[go: up one dir, main page]

JPH1192399A - 骨髄腫治療剤 - Google Patents

骨髄腫治療剤

Info

Publication number
JPH1192399A
JPH1192399A JP27496097A JP27496097A JPH1192399A JP H1192399 A JPH1192399 A JP H1192399A JP 27496097 A JP27496097 A JP 27496097A JP 27496097 A JP27496097 A JP 27496097A JP H1192399 A JPH1192399 A JP H1192399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
cells
myeloma
bst
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27496097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Koishihara
保夫 小石原
Yasushi Yoshimura
康史 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP27496097A priority Critical patent/JPH1192399A/ja
Publication of JPH1192399A publication Critical patent/JPH1192399A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な骨髄腫治療剤の提供。 【解決手段】 配列番号:1に示されたアミノ酸配列を
有するタンパク質、又は配列番号:1において1又は複
数個のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入により修飾
されたアミノ酸配列を有し、且つプレB 細胞増殖支持能
を有するタンパク質に対して特異的に結合するタンパク
質に特異的に結合する抗体を有効成分として含む骨髄腫
治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配列番号1に示す
アミノ酸配列を有するBST-2 蛋白質に特異的に結合する
抗体を有効成分として含有する骨髄腫治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体には、外因性の微生物あるいは異物
などから個体を防御するための機構、すなわち免疫機構
が複雑に存在している。免疫機構の中で大きな役割を担
っているB 細胞は、造血幹細胞が骨髄中で種々のサイト
カイン等の刺激によりプロB 細胞、プレB 細胞を経て成
熟B 細胞に分化し、さらに抗原刺激により活性化され、
最終的に抗体を産生分泌する形質細胞になる。このB 細
胞の分化・増殖には骨髄中のストローマ細胞(支持細
胞)が深く関与していることが知られている。すなわ
ち、B 細胞と骨髄ストローマ細胞との直接的な接着がB
細胞の分化・増殖に深く関与していることが報告されて
いる(Miyake, K. et al., J. Exp. Med., (1991) 173,
599-607)。
【0003】骨髄腫は、免疫グロブリンを産生分泌する
形質細胞(骨髄腫細胞)が、主として骨髄中でモノクロ
ーナルに増加する腫瘍性疾患であり、血清中あるいは尿
中にモノクローナルな免疫グロブリンもしくはその構成
成分であるL 鎖、H 鎖などが検出される(小阪昌明ら、
日本臨床(1995)53, 91-99 )。骨髄腫は、B 細胞の最
終分化段階である形質細胞がモノクローナルに増殖する
疾患であることから、骨髄腫細胞の増殖にも正常B 細胞
同様、骨髄ストローマ細胞との相互作用が関与している
と考えられる。この骨髄腫細胞と骨髄ストローマ細胞と
の接着にはCD21、VLA-5 およびMPC-1 といった接着因子
が関与していると考えられているが(河野道生、臨床科
学(1996)32, 703-710 )、その他の因子については現
在も研究が進められている。
【0004】一方、石川らはリウマチ患者滑膜細胞をマ
ウスに免疫して得られたモノクローナル抗体(RS38、RS
38-E)を報告している(Ishikawa, J. et al., GENOMIC
S (1995) 26, 527-534)。石川らは、本抗体を用い、本
抗体が認識する抗原BST-2 を単離・同定した(Ishikaw
a, J.et al., GENOMICS (1995) 26, 527-534 )。さら
に、石川らは、本論文中でBST-2 が骨髄ストローマ細胞
上に発現していること、また、BST-2 が骨髄中でのプレ
B 細胞の増殖に関与している可能性があることを述べて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、骨髄腫の治療に
種々の化学療法やインターフェロン療法などが用いられ
るようになった結果、一時的抗腫瘍効果はかなりの上昇
が見られているものの、骨髄腫患者の生存期間について
は依然30-40 カ月とここ数十年ほとんど進歩が見られて
いない。従って、骨髄腫を寛解に導き、患者の生存期間
を延長するような画期的な治療剤あるいは治療法が待た
れている。本発明の目的は、骨髄腫に対する新しい治療
剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、所期の目
的を達成すべく、BST-2 プローブを用いたノザンブロッ
ト解析、あるいは抗BST-2 抗体を用いて、FCM (フロー
サイトメモリー)解析、CDC 活性のような細胞障害活性
の測定等のイン・ビトロでの研究を重ねた結果、骨髄腫
細胞において、BST-2 が遺伝子およびタンパクのレベル
で強く発現していること、また、抗BST-2 抗体が骨髄腫
細胞に対し細胞障害活性を有することを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】したがって、本発明は配列番号1 に示され
るアミノ酸配列又はこのアミノ酸配列に対して修飾され
たアミノ酸配列を有する蛋白質に特異的に結合し、好ま
しくは細胞障害活性を有する抗体を有効成分として含有
する、骨髄腫治療剤を提供する。前記抗体は、好ましく
はモノクローナル抗体である。また、細胞障害活性とし
てADCC活性またはCDC 活性が挙げられる。前記の修飾さ
れたアミノ酸配列とは、配列番号:1のアミノ酸配列に
対して、1以上、例えば1〜数個のアミノ酸の置換、欠
失及び/又は挿入により修飾されており、且つプレB 細
胞増殖支持能を有するアミノ酸配列を意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.抗体の作製 1-1.ハイブリドーマの作製 本発明で使用される抗体を産生するハイブリドーマは、
基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製で
きる。すなわち、BST-2 蛋白質やBST-2 を発現する細胞
を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にし
たがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法
によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニン
グ法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリー
ニングすることによって作製できる。
【0009】具体的には、モノクローナル抗体を作製す
るには次のようにすればよい。例えば、抗体取得の感作
抗原であるBST-2 発現細胞としては、リウマチ患者滑膜
細胞由来であるSynSV6-14 (Ishikawa, J. et al., GEN
OMICS (1995) 26, 527-534)を用いることができる。ま
た、感作抗原として配列番号1 に示すアミノ酸配列を有
する蛋白質、あるいは抗BST-2 抗体が認識するエピトー
プを含むペプチドまたはポリペプチドを使用することが
できる。
【0010】なお、感作抗原として使用される、配列番
号1 に示すアミノ酸配列を有する蛋白質のcDNAはpUC19
ベクターのXbaI切断部位に間に挿入されて、プラスミド
pRS38-pUC19 として調製されている。このプラスミドpR
S38-pUC19 を含む大腸菌(E.coli)は、平成5 年(1993
年)10月5 日付で工業技術院生命工学工業技術研究所
に、Escherichia coli DH5a (pRS38-pUC19 )として、
受託番号FERM BP-4434としてブダペスト条約に基づき国
際寄託されている(特開平7-196694参照)。このプラス
ミドpRS38-pUC19 に含まれるcDNA断片を用いて遺伝子工
学的手法により、抗BST-2 抗体が認識するエピトープを
含むペプチドまたはポリペプチドを作製することができ
る。
【0011】感作抗原で免疫される哺乳動物としては、
特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親
細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般
的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハム
スター等が使用される。感作抗原を動物に免疫するに
は、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的
方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または、皮下
に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原
をPBS (Phosphate-Buffered Saline )や生理食塩水等
で適当量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジ
ュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量
混合し、乳化後、哺乳動物に4-21日毎に数回投与するの
が好ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用
することができる。
【0012】このように免疫し、血清中に所望の抗体レ
ベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細
胞が取り出され、細胞融合に付される。細胞融合に付さ
れる好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられ
る。前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺
乳動物のミエローマ細胞は、すでに、公知の種々の細胞
株、例えば、P3X63Ag8.653(J. Immnol. (1979) 123: 1
548-1550)、P3X63Ag8U.1 (Current Topics in Microb
iology and Immunology (1978) 81: 1-7)、NS-1(Kohl
er. G. and Milstein, C. Eur. J. Immunol.(1976) 6:
511-519)、MPC-11(Margulies. D. H. et al., Cell
(1976) 8: 405-415 )、SP2/0 (Shulman, M. et al.,
Nature (1978) 276:269-270 )、FO(de St. Groth, S.
F. et al., J. Immunol. Methods (1980) 35: 1-21
)、S194(Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. (1978) 1
48: 313-323)、R210(Galfre, G.et al., Nature (197
9) 277: 131-133 )等が適宜使用される。
【0013】前記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合
は基本的には公知の方法、たとえば、ミルステインらの
方法(Kohler. G. and Milstein, C. 、Methods Enzymo
l. (1981) 73: 3-46)等に準じて行うことができる。よ
り具体的には、前記細胞融合は例えば、細胞融合促進剤
の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進
剤としては例えば、ポリエチレングリコール(PEG )、
センダイウィルス(HVJ )等が使用され、更に所望によ
り融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補
助剤を添加使用することもできる。
【0014】免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合
は、例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1-10倍
とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液とし
ては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRP
MI1640培養液、MEM 培養液、その他、この種の細胞培養
に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、
ウシ胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することもで
きる。細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との
所定量を前記培養液中でよく混合し、予め、37℃程度に
加温したPEG 溶液、例えば、平均分子量1000〜6000程度
のPEG 溶液を通常、30-60 %(w/v )の濃度で添加し、
混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリド
ーマ)が形成される。続いて、適当な培養液を逐次添加
し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことにより
ハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除
去できる。
【0015】当該ハイブリドーマは、通常の選択培養
液、例えば、HAT 培養液(ヒポキサンチン、アミノプテ
リンおよびチミジンを含む培養液)で培養することによ
り選択される。当該HAT 培養液での培養は、目的とする
ハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するの
に十分な時間、通常数日〜数週間継続する。ついで、通
常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハ
イブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニング
が行われる。
【0016】また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上
記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitro
でBST-2 またはBST-2 発現細胞で感作し、感作リンパ球
をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、BST-2
またはBST-2 発現細胞への結合活性を有する所望のヒト
抗体を得ることもできる(特公平1-59878 参照)。さら
に、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトラ
ンスジェニック動物に抗原となるBST-2 またはBST-2 発
現細胞を投与し、前述の方法に従い所望のヒト抗体を取
得してもよい(国際特許出願公開番号WO 93/12227、WO
92/03918 、WO94/02602 、WO 94/25585 、WO 96/34096
、WO 96/33735 参照)。
【0017】このようにして作製されるモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継
代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期
保存することが可能である。当該ハイブリドーマからモ
ノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマ
を通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得
る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある
哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法
などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得る
のに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産
に適している。
【0018】具体的には、抗BST-2 抗体産生ハイブリド
ーマの作製は、Ishikawa, J.らの方法(Ishikawa, J. e
t al., GENOMICS (1995) 26, 527-534)により行うこと
ができる。抗BST-2 抗体産生ハイブリドーマをBALB/cマ
ウス(日本クレア製)の腹腔内に注入して腹水を得、こ
の腹水から抗BST-2 抗体を精製する方法や、本ハイブリ
ドーマを適当な培地、例えば、10%ウシ胎児血清、5 %
BM-Condimed H1(Boehringer Mannheim 製)含有RPMI16
40培地、ハイブリドーマSFM 培地(GIBCO-BRL製)、PFH
M-II 培地(GIBCO-BRL 製)等で培養し、その培養上清
から抗BST-2 抗体を精製する方法で行うことができる。
【0019】1-2. 組換え型抗体 本発明には、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子を
ハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに
組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を
用いて産生させた組換え型抗体を用いることができる
(例えば、Carl,A. K. Borrebaeck, James, W. Larric
k, TERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in
the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 19
90参照)。
【0020】具体的には、目的とする抗体を産生するハ
イブリドーマから、抗体の可変(V)領域をコードするm
RNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、
グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. ら、Biochemist
ry (1979) 18, 5294-5299 )、AGPC法(Chmczynski, P.
ら、(1987) 162, 156-159 )等により全RNA を調製し、
mRNA Purification Kit (Pharmacia 製)等を使用して
mRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification
Kit(Pharmacia 製)を用いることによりmRNAを直接調
製することができる。
【0021】得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体
V 領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse
Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit 等を
用いて行うことができる。また、cDNAの合成および増幅
を行うには5'-Ampli FINDERRACE Kit (Clontech製)お
よびPCR を用いた5'-RACE 法(Frohman, M. A. ら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85, 8998-9002 ;Be
lyavsky, A. ら、Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919
-2932 )を使用することができる。得られたPCR 産物か
ら目的とするDNA 断片を精製し、ベクターDNA と連結す
る。さらに、これより組換えベクターを作成し、大腸菌
等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクター
を調製する。目的とするDNA の塩基配列を公知の方法、
例えば、デオキシ法により確認する。
【0022】目的とする抗体のV 領域をコードするDNA
が得られれば、これを所望の抗体定常領域(C 領域)を
コードするDNA と連結し、これを発現ベクターへ組み込
む。または、抗体のV 領域をコードするDNA を、抗体C
領域のDNA を含む発現ベクターへ組み込んでもよい。本
発明で使用される抗体を製造するには、後述のように抗
体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロ
モーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組
み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質
転換し、抗体を発現させることができる。
【0023】1-3. 発現および産生 前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により
発現させ、取得することができる。哺乳類細胞の場合、
常用される有用なプロモーター、発現される抗体遺伝
子、その3'側下流にポリA シグナルを機能的に結合させ
たDNA あるいはそれを含むベクターにより発現させるこ
とができる。例えばプロモーター/エンハンサーとして
は、ヒトサイトメガロウィルス前期プロモーター/エン
ハンサー(human cytomegalovirus immediate early pr
omoter/enhancer )を挙げることができる。
【0024】また、その他に本発明で使用される抗体発
現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レ
トロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、
シミアンウィルス40(SV 40 )等のウィルスプロモータ
ー/エンハンサーやヒトエロンゲーションファクター1
α(HEF1α)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エ
ンハンサーを用いればよい。例えば、SV 40 プロモータ
ー/エンハンサーを使用する場合、Mulliganらの方法
(Nature (1979) 277, 108)、また、HEF1αプロモータ
ー/エンハンサーを使用する場合、Mizushima らの方法
(Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)に従えば容易
に実施することができる。
【0025】大腸菌の場合、常用される有用なプロモー
ター、抗体分泌のためのシグナル配列、発現させる抗体
遺伝子を機能的に結合させて発現させることができる。
例えばプロモーターとしては、laczプロモーター、araB
プロモーターを挙げることができる。laczプロモーター
を使用する場合、Wardらの方法(Nature (1098) 341,54
4-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモ
ーターを使用する場合、Betterらの方法(Science (198
8) 240, 1041-1043 )に従えばよい。抗体分泌のための
シグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生さ
せる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Ba
cteriol. (1987) 169, 4379)を使用すればよい。ペリ
プラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を
適切にリフォールド(refold)して使用する(例えば、
WO96/30394を参照)。
【0026】複製起源としては、SV 40 、ポリオーマウ
ィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BP
V )等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主
細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選
択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラー
ゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大
腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラ
ーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)
遺伝子等を含むことができる。本発明で使用される抗体
の製造のために、任意の産生系を使用することができ
る。抗体製造のための産生系は、in vitroおよびin viv
o の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細
胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げ
られる。
【0027】真核細胞を使用する場合、動物細胞、植物
細胞、真菌細胞を用いる産生系がある。動物細胞として
は、(1) 哺乳類細胞、例えば、CHO 、COS 、ミエロー
マ、BHK (baby hamster kidney )、HeLa、Vero、(2)
両生類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あ
るいは(3) 昆虫細胞、例えば、sf9 、sf21、Tn5 などが
知られている。植物細胞としては、ニコティアナ(Nico
tiana )属、例えばニコティアナ・タバカム(Nicotian
a tabacum )由来の細胞が知られており、これをカルス
培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サ
ッカロミセス(Saccaromyces)属、例えばサッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状
菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus )属、例え
ばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )など
が知られている。
【0028】原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用い
る産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli
)、枯草菌が知られている。これらの細胞に、目的と
する抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換され
た細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られ
る。培養は、公知の方法に従い行う。例えば、培養液と
して、DMEM、MEM 、RPMI1640、IMDMを使用することがで
き、ウシ胎児血清(FCS )等の血清補液を併用すること
もできる。また、抗体遺伝子を導入した細胞を動物の腹
腔等へ移すことにより、in vivo にて抗体を産生しても
よい。
【0029】一方、in vivo の産生系としては、動物を
使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系
がある。哺乳類動物としては、ヤギを用いることができ
る。また、昆虫としては、カイコを用いることができ
る。植物を使用する場合、例えばタバコを用いることが
できる。
【0030】これらの動物または植物に抗体遺伝子を導
入し、動物または植物の体内で抗体を産生させ、回収す
る。例えば、抗体遺伝子をヤギβカゼインのような乳汁
中に固有に産生される蛋白質をコードする遺伝子の途中
に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿
入された融合遺伝子を含むDNA 断片をヤギの胚へ注入
し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギか
ら生まれるトランスジェニックヤギまたはその子孫が産
生する乳汁から所望の抗体を得る。トランスジェニック
ヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させ
るために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使
用してもよい。(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology
(1994) 12, 699-702 )。
【0031】また、カイコを用いる場合、目的の抗体遺
伝子を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させ、
このカイコの体液より所望の抗体を得る(Susumu, M. e
t al., Nature (1985) 315, 592-594 )。さらに、タバ
コを用いる場合、目的の抗体遺伝子を植物発現用ベクタ
ー、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをAgrobact
erium tumefaciens のようなバクテリアに導入する。こ
のバクテリアをタバコ、例えばNicotiana tabacum に感
染させ、本タバコの葉より所望の抗体を得る(Julian,
K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24, 131-1
38)。
【0032】上述のように、本発明でいう「宿主」に
は、これらin vitroの産生系における細胞やin vivo の
産生系における動物、植物も包含される。in vitroまた
はin vivo の産生系にて抗体を産生する場合、抗体重鎖
(H 鎖)または軽鎖(L 鎖)をコードするDNA を別々に
発現ベクターに組み込んで宿主を同時形質転換させても
よいし、あるいはH 鎖およびL 鎖をコードするDNA を単
一の発現ベクターに組み込んで、宿主を形質転換させて
もよい(国際特許出願公開番号WO 94-11523 参照)。
【0033】上述のように得られた抗体は、ポリエチレ
ングリコール(PEG )等の各種分子と結合させ抗体修飾
物として使用することもできる。本願特許請求の範囲で
いう「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。こ
のような抗体修飾物を得るには、得られた抗体に化学的
な修飾を施すことによって得ることができる。これらの
方法はこの分野においてすでに確立されている。
【0034】2.抗体の分離、精製 2-1. 抗体の分離、精製 前記のように産生、発現された抗体は、細胞内外、宿主
から分離し均一にまで精製することができる。本発明で
使用される抗体の分離、精製はアフィニティークロマト
グラフィーにより行うことができる。アフィニティーク
ロマトグラフィーに用いるカラムとしては、例えば、プ
ロテインA カラム、プロテインG カラム、抗体結合カラ
ムが挙げられる。プロテインA カラムに用いる担体とし
て、例えば、Hyper D 、POROS 、Sepharose F.F.等が挙
げられる。その他、通常のタンパク質で使用されている
分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるもの
ではない。例えば、上記アフィニティークロマトグラフ
ィー以外のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾
過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせれば、本発明
で使用される抗体を分離、精製することができる。クロ
マトグラフィーとしては、例えば、イオン交換クロマト
グラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙
げられる。
【0035】かくして得られる本発明の抗体は、配列番
号1に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質、或い
は、該アミノ酸配列において1〜複数、通常、1ないし
数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入されたタンパク質
で、かつ、プレB 細胞増殖支持能を有するタンパク質に
特異的に結合する。また、本発明においては、好ましく
は、細胞障害活性を有する抗体が使用される。
【0036】2-2.抗体の濃度測定 2-1 で得られた抗体の濃度測定は吸光度の測定またはEL
ISA 等により行うことができる。すなわち、吸光度の測
定による場合には、本発明で使用される抗体または抗体
を含むサンプルをPBS(-)で適当に希釈した後、280 nmの
吸光度を測定し、1 mg/ml を1.35 OD として算出する。
また、ELISA による場合は以下のように測定することが
できる。すなわち、0.1M 重炭酸緩衝液(pH9.6 )で1
μg/ml に希釈したヤギ抗ヒトIgG (BIO SOURCE製)10
0 μl を96穴プレート(Nunc製)に加え、4℃で一晩イ
ンキュベーションし、抗体を固層化する。
【0037】ブロッキングの後、適宜希釈した本発明で
使用される抗体または抗体を含むサンプル、あるいは標
品としてヒトIgG (CAPPEL製)100 μl を添加し、室温
にて1時間インキュベーションする。洗浄後、5000倍希
釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG (BIO
SOURCE製)100 μl を加え、室温にて1時間インキュベ
ートする。洗浄後、基質溶液を加えインキュベーション
の後、MICROPLATE READER Model 3550(Bio-Rad 製)を
用いて405nm での吸光度を測定し、目的の抗体の濃度を
算出する。
【0038】3.FCM 解析 骨髄腫細胞と本発明で使用される抗体との反応性は、FC
M (フローサイトメトリー)解析で行うことができる。
細胞としては、樹立細胞株あるいは新鮮分離細胞を用い
ることができる。例えば樹立細胞株として、多発性骨髄
腫由来KPMM2 (特開平7-236475)、多発性骨髄腫由来RP
MI8226(ATCC CCL-155)、IgE 型骨髄腫由来U266B1(AT
CC TIB-196)、IgG 型多発性骨髄腫由来HS-Sultan (AT
CC CRL-1484 )、形質細胞腫由来ARH-77(ATCC CRL-162
1 )、慢性骨髄性白血病由来K562(ATCC CCL-243)など
を用いることができる。
【0039】上記細胞をPBS(-)で洗浄した後、 FACS 緩
衝液(2 %ウシ胎児血清、0.05%アジ化ナトリウム含有
PBS(-))で25μg/ml に希釈した抗体あるいはコントロ
ール抗体 100μl を加え、氷温化30分インキュベートす
る。FACS 緩衝液で洗浄した後、25μg/mlのFITC標識ヤ
ギ抗マウス抗体(GAM, Becton Dickinson 製)100 μl
を加え、氷温化30分間インキュベートする。FACS 緩衝
液で洗浄した後、600μl のFACS 緩衝液に懸濁し、FAC
Scan (Becton Dickinson製)で各細胞の蛍光強度を測
定すればよい。
【0040】4.ノザンブロット 骨髄腫細胞内のBST-2 のmRNAの発現の強弱は、ノザンブ
ロト解析により測定することができる。実際には、以下
のようにして行うことができる。すなわち、骨髄腫細胞
株として、例えば多発性骨髄腫由来KPMM2 (特開平7-23
6475)、多発性骨髄腫由来RPMI8226(ATCC CCL-155)、
IgE 型骨髄腫由来U266B1(ATCC TIB-196)、IgG 型多発
性骨髄腫由来HS-Sultan (ATCC CRL-1484 )、形質細胞
腫由来ARH-77(ATCC CRL-1621 )、慢性骨髄性白血病由
来K562(ATCC CCL 243)など各々1.0x107 個をPBS(-)で
洗浄した後、TRIzol(GIBCO-BRL 製)1 mlを加え溶解す
る。これにクロロホルム200 μl を加え、撹拌後冷却高
速遠心機MRX-152 (トミー精工製)を用いて14000 rpm
で15分間遠心し、上層を回収する。
【0041】これにイソプロパノール500 μl を加え、
軽く撹拌後同様に15000 rpm で10分間遠心した後、沈殿
を70%エタノールで洗浄する。減圧乾燥後、DEPC処理水
に溶解させ、全RNA を得る。RNA 濃度については、一部
をさらにDEPC処理水で希釈し波長260 nmの吸光度をスペ
クトロフォトメーターDU 650(BECKMAN 製)を用いて測
定し、算出することができる。このようにして得た全RN
A を、20μg/レーンとなるようにホルムアルデヒドを含
む1 %アガロースゲルにアプライし、100Vにて電気泳動
を行う。電気泳動後、アガロースゲルからRNA をナイロ
ンメンブランハイボンドN (Amersham製)にキャピラリ
ートランスファーにより転写する。
【0042】転写後、ナイロンメンブランをRapid Hybr
idization buffer(Amersham製)で68℃で15分間プレハ
イブリダイゼイションした後、BST-2 抗原cDNAをクロー
ニングしたプラスミドpUC-HM(315) のHind III断片(31
5bp )またはEcoR I-Not I断片(約900bp )を鋳型とし
てrandom prime DNA labelling system (Amersham製)
により32P 標識したプローブDNA を加え、68℃で2 時間
ハイブリダイゼイションする。ナイロンメンブランを0.
1 %SDS 含有2x SSC溶液、0.1 %SDS 含有0.2xSSC溶液
でそれぞれ2 回ずつ洗浄した後、BAS-5000(富士フィル
ム製)にてBST-2 mRNAの検出を行うことができる。
【0043】5.細胞障害活性 5-1.CDC 活性の測定 本発明に使用される抗体は、細胞障害活性として、例え
ば、補体依存性細胞傷害(complement-dependent cytot
oxicity ; CDC )活性を有する抗体である。本発明の骨
髄腫治療剤の骨髄腫細胞に対するCDC 活性は、次のよう
にして測定することができる。まず標的細胞を適当な培
地、例えば10% ウシ胎児血清(GIBCO-BRL 製)含有RPMI
1640培地(GIBCO-BRL 製)で、4 x 105 個/ml になるよ
うに調製する。標的細胞としては、多発性骨髄腫由来KP
MM2 (特開平7-236475)、多発性骨髄腫由来RPMI8226
(ATCC CCL-155)、IgE 型骨髄腫由来U266B1(ATCC TIB
-196)、IgG 型多発性骨髄腫由来HS-Sultan (ATCC CRL
-1484 )、形質細胞腫由来ARH-77(ATCC CRL-1621 )、
慢性骨髄性白血病由来K562(ATCC CCL 243)などを用い
ることができる。
【0044】これら細胞を96穴平底プレート(FALCON
製)に50μl 加え、37℃CO2 インキュベーター中で一晩
培養する。次いで、CDC 活性を測定する抗体を加え、60
分間インキュベートした後、適当に希釈した補体、例え
ばBaby Rabbit Complement(CEDARLANE 製)を加え、2
時間インキュベートする。これにAlamar Bule (BIO SO
URCE製)を各穴に10μl 加え、4 時間インキュベートし
た後、各穴の蛍光強度(励起波長530 nm、検出波長590
nm)を蛍光測定システムCytoFluor 2350(MILLIPORE
製)で測定する。細胞障害活性は(%)は、(A-C )/
(B-C )x 100 で計算することができる。なお、A は抗
体存在下でインキュベートしたときの蛍光強度、B は抗
体を含まず培養液のみでインキュベートしたときの蛍光
強度、C は細胞を含まない穴の蛍光強度である。
【0045】5-2.ADCC活性の測定 本発明に使用される抗体は、細胞障害活性として、例え
ば、抗体依存性細胞性細胞傷害(antibody-dependent c
ell-mediated cytotoxicity ; ADCC)活性を有する抗体
である。本発明の骨髄腫治療剤の骨髄腫細胞に対するAD
CC活性は、次のようにして測定することができる。ま
ず、ヒトの末梢血や骨髄より比重遠心法で単核球を分離
し、エフェクター細胞として調製する。また、標的細胞
としては多発性骨髄腫由来KPMM2 (特開平7-236475)、
多発性骨髄腫由来RPMI8226(ATCC CCL-155)、IgE 型骨
髄腫由来U266B1(ATCC TIB-196)、IgG 型多発性骨髄腫
由来HS-Sultan (ATCC CRL-1484 )、形質細胞腫由来AR
H-77(ATCC CRL-1621 )などを51Crにより標識して、標
的細胞として調製する。次いで、標識した標的細胞にAD
CC活性を測定する抗体を加えインキュベートし、その
後、標的細胞に対し適切な比のエフェクター細胞を加え
インキュベートする。
【0046】インキュベートした後上清を取り、ガンマ
カウンターで放射活性を測定する。その際、最大遊離放
射能測定用に、1 %のNP-40 を用いることができる。細
胞障害活性(%)は、(A-C )/ (B-C )x 100 で計算
することができる。なお、Aは抗体存在下において遊離
された放射活性(cpm )、B はNP-40 により遊離された
放射活性(cpm )、C は抗体を含まず培養液のみで遊離
された放射活性(cpm)である。
【0047】5-3.細胞障害活性の増強 ADCC活性やCDC 活性のような細胞障害活性を発揮するに
は、ヒトにおいては抗体定常領域(C領域)としてC
γ、特にCγ1 又はCγ3 を使用することが好ましい。
さらに、抗体C領域のアミノ酸を一部付加、改変、修飾
することにより、より強力なADCC活性、あるいはCDC 活
性を誘導することができる。例えば、アミノ酸置換によ
るIgG のIgM 様ポリマー化(Smith, R. I. F. & Morris
on, S. L.BIO/TECHNOLOGY(1994) 12, 683-688)、アミ
ノ酸付加によるIgG のIgM 様ポリマー化(Smith, R. I.
F. et al. , J. Immunology(1995) 154, 2226-2236
)、L鎖をコードする遺伝子の直列連結での発現(Shu
ford, W. et al., Science (1991) 252, 724-727 )、
アミノ酸置換によるIgG の二量体化(Caron, P. C. et
al., J. Exp. Med. (1992) 176, 1191-1195 、Shopes,
B., J. Immunology (1992) 148, 2918-2922 )、化学
修飾によるIgG の二量体化(Wolff, E. A. et al.,Canc
er Res. (1993) 53, 2560-2565 )、および抗体ヒンジ
領域のアミノ酸改変によるエフェクター機能の導入(No
rderhaug, L. et al., Eur. J. Immunol. (1991) 21, 2
379-2384)が挙げられる。これらは、プライマーを利用
したオリゴマー部位特異的変異導入法、制限酵素切断部
位を利用した塩基配列の付加、共有結合をもたらす化学
修飾剤を使用することによって達成される。
【0048】6.投与経路および製剤 本発明の骨髄腫治療剤は、非経口的に全身あるいは局所
的に投与することができる。例えば、点滴などの静脈内
注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射を選択するこ
とができ、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択
することができる。有効投与量は、一回につき体重1 Kg
あたり0.01 mg から100 mgの範囲で選ばれる。あるい
は、患者あたり1 〜1000mg、好ましくは5 〜50 mg の投
与量を選ぶことができる。
【0049】本発明の骨髄腫治療剤は、投与経路次第で
医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであっ
てもよい。このような担体および添加物の例として、
水、医薬的に許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビ
ニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラ
チン、寒天、ジグリセリン、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステア
リルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン
(HSA )、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、
医薬添加物として許容される界面活性剤などが挙げられ
る。使用される添加物は、剤型に応じて上記の中から適
宜あるいは組合せて選択されるが、これらに限定される
ものではない。本発明の治療対象疾患としては、標的と
する腫瘍細胞上にBST-2 が存在する、骨髄腫である。本
発明の治療剤は、骨髄腫の治療剤として有用である。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。実施例1 . RS38(IgM 型抗BST-2 抗体)の作製 1. RS38を含むマウス腹水の作製 RS38産生ハイブリドーマは石川らの方法(Ishikawara,
J. et al., GENOMICS(1995) 26, 527-534)に従い得
た。
【0051】あらかじめ14及び4 日前に2,6,10,14-テト
ラメチルペンタデカン(和光純薬工業製)をそれぞれ50
0 μl ずつ腹腔内に投与したBALB/cマウス(日本クレア
製)に、本ハイブリドーマ5x106 個を腹腔内に注入し
た。ハイブリドーマ注入後9 日目より、マウスの腹腔内
に溜まった腹水を19ゲージの留置針ハッピーキャス(メ
ディキット製)で採取した。採取した腹水は低速遠心機
RLX-131 (トミー精工製)を用いて回転数1000及び3000
rpmで2 回遠心し、ハイブリドーマ、血球等の雑排物を
除去した。
【0052】2. マウス腹水からのRS38の精製 上記マウス腹水からのRS38の精製は以下の方法で行っ
た。マウス腹水に等量のPBS(-)を加えた後、中空糸フィ
ルターメディアプレップ(MILLIPORE 製)を用いてろ過
した後、高速抗体精製装置ConSep LC100(MILLIPORE
製)および抗マウスIgG+IgM 抗体結合カラム(カラム体
積 20 ml、日本ガイシ製)を用い、付属の説明書に基づ
き吸着緩衝液として0.02M リン酸緩衝液(pH7.6 )、洗
浄液としてWashバッファーA (日本ガイシ製)、溶出緩
衝液として0.2 M グリシン- 塩酸緩衝液(pH 2.5)を用
いてアフィニティー精製した。
【0053】溶出画分は直ちに1 M Tris-HCl (pH 8.0)
を添加してpH7.4 付近に調整した後、遠心限外濃縮器Ce
ntriprep 10 を用いて濃縮およびPBS(-)への緩衝液置換
を行い、孔径0.22μm のメンブランフィルターMILLEX-G
V (MILLIPORE 製)でろ過滅菌し、精製RS38を得た。 3. 抗体濃度の測定 精製抗体の濃度測定は吸光度の測定により行った。すな
わち、精製抗体をPBS(-)で希釈した後、280 nmの吸光度
を測定し、1 mg/ml を1.35 OD として算出した。
【0054】実施例2. RS38-E(IgG 型抗BST-2 抗体)
の作製 1. RS38-Eを含むマウス腹水の作製 RS38-E産生ハイブリドーマは石川らの方法(Ishikawar
a, J. et al., GENOMICS (1995) 26, 527-534)に従い
得た。上記実施例1-1 に従い、RS38-Eを含むマウス腹水
を得た。
【0055】2. マウス腹水からのRS38-Eの精製 上記マウス腹水からのRS38-Eの精製は以下の方法で行っ
た。マウス腹水に等量のPBS(-)を加えた後、中空糸フィ
ルターメディアプレップ(MILLIPORE 製)を用いてろ過
した後、高速抗体精製装置ConSep LC100(MILLIPORE
製)およびHyperD Protein A カラム(カラム体積 20 m
l、日本ガイシ製)を用い、付属の説明書に基づき吸着
緩衝液として1.5Mグリシン+3M 塩化ナトリウム緩衝液
(pH8.9 )、溶出緩衝液として0.1 M クエン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH 6)を用いてアフィニティー精製した。
【0056】溶出画分は直ちに1 M Tris-HCl (pH 8.0)
を添加してpH7.4 付近に調整した後、遠心限外濃縮器Ce
ntriprep 10 を用いて濃縮およびPBS(-)への緩衝液置換
を行い、孔径0.22μm のメンブランフィルターMILLEX-G
V (MILLIPORE 製)でろ過滅菌し、精製RS38-Eを得た。
精製抗体の濃度測定は上記実施例1-3 に従った。
【0057】実施例3. 抗BST-2 抗体の骨髄腫細胞に対
する反応性の検討 1. コントロールマウスIgG1(MOPC-31C)の作製および精
製 コントロールマウスIgG1(MOPC-31C)の作製および精製は
以下の方法で行った。1-a. MOPC-31C を含むマウス腹水
の作製 MOPC-31C産生ハイブリドーマ(ATCC CCL 130)を上記実施
例1-1 に従い、BALB/cマウスの腹腔内に注入し、MOPC-3
1Cを含むマウス腹水を得た。 1-b. マウス腹水からのMOPC-31Cの精製 上記マウス腹水からのMOPC-31Cの精製は上記実施例2-2
に従った。精製抗体の濃度測定は上記実施例1-3 に従っ
【0058】2. FCM 解析 抗BST-2 抗体の骨髄腫細胞に対する反応性の検討は、FC
M (フローサイトメトリー)解析で行った。多発性骨髄
腫由来KPMM2 (特開平7-236475)、IgG 型形質細胞腫由
来ARH-77(ATCC CRL-1621 )、多発性骨髄腫由来RPMI82
26(ATCC CCL-155)、IgE 型骨髄腫由来U266B1(ATCC T
IB-196)、IgG 型多発性骨髄腫由来HS-Sultan (ATCC C
RL-1484 )、慢性骨髄性白血病由来K562(ATCC CCL 24
3)をPBS(-)で洗浄した後、 FACS 緩衝液(2 %ウシ胎
児血清、0.05%アジ化ナトリウム含有 PBS(-) )で25μ
g/ml に希釈したRS38-EあるいはMOPC-31C 100μl を加
え、氷温化30分インキュベートした。
【0059】FACS 緩衝液で洗浄した後、25μg/mlのFI
TC標識ヤギ抗マウス抗体(GAM )100 μl を加え、氷温
化30分間インキュベートした。FACS 緩衝液で洗浄した
後、600 μl のFACS 緩衝液に懸濁し、FACScan (Bect
on Deckinson社製)で各細胞の蛍光強度を測定した。そ
の結果、図1に示すように、骨髄腫細胞株では全例でRS
38-Eと強く反応し、細胞上にBST-2 を高発現しているこ
とが確認された。一方、非骨髄腫細胞株であるK562はRS
38-Eとほとんど反応せず、細胞表面のBST-2 の発現がな
いか、あるいは非常に弱いものと思われた。
【0060】実施例4. ノザンブロット解析 細胞内のBST-2 のmRNAの発現を調べるためのノザンブロ
ット解析は、以下のように行った。 1. Total RNA の調製 多発性骨髄腫由来KPMM2 (特開平7-236475)、多発性骨
髄腫由来RPMI8226(ATCC CCL-155)、IgE 型骨髄腫由来
U266B1(ATCC TIB-196)、慢性骨髄性白血病由来K562
(ATCC CCL 243)各々1.0x107 個をPBS(-)で洗浄した
後、TRIzol(GIBCO-BRL 製)1 mlを加え溶解した。これ
にクロロホルム200 μl を加え、撹拌後冷却高速遠心機
MRX-152 (トミー精工製)を用いて14000 rpm で15分間
遠心し、上層を回収した。
【0061】これにイソプロパノール500 μl を加え、
軽く撹拌後同様に15000 rpm で10分間遠心した後、沈殿
を70%エタノールで洗浄した。減圧乾燥後、DEPC処理水
に溶解させ、全RNA を得た。RNA 濃度については、一部
をさらにDEPC処理水で希釈し波長260 nmの吸光度をスペ
クトロフォトメーターDU 650(BECKMAN 製)を用いて測
定し、RNA 濃度を算出した。
【0062】2. ノザンハイブリダイゼイション 上記1 で得た全RNA を20μg/レーンとなるようにホルム
アルデヒドを含む1 %アガロースゲルにアプライし、10
0Vにて電気泳動を行った。電気泳動後、アガロースゲル
からRNA をナイロンメンブラン ハイボンドN (Amersh
am製)にキャピラリートランスファーにより転写した。
転写後、ナイロンメンブランをRapid Hybridization bu
ffer(Amersham製)で68℃で15分間プレハイブリダイゼ
イションした後、BST-2 のcDNAをクローニングしたプラ
スミドpUC-HM(315) のHind III断片(315bp )またはEc
oR I- Not I 断片(約900bp )を鋳型としてrandom pri
meDNA labelling system (Amersham製)により32P 標
識したプローブDNA を加え、68℃で2 時間ハイブリダイ
ゼイションした。
【0063】ナイロンメンブランを0.1 %SDS 含有2x S
SC溶液、0.1 %SDS 含有0.2x SSC溶液でそれぞれ2 回ず
つ洗浄した後、BAS-5000(富士フィルム製)にてBST-2
mRNAの検出を行った。その結果、図7に示す通り、K562
ではBST-2 mRNAの発現が弱いのに比較して、KPMM2 、RP
MI8226、U266B1ではいずれもBST-2 mRNAのバンドが強
く、これら骨髄腫細胞株ではBST-2 mRNAが強く発現して
いることが明らかとなった。
【0064】実施例5. CDC活性の測定 抗BST-2 抗体の、骨髄腫細胞に対するCDC 活性は、以下
のようにして測定した。 1. 標的細胞の調製 標的細胞として多発性骨髄腫由来RPMI8226(ATCC CCL-1
55)、IgE 型骨髄腫由来U266B1(ATCC TIB-196)、IgG
型多発性骨髄腫由来HS-Sultan (ATCC CRL-1484 )、慢
性骨髄性白血病由来K562(ATCC CCL 243)を、10% ウシ
胎児血清(GIBCO 製)含有RPMI 1640 培地(GIBCO 製)
で4 x 105 個/ml になるように調製した。これら細胞懸
濁液を96穴平底プレート(FALCON製)に50μl 加え、37
℃、5 %CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で一
晩培養した。
【0065】2. RS38の調製 前記実施例1 で得られた精製RS38を、10% ウシ胎児血清
(GIBCO-BRL 製)含有RPMI1640培地(GIBCO-BRL 製)で
0 、0.2 、2 及び20μg/mlに調製し、上記1 で作製した
96穴平底プレートの各穴に50μl ずつ加えた。37℃、5
%CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で60分間イ
ンキュベートした後、低速遠心機05PR-22 (日立製)を
用いて、1000 rpm、5 分間遠心し、上清50μl を除去し
た。 3. 補体の調製 Baby Rabbit Complement(CEDARLANE 製)を1 バイアル
あたり1 mlの精製水で溶解し、さらにFCS 不含RPMI 164
0 培地(GIBCO 製)5 mlで希釈した。これを上記2 の96
穴平底プレートの各穴に50μl 添加し、37℃、5 %CO2
高湿インキュベーター(TABAI 製)中で2 時間インキュ
ベートした。
【0066】4. CDC 活性の測定 インキュベート後、上記3 の96穴平底プレートの各穴に
Alamar Bule (BIO SOURCE製)を10μl ずつ加え、37
℃、5 %CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で4
時間インキュベートした後、各穴の蛍光強度(励起波長
530 nm、検出波長590 nm)を蛍光測定システムCytoFluo
r 2350(MILLIPORE 製)で測定した。細胞障害活性
(%)は、(A-C )/ (B-C )x 100 で計算した。な
お、A は抗体存在下でインキュベートしたときの蛍光強
度、B は抗体を含まず培養液のみでインキュベートした
ときの蛍光強度、C は細胞を含まない穴の蛍光強度であ
る。
【0067】その結果、図8に示すように、FCM 解析で
RS38-Eとの反応が弱く、さらにノザンブロット解析でも
BST-2 のmRNAの発現が比較的弱かったK562では、RS38を
添加しても細胞障害が起きなかったのに対し、FCM 解析
でRS38-Eと強く反応し、BST-2 のmRNAの発現も強いRPMI
8226、U266B1、HS-Sultan では、いずれも添加したRS38
の濃度依存的に細胞障害が見られた。このことから、抗
BST-2 抗体は、細胞表面にBST-2 を高発現している骨髄
腫細胞に対して、CDC 活性を示すことが明らかとなっ
た。
【0068】
【発明の効果】抗BST-2 抗体の処理により、骨髄腫細胞
においてCDC による細胞障害が認められた。このことか
ら、抗BST-2 抗体は骨髄腫細胞に対し、抗腫瘍効果を有
することが示される。
【0069】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1013 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA 配列0 GAATTCGGCA CGAGGGATCT GG ATG GCA TCT ACT TCG TAT GAC TAT TGC AGA 52 Met Ala Ser Thr Ser Tyr Asp Tyr Cys Arg 1 5 10 GTG CCC ATG GAA GAC GGG GAT AAG CGC TGT AAG CTT CTG CTG GGG ATA 100 Val Pro Met Glu Asp Gly Asp Lys Arg Cys Lys Leu Leu Leu Gly Ile 15 20 25 GGA ATT CTG GTG CTC CTG ATC ATC GTG ATT CTG GGG GTG CCC TTG ATT 148 Gly Ile Leu Val Leu Leu Ile Ile Val Ile Leu Gly Val Pro Leu Ile 30 35 40 ATC TTC ACC ATC AAG GCC AAC AGC GAG GCC TGC CGG GAC GGC CTT CGG 196 Ile Phe Thr Ile Lys Ala Asn Ser Glu Ala Cys Arg Asp Gly Leu Arg 45 50 55 GCA GTG ATG GAG TGT CGC AAT GTC ACC CAT CTC CTG CAA CAA GAG CTG 244 Ala Val Met Glu Cys Arg Asn Val Thr His Leu Leu Gln Gln Glu Leu 60 65 70 ACC GAG GCC CAG AAG GGC TTT CAG GAT GTG GAG GCC CAG GCC GCC ACC 292 Thr Glu Ala Gln Lys Gly Phe Gln Asp Val Glu Ala Gln Ala Ala Thr 75 80 85 90 TGC AAC CAC ACT GTG ATG GCC CTA ATG GCT TCC CTG GAT GCA GAG AAG 340 Cys Asn His Thr Val Met Ala Leu Met Ala Ser Leu Asp Ala Glu Lys 95 100 105 GCC CAA GGA CAA AAG AAA GTG GAG GAG CTT GAG GGA GAG ATC ACT ACA 388 Ala Gln Gly Gln Lys Lys Val Glu Glu Leu Glu Gly Glu Ile Thr Thr 110 115 120 TTA AAC CAT AAG CTT CAG GAC GCG TCT GCA GAG GTG GAG CGA CTG AGA 436 Leu Asn His Lys Leu Gln Asp Ala Ser Ala Glu Val Glu Arg Leu Arg 125 130 135 AGA GAA AAC CAG GTC TTA AGC GTG AGA ATC GCG GAC AAG AAG TAC TAC 484 Arg Glu Asn Gln Val Leu Ser Val Arg Ile Ala Asp Lys Lys Tyr Tyr 140 145 150 CCC AGC TCC CAG GAC TCC AGC TCC GCT GCG GCG CCC CAG CTG CTG ATT 532 Pro Ser Ser Gln Asp Ser Ser Ser Ala Ala Ala Pro Gln Leu Leu Ile 155 160 165 170 GTG CTG CTG GGC CTC AGC GCT CTG CTG CAG TGAGATCCCA GGAAGCTGGC 582 Val Leu Leu Gly Leu Ser Ala Leu Leu Gln 175 180 ACATCTTGGA AGGTCCGTCC TGCTCGGCTT TTCGCTTGAA CATTCCCTTG ATCTCATCAG 642 TTCTGAGCGG GTCATGGGGC AACACGGTTA GCGGGGAGAG CACGGGGTAG CCGGAGAAGG 702 GCCTCTGGAG CAGGTCTGGA GGGGCCATGG GGCAGTCCTG GGTGTGGGGA CACAGTCGGG 762 TTGACCCAGG GCTGTCTCCC TCCAGAGCCT CCCTCCGGAC AATGAGTCCC CCCTCTTGTC 822 TCCCACCCTG AGATTGGGCA TGGGGTGCGG TGTGGGGGGC ATGTGCTGCC TGTTGTTATG 882 GGTTTTTTTT GCGGGGGGGG TTGCTTTTTT CTGGGGTCTT TGAGCTCCAA AAAAATAAAC 942 ACTTCCTTTG AGGGAGAGCA CACCTTAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAATTC 1002 GGGCGGCCGC C 1013
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりKPMM2 をFCM 解析したと
きのヒストグラムを示す。
【図2】図2は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりARH-77をFCM 解析したと
きのヒストグラムを示す。
【図3】図3は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりRPMI8226をFCM 解析した
ときのヒストグラムを示す。
【図4】図4は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりU266B1をFCM 解析したと
きのヒストグラムを示す。
【図5】図5は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりHS- SultanをFCM 解析し
たときのヒストグラムを示す。
【図6】図6は、RS38-EおよびコントロールマウスIgG1
(MOPC-31C)で、間接法によりK562をFCM 解析したとき
のヒストグラムを示す。
【図7】図7は、BST-2 に対するプローブを用いてノザ
ンブロットを行ったときのオートラジオグラフィーであ
り、K562ではBST-2 mRNAの発現が弱いのに対し、KPMM
2、RPMI8226、U266B1ではいずれもBST-2 mRNAの発現が
強いことを示す。
【図8】図8は、RS38がK562に対しては細胞障害活性を
示さないのに対し、骨髄腫細胞株であるRPMI8226、U266
B1、HS-Sultan に対しては、濃度依存的にCDC 活性によ
る細胞障害を引き起こしていることを示すグラフであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有
    するタンパク質に特異的に結合する抗体を有効成分とし
    て含有する骨髄腫治療剤。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有
    するタンパク質に特異的に結合し、かつ、細胞障害活性
    を有する抗体を有効成分として含有する骨髄腫治療剤。
  3. 【請求項3】 抗体が、モノクローナル抗体である請求
    項1又は2記載の骨髄腫治療剤。
  4. 【請求項4】 細胞障害活性が、ADCC活性またはCDC 活
    性である請求項2又は3記載の骨髄腫治療剤。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示されるアミノ酸配列にお
    いて、1〜複数個のアミノ酸が置換、欠失及び/又は挿
    入されたアミノ酸配列を有し、タンパク質かつ、プレB
    細胞増殖支持能を有するタンパク質に特異的に結合する
    抗体を有効成分とする請求項1〜4のいずれか1項記載
    の骨髄腫治療剤。
JP27496097A 1997-09-24 1997-09-24 骨髄腫治療剤 Pending JPH1192399A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27496097A JPH1192399A (ja) 1997-09-24 1997-09-24 骨髄腫治療剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27496097A JPH1192399A (ja) 1997-09-24 1997-09-24 骨髄腫治療剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1192399A true JPH1192399A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17548976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27496097A Pending JPH1192399A (ja) 1997-09-24 1997-09-24 骨髄腫治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1192399A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002057316A1 (fr) * 2000-12-28 2002-07-25 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Nouvel anticorps monoclonal
WO2003068259A1 (en) 2002-02-14 2003-08-21 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Antibody-containing solution pharmaceuticals
US7332289B2 (en) 2001-03-09 2008-02-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Method of purifying protein

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002057316A1 (fr) * 2000-12-28 2002-07-25 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Nouvel anticorps monoclonal
US7332289B2 (en) 2001-03-09 2008-02-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Method of purifying protein
US7927815B2 (en) 2001-03-09 2011-04-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Protein purification method
WO2003068259A1 (en) 2002-02-14 2003-08-21 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Antibody-containing solution pharmaceuticals
US8921527B2 (en) 2002-02-14 2014-12-30 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Antibody-containing solution formulations

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1374901B1 (en) Graft rejection suppressors
KR100655979B1 (ko) 임파구계 종양의 치료제
EP1072273B1 (en) Vascularization inhibitors
US8287863B2 (en) Method for treating myeloma utilizing an expression enhancer for HM1.24 antigen
JP3986439B2 (ja) 造血器腫瘍の治療剤
CA2308007C (en) Enhancer for antibody to lymphocytic tumors
KR20000075732A (ko) 임파구의 활성화 억제제
JPH1192399A (ja) 骨髄腫治療剤
US20020034507A1 (en) Inhibitor of lymphocyte activation
JP3886238B2 (ja) リンパ球系腫瘍の治療剤
JPH10298106A (ja) リンパ球の活性化抑制剤
JP4522431B2 (ja) 造血器腫瘍の治療剤
JP2003201299A (ja) リンパ球系腫瘍の治療剤
MXPA99007358A (en) Remedies for lymphocytic tumors
CZ285499A3 (cs) Léčebné činidlo pro lymfatické nádory, protilátka, chimerní protilátka a pozměněná protilátka

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Effective date: 20040322

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02