JPH1157587A - 塗布装置 - Google Patents
塗布装置Info
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- JPH1157587A JPH1157587A JP22602397A JP22602397A JPH1157587A JP H1157587 A JPH1157587 A JP H1157587A JP 22602397 A JP22602397 A JP 22602397A JP 22602397 A JP22602397 A JP 22602397A JP H1157587 A JPH1157587 A JP H1157587A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 塗布開始時近傍における薄膜化を確実に防止
する。 【解決手段】 ノズル部材19と基板2の被塗布面2a
とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化する塗布特性を用い
て、塗布開始時近傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍
の塗布膜厚を所定の目標膜厚に一定化することができ
る。この目標膜厚になるまでの塗布開始区間において、
スリット26内に停止していた塗布液の動きだしが悪い
分だけ、上記ギャップ寸法を狭くすることで、基板2に
塗布されて消費される液溜りの減少比率が多くなること
と毛細管現象が強く働くことによって、塗布液槽23か
らスリット26を通って供給される液量を多くすること
ができるため、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得る
ことができ、従来のような塗布開始区間における薄膜化
を確実に防止することができる。
する。 【解決手段】 ノズル部材19と基板2の被塗布面2a
とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化する塗布特性を用い
て、塗布開始時近傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍
の塗布膜厚を所定の目標膜厚に一定化することができ
る。この目標膜厚になるまでの塗布開始区間において、
スリット26内に停止していた塗布液の動きだしが悪い
分だけ、上記ギャップ寸法を狭くすることで、基板2に
塗布されて消費される液溜りの減少比率が多くなること
と毛細管現象が強く働くことによって、塗布液槽23か
らスリット26を通って供給される液量を多くすること
ができるため、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得る
ことができ、従来のような塗布開始区間における薄膜化
を確実に防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジス
ト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁
膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細
管現象で汲み上げて塗布する塗布装置に関する。
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジス
ト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁
膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細
管現象で汲み上げて塗布する塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板表面に塗布液を塗布する方式
としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ
塗布方式およびロールコート方式などがある。
としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ
塗布方式およびロールコート方式などがある。
【0003】近年、液晶表示デバイスや半導体デバイス
などの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態
で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠
心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に
均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されて
いる。
などの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態
で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠
心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に
均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されて
いる。
【0004】ところが、この回転塗布方式では、基板の
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような回転塗布方
式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置
スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、
基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、そ
の基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対
して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から
下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗
布装置が、特開平8−24740号公報「基板への塗布
液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置につい
て、以下に説明する。
式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置
スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、
基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、そ
の基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対
して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から
下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗
布装置が、特開平8−24740号公報「基板への塗布
液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置につい
て、以下に説明する。
【0006】図14は、塗布装置の概略構成を示す正面
図であり、図15は、図14の塗布装置におけるAA線
の断面図である。
図であり、図15は、図14の塗布装置におけるAA線
の断面図である。
【0007】図14および図15において、この塗布装
置は、基板100を鉛直(垂直)方向に立てて保持する
ステージ101と、基板100の被塗布面に塗布液10
2を供給する塗布液槽を内部に有するノズル部材103
と、このノズル部材103を基板100に沿って下方に
直線移動させる移動手段(図示せず)とから構成されて
いる。このノズル部材103は、両端が閉塞され基板1
00の幅方向に延在する筒状をなしており、基板100
の被塗布面と対向する前面壁部104に槽内から外部に
貫通したスリット状の塗布液流出路105をその幅方向
に形成している。また、基板100の被塗布面と対向す
る前面壁部104の前端面106は、基板100の被塗
布面に非接触でかつ近接するように配設され、その下端
106aが塗布液流出路105の出口よりも下方で且つ
その反対側の入口よりも上方に位置し、その上端106
bが、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙
間107を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗
布液流出路105を通って隙間107内に流入した塗布
液が少なくとも毛細管現象などによって上昇するときの
到達高さ位置と塗布液流出路105の出口との間に位置
するようになっている。
置は、基板100を鉛直(垂直)方向に立てて保持する
ステージ101と、基板100の被塗布面に塗布液10
2を供給する塗布液槽を内部に有するノズル部材103
と、このノズル部材103を基板100に沿って下方に
直線移動させる移動手段(図示せず)とから構成されて
いる。このノズル部材103は、両端が閉塞され基板1
00の幅方向に延在する筒状をなしており、基板100
の被塗布面と対向する前面壁部104に槽内から外部に
貫通したスリット状の塗布液流出路105をその幅方向
に形成している。また、基板100の被塗布面と対向す
る前面壁部104の前端面106は、基板100の被塗
布面に非接触でかつ近接するように配設され、その下端
106aが塗布液流出路105の出口よりも下方で且つ
その反対側の入口よりも上方に位置し、その上端106
bが、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙
間107を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗
布液流出路105を通って隙間107内に流入した塗布
液が少なくとも毛細管現象などによって上昇するときの
到達高さ位置と塗布液流出路105の出口との間に位置
するようになっている。
【0008】上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液を注入し、塗布液槽を大気開放とする
と、塗布液槽内に供給された塗布液102は、少なくと
も毛管現象によって、塗布液流出路105を通って槽外
に流出し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持され
た基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間1
07内に流入する。
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液を注入し、塗布液槽を大気開放とする
と、塗布液槽内に供給された塗布液102は、少なくと
も毛管現象によって、塗布液流出路105を通って槽外
に流出し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持され
た基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間1
07内に流入する。
【0009】この隙間107内に流入した塗布液は、毛
細管現象などによってその隙間107内を前端面106
の下端106aまで下降するが、前端面106の下端1
06aから流下することはない。また、隙間107内に
流入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによ
ってその隙間107内を前端面106の上端106bま
で上昇するが、前端面106の上端106bで規制され
てそれ以上には上昇しない。このようにして、基板10
0の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に、
基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形
成されることになる。
細管現象などによってその隙間107内を前端面106
の下端106aまで下降するが、前端面106の下端1
06aから流下することはない。また、隙間107内に
流入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによ
ってその隙間107内を前端面106の上端106bま
で上昇するが、前端面106の上端106bで規制され
てそれ以上には上昇しない。このようにして、基板10
0の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に、
基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形
成されることになる。
【0010】さらに、この塗布液の液溜りが形成された
状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を保持したまま、基板100の縦方向(基板
100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル部材1
03と基板100とを相対的に直動させると、基板10
0の被塗布面に塗布液が塗布されることになる。このと
き、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107
にある液溜りの塗布液は、基板100の被塗布面に塗布
されていくに従って消費されるが、大気開放されたノズ
ル部材103の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛細
管現象などによって、その消費量とほぼ同等の塗布液が
塗布液槽内から塗布液流出路105を通ってその隙間1
07内に供給される。そのため、塗布時の隙間107内
の塗布液量は常にほぼ一定に保持されることになって、
基板100に塗布液が連続して略均一な膜厚に塗布され
ることになる。
状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を保持したまま、基板100の縦方向(基板
100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル部材1
03と基板100とを相対的に直動させると、基板10
0の被塗布面に塗布液が塗布されることになる。このと
き、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107
にある液溜りの塗布液は、基板100の被塗布面に塗布
されていくに従って消費されるが、大気開放されたノズ
ル部材103の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛細
管現象などによって、その消費量とほぼ同等の塗布液が
塗布液槽内から塗布液流出路105を通ってその隙間1
07内に供給される。そのため、塗布時の隙間107内
の塗布液量は常にほぼ一定に保持されることになって、
基板100に塗布液が連続して略均一な膜厚に塗布され
ることになる。
【0011】このように、塗布液槽内から毛細管現象な
どによって塗布液を供給することによって、塗布に伴っ
て、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107
内にある液溜り量を一定に保持して塗布膜厚を一定にす
ることを提案しているが、塗布液の塗布開始時近傍にお
いては、塗布膜厚が薄膜化するという問題を有してい
た。
どによって塗布液を供給することによって、塗布に伴っ
て、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107
内にある液溜り量を一定に保持して塗布膜厚を一定にす
ることを提案しているが、塗布液の塗布開始時近傍にお
いては、塗布膜厚が薄膜化するという問題を有してい
た。
【0012】かかる塗布開始領域近傍における薄膜化の
問題の解決を試みた特開平8−141463号公報で
は、この薄膜化の原因は、基板とノズル部材との間に形
成される塗布液のメニスカスカーブの移動の遅れにある
と考え、このメニスカスカーブの移動速度を検出し、こ
れを定常速度に保つようにノズル移動速度を高めたり、
槽内圧力を制御する手段を設けている。ところが本発明
者の研究によれば、かかる構成では塗布開始時における
薄膜化は軽減されはするものの、やはり依然として塗布
開始時の近傍位置の膜厚を目標膜厚に一定に制御するに
は充分ではなく、塗布開始時近傍では塗布膜厚がまだ薄
くなるという問題を有していた。
問題の解決を試みた特開平8−141463号公報で
は、この薄膜化の原因は、基板とノズル部材との間に形
成される塗布液のメニスカスカーブの移動の遅れにある
と考え、このメニスカスカーブの移動速度を検出し、こ
れを定常速度に保つようにノズル移動速度を高めたり、
槽内圧力を制御する手段を設けている。ところが本発明
者の研究によれば、かかる構成では塗布開始時における
薄膜化は軽減されはするものの、やはり依然として塗布
開始時の近傍位置の膜厚を目標膜厚に一定に制御するに
は充分ではなく、塗布開始時近傍では塗布膜厚がまだ薄
くなるという問題を有していた。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、塗布開始時近傍における薄膜化を確実に防止して一
定膜厚にすることができる塗布装置を提供することを目
的とする。
で、塗布開始時近傍における薄膜化を確実に防止して一
定膜厚にすることができる塗布装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布装置は、塗
布液を供給可能なノズル手段と、立設した被塗布基板と
を被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象で塗布
液槽から汲み上げられた塗布液を前記ノズル手段から供
給して基板の被塗布面に塗布する塗布装置において、塗
布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定になる
ように、ノズル手段と基板の被塗布面との相対移動速
度、ノズル手段と基板の被塗布面とのギャップ寸法、お
よび塗布液槽内の液面高さのうち少なくとも何れかを可
変する制御手段を有することを特徴とするものである。
布液を供給可能なノズル手段と、立設した被塗布基板と
を被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象で塗布
液槽から汲み上げられた塗布液を前記ノズル手段から供
給して基板の被塗布面に塗布する塗布装置において、塗
布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定になる
ように、ノズル手段と基板の被塗布面との相対移動速
度、ノズル手段と基板の被塗布面とのギャップ寸法、お
よび塗布液槽内の液面高さのうち少なくとも何れかを可
変する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0015】また具体的には、ギャップ寸法を制御して
塗布開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好まし
くは、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面に
対して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液
を塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布
液槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他
端が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁
部に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被塗
布面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と
基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させ
るギャップ可変手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じ
て、塗布膜厚を一定にするべく、ノズル手段と基板の被
塗布面とのギャップ寸法を可変するようにギャップ可変
手段を制御すると共に、ノズル手段と基板を被塗布面に
沿って相対移動させるように移動手段を制御する制御手
段とを有することを特徴とするものである。また具体的
には、相対移動速度を制御して塗布開始時近傍において
も一定膜厚とした場合、好ましくは、本発明の塗布装置
は、立設した基板の被塗布面に対して、毛管現象で塗布
液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗布装置にお
いて、塗布液を貯留可能な塗布液槽と、この塗布液槽に
一端が連通され外部流出口に他端が連通されて斜め上方
に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設されたノズル手
段と、ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動さ
せる移動手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗
布膜厚が一定になるように、移動手段の相対移動速度を
可変する制御手段とを有することを特徴とするものであ
る。さらに具体的には、塗布液槽内の液面高さを制御し
て塗布開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好ま
しくは、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面
に対して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布
液を塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗
布液槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に
他端が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面
壁部に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被
塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、塗布液槽内
の液面高さを検出する液面高さ検出手段と、塗布液槽の
液面高さを可変する液面高さ可変手段と、塗布開始時近
傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定になるように、液
面高さ検出手段で検出した液面高さを基準として液面高
さ可変手段を制御すると共に、ノズル手段と基板を被塗
布面に沿って相対移動させるように移動手段を制御する
制御手段とを有することを特徴とするものである。以上
の場合、塗布液槽はノズル手段の内部にあってもよい
し、外部にあってもよい。
塗布開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好まし
くは、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面に
対して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液
を塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布
液槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他
端が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁
部に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被塗
布面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と
基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させ
るギャップ可変手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じ
て、塗布膜厚を一定にするべく、ノズル手段と基板の被
塗布面とのギャップ寸法を可変するようにギャップ可変
手段を制御すると共に、ノズル手段と基板を被塗布面に
沿って相対移動させるように移動手段を制御する制御手
段とを有することを特徴とするものである。また具体的
には、相対移動速度を制御して塗布開始時近傍において
も一定膜厚とした場合、好ましくは、本発明の塗布装置
は、立設した基板の被塗布面に対して、毛管現象で塗布
液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗布装置にお
いて、塗布液を貯留可能な塗布液槽と、この塗布液槽に
一端が連通され外部流出口に他端が連通されて斜め上方
に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設されたノズル手
段と、ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動さ
せる移動手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗
布膜厚が一定になるように、移動手段の相対移動速度を
可変する制御手段とを有することを特徴とするものであ
る。さらに具体的には、塗布液槽内の液面高さを制御し
て塗布開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好ま
しくは、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面
に対して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布
液を塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗
布液槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に
他端が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面
壁部に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被
塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、塗布液槽内
の液面高さを検出する液面高さ検出手段と、塗布液槽の
液面高さを可変する液面高さ可変手段と、塗布開始時近
傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定になるように、液
面高さ検出手段で検出した液面高さを基準として液面高
さ可変手段を制御すると共に、ノズル手段と基板を被塗
布面に沿って相対移動させるように移動手段を制御する
制御手段とを有することを特徴とするものである。以上
の場合、塗布液槽はノズル手段の内部にあってもよい
し、外部にあってもよい。
【0016】すなわち、塗布開始時近傍の均一化のため
には、停止していたノズル手段が塗布開始と同時に基板
と相対的に動き出す際に、基板に塗布されて消費される
塗布液の液量と、塗布液槽からスリット状の塗布液流出
路を通って供給される塗布液の液量とが等しいことが望
まれるわけであるが、本発明者は、詳細なる研究の結
果、実際には、スリット状の塗布液流出路内に停止して
いた塗布液が動きだして定常速度に達するまでには、塗
布液流出路内を流れる流出抵抗がかなり大きいために時
間を要してしまうからであるということに注目した。即
ち、この塗布開始時近傍では、スリット状の塗布液流出
路を介して流出してくる塗布液が定常状態よりも少ない
ために、塗布される塗布膜厚が薄くなってしまうことに
主たる薄膜化の要因を見いだした。
には、停止していたノズル手段が塗布開始と同時に基板
と相対的に動き出す際に、基板に塗布されて消費される
塗布液の液量と、塗布液槽からスリット状の塗布液流出
路を通って供給される塗布液の液量とが等しいことが望
まれるわけであるが、本発明者は、詳細なる研究の結
果、実際には、スリット状の塗布液流出路内に停止して
いた塗布液が動きだして定常速度に達するまでには、塗
布液流出路内を流れる流出抵抗がかなり大きいために時
間を要してしまうからであるということに注目した。即
ち、この塗布開始時近傍では、スリット状の塗布液流出
路を介して流出してくる塗布液が定常状態よりも少ない
ために、塗布される塗布膜厚が薄くなってしまうことに
主たる薄膜化の要因を見いだした。
【0017】したがって、本発明では、ノズル手段と基
板とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化し、ノズル手段と
基板の被塗布面との相対移動速度が早いほど厚膜化し、
塗布液槽内の液面高さが高いほど厚膜化する塗布特性を
用いて、塗布開始時近傍の薄膜化を相殺して塗布開始時
近傍の塗布膜厚を所定の膜厚に一定化する。つまり、塗
布開始位置の近傍において、スリット状の塗布液流出路
内に停止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、上記
ギャップ寸法を狭くしたり、相対移動速度を早くした
り、塗布液槽内の液面高さを高くしたりして、基板に塗
布されて消費される塗布液の液量と、塗布液槽からスリ
ット状の塗布液流出路を通って供給される塗布液の液量
とが等しくなるようにしている。よって、塗布開始位置
から所望の膜厚が得られ、従来のような塗布開始時近傍
における薄膜化は防止されることになる。この場合に
も、スリット状の塗布液流出路内に停止していた塗布液
が動き出して定常速度に達するまでにはある程度の時間
を要することになるが、本発明では、この定常速度に達
するまでの時間を早めると共に、この定常速度に達する
動作を、膜厚に影響するメニスカスカーブの移動位置ま
での時間内に済ませれば、塗布開始位置から所望の膜厚
が得られることになる。
板とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化し、ノズル手段と
基板の被塗布面との相対移動速度が早いほど厚膜化し、
塗布液槽内の液面高さが高いほど厚膜化する塗布特性を
用いて、塗布開始時近傍の薄膜化を相殺して塗布開始時
近傍の塗布膜厚を所定の膜厚に一定化する。つまり、塗
布開始位置の近傍において、スリット状の塗布液流出路
内に停止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、上記
ギャップ寸法を狭くしたり、相対移動速度を早くした
り、塗布液槽内の液面高さを高くしたりして、基板に塗
布されて消費される塗布液の液量と、塗布液槽からスリ
ット状の塗布液流出路を通って供給される塗布液の液量
とが等しくなるようにしている。よって、塗布開始位置
から所望の膜厚が得られ、従来のような塗布開始時近傍
における薄膜化は防止されることになる。この場合に
も、スリット状の塗布液流出路内に停止していた塗布液
が動き出して定常速度に達するまでにはある程度の時間
を要することになるが、本発明では、この定常速度に達
するまでの時間を早めると共に、この定常速度に達する
動作を、膜厚に影響するメニスカスカーブの移動位置ま
での時間内に済ませれば、塗布開始位置から所望の膜厚
が得られることになる。
【0018】次に、さらに具体的には、ギャップ寸法、
相対移動速度および塗布液の液面高さの各制御項目のう
ち複数制御項目を制御して、従来は薄膜化していた塗布
開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好ましく
は、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面に対
して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を
塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布液
槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端
が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部
に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被塗布
面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と基
板の被塗布面を接近または離間するように移動させるギ
ャップ可変手段と、塗布液槽内の液面高さを検出する液
面高さ検出手段と、塗布液槽の液面高さを可変する液面
高さ可変手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗
布膜厚を一定にするべく、移動手段による相対移動速
度、ノズル手段と基板の被塗布面のギャップ寸法、およ
び、液面高さ検出手段で検出した液面高さを基準とした
液面高さの各制御項目のうち複数制御項目を可変するよ
うに各手段を制御する制御手段とを有することを特徴と
するものである。以上の場合にも、塗布液槽はノズル手
段の外部にあってもよいし、内部にあってもよい。
相対移動速度および塗布液の液面高さの各制御項目のう
ち複数制御項目を制御して、従来は薄膜化していた塗布
開始時近傍においても一定膜厚とした場合、好ましく
は、本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗布面に対
して、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を
塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布液
槽と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端
が連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部
に配設されたノズル手段と、ノズル手段と基板を被塗布
面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と基
板の被塗布面を接近または離間するように移動させるギ
ャップ可変手段と、塗布液槽内の液面高さを検出する液
面高さ検出手段と、塗布液槽の液面高さを可変する液面
高さ可変手段と、塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗
布膜厚を一定にするべく、移動手段による相対移動速
度、ノズル手段と基板の被塗布面のギャップ寸法、およ
び、液面高さ検出手段で検出した液面高さを基準とした
液面高さの各制御項目のうち複数制御項目を可変するよ
うに各手段を制御する制御手段とを有することを特徴と
するものである。以上の場合にも、塗布液槽はノズル手
段の外部にあってもよいし、内部にあってもよい。
【0019】この構成により、上記したギャップ寸法、
相対移動速度および塗布液の液面高さの各制御項目のう
ち複数項目を同時に用いれば、より安定した塗布開始時
近傍の薄膜化防止効果が得られることになる。
相対移動速度および塗布液の液面高さの各制御項目のう
ち複数項目を同時に用いれば、より安定した塗布開始時
近傍の薄膜化防止効果が得られることになる。
【0020】また、本発明における制御手段は、塗布膜
厚の変動の原因である、塗布液流出路内で塗布液が動き
出す際の流出抵抗の大きさに応じて、塗布膜厚が一定に
なるように制御を行う。
厚の変動の原因である、塗布液流出路内で塗布液が動き
出す際の流出抵抗の大きさに応じて、塗布膜厚が一定に
なるように制御を行う。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗布装置の実
施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以
下に示す実施形態に限定されるものではない。
施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以
下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0022】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【0023】図1において、壁状に構成されて立設され
た架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の
被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して鉛直姿
勢に保持する吸着ステージ3が配設されている。この吸
着ステージ3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対
応した適所に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示
せず)が出退自在に為されている細長い凹部3aが複数
配設されており、基板2への吸盤(図示せず)による吸
着後に吸盤(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き
込んで収納することで基板2を保持するようになってい
る。また、吸着部材としての吸盤(図示せず)が基板2
の中央部を保持しないのは、基板2の中央部は重要な回
路などが配置される部分であり、吸盤(図示せず)によ
る真空吸引と解除によって温度が下がったり上がったり
することで塗布むらとなるのを防止するためである。し
たがって、吸盤(図示せず)の形状も基板2の外周部だ
けを吸引すべく、細長い凹部3aと同様の細長い吸盤形
状となっている。なお、ここでは、吸着ステージ3によ
る基板2の保持は、吸盤(図示せず)による吸着の場合
を示したが、基板2の上下左右を爪状の部材でひっかけ
て保持するような構成であってもよいことは言うまでも
ないことである。
た架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の
被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して鉛直姿
勢に保持する吸着ステージ3が配設されている。この吸
着ステージ3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対
応した適所に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示
せず)が出退自在に為されている細長い凹部3aが複数
配設されており、基板2への吸盤(図示せず)による吸
着後に吸盤(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き
込んで収納することで基板2を保持するようになってい
る。また、吸着部材としての吸盤(図示せず)が基板2
の中央部を保持しないのは、基板2の中央部は重要な回
路などが配置される部分であり、吸盤(図示せず)によ
る真空吸引と解除によって温度が下がったり上がったり
することで塗布むらとなるのを防止するためである。し
たがって、吸盤(図示せず)の形状も基板2の外周部だ
けを吸引すべく、細長い凹部3aと同様の細長い吸盤形
状となっている。なお、ここでは、吸着ステージ3によ
る基板2の保持は、吸盤(図示せず)による吸着の場合
を示したが、基板2の上下左右を爪状の部材でひっかけ
て保持するような構成であってもよいことは言うまでも
ないことである。
【0024】また、この架台1の表面側および裏面側の
幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各ア
イドルギヤ4が左右2組回転自在に各軸受部5でそれぞ
れ軸支されて配設されている。これらの上部に位置する
左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右
の各スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部
材7の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右
の各スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランス
ウェイト8の両端上部がそれぞれ連結されている。ま
た、下部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれ
ぞれ架けられた左右の各スチールベルト6の一方端には
それぞれ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結され
ており、また、その左右の各スチールベルト6の他方端
にはそれぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞ
れ連結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バラ
ンスウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持
されかつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6
が、架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2
組の各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されてい
る。このベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法
のノズル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出
可能なノズルユニット10が配設されている。これらの
ベース部材7およびノズルユニット10とバランスウェ
イト8とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1
の表と裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持される
ようになっている。
幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各ア
イドルギヤ4が左右2組回転自在に各軸受部5でそれぞ
れ軸支されて配設されている。これらの上部に位置する
左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右
の各スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部
材7の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右
の各スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランス
ウェイト8の両端上部がそれぞれ連結されている。ま
た、下部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれ
ぞれ架けられた左右の各スチールベルト6の一方端には
それぞれ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結され
ており、また、その左右の各スチールベルト6の他方端
にはそれぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞ
れ連結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バラ
ンスウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持
されかつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6
が、架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2
組の各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されてい
る。このベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法
のノズル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出
可能なノズルユニット10が配設されている。これらの
ベース部材7およびノズルユニット10とバランスウェ
イト8とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1
の表と裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持される
ようになっている。
【0025】また、架台1の表面側の両端部にはそれぞ
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12
が配設されており、これら左右の各リニアモータ11は
その駆動によって、ノズルユニット10を載置したベー
ス部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移
動させる構成となっている。この移動手段としてのリニ
アモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベ
ルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各
スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図
2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベ
ース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端
部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向
して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスラ
イダ部材15とを有している。このスライダ部材15
は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合し
て上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リ
ニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12
のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁に
よって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回
路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネク
タ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁によ
る磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部
13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自
在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット1
0を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着
されており、これらの各スライダ部材15の移動によっ
てベース部材7が上下に移動自在になっている。
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12
が配設されており、これら左右の各リニアモータ11は
その駆動によって、ノズルユニット10を載置したベー
ス部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移
動させる構成となっている。この移動手段としてのリニ
アモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベ
ルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各
スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図
2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベ
ース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端
部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向
して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスラ
イダ部材15とを有している。このスライダ部材15
は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合し
て上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リ
ニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12
のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁に
よって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回
路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネク
タ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁によ
る磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部
13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自
在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット1
0を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着
されており、これらの各スライダ部材15の移動によっ
てベース部材7が上下に移動自在になっている。
【0026】ここでは、ノズルユニット10を載置した
ベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移
動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板
2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成す
ればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着
ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなど
の移動手段で移動するように構成することもできる。こ
のように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズ
ルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その
振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3
を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上
下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリー
ンルームの天井高さには制限があるので、装置の設置が
難しくなってしまう。
ベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移
動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板
2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成す
ればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着
ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなど
の移動手段で移動するように構成することもできる。こ
のように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズ
ルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その
振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3
を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上
下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリー
ンルームの天井高さには制限があるので、装置の設置が
難しくなってしまう。
【0027】さらに、ノズルユニット10は、図3に示
すように、基板2の被塗布面に対向して開口した水平方
向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能なノズル手
段としてのノズル部材19と、このノズル部材19のノ
ズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと点線で示
す洗浄用の下方位置Nとの間で、ノズル部材19をその
長手方向を回動軸として回動させるノズル部材回動機構
部20と、ノズル部材19のノズル口9と基板2の被塗
布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変させるべ
く、ノズル部材19を基板2に対して接近または離間自
在に駆動するギャップ可変機構部21とを備えている。
このノズルユニット10は、塗布処理される基板2のサ
イズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変え可能に
構成されている。
すように、基板2の被塗布面に対向して開口した水平方
向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能なノズル手
段としてのノズル部材19と、このノズル部材19のノ
ズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと点線で示
す洗浄用の下方位置Nとの間で、ノズル部材19をその
長手方向を回動軸として回動させるノズル部材回動機構
部20と、ノズル部材19のノズル口9と基板2の被塗
布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変させるべ
く、ノズル部材19を基板2に対して接近または離間自
在に駆動するギャップ可変機構部21とを備えている。
このノズルユニット10は、塗布処理される基板2のサ
イズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変え可能に
構成されている。
【0028】このノズル部材19のうち、図4(a)に
はノズル部材19aが、図4(b)には別の型のノズル
部材19bが模式的に示されている。これらのノズル部
材19a,19b内には、塗布液22を溜める塗布液槽
23が配設されており、この塗布液槽23は、両端が閉
塞され基板2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状
に構成されている。この塗布液槽23の中央部に塗布液
22を供給する図1の供給チューブ24が連結されてお
り、ベース部材7上に載置されたポンプ43によって供
給チューブ24を介して外部から塗布液を塗布液槽23
内に供給可能に構成している。また、基板2の被塗布面
2aと対向する前面壁部25に塗布液槽23内から外部
に斜め上向きに貫通した塗布液流出路としてスリット2
6がその幅方向に形成されている。前端面27の下端2
7aは、スリット26の出口であるノズル口9と、その
反対側の塗布液槽23内への開口との間の高さに位置す
るように形成されている。また、ノズル部材19a,1
9bの塗布液槽23には、その内部に貯留される塗布液
の液面よりも上方部分において塗布液槽23内部と連通
してその内部を加圧し、減圧し、または大気開放にする
ための圧力設定機構(図示せず)が接続されている。こ
のスリット26は、塗布液槽23の下部とノズル口9と
の間で直線状に左上向きに傾斜した状態で連結してお
り、スリット26の下方端が塗布液槽23内に開口し、
その上方端が水平方向に細長いノズル口9となってい
る。さらに、基板2の被塗布面2aと対向する前面壁部
25の前端面27は、塗布液の液溜りが形成可能なよう
に、基板2の被塗布面2aに非接触でかつ所定の隙間2
8で近接するように配置される。
はノズル部材19aが、図4(b)には別の型のノズル
部材19bが模式的に示されている。これらのノズル部
材19a,19b内には、塗布液22を溜める塗布液槽
23が配設されており、この塗布液槽23は、両端が閉
塞され基板2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状
に構成されている。この塗布液槽23の中央部に塗布液
22を供給する図1の供給チューブ24が連結されてお
り、ベース部材7上に載置されたポンプ43によって供
給チューブ24を介して外部から塗布液を塗布液槽23
内に供給可能に構成している。また、基板2の被塗布面
2aと対向する前面壁部25に塗布液槽23内から外部
に斜め上向きに貫通した塗布液流出路としてスリット2
6がその幅方向に形成されている。前端面27の下端2
7aは、スリット26の出口であるノズル口9と、その
反対側の塗布液槽23内への開口との間の高さに位置す
るように形成されている。また、ノズル部材19a,1
9bの塗布液槽23には、その内部に貯留される塗布液
の液面よりも上方部分において塗布液槽23内部と連通
してその内部を加圧し、減圧し、または大気開放にする
ための圧力設定機構(図示せず)が接続されている。こ
のスリット26は、塗布液槽23の下部とノズル口9と
の間で直線状に左上向きに傾斜した状態で連結してお
り、スリット26の下方端が塗布液槽23内に開口し、
その上方端が水平方向に細長いノズル口9となってい
る。さらに、基板2の被塗布面2aと対向する前面壁部
25の前端面27は、塗布液の液溜りが形成可能なよう
に、基板2の被塗布面2aに非接触でかつ所定の隙間2
8で近接するように配置される。
【0029】さらに、図4(a)のノズル部材19aで
は、この前端面27の下端27aとスリット26の塗布
液槽23内への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽2
3内の塗布液面が位置するように液面を設定し、その前
端面27の上端27bが、基板2の被塗布面2aと前端
面27との間の隙間28を上方へ無限に延長させたと仮
定した場合にその隙間28内に流入した塗布液22が少
なくとも毛細管現象などによって上昇できる到達高さ位
置とスリット26の出口であるノズル口9との間に位置
するようになっている。
は、この前端面27の下端27aとスリット26の塗布
液槽23内への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽2
3内の塗布液面が位置するように液面を設定し、その前
端面27の上端27bが、基板2の被塗布面2aと前端
面27との間の隙間28を上方へ無限に延長させたと仮
定した場合にその隙間28内に流入した塗布液22が少
なくとも毛細管現象などによって上昇できる到達高さ位
置とスリット26の出口であるノズル口9との間に位置
するようになっている。
【0030】また、図4(b)の別の型のノズル部材1
9bでは、前端面27の下端27aとスリット26の塗
布液槽23内への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽
23内の塗布液面が位置するように液面を設定し、ノズ
ル口9から前端面27の前端面上部29は、上方に開く
ように傾斜している。つまり、基板2の被塗布面2aと
前端面上部29との間の隙間30は上に行くほど広がっ
ており、塗布液22が毛細管現象などによってスリット
26さらにノズル口9を介して隙間30内を上昇する液
面到達高さ位置まで来ている。
9bでは、前端面27の下端27aとスリット26の塗
布液槽23内への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽
23内の塗布液面が位置するように液面を設定し、ノズ
ル口9から前端面27の前端面上部29は、上方に開く
ように傾斜している。つまり、基板2の被塗布面2aと
前端面上部29との間の隙間30は上に行くほど広がっ
ており、塗布液22が毛細管現象などによってスリット
26さらにノズル口9を介して隙間30内を上昇する液
面到達高さ位置まで来ている。
【0031】これらのノズル部材19a,19bの特徴
を比較すると、ノズル部材19aでは、塗布液22が毛
細管現象などによって上昇する到達高さ位置よりも低い
位置で前端面27の上端27bが形成されているため、
毛細管現象などによる塗布液22の上昇力が内在されて
おり、塗布液22の塗始めから所定膜厚に至るまでの時
間がノズル部材19bの場合よりも早く到達するという
メリットがある。つまり、ノズル部材19aでは、塗布
液22の塗始めに生じる薄い膜厚範囲が、ノズル部材1
9bの場合よりも狭いというメリットがある。
を比較すると、ノズル部材19aでは、塗布液22が毛
細管現象などによって上昇する到達高さ位置よりも低い
位置で前端面27の上端27bが形成されているため、
毛細管現象などによる塗布液22の上昇力が内在されて
おり、塗布液22の塗始めから所定膜厚に至るまでの時
間がノズル部材19bの場合よりも早く到達するという
メリットがある。つまり、ノズル部材19aでは、塗布
液22の塗始めに生じる薄い膜厚範囲が、ノズル部材1
9bの場合よりも狭いというメリットがある。
【0032】また、ノズル部材19aでは、その前端面
27は塗布液22で常に濡れているために塗布液22が
乾くことがなく、乾くことによるコンタミネーションの
発生原因は抑えられることになる。一方、ノズル部材1
9bでは、前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液
面が毛細管現象などによって上昇する到達高さ位置は、
塗始めと塗終わりなどで、消費した液量差による槽内の
液面高さの低下などのため一定しておらず、液面が低下
することによって、今まで塗布液22で濡れていた前端
面上部29の傾斜面が乾いてコンタミネーションが生
じ、そこから発生したパーティクルが塗布液22中に混
入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下す
るという虞がある。また、ノズル部材19bでは、次に
別の基板2の被塗布面2aを塗布する場合にも同様に、
前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液面が毛細管
現象などによって上昇する到達高さ位置は、前回の塗布
時と比べて、基板2の被塗布面2aと前端面上部29と
の隙間30が広くなったり狭くなったりすることで一定
化しない。このため、その隙間30が広くなったギャッ
プ部分では液面到達高さ位置が低下することによって、
今まで塗布液22で濡れていた前端面上部29の傾斜面
が乾くことになる。その乾いた部分にコンタミネーショ
ンが発生し、それによるパーティクルが塗布液22中に
混入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下
するという虞がある。
27は塗布液22で常に濡れているために塗布液22が
乾くことがなく、乾くことによるコンタミネーションの
発生原因は抑えられることになる。一方、ノズル部材1
9bでは、前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液
面が毛細管現象などによって上昇する到達高さ位置は、
塗始めと塗終わりなどで、消費した液量差による槽内の
液面高さの低下などのため一定しておらず、液面が低下
することによって、今まで塗布液22で濡れていた前端
面上部29の傾斜面が乾いてコンタミネーションが生
じ、そこから発生したパーティクルが塗布液22中に混
入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下す
るという虞がある。また、ノズル部材19bでは、次に
別の基板2の被塗布面2aを塗布する場合にも同様に、
前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液面が毛細管
現象などによって上昇する到達高さ位置は、前回の塗布
時と比べて、基板2の被塗布面2aと前端面上部29と
の隙間30が広くなったり狭くなったりすることで一定
化しない。このため、その隙間30が広くなったギャッ
プ部分では液面到達高さ位置が低下することによって、
今まで塗布液22で濡れていた前端面上部29の傾斜面
が乾くことになる。その乾いた部分にコンタミネーショ
ンが発生し、それによるパーティクルが塗布液22中に
混入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下
するという虞がある。
【0033】さらに、ノズル部材19aでは、基板2の
被塗布面2aと前端面27との隙間28の寸法によって
塗布する塗布液22の膜厚が変化するために、膜厚調整
用としては効力を発揮するが、細長いノズル口9と基板
2の被塗布面2aとの隙間28に、細長いノズル口9の
両端位置で、また、塗始めの位置と塗終わりの位置など
でギャップ差が生じるような場合には、その隙間28の
差が塗布膜厚差となって反映することになって、基板2
の被塗布面2aに均一な膜厚の塗布液22を塗布するこ
とができないという虞がある。これに対して、ノズル部
材19bでは、基板2の厚みが一定でなかったり基板2
の被塗布面2aと細長いノズル口9との隙間30に、基
板2が反っていたりノズル部材19bが傾いていたりし
て、細長いノズル口9の両端位置で、また、塗始めの位
置と塗終わりの位置でギャップ差があるような場合に
も、隙間30が上方に広がっているので、細長いノズル
口9の両端部などでのギャップ差が吸収されて、塗布膜
厚差が生じにくく、基板2の被塗布面2aにより均一な
膜厚の塗布液22を塗布することができるようになる。
つまり、隙間30の寸法が小さくなるほど塗布膜厚が厚
くなるが、この場合、隙間30を上昇する塗布液22の
液面到達高さ位置も上昇することになり、前端面29の
傾斜面で液面が上になるほど液面位置における隙間寸法
も増えて、細長いノズル口9の両端部などでのギャップ
差が吸収されることになる。この上昇液面位置における
隙間寸法が塗布膜厚に影響しているため、隙間30の寸
法が小さくなるほど塗布膜厚が厚くなるが、上昇液面位
置における隙間寸法は広がって塗布膜厚が薄くなって塗
布膜厚差は生じにくくなり、基板2の被塗布面2aに対
してより均一な膜厚の塗布液22を塗布することができ
るようになる。
被塗布面2aと前端面27との隙間28の寸法によって
塗布する塗布液22の膜厚が変化するために、膜厚調整
用としては効力を発揮するが、細長いノズル口9と基板
2の被塗布面2aとの隙間28に、細長いノズル口9の
両端位置で、また、塗始めの位置と塗終わりの位置など
でギャップ差が生じるような場合には、その隙間28の
差が塗布膜厚差となって反映することになって、基板2
の被塗布面2aに均一な膜厚の塗布液22を塗布するこ
とができないという虞がある。これに対して、ノズル部
材19bでは、基板2の厚みが一定でなかったり基板2
の被塗布面2aと細長いノズル口9との隙間30に、基
板2が反っていたりノズル部材19bが傾いていたりし
て、細長いノズル口9の両端位置で、また、塗始めの位
置と塗終わりの位置でギャップ差があるような場合に
も、隙間30が上方に広がっているので、細長いノズル
口9の両端部などでのギャップ差が吸収されて、塗布膜
厚差が生じにくく、基板2の被塗布面2aにより均一な
膜厚の塗布液22を塗布することができるようになる。
つまり、隙間30の寸法が小さくなるほど塗布膜厚が厚
くなるが、この場合、隙間30を上昇する塗布液22の
液面到達高さ位置も上昇することになり、前端面29の
傾斜面で液面が上になるほど液面位置における隙間寸法
も増えて、細長いノズル口9の両端部などでのギャップ
差が吸収されることになる。この上昇液面位置における
隙間寸法が塗布膜厚に影響しているため、隙間30の寸
法が小さくなるほど塗布膜厚が厚くなるが、上昇液面位
置における隙間寸法は広がって塗布膜厚が薄くなって塗
布膜厚差は生じにくくなり、基板2の被塗布面2aに対
してより均一な膜厚の塗布液22を塗布することができ
るようになる。
【0034】一方、図3のノズル部材回動機構部20
は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31
を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリン
ダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを
回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド
先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能に
ピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材
33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する
方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動
軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を
下方から支持する支持部材35aを横方向から貫通して
固定されている。このベース部材35の前方端縁上側に
はノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面
2a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆
動軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付け
られている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端
部31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材1
9のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布
可能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32
のロッド先端部31が短縮した場合には、ノズル部材1
9のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて
図示しないノズル洗浄手段によりノズル部材19が洗浄
可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン32
aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向Cに
揺動しつつロッド先端部31が短縮されることになる。
は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31
を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリン
ダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを
回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド
先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能に
ピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材
33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する
方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動
軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を
下方から支持する支持部材35aを横方向から貫通して
固定されている。このベース部材35の前方端縁上側に
はノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面
2a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆
動軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付け
られている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端
部31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材1
9のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布
可能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32
のロッド先端部31が短縮した場合には、ノズル部材1
9のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて
図示しないノズル洗浄手段によりノズル部材19が洗浄
可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン32
aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向Cに
揺動しつつロッド先端部31が短縮されることになる。
【0035】また、ギャップ可変機構部21は、ステッ
ピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、
前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ3
6の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ
40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41
と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共に
ノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面
2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または
離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備
えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転
で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材
回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成
されている。
ピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、
前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ3
6の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ
40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41
と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共に
ノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面
2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または
離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備
えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転
で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材
回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成
されている。
【0036】ここでは、ギャップ可変機構部21は中央
部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャ
ップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2
の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテー
パがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場
合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右
2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整す
ることができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル
部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによ
る幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャッ
プ寸法として傾け得るように構成することもできる。
部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャ
ップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2
の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテー
パがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場
合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右
2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整す
ることができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル
部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによ
る幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャッ
プ寸法として傾け得るように構成することもできる。
【0037】図5(a)は基板とノズル部材とのギャッ
プ量と、塗布膜厚との関係を示す図である。
プ量と、塗布膜厚との関係を示す図である。
【0038】図5(a)に示すように、基板2の被塗布
面2aと、ノズル口9を有するノズル部材19の前端面
27との隙間(ギャップ量)28に応じて塗布膜厚が変
化する特性があり、そのギャップ量が大きいほど、それ
に応じて塗布膜厚が薄くなる。
面2aと、ノズル口9を有するノズル部材19の前端面
27との隙間(ギャップ量)28に応じて塗布膜厚が変
化する特性があり、そのギャップ量が大きいほど、それ
に応じて塗布膜厚が薄くなる。
【0039】この図5(a)のギャップ量に応じて塗布
膜厚が変化する特性で、塗布開始時近傍で薄膜化する特
性を、塗布開始位置近傍でも所望の塗布膜厚で一定化す
るように補正することができる。つまり、塗布開始位置
近傍で薄膜化に応じてギャップ量を変化させること、即
ち、ギャップ量が一定であれば塗布開始時の薄い膜厚状
態から所望の塗布膜厚になっていくが、この薄い膜厚状
態の変化を予測し、その予測した薄い膜厚状態と所望の
塗布膜厚との膜厚差に応じて塗布開始時のギャップ量を
小さなものとしておき、そのギャップ量の減少状態から
通常塗布時のギャップ量までの増加を図ることで、塗布
開始位置近傍で薄くなる塗布膜厚を是正するように制御
すれば、塗布開始位置近傍においても所望の塗布膜厚で
一定にすることが可能となる。この場合にも、スリット
26内に停止していた塗布液が動き出して定常速度に達
するまでにはある程度の時間を要することになるが、本
発明では、この塗布液流出路内で塗布液が動き出す際の
流出抵抗の大きさに応じてそれによる薄膜化を補償する
ようギャップ量を減少させることで塗布開始位置から所
望の膜厚が得られることになる。
膜厚が変化する特性で、塗布開始時近傍で薄膜化する特
性を、塗布開始位置近傍でも所望の塗布膜厚で一定化す
るように補正することができる。つまり、塗布開始位置
近傍で薄膜化に応じてギャップ量を変化させること、即
ち、ギャップ量が一定であれば塗布開始時の薄い膜厚状
態から所望の塗布膜厚になっていくが、この薄い膜厚状
態の変化を予測し、その予測した薄い膜厚状態と所望の
塗布膜厚との膜厚差に応じて塗布開始時のギャップ量を
小さなものとしておき、そのギャップ量の減少状態から
通常塗布時のギャップ量までの増加を図ることで、塗布
開始位置近傍で薄くなる塗布膜厚を是正するように制御
すれば、塗布開始位置近傍においても所望の塗布膜厚で
一定にすることが可能となる。この場合にも、スリット
26内に停止していた塗布液が動き出して定常速度に達
するまでにはある程度の時間を要することになるが、本
発明では、この塗布液流出路内で塗布液が動き出す際の
流出抵抗の大きさに応じてそれによる薄膜化を補償する
ようギャップ量を減少させることで塗布開始位置から所
望の膜厚が得られることになる。
【0040】図6は、図1の塗布装置の概略制御構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【0041】図6において、操作部52としては、数字
を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源
キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度
の基準値をマニュアル設定する速度設定キーおよび、接
離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノズ
ル口9との隙間28または隙間30を調整する隙間設定
キー、基板サイズ、塗布液粘度および塗布膜厚などを設
定する各種設定キーなどで構成されている。また、この
操作部52が接続される制御部53はROM54および
RAM55に接続されており、ROM54内に登録され
た各制御プログラムで用いる制御データを、操作部52
から制御部53を介してRAM55内に書き込み可能で
ある。
を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源
キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度
の基準値をマニュアル設定する速度設定キーおよび、接
離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノズ
ル口9との隙間28または隙間30を調整する隙間設定
キー、基板サイズ、塗布液粘度および塗布膜厚などを設
定する各種設定キーなどで構成されている。また、この
操作部52が接続される制御部53はROM54および
RAM55に接続されており、ROM54内に登録され
た各制御プログラムで用いる制御データを、操作部52
から制御部53を介してRAM55内に書き込み可能で
ある。
【0042】また、これらの操作部52、ROM54お
よびRAM55が接続される制御部53は、リニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されて
おり、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御
プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ
駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、
制御部53は、その制御信号をリニアモータ駆動回路5
6に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ
11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を
基板2の被塗布面2aに対する所定上下位置に移動自在
である。また、制御部53は、ROM54内に登録され
たリニアモータ駆動制御プログラムと、基板サイズ、塗
布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キーからの入力
や、操作部52の塗布スタートキーの入力によって、リ
ニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに
基づいて、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモ
ータ11を駆動して所定速度でノズル走行させつつ塗布
可能なように制御するようになっている。
よびRAM55が接続される制御部53は、リニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されて
おり、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御
プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ
駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、
制御部53は、その制御信号をリニアモータ駆動回路5
6に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ
11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を
基板2の被塗布面2aに対する所定上下位置に移動自在
である。また、制御部53は、ROM54内に登録され
たリニアモータ駆動制御プログラムと、基板サイズ、塗
布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キーからの入力
や、操作部52の塗布スタートキーの入力によって、リ
ニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに
基づいて、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモ
ータ11を駆動して所定速度でノズル走行させつつ塗布
可能なように制御するようになっている。
【0043】さらに、これらの操作部52、ROM54
およびRAM55が接続される制御部53は、接離モー
タ駆動回路57を介して接離モータ36に接続されてお
り、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プロ
グラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部
53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力
し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動し
てベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗
布面2aに対して接近または離間させて所定ギャップ位
置に移動自在に制御可能である。この制御データとして
は、塗布する塗布液の粘度や塗布速度、目標とする塗布
膜厚などに基づいて、塗布開始時に塗布液流出路内で塗
布液が動き出す際の流出抵抗の大きさとそのためにどの
様な薄膜状態になるかという実験データが、操作部52
から制御部53を介してRAM55内に予め登録されて
おり、その登録された薄膜データと所望膜厚との膜厚差
だけ厚くするように、制御部53は、接離モータ駆動制
御プログラムに基づいて基板2とノズル部材19との目
標のギャップ位置に、接離モータ駆動回路57を介して
接離モータ36を駆動させるようになっている。このよ
うにして、制御部53は、塗布開始時近傍の薄膜が所望
の目標膜厚で一定化するように、基板2に対してノズル
部材19を、塗布開始時には通常の定常状態の塗布時の
ギャップよりも近接させておいて塗布を開始し、その後
徐々にそのギャップを広くして、塗布液流出路内で塗布
液が動き出してその流出速度が定常状態になるのに対応
して通常の塗布時のギャップの大きさまで離間するよう
に制御する構成となっている。
およびRAM55が接続される制御部53は、接離モー
タ駆動回路57を介して接離モータ36に接続されてお
り、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プロ
グラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部
53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力
し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動し
てベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗
布面2aに対して接近または離間させて所定ギャップ位
置に移動自在に制御可能である。この制御データとして
は、塗布する塗布液の粘度や塗布速度、目標とする塗布
膜厚などに基づいて、塗布開始時に塗布液流出路内で塗
布液が動き出す際の流出抵抗の大きさとそのためにどの
様な薄膜状態になるかという実験データが、操作部52
から制御部53を介してRAM55内に予め登録されて
おり、その登録された薄膜データと所望膜厚との膜厚差
だけ厚くするように、制御部53は、接離モータ駆動制
御プログラムに基づいて基板2とノズル部材19との目
標のギャップ位置に、接離モータ駆動回路57を介して
接離モータ36を駆動させるようになっている。このよ
うにして、制御部53は、塗布開始時近傍の薄膜が所望
の目標膜厚で一定化するように、基板2に対してノズル
部材19を、塗布開始時には通常の定常状態の塗布時の
ギャップよりも近接させておいて塗布を開始し、その後
徐々にそのギャップを広くして、塗布液流出路内で塗布
液が動き出してその流出速度が定常状態になるのに対応
して通常の塗布時のギャップの大きさまで離間するよう
に制御する構成となっている。
【0044】図7は塗布開始時の移動距離に対する膜厚
の関係を示し、(a)はパラメータが基板とノズル部材
との相対移動速度の場合の図、(b)はパラメータが塗
布液の粘度の場合の図である。
の関係を示し、(a)はパラメータが基板とノズル部材
との相対移動速度の場合の図、(b)はパラメータが塗
布液の粘度の場合の図である。
【0045】図7(a)において、基板2とノズル部材
19との被塗布面2aに沿った相対移動速度v1〜v3
は、v1<v2<v3であって、この相対移動速度が早
くなるほど薄膜領域は広くなっている。例えば相対移動
速度v1では移動距離がp1まで、相対移動速度v2で
は移動距離がp2まで、相対移動速度v3では移動距離
がp3まで薄膜となる領域であって、それ以降は相対移
動速度に応じた一定膜厚で定常領域となっている。した
がって、塗布開始時の薄膜化する区間は相対移動速度が
遅いほど短くなる。したがって、塗布膜厚を厚くする場
合には、相対移動速度を遅い状態のままで、塗布液槽2
3の液面高さや、基板2とノズル部材19のギャップ寸
法など他の塗布条件で制御する方が塗布開始時近傍の薄
膜化への影響は少なくなる。なお、相対移動速度を制御
して塗布開始時近傍の薄膜化を防止することについて
は、次の実施形態2で後述する。
19との被塗布面2aに沿った相対移動速度v1〜v3
は、v1<v2<v3であって、この相対移動速度が早
くなるほど薄膜領域は広くなっている。例えば相対移動
速度v1では移動距離がp1まで、相対移動速度v2で
は移動距離がp2まで、相対移動速度v3では移動距離
がp3まで薄膜となる領域であって、それ以降は相対移
動速度に応じた一定膜厚で定常領域となっている。した
がって、塗布開始時の薄膜化する区間は相対移動速度が
遅いほど短くなる。したがって、塗布膜厚を厚くする場
合には、相対移動速度を遅い状態のままで、塗布液槽2
3の液面高さや、基板2とノズル部材19のギャップ寸
法など他の塗布条件で制御する方が塗布開始時近傍の薄
膜化への影響は少なくなる。なお、相対移動速度を制御
して塗布開始時近傍の薄膜化を防止することについて
は、次の実施形態2で後述する。
【0046】図7(b)において、塗布液の粘度5c
p,10cp,15cpは、5cp<10cp<15c
pであって、この粘度が高くなるほど薄膜領域は広くな
っている。例えば粘度5cpでは移動距離がp11ま
で、粘度10cpでは移動距離がp12まで、粘度15
cpでは移動距離がp13まで薄膜となる領域であっ
て、それ以降は液粘度に応じた一定膜厚で定常領域とな
っている。したがって、塗布開始時の薄膜化する区間は
液粘度が低いほど短くなる。したがって、塗布膜厚を厚
くする場合には、塗布液の粘度を低い状態のままで、塗
布液槽23の液面高さや、基板2とノズル部材19のギ
ャップ寸法など他の塗布条件で制御する方が塗布開始時
近傍の薄膜化への影響は少なくなる。
p,10cp,15cpは、5cp<10cp<15c
pであって、この粘度が高くなるほど薄膜領域は広くな
っている。例えば粘度5cpでは移動距離がp11ま
で、粘度10cpでは移動距離がp12まで、粘度15
cpでは移動距離がp13まで薄膜となる領域であっ
て、それ以降は液粘度に応じた一定膜厚で定常領域とな
っている。したがって、塗布開始時の薄膜化する区間は
液粘度が低いほど短くなる。したがって、塗布膜厚を厚
くする場合には、塗布液の粘度を低い状態のままで、塗
布液槽23の液面高さや、基板2とノズル部材19のギ
ャップ寸法など他の塗布条件で制御する方が塗布開始時
近傍の薄膜化への影響は少なくなる。
【0047】以上のROM54、RAM55、制御部5
3、リニアモータ駆動回路56および接離モータ駆動回
路57によって制御手段が構成されており、制御手段
は、塗布開始区間の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定に
なるように、ノズル部材19と基板2の被塗布面2aと
のギャップ寸法を可変するようにギャップ可変手段とし
ての接離モータ36を制御すると共に、ノズル部材19
と基板2を被塗布面2aに沿って相対移動させるように
移動手段としてリニアモータ11を制御する構成となっ
ている。つまり、制御部53は、塗布開始時近傍位置の
薄い膜厚状態から所望の塗布膜厚になる膜厚変化を予測
し、その予測した薄い膜厚と所望の塗布膜厚との差を相
殺するように、ギャップ量を減少状態から通常塗布時の
ギャップ量まで広げることで、塗布開始時近傍で薄くな
る塗布膜厚分を是正して、塗布開始時近傍においても所
望の塗布膜厚とするようになっている。
3、リニアモータ駆動回路56および接離モータ駆動回
路57によって制御手段が構成されており、制御手段
は、塗布開始区間の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定に
なるように、ノズル部材19と基板2の被塗布面2aと
のギャップ寸法を可変するようにギャップ可変手段とし
ての接離モータ36を制御すると共に、ノズル部材19
と基板2を被塗布面2aに沿って相対移動させるように
移動手段としてリニアモータ11を制御する構成となっ
ている。つまり、制御部53は、塗布開始時近傍位置の
薄い膜厚状態から所望の塗布膜厚になる膜厚変化を予測
し、その予測した薄い膜厚と所望の塗布膜厚との差を相
殺するように、ギャップ量を減少状態から通常塗布時の
ギャップ量まで広げることで、塗布開始時近傍で薄くな
る塗布膜厚分を是正して、塗布開始時近傍においても所
望の塗布膜厚とするようになっている。
【0048】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。ここでは、ギャップ寸法の変化に対して塗布膜厚に
差が出やすいノズル部材19aを例にとって説明する。
る。ここでは、ギャップ寸法の変化に対して塗布膜厚に
差が出やすいノズル部材19aを例にとって説明する。
【0049】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2の外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面
を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に
引き込んで収納することで基板2を保持する。
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2の外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面
を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に
引き込んで収納することで基板2を保持する。
【0050】次に、ノズル部材19a内の塗布液槽23
に所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置
されたポンプ43にて所定の供給速度で供給チューブ2
4を介して供給する。この塗布液槽23への塗布液22
の供給は、ノズルユニット10の停止中に行う方がよ
い。これは、塗布中に塗布液槽23に塗布液22の供給
を行えば、塗布液槽23内の塗布液22の液面が揺れ
て、その高さが変化する液面に応じた波動がノズル口9
を介して伝播して塗布むらとなる虞があるためである。
に所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置
されたポンプ43にて所定の供給速度で供給チューブ2
4を介して供給する。この塗布液槽23への塗布液22
の供給は、ノズルユニット10の停止中に行う方がよ
い。これは、塗布中に塗布液槽23に塗布液22の供給
を行えば、塗布液槽23内の塗布液22の液面が揺れ
て、その高さが変化する液面に応じた波動がノズル口9
を介して伝播して塗布むらとなる虞があるためである。
【0051】さらに、制御部53は、基板2の被塗布面
2aに対する原点位置にノズルユニット10におけるノ
ズル部材19aのノズル口9を上方向または下方向に移
動するべく、ノズルユニット10と共にベース部材7を
リニアモータ11によって移動させる。このとき、RO
M54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラム
とその制御データに基づいて、制御部53が、その制御
信号をリニアモータ駆動回路56に出力することで、リ
ニアモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動して
ベース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部
材19aを基板2の被塗布面2aに対する所定の塗始め
位置に原点復帰させることができる。この場合の制御デ
ータは、基板2の保持位置が精密な場合には、登録され
た原点データであり、また、マニュアル的に操作部52
から所定の高さ位置が入力されたデータであってもよ
い。さらに、塗布液22の塗始め位置に原点センサ(図
示せず)を設けて、その原点センサ(図示せず)がベー
ス部材7を検知する所定の塗始め位置で、制御部53が
ベース部材7を停止するようにリニアモータ駆動回路5
6を介してリニアモータ11を駆動制御してもよい。
2aに対する原点位置にノズルユニット10におけるノ
ズル部材19aのノズル口9を上方向または下方向に移
動するべく、ノズルユニット10と共にベース部材7を
リニアモータ11によって移動させる。このとき、RO
M54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラム
とその制御データに基づいて、制御部53が、その制御
信号をリニアモータ駆動回路56に出力することで、リ
ニアモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動して
ベース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部
材19aを基板2の被塗布面2aに対する所定の塗始め
位置に原点復帰させることができる。この場合の制御デ
ータは、基板2の保持位置が精密な場合には、登録され
た原点データであり、また、マニュアル的に操作部52
から所定の高さ位置が入力されたデータであってもよ
い。さらに、塗布液22の塗始め位置に原点センサ(図
示せず)を設けて、その原点センサ(図示せず)がベー
ス部材7を検知する所定の塗始め位置で、制御部53が
ベース部材7を停止するようにリニアモータ駆動回路5
6を介してリニアモータ11を駆動制御してもよい。
【0052】さらに、基板2の被塗布面2aとノズル部
材19aのノズル口9との所定のギャップ寸法に移動す
るべく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40お
よび移動部材41によりノズル部材19aのノズル口9
を基板2の被塗布面に対して接近または離間するように
移動させる。このとき、ROM54内に登録された接離
モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づい
て、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ駆動
回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モー
タ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19a
を、図8(a)に示すように基板2の被塗布面2aに対
する所定の近接ギャップ位置に移動させる。この場合の
制御データは、塗布液22の粘度や目標塗布膜厚、塗布
速度、液面高さなどの各種塗布条件に基づいて、塗布液
流出路内で塗布液が動き出す際の流出抵抗の大きさに応
じて塗布開始時近傍の薄膜分を補償することを考慮して
設定され登録されたギャップデータ(所定ギャップ位置
データ)であってもよく、また、これらの各種塗布条件
に基づいて塗布開始時近傍の薄膜分を補償することを考
慮した実験ギャップデータを参照してマニュアル的に操
作部52から入力されたギャップデータであってもよ
い。この目標ギャップ位置にノズル部材19aを移動さ
せたとき、前記圧力設定機構を動作させて塗布液槽23
内の圧力を大気圧とするかまたは一時的に高めるなどに
よるディスペンス動作によって基板2の被塗布面2aと
ノズル部材19aの前端面27との間には、塗布液22
が毛管現象で塗布液槽23内から汲み上げられて液溜り
が形成される。
材19aのノズル口9との所定のギャップ寸法に移動す
るべく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40お
よび移動部材41によりノズル部材19aのノズル口9
を基板2の被塗布面に対して接近または離間するように
移動させる。このとき、ROM54内に登録された接離
モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づい
て、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ駆動
回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モー
タ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19a
を、図8(a)に示すように基板2の被塗布面2aに対
する所定の近接ギャップ位置に移動させる。この場合の
制御データは、塗布液22の粘度や目標塗布膜厚、塗布
速度、液面高さなどの各種塗布条件に基づいて、塗布液
流出路内で塗布液が動き出す際の流出抵抗の大きさに応
じて塗布開始時近傍の薄膜分を補償することを考慮して
設定され登録されたギャップデータ(所定ギャップ位置
データ)であってもよく、また、これらの各種塗布条件
に基づいて塗布開始時近傍の薄膜分を補償することを考
慮した実験ギャップデータを参照してマニュアル的に操
作部52から入力されたギャップデータであってもよ
い。この目標ギャップ位置にノズル部材19aを移動さ
せたとき、前記圧力設定機構を動作させて塗布液槽23
内の圧力を大気圧とするかまたは一時的に高めるなどに
よるディスペンス動作によって基板2の被塗布面2aと
ノズル部材19aの前端面27との間には、塗布液22
が毛管現象で塗布液槽23内から汲み上げられて液溜り
が形成される。
【0053】さらに、基板2の被塗布面2aに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキーを操
作すると、前記圧力設定機構により塗布液槽23内を大
気開放にするとともにROM54内に登録されたリニア
モータ駆動制御プログラムとその制御データ、および、
接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づ
いて、制御部53は、その出力制御信号をリニアモータ
駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56がリ
ニアモータ11を駆動してベース部材7をノズルユニッ
ト10と共に基板2の被塗布面2aに対して下方向に移
動させると共に、登録されたギャップデータに基づいて
基板2とノズル部材19aとのギャップ寸法を広げる方
向にギャップ制御をしつつ所望の一定膜厚で塗布を行う
ことになる。
布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキーを操
作すると、前記圧力設定機構により塗布液槽23内を大
気開放にするとともにROM54内に登録されたリニア
モータ駆動制御プログラムとその制御データ、および、
接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づ
いて、制御部53は、その出力制御信号をリニアモータ
駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56がリ
ニアモータ11を駆動してベース部材7をノズルユニッ
ト10と共に基板2の被塗布面2aに対して下方向に移
動させると共に、登録されたギャップデータに基づいて
基板2とノズル部材19aとのギャップ寸法を広げる方
向にギャップ制御をしつつ所望の一定膜厚で塗布を行う
ことになる。
【0054】このとき、この制御部53による制御ルー
プは開ループであり、目標塗布膜厚や塗布液の粘度、ギ
ャップ寸法などの各種塗布条件に基づいて、RAM55
に登録された塗布開始近傍位置の薄膜データ(実験デー
タ)と所望の目標膜厚との膜厚差だけ厚くするように基
板2とノズル部材19aとの所定のギャップ寸法を演算
してギャップデータを得るか、RAM55に登録したギ
ャップデータ(実験データ)を持つようにしておき、こ
の所定のギャップデータによる目標ギャップ位置に、制
御部53は接離モータ駆動制御プログラムによって、接
離モータ駆動回路57を介して接離モータ36を駆動さ
せてノズル部材19aを順次移動させるようになってい
る。このようにして、塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始区間で、制御部53は、ノズル走行させ
て塗布を行いつつ、基板2の被塗布面2aに対してノズ
ル部材19aを接近状態から離間させるように制御が為
され、塗布開始区間の薄膜分を補償して一定膜厚とす
る。
プは開ループであり、目標塗布膜厚や塗布液の粘度、ギ
ャップ寸法などの各種塗布条件に基づいて、RAM55
に登録された塗布開始近傍位置の薄膜データ(実験デー
タ)と所望の目標膜厚との膜厚差だけ厚くするように基
板2とノズル部材19aとの所定のギャップ寸法を演算
してギャップデータを得るか、RAM55に登録したギ
ャップデータ(実験データ)を持つようにしておき、こ
の所定のギャップデータによる目標ギャップ位置に、制
御部53は接離モータ駆動制御プログラムによって、接
離モータ駆動回路57を介して接離モータ36を駆動さ
せてノズル部材19aを順次移動させるようになってい
る。このようにして、塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始区間で、制御部53は、ノズル走行させ
て塗布を行いつつ、基板2の被塗布面2aに対してノズ
ル部材19aを接近状態から離間させるように制御が為
され、塗布開始区間の薄膜分を補償して一定膜厚とす
る。
【0055】このノズル走行において、まず、図8
(b)に示すように、ノズル部材19aの前端面27の
上端27bが基板2の塗布開始位置にくるまでの時間内
に、図8(a)に示す近接ギャップ位置から図8(b)
に示す塗布用の所定ギャップ位置までノズル部材19a
を離間するように、制御部53が接離モータ36を駆動
制御してノズル部材19aを移動させるようにする。そ
の後、図8(c)〜図8(e)に示すようにノズル部材
19aを下方向に移動させつつ同一のメニスカスカーブ
Dで同一膜厚に塗布する。
(b)に示すように、ノズル部材19aの前端面27の
上端27bが基板2の塗布開始位置にくるまでの時間内
に、図8(a)に示す近接ギャップ位置から図8(b)
に示す塗布用の所定ギャップ位置までノズル部材19a
を離間するように、制御部53が接離モータ36を駆動
制御してノズル部材19aを移動させるようにする。そ
の後、図8(c)〜図8(e)に示すようにノズル部材
19aを下方向に移動させつつ同一のメニスカスカーブ
Dで同一膜厚に塗布する。
【0056】以上のように、本実施形態1によれば、ノ
ズル部材19と基板2の被塗布面2aとのギャップ寸法
が狭いほど厚膜化する塗布特性を用いて、塗布開始時近
傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍の塗布膜厚を所定
膜厚に一定化することができる。この塗布開始時点から
所望膜厚となるまでの塗布開始区間において、スリット
26内に停止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、
上記ギャップ寸法を狭くすることで、基板2に塗布され
て消費される液溜り減少比率が高くなることと毛細管現
象が強く働くことによって、塗布液槽23からスリット
26を通って供給される液量を増やすことができるた
め、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得ることがで
き、従来のような塗布開始時近傍における薄膜化を防止
することができる。
ズル部材19と基板2の被塗布面2aとのギャップ寸法
が狭いほど厚膜化する塗布特性を用いて、塗布開始時近
傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍の塗布膜厚を所定
膜厚に一定化することができる。この塗布開始時点から
所望膜厚となるまでの塗布開始区間において、スリット
26内に停止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、
上記ギャップ寸法を狭くすることで、基板2に塗布され
て消費される液溜り減少比率が高くなることと毛細管現
象が強く働くことによって、塗布液槽23からスリット
26を通って供給される液量を増やすことができるた
め、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得ることがで
き、従来のような塗布開始時近傍における薄膜化を防止
することができる。
【0057】また、従来の回転塗布方式のように基板2
を水平に支持せず基板2を立設するために、その設置ス
ペースの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布
方式のように基板2を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板2に
対して、基板2の被塗布面に沿ってノズル部材19をリ
ニアモータ11で移動させつつ、毛管現象で供給された
塗布液を基板2の被塗布面に塗布するため、塗布液の節
約を図ることができる。
を水平に支持せず基板2を立設するために、その設置ス
ペースの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布
方式のように基板2を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板2に
対して、基板2の被塗布面に沿ってノズル部材19をリ
ニアモータ11で移動させつつ、毛管現象で供給された
塗布液を基板2の被塗布面に塗布するため、塗布液の節
約を図ることができる。
【0058】(実施形態2)上記実施形態1では基板2
とノズル部材19の前端面27とのギャップ寸法を制御
して塗布開始時近傍においても一定膜厚とする場合につ
いて説明したが、本実施形態2では基板2とノズル部材
19との相対移動速度を制御して塗布開始時近傍におい
ても一定膜厚とする場合である。
とノズル部材19の前端面27とのギャップ寸法を制御
して塗布開始時近傍においても一定膜厚とする場合につ
いて説明したが、本実施形態2では基板2とノズル部材
19との相対移動速度を制御して塗布開始時近傍におい
ても一定膜厚とする場合である。
【0059】図5(b)は基板とノズル部材との相対移
動速度と、塗布膜厚との関係を示す図である。
動速度と、塗布膜厚との関係を示す図である。
【0060】図5(b)に示すように、基板2とノズル
部材19との相対移動速度である塗布速度に応じて塗布
膜厚は直線的に変化する特性があり、この塗布速度が早
くなるほど、それに応じて塗布膜厚が厚くなる。これ
は、例えば前端面27の上端27bに形成される図4の
メニスカスのカーブ形状Dが、塗布速度であるノズル走
行速度が早くなると緩く(曲率半径が大きい)なって膜
厚が厚くなり、また、そのノズル走行速度が遅くなると
きつく(曲率半径が小さい)なって膜厚が薄くなるため
である。
部材19との相対移動速度である塗布速度に応じて塗布
膜厚は直線的に変化する特性があり、この塗布速度が早
くなるほど、それに応じて塗布膜厚が厚くなる。これ
は、例えば前端面27の上端27bに形成される図4の
メニスカスのカーブ形状Dが、塗布速度であるノズル走
行速度が早くなると緩く(曲率半径が大きい)なって膜
厚が厚くなり、また、そのノズル走行速度が遅くなると
きつく(曲率半径が小さい)なって膜厚が薄くなるため
である。
【0061】この図5(b)の相対移動速度に応じて塗
布膜厚が変化する特性で、塗布開始時近傍で薄膜化する
特性を、塗布開始時近傍でも所望の塗布膜厚で一定化す
るように補正することができる。つまり、この塗布開始
時点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間で薄膜化に
応じて相対移動速度を変化させること、即ち、相対移動
速度が一定であれば塗布開始時近傍の薄い膜厚状態から
所望の塗布膜厚になってくるが、この薄い膜厚状態の変
化を予測し、その予測した薄い膜厚状態と所望の目標膜
厚との膜厚差に応じて塗布開始時の移動速度を高速にし
た後、相対移動速度を高速状態から通常速度までの減少
させることで、塗布開始時近傍で薄くなる塗布膜厚を是
正するように制御すれば、この塗布開始時点から所望膜
厚となるまでの塗布開始区間においても所望の塗布膜厚
で一定にすることが可能となる。この場合にも、スリッ
ト26内に停止していた塗布液が動き出して定常速度に
達するまでにはある程度の時間を要することになるが、
本発明では、この塗布液流出路内で塗布液が動き出す際
の流出抵抗の大きさに応じてそれによる薄膜化を補償す
るよう相対移動速度を高速とすることで塗布開始位置か
ら所望の膜厚が得られることになる。
布膜厚が変化する特性で、塗布開始時近傍で薄膜化する
特性を、塗布開始時近傍でも所望の塗布膜厚で一定化す
るように補正することができる。つまり、この塗布開始
時点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間で薄膜化に
応じて相対移動速度を変化させること、即ち、相対移動
速度が一定であれば塗布開始時近傍の薄い膜厚状態から
所望の塗布膜厚になってくるが、この薄い膜厚状態の変
化を予測し、その予測した薄い膜厚状態と所望の目標膜
厚との膜厚差に応じて塗布開始時の移動速度を高速にし
た後、相対移動速度を高速状態から通常速度までの減少
させることで、塗布開始時近傍で薄くなる塗布膜厚を是
正するように制御すれば、この塗布開始時点から所望膜
厚となるまでの塗布開始区間においても所望の塗布膜厚
で一定にすることが可能となる。この場合にも、スリッ
ト26内に停止していた塗布液が動き出して定常速度に
達するまでにはある程度の時間を要することになるが、
本発明では、この塗布液流出路内で塗布液が動き出す際
の流出抵抗の大きさに応じてそれによる薄膜化を補償す
るよう相対移動速度を高速とすることで塗布開始位置か
ら所望の膜厚が得られることになる。
【0062】本実施形態2の制御構成は図6の場合と、
ROM54、RAM55、制御部53、リニアモータ駆
動回路56および接離モータ駆動回路57によって制御
手段が構成されている点は同様であるが、この制御手段
の制御内容が、この塗布開始時点から所望膜厚となるま
での塗布開始区間の薄膜化分を相殺して塗布膜厚が一定
になるように、ノズル部材19と基板2との被塗布面2
aに沿った相対移動速度(塗布速度)を可変するように
移動手段としてのリニアモータ11を制御する点が異な
っている。つまり、相対移動速度が一定であれば、塗布
開始時近傍の薄い膜厚状態から所望の塗布膜厚になって
いくが、制御部53はこの膜厚変化を予測し、その予測
した薄い膜厚と所望の目標膜厚との膜厚差を相殺するよ
うに、相対移動速度を高速状態とした後に通常塗布時の
塗布速度まで減速することで、この塗布開始時点から所
望膜厚となるまでの塗布開始区間で薄くなる塗布膜厚分
を是正して、塗布開始時近傍においても所望の一定塗布
膜厚とすることができるようになっている。
ROM54、RAM55、制御部53、リニアモータ駆
動回路56および接離モータ駆動回路57によって制御
手段が構成されている点は同様であるが、この制御手段
の制御内容が、この塗布開始時点から所望膜厚となるま
での塗布開始区間の薄膜化分を相殺して塗布膜厚が一定
になるように、ノズル部材19と基板2との被塗布面2
aに沿った相対移動速度(塗布速度)を可変するように
移動手段としてのリニアモータ11を制御する点が異な
っている。つまり、相対移動速度が一定であれば、塗布
開始時近傍の薄い膜厚状態から所望の塗布膜厚になって
いくが、制御部53はこの膜厚変化を予測し、その予測
した薄い膜厚と所望の目標膜厚との膜厚差を相殺するよ
うに、相対移動速度を高速状態とした後に通常塗布時の
塗布速度まで減速することで、この塗布開始時点から所
望膜厚となるまでの塗布開始区間で薄くなる塗布膜厚分
を是正して、塗布開始時近傍においても所望の一定塗布
膜厚とすることができるようになっている。
【0063】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。ここでは、傾斜面の前端面上部29を有するノズル
部材19bを例にとって説明する。
る。ここでは、傾斜面の前端面上部29を有するノズル
部材19bを例にとって説明する。
【0064】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送した後
に、基板2の周囲を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応
させた状態で所定の位置に位置決めして各吸盤(図示せ
ず)で基板2の周囲を吸着して保持する。さらに、ノズ
ル部材19b内の塗布液槽23に所定量の塗布液22
を、図1のベース部材7上に載置されたポンプ43にて
所定の供給速度で供給チューブ24を介して供給する。
さらに、制御手段53は、その基板2のサイズの被塗布
面に対する原点位置にノズル部材19bのノズル口9を
上方向または下方向に移動すべく、ノズルユニット10
と共にベース部材7をリニアモータ11によって移動さ
せるように制御する。さらに、目的とする塗布膜厚にな
るように、制御部53は、塗布液の粘度、塗布速度およ
び液面高さなどの各種塗布条件に基づいて、基板2の被
塗布面と前端面27のノズル口9との所定のギャップ寸
法を算出してギャップデータを得るかまたは、登録され
た実験データから選択してギャップデータを得る。この
ギャップデータに基づいて、制御部53は、接離モータ
36の駆動によってボールねじ40などを介してノズル
部材19bを基板2に接近または離間するように移動さ
せる。このとき、基板2の被塗布面2aとノズル部材1
9bの前端面27との間には、前記圧力設定機構を動作
させて塗布液槽23内の圧力を大気圧とするかまたは一
時的に高めるなどによるディスペンス動作によって塗布
液が毛管現象で塗布液槽23内から汲み上げられて液溜
りが形成される。
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送した後
に、基板2の周囲を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応
させた状態で所定の位置に位置決めして各吸盤(図示せ
ず)で基板2の周囲を吸着して保持する。さらに、ノズ
ル部材19b内の塗布液槽23に所定量の塗布液22
を、図1のベース部材7上に載置されたポンプ43にて
所定の供給速度で供給チューブ24を介して供給する。
さらに、制御手段53は、その基板2のサイズの被塗布
面に対する原点位置にノズル部材19bのノズル口9を
上方向または下方向に移動すべく、ノズルユニット10
と共にベース部材7をリニアモータ11によって移動さ
せるように制御する。さらに、目的とする塗布膜厚にな
るように、制御部53は、塗布液の粘度、塗布速度およ
び液面高さなどの各種塗布条件に基づいて、基板2の被
塗布面と前端面27のノズル口9との所定のギャップ寸
法を算出してギャップデータを得るかまたは、登録され
た実験データから選択してギャップデータを得る。この
ギャップデータに基づいて、制御部53は、接離モータ
36の駆動によってボールねじ40などを介してノズル
部材19bを基板2に接近または離間するように移動さ
せる。このとき、基板2の被塗布面2aとノズル部材1
9bの前端面27との間には、前記圧力設定機構を動作
させて塗布液槽23内の圧力を大気圧とするかまたは一
時的に高めるなどによるディスペンス動作によって塗布
液が毛管現象で塗布液槽23内から汲み上げられて液溜
りが形成される。
【0065】次に、基板2の被塗布面2aに、目標とす
る塗布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキー
を操作すると、前記圧力設定機構により塗布液槽23内
を大気開放にするとともに制御部53さらにリニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11が下方向に所
定の高速度となるよう駆動開始され、その後徐々に通常
塗布速度まで減速するように駆動されて、基板2の被塗
布面2aに塗布開始近傍位置においても所定の目標膜厚
で一定に塗布が行われる。
る塗布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキー
を操作すると、前記圧力設定機構により塗布液槽23内
を大気開放にするとともに制御部53さらにリニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11が下方向に所
定の高速度となるよう駆動開始され、その後徐々に通常
塗布速度まで減速するように駆動されて、基板2の被塗
布面2aに塗布開始近傍位置においても所定の目標膜厚
で一定に塗布が行われる。
【0066】つまり、この制御部53による制御ループ
は開ループであり、目標塗布膜厚や塗布液の粘度、ギャ
ップ寸法などの各種塗布条件に基づいて、RAM55に
登録された塗布開始時近傍の薄膜データ(実験データ)
と所望の目標膜厚との膜厚差だけ厚くするように基板2
とノズル部材19bとの相対移動速度を演算して速度デ
ータを得るか、RAM55に登録した相対移動速度デー
タ(実験データ)を持つようにしておき、この所定の速
度データによる相対移動速度に、制御部53はリニアモ
ータ駆動制御プログラムによって、リニアモータ駆動回
路56を介してリニアモータ11を駆動させてノズル部
材19bを下方向に移動させるようになっている。この
ようにして、塗布開始時点から所望膜厚となるまでの塗
布開始区間で、制御部53は、ノズル走行速度を高速度
から通常の塗布速度まで減速させるように制御し、塗布
開始区間の薄膜分を補充して一定膜厚とする。
は開ループであり、目標塗布膜厚や塗布液の粘度、ギャ
ップ寸法などの各種塗布条件に基づいて、RAM55に
登録された塗布開始時近傍の薄膜データ(実験データ)
と所望の目標膜厚との膜厚差だけ厚くするように基板2
とノズル部材19bとの相対移動速度を演算して速度デ
ータを得るか、RAM55に登録した相対移動速度デー
タ(実験データ)を持つようにしておき、この所定の速
度データによる相対移動速度に、制御部53はリニアモ
ータ駆動制御プログラムによって、リニアモータ駆動回
路56を介してリニアモータ11を駆動させてノズル部
材19bを下方向に移動させるようになっている。この
ようにして、塗布開始時点から所望膜厚となるまでの塗
布開始区間で、制御部53は、ノズル走行速度を高速度
から通常の塗布速度まで減速させるように制御し、塗布
開始区間の薄膜分を補充して一定膜厚とする。
【0067】このとき、まず、ノズル走行において、図
9(a)に示す塗布始めのノズル口9からの液面到達距
離xが、塗布の定常状態において液面が毛細管現象など
で上昇することができる高さyよりも低くなるように、
ノズル部材19bを基板2に対して位置させる。ノズル
部材19bを基板2に対して相対的に下降させて塗布を
開始すると、ノズル部材19bの前端面上部29を液面
が上昇しはじめ、その後に図9(b)に示すように一定
高さyとなって塗布の定常状態となるが、このようにノ
ズル部材19bの前端面上部29の通常塗布時のノズル
口9からの所定液面到達距離yにメニスカスカーブDが
くるまでの時間内に、ノズル走行速度を高速度から通常
の塗布速度まで減速させるように、制御部53がリニア
モータ11を駆動制御してノズル部材19bを下方向に
移動させるようにする。その後、図9(c)に示すよう
にノズル部材19bを下方向に移動させつつ上記所定液
面到達距離yにある同一のメニスカスカーブDで同一膜
厚に塗布されることになる。
9(a)に示す塗布始めのノズル口9からの液面到達距
離xが、塗布の定常状態において液面が毛細管現象など
で上昇することができる高さyよりも低くなるように、
ノズル部材19bを基板2に対して位置させる。ノズル
部材19bを基板2に対して相対的に下降させて塗布を
開始すると、ノズル部材19bの前端面上部29を液面
が上昇しはじめ、その後に図9(b)に示すように一定
高さyとなって塗布の定常状態となるが、このようにノ
ズル部材19bの前端面上部29の通常塗布時のノズル
口9からの所定液面到達距離yにメニスカスカーブDが
くるまでの時間内に、ノズル走行速度を高速度から通常
の塗布速度まで減速させるように、制御部53がリニア
モータ11を駆動制御してノズル部材19bを下方向に
移動させるようにする。その後、図9(c)に示すよう
にノズル部材19bを下方向に移動させつつ上記所定液
面到達距離yにある同一のメニスカスカーブDで同一膜
厚に塗布されることになる。
【0068】このときのノズル部材19bと基板2の相
対移動速度(塗布速度)および塗布膜厚との関係を図9
(d)に示す。図9(d)では、本実施形態についての
結果を実線で、比較例として従来例として先に説明した
特開平8−141463号公報の構成についての結果を
破線で示し、それぞれのグラフは定常状態の値で正規化
してあって、目盛り1が定常状態の値を示す。
対移動速度(塗布速度)および塗布膜厚との関係を図9
(d)に示す。図9(d)では、本実施形態についての
結果を実線で、比較例として従来例として先に説明した
特開平8−141463号公報の構成についての結果を
破線で示し、それぞれのグラフは定常状態の値で正規化
してあって、目盛り1が定常状態の値を示す。
【0069】比較例においては塗布開始後、メニスカス
カーブの移動速度(図示せず)が一定になるようにノズ
ル部材の移動速度を一時的に定常速度よりも高め、メニ
スカスカーブの移動速度が一定になるのに応じてノズル
部材の移動速度をも定常速度に戻している。これによ
り、塗布の初期においては塗布膜厚は比較的急峻に上昇
しているが、メニスカスカーブの移動速度が一定になり
ノズル部材の移動速度が定常速度に戻っても、塗布膜厚
は依然として定常状態の値には達しておらず、薄膜化す
る傾向が残っていることがわかる。これは、メニスカス
カーブの移動速度が定常状態であっても、ノズル部材の
塗布液流出路内での塗布液の速度が、塗布液が動き出す
際の流出速度により、未だに定常速度に達していないた
めである。その後、ノズル部材の塗布液流出路内での塗
布液の速度は緩やかに上昇し、その速度が定常状態に達
したときに、塗布膜厚も定常状態の値となるが、塗布開
始時の薄膜化がかなり広い範囲で残っていることがわか
る。
カーブの移動速度(図示せず)が一定になるようにノズ
ル部材の移動速度を一時的に定常速度よりも高め、メニ
スカスカーブの移動速度が一定になるのに応じてノズル
部材の移動速度をも定常速度に戻している。これによ
り、塗布の初期においては塗布膜厚は比較的急峻に上昇
しているが、メニスカスカーブの移動速度が一定になり
ノズル部材の移動速度が定常速度に戻っても、塗布膜厚
は依然として定常状態の値には達しておらず、薄膜化す
る傾向が残っていることがわかる。これは、メニスカス
カーブの移動速度が定常状態であっても、ノズル部材の
塗布液流出路内での塗布液の速度が、塗布液が動き出す
際の流出速度により、未だに定常速度に達していないた
めである。その後、ノズル部材の塗布液流出路内での塗
布液の速度は緩やかに上昇し、その速度が定常状態に達
したときに、塗布膜厚も定常状態の値となるが、塗布開
始時の薄膜化がかなり広い範囲で残っていることがわか
る。
【0070】それに対して本実施形態においては、塗布
開始時から、ノズル部材の塗布液流出路内で塗布液が動
き出す際の流出抵抗の大きさに応じて、それによる薄膜
化を補償するように、相対移動速度を比較例よりもさら
に高速としている。そして、比較例においてはメニスカ
スカーブの移動速度が一定になるとともにノズル部材の
移動速度を定常速度に戻しているとき(図9(d)中の
L1点)でも、本実施形態ではノズル部材の塗布液流出
路内での塗布液の速度が塗布液が動き出す際の流出速度
により定常速度に達していないので依然として定常状態
の塗布速度よりも大きな塗布速度を保っている。そのた
め、塗布の初期においては塗布膜厚は比較例よりも急峻
に上昇し続けて比較例よりも速く定常状態の塗布膜厚に
達する。そして、ノズル部材の塗布液流出路内での塗布
液の速度が定常状態に達した位置(図9(d)中のL2
点)において、塗布速度が定常状態の速度になるように
制御されている。これにより、本実施形態では定常状態
の塗布膜厚に達するのが比較例と比べてきわめて早く、
塗布開始時における薄膜化の発生範囲を顕著に低減して
いる。
開始時から、ノズル部材の塗布液流出路内で塗布液が動
き出す際の流出抵抗の大きさに応じて、それによる薄膜
化を補償するように、相対移動速度を比較例よりもさら
に高速としている。そして、比較例においてはメニスカ
スカーブの移動速度が一定になるとともにノズル部材の
移動速度を定常速度に戻しているとき(図9(d)中の
L1点)でも、本実施形態ではノズル部材の塗布液流出
路内での塗布液の速度が塗布液が動き出す際の流出速度
により定常速度に達していないので依然として定常状態
の塗布速度よりも大きな塗布速度を保っている。そのた
め、塗布の初期においては塗布膜厚は比較例よりも急峻
に上昇し続けて比較例よりも速く定常状態の塗布膜厚に
達する。そして、ノズル部材の塗布液流出路内での塗布
液の速度が定常状態に達した位置(図9(d)中のL2
点)において、塗布速度が定常状態の速度になるように
制御されている。これにより、本実施形態では定常状態
の塗布膜厚に達するのが比較例と比べてきわめて早く、
塗布開始時における薄膜化の発生範囲を顕著に低減して
いる。
【0071】以上のように、本実施形態2によれば、ノ
ズル部材19と基板2との相対移動速度が早いほど厚膜
化する塗布特性を用いて、塗布開始時近傍の薄膜分を補
償して塗布開始時近傍の塗布膜厚を所定膜厚に一定化す
ることができる。この塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始時区間において、上記相対移動速度を早
くすることで、基板2に塗布されて消費される塗布液の
液量が多くなることによって、スリット26内に停止し
ていた塗布液の動きだしがよくなるため、塗布開始位置
から所望の一定膜厚を得ることができ、従来のような塗
布開始時近傍における薄膜化を防止することができる。
ズル部材19と基板2との相対移動速度が早いほど厚膜
化する塗布特性を用いて、塗布開始時近傍の薄膜分を補
償して塗布開始時近傍の塗布膜厚を所定膜厚に一定化す
ることができる。この塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始時区間において、上記相対移動速度を早
くすることで、基板2に塗布されて消費される塗布液の
液量が多くなることによって、スリット26内に停止し
ていた塗布液の動きだしがよくなるため、塗布開始位置
から所望の一定膜厚を得ることができ、従来のような塗
布開始時近傍における薄膜化を防止することができる。
【0072】(実施形態3)上記実施形態1ではギャッ
プ寸法を制御して塗布開始区間においても一定膜厚とす
る場合について説明し、上記実施形態2では相対移動速
度を制御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場
合について説明したが、本実施形態3では、塗布液槽内
の液面高さを制御して塗布開始区間においても一定膜厚
とする場合である。
プ寸法を制御して塗布開始区間においても一定膜厚とす
る場合について説明し、上記実施形態2では相対移動速
度を制御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場
合について説明したが、本実施形態3では、塗布液槽内
の液面高さを制御して塗布開始区間においても一定膜厚
とする場合である。
【0073】図5(c)は塗布液槽内の液面高さと塗布
膜厚との関係を示す図である。
膜厚との関係を示す図である。
【0074】図5(c)に示すように、塗布液槽内の液
面高さに応じて塗布膜厚が変化する。つまり、塗布液槽
内の液面高さが高い程、塗布膜厚も厚くなり、また、そ
の液面高さが低い程、塗布膜厚も薄くなる。
面高さに応じて塗布膜厚が変化する。つまり、塗布液槽
内の液面高さが高い程、塗布膜厚も厚くなり、また、そ
の液面高さが低い程、塗布膜厚も薄くなる。
【0075】この図5(c)の液面高さに応じて塗布膜
厚が変化する特性で、塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始区間で薄膜化する特性を、塗布開始近傍
位置においても所望の目標膜厚で一定化するように補正
することができる。つまり、この塗布開始区間で薄膜化
に応じて液面高さを変化させること、即ち、液面高さが
一定であれば塗布開始時近傍の薄い膜厚状態から所望の
目標膜厚に変化するが、この薄い膜厚状態の変化を予測
し、その予測した薄い膜厚状態と所望の目標膜厚との膜
厚差に応じて塗布開始時の液面高さを高くした後、所定
の高い液面高さから通常塗布時の液面高さまでの液面高
さを低下させることで、この塗布開始区間で薄くなる塗
布膜厚を是正するように制御すれば、この塗布開始区間
においても所望の目標膜厚で一定化することが可能とな
る。
厚が変化する特性で、塗布開始時点から所望膜厚となる
までの塗布開始区間で薄膜化する特性を、塗布開始近傍
位置においても所望の目標膜厚で一定化するように補正
することができる。つまり、この塗布開始区間で薄膜化
に応じて液面高さを変化させること、即ち、液面高さが
一定であれば塗布開始時近傍の薄い膜厚状態から所望の
目標膜厚に変化するが、この薄い膜厚状態の変化を予測
し、その予測した薄い膜厚状態と所望の目標膜厚との膜
厚差に応じて塗布開始時の液面高さを高くした後、所定
の高い液面高さから通常塗布時の液面高さまでの液面高
さを低下させることで、この塗布開始区間で薄くなる塗
布膜厚を是正するように制御すれば、この塗布開始区間
においても所望の目標膜厚で一定化することが可能とな
る。
【0076】図10は、本発明の実施形態3における塗
布装置の概略構成を示す模式図であり、図1〜図3と同
様の作用効果を奏する部材には同一符号を付してその説
明を省略する。
布装置の概略構成を示す模式図であり、図1〜図3と同
様の作用効果を奏する部材には同一符号を付してその説
明を省略する。
【0077】図10において、塗布液22を供給可能な
ノズル手段としてのノズル部材60には、上記塗布液槽
23の代りに、気層のない液溜り部61が形成されてい
る。この液溜り部61は、斜め上方に位置するノズル口
9に塗布液流出路としてのスリット62aを介して連結
されていると共に、その液溜り部61の下方部には塗布
液供給管62bの一端が連結されている。この塗布液供
給管62bの他端は、塗布液22を所定量貯留可能な外
部塗布液槽63の底部に連結されている。この外部塗布
液槽63の上部蓋64には塗布液供給管65が連結され
ており、外部塗布液槽63にポンプ43により塗布液2
2が供給可能となっていると共に、バルブ66によって
塗布液22が流量調整可能となっている。また、外部塗
布液槽63には、その内部に貯留される塗布液の液面よ
りも上方部分において外部塗布液槽63内部と連通して
その内部を加圧し、減圧し、または大気開放にするため
の圧力設定機構(図示せず)が接続されている。
ノズル手段としてのノズル部材60には、上記塗布液槽
23の代りに、気層のない液溜り部61が形成されてい
る。この液溜り部61は、斜め上方に位置するノズル口
9に塗布液流出路としてのスリット62aを介して連結
されていると共に、その液溜り部61の下方部には塗布
液供給管62bの一端が連結されている。この塗布液供
給管62bの他端は、塗布液22を所定量貯留可能な外
部塗布液槽63の底部に連結されている。この外部塗布
液槽63の上部蓋64には塗布液供給管65が連結され
ており、外部塗布液槽63にポンプ43により塗布液2
2が供給可能となっていると共に、バルブ66によって
塗布液22が流量調整可能となっている。また、外部塗
布液槽63には、その内部に貯留される塗布液の液面よ
りも上方部分において外部塗布液槽63内部と連通して
その内部を加圧し、減圧し、または大気開放にするため
の圧力設定機構(図示せず)が接続されている。
【0078】また、外部塗布液槽63には、塗布液22
の液面高さを検出する液面高さ検出手段としての複数の
光センサなどよりなる各液面センサ67が高さ方向に順
次配設されている。この外部塗布液槽63の下方位置に
は、外部塗布液槽63の高さを可変自在な液面高さ可変
手段としての槽高さ可変手段68が配設されている。こ
れらの液面センサ67と槽高さ可変手段68との間には
制御手段69が設けられており、制御手段69は、塗布
開始時点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間の薄膜
分を相殺して塗布膜厚が一定になるように、液面高さ検
出手段としての各液面センサ67で検出した液面高さを
基準として槽高さ可変手段68を制御するように構成さ
れている。
の液面高さを検出する液面高さ検出手段としての複数の
光センサなどよりなる各液面センサ67が高さ方向に順
次配設されている。この外部塗布液槽63の下方位置に
は、外部塗布液槽63の高さを可変自在な液面高さ可変
手段としての槽高さ可変手段68が配設されている。こ
れらの液面センサ67と槽高さ可変手段68との間には
制御手段69が設けられており、制御手段69は、塗布
開始時点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間の薄膜
分を相殺して塗布膜厚が一定になるように、液面高さ検
出手段としての各液面センサ67で検出した液面高さを
基準として槽高さ可変手段68を制御するように構成さ
れている。
【0079】図11は、図10の槽高さ可変機構の具体
的構成を示す一部分解斜視図であり、図12は、図11
のXX線縦断面図である。
的構成を示す一部分解斜視図であり、図12は、図11
のXX線縦断面図である。
【0080】図11および図12において、下板80と
上板81の間に3本のガイド軸82が立設されて固定さ
れており、これらの3本のガイド軸82がそれぞれ、可
動板83に固定された各ボールブッシュ84を貫通した
状態で下板80と上板81の間を3本のガイド軸82で
案内されて上下に移動自在に構成されている。外部に対
する防塵のために、上板81と可動板83の間の各ガイ
ド軸82の周りにはそれぞれ、伸び縮み自在なベローズ
85がそれぞれ設けられており、また、下板80上に設
けられ各ガイド軸82およびリニアアクチュエータ75
を覆う筒状部材80aと可動板83の間にも各ガイド軸
82およびリニアアクチュエータ75を覆う伸び縮み自
在なベローズ86が設けられている。また、可動板83
と上板81の間にこの可動板83の下面中央位置にスト
ッパー87が設けられている。このストッパー87にリ
ニアアクチュエータ75のアクチュエータ部88の先端
部が当接するように、リニアアクチュエータ75が上向
きに、下板80上に立設された固定部材89に固定され
ている。この場合、アクチュエータ部88の先端部は上
下に出退自在に構成されており、その先端部の上下移動
に伴って可動板83を上下に移動可能なように構成され
ている。
上板81の間に3本のガイド軸82が立設されて固定さ
れており、これらの3本のガイド軸82がそれぞれ、可
動板83に固定された各ボールブッシュ84を貫通した
状態で下板80と上板81の間を3本のガイド軸82で
案内されて上下に移動自在に構成されている。外部に対
する防塵のために、上板81と可動板83の間の各ガイ
ド軸82の周りにはそれぞれ、伸び縮み自在なベローズ
85がそれぞれ設けられており、また、下板80上に設
けられ各ガイド軸82およびリニアアクチュエータ75
を覆う筒状部材80aと可動板83の間にも各ガイド軸
82およびリニアアクチュエータ75を覆う伸び縮み自
在なベローズ86が設けられている。また、可動板83
と上板81の間にこの可動板83の下面中央位置にスト
ッパー87が設けられている。このストッパー87にリ
ニアアクチュエータ75のアクチュエータ部88の先端
部が当接するように、リニアアクチュエータ75が上向
きに、下板80上に立設された固定部材89に固定され
ている。この場合、アクチュエータ部88の先端部は上
下に出退自在に構成されており、その先端部の上下移動
に伴って可動板83を上下に移動可能なように構成され
ている。
【0081】また、この可動板83の側面には取付け板
90を介してタンク固定部材91が固定されており、こ
のタンク固定部材91は略C型に構成されている。ま
た、この略C型の穴91aに外部塗布液槽63の外周部
を差し込み可能になっており、その略C型の穴91aに
外部塗布液槽63を差し込み後に、クリック方式のロッ
ク機構92によってその略C型の穴91aを縮径して外
部塗布液槽63を固定可能としている。また、この取付
け板90には、タンク固定部材91の略C型の穴91a
の下方位置で突き出すように2本の丸棒93が固定され
ており、これらの2本の丸棒93によって略C型の穴9
1aに外部塗布液槽63を差し込れた際にストッパーと
なって高さ方向の位置決めとなるように構成されてい
る。
90を介してタンク固定部材91が固定されており、こ
のタンク固定部材91は略C型に構成されている。ま
た、この略C型の穴91aに外部塗布液槽63の外周部
を差し込み可能になっており、その略C型の穴91aに
外部塗布液槽63を差し込み後に、クリック方式のロッ
ク機構92によってその略C型の穴91aを縮径して外
部塗布液槽63を固定可能としている。また、この取付
け板90には、タンク固定部材91の略C型の穴91a
の下方位置で突き出すように2本の丸棒93が固定され
ており、これらの2本の丸棒93によって略C型の穴9
1aに外部塗布液槽63を差し込れた際にストッパーと
なって高さ方向の位置決めとなるように構成されてい
る。
【0082】さらに、タンク固定部材91の下面側には
取付け板94を介して3個の液面センサ67が高さ方向
に所定間隔を置いて配設されている。この場合の各液面
センサ67は反射型の光センサであって、外部塗布液槽
63の容器を透明容器とし、光センサの投光部から出射
した光の反射率が透明容器内の液の有無で異なり、投光
部からの出射光が受光部に戻るかどうかで透明容器内の
液の有無が判別可能である。さらに、この外部塗布液槽
63の上部に設けられた上部蓋64には塗布液供給管6
5および、槽内部と外部とを連通する連通管95が連結
されており、また、外部塗布液槽63の底部には、一端
がノズル部材60に連結された塗布液供給管62bの他
端が連結されている。
取付け板94を介して3個の液面センサ67が高さ方向
に所定間隔を置いて配設されている。この場合の各液面
センサ67は反射型の光センサであって、外部塗布液槽
63の容器を透明容器とし、光センサの投光部から出射
した光の反射率が透明容器内の液の有無で異なり、投光
部からの出射光が受光部に戻るかどうかで透明容器内の
液の有無が判別可能である。さらに、この外部塗布液槽
63の上部に設けられた上部蓋64には塗布液供給管6
5および、槽内部と外部とを連通する連通管95が連結
されており、また、外部塗布液槽63の底部には、一端
がノズル部材60に連結された塗布液供給管62bの他
端が連結されている。
【0083】さらに、可動板83には、可動板83の下
側に位置するベローズ86の内部と、動板83の上側に
位置する各ベローズ85の内部とをそれぞれ連通する各
呼吸孔96がそれぞれ設けられており、可動板83が上
下にスムーズに移動可能なようになっている。また、こ
の可動板83の原点高さ位置を検出する近接センサ97
が配設されており、この近接センサ97による可動板8
3の検出により、制御部71は原点高さ位置と判断する
ようになっている。さらに、筒状部材80aには、窒素
ガスの流入口98aおよび流出口98bと、リニアアク
チュエータ75と電気的に接続されるコネクタ99とが
設けられている。なお、以上の図10の槽高さ可変機構
は、図1のベース部材7上に載置されて用いられること
になる。
側に位置するベローズ86の内部と、動板83の上側に
位置する各ベローズ85の内部とをそれぞれ連通する各
呼吸孔96がそれぞれ設けられており、可動板83が上
下にスムーズに移動可能なようになっている。また、こ
の可動板83の原点高さ位置を検出する近接センサ97
が配設されており、この近接センサ97による可動板8
3の検出により、制御部71は原点高さ位置と判断する
ようになっている。さらに、筒状部材80aには、窒素
ガスの流入口98aおよび流出口98bと、リニアアク
チュエータ75と電気的に接続されるコネクタ99とが
設けられている。なお、以上の図10の槽高さ可変機構
は、図1のベース部材7上に載置されて用いられること
になる。
【0084】図13は、図10の塗布装置の概略制御構
成を示すブロック図であり、図6と同様の作用効果を奏
する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
成を示すブロック図であり、図6と同様の作用効果を奏
する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】図13において、操作部52が接続されて
いる制御部71はROM72およびRAM73に接続さ
れており、ROM72内に登録された各制御プログラム
で用いる制御データを操作部52からRAM73内に書
き込み可能である。また、これらの操作部52、ROM
72およびRAM73が接続される制御部71は、リニ
アアクチュエータ駆動回路74を介して槽高さ可変手段
68としてのアクチュエータ75に接続されると共に、
各液面センサ67に接続されており、ROM72内に登
録されたリニアアクチュエータ駆動制御プログラムと、
操作部52から入力され、リニアアクチュエータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、液面セ
ンサ67で検出した塗布液22の液面位置を基準にし
て、制御部71は、その出力制御信号をリニアアクチュ
エータ駆動回路74に出力し、アクチュエータ駆動回路
74がリニアアクチュエータ75を駆動して外部塗布液
槽63の高さ位置を、塗布開始時近傍の薄膜分を補充し
て一定の目標膜厚にすることを考慮した目標液面高さ位
置から通常塗布時の高さ位置まで降下させるように外部
塗布液槽63を移動させる構成である。
いる制御部71はROM72およびRAM73に接続さ
れており、ROM72内に登録された各制御プログラム
で用いる制御データを操作部52からRAM73内に書
き込み可能である。また、これらの操作部52、ROM
72およびRAM73が接続される制御部71は、リニ
アアクチュエータ駆動回路74を介して槽高さ可変手段
68としてのアクチュエータ75に接続されると共に、
各液面センサ67に接続されており、ROM72内に登
録されたリニアアクチュエータ駆動制御プログラムと、
操作部52から入力され、リニアアクチュエータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、液面セ
ンサ67で検出した塗布液22の液面位置を基準にし
て、制御部71は、その出力制御信号をリニアアクチュ
エータ駆動回路74に出力し、アクチュエータ駆動回路
74がリニアアクチュエータ75を駆動して外部塗布液
槽63の高さ位置を、塗布開始時近傍の薄膜分を補充し
て一定の目標膜厚にすることを考慮した目標液面高さ位
置から通常塗布時の高さ位置まで降下させるように外部
塗布液槽63を移動させる構成である。
【0086】この場合の制御データは、塗布液22の粘
度や目標塗布膜厚、塗布速度、ギャップ量などの各種塗
布条件に基づいて、塗布開始時近傍の薄膜分を補償する
ことを考慮して設定され登録された液面高さデータ(所
定液面高さ位置データ)であってもよく、また、これら
の各種塗布条件に基づいて塗布開始時近傍の薄膜分を補
償することを考慮した実験液面高さデータを参照してマ
ニュアル的に操作部52から入力された液面高さデータ
であってもよい。
度や目標塗布膜厚、塗布速度、ギャップ量などの各種塗
布条件に基づいて、塗布開始時近傍の薄膜分を補償する
ことを考慮して設定され登録された液面高さデータ(所
定液面高さ位置データ)であってもよく、また、これら
の各種塗布条件に基づいて塗布開始時近傍の薄膜分を補
償することを考慮した実験液面高さデータを参照してマ
ニュアル的に操作部52から入力された液面高さデータ
であってもよい。
【0087】つまり、塗布する塗布液の粘度、塗布速度
およびギャップ寸法、目標とする塗布膜厚に基づいて、
塗布開始時に予めどの様な薄膜状態になるかという実験
データが、操作部52から制御部71を介してRAM7
3内に登録されており、その登録された薄膜データと所
望膜厚との膜厚差だけ厚くするように、制御部71は、
リニアアクチュエータ駆動制御プログラムに基づいて外
部塗布液槽63を目標液面高さ位置まで持ち上げるよう
に、リニアアクチュエータ駆動回路74を介してリニア
アクチュエータ75を駆動させるようになっている。こ
のようにして、制御部71は、塗布開始時近傍の薄膜が
所望の目標膜厚で一定化するように、リニアアクチュエ
ータ75を所定の伸長位置(上記目標液面高さ位置)か
ら通常塗布時の長さ位置に収縮するように制御されるこ
とになる。
およびギャップ寸法、目標とする塗布膜厚に基づいて、
塗布開始時に予めどの様な薄膜状態になるかという実験
データが、操作部52から制御部71を介してRAM7
3内に登録されており、その登録された薄膜データと所
望膜厚との膜厚差だけ厚くするように、制御部71は、
リニアアクチュエータ駆動制御プログラムに基づいて外
部塗布液槽63を目標液面高さ位置まで持ち上げるよう
に、リニアアクチュエータ駆動回路74を介してリニア
アクチュエータ75を駆動させるようになっている。こ
のようにして、制御部71は、塗布開始時近傍の薄膜が
所望の目標膜厚で一定化するように、リニアアクチュエ
ータ75を所定の伸長位置(上記目標液面高さ位置)か
ら通常塗布時の長さ位置に収縮するように制御されるこ
とになる。
【0088】以上のROM54、RAM55、制御部5
3、リニアモータ駆動回路56、接離モータ駆動回路5
7およびリニアアクチュエータ駆動回路74によって制
御手段が構成されており、制御手段は、塗布開始区間の
薄膜分を相殺して塗布膜厚が目標膜厚で一定になるよう
に、外部塗布液槽63の液面高さをを可変する液面高さ
可変手段としてのリニアアクチュエータ75を制御する
と共に、ノズル部材19と基板2を被塗布面2aに沿っ
て相対移動させるように移動手段としてリニアモータ1
1を制御する構成となっている。つまり、液面高さが一
定であれば、塗布開始時の薄い膜厚状態から所望の目標
膜厚になっていくが、制御部53はこの膜厚変化を予測
し、その予測した薄い膜厚と所望の目標膜厚との膜厚差
を相殺するように、塗布開始時近傍の薄膜分を補償して
一定の目標膜厚にすることを考慮した高位液面高さ位置
とした後に通常塗布時の液面高さ位置まで低下させるこ
とで、塗布開始時近傍で薄くなる塗布膜厚分を是正し
て、塗布開始時近傍においても所望の目標膜厚で一定化
するようになっている。
3、リニアモータ駆動回路56、接離モータ駆動回路5
7およびリニアアクチュエータ駆動回路74によって制
御手段が構成されており、制御手段は、塗布開始区間の
薄膜分を相殺して塗布膜厚が目標膜厚で一定になるよう
に、外部塗布液槽63の液面高さをを可変する液面高さ
可変手段としてのリニアアクチュエータ75を制御する
と共に、ノズル部材19と基板2を被塗布面2aに沿っ
て相対移動させるように移動手段としてリニアモータ1
1を制御する構成となっている。つまり、液面高さが一
定であれば、塗布開始時の薄い膜厚状態から所望の目標
膜厚になっていくが、制御部53はこの膜厚変化を予測
し、その予測した薄い膜厚と所望の目標膜厚との膜厚差
を相殺するように、塗布開始時近傍の薄膜分を補償して
一定の目標膜厚にすることを考慮した高位液面高さ位置
とした後に通常塗布時の液面高さ位置まで低下させるこ
とで、塗布開始時近傍で薄くなる塗布膜厚分を是正し
て、塗布開始時近傍においても所望の目標膜厚で一定化
するようになっている。
【0089】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。
る。
【0090】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2を吸着ステージ3の複数の吸盤(図示せず)に対応
させた状態で所定の位置に位置決めして吸盤(図示せ
ず)で基板2を吸着して保持する。さらに、外部塗布液
槽63に所定量の塗布液22をポンプ43にて補充す
る。この補充は、最上位置の液面センサ67が液面を検
知するまで行われることになる。
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2を吸着ステージ3の複数の吸盤(図示せず)に対応
させた状態で所定の位置に位置決めして吸盤(図示せ
ず)で基板2を吸着して保持する。さらに、外部塗布液
槽63に所定量の塗布液22をポンプ43にて補充す
る。この補充は、最上位置の液面センサ67が液面を検
知するまで行われることになる。
【0091】次に、基板2の被塗布面に対する原点位置
にノズルユニット10におけるノズル部材60のノズル
口9を上方向または下方向に移動させるべく、ノズルユ
ニット10と共にベース部材7をリニアモータ11によ
って直線移動させる。また、基板2の被塗布面2aとノ
ズル部材60の前端面との所定のギャップ寸法に移動す
るべく、ノズル部材60を基板2に対して接離モータ3
6によってボールねじ40などを介して接近または離間
するように移動させる。
にノズルユニット10におけるノズル部材60のノズル
口9を上方向または下方向に移動させるべく、ノズルユ
ニット10と共にベース部材7をリニアモータ11によ
って直線移動させる。また、基板2の被塗布面2aとノ
ズル部材60の前端面との所定のギャップ寸法に移動す
るべく、ノズル部材60を基板2に対して接離モータ3
6によってボールねじ40などを介して接近または離間
するように移動させる。
【0092】このとき、基板2の被塗布面2aとノズル
部材60の前端面との間には、前記圧力設定機構を動作
させて外部塗布液槽63内の圧力を大気圧とするかまた
は一時的に高めるなどによるディスペンス動作によって
塗布液22が毛管現象で外部塗布液槽63さらに液溜り
部61内から汲み上げられて液溜りが形成されている。
また、可動板83は外部塗布液槽63と共に、近接セン
サ97による可動板83の位置検知により原点位置に停
止しており、外部塗布液槽63内の塗布液22の液面高
さ位置は所定の原点位置となっている。
部材60の前端面との間には、前記圧力設定機構を動作
させて外部塗布液槽63内の圧力を大気圧とするかまた
は一時的に高めるなどによるディスペンス動作によって
塗布液22が毛管現象で外部塗布液槽63さらに液溜り
部61内から汲み上げられて液溜りが形成されている。
また、可動板83は外部塗布液槽63と共に、近接セン
サ97による可動板83の位置検知により原点位置に停
止しており、外部塗布液槽63内の塗布液22の液面高
さ位置は所定の原点位置となっている。
【0093】さらに、基板2の被塗布面2aに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキーを操
作すると、前記圧力設定機構により外部塗布液槽63内
を大気開放にするとともに制御部71さらにリニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11が下方向に、
ギャップ寸法に応じた所定の塗布速度で駆動されると共
に、制御部71が、リニアアクチュエータ75のアクチ
ュエータ部88を上方向に突き出させて可動板83を上
昇させ、所定の高位液面高さ位置になるように外部塗布
液槽63を持ち上げた位置から通常塗布時の液面高さ位
置まで低下させることで、基板2の被塗布面2aに、塗
布開始時点から所定の目標膜厚で一定に塗布が行われ
る。
布膜厚で塗布するべく、操作部52のスタートキーを操
作すると、前記圧力設定機構により外部塗布液槽63内
を大気開放にするとともに制御部71さらにリニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11が下方向に、
ギャップ寸法に応じた所定の塗布速度で駆動されると共
に、制御部71が、リニアアクチュエータ75のアクチ
ュエータ部88を上方向に突き出させて可動板83を上
昇させ、所定の高位液面高さ位置になるように外部塗布
液槽63を持ち上げた位置から通常塗布時の液面高さ位
置まで低下させることで、基板2の被塗布面2aに、塗
布開始時点から所定の目標膜厚で一定に塗布が行われ
る。
【0094】このとき、この制御部53による制御ルー
プは開ループであり、目標とする塗布膜厚や塗布液の粘
度、ギャップ寸法および相対移動速度(塗布速度)など
の各種塗布条件に基づいて、RAM55に登録された塗
布開始時の薄膜データ(実験データ)と所望の高位膜厚
との膜厚差だけ厚くするように、外部塗布液槽63内の
液面高さを演算して高さデータを得るか、RAM55に
登録した液面高さデータ(実験データ)を持つようにし
ておき、この高さデータによる外部塗布液槽63の所定
の高位高さ位置に、制御部53はリニアアクチュエータ
駆動制御プログラムによって、リニアアクチュエータ駆
動回路74を介してリニアアクチュエータ75を駆動さ
せて、アクチュエータ部88を上方向に突き出させて可
動板83を上昇させると共に、外部塗布液槽63を持ち
上げるようになっている。このようにして、塗布開始時
点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間で、制御部5
3は、外部塗布液槽63を上記高位高さ位置から通常塗
布時の高さ位置に外部塗布液槽63を降下させる高さ制
御を行いつつ、ノズル走行させて塗布を行って、塗布開
始区間の薄膜分を補充して所望の一定膜厚とする。
プは開ループであり、目標とする塗布膜厚や塗布液の粘
度、ギャップ寸法および相対移動速度(塗布速度)など
の各種塗布条件に基づいて、RAM55に登録された塗
布開始時の薄膜データ(実験データ)と所望の高位膜厚
との膜厚差だけ厚くするように、外部塗布液槽63内の
液面高さを演算して高さデータを得るか、RAM55に
登録した液面高さデータ(実験データ)を持つようにし
ておき、この高さデータによる外部塗布液槽63の所定
の高位高さ位置に、制御部53はリニアアクチュエータ
駆動制御プログラムによって、リニアアクチュエータ駆
動回路74を介してリニアアクチュエータ75を駆動さ
せて、アクチュエータ部88を上方向に突き出させて可
動板83を上昇させると共に、外部塗布液槽63を持ち
上げるようになっている。このようにして、塗布開始時
点から所望膜厚となるまでの塗布開始区間で、制御部5
3は、外部塗布液槽63を上記高位高さ位置から通常塗
布時の高さ位置に外部塗布液槽63を降下させる高さ制
御を行いつつ、ノズル走行させて塗布を行って、塗布開
始区間の薄膜分を補充して所望の一定膜厚とする。
【0095】以上のように、本実施形態3によれば、外
部塗布液槽63内の液面高さを高くするほど厚膜化する
塗布特性を用いて、塗布開始区間の薄膜分を補償して塗
布開始区間の塗布膜厚を所定膜厚に一定化することがで
きる。この塗布開始区間において、スリット26内に停
止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、外部塗布液
槽63内の液面高さを高くすることで、塗布液槽23か
らスリット26を通って供給される液量を多くすること
ができるため、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得る
ことができ、従来のような塗布開始区間における薄膜化
を防止することができる。また、上記実施形態1に比べ
て本実施形態3の液面高さによる薄膜化防止制御の方が
塗布膜厚の均一性がよい。
部塗布液槽63内の液面高さを高くするほど厚膜化する
塗布特性を用いて、塗布開始区間の薄膜分を補償して塗
布開始区間の塗布膜厚を所定膜厚に一定化することがで
きる。この塗布開始区間において、スリット26内に停
止していた塗布液の動きだしが悪い分だけ、外部塗布液
槽63内の液面高さを高くすることで、塗布液槽23か
らスリット26を通って供給される液量を多くすること
ができるため、塗布開始位置から所望の一定膜厚を得る
ことができ、従来のような塗布開始区間における薄膜化
を防止することができる。また、上記実施形態1に比べ
て本実施形態3の液面高さによる薄膜化防止制御の方が
塗布膜厚の均一性がよい。
【0096】したがって、上記本実施形態1〜3によれ
ば、上記したように膜厚制御が可能となったことで、従
来では不完全であった塗布開始部近傍位置の膜厚均一性
をさらに向上させることができる。
ば、上記したように膜厚制御が可能となったことで、従
来では不完全であった塗布開始部近傍位置の膜厚均一性
をさらに向上させることができる。
【0097】また、従来では膜厚の不均一領域が長くな
ってしまい、基板有効領域に薄膜領域が入ってしまって
採用することができなかった高速度塗布を可能にするこ
とができる。これによって、塗布時間が短縮されること
から基板のスループットが上がることになる。
ってしまい、基板有効領域に薄膜領域が入ってしまって
採用することができなかった高速度塗布を可能にするこ
とができる。これによって、塗布時間が短縮されること
から基板のスループットが上がることになる。
【0098】さらに、従来では膜厚の不均一領域が長く
なってしまい、基板有効領域に薄膜領域が入ってしまっ
て採用することができなかった高粘度の塗布液の使用を
可能にすることができる。これによって、塗布液の使用
に対する自由度が向上し、塗布形成可能な膜厚値が広く
とれるようになる。
なってしまい、基板有効領域に薄膜領域が入ってしまっ
て採用することができなかった高粘度の塗布液の使用を
可能にすることができる。これによって、塗布液の使用
に対する自由度が向上し、塗布形成可能な膜厚値が広く
とれるようになる。
【0099】なお、上記実施形態1,2ではノズル部材
19内に塗布液槽23を設けたが、ノズル部材19の外
部に外部塗布液槽を設けてもよい。この場合、外部塗布
液槽であればメンテナンスも容易である。また、上記実
施形態3ではノズル部材60の外部に外部塗布液槽63
を設けたが、このノズル部材60内に内部塗布液槽を設
けてもよい。この場合、内部塗布液槽内にフロートを設
け、このフロートを上下に移動させるフロート移動手段
を設けて、このフロート移動手段によりフロートを塗布
液内に沈めることで液面を上昇させたり、また、フロー
トを塗布液外に上げて液面を下降させることもできる。
つまり、フロート移動手段は、制御手段71によって制
御されて、液面センサ67で検出した液面高さを基準と
して、塗布開始時近傍の薄膜分を補充して一定の目標膜
厚にするように、フロートを塗布液内に沈めたり、ま
た、フロートを塗布液外に出したりして液面高さを制御
するように構成すればよい。
19内に塗布液槽23を設けたが、ノズル部材19の外
部に外部塗布液槽を設けてもよい。この場合、外部塗布
液槽であればメンテナンスも容易である。また、上記実
施形態3ではノズル部材60の外部に外部塗布液槽63
を設けたが、このノズル部材60内に内部塗布液槽を設
けてもよい。この場合、内部塗布液槽内にフロートを設
け、このフロートを上下に移動させるフロート移動手段
を設けて、このフロート移動手段によりフロートを塗布
液内に沈めることで液面を上昇させたり、また、フロー
トを塗布液外に上げて液面を下降させることもできる。
つまり、フロート移動手段は、制御手段71によって制
御されて、液面センサ67で検出した液面高さを基準と
して、塗布開始時近傍の薄膜分を補充して一定の目標膜
厚にするように、フロートを塗布液内に沈めたり、ま
た、フロートを塗布液外に出したりして液面高さを制御
するように構成すればよい。
【0100】また、上記実施形態1ではギャップ寸法を
制御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合に
ついて説明し、上記実施形態2では相対移動速度を制御
して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合につい
て説明し、さらには、上記実施形態3では液面高さを制
御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合につ
いて説明したが、これらの相対移動速度およびギャップ
寸法、液面高さの各制御条件項目のうち少なくとも何れ
か2つの制御条件項目を制御して塗布開始区間において
も一定膜厚とするように制御してもよい。つまり、塗布
開始時近傍において薄くなる塗布膜厚の変化を、基板2
とノズル部材19とのギャップ寸法による塗布膜厚の変
化と、基板2とノズル部材19との相対移動速度による
塗布膜厚の変化と、外部塗布液槽63内の液面高さによ
る塗布膜厚の変化とのうち少なくとも何れか2つの制御
条件項目で相殺するようにすれば、塗布開始時近傍にお
ける薄膜化を確実に防止することができて、一定塗布膜
厚となる。
制御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合に
ついて説明し、上記実施形態2では相対移動速度を制御
して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合につい
て説明し、さらには、上記実施形態3では液面高さを制
御して塗布開始区間においても一定膜厚とする場合につ
いて説明したが、これらの相対移動速度およびギャップ
寸法、液面高さの各制御条件項目のうち少なくとも何れ
か2つの制御条件項目を制御して塗布開始区間において
も一定膜厚とするように制御してもよい。つまり、塗布
開始時近傍において薄くなる塗布膜厚の変化を、基板2
とノズル部材19とのギャップ寸法による塗布膜厚の変
化と、基板2とノズル部材19との相対移動速度による
塗布膜厚の変化と、外部塗布液槽63内の液面高さによ
る塗布膜厚の変化とのうち少なくとも何れか2つの制御
条件項目で相殺するようにすれば、塗布開始時近傍にお
ける薄膜化を確実に防止することができて、一定塗布膜
厚となる。
【0101】さらに、上記実施形態1〜3では、塗布移
動機構としてリニアモータ11を用いたが、その他に、
ボールねじによる塗布移動機構、ピニオンとラックによ
る塗布移動機構、ワイヤーとプーリおよびモータによる
塗布移動機構などであってもよい。
動機構としてリニアモータ11を用いたが、その他に、
ボールねじによる塗布移動機構、ピニオンとラックによ
る塗布移動機構、ワイヤーとプーリおよびモータによる
塗布移動機構などであってもよい。
【0102】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズル手
段と基板の被塗布面とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化
する塗布特性や、ノズル手段と基板との相対移動速度が
早いほど厚膜化する塗布特性、さらには、塗布液の液面
高さが高いほど厚膜化する塗布特性を用いて、塗布開始
時近傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍の塗布膜厚を
所定の目標膜厚に一定化することができる。
段と基板の被塗布面とのギャップ寸法が狭いほど厚膜化
する塗布特性や、ノズル手段と基板との相対移動速度が
早いほど厚膜化する塗布特性、さらには、塗布液の液面
高さが高いほど厚膜化する塗布特性を用いて、塗布開始
時近傍の薄膜分を相殺して塗布開始時近傍の塗布膜厚を
所定の目標膜厚に一定化することができる。
【0103】また、従来の回転塗布方式のように基板を
水平に支持せず基板を立設するために、その設置スペー
スの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布方式
のように基板を基板を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板に対
して、塗布方向にノズル手段を移動させつつ、毛管現象
で供給された塗布液をその被塗布面に塗布するために、
塗布液の節約を図ることができる。
水平に支持せず基板を立設するために、その設置スペー
スの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布方式
のように基板を基板を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板に対
して、塗布方向にノズル手段を移動させつつ、毛管現象
で供給された塗布液をその被塗布面に塗布するために、
塗布液の節約を図ることができる。
【図1】本発明の実施形態1における塗布装置の概略構
成を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断
斜視図である。
斜視図である。
【図3】図1のノズルユニットの概略構成図である。
【図4】図1のノズル部材の概略断面構成を示す模式図
であって、(a)と(b)はそれぞれ異なるタイプを示
す図である。
であって、(a)と(b)はそれぞれ異なるタイプを示
す図である。
【図5】(a)は基板とノズル部材とのギャップ量と、
塗布膜厚との関係を示す図、(b)は基板とノズル部材
との相対移動速度と、塗布膜厚との関係を示す図、
(c)は塗布液槽内の塗布液の液面高さと塗布膜厚との
関係を示す図である。
塗布膜厚との関係を示す図、(b)は基板とノズル部材
との相対移動速度と、塗布膜厚との関係を示す図、
(c)は塗布液槽内の塗布液の液面高さと塗布膜厚との
関係を示す図である。
【図6】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック
図である。
図である。
【図7】塗布開始時近傍の移動距離に対する塗布膜厚の
関係を示し、(a)はパラメータが基板とノズル部材と
の相対移動速度の場合の図、(b)はパラメータが塗布
液の粘度の場合の図である。
関係を示し、(a)はパラメータが基板とノズル部材と
の相対移動速度の場合の図、(b)はパラメータが塗布
液の粘度の場合の図である。
【図8】(a)〜(e)はそれぞれ図4の基板およびノ
ズル部材の概略断面構成に対する各塗布動作を示す模式
図である。
ズル部材の概略断面構成に対する各塗布動作を示す模式
図である。
【図9】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の実施形態2
における基板およびノズル部材の概略断面構成に対する
各塗布動作を示す模式図であり、(d)はノズル部材の
移動距離と塗布速度および膜厚の関係を示す図である。
における基板およびノズル部材の概略断面構成に対する
各塗布動作を示す模式図であり、(d)はノズル部材の
移動距離と塗布速度および膜厚の関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態3における塗布装置の概略
構成を示す模式図である。
構成を示す模式図である。
【図11】図10の槽高さ可変機構の具体的構成を示す
一部分解斜視図である。
一部分解斜視図である。
【図12】図11のXX線縦断面図である。
【図13】図10の塗布装置の概略制御構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図14】本出願人による塗布装置の概略構成を示す正
面図である。
面図である。
【図15】図14の塗布装置におけるAA線の断面図で
ある。
ある。
2 基板 3 吸着ステージ 9 ノズル口 10 ノズルユニット 11 リニアモータ 19,19a,19b,60 ノズル部材 21 ギャップ可変機構部 22 塗布液 23 塗布液槽 26,62a スリット 27 前端面 29 前端面上部 36 接離モータ 40 ボールねじ 41 移動部材 67 液面センサ 52 操作部 53,71 制御部 54,72 ROM 55,73 RAM 56 リニアモータ駆動回路 57 接離モータ駆動回路 61 液溜り部 62b 塗布液供給管 63 外部塗布液槽 68 槽高さ可変手段 69 制御手段 74 リニアアクチュエータ駆動回路 75 リニアアクチュエータ 88 アクチュエータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/00 H01L 21/00
Claims (6)
- 【請求項1】 塗布液を供給可能なノズル手段と、立設
した被塗布基板とを被塗布面に沿って相対移動させつ
つ、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を前
記ノズル手段から供給して前記基板の被塗布面に塗布す
る塗布装置において、 塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定にな
るように、前記ノズル手段と基板の被塗布面との相対移
動速度、前記ノズル手段と基板の被塗布面とのギャップ
寸法、および前記塗布液槽内の液面高さのうち少なくと
も何れかを可変する制御手段を有することを特徴とする
塗布装置。 - 【請求項2】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗
布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
されたノズル手段と、 前記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させ
る移動手段と、 前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間す
るように移動させるギャップ可変手段と、 塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚を一定にす
るべく、前記ノズル手段と基板の被塗布面とのギャップ
寸法を可変するように前記ギャップ可変手段を制御する
と共に、前記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対
移動させるように移動手段を制御する制御手段とを有す
ることを特徴とする塗布装置。 - 【請求項3】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗
布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
されたノズル手段と、 前記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させ
る移動手段と、 塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定にな
るように、前記移動手段の相対移動速度を可変する制御
手段とを有することを特徴とする塗布装置。 - 【請求項4】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗
布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
されたノズル手段と、 前記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させ
る移動手段と、 前記塗布液槽内の液面高さを検出する液面高さ検出手段
と、 前記塗布液槽の液面高さを可変する液面高さ可変手段
と、 塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚が一定にな
るように、前記液面高さ検出手段で検出した液面高さを
基準として前記液面高さ可変手段を制御すると共に、前
記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させる
ように移動手段を制御する制御手段とを有することを特
徴とする塗布装置。 - 【請求項5】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布する塗
布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
されたノズル手段と、 前記ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させ
る移動手段と、 前記ノズル手段と基板の被塗布面を接近または離間する
ように移動させるギャップ可変手段と、 前記塗布液槽内の液面高さを検出する液面高さ検出手段
と、 前記塗布液槽の液面高さを可変する液面高さ可変手段
と、 塗布開始時近傍の薄膜化に応じて、塗布膜厚を一定にす
るべく、前記移動手段による相対移動速度、前記ノズル
手段と基板の被塗布面のギャップ寸法、および、前記液
面高さ検出手段で検出した液面高さを基準とした液面高
さの各制御項目のうち複数制御項目を可変するように各
手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする塗
布装置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、塗布液槽から外部流出
口に至る塗布液流出路内で塗布液が動き出す際の流出抵
抗の大きさに応じて塗布膜厚が一定になるように制御す
る請求項1〜5の何れかに記載の塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22602397A JPH1157587A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22602397A JPH1157587A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 塗布装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1157587A true JPH1157587A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16838583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22602397A Withdrawn JPH1157587A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | 塗布装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1157587A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-08-22 JP JP22602397A patent/JPH1157587A/ja not_active Withdrawn
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