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JPH1177069A - 窒素化合物含有排水の処理方法 - Google Patents

窒素化合物含有排水の処理方法

Info

Publication number
JPH1177069A
JPH1177069A JP24913097A JP24913097A JPH1177069A JP H1177069 A JPH1177069 A JP H1177069A JP 24913097 A JP24913097 A JP 24913097A JP 24913097 A JP24913097 A JP 24913097A JP H1177069 A JPH1177069 A JP H1177069A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
oxygen
treated water
nitrogen concentration
containing gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24913097A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Miyake
純一 三宅
Yusuke Shioda
祐介 塩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP24913097A priority Critical patent/JPH1177069A/ja
Publication of JPH1177069A publication Critical patent/JPH1177069A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】窒素化合物含有排水中のCODのみならず全窒
素をも安定的に除去し、該排水を浄化することのできる
簡便かつ経済的に優れた触媒湿式酸化処理方法を提供す
る。 【解決手段】排ガスの酸素濃度・処理水のpH・処理水
の亜硝酸態窒素濃度・処理水の硝酸態窒素濃度または両
者の和・処理水のアンモニア態窒素濃度等の制御因子の
うちのいずれかと処理水の全窒素濃度とを測定し、その
測定結果から触媒湿式酸化装置に供給する酸素含有ガス
量を増大させるか減少させるかを判断し、処理水の全窒
素濃度が予め設定された濃度値以下になるように酸素含
有ガス供給量を調整する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素化合物を含む排水
を処理し、排水の無害化を行う排水の処理方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、化学プラント、めっき
工業設備、皮革製造設備、金属工業設備、金属鉱業設
備、発電設備、食品製造設備、医薬品製造設備、繊維工
業設備、紙パルプ工業設備、染色染料工業設備、電子工
業設備、機械工業設備、印刷製版設備、ガラス製造設
備、写真処理設備等に代表される産業排水のうち、特に
窒素化合物を含有する排水を、固体触媒の存在下、かつ
酸素含有ガスの存在下に、100℃以上370℃以下の
温度および排水が液相を保持する圧力条件下において排
水を湿式酸化処理することにより、排水中の含有物質を
窒素、炭酸ガス、水および灰分に転換せしめて排水の無
害化を行う排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海域、湖沼、河川などにおいて、富栄養
化によって赤潮が発生したりかび臭物質が発生すること
が問題となって久しいが、この原因は該水域に排出され
る排水中に含有されている窒素、リンなどの栄養塩類が
原因とされている。このため、窒素、リンに関する排水
規制が実施されているが、従来の活性汚泥法による二次
処理を行うのみではこれら栄養塩類を十分に処理できな
いために、脱窒工程を新規に設ける必要がある。
【0003】ところで、窒素化合物を含む排水のCOD
除去のみならず脱窒もできる処理方法として、触媒湿式
酸化処理法が提案されている。これは、排水が液相を保
持する圧力下で酸素含有ガスの供給下に特定の固体触媒
を用いて排水を湿式酸化処理する方法である。この方法
によれば、有機窒素化合物等は窒素ガス、水、炭酸ガ
ス、無機塩、灰分、より低分子量の有機物等に分解で
き、排水の浄化が容易にできる。そのため、多くの場合
処理水の河川等への直接放流が可能であり、後処理によ
るさらなる浄化処理工程が必要とされる場合において
も、この後処理工程を、触媒湿式酸化処理法を採用しな
いときと比較して、非常に小規模なものにすることが可
能である。
【0004】この触媒湿式酸化処理法では、生物処理法
では希釈しなければ対応できないほどの高濃度の有機窒
素化合物を含む排水でも、多くの場合無希釈で処理する
ことができ、希釈が必要な場合でも生物による脱窒処理
法の場合よりも希釈倍率は小さくてすむ。また、触媒湿
式酸化処理法は生物処理法ほど広い敷地面積を必要とし
ない。また、触媒湿式酸化処理法は、燃焼処理法のよう
に窒素酸化物を大気中に放出するということもない。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
触媒湿式酸化処理法において、排水濃度の変動や装置自
体のふれが生じた場合には、排水に含まれていた、また
は触媒湿式酸化処理中に生成したアンモニア態窒素、亜
硝酸態窒素や硝酸態窒素が処理水中に残留するため、全
窒素処理効率が低下するという問題があった。すなわ
ち、例えば排水濃度低下等により供給される酸素含有ガ
スの量が過剰になった場合は、主に亜硝酸態窒素および
/または硝酸態窒素が処理水中に残留し、一方、排水濃
度上昇等により供給される酸素含有ガスの量が過少にな
った場合は、主にアンモニア態窒素が処理水中に残留す
るのである。なお、排水濃度の変動や装置自体のふれが
通常の範囲内であれば、全窒素成分がアンモニア態窒
素、亜硝酸態窒素や硝酸態窒素以外として処理水中に残
留することはほとんどない。
【0006】実装置においては排水の濃度は常に一定で
はなく、常時変動するものである。よって実際には窒素
化合物含有排水の処理に際し、装置条件を常に最適な状
態に制御しなければ、安定した十分な窒素処理を行なう
ことは不可能である。
【0007】本発明の課題は、窒素化合物含有排水中の
CODのみならず全窒素をも安定的に除去し、該排水を
浄化することのできる簡便かつ経済的に優れた処理方法
を提供することにある。すなわち本発明は、窒素化合物
含有排水の触媒湿式酸化処理に際して、該排水の組成が
変動しても酸素含有ガス供給量が過剰または過少なまま
で長時間運転されることのないように酸素含有ガス供給
量を制御し、安全、安価、簡便、安定的にかつ高効率で
該排水を浄化することができる優れた排水の処理方法を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者らは上記課題を解決す
べく鋭意研究を重ねた結果、窒素化合物含有排水を触媒
湿式酸化処理するに際し、下に示す制御因子のうちのい
ずれかと処理水の全窒素濃度とを測定し、その測定結果
から触媒湿式酸化装置に供給する酸素含有ガス量を増大
させるか減少させるかを判断し、処理水の全窒素濃度が
予め設定された濃度値以下になるように酸素含有ガス供
給量を調整することにより、安全、安価、簡便、安定的
に排水の全窒素除去を行うことが可能となることを見い
出した。
【0009】・排ガスの酸素濃度 ・処理水のpH ・処理水の亜硝酸態窒素濃度、処理水の硝酸態窒素濃度
または両者の和 ・処理水のアンモニア態窒素濃度 本発明は、これらの知見を基に完成されたものである。
【0010】本発明は、以下のように特定される。
【0011】(1)窒素化合物含有排水を、酸素含有ガ
スにより触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装
置より排出される気液混合流体を気液分離した後に、処
理水中の全窒素濃度および排ガス中の酸素濃度を測定
し、測定された処理水中の全窒素濃度が予め設定された
濃度値を超え、かつ測定された排ガス中の酸素濃度が予
め設定された濃度値を超える場合には、装置内に供給す
る酸素含有ガス量を低減させ、測定された処理水中の全
窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、かつ測定され
た排ガス中の酸素濃度が予め設定された濃度値以下であ
る場合には、装置内に供給する酸素含有ガス量を増大さ
せることにより、処理水中の全窒素濃度が予め設定され
た濃度値以下になるように装置内に供給する酸素含有ガ
ス量を制御することを特徴とする窒素化合物含有排水の
処理方法。
【0012】(2)窒素化合物含有排水を、酸素含有ガ
スにより触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装
置より排出される気液混合流体を気液分離した後に、処
理水中の全窒素濃度および処理水のpHを測定し、測定
された処理水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値を
超え、かつ測定された処理水のpHが予め設定されたp
H値以下である場合には、装置内に供給する酸素含有ガ
ス量を低減させ、測定された処理水中の全窒素濃度が予
め設定された濃度値を超え、かつ測定された処理水のp
Hが予め設定されたpH値を超える場合には、装置内に
供給する酸素含有ガス量を増大させることにより、処理
水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値以下になるよ
うに装置内に供給する酸素含有ガス量を制御することを
特徴とする窒素化合物含有排水の処理方法。
【0013】(3)窒素化合物含有排水を、酸素含有ガ
スにより触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装
置より排出される気液混合流体を気液分離した後に、処
理水中の全窒素濃度、並びに亜硝酸態窒素濃度、硝酸態
窒素濃度および亜硝酸態窒素濃度と硝酸態窒素濃度との
和のいずれか少なくとも1項目よりなる(亜)硝酸態窒素
濃度を測定し、測定された全窒素濃度が予め設定された
濃度値を超え、かつ測定された処理水中の(亜)硝酸態
窒素濃度が予め設定された濃度値を超える場合には、装
置内に供給する酸素含有ガス量を低減させ、測定された
処理水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、
かつ測定された処理水中の(亜)硝酸態窒素濃度が予め
設定された濃度値以下である場合には、装置内に供給す
る酸素含有ガス量を増大させることにより、処理水中の
全窒素濃度が予め設定された濃度値以下になるように装
置内に供給する酸素含有ガス量を制御することを特徴と
する窒素化合物含有排水の処理方法。
【0014】(4)窒素化合物含有排水を、酸素含有ガ
スにより触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装
置より排出される気液混合流体を気液分離した後に、処
理水中の全窒素濃度およびアンモニア態窒素濃度を測定
し、測定された全窒素濃度が予め設定された濃度値を超
え、かつ測定された処理水中のアンモニア態窒素濃度が
予め設定された濃度値以下である場合には、装置内に供
給する酸素含有ガス量を低減させ、測定された処理水中
の全窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、かつ測定
された処理水中のアンモニア態窒素濃度が予め設定され
た濃度値を超える場合には、装置内に供給する酸素含有
ガス量を増大させることにより、処理水中の全窒素濃度
が予め設定された濃度値以下になるように装置内に供給
する酸素含有ガス量を制御することを特徴とする窒素化
合物含有排水の処理方法。
【0015】上記(1)〜(4)の方法は、それぞれ単
独で用いることができるが、排水の成分、触媒、装置規
模等によって、(1)〜(4)のうちの2種類以上を組
み合わせて用いることもできる。例えば、排水中に亜硝
酸や硝酸以外の酸が含まれ、排水にアルカリ物質を添加
する場合は、それらの物質のためにpHが変動すること
もあるため、(1)と(2)との方法を組み合わせ、処
理水の全窒素濃度、排ガスの酸素濃度および処理水のp
Hを監視し、それらによって酸素含有ガス供給量を決定
し、さらにアルカリ物質添加量を決定することによっ
て、低コストにてより安定的な処理を行なうことが可能
になる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る窒素化合物とは、例
えば、アミン化合物、アミド化合物、アミノ酸化合物、
ニトロ化合物、ニトロソ化合物、ニトロシル化合物、含
窒素芳香族化合物、含窒素複素環式芳香族化合物、各種
の窒素含有ポリマー、アンモニア、アンモニウム塩、ヒ
ドラジン、ヒドラジニウム塩、亜硝酸、亜硝酸塩、硝
酸、硝酸塩等を意味する。なお、排水が例えばヒドラジ
ン等を含有する場合、該排水の全窒素濃度は通常の全窒
素計で定量することができないことがあるが、ヒドラジ
ンは一般に湿式酸化によりアンモニア態窒素または窒素
ガスになり、通常ヒドラジンまたはその塩としては処理
水中に残留しないため、処理水の全窒素濃度は一般的な
全窒素計で測定することが可能になる。
【0017】本発明において、処理対象となる排水中の
全窒素濃度としては、排水中に溶存し得る濃度のもので
あれば、範囲は限定されないが、10〜100,000
mg/Lが好ましく、100〜50,000mg/Lが
より好ましい。排水中の全窒素濃度が10mg/L未満
の場合は本発明の方法による必要がなく、好ましくな
い。一方、排水中の全窒素濃度が100,000mg/
Lを超える場合は触媒湿式酸化法で排水を処理すること
が不適当となり、好ましくない。
【0018】本発明に係る亜硝酸態窒素とは、亜硝酸お
よび/または亜硝酸塩を構成する窒素原子を意味する。
【0019】本発明に係る硝酸態窒素とは、硝酸および
/または硝酸塩を構成する窒素原子を意味する。
【0020】本発明に係るアンモニア態窒素とは、アン
モニアおよび/またはアンモニウム塩を構成する窒素原
子を意味する。
【0021】処理水の全窒素濃度の測定は、全窒素の処
理が確実に実施でき、排出基準が達成できたことを確認
するために通常監視される項目である。この測定結果
を、排出基準達成の監視のためだけでなく、酸素含有ガ
ス供給量決定のための制御因子として援用することによ
り、酸素含有ガス供給量の制御を低コストで実施するこ
とが可能になる。
【0022】ただし、処理水の全窒素濃度だけでは、酸
素含有ガス供給量が適正かそうでないかが判断できるだ
けで、適正でないと判断された場合、酸素含有ガス供給
量が過剰なのか過少なのかが判断できない。すなわち、
酸素含有ガス供給量が過剰である場合は、排水中の窒素
が一部亜硝酸態窒素および/または硝酸態窒素として残
留し、それらが全窒素成分となる。なお、このとき、処
理水のpHが3〜9に保持されていれば、通常アンモニ
ア態窒素や他の化合物に含有される窒素の濃度は、合計
しても亜硝酸態窒素濃度と硝酸態窒素濃度との和に比べ
てかなり低いものである。一方、酸素含有ガス供給量が
過少である場合は、多くの場合、排水中の窒素化合物中
の窒素が触媒湿式酸化処理により一部分解されてアンモ
ニア態窒素として残留し、それが全窒素成分となる。な
お、このとき、処理水のpHが3〜9に保持されていれ
ば、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素や他の化合物に含有され
る窒素の濃度は、合計してもアンモニア態窒素濃度に比
べてかなり低いものである。このように、処理水の全窒
素濃度は、酸素含有ガス供給量が過剰である場合も過少
である場合も、酸素含有ガス供給量が適正である場合と
比べ高くなるのである。これより、処理水の全窒素濃度
の測定のみでは酸素含有ガス供給量の決定には不十分と
いうことになるのである。
【0023】したがって、本発明では処理水の全窒素濃
度と他の制御因子との測定結果によって酸素含有ガス供
給量が過剰であるか過少であるかを判断し、その結果を
受けて主として全窒素濃度の測定値により酸素含有ガス
供給量の操作量を決定し、酸素含有ガス供給量の制御を
行なうのである。
【0024】上記(1)〜(4)の方法における、処理
水の全窒素濃度と対になる制御因子には次のような特徴
がある。
【0025】上記(1)の方法における排ガスの酸素濃
度の測定により、酸素含有ガス供給量が過剰であるかそ
うでないかを判断することができる。排ガスの酸素濃度
の値が十分大きい場合は、酸素含有ガス供給量が過剰で
あることが判断できるが、その値のみからは、それが検
出限界値近くまたはそれ以下である場合には、酸素含有
ガス供給量が過少であるか適正であるか判断できないこ
とがある。しかし、排ガスの酸素濃度の測定結果と処理
水の全窒素濃度の測定結果とを総合して判断することに
より、酸素含有ガス供給量が過剰か過少かまたは適正か
が判断でき、かつ酸素含有ガス供給量の操作量も算出す
ることができるようになる。
【0026】上記(2)の方法における処理水のpH
は、処理水の全窒素濃度と同様、処理が確実に実施でき
たことを確認するために必要な監視項目であり、酸素含
有ガス供給量の制御のために特に測定するものでない。
このため、新たな設備費を必要とせず、かつランニング
コストを上昇させずに低コストの処理が可能になる。
【0027】上記(3)の方法における処理水の硝酸態
窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度または両者の和の測定によ
り、酸素含有ガス供給量が過剰であるかそうでないかを
判断することができる。処理水の硝酸態窒素濃度および
亜硝酸態窒素濃度は、どちらか一方単独または両者を組
にして酸素含有ガス供給量の制御に用いてもよく、ま
た、両者の和を酸素含有ガス供給量の制御に用いてもよ
いが、好ましくは両者の和および/または両者の組を用
いる。例えば処理水の硝酸態窒素濃度と亜硝酸態窒素濃
度との和を用いて酸素含有ガス供給量を制御する場合
は、その値が十分大きい場合は酸素含有ガス供給量が過
剰であることが判断できるが、その値が検出限界値近く
またはそれ以下である場合、酸素含有ガス供給量が過少
であるか適正であるか判断できないことがある。しか
し、処理水の硝酸態窒素濃度および亜硝酸態窒素濃度の
和の測定結果と処理水の全窒素濃度の測定結果とを総合
して判断することにより、酸素含有ガス供給量が過剰か
過少かまたは適正かが判断でき、かつ酸素含有ガス供給
量の操作量も算出することができるようになる。なお、
処理水の硝酸態窒素濃度および亜硝酸態窒素濃度を組に
して酸素含有ガス供給量の制御に用いる場合、処理水に
ほとんど一方のみしか検出されないとわかっているとき
は、ほとんど検出されない方の分析を省略し、その測定
値を検出限界値程度とみなすことができる。
【0028】上記(4)の方法における処理水のアンモ
ニア態窒素濃度の測定により、酸素含有ガス供給量が過
少であるかそうでないかを判断することができる。処理
水のアンモニア態窒素濃度を用いて酸素含有ガス供給量
を制御する場合、その値が十分大きい場合は酸素含有ガ
ス供給量が過少であることが判断できるが、その値が検
出限界値近くまたはそれ以下である場合、酸素含有ガス
供給量が過剰であるか適正であるか判断できないことが
ある。しかし、処理水のアンモニア態窒素濃度の測定結
果と処理水の全窒素濃度の測定結果とを総合して判断す
ることにより、酸素含有ガス供給量が過剰か過少かまた
は適正かが判断でき、かつ酸素含有ガス供給量の操作量
も算出することができるようになる。
【0029】酸素含有ガス供給量の操作量を決定する方
法としては、特に限定はされないが、下記のようにいく
つか挙げることができる。まず第一の方法は、処理水の
全窒素濃度が許容される上限値を逸脱した場合に、その
原因が酸素過剰によるのか、または酸素過少によるのか
を判断し、酸素含有ガス供給量が過剰であると判断され
たときは全窒素濃度の上限値よりの逸脱量に応じ酸素含
有ガス供給量を減少させ、逆に酸素含有ガス供給量が過
少であると判断されたときは全窒素濃度の上限値よりの
逸脱量に応じ酸素含有ガス供給量を増加させる方法であ
る。一般に同じ全窒素濃度の上限値よりの逸脱量であっ
ても、酸素過剰の場合と酸素過少の場合とでは酸素含有
ガス供給量の増減の幅の大きさは異なり、通常は、酸素
過剰の場合の減少量の絶対値より酸素過少の場合の増加
量の絶対値の方が小さくてすむ。第二の方法は測定され
た処理水の全窒素濃度値の偏差に応じ、酸素含有ガス供
給量が過剰であると判断された場合は酸素含有ガス供給
量を減少させ、逆に酸素含有ガス供給量が過少であると
判断された場合は酸素含有ガス供給量を増加させる方法
である。この場合には、酸素含有ガス供給量の変化量は
段階的、比例的、二次曲線的など、通常に用いられてい
る手法で変化量を決定することができる。第三の方法
は、上記第一の方法と第二の方法を組み合わせた方法で
ある。第四の方法は、全窒素濃度の測定値と他の測定
値、例えばアンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度や
硝酸態窒素濃度の測定値などとを組み合わせ、酸素含有
ガス供給量を増減させる方法である。 酸素含有ガス供
給量を調整するかどうかを判断する処理水の全窒素濃度
の設定値は、特に限定されないが、通常排出基準値以下
の値をとる。 酸素含有ガス供給量の過剰または過少を
判断する、処理水の全窒素濃度と対になる制御因子の設
定値については、過剰を判断する設定値と過少を判断す
る設定値とを同一の設定値とすることができるが、酸素
含有ガス供給量が過剰であると判断する範囲と過少であ
ると判断する範囲とが重ならないように別々に設定して
もよい。過剰を判断する設定値と過少を判断する設定値
とが別々の値である場合、該制御因子の測定値が両者の
間にくるときは、通常空気供給量を調整しないでおくこ
とになる。このときは、よりよい制御ができるよう、該
制御因子の過剰または過少を判断する設定値あるいは触
媒湿式酸化処理条件を設定し直すことが好ましいことが
ある。
【0030】本発明における各制御因子の測定装置また
は測定方法としては、それぞれ次に述べるものを採用す
ることができる。
【0031】全窒素濃度計としては、処理水中の全窒素
成分を連続的に測定し、検出値を出力できる機能のある
ものであればいずれを用いてもよい。例示すれば、測定
方式としては触媒酸化変換法を用い、検出法としては減
圧化学発光法を用いた市販のものを採用することができ
る。
【0032】上記(1)の方法において用いられるpH
計としては、液相のpHを連続的に測定し、検出値を出
力できる機能のあるものであればいずれを用いてもよ
い。一般にはガラス電極式pH計が用いられる。
【0033】上記(2)の方法において用いられる酸素
濃度計としては、気相中の酸素を連続的に測定し、検出
値を出力できる機能のあるものであればいずれを用いて
もよい。例示すれば、ジルコニア式酸素濃度計、ガルバ
ニ電池式酸素濃度計、磁気式酸素濃度計など市販のもの
が用いられる。
【0034】上記(3)の方法において用いられる亜硝
酸態窒素濃度計としては、液相中の亜硝酸イオン濃度を
連続的に測定し、検出値を出力できる機能のあるもので
あればいずれのものを用いてもよい。検出器としては、
イオンクロマトグラフによる電気伝導度検出器、ナフチ
ルエチレンジアミン吸光光度法による吸光光度計など既
知の様々なものが適用可能である。
【0035】また、硝酸態窒素濃度計としては、液相中
の硝酸イオン濃度を連続的に測定し、検出値を出力でき
る機能のあるものであればいずれのものを用いてもよ
い。検出器としては、イオンクロマトグラフによる電気
伝導度検出器など既知の様々なものが適用可能である。
また、硝酸態窒素を還元処理して亜硝酸態窒素とし、ナ
フチルエチレンジアミン吸光光度法によって亜硝酸態窒
素濃度を測定し、一方還元処理をしていないサンプル中
の亜硝酸態窒素濃度を同様にナフチルエチレンジアミン
吸光光度法によって測定し、前者の値から後者の値を差
し引くことにより、硝酸態窒素濃度を算出してもよい。
【0036】亜硝酸態窒素と硝酸態窒素との濃度の和
は、サンプル中の硝酸態窒素を還元処理して亜硝酸態窒
素とし、ナフチルエチレンジアミン吸光光度法によって
亜硝酸態窒素を定量することにより、各成分の濃度値を
測定することなく求めることができる。
【0037】上記(4)の方法において用いられるアン
モニア態窒素濃度計としては、液相中のアンモニウムイ
オン濃度を連続的に測定し、検出値を出力できる機能の
あるものであればいずれのものを用いてもよい。検出器
としては、イオンクロマトグラフによる導電量検出器、
イオン電極など既知の様々なものが適用可能である。
【0038】本発明に係る酸素含有ガスとは、酸素ガス
を含有する気体のことであり、具体的には空気、酸素富
化空気、純酸素ガス、他のプラントから生じた、または
湿式酸化装置から生じた酸素を含有する排ガス等、種々
のものを挙げることができる。酸素含有ガス中の酸素濃
度としては3vol%以上、好ましくは5vol%以上
が効果的である。上記例示した酸素含有ガスは、そのう
ちのいくつかを混合したり、窒素ガスや他の不活性ガス
により適宜希釈したりすることができる。ただし、酸素
濃度が3vol%未満の場合は、気相における酸素分圧
が低いために液相の溶存酸素量が少なくなり、処理効率
が不十分なものとなるため、好ましくない。なお、排水
に補助的な酸化剤として過酸化水素水等を添加してもよ
い。
【0039】本発明における酸素含有ガスの供給量は、
処理を行なう間に自動または手動にて制御されるため、
特に限定はされない。ただし、運転開始の際は、排水の
理論酸素要求量に対して酸素含有ガスを1.0倍以上に
なるように供給量を適宜決定することができる。
【0040】本発明の実施の際には処理水のpHは3〜
9に制御されていることが効果的であり、好ましくは4
〜8に、より好ましくは5〜7に制御する。処理水のp
Hが3未満の場合は酸素含有ガス供給量が適正な量であ
ってもアンモニア態窒素が処理水中に残留することがあ
り、また、装置材質が腐食するおそれがある。一方、処
理水のpHが9を超える場合は酸素含有ガス供給量が適
正な量であってもアンモニア態窒素ならびに亜硝酸態窒
素および/または硝酸態窒素が処理水中に残留すること
があり、装置材質が脆化するおそれがある。
【0041】例えば、排水中には硫酸、塩酸等の酸また
は触媒湿式酸化処理によりそれらの酸を生成する物質が
含有されることが多いが、この場合は該排水に水酸化ア
ルカリ、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリなどのアルカ
リ物質を添加することにより処理水のpHを調整するこ
とができる。なお、ここで、水酸化アルカリとは水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸
化物の総称であり、炭酸アルカリとは炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩の総称であ
り、炭酸水素アルカリとは炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩の総称であ
る。また、アルカリ物質は水酸化アルカリ、炭酸アルカ
リ、炭酸水素アルカリならびに触媒湿式酸化処理により
水酸化アルカリ、炭酸アルカリまたは炭酸水素アルカリ
を生成するアルカリ金属の塩の総称である。なお、炭酸
アルカリ1モルは2グラム当量、炭酸水素アルカリ1モ
ルは1グラム当量として酸と反応する。
【0042】排水に硫酸、塩酸等の酸または触媒湿式酸
化処理によりそれらの酸を生成する物質が含有される場
合に排水に添加するアルカリ物質としては、ナトリウム
化合物、すなわち水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウムが安価であり好ましい。アルカリ物
質の添加は1種類だけを用いても2種類以上を用いても
よいが、アルカリ物質として水酸化アルカリばかりでは
なく、炭酸水素アルカリ、炭酸アルカリならびに触媒湿
式酸化処理後に炭酸水素イオンおよび/または炭酸イオ
ンを含む塩を生成するアルカリ金属の有機酸等の塩から
なる群より選ばれる少なくとも1種を併用すると、炭
酸、炭酸水素イオンおよび炭酸イオンにはpH緩衝作用
があるため、低コストで効果的な処理水のpHの制御が
可能になる。
【0043】アルカリ物質の排水への混合は、排水タン
ク中や排水が昇圧ポンプで処理系内に送られた後、触媒
湿式酸化塔内までの任意の場所で行なうことができる。
なお、アルカリ物質として、水酸化アルカリと、炭酸水
素アルカリまたは炭酸アルカリとを併用する場合は、
(イ)水酸化アルカリの供給を、溶液および/または固
体として排水タンク中で行なうこと、あるいは溶液とし
て排水を昇温する手前で行なうこと、並びに(ロ)炭酸
アルカリおよび/または炭酸水素アルカリの供給を、溶
液として湿式酸化塔の入口またはその手前で行なうこ
と、あるいは湿式酸化塔の途中で行なうことが装置材質
や触媒の劣化防止等の面で効果的である。また、水酸化
アルカリ溶液ならびに炭酸アルカリおよび/または炭酸
水素アルカリの溶液はそれぞれ別々のタンクに貯蔵して
おき、別々の昇圧ポンプで供給してもよいが、両者を混
合し、ひとつの昇圧ポンプで供給してもよい。排水への
アルカリ物質供給量の制御法としては、特に限定はされ
ないが、例えば以下の(A)〜(E)のような方法があ
る。
【0044】(A)排水に含まれる酸および酸生成物質
の濃度を定期的に、また排水種や排水濃度等の変更の際
に分析して求め、その分析値によりアルカリ物質の添加
量を計算により求める方法。例えば、排水が硫黄化合物
および/またはハロゲン化合物を含むアンモニア態窒素
含有排水である場合は、特開平7−313988や特開
平8−168786に記載された方法を採用することが
できる。
【0045】(B)処理後pHを最適にするにはどれだ
けアルカリ物質を添加するのがよいかを代表的な排水の
サンプルの分析結果から計算して求め、それだけのアル
カリ物質をその代表的な排水のサンプルに添加した場合
のpHを実験により求め、以後排水濃度が変動した場合
でもそのpHを指標にpH滴定等によりアルカリ物質の
添加量を決定する方法。
【0046】(C)処理水のpH、処理水のアンモニア
態窒素濃度、処理水の亜硝酸態窒素濃度および処理水の
硝酸態窒素濃度を測定し、あるいは、処理水のpH、処
理水のアンモニア態窒素濃度および処理水の亜硝酸態窒
素濃度と処理水の硝酸態窒素濃度との和を測定し、測定
された処理水のpHが予め設定された範囲内または設定
された値となるように、排水に混合するアルカリ物質の
量を制御する方法。
【0047】(D)処理水のpHおよび排ガスの酸素濃
度を測定し、測定された処理水のpHが予め設定された
範囲内または設定された値となるように、排水に混合す
るアルカリ物質の量を制御する方法。
【0048】(E)処理水のpH、処理水のアンモニア
態窒素濃度、および排ガスの酸素濃度を測定し、測定さ
れた処理水のpHが予め設定された範囲内または設定さ
れた値となるように、排水に混合するアルカリ物質の量
を制御する方法。
【0049】本発明に係る窒素化合物含有排水は、水素
元素、炭素元素、窒素元素、酸素元素、硫黄元素、アル
カリ元素またはハロゲン元素以外の元素を含む無機物を
含まないことが好ましいが、それらが微量ならば特に問
題はない。
【0050】本発明に係る窒素化合物含有排水中のハロ
ゲン濃度は、装置材質の劣化を防ぐために10,000
mg/L以下であることが好ましく、1,000mg/
L以下であることがより好ましい。
【0051】本発明に係る触媒は、湿式酸化反応条件に
おいて、耐久性と活性を備えた固体触媒であればいずれ
の触媒を用いてもよいが、一例を挙げれば触媒成分とし
てチタン、ケイ素、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバ
ルト、ニッケル、タングステン、セリウム、銅、銀、
金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、および
イリジウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素の水に不溶性または難溶性の化合物を含有してなる固
体触媒である。
【0052】本発明に係る触媒は前記の通り特定された
組成からなるものが好ましく、触媒形状としては、粒
状、ペレット状、およびハニカムなどの一体構造体など
種々のものを採用することができる。
【0053】本発明に係る排水処理時の温度は100℃
以上370℃以下、好ましくは150℃以上300℃以
下の範囲内である。排水処理時の温度が370℃を超え
る場合は水の臨界温度を超えることになり好ましくな
い。100℃以下では反応は実質的に進行しない。圧力
については処理温度において排水が液相を保持する圧力
を設定する。湿式酸化反応は酸素分圧が高いほど反応が
速やかに進行するため、処理時の圧力が高いほど反応が
速くなるが、装置圧力が高くなると装置自体が高価とな
るために、目標とする処理時間、処理効率に合わせて適
宜設定すればよい。
【0054】本発明に係る排水の流入速度は、触媒に対
して空間速度(LHSV)で0.5hr-1以上20hr
-1以下の範囲内であることが好ましい。LHSVが0.
5hr-1未満では触媒量に対して処理効率は上昇せずコ
スト的に高くなり、好ましくない。LHSVが20hr
-1を超える場合は排水の処理が不十分となり、好ましく
ない。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】(触媒調製例)硝酸第二鉄を水に溶解させ
て硝酸ジルコニル、硝酸パラジウムを添加し、水酸化ナ
トリウム水溶液を加えてpHを9とし、これをろ過洗浄
して得られたケーキを乾燥させて700℃で焼成後、粉
砕して鉄−ジルコニウム−パラジウムの酸化物粉体(重
量比Fe23:ZrO2:PdO=60:39.5:
0.5)を得た。
【0057】かくして得られた酸化物粉体にでんぷん、
水を加えてよく混合した後、ペレット状(円筒形、平均
径5mm、長さ6mm)に成型し、乾燥後、400℃で
4時間焼成して完成触媒を得た。
【0058】(実施例1〜4)第1図に示すようなフロ
ーにしたがって、各実施例のモデル排水を以下に述べる
方法で処理した。
【0059】排水タンク4のモデル排水をポンプ3で7
0kg/cm2Gまで昇圧し1L/hrの流量で装置内
に供給した。さらに、ライン16より供給される空気を
コンプレッサー6で昇圧した後、ライン17にて前記排
水に混入した。この気液混合物を熱交換器2およびヒー
ター19において250℃に加熱した後、湿式酸化塔1
へ導入した。湿式酸化塔1には触媒調製例で得られた触
媒1リットルが充填されており、湿式酸化塔1において
排水を処理し、処理水をライン18を経て熱交換器2に
おいて冷却し、気液分離器5に導入した。気液分離器5
においては、液面コントローラ(LC)により液面を検
出し、液面制御弁7を作動させて一定の液面を保持する
とともに、圧力コントローラ(PC)により圧力を検出
して圧力制御弁8を作動させて一定の圧力を保持するよ
うに操作した。圧力制御弁8より排出されたガス中の酸
素濃度は、酸素濃度計10により、また処理水の全窒素
濃度、pH、亜硝酸態窒素濃度と硝酸態窒素濃度との和
(以下NOx - −N)、ならびにアンモニア態窒素濃度
は、全窒素濃度計11、pH計12、NOx - −N濃度計
13、アンモニア態窒素濃度計14によりそれぞれ監視
した。酸素濃度計10、全窒素濃度計11、pH計1
2、NOx - −N濃度計13およびアンモニア態窒素濃
度計14からの出力は演算装置15に送られ、その演算
結果からマスフローコントローラ9により空気供給量を
自動制御した。モデル排水は20時間ごとに上記の濃度
範囲内で濃度を変動させ、100時間の連続処理テスト
を行った。得られた処理水は処理水タンク20に貯留
し、必要により化学的酸素要求量(COD)等を分析し
て排出基準が達成されていることを確認した後、放流し
た。
【0060】なお、以下に述べる各実施例は、上で示し
た10、12、13および14の機器のうち、それぞれ
1種だけ使用するものであるが、それぞれの場合におい
て使用しない機器は設置しなくても差し支えない。
【0061】実施例1では、エタノールアミン1,80
0〜2,000mg/Lを含むモデル排水を用いてテス
トを行った。演算装置15は全窒素濃度計11と酸素濃
度計10の測定値を監視し、処理水の全窒素濃度が10
mg/Lを超える場合で、排ガスの酸素濃度が0.1v
ol%未満のときは空気供給量が過少であるものと判断
し、排ガスの酸素濃度が0.8vol%を超えるときは
空気供給量が過剰であるものと判断して、さらに空気供
給量の操作量を算出した。
【0062】原水の全窒素濃度、処理水の全窒素濃度お
よび排ガスの酸素濃度の経時変化を図2に示す。
【0063】原水濃度変動時に処理水の全窒素濃度が1
0mg/Lを超えることがあったが、それらのとき以外
は常に処理水の全窒素濃度10mg/L以下を維持する
ことができた。
【0064】実施例2では、ヒドラジン1,800〜
2,000mg/Lを含むモデル排水を用いてテストを
行った。演算装置15は全窒素濃度計11とpH計12
の測定値を監視し、処理水の全窒素濃度が10mg/L
を超える場合で、処理水のpHが8を超えるとき空気供
給量が過少であるものと判断し、処理水のpHが4未満
のとき空気供給量が過剰であるものと判断して、さらに
空気供給量の操作量を算出した。
【0065】原水のヒドラジン濃度、処理水の全窒素濃
度および処理水のpHの経時変化を図3に示す。
【0066】原水濃度変動時に処理水の全窒素濃度が1
0mg/Lを超えることがあったが、それらのとき以外
は常に処理水の全窒素濃度10mg/L以下を維持する
ことができた。
【0067】実施例3では、エタノールアミン1,80
0〜2,000mg/L、アンモニア態窒素として50
0〜700mg/Lの硫酸アンモニウムを含むモデル排
水を用い、下で述べるpH調整の後、テストを行った。
【0068】まず、排水タンク4中で排水に炭酸ナトリ
ウムを添加してpH調整を行った。炭酸ナトリウム添加
量は、添加するナトリウムイオンのモル濃度がアンモニ
ア態窒素のモル濃度に対し1.05倍となる量とした。
【0069】上でpH調整した排水を用いてテストを行
った。
【0070】演算装置15は全窒素濃度計11とNOx -
−N濃度計13の測定値を監視し、処理水の全窒素濃
度が10mg/Lを超える場合で、処理水NOx - −N
濃度が5mg/L未満であるとき空気供給量が過少であ
るものと判断し、処理水NOx - −N濃度が5mg/L
以上であるとき空気供給量が過剰であるものと判断し
て、さらに空気供給量の操作量を算出した。
【0071】原水の全窒素濃度、処理水の全窒素濃度お
よび処理水NOx - −N濃度の経時変化を図4に示す。
【0072】原水濃度変動時に処理水の全窒素濃度が1
0mg/Lを超えることがあったが、それらのとき以外
は常に処理水の全窒素濃度10mg/L以下を維持する
ことができた。
【0073】実施例4ではエタノールアミン1,800
から2,000mg/L、硝酸態窒素として30〜50m
g/Lの硝酸ナトリウムを含むモデル排水を用い、テス
トを行った。
【0074】演算装置15は全窒素濃度計11とアンモ
ニア態窒素濃度計14の測定値を監視し、処理水の全窒
素濃度が20mg/Lを超える場合で、処理水のアンモ
ニア態窒素濃度が5mg/L以上であるとき空気供給量
が過少であるものと判断し、処理水のアンモニア態窒素
濃度が5mg/L未満であるとき空気供給量が過剰であ
るものと判断して、さらに空気供給量の操作量を算出し
た。
【0075】原水の全窒素濃度、処理水の全窒素濃度お
よび処理水のアンモニア態窒素(NH4 + −N)濃度の
経時変化を図5に示す。
【0076】原水濃度変動時に処理水の全窒素濃度が2
0mg/Lを超えることがあったが、それらのとき以外
は常に処理水の全窒素濃度20mg/L以下を維持する
ことができた。
【0077】(比較例)空気供給量の自動制御は行わず
に、一定量の空気を供給した以外は、実施例1と同様に
テストを行った。
【0078】原水の全窒素濃度および処理水の全窒素濃
度の経時変化を図6に示す。
【0079】処理水の全窒素濃度は長時間にわたり20
mg/Lを超えた。
【0080】
【発明の効果】本発明により、窒素化合物含有排水の触
媒湿式酸化処理に際して、酸素含有ガス供給量が過剰ま
たは過少になった場合、酸素含有ガス供給量を速やかに
適正にすることが可能になり、安全、安価にかつ安定し
た排水処理運転が可能になる。これにより、窒素化合物
含有排水中のCODのみならず全窒素をも安定的に除去
し、排水を浄化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る処理装置のフローを示
すものである。 1. 湿式酸化塔 2. 熱交換器 3. 排水フィードポンプ 4. 排水タンク 5.気液分離器 6. エアーコンプレッサー 7. 液面制御弁 8. 圧力制御弁 9. マスフローコントローラ 10.酸素濃度計 11.全窒素濃度計 12.pH計 13.NOx - −N濃度計 14.アンモニア態窒素濃度計 15. 演算装置 16. エアーライン 19.ヒーター 20.処理水タンク
【図2】図2は、実施例1の結果であり、排水中の全窒
素濃度を20時間ごとに変化させた場合の処理水の全窒
素濃度および排ガスの酸素濃度の変化状況を示したもの
である。
【図3】図3は、実施例2の結果であり、排水中のヒド
ラジン濃度を20時間ごとに変化させた場合の処理水の
全窒素濃度、処理水pHの変化状況を示したものであ
る。
【図4】図4は、実施例3の結果であり、排水中の全窒
素濃度を20時間ごとに変化させた場合の処理水の全窒
素濃度、 処理水NOx - −N濃度の変化状況を示したも
のである。
【図5】図5は、実施例4の結果であり、排水中の全窒
素濃度を20時間ごとに変化させた場合の処理水の全窒
素濃度、処理水のアンモニア態窒素(NH4 + −N)濃
度の変化状況を示したものである。
【図6】図6は、比較例の結果であり、排水中の全窒素
濃度を20時間ごとに変化させた場合の処理水中の全窒
素濃度の変化状況を示したものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素化合物含有排水を、酸素含有ガスによ
    り触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より
    排出される気液混合流体を気液分離した後に、処理水中
    の全窒素濃度および排ガス中の酸素濃度を測定し、測定
    された処理水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値を
    超え、かつ測定された排ガス中の酸素濃度が予め設定さ
    れた濃度値を超える場合には、装置内に供給する酸素含
    有ガス量を低減させ、測定された処理水中の全窒素濃度
    が予め設定された濃度値を超え、かつ測定された排ガス
    中の酸素濃度が予め設定された濃度値以下である場合に
    は、装置内に供給する酸素含有ガス量を増大させること
    により、処理水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値
    以下になるように装置内に供給する酸素含有ガス量を制
    御することを特徴とする窒素化合物含有排水の処理方
    法。
  2. 【請求項2】窒素化合物含有排水を、酸素含有ガスによ
    り触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より
    排出される気液混合流体を気液分離した後に、処理水中
    の全窒素濃度および処理水のpHを測定し、測定された
    処理水中の全窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、
    かつ測定された処理水のpHが予め設定されたpH値以
    下である場合には、装置内に供給する酸素含有ガス量を
    低減させ、測定された処理水中の全窒素濃度が予め設定
    された濃度値を超え、かつ測定された処理水のpHが予
    め設定されたpH値を超える場合には、装置内に供給す
    る酸素含有ガス量を増大させることにより、処理水中の
    全窒素濃度が予め設定された濃度値以下になるように装
    置内に供給する酸素含有ガス量を制御することを特徴と
    する窒素化合物含有排水の処理方法。
  3. 【請求項3】窒素化合物含有排水を、酸素含有ガスによ
    り触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より
    排出される気液混合流体を気液分離した後に、処理水中
    の全窒素濃度、並びに亜硝酸態窒素濃度、硝酸態窒素濃
    度および亜硝酸態窒素濃度と硝酸態窒素濃度との和のい
    ずれか少なくとも1項目よりなる(亜)硝酸態窒素濃度を
    測定し、測定された全窒素濃度が予め設定された濃度値
    を超え、かつ測定された処理水中の(亜)硝酸態窒素濃
    度が予め設定された濃度値を超える場合には、装置内に
    供給する酸素含有ガス量を低減させ、測定された処理水
    中の全窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、かつ測
    定された処理水中の(亜)硝酸態窒素濃度が予め設定さ
    れた濃度値以下である場合には、装置内に供給する酸素
    含有ガス量を増大させることにより、処理水中の全窒素
    濃度が予め設定された濃度値以下になるように装置内に
    供給する酸素含有ガス量を制御することを特徴とする窒
    素化合物含有排水の処理方法。
  4. 【請求項4】窒素化合物含有排水を、酸素含有ガスによ
    り触媒湿式酸化処理するに際し、触媒湿式酸化装置より
    排出される気液混合流体を気液分離した後に、処理水中
    の全窒素濃度およびアンモニア態窒素濃度を測定し、測
    定された全窒素濃度が予め設定された濃度値を超え、か
    つ測定された処理水中のアンモニア態窒素濃度が予め設
    定された濃度値以下である場合には、装置内に供給する
    酸素含有ガス量を低減させ、測定された処理水中の全窒
    素濃度が予め設定された濃度値を超え、かつ測定された
    処理水中のアンモニア態窒素濃度が予め設定された濃度
    値を超える場合には、装置内に供給する酸素含有ガス量
    を増大させることにより、処理水中の全窒素濃度が予め
    設定された濃度値以下になるように装置内に供給する酸
    素含有ガス量を制御することを特徴とする窒素化合物含
    有排水の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165911A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Chugoku Electric Power Co Inc:The 排水処理設備における排水管理方法
WO2011077955A1 (ja) * 2009-12-22 2011-06-30 株式会社日本触媒 排水処理用触媒及びその触媒を用いた排水の処理方法
JP2014503354A (ja) * 2011-01-12 2014-02-13 イノベックス 水熱処理による廃棄物処理方法

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