JPH1163205A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
自動変速機の油圧制御装置Info
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- JPH1163205A JPH1163205A JP22754597A JP22754597A JPH1163205A JP H1163205 A JPH1163205 A JP H1163205A JP 22754597 A JP22754597 A JP 22754597A JP 22754597 A JP22754597 A JP 22754597A JP H1163205 A JPH1163205 A JP H1163205A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動変速機における制御弁のフェールに起因
する係合圧の低下やそれに伴う摩擦係合装置の耐久性の
低下を未然に防止する。 【解決手段】 複数の制御弁の少なくともいずれか一つ
が信号圧を可変な制御弁であり、かつこれらの制御弁が
出力する信号圧によって係合圧が制御される摩擦係合装
置を備えた自動変速機の油圧制御装置であって、前記制
御弁のいずれかのフェールを検出するフェール検出手段
(ステップ2)と、前記いずれかの制御弁のフェールが
検出された場合にそのフェールに応じて他の制御弁の信
号圧を変更する油圧調整手段(ステップ4)とを備えて
いる。
する係合圧の低下やそれに伴う摩擦係合装置の耐久性の
低下を未然に防止する。 【解決手段】 複数の制御弁の少なくともいずれか一つ
が信号圧を可変な制御弁であり、かつこれらの制御弁が
出力する信号圧によって係合圧が制御される摩擦係合装
置を備えた自動変速機の油圧制御装置であって、前記制
御弁のいずれかのフェールを検出するフェール検出手段
(ステップ2)と、前記いずれかの制御弁のフェールが
検出された場合にそのフェールに応じて他の制御弁の信
号圧を変更する油圧調整手段(ステップ4)とを備えて
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機における摩擦係合装置の係合圧を制御するための装
置に関するものである。
速機における摩擦係合装置の係合圧を制御するための装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機では、
クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を油圧によって
制御し、所定の変速段を設定している。その摩擦係合装
置に供給する油圧は、その変速段を設定するのに必要十
分な圧力に制御し、変速ショックや不必要な動力の消費
あるいは出力トルクの不足などを防止するようにしてい
る。また、異なる変速段で係合させられることによりそ
れぞれで要求されるトルク容量が大きく相違する摩擦係
合装置については、その摩擦係合装置に供給する油圧
を、調圧レベル(制御ゲイン)を変更可能な調圧弁によ
って制御している。
クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を油圧によって
制御し、所定の変速段を設定している。その摩擦係合装
置に供給する油圧は、その変速段を設定するのに必要十
分な圧力に制御し、変速ショックや不必要な動力の消費
あるいは出力トルクの不足などを防止するようにしてい
る。また、異なる変速段で係合させられることによりそ
れぞれで要求されるトルク容量が大きく相違する摩擦係
合装置については、その摩擦係合装置に供給する油圧
を、調圧レベル(制御ゲイン)を変更可能な調圧弁によ
って制御している。
【0003】摩擦係合装置に供給する油圧を調圧する場
合、調圧バルブに信号圧を供給してその調圧レベルを制
御するが、その信号圧を出力するソレノイドバルブがフ
ェールした場合には、摩擦係合装置を係合させる油圧を
得られなくなる場合がある。このような不都合を防止す
るために特開平3−113161号公報に記載された発
明では、コーストブレーキに供給する油圧を調圧するバ
ルブに、オフ状態で信号圧が最高圧になる電磁弁を接続
する一方、その信号圧に対抗する油圧を他の制御系統か
ら調圧バルブに供給するように構成している。したがっ
て電磁弁がオフフェールして最高圧の信号圧が出力され
続ける状態になっても、その信号圧に対抗する油圧によ
ってコーストブレーキの油圧の調圧レベルを所定の値に
設定できるので、コーストブレーキを係合させてエンジ
ンブレーキ状態とすることができる。
合、調圧バルブに信号圧を供給してその調圧レベルを制
御するが、その信号圧を出力するソレノイドバルブがフ
ェールした場合には、摩擦係合装置を係合させる油圧を
得られなくなる場合がある。このような不都合を防止す
るために特開平3−113161号公報に記載された発
明では、コーストブレーキに供給する油圧を調圧するバ
ルブに、オフ状態で信号圧が最高圧になる電磁弁を接続
する一方、その信号圧に対抗する油圧を他の制御系統か
ら調圧バルブに供給するように構成している。したがっ
て電磁弁がオフフェールして最高圧の信号圧が出力され
続ける状態になっても、その信号圧に対抗する油圧によ
ってコーストブレーキの油圧の調圧レベルを所定の値に
設定できるので、コーストブレーキを係合させてエンジ
ンブレーキ状態とすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の公報に記載され
た装置は、電磁弁の信号圧に対抗させる油圧が、例えば
アキュームレータ背圧であり、前記電磁弁のフェールに
関係なく制御される油圧である。したがって電磁弁がフ
ェールしてその信号圧が最高圧になっても、その信号圧
に一定の油圧を対抗させるから、最小限の係合圧を得る
ことができる。しかしながらその場合の調圧レベルは、
正常状態に比較してかなり低くなるから、摩擦係合装置
のトルク容量が不足する場合がある。そのため、その摩
擦係合装置の耐久性が低下する可能性があった。
た装置は、電磁弁の信号圧に対抗させる油圧が、例えば
アキュームレータ背圧であり、前記電磁弁のフェールに
関係なく制御される油圧である。したがって電磁弁がフ
ェールしてその信号圧が最高圧になっても、その信号圧
に一定の油圧を対抗させるから、最小限の係合圧を得る
ことができる。しかしながらその場合の調圧レベルは、
正常状態に比較してかなり低くなるから、摩擦係合装置
のトルク容量が不足する場合がある。そのため、その摩
擦係合装置の耐久性が低下する可能性があった。
【0005】この発明は上記の事情を背景にしてなされ
たものであり、フェールによる調圧レベルの低下や、そ
れに起因する摩擦係合装置の耐久性の低下などを未然に
防止することのできる油圧制御装置を提供することを目
的とするものである。
たものであり、フェールによる調圧レベルの低下や、そ
れに起因する摩擦係合装置の耐久性の低下などを未然に
防止することのできる油圧制御装置を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、複数の制御弁との少
なくともいずれか一つが出力圧を可変な制御弁であり、
かつこれらの制御弁とが出力する信号圧によって係合圧
が制御される摩擦係合装置を備えた自動変速機の油圧制
御装置において、前記制御弁のいずれかのフェールを検
出するフェール検出手段と、前記いずれかの制御弁のフ
ェールが検出された場合にそのフェールに応じて他の制
御弁の信号圧を変更する油圧調整手段とを備えているこ
とを特徴とするものである。
的を達成するために、この発明は、複数の制御弁との少
なくともいずれか一つが出力圧を可変な制御弁であり、
かつこれらの制御弁とが出力する信号圧によって係合圧
が制御される摩擦係合装置を備えた自動変速機の油圧制
御装置において、前記制御弁のいずれかのフェールを検
出するフェール検出手段と、前記いずれかの制御弁のフ
ェールが検出された場合にそのフェールに応じて他の制
御弁の信号圧を変更する油圧調整手段とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0007】したがってこの発明によれば、摩擦係合装
置の係合圧を共同して制御する複数の制御弁のいずれか
がフェールした場合、そのフェールに起因する油圧の変
化を是正するように他の制御弁の信号圧が変更される。
その結果、いずれかの制御弁に異常が生じても摩擦係合
装置の係合圧を確保することができるのみならず、その
油圧を正常な状態に近い圧力に維持でき、摩擦係合装置
の耐久性の低下を未然に防止することができる。
置の係合圧を共同して制御する複数の制御弁のいずれか
がフェールした場合、そのフェールに起因する油圧の変
化を是正するように他の制御弁の信号圧が変更される。
その結果、いずれかの制御弁に異常が生じても摩擦係合
装置の係合圧を確保することができるのみならず、その
油圧を正常な状態に近い圧力に維持でき、摩擦係合装置
の耐久性の低下を未然に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
を参照して説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明する。図2において、自動変速機1を連結してある
エンジン2は、その吸気管路3にメインスロットルバル
ブ4とその上流側に位置するサブスロットルバルブ5と
を有している。そのメインスロットルバルブ4はアクセ
ルペダル6に連結されていて、アクセルペダル6の踏み
込み量に応じて開閉される。またサブスロットルバルブ
5は、モータ7によって開閉されるようになっている。
このサブスロットルバルブ5の開度を調整するためにモ
ータ7を制御し、またエンジン2の燃料噴射量および点
火時期などを制御するためのエンジン用電子制御装置
(E−ECU)8が設けられている。この電子制御装置
8は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(R
AM、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、この電子制御装置8には、制御の
ためのデータとして、エンジン(E/G)回転数N、吸
入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開度、車速、エ
ンジン水温、ブレーキスイッチからの信号などの各種の
信号が入力されている。
を参照して説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明する。図2において、自動変速機1を連結してある
エンジン2は、その吸気管路3にメインスロットルバル
ブ4とその上流側に位置するサブスロットルバルブ5と
を有している。そのメインスロットルバルブ4はアクセ
ルペダル6に連結されていて、アクセルペダル6の踏み
込み量に応じて開閉される。またサブスロットルバルブ
5は、モータ7によって開閉されるようになっている。
このサブスロットルバルブ5の開度を調整するためにモ
ータ7を制御し、またエンジン2の燃料噴射量および点
火時期などを制御するためのエンジン用電子制御装置
(E−ECU)8が設けられている。この電子制御装置
8は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(R
AM、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、この電子制御装置8には、制御の
ためのデータとして、エンジン(E/G)回転数N、吸
入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開度、車速、エ
ンジン水温、ブレーキスイッチからの信号などの各種の
信号が入力されている。
【0009】自動変速機1における変速およびロックア
ップクラッチならびにライン圧は、油圧制御装置9によ
って制御される。その油圧制御装置9は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、主としてライン圧を制御するためのリニアソレノイ
ドバルブSLT、主としてアキュームレータ背圧を制御す
るためのリニアソレノイドバルブSLN、主としてロック
アップクラッチを制御するためのリニアソレノイドバル
ブSLUが設けられている。
ップクラッチならびにライン圧は、油圧制御装置9によ
って制御される。その油圧制御装置9は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、主としてライン圧を制御するためのリニアソレノイ
ドバルブSLT、主としてアキュームレータ背圧を制御す
るためのリニアソレノイドバルブSLN、主としてロック
アップクラッチを制御するためのリニアソレノイドバル
ブSLUが設けられている。
【0010】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)10
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置10には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフトポジション、
パターンセレクトスイッチからの信号、オーバードライ
ブスイッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速
度を検出するC0 センサからの信号、車速センサからの
信号、自動変速機の油温、マニュアルシフトスイッチか
らの信号などが入力されている。またこの自動変速機用
電子制御装置10とエンジン用電子制御装置8とは、相
互にデータ通信可能に接続されており、エンジン用電子
制御装置8から自動変速機用電子制御装置10に対して
は、1回転当たりの吸入空気量(Q/N)などの信号が
送信され、また自動変速機用電子制御装置10からエン
ジン用電子制御装置8に対しては、各ソレノイドバルブ
に対する指示信号と同等の信号および変速段を指示する
信号などが送信されている。
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)10
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置10には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフトポジション、
パターンセレクトスイッチからの信号、オーバードライ
ブスイッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速
度を検出するC0 センサからの信号、車速センサからの
信号、自動変速機の油温、マニュアルシフトスイッチか
らの信号などが入力されている。またこの自動変速機用
電子制御装置10とエンジン用電子制御装置8とは、相
互にデータ通信可能に接続されており、エンジン用電子
制御装置8から自動変速機用電子制御装置10に対して
は、1回転当たりの吸入空気量(Q/N)などの信号が
送信され、また自動変速機用電子制御装置10からエン
ジン用電子制御装置8に対しては、各ソレノイドバルブ
に対する指示信号と同等の信号および変速段を指示する
信号などが送信されている。
【0011】すなわち自動変速機用電子制御装置10
は、入力されたデータに基づいて変速段やロックアップ
クラッチのオン/オフ、あるいはライン圧の調圧レベル
などを判断し、その判断結果に基づいて所定のソレノイ
ドバルブに指示信号を出力し、さらにフェールの判断や
それに基づく制御をおこなうようになっている。またエ
ンジン用電子制御装置8は、入力されたデータに基づい
て燃料噴射量や点火時期あるいはサブスロットルバルブ
5の開度などを制御することに加え、自動変速機1での
変速時に燃料噴射量を削減し、あるいは点火時期を変
え、もしくはサブスロットルバルブ5の開度を絞ること
により、出力トルクを一時的に低下させるようになって
いる。
は、入力されたデータに基づいて変速段やロックアップ
クラッチのオン/オフ、あるいはライン圧の調圧レベル
などを判断し、その判断結果に基づいて所定のソレノイ
ドバルブに指示信号を出力し、さらにフェールの判断や
それに基づく制御をおこなうようになっている。またエ
ンジン用電子制御装置8は、入力されたデータに基づい
て燃料噴射量や点火時期あるいはサブスロットルバルブ
5の開度などを制御することに加え、自動変速機1での
変速時に燃料噴射量を削減し、あるいは点火時期を変
え、もしくはサブスロットルバルブ5の開度を絞ること
により、出力トルクを一時的に低下させるようになって
いる。
【0012】図3は上記の自動変速機1の歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ30
と、副変速部31と、主変速部32とを備えている。そ
のトルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ33
を有しており、このロックアップクラッチ33は、ポン
プインペラ34に一体化させてあるフロントカバー35
とタービンランナ36を一体に取付けた部材(ハブ)3
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー35に連結さ
れ、またタービンランナ36を連結してある入力軸38
は、副変速部31を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構39のキャリヤ30に連結されている。
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ30
と、副変速部31と、主変速部32とを備えている。そ
のトルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ33
を有しており、このロックアップクラッチ33は、ポン
プインペラ34に一体化させてあるフロントカバー35
とタービンランナ36を一体に取付けた部材(ハブ)3
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー35に連結さ
れ、またタービンランナ36を連結してある入力軸38
は、副変速部31を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構39のキャリヤ30に連結されている。
【0013】この遊星歯車機構39におけるキャリヤ4
0とサンギヤ41との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ41がキャリヤ40に対して相
対的に正回転(入力軸38の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ41の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部31の出力要素であるリングギヤ4
2が、主変速部32の入力要素である中間軸43に接続
されている。
0とサンギヤ41との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ41がキャリヤ40に対して相
対的に正回転(入力軸38の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ41の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部31の出力要素であるリングギヤ4
2が、主変速部32の入力要素である中間軸43に接続
されている。
【0014】したがって副変速部31は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構39の全体が一体となって回転するため、中
間軸43が入力軸38と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ41の回転
を止めた状態では、リングギヤ42が入力軸38に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構39の全体が一体となって回転するため、中
間軸43が入力軸38と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ41の回転
を止めた状態では、リングギヤ42が入力軸38に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0015】他方、主変速部32は三組の遊星歯車機構
50,60,70を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
50のサンギヤ51と第2遊星歯車機構60のサンギヤ
61とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構50のリングギヤ53と第2遊星歯車機構60のキャ
リヤ62と第3遊星歯車機構70のキャリヤ72との三
者が連結され、かつそのキャリヤ72に出力軸80が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構60のリングギ
ヤ63が第3遊星歯車機構70のサンギヤ71に連結さ
れている。
50,60,70を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
50のサンギヤ51と第2遊星歯車機構60のサンギヤ
61とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構50のリングギヤ53と第2遊星歯車機構60のキャ
リヤ62と第3遊星歯車機構70のキャリヤ72との三
者が連結され、かつそのキャリヤ72に出力軸80が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構60のリングギ
ヤ63が第3遊星歯車機構70のサンギヤ71に連結さ
れている。
【0016】この主変速部32の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構60のリングギヤ63および第3
遊星歯車機構70のサンギヤ71と中間軸43との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構50のサンギヤ51および第2遊星歯車
機構60のサンギヤ61と中間軸43との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構60のリングギヤ63および第3
遊星歯車機構70のサンギヤ71と中間軸43との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構50のサンギヤ51および第2遊星歯車
機構60のサンギヤ61と中間軸43との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0017】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構50および第2遊星歯車機構60のサンギヤ51,6
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ51,61(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング81との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸38の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構5
0のキャリヤ52とケーシング81との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構70のリングギヤ73の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング8
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ73が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構50および第2遊星歯車機構60のサンギヤ51,6
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ51,61(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング81との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸38の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構5
0のキャリヤ52とケーシング81との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構70のリングギヤ73の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング8
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ73が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0018】上述した各変速部31,32の回転部材の
うち副変速部31のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ82と、出力軸80の回転数を検出する車速セ
ンサ83とが設けられている。
うち副変速部31のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ82と、出力軸80の回転数を検出する車速セ
ンサ83とが設けられている。
【0019】上記の自動変速機1では、各クラッチやブ
レーキを図4の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図4において○印はオン状態あるいは係合
状態、×印はオフ状態あるいは解放状態、◎印はロック
アップクラッチのオン制御状態、●印は変速中にデュー
ティ制御することをそれぞれ示す。
レーキを図4の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図4において○印はオン状態あるいは係合
状態、×印はオフ状態あるいは解放状態、◎印はロック
アップクラッチのオン制御状態、●印は変速中にデュー
ティ制御することをそれぞれ示す。
【0020】図4に示すように上記の第1ブレーキB1
は第3速のエンジンブレーキ状態を設定するために係合
させられ、また第4ブレーキB4 は第1速のエンジンブ
レーキ状態を設定するために係合させられ、さらにこの
第4ブレーキB4 は後進段を設定する際に係合させられ
る。そして第1速のエンジンブレーキ時に要求される第
4ブレーキB4 のトルク容量と後進段で要求される第4
ブレーキB4 のトルク容量とが相違するので、これらの
ブレーキB1 ,B4 に対するコーストブレーキ圧は、調
圧バルブによって制御するようになっている。またその
調圧レベルを決める制御圧は、フェールセーフの観点か
ら二つのリニアソレノイドバルブの信号圧によって設定
するようになっている。
は第3速のエンジンブレーキ状態を設定するために係合
させられ、また第4ブレーキB4 は第1速のエンジンブ
レーキ状態を設定するために係合させられ、さらにこの
第4ブレーキB4 は後進段を設定する際に係合させられ
る。そして第1速のエンジンブレーキ時に要求される第
4ブレーキB4 のトルク容量と後進段で要求される第4
ブレーキB4 のトルク容量とが相違するので、これらの
ブレーキB1 ,B4 に対するコーストブレーキ圧は、調
圧バルブによって制御するようになっている。またその
調圧レベルを決める制御圧は、フェールセーフの観点か
ら二つのリニアソレノイドバルブの信号圧によって設定
するようになっている。
【0021】そのための油圧回路の一例を図5に示して
ある。図5において符号100はアキュームレータコン
トロールバルブを示し、このアキュームレータコントロ
ールバルブ100は、三つのランドを備えたスプール1
01と、そのスプール101の一端部に配置されたプラ
ンジャ102とを有している。スプール101のプラン
ジャ102とは反対側の端部にスプリング103が配置
されており、またこの端部側の受圧面積が“A1 ”に設
定されている。そしてこのスプリング103が配置され
た端部に信号圧を作用させるための第1信号圧ポート1
04が形成され、この第1信号圧ポート104にリニア
ソレノイドバルブSLTが接続されている。
ある。図5において符号100はアキュームレータコン
トロールバルブを示し、このアキュームレータコントロ
ールバルブ100は、三つのランドを備えたスプール1
01と、そのスプール101の一端部に配置されたプラ
ンジャ102とを有している。スプール101のプラン
ジャ102とは反対側の端部にスプリング103が配置
されており、またこの端部側の受圧面積が“A1 ”に設
定されている。そしてこのスプリング103が配置され
た端部に信号圧を作用させるための第1信号圧ポート1
04が形成され、この第1信号圧ポート104にリニア
ソレノイドバルブSLTが接続されている。
【0022】前記スプリング103側のランドに隣接す
るランドの外径が小さく形成されており、これらのラン
ドに挟まれたバリーにおける受圧面積差が“A2 ”に設
定されている。このバリーに常時開口している第2信号
圧ポート105が形成され、この第2信号圧ポート10
5にリニアソレノイドバルブSLNが接続されている。
るランドの外径が小さく形成されており、これらのラン
ドに挟まれたバリーにおける受圧面積差が“A2 ”に設
定されている。このバリーに常時開口している第2信号
圧ポート105が形成され、この第2信号圧ポート10
5にリニアソレノイドバルブSLNが接続されている。
【0023】この小径のランドによって開閉されるドレ
ーンポート106が形成されるとともに、この小径のラ
ンドと同一外径の他のランドとの間に常時開口する出力
ポート107が形成されている。この出力ポート107
に隣接した位置に、前記他のランドによって開閉される
入力ポート108が形成され、この入力ポート108に
はライン圧PL が供給されている。そしてプランジャ1
02のスプール101とは反対側の端部に開口するフィ
ードバックポート109が形成され、このフィードバッ
クポート109と出力ポート107とがオリフィス11
0を介して連通されている。なお、このプランジャ10
2の受圧面積が“A3 ”に設定されている。
ーンポート106が形成されるとともに、この小径のラ
ンドと同一外径の他のランドとの間に常時開口する出力
ポート107が形成されている。この出力ポート107
に隣接した位置に、前記他のランドによって開閉される
入力ポート108が形成され、この入力ポート108に
はライン圧PL が供給されている。そしてプランジャ1
02のスプール101とは反対側の端部に開口するフィ
ードバックポート109が形成され、このフィードバッ
クポート109と出力ポート107とがオリフィス11
0を介して連通されている。なお、このプランジャ10
2の受圧面積が“A3 ”に設定されている。
【0024】したがってこのアキュームレータコントロ
ールバルブ100では、第1信号圧ポート104に供給
したリニアソレノイドバルブSLTの信号圧PSLT が、ス
プリング103と同じ方向にスプール101を押圧し、
また第2信号圧ポート105に供給したリニアソレノイ
ドバルブSLNの信号圧PSLN が、ランドの外径差によ
り、スプリング103を圧縮する方向にスプール101
を押圧する。さらにフィードバックポート109に作用
する出力圧PACC がプランジャ102を介してスプール
101をスプリング103側に押圧する。そのため、こ
のアキュームレータコントロールバルブ100の出力圧
(アキュームレータ背圧)PACC は、スプリング103
の弾性力をSとすると、次式で表される圧力となる。
ールバルブ100では、第1信号圧ポート104に供給
したリニアソレノイドバルブSLTの信号圧PSLT が、ス
プリング103と同じ方向にスプール101を押圧し、
また第2信号圧ポート105に供給したリニアソレノイ
ドバルブSLNの信号圧PSLN が、ランドの外径差によ
り、スプリング103を圧縮する方向にスプール101
を押圧する。さらにフィードバックポート109に作用
する出力圧PACC がプランジャ102を介してスプール
101をスプリング103側に押圧する。そのため、こ
のアキュームレータコントロールバルブ100の出力圧
(アキュームレータ背圧)PACC は、スプリング103
の弾性力をSとすると、次式で表される圧力となる。
【0025】 A3 ・PACC =A1 ・PSLT −A2 ・PSLN +S 上記の出力ポート107がコーストブレーキコントロー
ルバルブ111の制御ポート112に接続されている。
このコーストブレーキコントロールバルブ111は、ア
キュームレータ背圧PACC を信号圧として調圧をおこな
うバルブであり、そのアキュームレータ背圧PACC を受
けて移動するプランジャ113と、このプランジャ11
3と同一軸線上に配置されたスプール114と、これら
プランジャ113とスプール114との間に配置された
スプリング115とを備えている。
ルバルブ111の制御ポート112に接続されている。
このコーストブレーキコントロールバルブ111は、ア
キュームレータ背圧PACC を信号圧として調圧をおこな
うバルブであり、そのアキュームレータ背圧PACC を受
けて移動するプランジャ113と、このプランジャ11
3と同一軸線上に配置されたスプール114と、これら
プランジャ113とスプール114との間に配置された
スプリング115とを備えている。
【0026】そのスプール114はプランジャ113よ
り小径に形成され、したがってこれらを収容しているボ
アーには段差部が形成され、ここにプランジャ114が
係合してその移動限界位置が定められている。またスプ
ール114は、スプリング115側のランドより更に小
径のランドを端部に備えており、これらのランドの間の
バリーに常時開口している出力ポート116と、小径の
ランドによって選択的に開口されて出力ポート116に
連通させられる入力ポート117とが形成されている。
さらに小径のランドの端部側に開口しているフィードバ
ックポート118が形成されている。なお、符号119
はドレーンポートである。
り小径に形成され、したがってこれらを収容しているボ
アーには段差部が形成され、ここにプランジャ114が
係合してその移動限界位置が定められている。またスプ
ール114は、スプリング115側のランドより更に小
径のランドを端部に備えており、これらのランドの間の
バリーに常時開口している出力ポート116と、小径の
ランドによって選択的に開口されて出力ポート116に
連通させられる入力ポート117とが形成されている。
さらに小径のランドの端部側に開口しているフィードバ
ックポート118が形成されている。なお、符号119
はドレーンポートである。
【0027】このコーストブレーキコントロールバルブ
111の入力ポート117には、ドライブレンジの第3
速ないし第5速およびローレンジの第1速でライン圧P
L が供給されるように構成されている。また出力ポート
116は、 2-3シフトバルブ120から 1-2シフトバル
ブ121を介して第4ブレーキB4 に接続され、また2-
3シフトバルブ120から 3-4シフトバルブ122を介
して第1ブレーキB1に接続されている。そしてフィー
ドバックポート118は 2-3シフトバルブ120に接続
され、第1速および第2速でコーストブレーキコントロ
ールバルブ111の出力圧が供給されるようになってい
る。
111の入力ポート117には、ドライブレンジの第3
速ないし第5速およびローレンジの第1速でライン圧P
L が供給されるように構成されている。また出力ポート
116は、 2-3シフトバルブ120から 1-2シフトバル
ブ121を介して第4ブレーキB4 に接続され、また2-
3シフトバルブ120から 3-4シフトバルブ122を介
して第1ブレーキB1に接続されている。そしてフィー
ドバックポート118は 2-3シフトバルブ120に接続
され、第1速および第2速でコーストブレーキコントロ
ールバルブ111の出力圧が供給されるようになってい
る。
【0028】したがってコーストブレーキコントロール
バルブ111は、スプール114を挟んで対抗するスプ
リング115の弾性力と油圧とがバランスするように出
力圧が調圧される。そしてそのスプリング115がプラ
ンジャ114によって圧縮されると、その調圧レベルが
高くなり、出力圧が高くなる。またフィードバックポー
ト118に油圧が作用していない状態では、入力ポート
117と出力ポート116とが常時連通するので、ライ
ン圧PL がそのまま出力される。
バルブ111は、スプール114を挟んで対抗するスプ
リング115の弾性力と油圧とがバランスするように出
力圧が調圧される。そしてそのスプリング115がプラ
ンジャ114によって圧縮されると、その調圧レベルが
高くなり、出力圧が高くなる。またフィードバックポー
ト118に油圧が作用していない状態では、入力ポート
117と出力ポート116とが常時連通するので、ライ
ン圧PL がそのまま出力される。
【0029】上記の油圧回路によれば、第1速でエンジ
ンブレーキを効かせるために第4ブレーキB4 を係合さ
せる場合、その係合圧をコーストブレーキコントロール
バルブ111で調圧し、またその調圧レベルをアキュー
ムレータ背圧PACC によって設定する。さらにそのアキ
ュームレータ背圧PACC を前記二つのリニアソレノイド
バルブSLT,SLNの信号圧によって調圧するから、結
局、第4ブレーキB4 の係合圧がこれらのリニアソレノ
イドバルブSLT,SLNによって調圧される。
ンブレーキを効かせるために第4ブレーキB4 を係合さ
せる場合、その係合圧をコーストブレーキコントロール
バルブ111で調圧し、またその調圧レベルをアキュー
ムレータ背圧PACC によって設定する。さらにそのアキ
ュームレータ背圧PACC を前記二つのリニアソレノイド
バルブSLT,SLNの信号圧によって調圧するから、結
局、第4ブレーキB4 の係合圧がこれらのリニアソレノ
イドバルブSLT,SLNによって調圧される。
【0030】主としてアキュームレータ背圧PACC を制
御する上記のリニアソレノイドバルブSLNは、デューテ
ィ比が100%のオン状態で最も高い信号圧を出力し、
デューティ比が低下するに従って信号圧が低下するよう
に構成されている。したがってこのリニアソレノイドバ
ルブSLNがオン状態のままとなるフェールが生じると、
その信号圧PSLN が高くなるために、前述した式から知
られるようにアキュームレータ背圧PACC が低くなり、
その結果、第4ブレーキB4 の係合圧が低くなってしま
う。
御する上記のリニアソレノイドバルブSLNは、デューテ
ィ比が100%のオン状態で最も高い信号圧を出力し、
デューティ比が低下するに従って信号圧が低下するよう
に構成されている。したがってこのリニアソレノイドバ
ルブSLNがオン状態のままとなるフェールが生じると、
その信号圧PSLN が高くなるために、前述した式から知
られるようにアキュームレータ背圧PACC が低くなり、
その結果、第4ブレーキB4 の係合圧が低くなってしま
う。
【0031】そこでこの発明では、リニアソレノイドバ
ルブSLNのフェールに応じて図1に示す制御をおこな
う。すなわちデータの読み込みなどの入力信号の処理
(ステップ1)をおこなった後に、リニアソレノイドバ
ルブSLNがフェールしているか否かが判断される(ステ
ップ2)。このステップ2でのフェール判断は、ソレノ
イドバルブSLNがオン状態のままとなるフェールが生じ
ているか否かの判断であり、これは前述した電子制御装
置8からの信号の出力状態と検出された所定の回転部材
の回転変化などとを比較することによって判断すること
ができる。したがってこのステップ2がこの発明のフェ
ール検出手段に相当する。
ルブSLNのフェールに応じて図1に示す制御をおこな
う。すなわちデータの読み込みなどの入力信号の処理
(ステップ1)をおこなった後に、リニアソレノイドバ
ルブSLNがフェールしているか否かが判断される(ステ
ップ2)。このステップ2でのフェール判断は、ソレノ
イドバルブSLNがオン状態のままとなるフェールが生じ
ているか否かの判断であり、これは前述した電子制御装
置8からの信号の出力状態と検出された所定の回転部材
の回転変化などとを比較することによって判断すること
ができる。したがってこのステップ2がこの発明のフェ
ール検出手段に相当する。
【0032】リニアソレノイドバルブSLNのオンフェー
ルが生じていることによりステップ2で肯定判断された
場合には、エンジンブレーキモードか否かが判断される
(ステップ3)。この判断は、“3”レンジやLレンジ
などのエンジンブレーキレンジが選択されているか否か
を判断することによりおこなうことができ、例えば前述
した第1ないし第4のソレノイドバルブS1 ,〜S3 の
通電パターンに基づいて判断する。このステップ3で肯
定判断された場合には、エンジンブレーキを効かせるべ
き状態であるにも拘わらず、第4ブレーキB4 の係合圧
を間接的に調圧するリニアソレノイドバルブSLNがフェ
ールしていることになり、したがってこの場合はリニア
ソレノイドバルブSLTの信号圧PSLT を昇圧する(ステ
ップ4)。
ルが生じていることによりステップ2で肯定判断された
場合には、エンジンブレーキモードか否かが判断される
(ステップ3)。この判断は、“3”レンジやLレンジ
などのエンジンブレーキレンジが選択されているか否か
を判断することによりおこなうことができ、例えば前述
した第1ないし第4のソレノイドバルブS1 ,〜S3 の
通電パターンに基づいて判断する。このステップ3で肯
定判断された場合には、エンジンブレーキを効かせるべ
き状態であるにも拘わらず、第4ブレーキB4 の係合圧
を間接的に調圧するリニアソレノイドバルブSLNがフェ
ールしていることになり、したがってこの場合はリニア
ソレノイドバルブSLTの信号圧PSLT を昇圧する(ステ
ップ4)。
【0033】すなわち主としてアキュームレータ背圧の
ためのリニアソレノイドバルブSLNがオンフェールする
と、アキュームレータコントロールバルブ100の第2
信号圧ポート105に供給される信号圧が高くなって調
圧レベルが低くなってしまう。そこでこのようなフェー
ルに起因する調圧レベルの低下を是正するべく第1信号
圧ポート104に供給される信号圧PSLT を、第2信号
圧ポート105における油圧の昇圧分だけ高くする。具
体的には、リニアソレノイドバルブSLTのデューティ比
を、その信号圧PSLT が第2信号圧ポート105の信号
圧PSLN の昇圧分を相殺する圧力まで高くなるように変
更する。したがってこのステップ4がこの発明の油圧調
整手段に相当する。また各リニアソレノイドバルブSL
T,SLNがこの発明の制御弁に相当する。
ためのリニアソレノイドバルブSLNがオンフェールする
と、アキュームレータコントロールバルブ100の第2
信号圧ポート105に供給される信号圧が高くなって調
圧レベルが低くなってしまう。そこでこのようなフェー
ルに起因する調圧レベルの低下を是正するべく第1信号
圧ポート104に供給される信号圧PSLT を、第2信号
圧ポート105における油圧の昇圧分だけ高くする。具
体的には、リニアソレノイドバルブSLTのデューティ比
を、その信号圧PSLT が第2信号圧ポート105の信号
圧PSLN の昇圧分を相殺する圧力まで高くなるように変
更する。したがってこのステップ4がこの発明の油圧調
整手段に相当する。また各リニアソレノイドバルブSL
T,SLNがこの発明の制御弁に相当する。
【0034】上述のように第1速でのエンジンブレーキ
時に第4ブレーキB4 の油圧の調圧レベルを実質的に決
めるアキュームレータコントロールバルブ100に、二
つのリニアソレノイドバルブSLT,SLNから信号圧を供
給するように構成してある。したがって、一方のリニア
ソレノイドバルブSLNがフェールしても第4ブレーキB
4 の係合圧を確保することができる。これに加えて、こ
の発明に係る上記の制御装置では、一方のリニアソレノ
イドバルブSLNのオンフェールに伴う調圧レベルの低下
を、他方のリニアソレノイドバルブSLTの信号圧の昇圧
によって是正するから、エンジンブレーキ時に第4ブレ
ーキB4 の係合圧が過度に低下するなどの事態を未然に
防止することができる。
時に第4ブレーキB4 の油圧の調圧レベルを実質的に決
めるアキュームレータコントロールバルブ100に、二
つのリニアソレノイドバルブSLT,SLNから信号圧を供
給するように構成してある。したがって、一方のリニア
ソレノイドバルブSLNがフェールしても第4ブレーキB
4 の係合圧を確保することができる。これに加えて、こ
の発明に係る上記の制御装置では、一方のリニアソレノ
イドバルブSLNのオンフェールに伴う調圧レベルの低下
を、他方のリニアソレノイドバルブSLTの信号圧の昇圧
によって是正するから、エンジンブレーキ時に第4ブレ
ーキB4 の係合圧が過度に低下するなどの事態を未然に
防止することができる。
【0035】なお、エンジンブレーキレンジが選択され
ていないことによりステップ3で否定判断された場合に
は、他方のリニアソレノイドバルブSLTを通常どおりに
制御し、その信号圧PSLT の昇圧はおこなわない(ステ
ップ5)。また一方のリニアソレノイドバルブSLNにフ
ェールが生じていないことによりステップ2で否定判断
された場合には、通常の変速制御をおこなう(ステップ
6)。
ていないことによりステップ3で否定判断された場合に
は、他方のリニアソレノイドバルブSLTを通常どおりに
制御し、その信号圧PSLT の昇圧はおこなわない(ステ
ップ5)。また一方のリニアソレノイドバルブSLNにフ
ェールが生じていないことによりステップ2で否定判断
された場合には、通常の変速制御をおこなう(ステップ
6)。
【0036】以上、この発明を図に示す具体例に基づい
て説明したが、この発明は上記の例に限定されないので
あり、係合圧を調圧する摩擦係合装置は、上記の第4ブ
レーキ以外の摩擦係合装置であってもよい。したがって
この発明の制御弁は、上記のリニアソレノイドバルブS
LT,SLN以外の信号圧を出力するバルブであってもよ
く、またその制御弁からの信号圧によって調圧をおこな
うバルブは、前述したアキュームレータコントロールバ
ルブ以外のバルブであってもよい。そしてこの発明は、
前述したギヤトレーンや油圧回路以外のギヤトレーンあ
るいは油圧回路を備えた自動変速機を対象とした油圧制
御装置に適用することができる。
て説明したが、この発明は上記の例に限定されないので
あり、係合圧を調圧する摩擦係合装置は、上記の第4ブ
レーキ以外の摩擦係合装置であってもよい。したがって
この発明の制御弁は、上記のリニアソレノイドバルブS
LT,SLN以外の信号圧を出力するバルブであってもよ
く、またその制御弁からの信号圧によって調圧をおこな
うバルブは、前述したアキュームレータコントロールバ
ルブ以外のバルブであってもよい。そしてこの発明は、
前述したギヤトレーンや油圧回路以外のギヤトレーンあ
るいは油圧回路を備えた自動変速機を対象とした油圧制
御装置に適用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の油圧制御
装置によれば、摩擦係合装置の係合圧を共同して制御す
る複数の制御弁のいずれか一つがフェールした場合、そ
のフェールに起因する油圧の変化を是正するように他の
制御弁の信号圧が変更されるので、いずれかの制御弁に
異常が生じても摩擦係合装置の係合圧を確保することが
できるのみならず、その油圧を正常な状態に近い圧力に
維持でき、その結果、摩擦係合装置の滑りやそれに起因
する耐久性の低下を未然に防止することができる。
装置によれば、摩擦係合装置の係合圧を共同して制御す
る複数の制御弁のいずれか一つがフェールした場合、そ
のフェールに起因する油圧の変化を是正するように他の
制御弁の信号圧が変更されるので、いずれかの制御弁に
異常が生じても摩擦係合装置の係合圧を確保することが
できるのみならず、その油圧を正常な状態に近い圧力に
維持でき、その結果、摩擦係合装置の滑りやそれに起因
する耐久性の低下を未然に防止することができる。
【図1】この発明による制御の一例を説明するためのフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の全体的な制
御系統を模式的に示すブロック図である。
御系統を模式的に示すブロック図である。
【図3】この発明で対象とする自動変速機の歯車変速機
構を主として示すスケルトン図である。
構を主として示すスケルトン図である。
【図4】各走行レンジおよび変速段でのソレノイドバル
ブのオン・オフ状態および各摩擦係合装置の係合・解放
状態を示す図表である。
ブのオン・オフ状態および各摩擦係合装置の係合・解放
状態を示す図表である。
【図5】この発明で対象とする自動変速機における油圧
回路の一部を概略的に示す図である。
回路の一部を概略的に示す図である。
1 自動変速機 10 自動変速機用電子制御装置 100 アキュームレータコントロールバルブ 150 コーストブレーキコントロールバルブ B4 第4ブレーキ SLT,SLN リニアソレノイドバルブ
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の制御弁の少なくともいずれか一つ
が出力圧を可変な制御弁であり、かつこれらの制御弁が
出力する信号圧によって係合圧が制御される摩擦係合装
置を備えた自動変速機の油圧制御装置において、 前記制御弁のいずれかのフェールを検出するフェール検
出手段と、 前記いずれかの制御弁のフェールが検出された場合にそ
のフェールに応じて他の制御弁の信号圧を変更する油圧
調整手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の
油圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22754597A JPH1163205A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22754597A JPH1163205A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1163205A true JPH1163205A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16862587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22754597A Pending JPH1163205A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1163205A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104813079A (zh) * | 2012-12-26 | 2015-07-29 | 爱信艾达株式会社 | 自动变速器的油压控制装置 |
CN105960552A (zh) * | 2014-02-12 | 2016-09-21 | 爱信艾达株式会社 | 自动变速器的油压控制装置 |
-
1997
- 1997-08-08 JP JP22754597A patent/JPH1163205A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104813079A (zh) * | 2012-12-26 | 2015-07-29 | 爱信艾达株式会社 | 自动变速器的油压控制装置 |
CN105960552A (zh) * | 2014-02-12 | 2016-09-21 | 爱信艾达株式会社 | 自动变速器的油压控制装置 |
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