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JPH116744A - エンコーダ装置 - Google Patents

エンコーダ装置

Info

Publication number
JPH116744A
JPH116744A JP15884497A JP15884497A JPH116744A JP H116744 A JPH116744 A JP H116744A JP 15884497 A JP15884497 A JP 15884497A JP 15884497 A JP15884497 A JP 15884497A JP H116744 A JPH116744 A JP H116744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pole
magnetic
magnetized
magnetic recording
magnetic sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15884497A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiko Outaki
輝彦 王滝
Tei Taguchi
禎 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP15884497A priority Critical patent/JPH116744A/ja
Publication of JPH116744A publication Critical patent/JPH116744A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録部の着磁信号に変動が生じても、磁
気センサによる検出信号のデューティーに影響が及ば
ず、精度の良い検出信号が得られるλ/4方式のエンコ
ーダ装置をを得る。 【解決手段】 磁気記録部10に対向して磁気センサ1
5が配置され、磁気記録部10と磁気センサ15の相対
移動により磁気センサ15が電気信号を出力。磁気記録
部10は、N極とS極が交互に所定の間隔で着磁記録さ
れ、N極とS極との切り替わり位置に、N極とS極のど
ちらにも着磁ない無着磁部12が形成されている。磁気
記録部10のN極とS極の1周期分の波長をλとし、磁
気記録部の磁極配列方向における無着磁部12の長さを
Aとしたとき、A<λ/4にするとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録部に対向
して磁気センサが配置され、これら磁気記録部と磁気セ
ンサとの相対移動により磁気センサが磁気の変化を検知
して電気信号を出力するエンコーダ装置に関するもの
で、例えばモータの速度検出器などとして利用可能なも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば小型モータの速度検出器として、
ロータケースの外周部に一定周期でN極とS極を交互に
着磁してなる磁気記録部としての周波数発電用マグネッ
トを設けてこれをロータと一体に回転させ、上記周波数
発電用マグネットに対向させて周波数発電コイルを配置
し、この周波数発電コイルから出力されるモータの回転
数に応じた交番信号からモータの回転数を検出するよう
にしたものがある。また、上記周波数発電コイルに代え
て磁気抵抗素子等からなる磁気センサを配置し、この磁
気センサから出力されるモータの回転数に応じた交番信
号からモータの回転数を検出するようにしたものもあ
る。本発明は、後者の磁気センサを用いた形式のエンコ
ーダ装置に関するものである。磁気抵抗素子等からなる
上記磁気センサは、磁気抵抗素子からなる感磁部パター
ンが上記磁気記録部の着磁周期に対応した所定の間隔を
おいて配置される。
【0003】上記の磁気センサを用いた形式のエンコー
ダ装置において、一定周期でN極とS極を交互に着磁し
てなる磁気記録部は、その着磁が乱れることによって磁
力が変化することがある。着磁が乱れる要因としては、
次のような各種の要因がある。すなわち、上記磁気記録
部がプラスチックマグネットの成形品である場合、ウェ
ルド部、ゲート口などで成形ムラが生じ、着磁が乱れる
要因となる。また、着磁自体がムラになる場合もある。
さらに、傷や打痕などによっても着磁が乱れる要因とな
る。磁気記録部は、成形後機械的精度を出すために仕上
げのレース加工を行い、最後に所定の着磁を行うが、上
記レース加工時に傷や打痕などがつきやすい。
【0004】一方、磁気記録部に対向配置される磁気セ
ンサは、磁気抵抗素子からなる二つの感磁部パターン
を、磁気記録部のN極とS極の1周期分の波長λに対し
λ/4の位相差をもって配置された、いわゆるλ/4方
式が用いられることが多い。この方式によれば、バイア
スマグネットが不要で、磁気センサの構成がシンプルで
あるという利点があることによる。しかし、上記λ/4
方式によれば、前述のような着磁の乱れによる磁場の強
さの変動が磁気センサの出力波形の変動となり、波形整
形後のデューティーが変化してしまうという問題点があ
る。以下、この問題点について詳細に説明する。
【0005】磁気記録部を一定周期でN極とS極に交互
に着磁記録すると、その磁界波形は正弦波状になる。い
ま、図14(b)に示すように、正弦波磁界の一部を8
0%に低減したとする。このときの上記λ/4方式によ
る磁気センサの抵抗変化率を図14(a)に、磁気セン
サを構成する各感磁部の各抵抗の位相を図14(c)
に、上記各抵抗の中点電位を図14(d)にそれぞれ示
す。上記中点電位とは、図1から明らかなように、電気
的に直列接続された感磁部の各抵抗R1、R2の一端に
電源電圧Vccを印加し、他端をグランドGとしたと
き、各抵抗R1、R2の接続点の出力すなわち中点出力
Voutのことである。図14(d)において数字
「1」「2」……「7」は磁界波形の波長λの1/4ご
との位相を示しており、また、別の数字「180」「1
92」「168」などは上記の位相「1」「2」……
「7」における出力信号のゼロクロス点間の角度を示し
ている。また、図15は、上記各位相「1」「2」……
「7」における出力信号のゼロクロス点間の角度ずれ、
すなわち位相ずれによるデューティーの変動量を示して
いる。図15から明らかなように、磁気記録部の磁界の
一部が変動することにより出力信号のデューティーが変
動している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図14(b)に示すよ
うに磁界波形の一部のピーク値が変動したとしても、出
力信号の位相がずれないことが望ましい。しかし、磁界
波形の一部のピーク値が変動すると、図14(d)、図
15から明らかなように、出力信号のゼロクロス点間の
角度が変動してその整形波形のデューティーが変動し、
位相ずれが生じる。出力信号に位相ずれが生じると、実
際には速度が変動していないにもかかわらず速度が変動
したものと判断され、あるいは、速度変動が精度よく検
出されず、結果として速度制御の精度が劣化することに
なる。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、いわゆるλ/4方式のエンコーダ装
置であって、磁気記録部の着磁信号に変動が生じても、
磁気センサによる検出信号のデューティーに影響が及ば
ず、精度の良い検出信号を得ることができるエンコーダ
装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
磁気記録部に対向して磁気センサが配置され、磁気記録
部と磁気センサとの相対移動により磁気センサが電気信
号を出力するエンコーダ装置において、上記磁気記録部
は、N極とS極が交互に所定の間隔で着磁記録されると
ともに、N極とS極との切り替わり位置に、N極とS極
のどちらにも着磁されていない無着磁部が形成されてい
ることを特徴とする。請求項2記載の発明は、請求項1
記載の発明において、磁気記録部のN極とS極の1周期
分の波長をλとし、磁気記録部の磁極配列方向における
無着磁部の長さをAとしたとき、A<λ/4としたこと
を特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、磁気記録部に対向
して磁気センサが配置され、磁気記録部と磁気センサと
の相対移動により磁気センサが電気信号を出力するエン
コーダ装置において、上記磁気記録部は、N極とS極が
交互に所定の間隔で着磁記録された主着磁部を有すると
ともに、N極とS極との切り替わり位置に、磁界のピー
ク値がN極とS極の磁界のピーク値よりも低い副着磁部
が形成されていることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、副着磁部は主着磁部に第三高調波着磁する
ことによって形成され、この第三高調波着磁による磁界
の割合が25〜50パーセントであることを特徴とす
る。請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明におい
て、磁気記録部のN極とS極の1周期分の波長をλと
し、磁気記録部の磁極配列方向における副着磁部の長さ
をBとしたとき、B<λ/4としたことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1〜5記載
の発明の何れか一つにおいて、磁気センサの感磁部パタ
ーンがλ/4間隔で配設されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかるエンコーダ装置の実施の形態について説明す
る。図1において、符号10は、モータのロータの外周
部などに一体に設けられてロータと一体に回転する磁気
記録部を示す。この磁気記録部10にはN極とS極が交
互に所定の間隔で着磁記録されてなる着磁部11を有す
るとともに、この着磁部11の上記N極とS極との切り
替わり位置に、N極とS極のどちらにも着磁されていな
い無着磁部12が形成されている。上記着磁部11に対
向させ、かつ、近接させて磁気センサ15が配置されて
いる。磁気センサ15は折り返し形成された2個のスト
ライプ状の感磁部パターンR1、R2からなる。この感
磁部パターンR1、R2は磁気抵抗効果素子(MR素
子)からなる。上記磁気記録部のN極とS極の1周期分
の波長をλとしたとき、上記2個の感磁部パターンR
1、R2はλ/4間隔で配設されている。2個の感磁部
パターンR1、R2は電気的に直列接続された形に形成
されていて、その一端は電源電圧の印加端子Vcc、他
端はグランド端子G、感磁部パターンR1、R2の中点
は出力端子Voutにつながっている。上記磁気記録部
10の磁極配列方向における無着磁部12の長さをAと
したとき、A<λ/4の関係になっている。
【0013】磁気記録部10に着磁部11と無着磁部1
2を形成するための着磁装置の例を図5に示す。図5に
おいて、着磁器のヘッド21は磁石材料からなる磁気記
録部10を挟み込んだ形で配置され、磁気記録部10を
一定速度で移動させながら着磁ヘッド21のコイルに電
源23から着磁電流を供給し、磁気記録部10に厚さ方
向から打ち抜き状にN極、無着磁部、S極,無着磁部、
N極、……というパターンで着磁し、N極とS極との反
転の際に無着磁部を形成する。図6(a)および図7に
破線25で示す波形は、無着磁部を設けることなくN極
とS極を交互に着磁した場合の基本的な着磁波形で、正
弦波状になっている。図6(a)において、符号R1,
R2は前記感磁部パターンを示しており、感磁部パター
ンR1、R2が互いにλ/4の相互間隔をおいて配置さ
れている。図6(b)および図7に実線26で示す波形
は、N極とS極との切り替わり位置に、N極とS極のど
ちらにも着磁されていない無着磁部が形成される場合の
着磁波形である。図7に示すように、着磁部11に対応
する磁界波形の幅が、基本的な磁界波形25ではaであ
ったものが、無着磁部を設けたことにより、aよりも狭
い幅bとなる。
【0014】いま、無着磁部を設けることなくN極とS
極を交互に着磁した基本的な正弦波磁界の場合について
説明すると、図15について説明したように、磁気記録
部10の磁界の一部が変動することにより出力信号の位
相がずれデューティーが変動する。このデューティーの
変動量は、磁界の強さによっても異なる。図9(a)
は、磁界の強さを3mT(ミリ・テスラー)、8mT、
14mTに段階的に変化させ、それぞれの磁界の強さに
おける正弦波磁界での検出出力の位相ずれを示してい
る。右上がりの平行斜線を付したグラフは3mT、右下
がりの平行斜線を付したグラフは8mT、交叉する斜線
を付したグラフは14mTの場合の位相ずれをそれぞれ
示している。図9(a)からも明らかなように、正弦波
磁界では磁界の一部が変動することにより出力信号の位
相がずれ、しかも、この位相ずれは、磁界の強さに関係
なく生じている。
【0015】そこで、図1に示す実施の形態では、磁気
センサ15の検出出力のゼロクロス点を、磁場変動の影
響を受けにくい高抵抗側すなわち磁場ゼロ側にシフトす
るために、磁気記録部10の着磁部11のN極とS極と
の切り替わり位置に無着磁部12を形成した。そのた
め、図1に示す実施の形態によれば、磁気記録部10の
着磁の乱れによって磁場の強さが変動し、磁気センサ1
5の出力波形のピーク値が変動しても、図3(a)に示
すように上記無着磁部12の存在によって上記出力波形
のゼロクロス点間の角度変動が少なく、その整形波形は
図3(b)に示すようにデューティーの変動が少なくな
る。もっとも、磁気記録部の磁極配列方向における無着
磁部12の長さを無制限に長くしたのでは逆効果であ
る。そこで、磁気記録部の磁極配列方向における無着磁
部12の長さをλ/4以下とした。
【0016】次に、図2に示す実施の形態について説明
する。図2において、モータのロータの外周部などに一
体の設けられてロータと一体に回転する磁気記録部10
にはN極とS極が交互に所定の間隔で着磁記録されてな
る主着磁部11を有するとともに、この主着磁部11の
上記N極とS極との切り替わり位置に、磁界のピーク値
が上記N極とS極の磁界のピーク値よりも低く一対のN
極とS極からなる副着磁部13が形成されている。副着
磁部13の磁極は、隣接する主着磁部11の磁極とは逆
極になっている。上記着磁部11に対向させ、かつ、近
接させて磁気センサ15が配置されている。磁気センサ
15は図1で説明した磁気センサと全く同じ構成で、M
R素子からなる2個の感磁部パターンR1、R2からな
る。上記磁気記録部のN極とS極の1周期分の波長をλ
としたとき、上記2個の感磁部パターンR1、R2はλ
/4間隔で配設されている。2個の感磁部パターンR
1、R2は電気的に直列接続され、その一端は電源電圧
の印加端子Vcc、他端はグランド端子G、感磁部パタ
ーンR1、R2の中点は出力端子Voutにつながって
いる。上記磁気記録部10の磁極配列方向における副着
磁部13の長さをBとしたとき、B<λ/4の関係にな
っている。
【0017】磁気記録部10に主着磁部11と副着磁部
13を形成するための着磁装置の例を図4に示す。図4
において、着磁器のヘッド20はそのヘッドギャップを
磁石材料からなる磁気記録部10の周面に近接対向させ
または摺接させた形で配置され、磁気記録部10を一定
速度で移動させながら着磁ヘッド20のコイルに電源2
3から着磁電流を供給し、漏れ着磁法で磁気記録部10
に主着磁部11と副着磁部13を形成する。すなわち、
主着磁部11を形成するためのN極とS極相互の反転時
に、主着磁部11を形成するときよりも弱い磁場で反転
をかけ、結果的に、図1に示す実施例のように無着磁部
12を形成したのと同様の効果をもつ着磁帯を設ける。
図6(c)に示す波形は、主着磁部11のN極とS極と
の切り替わり位置に、副着磁部13が形成される場合の
着磁波形である。
【0018】図2に示す実施の形態によれば、磁気記録
部10の主着磁部11のN極とS極との切り替わり位置
に副着磁部13を形成し、結果的に、図1に示す実施の
形態のように無着磁部12を形成したのと同様の効果を
もたせたため、磁気記録部10の着磁の乱れによって磁
場の強さが変動し、磁気センサ15の出力波形のピーク
値が変動しても、上記副着磁部13の存在によって上記
出力波形のゼロクロス点間の角度変動が少なく、その整
形波形はデューティーの変動が少なくなる。もっとも、
磁気記録部の磁極配列方向における副着磁部13の長さ
を無制限に長くしたのでは逆効果である。そこで、磁気
記録部の磁極配列方向における副着磁部13の長さをλ
/4以下とした。
【0019】図6(c)に示す着磁波形は、主たる着磁
波形に第三高調波を重畳した形になっている。従って、
磁気記録部10は正弦波状の主たる着磁波形に第三高調
波を重畳することによって形成することもできる。正弦
波状の主たる着磁波形に第三高調波を重畳すると、主た
る着磁波形のN極とS極との切り替わり部で第三高調波
の影響を受けて反転し、主たる着磁波形のN極とS極の
中心部で幅が狭くなり、図6(c)のような波形とな
る。
【0020】そこで、正弦波状の主たる着磁波形の一部
を80%に落とすと共に、正弦波状の主たる着磁波形に
対し、重畳する第三高調波の割合を段階的に変え、さら
に、磁界の強さも段階的に変えたとき、λ/4方式によ
る磁気センサの検出出力の位相ずれがどうなるかを検証
した。図8(b)は、図8(a)に示すような波形の一
部を80%に落とした正弦波磁界に第三高調波を30%
重畳した磁界波形を示す。同様に、図8(c)は第三高
調波を40%重畳した磁界波形、図8(d)は第三高調
波を50%重畳した磁界波形、図8(e)は第三高調波
を60%重畳した磁界波形をそれぞれ示す。第三高調波
の割合が高くなるに従って、主たる着磁波形のN極とS
極との切り替わり部で第三高調波によって受ける影響が
大きくなり、副着磁部の磁界が大きくなることがわか
る。
【0021】図10は、主着磁部に第三高調波を30%
重畳してなる磁界における前記感磁部R1、R2の各抵
抗の位相と、その中点電位の出力を示すもので、(a)
は磁界の強さが3mTの場合、(b)は磁界の強さが8
mTの場合、(c)は磁界の強さが14mTの場合をそ
れぞれ示す。これらの中点電位出力のゼロクロス点間で
の位相ずれを示したのが図9(b)である。図9(b)
は前述の図9(a)に対比させ、磁界の強さ3mT、8
mT、14mTについて表したもので、図9(a)に対
比させて図9(b)を見れば明らかなように、出力波形
の位相ズレは多少残るものの、位相ずれが大幅に改善さ
れている。従って、この出力波形をゼロクロス点で波形
整形すれば、デューティーの変動量を少なくすることが
でき、これをモータの速度制御に用いた場合、精度の良
い速度制御を行うことができる。
【0022】図11は、主着磁部に第三高調波を40%
重畳してなる磁界における前記感磁部R1、R2の各抵
抗の位相と、その中点電位の出力を示すもので、(a)
(b)(c)はそれぞれ磁界の強さが3mT、8mT、
14mTの場合を示す。これらの中点電位出力のゼロク
ロス点間での位相ずれを示したのが図9(c)である。
図9(a)に対比させて図9(c)を見れば明らかなよ
うに、出力波形の位相ズレは、磁界の強さの大小にかか
わらずなくなっている。従って、この出力波形をゼロク
ロス点で波形整形すれば、デューティーの変動もなく、
これをモータの速度制御に用いた場合、極めて精度の良
い速度制御を行うことができる。
【0023】図12は、主着磁部に第三高調波を50%
重畳してなる磁界における前記感磁部R1、R2の各抵
抗の位相と、その中点電位の出力を示すもので、(a)
(b)(c)はそれぞれ磁界の強さが3mT、8mT、
14mTの場合を示す。第三高調波を50%重畳する
と、図8(d)に示すように第三高調波成分がかなり大
きくなり、感磁部R1、R2の中点電位出力のゼロクロ
ス点間での位相ずれが生じる。しかし、この位相ずれは
正弦波磁界の場合の位相ずれよりも小さく、実用的な効
果は認められる。
【0024】図13は、主着磁部に第三高調波を60%
重畳してなる磁界における前記感磁部R1、R2の各抵
抗の位相と、その中点電位の出力を示すもので、(a)
(b)(c)はそれぞれ磁界の強さが3mT、8mT、
14mTの場合を示す。第三高調波を60%重畳する
と、図8(e)に示すように第三高調波成分が大きくな
りすぎ、感磁部R1、R2の中点電位出力のゼロクロス
点間での位相ずれが大きくなり、実用的な効果は認めら
れなくなる。
【0025】以上、図8〜図13についての説明から明
らかなように、正弦波磁界に重畳する第三高調波磁界の
割合は50%以下でなければ所期の効果を得ることがで
きない。また、第三高調波磁界の割合が25%程度まで
は所期の効果を得ることができるが、それ以下になると
所期の効果を得ることはできない。従って、所期の効果
を得ることができる第三高調波磁界の割合は25%以上
50%以下ということになる。しかし、より好ましくは
30%以上45%以下にするとよい。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、磁気記録
部と磁気センサとの相対移動により磁気センサが磁気の
変化を検知して電気信号を出力するエンコーダ装置にお
いて、上記磁気記録部は、N極とS極を交互に所定の間
隔で着磁記録するとともに、上記N極とS極との切り替
わり位置に、N極とS極のどちらにも着磁されていない
無着磁部を形成したため、磁気記録部の着磁の乱れによ
って磁場の強さが変動し、磁気センサの出力波形のピー
ク値が変動しても、上記無着磁部の存在によって上記出
力波形のゼロクロス点間の位相のずれが少なく、その整
形波形はデューティーの変動が少なくなり、この波形を
例えばモータの速度制御に用いる場合、精度の高い速度
制御を行うことができる。
【0027】請求項2記載の発明によれば、上記磁気記
録部のN極とS極の1周期分の波長をλとし、磁気記録
部の磁極配列方向における無着磁部の長さをAとしたと
き、A<λ/4としたため、出力波形のゼロクロス点間
の位相のずれを効果的に低減することができ、無着磁部
が長くなりすぎて逆効果となることを避けることができ
る。
【0028】請求項3記載の発明によれば、磁気記録部
と磁気センサとの相対移動により磁気センサが磁気の変
化を検知して電気信号を出力するエンコーダ装置におい
て、上記磁気記録部は、N極とS極が交互に所定の間隔
で着磁記録された主着磁部を有するとともに、上記N極
とS極との切り替わり位置に、磁界のピーク値が上記N
極とS極の磁界のピーク値よりも低い副着磁部が形成さ
れているため、磁気記録部の着磁の乱れによって磁場の
強さが変動し、磁気センサの出力波形のピーク値が変動
しても、上記副着磁部が前記無着磁部を形成したのと同
様の働きをし、上記出力波形のゼロクロス点間の位相の
ずれが少なく、その整形波形はデューティーの変動が少
なくなり、この波形を例えばモータの速度制御に用いる
場合、精度の高い速度制御を行うことができる。
【0029】請求項4記載の発明によれば、上記副着磁
部は主着磁部に第三高調波着磁することによって形成
し、この第三高調波着磁による磁界の割合を25〜50
%としたため、出力波形のゼロクロス点間の位相のずれ
をより効果的に低減することができる。
【0030】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の発明において、磁気記録部のN極とS極の1周期分
の波長をλとし、磁気記録部の磁極配列方向における副
着磁部の長さをBとしたとき、B<λ/4としたため、
出力波形のゼロクロス点間の位相のずれを効果的に低減
することができ、無着磁部が長くなりすぎて逆効果とな
ることを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる対物エンコーダ装置の実施の形
態を示す展開図である。
【図2】本発明にかかる対物エンコーダ装置の別の実施
の形態を示す展開図である。
【図3】本発明装置による磁気センサの出力波形および
その整形波形の例を示す波形図である。
【図4】本発明装置の磁気記録部への着磁の一例を示す
正面図である。
【図5】本発明装置の磁気記録部への着磁の別の例を示
す正面図である。
【図6】磁気記録部への着磁波形の各種の例を示すもの
で、(a)は基本波形、(b)は無着磁部を設けた場
合、(c)は副着磁部を設けた場合の波形図である。
【図7】磁気記録部が基本着磁された場合と無着磁部が
形成された場合の磁界波形を比較して示す波形図であ
る。
【図8】磁気記録部が基本着磁された場合の正弦波磁界
と第三高調波を段階的に重畳した場合の磁界波形の変化
を順に示す波形図である。
【図9】磁気記録部が基本着磁された場合と第三高調波
を段階的に重畳した場合の磁気センサ出力の位相ずれを
順に示すグラフである。
【図10】磁気記録部の主着磁部に第三高調波を30%
重畳し磁界の強さを段階的に変化させた場合の磁気セン
サ出力の位相と中点電位出力を示す波形図である。
【図11】磁気記録部の主着磁部に第三高調波を40%
重畳し磁界の強さを段階的に変化させた場合の磁気セン
サ出力の位相と中点電位出力を示す波形図である。
【図12】磁気記録部の主着磁部に第三高調波を50%
重畳し磁界の強さを段階的に変化させた場合の磁気セン
サ出力の位相と中点電位出力を示す波形図である。
【図13】磁気記録部の主着磁部に第三高調波を60%
重畳し磁界の強さを段階的に変化させた場合の磁気セン
サ出力の位相と中点電位出力を示す波形図である。
【図14】従来のエンコーダ装置における磁気センサの
磁気抵抗効果、磁界波形、磁気センサ出力の位相、中点
電位出力の例を示す波形図である。
【図15】従来のエンコーダ装置における磁気センサ出
力の位相ずれを示すグラフである。
【符号の説明】
10 磁気記録部 11 主着磁部 12 無着磁部 13 副着磁部 15 磁気センサ R1 感磁部 R2 感磁部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録部に対向して磁気センサが配置
    され、これら磁気記録部と磁気センサとの相対移動によ
    り磁気センサが磁気の変化を検知して電気信号を出力す
    るエンコーダ装置において、 上記磁気記録部は、N極とS極が交互に所定の間隔で着
    磁記録されるとともに、上記N極とS極との切り替わり
    位置に、N極とS極のどちらにも着磁されていない無着
    磁部が形成されていることを特徴とするエンコーダ装
    置。
  2. 【請求項2】 磁気記録部のN極とS極の1周期分の波
    長をλとし、磁気記録部の磁極配列方向における無着磁
    部の長さをAとしたとき、A<λ/4である請求項1記
    載のエンコーダ装置。
  3. 【請求項3】 磁気記録部に対向して磁気センサが配置
    され、これら磁気記録部と磁気センサとの相対移動によ
    り磁気センサが磁気の変化を検知して電気信号を出力す
    るエンコーダ装置において、 上記磁気記録部は、N極とS極が交互に所定の間隔で着
    磁記録された主着磁部を有するとともに、上記N極とS
    極との切り替わり位置に、磁界のピーク値が上記N極と
    S極の磁界のピーク値よりも低い副着磁部が形成されて
    いることを特徴とするエンコーダ装置。
  4. 【請求項4】 副着磁部は主着磁部に第三高調波着磁す
    ることによって形成され、この第三高調波着磁による磁
    界の割合が25〜50%である請求項3記載のエンコー
    ダ装置。
  5. 【請求項5】 磁気記録部のN極とS極の1周期分の波
    長をλとし、磁気記録部の磁極配列方向における副着磁
    部の長さをBとしたとき、B<λ/4である請求項4記
    載のエンコーダ装置。
  6. 【請求項6】 磁気記録部のN極とS極の1周期分の波
    長をλとしたとき、磁気センサの感磁部パターンがλ/
    4間隔で配設されている請求項1、2、3、4又は5記
    載のエンコーダ装置。
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