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JPH1161277A - 鋼板の連続熱処理方法 - Google Patents

鋼板の連続熱処理方法

Info

Publication number
JPH1161277A
JPH1161277A JP9232490A JP23249097A JPH1161277A JP H1161277 A JPH1161277 A JP H1161277A JP 9232490 A JP9232490 A JP 9232490A JP 23249097 A JP23249097 A JP 23249097A JP H1161277 A JPH1161277 A JP H1161277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
furnace
direct
heating furnace
fired
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9232490A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiaki Tsutsumi
道明 堤
Kazunori Hashimoto
和範 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP9232490A priority Critical patent/JPH1161277A/ja
Publication of JPH1161277A publication Critical patent/JPH1161277A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の加熱コストを大きく上昇することな
く、鋼板温度を変更した場合の応答性を高める。 【解決手段】 輻射管式加熱炉、輻射管式加熱炉の入側
に直火式加熱炉および直火式加熱炉の入側に直火式加熱
炉の燃焼排ガスを用いる予熱炉を備えた鋼板の連続焼鈍
設備において鋼板を熱処理するに際して、直火式加熱炉
と予熱炉間、あるいはまた直火式加熱炉が複数の直火式
加熱炉を備える場合には直火式加熱炉間の少なくとも一
方に誘導加熱装置を設置して、鋼板の加熱は主に直火式
加熱炉と輻射管式加熱炉を用いて行い、直火式加熱炉や
輻射管式加熱炉の加熱負荷変更の際の温度制御の応答遅
れ、あるいはまた直火式加熱炉や輻射管式加熱炉の加熱
能力不足の場合に、誘導加熱で、前記応答遅れ、あるい
はまた加熱能力不足を補償して熱処理する。鋼板表面の
酸化の問題がなく、大容量の誘導加熱設備を必要とせ
ず、誘導加熱による加熱コストの増加も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼板の連続熱処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍は、短時間で焼鈍を終えること
ができ、生産性も高い。そのため、連続焼鈍は、鋼板の
連続焼鈍ラインや溶融めっきラインにおいて、鋼板を熱
処理するために、広く用いられている。
【0003】近年、連続焼鈍設備の設置スペースをコン
パクトにするために、鋼板が焼鈍設備内を垂直方向に折
り返しながら走行する竪型炉にし、さらに、鋼板を急速
加熱できる直火式加熱炉を備え、また、鋼板加熱のため
のエネルギーコストを低減するために、直火式加熱炉の
高温の燃焼排ガスを用いて鋼板を予熱する予熱炉を直火
式加熱炉の前に備える場合が多い。
【0004】図8に、竪型炉を備える鋼板の連続焼鈍設
備の要部の一例を示す。図8において、1は予熱炉、2
は直火式加熱炉、3は輻射管式加熱炉である。
【0005】先ず、鋼板Sは、予熱炉1で直火式加熱炉
2の高温の燃焼排ガスを用いて所定温度に予熱された
後、後続する直火式加熱炉2へ走行する。
【0006】直火式加熱炉2では、鋼板Sは、コークス
炉ガスや天然ガス等の燃料ガスを燃焼した高温の燃焼ガ
スを用いて、直接加熱され、720℃程度の温度に急速
加熱される。同時に、鋼板の表面酸化を防止しながら、
圧延油等の油分が除去され、後続する輻射管式加熱炉3
へ走行する。
【0007】輻射管式加熱炉3では、輻射管内で燃料ガ
スを燃焼して、鋼板Sを所定の焼鈍温度に加熱、保持す
る。また、輻射管式加熱炉3の炉内雰囲気は還元性雰囲
気に保持されており、同時に鋼板表面の酸化膜の還元が
行われる。
【0008】次いで、鋼板Sは、後続する図示されてい
ない過時効炉で過時効処理、冷却炉で冷却等の処理が施
される。溶融めっきライン内の連続焼鈍設備の場合に
は、引き続き溶融めっきが施される。
【0009】図8の装置における直火式加熱炉は、1パ
スで1炉体が設けられているが、加熱能力向上のため
に、直火式加熱炉を複数パスにして複数炉体を設ける場
合もある。
【0010】前記した連続焼鈍設備では、鋼板サイズや
鋼板材質などに応じて、所定の熱処理サイクルに設定さ
れる。熱処理サイクルを変更する場合、加熱炉の燃焼負
荷を変更し、加熱炉の温度を所要の熱処理サイクルに対
応する温度に追随させる必要がある。
【0011】しかし、加熱炉、特に輻射管式加熱炉で
は、炉壁からの放射加熱により鋼板を加熱するため、熱
慣性が大きい。そのため、加熱炉の温度は設定温度に迅
速に追随できず、設定温度に到達するまでの時間遅れが
大きい。この加熱炉の温度が所定の設定温度範囲に到達
するまでの間、必要な焼鈍温度を確保できない所謂サイ
クル外れ材が大量に発生するという問題がある。
【0012】熱処理サイクルを変更の際に、ライン速度
を低下して、前記サイクル外れ材の発生を最小限に抑え
ることも行われているが、この場合、生産性が低下する
という問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】誘導加熱を用いると、
省スペース化しながら、鋼板を短時間で加熱できること
は、省エネルギー,Vol.45,No.10(199
3),p.42〜47に記載されるように公知である。
しかし、現時点では、輻射管式加熱炉、前記輻射管式加
熱炉の入側に直火式加熱炉、および前記直火式加熱炉の
入側に鋼板を予熱する予熱炉を備えた鋼板の連続焼鈍設
備においては、誘導加熱装置を用いて鋼板の加熱を行う
ことは実用化されておらず、また、誘導加熱装置を用い
た鋼板の効果的な加熱方法についても、充分に検討され
ているとはいえない。
【0014】この理由は、効率のよい大容量の薄鋼板向
け誘導加熱装置の開発が遅れたことにも一因があるが、
鋼板を加熱する際の電力コストが燃料ガスコストより高
くつくことに最大の理由がある。
【0015】本発明は、前記した事情を考慮したもので
あり、輻射管式加熱炉、前記輻射管式加熱炉の入側に直
火式加熱炉、および前記直火式加熱炉の入側に鋼板を予
熱する予熱炉を備えた鋼板の連続焼鈍設備において、鋼
板を短時間で加熱昇温できるという誘導加熱の特徴を利
用しながら、鋼板の加熱コストを大きく上昇することな
く、また鋼板温度を変更した場合の応答性を高めること
ができる鋼板の連続熱処理方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の特徴とする構成は、輻射管式加熱炉、前記輻
射管式加熱炉の入側に直火式加熱炉および前記直火式加
熱炉の入側に前記直火式加熱炉の燃焼排ガスを用いる予
熱炉を備えた鋼板の連続焼鈍設備において鋼板を熱処理
するに際して、前記直火式加熱炉と前記予熱炉間、ある
いはまた前記直火式加熱炉が複数の直火式加熱炉を備え
る場合には直火式加熱炉間の少なくとも一方に誘導加熱
装置を設置して、鋼板の加熱は、主に前記直火式加熱炉
と前記輻射管式加熱炉を用いて行い、前記直火式加熱炉
や前記輻射管式加熱炉における加熱負荷変更の際の温度
制御の応答遅れ、あるいはまた前記直火式加熱炉や前記
輻射管式加熱炉の加熱能力不足の場合に、前記誘導加熱
装置による誘導加熱で前記応答遅れ、あるいはまた加熱
能力不足を補償して熱処理することを特徴とする鋼板の
連続熱処理方法である。
【0017】予熱炉で鋼板が過度に予熱されると、鋼板
表面が過剰に酸化され、その後の直火式加熱炉、輻射管
式加熱炉での鋼板表面の還元が不完全になり、塗装下地
処理として施される化成処理不良や溶融めっきを施した
場合にめっき密着性不良等の問題が発生する。予熱炉入
側に誘導加熱装置を設置して、鋼板を誘導加熱で加熱す
ると、予熱炉で鋼板表面が過剰に酸化され、前記した問
題が発生しやすくなる。
【0018】また、直火加熱炉の出側で誘導加熱により
鋼板を加熱すると、キュリー点近傍で鋼板を加熱するこ
とになるので、誘導加熱の加熱効率が著しく低下する。
【0019】本発明では、直火式加熱炉と予熱炉の間、
あるいはまた前記直火式加熱炉が複数の直火式加熱炉を
備える場合には直火式加熱炉間の少なくとも一方に、誘
導加熱装置を配置して、鋼板を誘導加熱するので、前記
した鋼板表面が過剰に酸化されるという問題がなく、ま
た誘導加熱の加熱効率を高効率にできる。
【0020】また、本発明では、誘導加熱による加熱
は、鋼板の主たる加熱手段としてではなく、鋼板の加熱
は主に前記直火式加熱炉と前記輻射管式加熱炉を用いて
行い、前記直火式加熱炉や前記輻射管式加熱炉における
加熱負荷変更の際の温度制御の応答遅れや前記直火式加
熱炉や前記輻射管式加熱炉の加熱能力不足の場合に、前
記誘導加熱装置による誘導加熱で前記応答遅れや加熱能
力不足を補完するために行うだけなので、大容量の誘導
加熱設備を必要とせず、また誘導加熱による加熱コスト
の増加も少ない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。
【0022】図1は、2パスの直火加熱パスに対応する
2つの直火式加熱炉を備える連続焼鈍設備において、第
1直火式加熱炉と第2直火式加熱炉の間に誘導加熱装置
を配設した場合である。
【0023】図1において、11は予熱炉(PHF)、
15は第1直火式加熱炉(DFF−1)、19は第2直
火式加熱炉(DFF−2)、21は輻射管式加熱炉(R
TF)である。予熱炉11の前後にロール室10、
12、第1直火加熱炉15の前後にロール室14、1
6、第2直火式加熱炉19の前後にロール室18、20
を備え、各ロール室はロールの走行方向を変更するデフ
レクタロールを備える。
【0024】17は誘導加熱装置(IH)であり、第1
直火式加熱炉15の後のロール室16と第2直火加熱炉
19の前のロール室18の間に配設されている。22は
予熱炉の排気ダクト、23、24はそれぞれ予熱炉と直
火式加熱炉、直火式加熱炉間を連通するガスダクトであ
る。
【0025】図2に、図1のA部すなわちロール室16
〜誘導加熱装置17〜ロール室18近傍の詳細図を示
す。また、図2のA−A断面矢視図を図3に示す。
【0026】図2において、34は誘導加熱コイル、3
5は断熱材、36は水冷ジャケットである。また、30
a、30bはデフレクタロール、31a、31bはシー
ルロール、32a、32bはいずれもシール部材、33
a、33bは、それぞれシール室16、18へのシール
用ガスN2 の供給口である。
【0027】図2に示すように、ロール室16、18
は、それぞれ隣接する直火式加熱炉15、19からの燃
焼ガスの流入を防止するガスシール機構を備える。
【0028】第2直火式加熱炉19の燃焼ガスは、第2
直火式加熱炉19の入側と第1直火式加熱炉15の出側
を連通するガスダクト24を経て第1直火式加熱炉15
に流れ、第1直火式加熱炉15の燃焼ガスは、第1直火
式加熱炉15の入側と予熱炉11の出側を連通するガス
ダクト23を経て、予熱炉11に流れ、予熱炉11の入
側の排気ダクト22から予熱炉外に流れる。また、必用
に応じて、前記ガスダクトの途中にアフターバーニング
室を設けることもできる。
【0029】シール部材32aは、断面が筒状でその内
部を鋼板Sが走行し、その一端がデフレクタロール30
a、シールロール31aの周面に接して配置されてい
る。このような構成によって、第1直火式加熱炉15と
ロール室16間のシール性が良好である。
【0030】第2直火式加熱炉19とロール室18間の
シールについても、前記と同様の作用をするデフレクタ
ロール30b、シールロール31b、シール部材32b
を備えるので、シール性が良好である。
【0031】ロール室16、18にガス供給口33a、
33bからN2 ガスを供給し、前記ロール室16、18
と直火式加熱炉15、19間をシールすると、直火式加
熱炉の燃焼ガスがロール室16、18に流入することを
防止できる。
【0032】図1〜図3に示した焼鈍設備を用いて、以
下のように熱処理を行う。鋼板Sは、予熱炉11で直火
式加熱炉15、19の燃焼排ガスを用いて予熱され、直
火式加熱炉15、19で燃料ガスを燃焼した高温の燃焼
ガス用いて、720℃程度の温度まで急速加熱され、同
時に、鋼板の表面酸化を防止しながら、圧延油等の油分
が除去され、さらに、輻射管式加熱炉21で、所定の焼
鈍温度に加熱、保持される。
【0033】引き続き、鋼板Sは、後続する図示されて
いない過時効炉で過時効処理、冷却炉で冷却等の処理が
施されて、所要の熱処理を終える。また、溶融めっきラ
イン内の連続焼鈍設備の場合には、さらに溶融めっきが
施される。
【0034】本発明では、誘導加熱装置17は、鋼板の
主たる加熱手段としてではなく、直火式加熱炉15,1
9や輻射管式加熱炉21において炉の燃焼負荷条件を変
更の際に、直火式加熱炉15,19や輻射管式加熱炉2
1の温度制御特性の応答遅れの過渡的状態や前記各加熱
炉の加熱能力不足を、前記誘導加熱装置17による誘導
加熱により補償する補助加熱手段として用いる。すなわ
ち、通常は誘導加熱装置17を使用せず、輻射管式加熱
炉21等の燃焼負荷条件を変更の際や各加熱炉の加熱能
力不足の際に、前記誘導加熱装置17を用いて補助加熱
する。
【0035】輻射管式加熱炉の燃焼負荷条件を変更する
場合について、以下に説明する。輻射管式加熱炉の燃焼
負荷を増加する場合、燃焼負荷の変更点(例えば、サイ
ズ変更時の溶接点等の熱処理サイクル変更点)が輻射管
式加熱炉に到達時あるいは可能な場合には到達前から輻
射管式加熱炉の燃焼負荷を増加する。
【0036】また、燃焼負荷の変更点が誘導加熱装置を
通過時に、誘導加熱装置を出力して、鋼板を瞬時に加熱
して、輻射管式加熱炉の温度制御特性の遅れを補償す
る。輻射管式加熱炉の温度が設定温度に近づき、板温が
所定の温度に近づくと、それに応じて、誘導加熱装置を
調整してその出力を低下する。
【0037】輻射管式加熱炉の燃焼負荷を減少する場合
は、輻射管式加熱炉の燃焼負荷を増加する場合程、応答
の遅れが大きくないが、この場合にも燃焼負荷変動の際
に誘導加熱装置を有効に使用できる。この場合、燃焼負
荷の変更点が誘導加熱装置を通過時に輻射管式加熱炉が
所定の温度になるように、燃焼負荷の変更点が誘導加熱
装置を通過する前に、予め輻射管式加熱装置の燃焼負荷
を減少する。
【0038】燃焼負荷を減少後、燃焼負荷の変更点が誘
導加熱装置を通過するまでの間、走行中の鋼板に対する
輻射管式加熱炉の燃焼負荷の不足分を誘導加熱装置の出
力を調整し、走行中の鋼板の板温が所定温度になるよう
に補償する。
【0039】なお、誘導加熱装置の周波数については、
薄鋼板を効率よく加熱できる30〜100kHzの範囲
にするのがよい。
【0040】次に、前記装置において、燃焼負荷が増大
するように熱処理サイクルを変更する場合の熱処理方法
について、図4を用いて具体的に説明する。なお、図4
は、熱処理する鋼板の能率が一定の210t/hで、熱
処理サイクルを低燃焼負荷のAサイクルから高燃焼負荷
のDサイクルに変更する場合であり、また誘導加熱装置
の周波数が30kHz、出力が3600kW、加熱効率
が85%の場合である。
【0041】Aサイクルの熱処理サイクルはAサイクル
板温(焼鈍温度:700℃)で示され、対応する輻射管
式加熱炉の炉温はAサイクル炉温である。この場合、定
常状態の板温は、A−B−C−D−X1の昇温曲線に沿
って700℃に上昇し、鋼板は引き続き所定時間均熱さ
れる。
【0042】Dサイクルの熱処理サイクルはDサイクル
板温(焼鈍温度:850℃)で示され、対応する輻射管
式加熱炉の炉温はDサイクル炉温である。この場合、定
常状態の板温は、A−F−Gの昇温曲線に沿って850
℃に上昇し、鋼板は引き続き所定時間均熱される。
【0043】誘導加熱装置を使用しないで、輻射管式加
熱炉の炉温設定をAサイクル炉温からDサイクル炉温に
変更する場合、輻射管式加熱炉の炉温をDサイクル炉温
に設定して炉温を上昇させ、板温をAサイクル板温のX
1からDサイクル板温のGまで上昇させる必用がある。
【0044】一方、誘導加熱装置を使用する場合、Aサ
イクルからDサイクルへの熱処理サイクル変更点が、第
1直火加熱炉と第2直火加熱の間の誘導加熱装置を通過
時に、誘導加熱装置を用いて、鋼板を瞬時にBからEま
で加熱する。その結果、熱処理サイクル変更直後の板温
は、E−H−D1−X2の昇温曲線のようになる。この
場合、輻射管式加熱炉では、板温をX2からGまで上昇
させればよい。
【0045】熱処理サイクルをAサイクルからDサイク
ルに変更のための所要時間を比較すると、誘導加熱を使
用しない場合、板温をX1からGまで上昇させるための
時間が必要である。しかし、誘導加熱を使用の場合、板
温をX2からGまで上昇させるだけの時間で済むので、
熱処理サイクル変更の必要時間が短縮されており、サイ
クル外れ材の発生を低減できる。
【0046】予め輻射管式加熱炉の炉温をDサイクル炉
温、可能ならそれ以上の炉温に設定して炉温を早目に上
昇させることも可能であり、この場合、前記サイクル外
れれ材の発生をより低減できる。
【0047】また、誘導加熱装置の出力を調整して、板
温X2が、Dサイクル板温管理範囲の下限に入るように
すれば、実質的にサイクル外れ材の発生をなくすること
ができる。
【0048】本発明の第1の目的は、加熱炉の燃焼負荷
変更の際の温度制御の応答遅れを誘導加熱で補償し、サ
イクル外れの発生を最小限にすることにあるが、加熱炉
の加熱能力の制約からライン速度の上昇が制限されてい
る場合には、さらに誘導加熱により補助加熱して加熱能
力を増強して、生産量を増大するための手段としても利
用できる。以下、この点について説明する。
【0049】図5に示す装置は、予熱炉(PHF)、直
火式加熱炉(DFF)、輻射管式加熱炉(RT)を備
え、輻射管式加熱炉が最大加熱能力で使用され、また直
火式加熱炉の燃焼排ガス温度を現状より上昇できないと
いう条件で操業されている連続焼鈍設備において、予熱
炉11aと直火式加熱炉15a間を改造して、図1〜図
3で説明したのと同様の構成の誘導加熱装置(1250
kW×30kHz×1基)を設置した場合である。な
お、図5の装置においては、図1に示した部分に対応す
る部分には図1で用いた符号と同じ符号を使用し、その
符号の後に添え字aを付してある。
【0050】この装置において、輻射管式加熱炉の最大
加熱能力および直火式加熱炉の燃焼排ガス温度の上限を
従来と同様の条件で操業した場合の厚さ1.0mm×幅
1650mmの一般用材(焼鈍温度:720℃)、深絞
り用材(焼鈍温度:850℃)における誘導加熱装置使
用前後のライン速度、生産能力を表1に示す。また、対
応する熱処理サイクルを、それぞれ図6(一般用材)、
図7(深絞り用材)に示す。
【0051】
【表1】
【0052】図6、図7に示されるように、予熱炉と直
火式加熱炉間に誘導加熱装置の設置にともない、直火式
加熱炉入口における板温を70〜80℃前後上昇できる
ので、表1に示されるようにいずれも生産能率が約10
%程度増強されている。
【0053】本発明においては、誘導加熱により、鋼板
表面が過剰に酸化されるということがないので、熱処理
後に化成処理や溶融めっきを施しても、化成処理不良や
めっき密着性不良等の問題も発生しない。また、誘導加
熱装置による加熱温度域は、キュリー点以下の温度域で
あるので、加熱効率が優れる。
【0054】誘導加熱装置は、デフレクターロールを備
えるロール室の間に配置されているので、直火式加熱炉
の炉長増等、焼鈍炉のスペースを増大させることがな
く、また、誘導加熱装置を使用しない通常操業の際に、
操業の支障になることもない。
【0055】また、誘導加熱装置は、デフレクターロー
ルを備えるロール室の間に配置されているので、板厚方
向の鋼板のバタツキを低減できる。さらに、直火式加熱
炉とロール室間に、直火式加熱炉の燃焼ガスがロール室
に流入することを防止するシール機構を備えるので、直
火式加熱炉の燃焼ガスがロール室内に流入することによ
る鋼板のバタツキも防止できる。これらの結果から、誘
導加熱装置と鋼板の距離を近接できるので、誘導加熱の
加熱効率をより向上できる。
【0056】また、図1の装置は、第1直火式加熱炉1
5と第2直火式加熱炉19の間に誘導加熱装置17を設
けた場合であるが、予熱炉11と第1直火式加熱炉15
の間、例えば、図1の装置のロール室12とロール室1
4間の炉体13に誘導加熱装置を設けた場合にも、上記
と同様の効果を得ることができる。この場合も前記と同
様に、ロール室12と予熱室11、ロール室14と第1
直火式加熱炉15の間に、直火式加熱炉の燃焼ガスの流
入を防止するためのシール機構を備えることが望まし
い。
【0057】また、図1の装置は、予熱炉、直火式加熱
炉、輻射管式加熱炉を走行する鋼板パスが垂直パスの場
合であるが、前記したパスが水平パスになる水平型炉に
ついて、前記した誘導加熱装置を設けることもできる。
【0058】本発明においては、誘導加熱装置の設置ス
ペースが小さくて済むので、既存の設備を本発明の装置
に改造することも容易である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、鋼板のサイズ変更や材
質変更などの際に輻射管式加熱炉の加熱負荷を変更して
加熱炉温度を変更する際に、鋼板温度を迅速に変更でき
るので、熱処理サイクル外れ材の発生を低減できる。
【0060】また、加熱炉の加熱能力不足の場合に、誘
導加熱の補助加熱により加熱能力を増強して、生産量を
増大できる。
【0061】また、誘導加熱は、輻射管式加熱炉の加熱
負荷を変更する際や加熱炉の加熱能力不足の場合に、補
助的加熱手段として用いるだけなので、大容量の誘導加
熱設備を必要とせず、誘導加熱による加熱コストの著し
い増加を招くことがない。またキュリー点以下の温度で
使用するので、また加熱効率に優れる。 また、本発明
では、鋼板表面に酸化膜を形成するおそれがないので、
化成処理性やめっき性に影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に用いた連続焼鈍設
備を示す図。
【図2】図1の連続焼鈍設備の誘導加熱装置およびその
近傍設備の詳細を示す図。
【図3】図2の誘導加熱装置の断面を示す図。
【図4】本発明の熱処理サイクル外れの低減効果を説明
する図。
【図5】本発明の生産量の増大効果の説明に用いた連続
焼鈍設備を示す図。
【図6】一般用材の熱処理サイクルを示す図。
【図7】深絞り材の熱処理サイクルを示す図。
【図8】従来の連続焼鈍設備を示す図。
【符号の説明】
11 予熱炉 12、14 ロール室 15 第1直火式加熱炉 16 ロール室 17 誘導加熱装置 18 ロール室 19 第2直火式加熱炉 21 輻射管式加熱炉 30a、30b デフレクタロール 31a、31b シールロール 32a、32b シール部材 34 誘導加熱コイル 35 断熱材 36 水冷ジャケット S 鋼板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輻射管式加熱炉、前記輻射管式加熱炉の
    入側に直火式加熱炉および前記直火式加熱炉の入側に前
    記直火式加熱炉の燃焼排ガスを用いる予熱炉を備えた鋼
    板の連続焼鈍設備において鋼板を熱処理するに際して、 前記直火式加熱炉と前記予熱炉間、あるいはまた前記直
    火式加熱炉が複数の直火式加熱炉を備える場合には直火
    式加熱炉間の少なくとも一方に誘導加熱装置を設置し
    て、鋼板の加熱は、主に前記直火式加熱炉と前記輻射管
    式加熱炉を用いて行い、前記直火式加熱炉や前記輻射管
    式加熱炉における加熱負荷変更の際の温度制御の応答遅
    れ、あるいはまた前記直火式加熱炉や前記輻射管式加熱
    炉の加熱能力不足の場合に、前記誘導加熱装置による誘
    導加熱で前記応答遅れ、あるいはまた加熱能力不足を補
    償して熱処理することを特徴とする鋼板の連続熱処理方
    法。
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