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JPH1180636A - 水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH1180636A
JPH1180636A JP25795897A JP25795897A JPH1180636A JP H1180636 A JPH1180636 A JP H1180636A JP 25795897 A JP25795897 A JP 25795897A JP 25795897 A JP25795897 A JP 25795897A JP H1180636 A JPH1180636 A JP H1180636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
carbon black
jet recording
head
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25795897A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Teraoka
恒 寺岡
Yoshihisa Takizawa
吉久 滝沢
Koichi Osumi
孝一 大角
Yoshifumi Hattori
能史 服部
Takashi Katsuragi
隆司 葛城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP25795897A priority Critical patent/JPH1180636A/ja
Publication of JPH1180636A publication Critical patent/JPH1180636A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックを色材とするインクであり
ながら、印字濃度が高く、完全耐水、完全耐光性を満た
した画像特性に優れる画像が得られ、且つインクの保存
安定性に優れ、目詰まりを生じることなく安定吐出が行
なえる水性顔料インク、該インクを用いたインクジェッ
ト記録方法及び記録装置の提供。 【解決手段】 色材として少なくとも一種の親水性基が
直接若しくは他の原子団を介してカーボンブラックの表
面に結合された自己分散型カーボンブラックを含有する
水性顔料インクにおいて、自己分散型カーボンブラック
が、その平均粒子径をA(nm)、及び黒色度指数をB
とした場合に、A≧20、且つB/A≧5.0の関係を
満たす自己分散型カーボンブラックである水性顔料イン
ク、該インクを用いたインクジェット記録方法及びイン
クジェット記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性顔料インク、
インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に
関し、更に詳しくは、インクジェット記録に適した自己
分散型カーボンブラックを色材として用いた水性顔料イ
ンク、該インクを用いたインクジェット記録方法及びイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷インクの黒色着色剤として、
耐水性や耐光性等の堅牢性に優れたカーボンブラックが
広く用いられているが、カーボンブラックを水性インク
の着色剤(色材)として用いるためには、水性媒体中に
カーボンブラックを安定して分散させることが要求され
る。これに対し、カーボンブラックは、一般的には分散
性がよくないため、均一分散系を得る手段として、イン
クに分散剤を添加してカーボンブラックを水性媒体中に
分散させる方法が採られている。しかしながら、この分
散剤を使用する方法によっても充分に満足し得る分散性
が得られず、このため、特にカーボンブラックを分散さ
せたインクでは長期保存安定性に劣るという問題があっ
た。
【0003】一方、一般に、インクがインクジェット記
録に良好に用いられるためには、インクジェット記録ヘ
ッドの微細な先端からインクが安定な液滴となって吐出
されることが要求される。このため、インクジェット記
録用インクには、インクジェット記録ヘッドのオリフィ
スの乾燥によってインクの固化等が発生しないこと等の
性能が必要となる。しかしながら、上記した分散剤が含
有されたインクをインクジェット記録に用いた場合に
は、分散剤を形成している高分子材料がオリフィス等に
付着した後、再溶解されずに、目詰まりや液滴の不吐出
等を生じることがある。又、分散剤を含む水性顔料イン
クは粘稠であり、長時間にわたる連続吐出及び高速印字
を行う際にノズル先端までの経路で抵抗を生じ、吐出が
不安定になってスムーズな記録が困難になるという問題
もあった。又、通常の場合と同様に、インクジェット記
録によって黒色印字を行う上での充分な画像濃度が求め
られるため、インク中に含有させるカーボンブラックに
対して、ある程度の濃度が要求される。
【0004】これに対し、上記したカーボンブラックの
良好な分散を目的として分散剤が含有されているインク
の抱える種々の問題を解決するため、以下のような報告
がされている。例えば、特開平3−234772号公報
や、特開平5−202324号公報や、特開平6−19
36号公報には、顔料の最大粒径や、平均粒径、粒径分
布等を規定したインクが記載されている。又、特開平8
−151546号公報には、粒径の異なるカーボンブラ
ックを使用し、その比率を限定したインクが記載されて
いる。又、特開平3−134073号公報には、保存安
定性、バブルジェット記録装置における吐出性に優れた
分散体が得られ易いインクジェット用インクが記載され
ている。
【0005】更に、特開平5−186704号公報や特
開平8−3498号公報には、カーボンブラックの表面
に水溶性基を導入することによって、分散剤を使用する
ことなく、インク中に、カーボンブラックを安定に分散
させることができる自己分散型カーボンブラックが記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開平3−234772号公報、特開平5−2023
24号公報及び特開平6−1936号公報に記載されて
いるような、顔料の粒径等を規定したインクの場合に
は、保存安定性、分散安定性はよくても、樹脂或いは分
散剤が含有されているために、目詰まりや液滴の不吐出
等が生じる場合があったり、長時間にわたる連続吐出及
び高速印字を行う際に、ノズル先端までの経路で抵抗を
起こして吐出が不安定になって、スムーズな記録が困難
になる場合がある。
【0007】又、上記した特開平8−151546号公
報に記載されているようなインクの場合も、樹脂或いは
分散剤を含有しているために、目詰まりや液滴の不吐出
等が生じる場合があったり、長時間にわたる連続吐出及
び高速印字を行う際に、ノズル先端までの経路で抵抗を
起こし、吐出が不安定になり、スムーズな記録が困難に
なる場合があった。更に、長期保存後に、カーボンブラ
ックの粒径の大きいものと小さいものとが分離してしま
い、得られる画像の濃度が異なってしまうという問題が
生じる場合もあった。又、上記した特開平3−1340
73号公報に記載されているインクは、確かに保存安定
性及びバブルジェット記録装置における吐出性に優れた
分散体を得易いが、印字濃度が不足しがちになり、印字
品位に優れた高濃度画像が得られにくいという問題があ
った。
【0008】又、先に挙げた分散剤を使用しない特開平
5−186704号公報や特開平8−3498号公報に
記載されているインクの場合には、目詰まりや液滴の不
吐出の問題や、長時間にわたる連続吐出及び高速印字を
行う際に分散剤を含有しているインクで生じていた、ノ
ズル先端までの経路で抵抗を起こして吐出が不安定にな
ってスムーズな記録が困難になるといった問題はない
が、高い印字濃度の確保と保存安定性の両立が図れない
場合がある。即ち、自己分散型のカーボンブラックを使
用したインクの場合には、カーボンブラックの粒径が大
き過ぎると、長期間保存した場合にカーボンブラック粒
子が沈降してしまうことがあったり、又、粒径が小さ過
ぎると印字濃度が低過ぎたりすることが生じる。
【0009】従って、本発明の目的は、カーボンブラッ
クを色材とするインクでありながら、インクジェット記
録に用いた場合に、印字濃度が高く、印字品位が良好
で、且つ、完全耐水、完全耐光性を満たした画像特性に
優れる画像が得られ、更に、インクの保存安定性に優
れ、同時に、目詰まりを生じることなく、安定吐出を行
うことができる水性顔料インク、該インクを用いたイン
クジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも色材
とこれを分散する水溶性有機溶剤と水とからなり、色材
として少なくとも一種の親水性基が直接若しくは他の原
子団を介してカーボンブラックの表面に結合された自己
分散型カーボンブラックを含有する水性顔料インクにお
いて、自己分散型カーボンブラックが、自己分散型カー
ボンブラックの平均粒子径をA(nm)、及び黒色度指
数をBとした場合に、AとBとが下記の2式の関係を満
たす自己分散型カーボンブラックであることを特徴とす
る水性顔料インク、該インクを用いたインクジェット記
録方法及びインクジェット記録装置である。 A≧20 B/A≧5.0 (上記式中の黒色度指数は、ニグロメーターによって測
定した値である。)
【0011】先に述べたように、通常、水性顔料インク
の場合は、インク中に顔料を分散させるために何らかの
分散剤を添加するため、インクジェット記録に利用した
場合においては、この分散剤を含むことによる弊害が生
じ易い。例えば、高分子型の分散剤を用いた場合には、
ヘッド部のフェイス面が濡れ易くなったり、目詰まりが
起こったりする。又、界面活性剤型の分散剤を用いた場
合には、得られる画像の印字濃度が不十分で印字品位に
劣ったり、更に、ヘッド部のフェイス面が濡れ易い等の
問題がある。
【0012】これに対し、上記した本発明のインクジェ
ット記録方法及びインクジェット記録装置で使用するブ
ラックインク中に含有している特定のカーボンブラック
の場合には、分散剤を含有させなくても、カーボンブラ
ック自体がインク中に所謂自己分散するので、分散剤を
含むことによる上記に挙げた弊害を生じることはない。
即ち、本発明で使用するカーボンブラックは、その表面
に、少なくとも一種の親水性基が直接若しくは他の原子
団を介して結合されているので、これらの親水性基の働
きによって、インク中において、カーボンブラック自体
が水等の水性媒体中に対して安定した分散状態を保つこ
とができるので、顔料をインク中に分散させるための分
散剤を特に必要としない。この結果、先に挙げたよう
な、インク中に分散剤を含むことに起因する弊害を生じ
ない。
【0013】しかしながら、先に述べたように、自己分
散型のカーボンブラックを使用したインクの場合には、
カーボンブラックの粒径が大き過ぎると、長期間保存し
た場合にカーボンブラック粒子が沈降してしまうことが
あったり、又、粒径が小さ過ぎると印字濃度が低すぎた
りすることがあり、保存安定性と高い印字濃度の両立の
問題があった。
【0014】本発明者らは、上記した従来技術の課題を
解決すべく、鋭意研究の結果、カーボンブラックの平均
粒子径をA(nm)とし、カーボンブラックの黒色度指
数をBとした場合に、AとBとの間に下記の関係が成立
すれば、当該インクを使用してインクジェット記録を行
った場合に、高い印字濃度を有する高品位画像が得ら
れ、且つ、インクを長期間保存した場合において、カー
ボンブラック粒子が沈降してインクの保存安定性が損な
われるといった問題も生じないことを知見して本発明に
至った。 A≧20 B/A≧5.0 更に、本発明者らの検討によれば、カーボンブラックの
平均粒子径A(nm)と、黒色度指数Bとの間に、下記
の関係が成立すれば、当該インクを使用してインクジェ
ット記録を行った場合に、より高印字濃度の高品位画像
が得られ、且つ、インクの長期間保存安定性も確保され
ることを知見して本発明に至った。 A≧20 B/A≧10.0
【0015】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明をより詳細に説明する。本発明の水性顔料イ
ンクが上記した優れた作用が得られる理由としては、以
下のように考えている。先ず、カーボンブラックの平均
粒子径Aが20nm未満では充分な印字濃度の画像を得
ることができない。しかし、カーボンブラックの平均粒
径が20nm以上で、画像を形成した場合に充分な印字
濃度を発現し得る大きさを有していても、カーボンブラ
ックの粒子が大き過ぎると、特に、分散剤を使用してい
ない自己分散型のカーボンブラックにおいては、分散安
定性を確保することができずに、長期間保存した場合等
にカーボンブラック粒子が沈降してしまうことが生じ
る。
【0016】一方、カーボンブラックの黒色度は、一般
に、カーボンブラックの粒子径が小さく、凝集体が小さ
いものほど高い黒色度を示すが、インクジェット用イン
クのようにカーボンブラックを分散させた系において
は、カーボンブラックの表面性状(pH、揮発分)も黒
色度に大きな影響を示す。又、必ずしも黒色度の高いカ
ーボンブラックが、高い隠蔽力や高い印字濃度を有する
画像を形成することができるとは限らないことが知られ
ている。これらのことに対し、本発明者らが種々検討し
たところ、自己分散型カーボンブラックの平均粒径A
と、該カーボンブラックの黒色度指数Bとの比の値B/
Aが、インクジェット用インク中におけるカーボンブラ
ックの分散安定性と、画像を形成した場合に発現する印
字濃度との間に関連性を有していることを知見した。そ
こで、本発明においては、自己分散型カーボンブラック
の黒色度指数Bとカーボンブラックの平均粒径Aとの比
の値B/Aを採用し、インクジェット用インク中におけ
るカーボンブラックの分散安定性と、画像を形成した場
合における高い印字濃度の発現との両立を図ることので
きる自己分散型カーボンブラックの条件について種々検
討を行った。
【0017】この結果、カーボンブラックの平均粒径が
20nm以上で、且つB/Aの値が5.0以上、更に好
ましくは10.0以上の自己分散型カーボンブラックを
インクジェット用インクの顔料として用いれば、分散剤
を含むことに起因する弊害がなく、しかも、自己分散型
カーボンブラックの分散安定性が長期間に亘って確保さ
れると共に、画像を形成した場合に充分な印字濃度を発
現し得るインクが得られることがわかった。即ち、カー
ボンブラックの平均粒子径Aが20nm未満では充分な
印字濃度の画像を得ることができず、又、自己分散型カ
ーボンブラックの平均粒子径Aが20nm以上であって
も、B/Aの値が5.0未満の場合には、分散安定性を
確保すると充分な印字濃度を発現し得るインクが得られ
ず、充分な印字濃度を発現し得るインクとすると、カー
ボンブラックの粒子が大き過ぎるために分散安定性を確
保することができず、カーボンブラック粒子が沈降して
しまう場合が生じる。
【0018】ここで、上記でいう自己分散型カーボンブ
ラックの平均粒子径A(nm)とは、以下に説明する方
法によって得られる平均粒子径である。即ち、本発明に
おいて使用する平均粒子径Aの値は、Endterの装
置によって測定される。
【0019】又、本発明において使用する自己分散型カ
ーボンブラックの黒色度指数Bとは、ニグロメーターに
よる測定で求められる。即ち、アマニ油で練ったカーボ
ンブラックによる光源からの反射光が鍍銀しない部分を
通った光と、鍍銀部分によって反射された光との明るさ
が一致した時の目盛りを読む方法である。
【0020】以下、本発明の水性顔料インクを構成する
各材料について説明する。本発明の水性顔料インクを構
成する色材としては、上記した関係を満足する平均粒子
径A(nm)及び黒色度指数Bを有する下記のような構
成の自己分散型のカーボンブラックを使用する。即ち、
本発明においては、少なくとも一種の親水基がカーボン
ブラックの表面に直接若しくは他の原子団を介して結合
した自己分散型のカーボンブラックを用いる。この結
果、従来のインクのようにカーボンブラックを分散させ
るための分散剤が不要となる。本発明で使用する自己分
散型のカーボンブラックとしては、イオン性を有するも
のが好ましく、例えば、アニオン性に帯電したものやカ
チオン性に帯電したものが好適である。
【0021】アニオン性に帯電したカーボンブラック表
面に結合されている親水性基としては、例えば、−CO
OM、−SO3M、−PO3HM、−PO32、−SO2
NH2、−SO2NHCOR(但し、式中のMは水素原
子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウム
を表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換
基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよい
ナフチル基を表わす。)等が挙げられる。本発明におい
ては、これらの中でも特に、−COOM、−SO3Mが
カーボンブラック表面に結合されたものを用いることが
好ましい。
【0022】又、上記親水性基中の「M」は、アルカリ
金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム等が挙げられ、有機アンモニウムとしては、モノ乃至
トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニ
ウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられ
る。アニオン性に帯電したカーボンブラックを得る方法
としては、カーボンブラック表面に−COONaを導入
する方法として、例えば、カーボンブラックを次亜塩素
酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられるが、勿論、本
発明はこれらに限定されるわけではない。
【0023】カチオン性に帯電したカーボンブラック表
面に結合されている親水性基としては、例えば、第4級
アンモニウム基が好ましく、より好ましくは、下記に挙
げる第4級アンモニウム基が挙げられ、本発明において
は、これらのいずれかがカーボンブラック表面に結合さ
れたものが色材として好ましく使用される。
【0024】
【化2】
【0025】上記した様な親水基が結合されたカチオン
性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法として
は、例えば、下記に示す構造のN−エチルピリジル基を
結合させる方法としては、カーボンブラックを3−アミ
ノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が
挙げられるが、勿論、本発明はこれに限定されない。
【0026】
【化3】
【0027】又、本発明においては、上記に挙げた様な
親水性基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表
面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例え
ば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有して
もよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基
が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介して
カーボンブラックの表面に結合する場合の具体例として
は、例えば、−C24COOM、−PhSO3M、−C5
10NH3 +等が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに
限定されない。
【0028】本発明の水性顔料インクに用いる自己分散
型カーボンブラックは、カーボンブラック表面の親水性
基によってカチオン性もしくはアニオン性に帯電してお
り、そのイオンの反発によって水分散性を有し、又、そ
の親水性基により親水性も向上している。そのため、長
期間放置されても、顔料の粒径や粘度が増大したりする
ことなく水性媒体中に安定して分散された水性顔料イン
クが得られる。
【0029】又、本発明において、上記した自己分散型
カーボンブラックは、1種類に限定されるものではな
く、2種以上を混合して使用して色調を調整してもよ
い。又、本発明の顔料インク中における自己分散型カー
ボンブラックの添加量としては、インク全重量に対し
て、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは1
〜10重量%の範囲とする。更に、自己分散型カーボン
ブラックに加えて染料を使用してインクの色調を調整し
てもよい。
【0030】又、本発明の水性顔料インクには保湿剤と
して下記一般式で表される化合物を含有してもよい。 H−(CH2)m−C−((CH2)nOH)3 (上記式中、m及びnは、それぞれ1〜5の整数を表わ
す。) 上記したような保湿剤の含有量としては、水性顔料イン
ク全量に対して、好ましくは1〜30重量%、より好ま
しくは1〜10重量%の範囲である。
【0031】本発明の水性顔料インクに含まれる水性媒
体は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒からなるが、水
溶性有機溶剤としては、インクの乾燥防止効果を有する
ものが特に好ましく、又、水は、種々のイオンを含有す
る一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが望ま
しい。
【0032】本発明で使用する水溶性有機溶剤として
は、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルア
ルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等
のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
オキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むアルキレングリコール類;グリセリン;トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン;エチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等
の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジ
メチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコ
ールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ルカノールアミン類;スルホラン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有
機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用すること
ができる。
【0033】本発明の水性顔料インク中に含有される上
記したような水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定され
ないが、インク全重量に対して、好ましくは3〜50重
量%の範囲である。又、インクに含有される水の含有量
は、インク全重量に対して、好ましくは50〜95重量
%の範囲である。又、本発明の水性顔料インクは、所望
の物性値を有するインクとするために、上記した成分の
他に必要に応じて、消泡剤、防腐剤、防カビ剤等を添加
することができ、更に、市販の水溶性染料等を添加する
こともできる。
【0034】以上のように本発明の水性顔料インクは、
インクジェット記録で用いられる際に、特に効果的であ
る。インクジェット記録方法としては、インクに力学的
エネルギーを作用させてインクを吐出する記録方法、及
びインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡によりイ
ンクを吐出するインクジェット記録方法があり、それら
のインクジェット記録方法に本発明の水性顔料インクは
特に好適である。
【0035】次に、上記した本発明の水性顔料インクを
用いて記録を行うのに好適な、本発明のインクジェット
記録装置の一例を以下に説明する。先ず、熱エネルギー
を利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッ
ド構成の一例を図1及び図2に示す。図1は、インク流
路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA
−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す
流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリ
コン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着
して得られる。発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化
シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、ア
ルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される
電極17−1及び17−2、HfB2、TaN、TaA
l等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱
酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層
19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の
放熱性のよい材料で形成される基板20よりなってい
る。
【0036】上記ヘッド13の電極17−1及び17−
2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板
15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接
しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニス
カス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を
通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24
となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、
図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の
外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26
を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じよ
うな発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0037】図4に、このヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持固定されており、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による
記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、
記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。
【0038】62は記録ヘッド65の突出口面のキャッ
プであり、ブレード61に隣接するホームポジションに
配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移
動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う
構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設
けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記
録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体
63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61
及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等
の除去が行われる。
【0039】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65
を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッ
ジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に
係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって
駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これ
によりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可
能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接
した領域の移動が可能となる。
【0040】51は被記録材を挿入するための紙給部、
52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラ
ーである。これらの構成により記録ヘッドの65吐出口
面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行す
るにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了して
ホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ
62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、
ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、
記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0041】尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出
面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は
記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記
録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移
動する場合、キャップ62及びブレード61は上記した
ワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、
この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピ
ングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0042】図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は
供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク
袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。4
4は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収
容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特に
ポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0043】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれ
らが一体になったものにも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであり、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納さ
れており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフ
ィスを有するヘッド部71から液滴として吐出される構
成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレ
タン、セルロース、ポリビニルアセテート又はポリオレ
フィン系樹脂を用いることが本発明にとって好ましい。
又、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ
等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72
はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通
口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッ
ド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ6
6に対して着脱自在になっている。
【0044】次に、力学的エネルギーを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズ
ルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置さ
れる圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この
圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧に
より圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズル
から吐出させるオンデマンドインクジェット記録装置を
挙げることができる。その記録装置の主要部である記録
ヘッドの構成の一例を図7に示す。
【0045】ヘッドは、インク室(不図示)に連通した
インク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するた
めのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作
用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電
気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレ
ート81、振動板82等を支持固定するための基板84
とから構成されている。
【0046】図7において、インク流路80は、感光性
樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステン
レス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あ
け等により吐出口85が形成され、振動板82はステン
レス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹
脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バ
リウム、PZT等の誘電体材料で形成される。以上のよ
うな構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電
圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電
素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路8
0内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリ
フィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行
うように動作する。このような記録ヘッドは、図4に示
したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで
使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、
先述と同様に行うもので差しつかえない。
【0047】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は下記実施例により限定
されるものではない。尚、文中「部」及び「%」とある
のは、特に断りのない限り重量基準である。
【0048】<実施例1> (顔料分散液1の作製)市販の酸性カーボンブラックP
EERLESS MK II(コロンビアン社製)を一般
的な次亜鉛素酸処理を行い、得られた顔料粒子を充分に
水洗した。この顔料ウエットケーキを水に再分散し、電
導度0.2μsまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔
料分散液を顔料濃度10重量%に濃縮し、酸処理するこ
とにより、カーボンブラックの表面に−COONa基が
結合されたアニオン性の自己分散型カーボンブラックが
分散された顔料分散液1を得た。上記のようにして得ら
れた自己分散型カーボンブラックの平均粒子径Aは26
nmであった。又、先に述べた方法によって黒色度指数
Bを測定したところ、160であった。これらの値から
B/Aの値を算出したところ、6.15であった。
【0049】(インク1の作製)以下の成分を混合し、
充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ3.0μmのミ
クロフィルター(富士写真フィルム製)にて加圧濾過して
インク1を調製した。 ・顔料分散液1 30部 ・トリメチロールプロパン 6部 ・グリセリン 6部 ・ジエチレングリコール 6部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・水 48部
【0050】<実施例2> (顔料分散液2の作製)市販の酸性カーボンブラックR
AVEN 11(コロンビアン社製)を一般的な次亜鉛
素酸処理を行い、得られた顔料粒子を充分に水洗した。
この顔料ウエットケーキを水に再分散し、電導度0.2
μsまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液を
顔料濃度10重量%に濃縮し、酸処理することにより、
カーボンブラックの表面に−COONa基が結合された
アニオン性の自己分散型カーボンブラックが分散された
顔料分散液2を得た。上記のようにして得られた自己分
散型カーボンブラックの平均粒子径Aは25nmであっ
た。又、先に述べた方法によって黒色度指数Bを測定し
たところ、160であった。これらの値からB/Aの値
を算出したところ、6.4であった。
【0051】(インク2の作製)以下の成分を混合し、
充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ3.0μmのミ
クロフィルター(富士写真フィルム製)にて加圧濾過し
てインク2を調製した。 ・顔料分散液2 30部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・グリセリン 6部 ・チオジグリコール 6部 ・水 50部
【0052】<比較例1> (顔料分散液3の作製)市販の酸性カーボンブラックS
TATEX(コロンビアン社製)を一般的な次亜鉛素酸
処理を行い、得られた顔料粒子を充分に水洗した。この
顔料ウエットケーキを水に再分散し、電導度0.2μs
まで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液を顔料
濃度10重量%に濃縮し、酸処理することにより、カー
ボンブラックの表面に−COONa基が結合されたアニ
オン性の自己分散型カーボンブラックが分散された顔料
分散液3を得た。上記のようにして得られた自己分散型
カーボンブラックの平均粒子径Aは54nmであった。
又、先に述べた方法によって黒色度指数Bを測定したと
ころ、95であった。これらの値からB/Aの値を算出
したところ、1.76であった。
【0053】(インク3の作製)以下の成分を混合し、
充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ3.0μmのミ
クロフィルター(富士写真フィルム製)にて加圧濾過し
てインク3を調製した。 ・顔料分散液3 30部 ・トリメチロールプロパン 6部 ・グリセリン 6部 ・ジエチレングリコール 6部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・水 48部
【0054】<比較例2> (顔料分散液4の作製)市販の酸性カーボンブラックS
TATEX F−12(デグサ社製)を一般的な次亜鉛
素酸処理を行い、得られた顔料粒子を充分に水洗した。
この顔料ウエットケーキを水に再分散し、電導度0.2
μsまで逆浸透膜で脱塩した。更に、この顔料分散液を
顔料濃度10重量%に濃縮し、酸処理することにより、
カーボンブラックの表面に−COONa基が結合された
アニオン性の自己分散型カーボンブラックが分散された
顔料分散液4を得た。上記のようにして得られた自己分
散型カーボンブラックの平均粒子径Aは29nmであっ
た。又、先に述べた方法によって黒色度指数Bを測定し
たところ、130であった。これらの値からB/Aの値
を算出したところ、4.48であった。
【0055】(インク4の作製)以下の成分を混合し、
充分撹拌して溶解させた後、ポアサイズ3.0μmのミ
クロフィルター(富士写真フィルム製)にて加圧濾過し
てインク4を調製した。 ・顔料分散液4 30部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・グリセリン 6部 ・チオジグリコール 6部 ・水 50部
【0056】
【表1】表1
【0057】[評価]上記の表1にまとめた実施例及び
比較例で得られたインク1〜4を、BC−21カートリ
ッジ(キヤノン製)に充填し、これを記録信号に応じた
熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐
出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するイン
クジェット記録装置BJC−4000(キヤノン製)を
用いて下記の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0058】(1)黒ベタ画像の濃度 ゼロックス製の4024PAPER(普通紙)に上記各
インクでベタ画像を印字し、その濃度を目視により評価
した。 ○:黒ベタ画像が充分黒い △:黒ベタ画像がやや薄い ×:黒ベタ画像が薄い
【0059】(2)保存安定性 100mlのインクを100mlのショット社製のガラ
ス瓶に入れ、60℃の恒温槽に1ケ月放置した後のイン
クの状態を目視により評価し、又、そのインクを上記B
C−21カートリッジに充填し、BJC−4000を用
いて印字を行い、その画像の濃度を目視により評価し
た。 ○:瓶の底に付着物も無く、印字しても保存前とO.D.
値に特に差がない △:瓶の底に付着物は無いが、印字すると保存前とO.
D.値が異なる ×:瓶の底に付着物があるか、又は印字すると保存前と
O.D.値が大きく異なる。
【0060】
【表2】表2:評価結果(実施例及び比較例)
【0061】
【発明の効果】カーボンブラックを色材とするインクで
ありながら、インクジェット記録に用いた場合に、印字
濃度が高く、印字品位が良好で、且つ、完全耐水、完全
耐光性を満たした画像特性に優れる画像が得られ、更
に、インクの保存安定性に優れ、同時に、目詰まりを生
じることなく、安定吐出を行うことができる水性顔料イ
ンク、該インクを用いたインクジェット記録方法及びイ
ンクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す
縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す
横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視
図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す縦断面図であ
る。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】インクジェット記録ヘッドの別の構成例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15:発熱ヘッド 16:保護膜 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク袋 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 80:インク流路 81:オリフィスプレート 82:振動板 83:圧電素子 84:基板 85:吐出口
フロントページの続き (72)発明者 服部 能史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 葛城 隆司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも色材とこれを分散する水溶性
    有機溶剤と水とからなり、色材として少なくとも一種の
    親水性基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブ
    ラックの表面に結合された自己分散型カーボンブラック
    を含有する水性顔料インクにおいて、自己分散型カーボ
    ンブラックが、自己分散型カーボンブラックの平均粒子
    径をA(nm)、及び黒色度指数をBとした場合に、A
    とBとが下記の2式の関係を満たす自己分散型カーボン
    ブラックであることを特徴とする水性顔料インク。 A≧20 B/A≧5.0 (上記式中の黒色度指数は、ニグロメーターによって測
    定した値である。)
  2. 【請求項2】 少なくとも色材とこれを分散する水溶性
    有機溶剤と水とからなり、色材として少なくとも一種の
    親水性基が直接若しくは他の原子団を介してカーボンブ
    ラックの表面に結合された自己分散型カーボンブラック
    を含有する水性顔料インクにおいて、自己分散型カーボ
    ンブラックが、自己分散型カーボンブラックの平均粒子
    径をA(nm)、及び黒色度指数をBとした場合に、A
    とBとが下記の2式の関係を満たす自己分散型カーボン
    ブラックであることを特徴とする水性顔料インク。 A≧20 B/A≧10.0 (上記式中の黒色度指数は、ニグロメーターによって測
    定した値である。)
  3. 【請求項3】 親水性基が、下記に示す親水性基の中か
    ら選択される少なくとも一種であり、他の原子団が、炭
    素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェ
    ニル基又は置換基を有してもよいナフチル基である請求
    項1又は請求項2に記載の水性顔料インク。 【化1】 (但し、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモ
    ニウム又は有機アンモニウムを表わし、Rは、炭素原子
    数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニ
    ル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)
  4. 【請求項4】 親水性基が、塩基性基である請求項1又
    は請求項2に記載の水性顔料インク。
  5. 【請求項5】 インクを記録信号に応じてオリフィスか
    ら吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記
    録方法において、インクが請求項1〜請求項4のいずれ
    かに記載のインクであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  6. 【請求項6】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    クを吐出する請求項5に記載のインクジェット記録方
    法。
  7. 【請求項7】 インクを収容したインク収容部、該イン
    クを吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニットに
    おいて、上記インクが請求項1〜4のいずれかに記載の
    インクであることを特徴とする記録ユニット。
  8. 【請求項8】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作用
    させてインクを吐出させるヘッドである請求項7に記載
    の記録ユニット。
  9. 【請求項9】 インク収容部がポリウレタン、セルロー
    ス、ポリビニルアセテート又はポリオレフィン系樹脂で
    形成されている請求項7に記載の記録ユニット。
  10. 【請求項10】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、上記インクが請求項1
    〜請求項4のいずれかに記載のインクであることを特徴
    とするインクカートリッジ。
  11. 【請求項11】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項10に記載のインクカート
    リッジ。
  12. 【請求項12】 インクを収容したインク収容部、該イ
    ンクを吐出させるためのヘッド部を有する記録ユニット
    を備えたインクジェット記録装置において、上記インク
    が請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクである
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作
    用させてインクを吐出させるヘッドである請求項12に
    記載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 インク収容部がポリウレタン、セルロ
    ース、ポリビニルアセテート又はポリオレフィン系樹脂
    で形成されている請求項12に記載のインクジェット記
    録装置。
  15. 【請求項15】 インクを吐出するための記録ヘッド、
    インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリ
    ッジ及びインクカートリッジから記録ヘッドにインクを
    供給するためのインク供給部を備えたインクジェット記
    録装置において、上記インクが請求項1〜請求項4のい
    ずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  16. 【請求項16】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギー
    を作用させてインクを吐出させるヘッドである請求項1
    5に記載のインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項15に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001030919A1 (en) * 1999-10-28 2001-05-03 Cabot Corporation Ink jet inks, inks, and other compositions containing colored pigments
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