプレイ
製造用水等の電子産業用超純水の製造、医薬品用水製
造、火力発電所や原子力発電所の復水の補給水製造等の
種々の分野において適用できるが、特に電子産業用超純
水の製造に好適に用いることができる。
【0078】超純水の製造工程は以下に述べるように幾
つかの工程に分かれており、本発明は有機物の酸化処理
を工程中に含むシステムに適用できる。すなわち、超純
水製造工程は、原水に含まれる不純物の大部分を除去す
る一次純水システムと、一次純水に含まれる少量の不純
物を完全に除去して理論純水に近い不純物濃度にまで水
質を向上した超純水を製造するサブシステムと、製造さ
れた超純水を半導体洗浄用水等として使用した後の洗浄
排水を回収して再利用するための排水回収システムとか
らなっている。
【0079】一次純水システムでは原水を、凝集濾過装
置、逆浸透膜装置、脱気装置、再生設備を備えたイオン
交換装置等に通し、原水に含まれる無機物及び有機物、
さらには微粒子等の大部分を除去する。サブシステムに
おいては、一次純水システムで得られた一次純水を紫外
線酸化装置、再生設備を有しないカートリッジタイプの
イオン交換装置、限外濾過装置等に通し、一次純水中の
無機物、有機物、微粒子等の濃度を極限まで低減せし
め、目的とする超純水を得る。また排水回収システムに
おいては、洗浄排水を活性炭濾過装置、紫外線酸化装
置、イオン交換装置に通し、排水中の無機物及び有機物
を除去する。
【0080】本発明は、上記サブシステム及び排水回収
システムにおいて実施される有機物の除去処理に適用す
ることが可能である。このように本発明を超純水製造に
適用した場合は、通常、一次純水システムにて処理され
た一次純水、該一次純水に排水回収システムにて処理さ
れた排水回収処理水を混合した水又は回収排水が、本発
明における被処理水として用いられることになるが、も
とよりこれらに限定されるものではない。
【0081】
【実施例】以下に実施例、比較例及び実験例を挙げて、
本発明を具体的に示す。実施例1 ガラス製の反応容器に、有機物としてイソプロピルアル
コールを含む原水(TOC(全有機体炭素)濃度6pp
m)を10リットル入れ、水酸化ナトリウムを用いて原
水のpHが11になるよう調整し、オゾン発生器で発生
させたオゾンを、散気球を用いて原水中に溶解させなが
ら、10分間反応を行わせた(第1工程)。反応時の水
温は24℃、溶解せしめたオゾン量は3gであった。第
1工程終了時の水中のTOC濃度を表1に示す。
【0082】次に、オゾンの溶解を中止し、窒素曝気を
5分間行って溶存オゾンを気相に逃がして除去した後、
ペルオキシド基を含む硫黄化合物としてペルオキシ二硫
酸ナトリウム150mgを水に溶解した。さらに、反応
容器内に低圧水銀ランプ(千代田工販株式会社製SGL
−500)1本を水中に位置するように設置し、紫外線
照射を15分間行った(第2工程)。第2工程終了時の
水中のTOC濃度を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】実施例2 ガラス製の反応容器に、有機物としてイソプロピルアル
コールを含む原水(TOC濃度6ppm)を10リット
ル入れ、これに過酸化水素を濃度20ppmとなるよう
に添加するとともに、オゾン発生器で発生させたオゾン
を散気球を用いて原水中に溶解させながら、30分間反
応を行わせた(第1工程)。反応時の水温は24℃、原
水中のオゾン濃度は平均約4ppmであった。第1工程
終了時の水中のTOC濃度を表2に示す。
【0085】次に、オゾンの溶解を中止し、窒素曝気を
5分間行って溶存オゾンを気相に逃がして除去した後、
ペルオキシド基を含む硫黄化合物としてペルオキシ二硫
酸ナトリウム72mgを水に溶解した。さらに、反応容
器内に低圧水銀ランプ(同前)1本を水中に位置するよ
うに設置し、紫外線照射を15分間行った(第2工
程)。第2工程終了時の水中のTOC濃度を表2に示
す。
【0086】
【表2】
【0087】実施例3 ガラス製の反応容器に、有機物としてジメチルスルホキ
シドをTOC濃度として10ppm含む原水を10リッ
トル入れ、これに過酸化水素を濃度が50ppmとなる
ように添加するとともに、オゾン発生器で発生させたオ
ゾンを散気球を用いて原水中に溶解させながら、30分
間反応を行わせた(第1工程)。反応時の水温は24
℃、原水中のオゾン濃度は平均約4ppmであった。第
1工程終了時の水中のTOC濃度を表3に示す。
【0088】次に、オゾンの溶解を中止し、窒素曝気を
5分間行って溶存オゾンを気相に逃がして除去した後、
ペルオキシド基を含む硫黄化合物としてペルオキシ二硫
酸ナトリウムを濃度が約500ppmとなるように水に
溶解した。さらに、反応容器内に低圧水銀ランプ(同
前)1本を水中に位置するように設置し、紫外線照射を
15分間行った(第2工程)。第2工程終了時の水中の
TOC濃度を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】実施例4 図8に示すシステムを用いて実験を行った。図8におい
て、26は被処理水にTOC源を添加するTOC源添加
手段、10は過酸化水素添加手段、4は第1反応装置、
22は被酸化性無機物処理装置、6は硫黄化合物添加手
段、8は第2反応装置、12は脱イオン処理装置を示
す。
【0091】第1反応装置4は反応容器として内容積5
0リットルのステンレススチール製タンク、第2反応装
置8は反応容器として内容積30リットルのステンレス
スチール製タンクを備えたものである。第1反応装置4
及び第2反応装置8においては、タンクの中央部に低圧
水銀ランプ(同前)2本を水中に位置するように設置
し、被処理水流入口をタンク下部、処理水流出口をタン
ク上部に設けた。
【0092】被酸化性無機物処理装置22としては、活
性炭カラムを用いた。脱イオン処理装置12としては、
H形の強酸性陽イオン交換樹脂及びOH形の強塩基性陰
イオン交換樹脂を容量で1対2の割合で充填したイオン
交換樹脂カラムを用いた。
【0093】TOC源としては、イソプロピルアルコー
ル及びテトラメチルアンモニウムハイドロキシドをTO
C濃度で1対1となるように溶解した溶液を用いた。ま
た、被処理水としては、純水を流量100リットル/時
間でライン28に連続的に流した。
【0094】下記の工程で実験を行った。 (a)ライン28に流れる被処理水に、TOC源添加手
段26から前記TOC源を、被処理水中のTOC濃度が
6ppmとなるように添加した。 (b)TOC源を添加した被処理水に、過酸化水素添加
手段10から過酸化水素を、その濃度が60ppmとな
るように添加した。さらに、第1反応装置4において、
被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去した(第
1工程)。第1反応装置4内における被処理水の水温は
24℃であった。 (c)被酸化性無機物処理装置22において、第1工程
の処理水中に残留する過酸化水素を除去した。 (d)第1工程の処理水に、硫黄化合物添加手段6より
ペルオキシ二硫酸ナトリウムを、その濃度が100pp
mとなるように添加した。さらに、第2反応装置8にお
いて、被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去し
た(第2工程)。 (e)脱イオン処理装置12において、第2工程の処理
水中に残留する硫酸イオンを除去し、純度の高い処理水
(純水)を得た(第3工程)。
【0095】第1反応装置4流出時の水中のTOC濃
度、第2反応装置8流出時の水中のTOC濃度及び硫酸
イオン濃度、並びに、脱イオン処理装置流出時の硫酸イ
オン濃度及び処理水比抵抗を測定した。結果を表4に示
す。
【0096】
【表4】
【0097】比較例1 実施例4で用いた装置から第1工程及び第3工程を実施
する装置、すなわち過酸化水素添加手段10、第1反応
装置4、被酸化性無機物処理装置22及び脱イオン処理
装置12を取り外し、第2工程のみで処理を行った。被
処理水の流量並びにTOC成分の組成及び濃度は実施例
4と同じとした。ペルオキシ二硫酸ナトリウムの添加量
を100ppm、200ppm又は300ppmとした
それぞれの場合について実験を行い、第2反応装置8流
出時の水中のTOC濃度及び硫酸イオン濃度を測定し
た。結果を表5に示す。表5より、TOC濃度を実施例
4と同程度まで低減せしめるには、ペルオキシ二硫酸ナ
トリウムを300ppm添加する必要があることは明ら
かである。
【0098】
【表5】
【0099】比較例2 実施例4で用いた装置から第2工程及び第3工程を実施
する装置、すなわち被酸化性無機物処理装置22、硫黄
化合物添加手段6、第2反応装置8及び脱イオン処理装
置12を取り外し、第1工程のみで処理を行った。被処
理水の流量並びにTOC成分の組成及び濃度は実施例4
と同じとした。過酸化水素の添加量を30ppm、60
ppm、100ppm、200ppm、300ppmと
したそれぞれの場合について実験を行い、第1反応装置
4流出時の水中のTOC濃度を測定した。結果を表6に
示す。
【0100】
【表6】
【0101】表6より、過酸化水素添加量が60ppm
以上では、過酸化水素添加量に依らずTOC濃度はほぼ
一定となる。したがって、有機物としてイソプロピルア
ルコールの他にテトラメチルアンモニウムハイドロキシ
ドを含む本実験で用いたTOC成分は、従来の方法、す
なわち過酸化水素を添加した被処理水に紫外線を照射す
るのみの方法では分解が困難であることは明らかであ
る。
【0102】実施例1〜4及び比較例1、2より、有機
物を著しく低減せしめるためには、実施例1〜4に示し
た本発明の方法又は比較例1に示したペルオキシ二硫酸
ナトリウムを用いる方法が好ましいことがわかる。ま
た、有機物を著しく低減せしめた純水を得るためには、
実施例4に示したように第2工程の後に第3工程を行う
ことが好ましいことが分かる。
【0103】しかし、比較例1に示した方法では、TO
C濃度を実施例1〜4と同程度まで低減せしめるには、
ペルオキシ二硫酸ナトリウムを多量に使用する必要があ
り(実施例4と比較例1との比較では本発明の3倍)、
ペルオキシ二硫酸ナトリウムの使用量が多くなる。
【0104】したがって、比較例1に示した方法は、有
機物の除去を行う反応容器が腐食し易くなる。ペルオキ
シド基を含む硫黄化合物の薬品代、及び、副生成物であ
る硫酸イオンの処理費が嵩み、処理コストが高くなる。
さらに、硫酸イオンの副生成量が多くなるため(実施例
4と比較例1との比較では本発明の3倍)、有機物と共
に硫酸イオン等の不純物イオンを著しく低減せしめた純
水を得る場合には、脱イオン処理工程の負荷が大きくな
るとともに、脱イオン処理工程の設備が大型になる。こ
れに対し、本発明の方法は、このような不都合が生じな
いことは明らかである。
【0105】実施例5 実施例4で用いた装置において、第1反応装置4内に電
熱ヒーターを設置するとともに、第3工程を実施する装
置、すなわち脱イオン処理装置12を取り外した装置を
作製し、該装置を用いて実験を行った。TOC源として
は、イソプロピルアルコール及びテトラメチルアンモニ
ウムハイドロキシドをTOC濃度で1対1となるように
溶解した溶液を用いた。また、被処理水としては、純水
を流量200リットル/時間でライン28に連続的に流
した。
【0106】下記の工程で実験を行った。 (a)ライン28に流れる被処理水に、TOC源添加手
段26から前記TOC源を、被処理水中のTOC濃度が
6ppmとなるように添加した。 (b)TOC源を添加した被処理水に、過酸化水素添加
手段10から過酸化水素を、その濃度が60ppmとな
るように添加した。さらに、第1反応装置4内における
被処理水の水温が25℃、45℃、60℃、70℃とな
るように、前記電熱ヒーターで被処理水を加熱するとと
もに、被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去し
た(第1工程)。 (c)被酸化性無機物処理装置22において、第1工程
の処理水中に残留する過酸化水素を除去した。 (d)第1工程の処理水に、硫黄化合物添加手段6より
ペルオキシ二硫酸ナトリウムを、その濃度が100pp
mとなるように添加した。さらに、第2反応装置8にお
いて、被処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去し
た(第2工程)。
【0107】第1反応装置4及び第2反応装置8内の水
温、並びに、第2反応装置8流出時の水中のTOC濃度
を測定した。結果を表7に示す。表7より、被処理水を
加熱した状態で有機物を分解除去することにより、TO
C濃度を効率良く低減せしめることができることは明ら
かである。
【0108】
【表7】
【0109】実験例1 加熱ヒーター及び攪拌機を備えたステンレススチール製
の水槽に、有機物としてイソプロピルアルコール(TO
C濃度6ppm)、及び、ペルオキシド基を含む硫黄化
合物としてペルオキシ二硫酸ナトリウムを360ppm
の濃度で含む原水を50リットル入れ、水温を45℃、
60℃、75℃にそれぞれ保ち、撹拌を行いながら60
分間反応を行わせた。撹拌終了後の処理水中のTOC濃
度を測定した。結果を表8に示す。なお、本実験例は本
発明の第2工程に相当するものである。
【0110】
【表8】
【0111】表8より、本発明の第2工程においては、
被処理水の水温が高いほど有機物の分解効率は向上する
が、特に被処理水を70℃以上に加熱することで、有機
物の分解が速やかに進行することがわかった。したがっ
て、第2工程において、ペルオキシド基を含む硫黄化合
物を添加した第1工程の処理水を70℃以上に加熱する
ことにより、第2工程における有機物の除去効率を向上
させ、TOC濃度を著しく低減せしめることができるこ
とは明らかである。
【0112】実験例2 実施例4で用いた装置から被酸化性無機物処理装置22
及び脱イオン処理装置12を取り外し、前記工程(c)
及び(e)を行わないこと以外は、実施例4と同様にし
て実験を行った。この場合、工程(b)の処理水中に
は、20ppmの過酸化水素が残留していた。この過酸
化水素濃度は、過マンガン酸カリウムによる滴定法で測
定した。第1反応装置4流出時及び第2反応装置8流出
時の水中のTOC濃度を測定した。結果を表9に示す。
【0113】
【表9】
【0114】表9より、第1工程の処理水中に過酸化水
素が含まれていると、ペルオキシド基を含む硫黄化合物
は過酸化水素を酸化するためにも消費されるので、第2
工程における有機物の除去効率が低下することが分か
る。したがって、第1工程の処理水中に含まれる被酸化
性無機物を除去又は分解した後に第2工程を行うこと
は、第2工程でのペルオキシド基を含む硫黄化合物の使
用量を低減する点で特に有効であることは明らかであ
る。
【0115】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、被
処理水中に含まれる有機物を著しく低減せしめることが
できる。またさらには、有機物濃度を著しく低減せしめ
た純水を得ることができる。しかも、本発明によれば、
ペルオキシド基を含む硫黄化合物の使用量を削減し、有
機物除去処理のコスト低減、有機物除去のための反応容
器の腐食抑制、並びに、副生成物である硫酸イオンの処
理工程の負荷低減及び該工程の設備の大型化抑制を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図2】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図3】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図4】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図5】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図6】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図7】本発明を実施するための処理工程の一例を示す
工程図である。
【図8】実施例4の処理工程を示す工程図である。
【符号の説明】 2 過酸化水素及び/又はオゾン添加手段 4 第1反応装置 6 硫黄化合物添加手段 8 第2反応装置 10 過酸化水素添加手段 12 脱イオン処理装置 14 オゾン溶解装置 16 オゾン発生装置 18 熱交換器 20 補助加熱装置 22 被酸化性無機物処理装置 24 硫黄化合物除去装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/42 C02F 1/42 D 1/78 1/78

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水中に含まれる有機物を分解して
    除去するに当たり、被処理水に過酸化水素及び/又はオ
    ゾンを添加して有機物を分解除去する第1工程と、第1
    工程の処理水にペルオキシド基を含む硫黄化合物を添加
    して有機物を分解除去する第2工程とを行うことを特徴
    とする水中の有機物除去方法。
  2. 【請求項2】 第2工程の処理水に脱イオン処理を施す
    第3工程をさらに行う請求項1に記載の水中の有機物除
    去方法。
  3. 【請求項3】 第1工程において、過酸化水素及び/又
    はオゾンを添加した被処理水に紫外線を照射して有機物
    を分解除去する請求項1又は2に記載の水中の有機物除
    去方法。
  4. 【請求項4】 第1工程において、被処理水を加熱した
    状態で有機物を分解除去する請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の水中の有機物除去方法。
  5. 【請求項5】 第2工程において、ペルオキシド基を含
    む硫黄化合物を添加した第1工程の処理水に紫外線を照
    射して有機物を分解除去する請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の水中の有機物除去方法。
  6. 【請求項6】 第2工程において、ペルオキシド基を含
    む硫黄化合物を添加した第1工程の処理水を加熱した状
    態で該処理水に紫外線を照射して有機物を分解除去する
    請求項5に記載の水中の有機物除去方法。
  7. 【請求項7】 第2工程において、ペルオキシド基を含
    む硫黄化合物を添加した第1工程の処理水を70℃以上
    に加熱して有機物を分解除去する請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の水中の有機物除去方法。
  8. 【請求項8】 第1工程の処理水中に含まれる被酸化性
    無機物を除去又は分解した後に第2工程を行う請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の水中の有機物除去方法。
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