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JPH1196609A - 光磁気情報再生装置 - Google Patents

光磁気情報再生装置

Info

Publication number
JPH1196609A
JPH1196609A JP25325797A JP25325797A JPH1196609A JP H1196609 A JPH1196609 A JP H1196609A JP 25325797 A JP25325797 A JP 25325797A JP 25325797 A JP25325797 A JP 25325797A JP H1196609 A JPH1196609 A JP H1196609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
domain wall
magnetic
movement
magneto
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25325797A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Ishii
和慶 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP25325797A priority Critical patent/JPH1196609A/ja
Publication of JPH1196609A publication Critical patent/JPH1196609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁壁の間隔をより小さくしたり、記録媒体の
線速度をより早くすることはできず、情報信号の記録密
度や再生速度を更に向上することは困難である。 【解決手段】 少なくとも磁気記録層18及び磁壁移動
層16を積層した磁性層を備え、磁性層に磁壁の列を形
成することによって情報信号が記録された記録媒体1
に、温度分布を形成することによって磁壁移動層におい
て磁壁を移動させ、磁壁の移動を検出することによって
情報信号を再生する光磁気情報再生装置において、記録
媒体1に磁界を印加する磁気ヘッド4と、磁壁の移動に
対応した信号の変化を検出する検出回路8と、検出回路
8の検出結果に基づいて磁気ヘッド4の磁界を磁壁の移
動を促進する方向に制御する制御回路7とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体に
高密度で記録された情報信号を再生する光磁気情報再生
装置、特に磁壁移動再生方法を用いた光磁気情報再生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より光磁気記録媒体に情報信号を記
録し、また記録された情報信号を再生するさまざまな方
法及び装置が知られている。とりわけ、本願出願人が特
開平6−290496号公報で提案した光磁気記録媒
体、再生装置および再生方法は、再生に使用する光の回
折限界を越えて、極めて高い分解能で情報信号の再生を
可能とするもので、情報信号の記録密度を飛躍的に向上
することができる有効な手法である。以下、この再生方
法を磁壁移動再生方式と称する。
【0003】図3はこの磁壁移動再生方式による光磁気
記録再生装置の概略構成を示している。図3において、
光磁気記録媒体1はディスク状の媒体で、スピンドルモ
ータ2の駆動によって所定の回転数で回転する。光磁気
記録媒体1は基板14の上面に形成された磁性層15か
ら成っている。また、光磁気記録媒体1の上面側には光
磁気記録媒体1の磁性層15に磁界を印加する磁気ヘッ
ド4が配置され、下面側には磁気ヘッド4と相対向して
光磁気記録媒体1の基板14を通して磁性層15に記録
用光ビーム及び再生用光ビームを収束して照射する光ヘ
ッド3が配置されている。情報信号の記録時及び再生時
には、スピンドルモータ2によって光磁気記録媒体1を
回転駆動し、光ヘッド3及び磁気ヘッド4は光磁気記録
媒体1の情報トラックを走査する。
【0004】磁気ヘッド4は、コア10とこれに巻き付
けられたコイル11から構成され、コイル11には磁気
ヘッド駆動回路6が接続されている。光ヘッド3はレー
ザ光源12、図示しない対物レンズ等の光学系、記録媒
体からの反射光を検出する光センサ13等より構成され
ている。レーザ光源12はレーザ駆動回路5に接続さ
れ、光センサ13は再生回路9に接続されている。
【0005】図4は磁壁移動再生方式において使用され
る光磁気記録媒体1を拡大して示している。図4(a)
は断面図、図4(b)は下面方向から見た図である。ま
ず、基板14はポリカーボネートやガラス等の透明材料
から成り、磁性層15は基板14の上面に第1の磁性層
(磁壁移動層)16、第2の磁性層(スイッチング層)
17、第3の磁性層(磁気記録層)18を順次積層した
構造からなっている。磁性層15には情報信号が記録さ
れる帯状の記録トラック19が同心円状、またはスパイ
ラル状に形成され、少なくとも磁壁移動層16において
は互いに隣接する記録トラック19は磁気的に分断され
ている。磁壁移動層16は磁気記録層18よりも磁壁抗
磁力が小さく、磁壁移動度が大きい垂直磁化膜から成
り、スイッチング層17は磁壁移動層16及び磁気記録
層18よりもキュリー温度が低い磁性膜から成ってい
る。磁気記録層18は垂直磁化膜から成っている。
【0006】次に、情報信号の記録動作について説明す
る。情報信号を記録する場合、光磁気記録媒体1を回転
駆動し、図3に示す磁気ヘッド駆動回路6の入力端子T
3から記録すべき情報信号が入力される。磁気ヘッド駆
動回路6はコイル11にこの情報信号で変調された電流
を供給し、磁気ヘッド4は情報信号に応じて上向きまた
は下向きに変化する磁界を発生し、光磁気記録媒体1の
磁性層15に垂直に印加する。
【0007】一方、レーザ駆動回路5からレーザ光源1
2に記録用の直流、または情報信号に同期したパルス電
流が供給され、磁性層15には一定強度またはパルス状
に点灯する高パワーの記録用光ビームが微小光スポット
に収束されて照射される。そして、記録用光ビームを照
射することにより、磁気記録層18の温度はそのキュリ
ー温度以上に上昇し、冷却する過程で磁化の方向は磁気
ヘッド4による印加磁界の方向に配向され固定されるこ
とにより、情報信号に応じた上向きまたは下向きの磁化
領域が形成される。
【0008】このようにして磁気記録層18には、図4
において上向き及び下向きの矢印で示すように、磁性層
15に垂直な上向き、または下向きの磁化を有する磁化
領域R1 ,R2 ,R3 ,…が順次形成され、磁化領域と
その前及び後ろの逆方向の磁化を有する磁化領域の境界
部には、情報信号を表す磁壁Q1 ,Q2 ,Q3 ,…が形
成される(マークエッジ記録)。磁気記録層18中の磁
化は室温に置いては交換結合によってスイッチング層1
7を介し、磁壁移動層16にも転写されており、その結
果スイッチング層17及び磁壁移動層16にも磁気記録
層18と同様に磁壁Q1 ,Q2 ,Q3 ,…が形成されて
いる。
【0009】次に、記録された情報信号の再生動作につ
いて説明する。記録された情報信号を再生する場合は、
光磁気記録媒体1を回転駆動し、レーザ駆動回路5から
レーザ光源12に再生用の直流電流を供給することによ
り、磁性層15に低パワーの再生用光ビームが微小光ス
ポットに収束されて照射される。再生用光ビームは記録
用光ビームと同一のレーザ光源及び光学系を用いて照射
される。
【0010】図5は信号再生の原理を説明する図であ
る。図5(a)は光磁気記録媒体1の断面図、図5
(b)は下面方向から見た図である。図5において、2
0は光ヘッド3によって照射される再生用光ビームであ
り、光磁気記録媒体1の基板14を透過して磁性層15
に微小な光スポット21に収束するように照射される。
再生用光ビーム20は光磁気記録媒体1の回転に伴い、
矢印Aの方向に磁気トラック19上を走査する。再生用
光ビーム20の照射によって磁性層15は加熱され、光
スポット20の中心よりもその移動方向に対して後方に
寄った位置Pにピークを有する温度分布が形成される。
ここで、22はスイッチング層17のキュリー温度近傍
の温度であるTsに達した領域を示す等温線であり、磁
性層15の温度は光スポット21の前方に寄った位置X
sにおいて温度Tsを越えて上昇し、位置Pにおいてピ
ークに到達した後は下降に転じる。
【0011】再生用光ビーム20による加熱部位から離
れた位置においては、磁性層15の温度は十分に低く、
磁壁移動層16はスイッチング層17を介して磁気記録
層18と交換結合しており、また磁性層15の温度分布
はほぼ一様であるため、磁壁移動層16に転写された磁
壁を移動させる様な駆動力は作用せず、従って磁壁は固
定されている。ここで、スイッチング層17の位置Xs
に到達した部分は、温度がTsにまで上昇して磁化が消
失するので、位置Xsに到達した磁壁(図示の例では磁
壁Q4 )は磁壁移動層16においては交換結合力による
拘束を受けなくなり、一方では温度の勾配による駆動力
を受ける。その結果、磁壁Q4 は磁壁移動層16におい
て、より温度が高く磁壁エネルギーの低い矢印Bで示す
方向、即ち温度のピーク位置Pに向かって高速で移動す
る。これによって、磁壁移動層16の光スポット21の
照射部位においては図5(a)に示すように元の磁化領
域R5 の長さとは無関係に一定の長さに伸長した下向き
の磁化を有する磁化領域Rxが形成される。同時に先に
磁壁Q3 の移動によって形成されていた上向きの磁化を
有する磁化領域は収縮する。
【0012】この磁化領域Rxからの再生用光ビーム2
0の反射光の偏光面は磁気光学効果(カー効果)のた
め、磁化領域Rxの磁化の方向に応じて回転する。この
ような偏光面の回転を光の強度変化に変換し、更に光セ
ンサ13によって電気信号として検出する。このように
して磁壁移動層16に転写された磁壁Q1 ,Q2 ,Q3
…は、再生用光ビーム20の移動につれて次々と位置X
sに到達する度に温度のピーク位置Pに向かって移動
し、これに伴って上向き及び下向きの磁化を有する伸張
した磁化領域Rxが交互に形成されていく。そして、こ
れに対応した信号の変化を含む検出信号が光ヘッド3か
ら出力され、この検出信号は再生回路9によって所定の
信号処理を行い、再生された情報信号として出力端子T
4から出力される。
【0013】このような磁壁移動再生方式によれば、情
報信号マークの長さが再生用光ビームのスポットの直径
よりも小さい場合であっても、一定の長さの伸張した磁
化領域から信号を検出するので、光学的な分解能に制限
されず、検出信号の振幅が小さくなることはない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な磁壁移動再生方法においては、少なくとも後続の磁壁
の移動の開始は、磁壁の移動の終了よりも後であるのが
望ましい。もし、磁壁の移動が終了しないうちに後続の
磁壁が移動を開始したとすると、磁化領域Rxは所定の
長さにまでは伸張されないので、検出される信号の大き
さが低下するからである。従って、このような事態を防
ぐためには、磁壁の移動時間(移動の開始から終了まで
の時間)T、光磁気記録媒体の線速度Vm、磁壁の間隔
Lの間に次式(1)の関係が成立する必要がある。
【0015】T<L/Vm … (1) ここで、磁壁の移動距離をd、磁壁の光磁気記録媒体に
対する相対的な平均移動速度をVwとすると、磁壁の移
動時間Tは次式(2)で表される。
【0016】T=d/(Vw+Vm) … (2) 従って、(1)及び(2)式から後続の磁壁の移動の開
始を磁壁の移動の終了よりも後とするための条件は、次
式(3)で得ることができる。
【0017】 L>d・Vm/(Vm+Vw) … (3) ここで、従来磁壁の平均移動速度Vwは20m/s、磁
壁の移動距離dは0.6μm程度であるから、光磁気記
録媒体の線速度Vmを4.0m/sとすると、磁壁の間
隔Lが0.1μmよりも大きければ、式(3)が成立す
るので、検出信号の振幅は磁壁の間隔Lには依存するこ
となく一定である。
【0018】しかしながら、磁壁の間隔Lが0.1μm
よりも小さければ、式(3)は成立せず、また光磁気記
録媒体の線速度Vmが4.0m/sよりも大きい場合
は、磁壁の間隔Lが0.1μmよりも大きくても式
(3)が成立しない場合があり、磁壁の移動の終了より
も前に後続の磁壁が移動を開始するので、磁壁の間隔L
を小さくするほど検出信号の振幅は低下する。
【0019】例えば、図4においてLminで示す磁壁
の最短の間隔は0.1μmよりも小さいとする。このよ
うな光磁気記録媒体より情報信号の再生を行う場合の光
ヘッドの検出信号S1の波形を図6に示している。間隔
がLminである磁壁の移動に対応した検出信号S1の
振幅は、他の間隔が大きい磁壁の移動に対応した検出信
号S1の振幅に比較して減少する。更には、検出信号S
1における磁壁の移動に対応した正から負へ、または負
から正への極性の変化は非常に緩やかであるから、ノイ
ズ等の影響を受けてジッターが増大しやすい。従って、
このような検出信号S1から情報信号を再生する場合は
エラーが増大しやすい。
【0020】この問題点は、磁壁の間隔Lを小さくした
場合のみでなく、光磁気記録媒体の線速度Vmをより高
くしようとした場合にも同様に発生する。もし、ここで
磁壁の平均移動速度Vwを更に高めることができれば、
磁壁の間隔Lをより小さくしたり、光磁気記録媒体の線
速度Vmをより高くしたりすることが可能であることは
式(3)から容易に理解される。しかし、従来磁壁の平
均移動速度Vwを更に高める有効な手段は従来知られて
おらず、磁壁の間隔Lをより小さくしたり、光磁気記録
媒体の線速度Vmをより大きくしたりすることができな
かった。このような事情により、従来の光磁気記録再生
装置において、情報信号の記録密度及び再生速度を更に
向上することは困難であった。
【0021】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エラ
ーが少なく、しかも、記録密度や再生速度を更に向上す
ることが可能な光磁気情報再生装置を提供することを目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、少なく
とも磁気記録層及び磁壁移動層を積層した磁性層を備
え、前記磁性層に磁壁の列を形成することによって情報
信号が記録された光磁気記録媒体に、温度分布を形成す
ることによって前記磁壁移動層において磁壁を移動さ
せ、磁壁の移動を検出することによって情報信号を再生
する光磁気情報再生装置において、前記記録媒体に磁界
を印加する手段と、前記磁壁の移動に対応した信号の変
化を検出する手段と、前記検出手段の検出結果に基づい
て前記磁界印加手段の磁界を前記磁壁の移動を促進する
方向に制御する手段とを有することを特徴とする光磁気
情報再生装置によって達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る
光磁気情報記録再生装置の一実施形態の構成を示したブ
ロック図である。なお、図1では図3の従来装置と同一
部分は同一符号を付して説明を省略する。即ち、基板1
4上に磁性層15を形成したディスク状の光磁気記録媒
体1、スピンドルモータ2、レーザ光源13や光センサ
15を含む光ヘッド3、コア10とコイル11からなる
磁気ヘッド4、レーザ駆動回路5、磁気ヘッド駆動回路
6、再生回路9は、いずれも図3のものと同じである。
光磁気記録媒体1は図4に示すように基板14上に磁性
移動層16、スイッチング層17、磁気記録層18を順
次積層した構成から成っている。
【0024】また、本実施形態では、磁壁移動再生時に
記録媒体1に磁界を印加するようになっていて、この磁
界は磁壁の移動を促進する方向に制御される。検出回路
8と制御回路7はこの磁壁の移動を促進する方向に制御
するための回路である。検出回路8は磁壁の移動に対応
した信号の変化を検出し、制御回路7は検出回路8の検
出結果に基づいて磁気ヘッド駆動回路6を制御し、磁気
ヘッド4の磁界を磁壁の移動を促進する方向に切り換え
る。磁壁移動再生時の検出回路8と制御回路7の動作に
ついては詳しく後述する。なお、磁壁移動再生時の磁界
の印加は、記録用の磁気ヘッド4及び磁気ヘッド駆動回
路6を用いて行う。
【0025】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、情報信号を記録する場合、端子T1に情報信
号が供給され、制御回路7はこの情報信号を選択的に磁
気ヘッド駆動回路6に出力する。記録原理は図4で説明
した通り、磁気ヘッド駆動回路6は磁気ヘッド4に情報
信号で変調された電流を供給し、磁気ヘッド4は情報信
号に応じて上向きまたは下向きに変化する磁界を発生
し、光磁気記録媒体1に印加する。一方、レーザ駆動回
路5からレーザ光源12に記録用の直流、または情報信
号に同期したパルス電流が供給され、磁性層15に一定
強度またはパルス状に点灯する高パワーの記録用光ビー
ムが微小な光スポットに収束されて照射される。
【0026】これによって、図4で説明したように磁気
記録層18に上向きまたは下向きの矢印で示すように磁
性層15に垂直な上向きまたは下向きの磁化を有する磁
化領域R1 ,R2 ,R3 ,…が順次形成され、磁化領域
とその前及び後の逆方向の磁化を有する磁化領域の境界
部には情報信号を表す磁壁Q1 ,Q2 ,Q3 ,…が形成
される(マークエッジ記録)。磁気記録層18中の磁化
は、室温においては交換結合力によってスイッチング層
17を介し、磁壁移動層16にも転写されており、その
結果スイッチング層17及び磁壁移動層16にも磁気記
録層18と同様に磁壁Q1 ,Q2 ,Q3 ,…が形成され
ている。
【0027】次に、磁壁移動再生による情報信号の再生
動作について説明する。情報信号の再生原理は従来の光
磁気記録再生装置と同様で、図5で説明した通りであ
る。簡単に説明すると、光スポット21を光磁気記録媒
体1の回転に伴い、矢印Aで示す方向に磁気トラック1
9を走査することにより、磁性層15が加熱され、光ス
ポット20の中心よりも、その移動方向に対して後方に
寄った位置Pにピークを有する温度分布が形成される。
22はスイッチング層17のキュリー温度近傍の温度で
あるTsに達した領域を示す等温線であり、磁性層15
の温度は光スポット21の前方に寄った位置Xsにおい
て温度Tsを越えて上昇し、位置Pにおいてピークに到
達した後は下降に転じる。
【0028】再生用光ビーム20による加熱部位から離
れた位置においては、磁性層15の温度は十分に低く、
磁壁移動層16はスイッチング層17を介して磁気記録
層18と交換結合しており、また磁性層15の温度分布
はほぼ一様であるため、磁壁移動層16に転写された磁
壁を移動させる様な駆動力は作用せず、磁壁は固定され
ている。ここで、スイッチング層17の位置Xsに到達
した部分は、温度がTsにまで上昇して磁化が消失する
ので、位置Xsに到達した磁壁(図示の例では磁壁Q
4 )は磁壁移動層16においては交換結合力による拘束
を受けなくなり、一方では温度の勾配による駆動力を受
ける。その結果、磁壁Q4 は磁壁移動層16において、
より温度が高く磁壁エネルギーの低い矢印Bで示す方
向、即ち温度のピーク位置Pに向かって高速で移動す
る。これによって、磁壁移動層16の光スポット21の
照射部位においては図示のように元の磁化領域R5 の長
さとは無関係に一定の長さに伸張した下向きの磁化を有
する磁化領域Rxが形成される。同時に先に磁壁Q3
移動によって形成されていた上向きの磁化を有する磁化
領域は収縮する。
【0029】この時、本実施形態では、磁気ヘッド4に
より磁性層15の光スポット21の照射部位に磁壁の移
動を促進する方向に磁界Haを印加することによって、
磁壁の移動速度をより早くしている。具体的には、磁壁
の移動によって面積が増大する磁化領域の磁化の方向と
同一の方向の磁界Haは、磁化領域の面積を増大させる
ように作用し、結果として、磁壁の移動を促進させるの
である。例えば、磁壁Q4 の移動によって面積が増大す
る磁化領域のRxの磁化の方向は下向きであるから、磁
壁Q4 が移動する間、下向きの磁界Haを磁性層15に
印加することにより、磁壁Q4 の移動速度を磁界Haを
印加しない場合に比べて速くすることができる。
【0030】更に、磁壁Q4 が移動が終了した後、後続
の磁壁Q5 も位置Xsに到達すると、同様に温度のピー
ク位置Pに向かって移動する。この場合、磁壁Q5 の移
動によって面積が増大する磁化領域Rxの磁化の方向は
上向きであるから、磁壁Q5が移動を開始するよりも前
に磁性層15に印加する磁界Haの方向を上向きに切り
換えておく。磁壁Q5 が移動する間、この上向き磁界を
保持することにより、磁壁Q5 の移動速度を磁界Haを
印加しない場合よりも早くすることができる。同様にし
てそれ以降も磁壁が移動する度に、移動を促進する上方
向、または下方向の磁界Haを交互に印加することによ
り、磁壁の移動速度を高速にすることができる。
【0031】磁壁の移動の結果形成される磁化領域Rx
からの再生用光ビーム20の反射光の偏光面は、磁気光
学効果(カー効果)のため、磁化領域Rxの磁化の方向
に応じて回転する。このような偏光面の回転を光の強度
変化に変換し、更に光センサ13によって電気信号とし
て検出する。このようにして磁壁移動層16に転写され
た磁壁Q1 ,Q2 ,Q3 …は、光ビーム20の移動につ
れて次々と位置Xsに到達する度に温度のピーク位置P
に向かって移動し、これに伴って上向き及び下向きの磁
化を有する伸張した磁化領域Rxが交互に形成されてい
く。そして、これに対応した信号の変化を含む検出信号
S1が光ヘッド3で出力され、再生回路9はこの検出信
号S1に対して所定の信号処理を行って情報信号を再生
し、出力端子T2より出力する。
【0032】ここで、磁壁の移動によって面積が増大す
る磁化領域の磁化の方向は、移動の度ごとに上向き及び
下向きに交互に変化するので、磁界Haの方向もそれに
合わせて上方向及び下方向に交互に切り換える必要があ
る。また、磁壁の移動を促進する方向の磁界Haは、少
なくとも磁壁の移動の間は継続して印加するのが望まし
い。従って、磁界Haの方向の切り換えは、磁壁の移動
の終了の後、後続の磁壁の移動の開始よりも前に行うの
が望ましい。
【0033】次に、このような磁界Haの制御動作につ
いて次に説明する。まず、光ヘッド3の検出信号S1は
再生回路9のみでなく、検出回路8にも入力される。検
出回路8は、この検出信号S1から磁壁の移動に対応し
た信号の変化を検出し、それに基づいて磁界Haの切り
換えを制御するための制御信号S2を生成し、制御回路
7に出力する。制御回路7は、検出回路8からの制御信
号S2を選択的に磁気ヘッド駆動回路6に出力し、磁気
ヘッド駆動回路6はこの制御信号S2に応じて磁気ヘッ
ド4のコイル11に電流を供給する。これによって、磁
気ヘッド4は制御信号S2に応じた磁界Haを発生し、
光磁気記録媒体1の磁性層15に印加する。
【0034】図2は磁壁移動再生時の各部の信号波形を
示している。なお、ここでは、図4においてLminで
示す磁壁の最短の間隔が0.1μmよりも小さい光磁気
記録媒体を線速度Vm4.0m/sとして再生を行う場
合を例として説明する。図2(a)は光ヘッド3で検出
され、検出回路8に出力される検出信号S1の波形、図
2(b)は検出回路8から制御回路7に出力される制御
信号S2の波形を示している。まず、光ヘッド3の出力
する検出信号S1は、図2(a)に示すように磁壁の移
動に対応した信号の変化を含んでいる。ここで、時点t
s4は図5の磁壁Q4 の移動の開始、時点te4は磁壁Q4
の移動の終了、時点ts5は磁壁Q5 の移動の開始、時点
e5は磁壁Q5 の移動の終了、時点ts6は磁壁Q6 の移
動の開始にそれぞれ対応している。
【0035】検出回路8はこの検出信号S1より磁壁の
移動を検出し、磁壁の移動によって面積が増大する磁化
領域の磁化の方向に対応したレベルの信号、即ち、図2
(b)に示すような制御信号S2を出力する。ここで、
磁壁の移動及びその結果面積が増大した磁化領域の磁化
の方向が上向きであるか下向きあるかは、検出信号S1
の信号の大きさや極性の変化及びその変化の方向から判
断することができる。例えば、その移動によって下向き
の磁化を有する磁化領域の面積が増大する磁壁Q4 の移
動は、検出信号S1の極性が時点ts4からte4の間に正
から負に変化したことによって検出することができる。
【0036】この場合は、磁壁Q4 の移動が終了した時
点te4よりも後で、後続の磁壁Q5が移動を開始する時
点ts5よりも前の時点tr5において制御信号S2をハイ
レベルに変化させる。更に、その移動によって上向きの
磁化を有する磁化領域の面積が増大する磁壁Q5 の移動
は、検出信号S1の極性が時点ts5からte5の間に負か
ら正に変化したことによって検出することができる。こ
の場合は、磁壁Q5 の移動が終了した時点te5よりも後
で、後続の磁壁Q6 が移動を開始する時点ts6よりも前
の時点tr6において制御信号S2をローレベルに変化さ
せる。以降も同様に磁壁の移動を検出する度に制御信号
S2をハイレベルまたはローレベルに交互に変化させて
いく。
【0037】制御回路7は検出回路8から入力される制
御信号S2を選択的に磁気ヘッド駆動回路6に出力す
る。磁気ヘッド駆動回路6は制御信号S2に応じた電流
を磁気ヘッド4のコイル11に供給し、その結果、磁気
ヘッド4は図2(c)に示すように制御信号S2に応じ
た上向きまたは下向きに方向の磁界Haを発生し、磁性
層15に印加する。例えば、図2(b)のように制御信
号S2が時点tr5においてハイレベルに変化すると、図
2(c)のように磁界Haは上向きに切り換わり、制御
信号S2が時点tr6においてローレベルに変化すると、
磁界Haは下向きに切り換わる。
【0038】このような制御を行うことにより、上向き
の磁化を有する磁化領域の面積が増大する磁壁が移動を
開始するよりも前に、予め磁性層15に印加する磁界H
aの方向を上向きに切り換え、磁壁の移動が終了するま
での間上向きに保持することができる。また、下向きの
磁化を有する磁化領域の面積が増大する磁壁が移動を開
始するよりも前に、予め磁界Haの方向は下向きに切り
換え、磁壁の移動が終了するまでの間下向きに保持する
ことができる。このようにして磁壁が移動する間磁性層
15に印加する磁界Haは、常に磁壁の移動を促進する
方向に制御することができる。
【0039】従って、磁壁の平均移動速度Vwは、磁界
Haを印加しない場合よりも速く約30m/sとなり、
光ヘッド3の検出信号S1において磁壁の移動に対応し
た信号の変化は図2(a)の信号波形のように図6の従
来の装置における検出信号S1の信号波形と比較して急
峻になる。従って、ノイズ等の影響によるジッターが小
さく、エラーの発生の少ない、より正確な情報信号の再
生が可能となる。また、光磁気記録媒体の線速度Vmを
4.0m/sとすると、磁壁の間隔Lが0.071μm
よりも大きければ、式(3)が成立するので、図4
(a)に示すように検出信号S1の振幅は磁壁の間隔に
依存することなく一定となる。更に、光磁気記録媒体の
線速度Vmを6.0m/sとした場合であっても磁壁の
間隔Lが0.1μmよりも大きければ式(3)が成立す
るので、検出信号S1の振幅は磁壁の間隔に依存するこ
となく一定となる。
【0040】このように本実施形態では、磁界Haを印
加しない従来の装置に比べてより正確に情報信号を再生
することができる。また、磁壁の間隔Lをより小さくし
たり、光磁気記録媒体の線速度Vmをより早くできるた
め、情報信号の記録密度を高められ、再生速度を更に向
上することが可能である。
【0041】なお、本実施形態による光磁気記録再生装
置においては、情報信号の記録時には印加する磁界の1
回の反転について1つの磁化領域と1つの磁壁が形成さ
れ、また、情報信号の再生時には1回の磁壁の移動につ
いて磁界Haを1回反転すればよい。即ち、一般的な装
置と同じく情報信号の記録時及び再生時における光磁気
記録媒体の線速度を同じとするならば、情報信号の記録
時に印加する情報信号で変調された磁界の周波数と、情
報信号の再生時に印加する磁界Haの周波数とは全く同
じである。
【0042】また、本願発明者の実験によれば、磁界H
aの振幅の範囲は、±4000A/m以上、±3200
0A/m以下において大きな効果が得られ、しかも、こ
の振幅値は情報信号の記録時に印加する磁界の振幅と略
同等である。従って、磁気ヘッド4及び磁気ヘッド駆動
回路6を情報信号の記録時の磁界の印加と情報信号の再
生時における磁界Haの印加の両方において兼用する構
成とすることが容易であり、その場合には新たに再生用
の磁気ヘッドを追加する必要がなく、装置の構成を簡略
化できる点において大変に効果的である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
壁移動再生時に記録媒体に磁界を磁壁の移動を促進する
方向に切り換えて印加することにより、磁壁の平均移動
速度を早くすることができ、その結果、検出信号の磁壁
の移動に対応した信号の変化は急峻となるので、ジッタ
ーが低減され、エラーの発生の少ない、より正確な情報
の再生が可能となる。また、磁壁の間隔をより小さく
し、記録媒体の線速度をより早くしても、検出信号の振
幅は磁壁の間隔に依存することなく一定となるので、情
報信号の記録密度を高めることができ、また、再生速度
を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光磁気情報再生装置の一実施形態
の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の実施形態の各部の信号を示した図であ
る。
【図3】従来の光磁気記録再生装置の概略構成を示した
図である。
【図4】磁壁移動再生に用いる光磁気記録媒体の構成を
示した図である。
【図5】磁壁移動再生の原理を説明するための図であ
る。
【図6】従来の光磁気記録再生装置の光ヘッドによる検
出信号の波形を示した信号波形図である。
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体 3 光ヘッド 4 磁気ヘッド 5 レーザ駆動回路 6 磁気ヘッド駆動回路 7 制御回路 8 検出回路 9 再生回路 12 レーザ光源 13 光センサ 15 磁性層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁気記録層及び磁壁移動層を
    積層した磁性層を備え、前記磁性層に磁壁の列を形成す
    ることによって情報信号が記録された光磁気記録媒体
    に、温度分布を形成することによって前記磁壁移動層に
    おいて磁壁を移動させ、磁壁の移動を検出することによ
    って情報信号を再生する光磁気情報再生装置において、
    前記記録媒体に磁界を印加する手段と、前記磁壁の移動
    に対応した信号の変化を検出する手段と、前記検出手段
    の検出結果に基づいて前記磁界印加手段の磁界を前記磁
    壁の移動を促進する方向に制御する手段とを有すること
    を特徴とする光磁気情報再生装置。
  2. 【請求項2】 前記磁壁の移動を促進する方向は、前記
    磁壁の移動によって面積が増大する磁化領域の磁化の方
    向と同一であることを特徴とする請求項1に記載の光磁
    気情報再生装置。
  3. 【請求項3】 前記磁壁移動層は、垂直磁化膜から成
    り、前記磁界は前記磁性層に垂直であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の光磁気情報再生装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記磁壁の移動の開始
    よりも前に前記磁界の切り換えを行い、前記磁壁の移動
    の終了まで前記磁界を保持するように制御することを特
    徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の光磁気情
    報再生装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記磁壁の移動の終了
    の後、後続の磁壁の移動の開始よりも前に前記磁界を切
    り換えるように制御することを特徴とする請求項1、
    2、3のいずれかに記載の光磁気情報再生装置。
  6. 【請求項6】 前記磁壁は、上向きまたは下向きの磁化
    領域と、その前及び後の下向きまたは上向きの磁化を有
    する磁化領域との境界部に形成され、前記制御手段は前
    記磁壁の移動の検出の度に前記磁界を上向き及び下向き
    に交互に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の
    光磁気情報再生装置。
  7. 【請求項7】 前記磁界の振幅は、±4000A/m以
    上、±32000A/m以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の光磁気情報再生装置。
JP25325797A 1997-09-18 1997-09-18 光磁気情報再生装置 Pending JPH1196609A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6744700B2 (en) * 1999-05-19 2004-06-01 Sony Corporation Optical output adjusting apparatus based on shortest recording marks
KR100706732B1 (ko) * 1999-04-20 2007-04-13 소니 가부시끼 가이샤 데이터 재생 장치 및 방법

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