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JPH11514877A - 機能性ランゲルハンス島のインビトロ成長およびそのインビボの使用 - Google Patents

機能性ランゲルハンス島のインビトロ成長およびそのインビボの使用

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Publication number
JPH11514877A
JPH11514877A JP9516734A JP51673497A JPH11514877A JP H11514877 A JPH11514877 A JP H11514877A JP 9516734 A JP9516734 A JP 9516734A JP 51673497 A JP51673497 A JP 51673497A JP H11514877 A JPH11514877 A JP H11514877A
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JP
Japan
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cells
pancreatic
islet
cell
culture
Prior art date
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Ceased
Application number
JP9516734A
Other languages
English (en)
Inventor
ペック,アモン,ビー.
ジー. コーネリウス,ジャネット
Original Assignee
ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデイション,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/547,746 external-priority patent/US6001647A/en
Application filed by ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデイション,インコーポレイテッド filed Critical ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデイション,インコーポレイテッド
Publication of JPH11514877A publication Critical patent/JPH11514877A/ja
Ceased legal-status Critical Current

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
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    • C12N5/0676Pancreatic cells
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インビトロ培養で機能性膵島を成長させることを初めて可能にする新しい方法に関する。本発明はまた、糖尿病のインビボの治療のために、インビトロで成長させた膵島様構造を哺乳動物への体内移植のために使用することに関する。本発明はさらに、正常膵臓組織で観察されるものと同じ機能的、形態的および組織学的特徴を有する臓器をインビボで成長させるための、インビトロで成長した膵島体内移植物を使用する方法に関する。これらの細胞をインビトロで臓器をインビボで成長させることができる能力は、糖尿病に関する研究と治療のための重要な新しい未知を切り開くものである。

Description

【発明の詳細な説明】 機能性ランゲルハンス島のインビトロ成長およびそのインビボの使用 発明の背景 糖尿病は、国民の大きな健康問題である。全国糖尿病諮問評議会(National D iabetes Advisory Board)が作成した「糖尿病と戦うための全国長期計画の19 87年報告(1987 Report of The National Long-Range Plan to Combat Diabet es)」に提示されるように、米国では600万人が糖尿病であることが知られて おり、さらに500万人が未だ診断されていないが糖尿病である。毎年、500 ,000を超える糖尿病の新しい症例が確認されている。1984年には、糖尿 病は、35,000人のアメリカ人の死亡の直接の原因であり、そしてさらに9 5,000人の死亡の一因であった。 糖尿病の目の合併症が、20〜74歳の米国人の法的な盲の新規症例の主な原 因である。下肢切断のリスクは、糖尿病の人では糖尿病でない人よりも15倍大 きい。腎疾患は、糖尿病でしばしば起きる重篤な合併症である。末期腎疾患の治 療を受けている米国の全ての新規患者の約30%は、糖尿病に罹患している。糖 尿病の人はまた、歯周病のリスクも高い。歯周感染は、急速に進行し、歯を喪失 するでなく、代謝機能を低下させる。糖尿病の女性は、妊娠の重篤な合併症のリ スクが高い。最近の統計によれば、母親が糖尿病である乳児の死亡率は約7%で あることが示唆されている。 糖尿病の経済的負担は明らかに甚大である。毎年、糖尿病またはその合併症の 患者は、病院において2400万患者日を費やす。糖尿病に帰することのできる 全年間経費の控えめに見積もった推定額は、少なくとも240億ドルである(米 国糖尿病協会(American Diabetes Association)推定、1988年);しかし 、追加の医療経費がしばしば糖尿病自体よりも糖尿病の特異的合併症によるもの であるため、この糖尿病全体の経済的影響はさらに大きい。 糖尿病は、身体が炭水化物、脂肪、およびタンパク質を適正に維持および使用 することができなくなる、慢性の複雑な代謝疾患である。糖尿病は、種々の遺伝 および環境因子により発生し、インスリン産生の欠損またはその利用の障害によ り引き起こされる血中グルコースの高レベルを特徴とする。糖尿病の多くの症例 は、2つの臨床タイプに分かれる:I型、すなわち若年発症型、およびII型、す なわち成人発症型。I型糖尿病は、しばしばインスリン依存性糖尿病(Insulin Dependent Diabetes)、またはIDDと呼ばれる。各型は、異なる予後、治療、 および病因を有する。 約5〜10%の糖尿病患者は、IDDである。IDDは、通常膵ランゲルハン ス島のインスリン産生β細胞の破壊のため、インスリンを産生することが一部ま たは完全にできないことを特徴とする。IDDの患者は、疾患を制御するために 毎日インスリン注射をしないと死んでしまうであろう。 I型IDDが自己免疫の原因病理を有することを示唆する証拠が蓄積され始め た1970年代半ばまで、糖尿病の病因を解明する上での前進はほとんどなかっ た。IDDが、遺伝的に罹患しやすい体質の人の膵ランゲルハンス島のインスリ ン産生β細胞を選択的に破壊する進行性の自己免疫応答から起こることは、今や 一般に受け入れられている。IDDのβ細胞に対する自己免疫は、体液性(バエ ッケスコフ(Baekkeskov)ら,1982;バエッケスコフ(Baekkeskov)ら,1990; レディー(Reddy)ら,1988;ポンテシッリ(Pontesilli)ら,1987)および細 胞介在性(レディー(Reddy)ら,1988,前述;ポンテシッリ(Pontesilli)ら ,1987,前述;ワン(Wang)ら,1987)免疫機作の両方を含む。体液性免疫は、 β細胞膜(抗69kDおよび膵島細胞表面自己抗体)、β細胞内容物(抗カルボキ シペプチダーゼA1、抗64kDおよび/または抗GAD自己抗体)、および/ま たはβ細胞分泌産物(抗インスリン)に対する自己抗体の出現を特徴とする。血 清はIDDを運搬しないが、抗β細胞自己抗体は非常に若年齢で発生するため、 恐らく抗原の模倣物が関与する環境性引き金因子の問題を提起している。IDD の自然経過における細胞介在性免疫反応性の存在は、インスリン炎と呼ばれる膵 島内の炎症性病変を証拠とする。炎症性/免疫細胞が浸潤するインスリン炎は、 組織学的に明瞭に目で見ることができ、TおよびBリンパ球、単球およびナチュ ラルキラー細胞を含む、多くの細胞型を含むことが証明されている(シグノア( Signore)ら,1989;ジャーペ(Jarpe)ら,1991)。ヒトIDDのモードと してのNOD(非肥満糖尿病)マウスを用いる養子免疫細胞移入(adoptive tra nsfer)により、IDDの病因における自己攻撃性Tリンパ球の主要な役割が確 立された(ベンデラック(Bendelac)ら,1987;ミラー(Miller)ら,1988;ハ ナフサ(Hanafusa)ら,1988;ベンデラック(Bendelac)ら,1988)。残念なこ とに、膵β細胞の破壊の基礎となる機作は未だ不明のままである。 以下の刊行物に報告されている努力を含む膵細胞を培養するための最近の努力 は、培養において単層または凝集体として成長する分化した細胞または部分的に 分化した細胞の培養に集中してきた。これらの報告とは対照的に、本発明は、新 生中にインビボで正常な島(islet)が作成するのと非常によく似た細胞器質化 の形態と程度を有する島様の構造が作成される、方法と構造を開示している。 ガズダー(Gazdar)ら(1980)は、移植可能なラット膵細胞腫瘍から樹立した 連続性で、クローン性の、インスリン−およびソマトスタチン−分泌細胞株を開 示した。しかし開示された細胞は、腫瘍原性であり、多分化能ではなかった。 エイ・ジェイ・ブロザーズ(Brothers,A.J.)(WO93/00441,1993 )は、長期培養で維持した膵細胞を含むホルモン分泌細胞を開示した。しかし、 培養された細胞は、多分化能幹細胞とは対照的に、分化しており、膵様構造を再 生する能力とは対照的に、ホルモン分泌性の表現型について早期に選択されてい る。 コースグレン(Korsgren)らは、ブタ胎児膵細胞の分化を誘導する能力につい て化合物のインビトロスクリーニングを開示した。本発明は、胎児組織の使用に 依存しない。 ジェイ・エイチ・ニールセン(Nielsen,J.H.)(WO86/01530,19 86)は、全部または一部が分化したベータ細胞の増殖方法を開示した。しかし、 この開示は、培養して成長する膵島細胞の供給源として胎児組織に依存していた 。 マックエボイ(McEboy)ら(1982)は、ラット胎児膵島の組織培養の方法を開 示して、A、B、およびD細胞の合成培地維持、成長および分化に及ぼす血清の 効果を比較した。またも膵島細胞の供給源は、胎児組織である。 ザヤス(Zayas)ら(EP 0363125,1990)は、膵内分泌細胞の増殖 の方法を開示した。この方法は、胎児膵組織の使用に依存しており、そしてコラ ーゲンを含む合成構造は、体内移植のためこれらの細胞に埋め込んで調製しなけ ればならない。こうして作成された培養細胞の凝集体は体内移植の際、血中グル コースレベルに影響を与えるまでに60〜90日間を要し、血糖値が正常に(eu glycemia)に近づくまでに110〜120日間を要する。これとは対照的に、本 発明は、体内移植の際、受容者の糖血症状態(glycemic state)に、より迅速に 効果を及ぼす器質化の保持のためにコラーゲンまたは他の合成手段を必要としな い、インビトロで成長した膵島様構造を提供する。 クーン(Coon)ら(WO94/23572,1994)は、膵細胞の拡張した非形 質転換細胞培養物を作成する方法を開示した。凝集した培養細胞は次に体内移植 のためコラーゲンマトリックスに包埋され、これはザヤス(Zayas)ら(前述) の構造に付随する欠点有し、本発明により作成される構造との相違が注目される 。 従来の報告にもかかわらず、本発明は、機能性膵島様構造が、インスリン、グ ルカゴンおよび/またはソマトスタチンを発現する細胞を含有し、これを、臨床 的に糖尿病の哺乳動物に体内移植することにより、(インスリン治療を止めた後 も)健康を維持させることができ驚くべきものである。このことは、最近の三次 元イメージング(ブレルジェ(Brelje)ら,1989)と共に、膵ランゲルハンス島 の従来の免疫蛍光組織学(レイシー(Lacey)ら,1957;バウム(Baum)ら,196 2;デュボア(Dubois),1975;ペレティア(Pelletier)ら,1975;ラーソン( Larsson)ら,1975)により、血中グルコースレベルの変化に応答する、迅速で ありながら精密に制御された応答のための膵島の注目すべき構造および細胞器質 化が明らかになったためである。このような構造をインビトロで作成することが できることは、特に胚形成期に膵臓内の島の発生は、主に膵管上皮細胞(ピクテ ット(Pictet)ら,1972)すなわち非島細胞と結合している未分化の前駆細胞か ら開始されるらしいことを考慮すると、予測できなかった。膵管上皮細胞は、迅 速に増殖し、そして次に種々の島関連細胞集団に分化する(ヘラーストルム(Hel lerstrom),1984;ワイアー(Weir)ら,1990;タイテルマン(Teitelman)ら, 1993;ビーティー(Beattie)ら,1994)。生じた膵島は、インスリン産生β細 胞が、非β細胞の外被により囲まれたコアを形成するスフェロイド構造を、に構 成される。グルカゴン産生α細胞(膵島が背葉に由来する場合)、あるいは 膵ペプチド産生PP細胞(膵島が腹葉に由来する場合)は大部分、外側皮質内に 存在する(ブレルジェ(Brelje)ら,前述,1989;ワイアー(Weir)ら,前述, 1990)。本質的に樹状であるソマトスタチン産生δ細胞は、内側皮質内に存在し 、偽足を延ばしてα(またはPP)細胞およびβ細胞に神経を分布している。こ れらスフェロイド膵島構造は、膵管上皮から分離し、まわりの外分泌組織へと短 い距離を移動する傾向にある。血管新生が誘導した血管形成により、成熟膵島へ の直接細動脈血流が生じる(ボナー−ワイアー(Bonner-Weir)ら,1982;タイ テルマン(Teitelman)ら,1988;メンガー(Menger)ら,1994)。血中グルコ ースは、β細胞増殖を刺激することができるため、血管形成は、さらにβ細胞の 数を増大させるように作用しうる。同様に、神経発生は、交感神経、副交感神経 およびペプチド作動性ニューロンによる膵島の神経支配を導く(ワイアー(Weir )ら,上記文,1990)。従って我々が機能性膵島様構造をインビトロで作成して 、次にこれを体内移植して膵様構造を作成することができることは、非常に驚く べきことである。 残念なことに、膵島の細胞器質化は、I型インスリン依存性糖尿病(IDD) のような疾患では破壊されることがあり、進行性の体液性および細胞介在性の自 己免疫応答によりインスリン産生β細胞の特異的な破壊を起こすことがある(エ イセンバース(Eisenbarth),1986;ライター(Leiter)ら,1987)。β細胞は 大部分は分化した最終段階の細胞であると考えられているため、生体が新しいβ 細胞を生成する能力は限定されていると考えられ、一旦β細胞の多くが破壊され ると規則的なインスリン治療を一生余儀なくされる。しかし、実験動物において 、β細胞集団が正常な血糖値を維持するために増加したり減少したりすることが 証明された(ボナー−ワイアー(Bonner-Weir)ら,1994)。この形成性は、膵 島成長の2つの経路により発生しうる:第一に、新生、すなわち膵管上皮の分化 による新しい膵島の成長、そして第二に、肥大、すなわち既に存在するβ細胞の 複製による拡張である。胚形成期に、β細胞集団は最初に新しい細胞の分化から 拡張するが、胎児後期には分化したβ細胞が複製する。そして複製は、出生後の 拡張の主な手段であるようだが、複製する能力は加齢により消失するようである 。成人膵島細胞は、新生児の膵島細胞成長を開始させることが知られている刺激 、 例えば、グルコース、成長ホルモンおよびいくつかのペプチド成長因子に応答す ることにより複製することが証明された(スウェン(Swenne),1992;ヘラース トルム(Hellerstrom)ら,1988;ボナー−ワイアー(Bonner-Weir)ら,1989; マリーニッセン(Marynissen)ら,1993;ニールセン(Neilsen)ら,1992;ブ レルジェ(Brelje)ら,1993)。これらの観察結果は、成人ではβ細胞成長のレ ベルが低いため、機能上の要求に応じられることを示唆している。例えば、妊娠 または慢性肥満において、β細胞集団は顕著に増加するが、妊娠の終了または体 重低下により、増加したβ細胞のアポトーシス死によりβ細胞集団は急速に減少 するため、これは可逆的である。 全ての型の膵臓内分泌細胞が同じ膵管上皮から分化することは、一般に受け入 れられている(ピクテット(Pictet)ら,1972,前述;ヘラーストルム(Hellers trom),1984,前述;ワイアー(Weir)ら,1990,前述;タイテルマン(Teitelm an)ら,1993,前述)が、これらが共通の幹/前駆細胞に由来するかどうかは不 明である。正常な成人の膵臓では、膵管上皮内の約0.01%の細胞が、膵島細 胞ホルモンを発現し、刺激されて、新生を暗示する新しい膵島を形成するための 形態変化を受けることができる。この新生は実験的に、ダイズトリプシンインヒ ビターによる食餌療法(ウィーバー(Weaver)ら,1985)、高レベルのインター フェロン−γ(グー(Gu)ら,1993)、部分膵切除(ボナー−ワイアー(Bonner -Weir)ら,1993)、膵臓の頭部のセロファンによる包装(ローゼンバーグ(Rose nberg)ら,1992)、特異的な成長因子(オトンコスキ(Otonkoski)ら,1994) および臨床的IDDの発症により誘導された。最近になって、膵島β細胞の新生 における調節要素として、再生ラット膵島のサブトラクションしたcDNAライ ブラリーにおいて同定されたReg遺伝子に注目が集まった(ワタナベ(Watana be)ら,1994;オトンコスキ(Otonkoski)ら,1994)。Reg遺伝子のアップ レギュレーション(例えば、肝細胞成長因子/分散因子による)は、β細胞増殖 を誘導して細胞集団を増加させ、一方Reg遺伝子のダウンレギュレーション( 例えば、ニコチンアミドによる)は、「プレ−β」細胞の成熟細胞への分化を誘 導する。すなわち前駆/幹細胞の集団が成人膵管に残っており、特異的刺激に応 答してインビボでこの集団の分化が喚起される。この作用は、現実に は低レベルで連続的に起こる。 インビトロで膵島新生を再現するための集中的な努力が払われたが、ほとんど 成功するに至っていない。今や我々は初めて、培養した哺乳動物由来の膵島産生 幹細胞(IPSC)の成長と拡張、さらには膵島様構造へのこれらの分化を可能 にする条件を報告する。 多くの方策(例えば、骨髄置換、免疫抑制薬および自己抗原免疫化)が、膵β 細胞に対する免疫的攻撃を阻止するための可能な手段として研究されてきた。し かしこれらのアプローチを有効にするためには、最終的に臨床疾患が発現する個 人を同定する必要がある。しかし、大部分のβ細胞が既に破壊される点まで免疫 的攻撃が進行しているため、患者が同定されるときには有効な介入治療を行うに は遅すぎることが多い。β細胞が最終段階の分化した細胞であると考えられるた め、生体が新しいβ細胞を再生する能力はほとんどなく、このため規則的なイン スリン治療を一生余儀なくされると、以前は考えられていた。この問題を克服す るための最近のアプローチ1つが、膵島細胞移植である。膵島細胞移植は、膵島 が同種異系であり、そのため同種免疫応答を引き起こしうるという不利な点を有 する。従って、IDD患者から直接、機能性β細胞を含有するランゲルハンス島 を成長させることには大きな利点がある。 発明の要約 本発明は、インスリン産生β細胞さらには他の型の膵島細胞を含有する機能性 膵島を、膵島産生幹細胞(IPSC)のもとである多分化能幹細胞の長期培養物 で成長させることができるという発見に関する。 本発明の新規な方法は、IPSCが成人個体の膵臓にも存在するという発見を 利用する。この細胞は、好ましくは膵島細胞の供給源となる同じ哺乳動物種に由 来する標準血清(同種血清)を補足した最少高アミノ酸栄養培地で培養すること ができる。細胞成長のいくつかの異なる段階により、IPSCとそれに続く子孫 が選択され、次にこれらは分化誘導されて、先行技術の偽膵島または偽膵組織と は区別しうる膵島様構造を形成する。第1段階では、膵臓からの細胞の初代培養 物を低血清、低グルコース、高アミノ酸基本培地に入れる。次にこの培養物を数 週間静置して、間質細胞の樹立させ、分化した細胞の大多数を死滅させる。一旦 この間質細胞層が成熟すれば、同種標準血清とグルコースを補足した高アミノ酸 培地で培養細胞に再度栄養補給することにより、細胞分化を開始させることがで きる。さらなる期間の成長後、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンおよび 他の内分泌ホルモンを産生する細胞を含有する機能性膵島を、標準法を用いて回 収することができる。 膵由来非膵島細胞(膵管由来細胞)を使用して、β細胞を含む新しい膵島様構 造を培養して成長できることは、これまで知られても推測されてもいなかった。 インビトロで膵島様組織を成長させるための培養法の偶然の発見により、これま では糖尿病研究に対して大きな長年にわたる障壁であったものが排除された。本 明細書に記載される新規な方法および材料は、糖尿病の機作のさらなる理解を可 能にする。さらに、培養IPSCから膵島様構造を作成することが可能になって 、今や糖尿病のいくつかの治療が初めて可能になった。例えば、本発明により、 培養膵島および/または膵島細胞をインビボでインスリンを産生することができ るため、患者のインスリン治療の必要性を制御または排除するための方法として 、糖尿病個体からの新しい培養膵島を患者に体内移植することができる。すなわ ち、本発明はまた、IDDのインビボ治療のために哺乳動物種への体内移植のた めの、本発明のインビトロ成長膵島の使用に関する。 本発明はまた、続いて起こる免疫的破壊に抵抗するための膵島細胞の遺伝子操 作を非常に容易にする。例えば、培養膵島細胞は、破壊的免疫プロセスを阻害ま たは防止するタンパク質またはペプチドを発現させるために形質転換することが できる。他の有用なタンパク質またはペプチドも発現させることができる。さら に、GAD、64kD膵島細胞表面抗原(ペイトン(Payton)ら,1995)、または 分化した膵細胞で同定された任意の他のマーカーのような特異的な自己抗原は、 標準遺伝子ノックアウト法または選択法により排除して、自己免疫攻撃を受けな いかまたは受けにくい分化した膵細胞を作成することができる。このような変異 体またはノックアウト細胞株を作成する方法は、当該分野でよく知られており、 例えば、米国特許第5,286,632号;米国特許第5,320,962号; 米国特許第5,342,761号;およびWO90/11354;WO92/0 3917;WO93/04169;WO95/17911(これらは全て本明細 書に参考のため組み込まれる)に開示された相同組換え法がある。さらに、細胞 が膵様構造に分化するときにヒト白血球抗原(HLA)マーカーを発現しないよ うに修飾された幹細胞を調製することにより、万能ドナー細胞が作成される(特 に上記WO95/17911を参照のこと)。 個体の膵細胞から機能する膵島のインビトロでの成長を可能にしたことが、主 な技術上の革新であり、このことがIDDを治療および研究するための新しい方 策の使用を促進する。多分化能幹細胞が成人膵臓に存在するという発見により、 細胞の供給源として胎児組織を使用する必要性が(排除することなく)回避され る。 本発明はまた、本明細書に記載される方法によりインビトロで作成される膵島 細胞に関する。これらの細胞は、インビトロで培養される哺乳動物膵細胞懸濁物 から作成され、機能性膵島細胞および膵島様組織構造を生み出す。 本発明はさらに、膵幹細胞、すなわち、正常膵臓を作り上げる全ての異なる型 の細胞および組織の形成を生じる前駆細胞のインビトロでの成長、増殖、および 分化に関する。さらに、本発明は、正常膵臓で観察されるものと同様な機能的、 形態的および組織学的特徴を示す膵様構造または「外膵臓(ecto-pancreas)」 臓器を産生するための、インビトロ成長した膵幹細胞のインビボでの使用に関す る。すなわち、インビトロ成長膵細胞からインビボで機能性「外膵臓」を産生で きる能力を使用して、膵臓の損傷または破壊を引き起こす(または膵臓の損傷ま たは破壊により引き起こされる)ことが知られている、広範な膵臓疾患を処置し 、後退させまたは治療することができる。 図面の簡単な説明 図1A〜1Dは、本発明の方法により成長した細胞を示す。 図2は、本発明により成長した膵島様構造を示す。 図3A〜3Hは、3Aからのインビトロの膵島様構造の発生の一連の段階を示 し、これは本明細書に記載される培養条件下で、数週間培養後の少数の細胞を示 す、これが生き延びて「発芽(bud)」し始め(図3B、写真の上右側の暗い構 造)、そして分裂し(図3C、写真のいくつかの位置)、高度に器質化した構造 (図3D〜3H)を形成するまでを示している。 図4は、図3G〜3Hに示される構造の顕微鏡写真を示しており、その高度に 器質化した形態を示す。 図5は、膵島様構造横断面のH/E染色を示しており、中央にβ細胞そして周 辺にグルカゴン産生細胞という、高度に器質化した形態が示される。 図6A〜6Fは、図3Hに示す膵島様構造が初代培養から採取されるまでの一 連の顕微鏡写真を示す。図6Bでは、構造が崩壊し、細胞の大部分が死んでいる が、図6Cでは、新しい構造が発達する。図6Dでは、いくつかの新しい構造が 形成されている。この一連の連続継代工程は、IPSCが枯渇するまで、何回も 反復することができる。新しい構造が形成される代わりに、図6Eのように構造 が崩壊するこの事象において、図6Fに示されるように分化した細胞は増加する 。クーン(Coon)ら(上記WO94/23572を参照のこと)のような研究者 により作成されたのは、この型の増殖した分化細胞であると考えられる。 図7は、インスリン治療中止後の対照および体内移植NODマウスからのデー タを示す。 図8は、外膵臓を示す。 略語と定義 IPSCは、膵島産生幹細胞(Islet Producing Stem Cells)である。IPS Cは、胎児または成人膵臓で発見される膵管上皮細胞(これは、本発明によりイ ンビトロで膵島様構造になる能力を有する)由来の細胞(すなわち、これらは膵 臓由来であるが、分化膵島細胞由来ではない)の小さな集団である。膵管上皮細 胞がインビボで体内移植されると、膵様構造が形成される。膵様構造および膵管 上皮細胞が、本来の膵臓の位置以外の位置にインビボで体内移植されると、膵様 構造は外膵臓と呼ばれる。 多分化能性の膵幹細胞は、IPSCを生じる、膵臓で発見された細胞である。 成熟した膵島細胞は、IPSCから生じ、膵ホルモンを産生する分化した細胞 である。 膵島様構造、または若い膵島(young-islets)は、我々がIPSCから培養で 生じることを発見した、細胞の高度に器質化した構造である(図3H、図4Aお よび4B、および図5に示される横断面を参照のこと)。この構造は、IPSC ではない、解離した膵組織から培養した大部分の細胞が死んだ後、個々のIPS Cにより形成された細胞増殖巣から「発芽」する。膵島様構造の体内移植により 、最終分化が起こって充分に成熟した膵島細胞が生成する。 発明の詳細な説明 本発明により初めて、機能性ランゲルハンス島をインビトロで成長させること ができる。本発明の方法により、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンまた は他の内分泌ホルモンを産生することができる培養細胞が生成する。他の有用な タンパク質も、例えば、膵島細胞を、目的のタンパク質をコードするDNAによ り形質転換することにより産生することができる。これらの機能性培養細胞を成 長することが可能であることにより、当業者は以前には不可能であった方法を実 施することができる。インビトロで作成された膵島様構造が、正常な新生でイン ビボで作成される膵島の特質のほとんどを有するため、以下の開示において、膵 島様構造という用語は、「若い膵島」という用語と交換可能であるとして読むべ きである。これらの構造の未成熟な性質によりインビボの体内移植が可能になり 、急速な最終分化および血管形成が引き続いて起こり、治療を必要とする糖尿病 またはプレ糖尿病哺乳動物のような受容者の、損傷を受けたか消耗した膵島に対 する機能する置換物を提供する。 本発明の方法では、哺乳動物の膵臓から、幹細胞を含む細胞の懸濁液を作成す る。好ましくは、幹細胞は、プレ糖尿病哺乳動物の膵臓からのものである。しか し、既に糖尿病の徴候を示す哺乳動物からの膵島産生幹細胞(IPSC)を本発 明に利用することができることも企図されている。細胞懸濁液は、標準法を用い て調製される。次に細胞懸濁液を、IPSCの成長を促進する栄養培地で培養し 、同時にIPSC以外の分化または成熟した細胞の持続する成長を重度に消耗さ せる。好適な実施態様において、栄養培地は、高濃度のアミノ酸を含むものであ る。このような培地の1つは、クリックのEHAA培地(Click's EHAA medium )として知られており、当業者には公知であり、容易に利用可能なものである( ペック(Peck)とバッチ(Bach),1973、この目的のため参考のため本明細書に 組み込まれる)。他の同等な栄養培地は、当業者ならば調製して使用することが できる。このような培地に必要なことは、グルコースをほとんどまたは全然含ま ない (約1mM未満)ことと血清濃度が低い(約0.5%未満)ことである。好ましく は高アミノ酸濃度は、培養される種の細胞に必須であることが知られており、培 養細胞の炭素源を提供する。さらに、少なくとも1つの基本的な脂質前駆体、好 ましくはピルビン酸が提供される。これらの条件は、ほとんどの分化した細胞型 には非常にストレスが多く、そのため生存できない。しかし驚くべきことに、再 度栄養補給することなく膵組織からの細胞を長期培養する(約3週間)と、IP SCは生き残り、長期培養後増殖し始める。次の培養段階では、膵島細胞の起源 である同じ種の哺乳動物からの標準血清を補足した培地を利用する。すなわち、 マウス膵島の場合は、培地に標準マウス血清を補足し、一方ヒト膵島細胞の場合 は、培地に標準ヒト血清を補足する。標準血清の調製は、当業者に公知である。 本発明の細胞培養法に使用される標準血清の濃度は、約0.5%〜約10%の範 囲であるが、マウスについては好ましくは約1%である。ヒト血清については、 もっと高濃度が好ましく、例えば、約5%である。 標準血清および約2.5〜10mMグルコースを補足した栄養培地で調製した細 胞懸濁液を、次に細胞成長を促進する条件下で、好ましくは約35〜40℃、お よび好ましくは約5% CO2の雰囲気でインキュベートする。従ってこのイン キュベーションは、当業者にはよく知られている標準法を使用して行われる。こ の間、間質または膵管上皮細胞は増殖して単層を確立し、これが最終的に膵島様 構造を生成させる。細胞分化の開始は、クリックのEHAA培地または上述のよ うに標準血清を補足した同様な培地で培養物に栄養再補給することにより行われ る。迅速な栄養再補給は、相当な細胞分化による広範な膵島細胞増殖巣および膵 島様構造形成を誘導することが見い出された。我々は、栄養再補給培地に比較的 高濃度のグルコース(約10〜25mM、好ましくは16.7mM)を含有させるこ とにより、細胞分化がさらに増強されることを見いだした。さらに、IPSCの 成長および分化を最適化し制御するために、Reg遺伝子をアップレギュレート する因子(例えば、肝細胞成長/分散因子)、および他の細胞成長因子(例えば 、インスリン様成長因子、上皮成長因子、ケラチノサイト成長因子、繊維芽細胞 成長因子、ニコチンアミド)、および細胞成長および分化を調節する他の因子を 含むが、これらに限定されない、任意の多くの他の生物学的因子を培養物に加え る ことができることが企図される。任意のこれら種々の因子、またはその組合せを 、異なる段階で、異なる接種密度で、およびIPSC分化の経過において接種か らの異なる時間で使用することにより、IPSC培養が最適化される。さらに、 分化の経過においてIPSC培養により産生される成長を増大させる因子は、単 離し、配列決定し、クローン化し、大量に産生し、そしてIPSC培養物に加え て、培養物の成長および分化を促進することができる。この関連因子は、分化の 初期、中期および後期からのIPSC培養上清を濃縮し、IPSCの成長および 分化を増大させるこれら濃縮物の能力について試験することにより同定される。 正の効果は、正および負の上清の二次元ゲル電気泳動、精製および正の濃縮物に のみ存在するスポットのN末端配列決定およびこれに続くこれらの因子をコード する遺伝子のクローニングおよび発現による濃縮物中の分子組成に相関している 。 膵島様構造の細胞の組織学的観察を行うと、少なくとも3つの別々の細胞型が 同定可能であり、対照マウスの膵島から調製される膵島細胞と類似しているよう であった。これらの細胞増殖巣内で細胞分化が起こるのに要する時間は、栄養再 補給の頻度が上昇するにつれ、低下した。 我々は、膵島由来間質細胞と膵島細胞増殖巣を新しい培養フラスコに連続して 移送することにより、膵島産生培養物を増殖させ拡張することができた。これは 、本明細書に記載される方法(例えば、IDDの代謝の問題を後退させるための )に使用するために必要充分な数の膵島の生成を促進する。 本発明によりインビトロで産生した膵島様構造および/または膵島細胞が、I DDを後退させることができるかどうかを決定するために、膵島様構造をNOD マウスに体内移植した。膵島移植を受けたマウスは、インスリン依存性糖尿病の 後退を示したが、一方未処理NODマウスは、疾患の臨床的徴候を示した。さら に、体内移植の期間中、自己免疫の病的発生は観察されなかった。すなわち、本 発明の膵島の体内移植は、ヒトを含む哺乳動物の糖尿病を治療するために使用す ることができる。 本発明の好適な実施態様において、糖尿病の進行は、免疫的攻撃に関与する特 異的な因子に抵抗性であるよう改変した自己由来膵島の体内再移植により、遅ら せるか停止させることができる。例えば、膵島は、細胞毒性T細胞に抵抗性であ るように改変することができる[例えば、デュリノビック(Durinovic)ら,199 4(糖尿病マウスのインスリン炎誘導性T細胞に類似した膵島特異的T細胞およ びT細胞受容体配列を同定);エリアス(Elias)とコーヘン(Cohen),1994( 特異的糖尿病原性T細胞クローンの生成を止めることによる、NODマウスの糖 尿病治療に有用なペプチド配列を同定);コンラッド(Conrad)ら,1994(膵島 浸潤性T細胞の増殖を引き起こす膜結合型膵島細胞スーパー抗原を報告);サン タマリア(Santamaria)ら,1994(糖尿病および膵島細胞破壊にはB7−1とT NFαの同時発現が必要であることを報告;いずれの抗原も、免疫的攻撃に対す る体内移植した膵島の抵抗性を改善するために、既知の方法により排除すること ができる)]。全膵島の長期培養が利用可能になれば、これはまた、β細胞の細 胞認識、膵島浸潤の様式、およびβ細胞破壊の免疫機作を含む、IDDの病因の 探究に使用することができる。さらに、本法は、膵島移植、自己由来膵島置換、 および人工膵島の開発を促進する。本発明の方法によるこれらの細胞および膵島 様構造の成長は、細胞分化および機能に関する重要な側面を学生に教え理解を深 めるのに非常に有用である。 本発明のさらなる実施態様において、IPSCを生じる多分化能膵幹細胞が、 哺乳動物から単離された膵細胞からインビトロで成長された。本発明の方法と共 にこれらのインビトロで成長した細胞を用いた驚くべき発見は、内分泌および外 分泌組織を形成するための細胞分化を含め、正常膵と同様な機能的、形態的およ び組織学的特性および特徴を示す臓器をインビボで成長させ産生することが可能 なことである。本発明によりインビボで産生された外膵臓(体腔内の異常部位に 存在する膵様臓器)は、大きな科学的発見であり、膵炎、膵臓癌およびIDDを 含むが、これらに限定されない多くの膵臓関連疾患を研究し、処置し、後退させ るかまたは治療するための新規な手段を提供する。これは、病変組織の除去と本 発明により作成された膵島様構造の体内移植により達成される。さらに、この膵 島様構造は、本来の膵臓部位に体内移植することができる。 本発明は、膵幹細胞の培養方法およびインビトロでの若い膵島の産生法を提供 し、今やこの細胞型の成長および分化の研究が可能になった。従って、細胞培養 、精製、単離および解析の全ての既知の方法を、いくつの型の細胞が膵細胞分化 に 関与するかという重要な問題に集中することができる。これらの方法は、蛍光活 性化細胞ソーター解析(fluorescence activated cell sorting)(FACS) 、磁気ビーズ利用法(例えば、この目的に特別に適応させた市販されていて利用 可能なダイナビーズ(DYNA BEADS)の使用におけるように)、磁気安定化流動床 (magnetically stabilized fluidized beds)(MSFB、米国特許第5,40 9,813号を参照のこと)の使用、および任意の多くの当該分野で公知の方法 を含むが、これらに限定されない。このプロセスの経路は、今や綿密に吟味でき る。このプロセスの各段階に特異的なマーカー(細胞表面、細胞内、タンパク質 またはmRNA)の同定も、以下の標準法(これらに限定されない)の利用によ り現在は容易に同定可能である[膵幹細胞の成熟のプロセスを通して異なる、細 胞、細胞表面マーカー、および細胞成分に対するモノクローナル抗体を含む抗体 の産生;成熟および分化プロセスの異なる段階で膵細胞により発現される抗原に 特異的に応答するTリンパ球の産生(例えば、ウェグマン(Wegmann)ら,1993を 参照のこと);T細胞により認識される細胞表面マーカーの同定と除去(そのた め分化したβ細胞が存在すれば破壊される(上記引用文献を参照のこと));成 熟の異なる段階をもたらすのに重要な因子および分化している細胞により産生さ れる異なる因子の同定;成熟プロセスの異なる段階の細胞から単離される核酸の サブトラクティブハイブリダイゼーション(細胞分化の各側面で重要な遺伝子産 物の正確な位置づけが可能になる);分化したディスプレイPCR(differenti ated display PCR)(リアング(Liang)ら,1992を参照のこと);任意にプライ ムしたPCR(arbitrarily primed PCR)(ウェルシュ(Welsh)ら,1992を参 照のこと);代表差解析PCR(representational difference analysis PCR) (RDA−PCR)(リシツィン(Lisitsyn),1993を参照のこと);適切な宿 主生物への体内移植のための単細胞の膵前駆細胞またはその集団のカプセル化( これにより、他の型の前駆細胞または改変細胞の体内移植においてこのような方 法が証明した利点を提供する)(アルトマン(Altman)ら,1994を参照のこと) ;自己抗原遺伝子のノックアウト、または耐性増強遺伝子の挿入のような、自己 免疫攻撃を受けにくい細胞を産生するための膵前駆細胞の遺伝子操作;改変細胞 表面抗原を提供するかまたは細胞の内部環境に異なる生物化学 的性質を提供する遺伝子を含む、IPSCに挿入することができる他の遺伝子; これらは、グルコースに対する感受性を増大または低下させる酵素を発現する遺 伝子、または成長因子に対する細胞の応答性を増大または低下させる遺伝子を含 む;さらに、インスリン、グルカゴンまたはソマトスタチンの産生を増大または 低下させる遺伝子も導入することができる;これらの型の修飾をIPSCに導入 することができる例は、電気穿孔法、ウイルスベクター、トランスフェクション または当該分野で公知の他の任意の多くの方法を含む(例えば、WO95/17 911;WO93/04169;WO92/03917;WO90/11354 ;米国特許第5,286,632号;WO93/22443;WO94/126 50またはWO93/09222を参照のこと;これらは全てこの目的のために 参考のため組み込まれる);例えば、ヒト白血球抗原が欠失しているかまたは修 飾されている、万能ドナー(ノックアウト)細胞の産生(上記WO95/179 11を参照のこと)]。このプロセスは、胎児組織の使用に依存しないため、I DDに罹った哺乳動物またはIDDに罹るリスクのある哺乳動物から膵組織を除 去して、膵島様構造をインビボで成長させ、その構造を個体に再度体内移植して 、血中グルコースの変動に応答して生理学的に適切な量のインスリンを産生させ ることが可能である。 前述の開示および以下の例証により、添付した請求の範囲は、この重要な発明 により可能になることを当業者ならば認識するであろう、本発明の種々の実施態 様および側面まで拡大されることを認識されたい。 また、本明細書に提示したデータにより、単離した多分化能の幹/前駆細胞か ら膵島のインビトロ新生は可能であるが、 1)IPSCの生成を可能にする、膵管上皮細胞の間質、または「栄養(nurs e)」細胞単層の確立; 2)IPSCの周期的再生を促進し、またIPSCの早熟な分化を防止する、 特異的培養条件による幹/前駆細胞増殖の誘導; 3)α、βおよびδ細胞の拡張と分化、 を含む、成長のいくつかの別個の段階を含むことが明らかになった。この工程は 、培養栄養および成長因子の差が、異なる割合の種々の膵島細胞型を含有する膵 島 を生じさせるため、培養環境により指図される。β細胞をその最終成熟段階(す なわち、インスリン含有顆粒の形成およびグルコース応答性)に誘導するインビ トロ条件の同定もまた、今や達成することができる。この最終分化を達成するイ ンビボで存在する因子は、IPSC培養物への細胞抽出物または成長因子の添加 により同定される。 我々は、10ヶ月まで初代IPSC培養物を維持し、二次培養物をさらに14 〜16ヶ月維持したが、それぞれ拡張および分化して、膵島様構造を形成するこ とができた。プレ糖尿病の成人からの機能性膵島を拡張させることができるとい うことは、大きな技術上の革新であり、IDDの治癒に到達するための可能な新 しい方策に焦点を当てているが、恐らくこの研究の最も重要な側面は、体内移植 されるとIPSCおよび膵様構造を生じる多分化能幹/前駆細胞が、正常および (プレ)糖尿病の成人の両方の膵島に存在することが証明されたことである。こ の知見は、β細胞のIDD患者への移植のために胎児、同種または異種組織を使 用する必要性;インビボで低血糖を後退させる新規な方策を開発する必要;新し く体内移植した膵島への免疫学的応答を研究する必要性;および/または免疫的 攻撃に耐性の膵島を作成する必要性を排除する。 本明細書に提示されるデータに基づき、発症後のI型IDD患者の充分に証明 されている緩解期は、幹細胞成長が誘導される時間であり、進行中の自己免疫反 応により次には置換れるのみであると推測される。自己由来膵島の体内再移植は 、免疫的攻撃に対して抵抗性であるように改変された細胞を必要とすると考えら れるため、本明細書に開示された膵島幹細胞の同定と培養は、上述の遺伝子を改 変する試みには必須である。 驚くべきことに、本発明のインビトロで生成した膵島移植片は、本明細書で検 討した期間にわたって免疫的攻撃の徴候を示さなかった。自己抗原が培養細胞上 で発現しないか、または培養物がマクロファージを希釈するため自己抗原が存在 できないか、またはこのような移植片が周辺の寛容性を誘導するかもしれない、 という可能性がある。全膵島の長期培養を利用できることにより、β細胞の細胞 認識、膵島浸潤の様式、およびβ細胞破壊の免疫機作を含む、IDDの病因の探 究は促進される。さらに、本法は、膵島移植、自己由来膵島置換、人工膵島の開 発を促進し、インスリン治療の必要性を低下させる。 従って、本発明は、膵島様構造を産生するための膵島産生幹細胞(IPSC) のインビトロ成長方法を提供する。この方法は、哺乳動物種からの膵細胞を、約 0.5%未満の標準血清と約1mM未満のグルコースを補足した基本栄養培地で培 養し、IPSCを少なくとも約3週間成長させ、そして培養IPSCに、約0. 5〜10%の標準血清と約2.5mM〜10mMのグルコースを補足した栄養培地を 再度栄養補給することにより成熟膵島細胞への細胞分化を開始させることを含む 。膵細胞は、ヒトおよびマウスを含む任意の哺乳動物からのものであってよく、 血清は同じ種からのものである。培地は、好ましくは培養される種からの細胞の 成長に必須の全てのアミノ酸を、培養物が枯渇しないことを保証する量で含有す る。栄養再補給では、栄養再補給培地は、好ましくは、分化を刺激するのに充分 な量でグルコースと血清を含有する。さらに、本方法により、一旦分化が開始す れば、好ましくは細胞は、しばしば栄養を再補給される(ほぼ週に1回)。この 方法により、膵島細胞および膵島様組織構造が産生する。 この方法はまた、内分泌ホルモン(インスリン、グルカゴンおよびソマトスタ チンを含むが、これらに限定されない)の供給源を提供し、そしてこれらのホル モンは、IPSCの培地から回収することができるか、または膵様構造を産生す るための哺乳動物の組織への膵島様構造の体内移植により、哺乳動物に直接放出 することができる。このような体内移植は、膵様臓器を産生するための膵島様構 造を哺乳動物に体内移植することにより、哺乳動物の膵疾患を治療する方法を提 供する。1つの実施態様において、本発明の膵島細胞または膵島様構造は、ID D自己抗原またはHLAマーカーを産生しないように遺伝子的に修飾されるため 、インスリン以外のインスリン依存性糖尿病関連自己抗原を発現しないか、ある いは該幹細胞が該膵様臓器に分化するときヒト白血球抗原を発現しないように修 飾される。さらに、膵幹細胞は、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンおよ び他の膵産生因子透過性カプセルにカプセル化することができる。また、少なく とも1つの膵幹細胞をインビボで培養し、そしてこの少なくとも1つの幹細胞を 誘導して膵様構造への分化を開始させることを含む、膵幹細胞の分化を解析する 方法が提供される。本方法はまた、分化プロセスにおける多くの異なる段階に特 異 的なmRNAまたはタンパク質マーカーの同定を可能にする。タンパク質マーカ ーは、細胞表面で発現するか、分泌されるか、または細胞内にあってもよい。本 発明の別の側面において、リガンド結合分子および選択的に膵幹細胞またはさら に分化した膵細胞に結合するリガンド結合分子を作成する方法が提供される。こ の方法は、未使用Bリンパ球またはTリンパ球を同定されたタンパク質マーカー と接触させて、そのBリンパ球またはTリンパ球を培養して拡張させてリガンド 結合分子を産生する細胞の集団を得ることを含む。すなわちこれらのリガンド結 合分子は、膵幹細胞、または膵幹細胞と完全に分化した膵細胞との間の任意の段 階の部分的に分化した膵細胞を、単離する方法を提供する。この方法は、分化の 所定の状態の細胞により発現されるタンパク質マーカーに結合する特異的なリガ ンド結合分子で、上記細胞を含む細胞の集団から細胞を選択することを含む。あ るいは、この方法は、細胞の表面には存在しないタンパク質マーカーに結合する 特異的リガンド結合分子で、上記細胞を含む細胞の集団から他の細胞を選択して 除去することを含む。さらに別の側面において、本発明は、IDDに罹患してい るか、またはそのリスクのある哺乳動物を治療する方法であって、 a.哺乳動物から膵組織を取り出し; b.膵組織に存在する多分化能膵細胞をインビトロで培養して膵島様構造を生 成させ;そして c.該膵島様構造を該哺乳動物に体内移植する ことからなる、上記方法を提供する。 本発明のさらなる側面において、IPSCの未分化または分化状態のいずれか においてインスリン依存性糖尿病自己抗原を発現しないように修飾されたIPS Cを提供する。好ましくは、修飾の結果として発現されない自己抗原は、GAD 、64kD膵島細胞抗原、およびHLAマーカーから選択される。 本発明の方法の一部として、多分化能幹細胞または前駆細胞からの膵島のイン ビトロ新生の方法であって、 a.IPSCの生成を可能にする、膵管上皮細胞の間質、または「栄養(nurs e)」細胞単層を確立し; b.IPSCの周期的再生を促進し、またIPSCの未熟な分化も防止する、 培養条件により、幹/前駆細胞増殖を誘導し;そして c.α、βおよびδ細胞を含む膵島様構造を作成するために、IPSCを拡張 および分化させる、 ことからなる、上記方法が提供される。好ましくは、培養で生成した膵島様構造 は、膵島様構造の中央部のインスリン特異的色素で染色される大きな分化した細 胞;周辺部のグルカゴン特異的色素で染色される小さい分化した細胞;および内 部皮質部のどの内分泌ホルモン特異的な色素でも染色されない増殖中の未分化細 胞、を特徴とする。この構造は、さらにタンパク質分解性酵素の存在下で機械的 または他の手段によりこの構造を単細胞懸濁液に破壊し、次に個々の細胞を染色 すると、グルカゴン特異的色素(α細胞)、インスリン特異的色素(β細胞)ま たはソマトスタチン特異的色素(δ細胞)のいずれかで染色される個々の細胞集 団が観察されることを特徴とする。本発明による膵島のインビトロ新生の方法は 、好ましくは、 a.グルコースをほとんどまたは全く含まず、約0.5%未満の濃度の血清、 そこから膵細胞を得た種の細胞にとって必須なアミノ酸、および脂質源を含む最 少培地に、該培養物中の細胞の約99%が死ぬまで、膵細胞を分散して静置し( 第I段階); b.工程(a)の培養物に、約1〜10mMグルコースおよび約0.5%〜10 %血清(しかし、毒性量より少ない量)を補足した最少培地で栄養を再補給し、 急速な増殖が起こるまで週に1回程度栄養を再補給し; c.工程(b)の培養物に、0.5%〜10%血清および約10〜25mMグル コースを補足した最少培地(場合により成長因子または細胞因子を添加して)で 栄養を再補給し(第III段階);、 d.膵島様構造を培地中に発芽させ; e.膵島様構造を回収する、 ことからなる。 このプロセスは、インビトロで培養中の上皮細胞と初期の増殖している膵島様 構造を連続して移送することにより数回反復することができる。 本明細書で使用される「生長」という用語は、生存状態の細胞の維持のことを いい、細胞の増殖および/または分化を含んでもよいが、限定はされない。「増 殖」という用語は、細胞分裂の結果として培養物中に存在する細胞の数の増加の ことをいう。 以下は、最良の態様を含む、本発明を実施するための方法を例示する例である 。これらの例は、限定的と理解されてはならない。他に記載がなければ、全ての 百分率は重量百分率であり、全ての溶媒混合物の割合は容量による。例1 機能性ランゲルハンス島の培養 膵島細胞の単細胞懸濁液は、別のところで詳細に記載(シー(Shieh)ら,199 3)されているように、19〜20週齢のプレ糖尿病のオスのNOD/UFマウ スの膵臓から単離した全膵島から調製した。典型的には、NODコロニーの約2 5%のオスのマウスは、この週齢で明白なIDDになり、重篤なインスリン炎に なる。膵島細胞は、0.25%まで標準マウス血清(NMS)を補足したグルコ ースを欠損またはグルコースを含まないクリックのEHAA培地(ペック(Peck) とバッチ(Bach),1973,前述;ペック(Peck)とクリック(Click),1973) に再懸濁して、25cm2組織培養フラスコに入れて、5%CO2雰囲気で37℃で インキュベートした。この段階で、2つの結果が考えられる:第1は、膵島浸潤 性細胞が優勢であり、そのため免疫細胞株の樹立が可能であるか、または第2は 、膵管上皮細胞(これらの培養物中ではしばしば間質細胞と呼ばれる)が優勢で あり、そのため「栄養細胞」単層の成長が可能であること。間質様細胞単層の成 長は、膵島浸潤性細胞が同時にしかし限定数で入れられると生じるようであった 。浸潤性細胞の数を減少させて膵島細胞を増加させることは、勾配分離により達 成することができる(ジャーペ(Jarpe)ら,1991,前述)。大多数(>99% )の元の細胞は、このインキュベート期間に死滅し、培養皿に付着した少数の上 皮様細胞が残る(図1Aおよび3A、段階I)。間質細胞培養物は、4〜5週間 静置(すなわち、栄養を再補給しない)すると、増殖して培養容器の全底表面を 覆った(図3Cおよび3D)。 培養物の分化と内分泌ホルモン発現は、培養物を、NMSと、グルコースまた はショ糖または他の糖等価物を含む糖類液を補足したクリックのEHAA培地で 栄養再補給することにより開始した。典型的には、糖類はグルコースである。グ ルコースの濃度は、約0.25mM〜約10mMの間であってよいが、典型的には約 2.5mMである。約0.5%の標準NODまたはNMS血清も好ましくは含めら れる。インビトロで細胞培養物を栄養再補給する方法は、当該分野で公知であり 、典型的には約50%〜約90%の古い栄養培地を除去して、培養フラスコに新 鮮培地を加えることからなる。急速な栄養再補給は、細胞分化を示す膵島成長の 中心(本明細書では細胞増殖巣と呼ぶ)の増大する数の形成を誘導した。栄養再 補給の割合は、例えば、およそ1週間の間隔であってよい。好ましくは、栄養再 補給の割合は、5〜6日の間隔である。小さな丸い細胞が、ほとんど発芽してい るように、上皮単層の上に現れた(図1Bおよび3D、段階II)。 ピークの生成時には、50〜100もの細胞増殖巣が、1つの25cm2(4in2 )組織培養フラスコに同時に発生した。個々の丸い細胞は、急速な増殖を受け、 娘細胞は細胞クラスターを形成した(図1C)。急速な栄養再補給は、細胞クラ スターの数、さらには各クラスター内の細胞の数の増大を誘導した。膵島様構造 (段階III)の誘導は、標準マウス血清(0.5%)と高レベルのグルコース( 10mM〜25mM、好ましくは約16.7mMグルコース:図1Dおよび3E〜3F を参照のこと)を補足したEHAA培地の栄養再補給により増強された。細胞増 殖および分化が進行するにつれ、膵島の器質化が起こり、膵島がその周りを被膜 状物質で囲まれて現れることさえあった。成熟膵島(段階IV)は、強固にクラス ター化した細胞からなる平滑なスフェロイドとして現れた(図3F〜3H)。こ の分化は、他の種のマウスからの血清よりもNODマウスからの血清が使用され るとき増強されるようであり、そしてNODマウス血清中のさらに高レベルのイ ンスリン様成長因子(IGF)、上皮成長因子(EGF)および/または肝細胞 成長因子(HGF)が、この作用を引き起こしていると考えられる。膵島は一般 に一定のサイズ(約100〜150μ、図2、しかし2つのクラスターの融合に より、普通の約2倍のサイズの膵島が生じた)まで成長し、次に間質層から分離 して培地中に浮遊した。これら遊離して浮遊する膵島は、膵臓性膵島をインビボ の供給源から単離して同様な条件下で培養すると観察されるのと同様に、48〜 72時間以内に壊れる傾向があった。次にこのプロセスは連続して数回実施され る(図6A〜6Dおよび下記例5を参照のこと)。 自然に分離またはパスツールピペットを用いて間質層から除去後に回収した膵 島様構造は、培地で静かに洗浄して、逆流ピペット操作により破壊して単細胞懸 濁液にした。単細胞懸濁液は、細胞遠心分離により調製し、次に一般的形態およ びインスリン産生用に染色した。細胞増殖巣は、内分泌ホルモンのグルカゴン( α細胞)、インスリン(β細胞)および/またはソマトスタチン(δ細胞)を産 生する細胞を含んでいた。さらに、抗インスリン抗体により細胞の主な集団が陽 性染色されたが、このことは、培養膵島に含まれる主な細胞型がインスリン産生 β細胞であることを示している。図1A〜1Dは、培養プロセス中に発生する種 々の細胞型を示す。図2は、本発明の方法による細胞のインビトロ培養後に得ら れた充分に発達した膵島を示す。例2 ヒト膵島細胞の培養 ヒト膵島細胞を培養するために、例1に記載された方法と同様な方法を利用し た。本発明の方法は、細胞培養を開始するのに胎児細胞を使用する必要がないた め、特に有利である。好適な実施態様において、ヒト細胞は、標準ヒト血清を補 足したクリックのEHAA培地(またはその同等物)に懸濁することができる。 好ましくは、培地に使用される標準ヒト血清の濃度は、第I段階および第II段階 ではそれぞれ約0.25%〜1%であり、その後の段階では5%である。培養物 は、好ましくは数週間栄養再補給することなく静置する必要がある(第I段階) 。約4〜5週間培養後、培養物を、例1に記載されたように標準ヒト血清とグル コースを補足したクリックのEHAA培地で栄養再補給することにより、細胞分 化を開始させることができる。次に膵島様構造を回収して、例1に記載されたよ うにさらなる増殖のために単細胞懸濁液を調製することができる。例3 インビトロで成長した膵島細胞の体内移植 IDDの合併症を後退させる、インビトロで生成したこれらの膵島様構造の有 効性を試験するために、NODマウスの膵組織から本発明の方法によりインビト ロで成長させた約150〜200個の細胞増殖巣といくつかの間質細胞を、逆流 ピペット操作により組織培養フラスコから取り出した。次に細胞を、毎日インス リン注射により維持している同系糖尿病NODマウスの腎被膜下に体内移植した 。体内移植は、腎被膜に皮下注射針で穿刺し、穿刺部位から薄い毛細管を腎臓に 通 し、そして膵島細胞増殖巣を直接皮質領域に注射することにより行った。この毛 細管を慎重に引き抜き、穿刺部位を焼灼した。各体内移植マウスの切開部位は、 皮膚が癒合の徴候を示すまでクランプで固定した。体内移植したマウスは、4日 間完全な1日用量でインスリン注射で維持し、次に2日間1日用量の半量で維持 し、その後マウスをさらなるインスリン治療から完全に引き離した。対照動物は 、体内移植を受けない糖尿病NODマウスとした。 インスリン停止後8〜14日以内に、対照NODマウスは、嗜眠、呼吸困難、 体重減少、血中グルコースレベルの上昇(400〜800mg/dl)、消耗症候群 、創傷治癒不全および18〜28日以内の死亡を含む、明白な疾患の急激な発症 を示した(図7)。体内移植したNODマウスは、約180〜220mg/dl(こ れは、マウスの正常範囲のわずかに上である)の血中グルコースレベルを維持し 、活動性の上昇、外科部位および採血部位の急速な治癒を示し、呼吸困難は起こ さず、そして組織学的検討のため体内移植の55日後に屠殺するまで健康なまま であった(図7)。脾臓内体内移植でも同様な観察結果が得られた。これらのデ ータは、体内移植されたインビボで生成した膵島が、実験の時間経過にわたって 安定な血中グルコースレベルを維持するために必要なインスリンを提供するとい う考え方と一致する。例4 外膵臓のインビボ作成 例3に記載されたように膵島細胞を体内移植されたマウスの体内移植部位の組 織学的試験により、インビトロで生成した膵島形成性幹細胞のさらなる特徴が明 らかになった。腎臓の体内移植部位から「漏出」した体内移植された細胞は、さ らなる増殖と分化を受けて、高度に組織化された外膵臓を形成した。最初に、こ の外膵臓組織は完全に、増殖する外分泌細胞からなっており、これが器質化して 神経支配する血管により完成した外分泌膵臓になった。この外分泌膵臓は、発達 して膵島様内分泌構造を形成した(図8を参照のこと)。すなわち、本発明の方 法により産生されたインビトロ細胞培養物は、完全に新しい膵臓を再生すること ができる、多分化能膵幹細胞を含有する。外分泌および内分泌組織の両方を含有 する膵臓の成長は、膵炎および膵臓癌を含む膵臓疾患の治療の新しい方法を提供 する。例5 IPSCの長期増殖 IPSCの長期増殖(>1年)は、少数の上皮細胞と少数の初期の増殖する膵 島様構造を、連続して新しい培養フラスコに移送することにより達成された。1 つの25cm2組織培養フラスコからの細胞を、5〜10個の150cm2組織培養フ ラスコに拡張することに成功した。興味深いことに、連続移送は、分離された膵 島様構造と同様に、一様に膵島構造の「融解」を引き起こしたが、新しい間質単 層が形成された(図6A〜6B)。しかし、連続して移送した培養物は、初代培 養物よりもはるかに早く、そして多数(培養物の平方インチ当たり200〜25 0個の構造も、図6C〜6D)の新しい膵島を作成した。しかし結局、多数回の 連続成長および膵島様構造の産生後、一般に、膵島様構造が「融解」後、分化し た細胞のみが増殖する点に到達する(図6E〜6Fを参照のこと)。同じことは 、ほとんどの分化した細胞を死滅させる条件下で、初代膵組織を初代培養物とし て成長させるならば、観察しうる膵島様構造形成が存在しない場合にも起こりう る。例6 膵島様構造の解析 未成熟な培養で生成した膵島様構造およびその切片(それぞれ図4および5に 示される)の連続切片の顕微鏡写真は、再度成長の均質性を証明している。イン スリンで弱く染色される大きな幾分分化した細胞は、膵島の中央部で観察される 。グルカゴンで染色された小さな分化した細胞は、明らかに周辺部にあり、一方 どの内分泌ホルモン抗体でも染色されなかった相当な数の未成熟で、増殖しそし て未分化な細胞は、内部皮質部に存在していた。より正確にインビトロで成長し た膵島内に存在する細胞表現型を決定するために、膵島様構造を、上皮単層から 分離し、静かに培地で洗浄し、次に機械的手段(例えば、逆流ピペット操作など )により、0.25%トリプシンのようなタンパク質分解性酵素の存在下で破壊 して単細胞懸濁液にして回収した。細胞遠心分離により単細胞懸濁液のスライド を調製し、一般的形態または細胞含量用に染色した。H/E染色により、いくつ かの形態的に別個の成熟および未成熟細胞型が観察される。さらに、個々の細胞 集団は、抗グルカゴン(α細胞)、抗インスリン(β細胞)または抗ソマトスタ チン(δ細胞)抗体のいずれかにより染色され、このことは、膵島様構造を生じ る 幹/前駆細胞の多分化能性を示している。これらの観察結果は、2つの点を強調 する:第1に、内分泌ホルモンに関する弱い染色は、インビトロで生成した膵島 が比較的未成熟なままであり、そのためインビボ体内移植によりさらに分化でき ることを示唆しており、そして第2に、>100%の細胞が内分泌ホルモン染色 により説明されるという事実は、いくつかの細胞は、タイテルマン(Teitelman )ら(タイテルマン(Teitelman)ら,1993,前述)により最近報告されたように 、グルカゴンとインスリンの両方を同時に発現しているに違いないことを示して いる。例7 膵細胞の限界希釈:単一の膵幹細胞のクローニング 上述の方法により、膵組織は培地に分散される。分化した膵細胞のクローン産 生のための単一の幹細胞を単離するために、分散した膵細胞を当該分野で公知の 方法により限界希釈を行った。すなわち、例えば、分散試料中の細胞数/mL の初 回評価後に、最終希釈物が、マイクロタイターウェルまたはこの型の希釈実験に 適切な他の容器当たりせいぜい平均0.3個の細胞になるように、連続10倍希 釈を行う。次に細胞を、細胞増殖巣が発生し始めるまで、静置しておく。これら の細胞増殖巣は、多分化能性の単一の幹細胞またはIPSCに由来し、培養して 、膵様構造を形成するための体内移植用の膵島様構造を得ることのできる幹細胞 である。例8 膵幹細胞分化の異なる段階に関連するマーカーの同定、および分化の各段 階に特異的なリガンド結合分子の産生 例7または類似した方法により産生した単離された幹細胞の細胞増殖巣を、例 1または同様な方法による分化誘導の前と後の両方に解析する。幹細胞から完全 単分化能の分化した膵細胞までの各段階の細胞を以下のように解析する: A.核酸: 未分化の前駆細胞および完全に分化した膵細胞を含む、分化の各 段階で、mRNAを単離する。このRNAを使用して、当該分野で公知の標準法 (ポリAのような万能プライマーを用いるPCRに依存する増幅法を含むが、こ れらに限定されない)(マニアティス(Maniatis)ら,1982)によりcDNAを 作成する。各増幅物は、膵幹細胞発生の各段階で発現したメッセージのライブラ リーを表す。従って、幹細胞には存在しないが、完全に分化した膵細胞には存在 するメッセージは、各段階からのcDNAをハイブリダイズして、ハイブリダイ ズせずに残るメッセージを単離することにより同定される。同様に、分化したデ ィスプレイPCR(differentiated display PCR)、任意にプライムしたPCR (arbitrarily primed PCR)またはRDA−PCRのような方法(上記を参照の こと)を使用することができる。このように、各段階に独特なメッセージは、分 化の他の段階に存在するメッセージのサブトラクションにより同定される。また 、この方法により、分化プロセスの各段階の遺伝子産物は、サブトラクトされた メッセージによりコードされる産物を発現することにより同定される。次に、こ れらの遺伝子産物を抗原として使用して当該分野で公知の方法により、モノクロ ーナル抗体を含む抗体が産生される(ジェイ・ダブリュー・ゴーディング(Godi ng,J.W.),1986)。続いてこれらの抗体を使用して、膵細胞の細胞表面に発 現されるマーカーに対する親和性に基づき、分化の所定の段階から細胞を単離す る。さらに、分化した膵細胞の表面に発現される特異的マーカーの同定により、 幹細胞において突然変異を指令するために同定された配列を用いる、米国特許第 5,286,632号、前述;米国特許第5,320,962号;米国特許第5 ,342,761号;およびWO90/11354;WO92/03917;W O93/04169;およびWO95/17911に開示されるような方法によ る、部位特異的突然変異誘発による膵細胞のノックアウト株の産生が可能になる 。ノックアウト遺伝子産物を産生しない変異体細胞の選択は、その産物が存在し ない細胞のクローンを提供するために選択される特異的な遺伝子産物に対する抗 体を使用して達成される。 B.タンパク質マーカー:未分化前駆細胞および完全に分化した膵細胞を含む 分化の各段階で、当該分野で公知の標準法により、全細胞および細胞の画分に対 して抗体を作成する。このプロセスの特異的な例としては下記がある: a)ラット抗マウスIPSC mAbの産生:IPSC特異的抗原に対して活 性化したBリンパ球の選択を増強するために、ラットを標準マウス組織で免疫し 、次に免疫後7日目にシクロホスファミドで処理する。シクロホスファミドは、 反応性B細胞を選択的に死滅させ、標準マウス抗原に非応答性のラットが残る。 免疫後14日目に、マウスIPSC培養の種々の段階から回収した細胞により、 ラ ットに再抗原投与を行う。この2回目の抗原投与の3〜4週間後、IPSC培養 細胞でラットを3日間再免疫して、次にSPO/2ミエローマパートナーと融合 させる。陽性に反応する抗体を選択してクローン化する。 b)マウス抗ヒトIPSC mAbの産生:マウスを標準ヒト組織で免疫し、 次にシクロホスファミド処理後にヒトIPSC培養物の種々の段階からの細胞に より再抗原投与する以外は、マウス抗ヒトIPSC mAbは、ラット抗マウス mAbの産生に関して上述したのと同じ方法を用いて調製する。 c)膵島細胞増殖の種々の分化段階の同定における抗IPSC mAbの使用 IPSC培養細胞に対して作成したmAbを使用して、FACSまたは当該分 野で公知の他の手段(例えば、磁気安定化流動床(下記を参照のこと)など)に より、これらの試薬により規定される種々の細胞集団を選別する。選別された細 胞集団は、それらの分化の段階(例えば、少し例を挙げると、インスリン、グル カゴン、ソマトスタチン、β−ガラクトシダーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、 Reg遺伝子の同時発現がある)およびそれらの成長能(例えば、IPSC培養 を開始させるそれらの能力)に関して試験する。 細胞表面と膵島の新生に関与する細胞の分化のマークを規定する試薬は、この 領域の研究において科学界のために有用である。さらに、このような試薬は、I PSC自体の単離(または濃縮)を大幅に促進する。IPSCの単離により、I DD患者への、または直接膵臓への全膵島の体内移植の代わりに、IPSCを体 内再移植することの有効性の試験が可能になり、余分な膵臓体内移植の必要を回 避することができる。 さらに、これらの抗体を使用して、膵細胞の細胞表面に発現されるマーカーに 対する親和性に基づき、分化の任意の所定の段階から細胞を単離する。分化した 膵細胞の表面に発現する特異的マーカーの同定により、膵細胞のノックアウト株 の産生が可能になる。望ましくない遺伝子産物を産生しない細胞は、産物が存在 しない細胞のクローンを選択するための抗体を使用することにより選択される。 同様に、分化した膵細胞のT細胞認識および破壊に重要なマーカーは、分化プロ セスにわたって、全膵細胞またはその細胞下画分により未使用T細胞を活性化す ることにより同定される。T細胞活性化に重要なマーカーの同定により、次に幹 細胞を修飾して、これらのマークを除去し、こうして分化した状態で自己免疫破 壊に抵抗性の細胞を産生させることが可能になる。例9 分化の異なる段階の膵細胞の単離 例8により同定されたマーカーおよびリガンド結合分子を使用して、当該分野 で公知の方法により、膵幹細胞、または部分的もしくは完全に分化した膵細胞を 単離することができる。従って、米国特許第5,061,620号;5,437 ,994号;5,399,493号に開示される造血幹細胞単離の方法(幹細胞 マーカーに対する抗体を使用して、純粋な幹細胞の集団が単離される)は、参考 のため全体が本明細書に組み込まれる。同様に、米国特許第5,409,813 号に開示される、磁気安定化流動床(magnetically stabilized fluidized beds )(MSFB)を用いる細胞混合物からの哺乳動物細胞分離の方法は、参考のた め全体が本明細書に組み込まれる。膵幹細胞の分化の各段階で同定されるマーカ ーに対する抗体は、磁化可能なビーズに結合し、細胞は磁気安定化流動床を通り 抜ける。磁性ビーズに結合した抗体に付着する細胞、または床を流れ抜ける細胞 を単離する。 特異的細胞の単離に関する当該分野で公知の任意の他の多くの方法をこの目的 に使用することができる。これらの方法は、不要な細胞の補体による破壊;細胞 のパニング;免疫親和性クロマトグラフィー;水簸法;および軟寒天単離法を含 むが、これらに限定されない(アール・アイ・フレッシュリー(Freshrey,R.I. ),1988を参照)。例10 膵幹細胞の分化を引き起こす因子および幹細胞分化の異なる段階で産生 される因子の解析 例9の方法または同様の方法により単離された細胞を、例1の方法または同様 の培養法により培養する。増殖培地に異なる因子を加えて、細胞に及ぼす分化誘 導効果を観察することにより、分化を誘導するのに重要な因子を測定する。すな わち、種々の細胞からの調整培地を試験し、精製測定法として分化の誘導を使用 して、膵幹細胞分化を引き起こす因子を単離する。グルコース、他の化合物、ホ ルモンおよび血清画分のような他の因子を、重要な分化誘導因子を単離するため に同様に試験する。 分化の異なる段階で産生される因子を、分化プロセスの各段階で細胞の調整培 地から単離して解析する。これらの因子は、その幹細胞に及ぼすオートクリン効 果および部分的に分化した幹細胞のさらなる分化に関して、同様に試験する。例11 自己抗体、CTL抵抗性、およびHLA修飾した分化した膵細胞を産生 するための膵幹細胞の遺伝子修飾 例1または2により培養したかまたは例8により単離した膵幹細胞を、米国特 許第5,286,632号、前述;米国特許第5,320,962号、前述;米 国特許第5,342,761号、前述;およびWO90/11354、前述;W O92/03917、前述;WO93/04169、前述;およびWO95/1 7911、前述に開示されるような方法により、自己抗体およびCTL抵抗性で 分化した膵細胞を作成するための、当該分野で公知の任意の方法により遺伝子修 飾を行った。あるいは、抵抗性幹細胞の選択は、これらの細胞を、自己抗体また はIDD関連CTLまたはIDD特異的自己抗体で活性化したCTLの存在下で 培養することにより達成される。これらの方法の結果として、抗体またはTリン パ球依存性機作による破壊に対して抵抗性の増大した細胞が作成される。このよ うな細胞を、上記例3および4に開示されるように、適切な宿主の適切な組織に 体内移植して、自己免疫プロセスによる破壊に対して抵抗性の増大した膵様構造 を提供する。 同様に、場合により反復プロセス(幹細胞を正常な同種リンパ球に暴露して、 生存細胞を選択する)により、膵幹細胞および分化した細胞のヒト白血球抗原プ ロフィールを修飾する。あるいは、部位特異的突然変異誘発法を使用して、幹細 胞または分化した細胞の表面からHLAマーカーを除去して、こうして作成され たかまたは膵様構造から単離された新しい幹細胞を使用して、このような体内移 植を必要とする受容者哺乳動物に体内移植する。 具体例において、ネオマイシン耐性遺伝子neoを有するアデノ関連ウイルス (AAV)ベクター系が使用される。AAVを使用して、真核生物細胞をトラン スフェクションすることができる(ラフェース(Laface),1988)。さらに、フ レオマイシン耐性遺伝子を有するpBABE−bleoシャトルベクター系が使 用される(モーゲンスタイン(Morgenstein),1990)。このシャトルベクター は、細菌由来遺伝子によりヒト細胞を形質転換するために使用することができる 。 a)IPSCのトランスフェクション:培養IPSCを、電気穿孔によりpB ABE−2−bleoベクターのレトロウイルスセグメントで、または直接感染 によりAAV−neoベクターで、トランスフェクションする。確立したIPS C培養物からの接着細胞を、C−PEG緩衝液(EDTAと高グルコースを補足 したリン酸緩衝化生理食塩水)を用いて組織培養フラスコから静かに取り出す。 これらの細胞をDMEMおよびレトロウイルスストックを含有する10%ラット 胎児血清に懸濁し、pBABE−bleoの場合には電気穿孔に付す(電気穿孔 は、直接ウイルス感染に比較してかなり苛酷な操作であるため、電気穿孔に付さ れる細胞は生存率について検査する。IPSC培養細胞の生存率は、それらの生 体染色を排除する能力、および例えば、グリコサミノグリカンおよびヒドロペル オキシドのような傷害関連細胞産物の分析により測定される)。再培養した細胞 をそれぞれフレオマイシンまたはネオマイシンに対する耐性について選択する。 b)形質転換細胞中のプロウイルスDNAの同定:ネオマイシンまたはフレオ マイシン耐性培養細胞を、適切なトランスフェクション性のウイルスDNAの存 在について試験する。C−PEG緩衝液を用いて培養フラスコから細胞を取り出 し、プロテイナーゼKを含有する細胞溶解緩衝液で消化する。DNAをフェノー ル/クロロホルム抽出し、次にエタノール/酢酸ナトリウム中で沈殿させる。ネ ステッドPCRを用いてプロウイルスDNAを同定する。最初の反応には、適切 な耐性遺伝子の全読み取り枠を増幅するPCRプライマーを使用する。2回目の PCR反応には、PCR産物を鋳型として使用する。既知の塩基対サイズの内部 配列を増幅する、選択された内部5’および3’プライマーを使用する。最終P CR産物は、電気泳動および/またはサザンブロットのプローブ結合後にアガロ ースゲルの臭化エチジウム染色により検出される。 c)形質転換の安定性:形質転換の長期安定性は、トランスフェクションされ た細胞の長期成長培養物を維持して、上述のように、プロウイルスDNAの存在 に関してこれらを定期的に試験することにより測定される。 これらの試験により、標的細胞としてIPSCを用いるトランスフェクション 法の有効性と再現性に関する情報が提供される。さらには、これらは、IDD患 者を治療する際に形質転換したIPSCを使用するための第2の基礎を確立する 。例12 インビトロ生成した膵島のカプセル化および哺乳動物への体内移植 細胞のカプセル化の方法は、当該分野で公知である(例えば、アルトマン(Al tman)ら,1984,Trans.Am.Soc.Art.Organs,30: 382-386(参考のため本明 細書に組み込まれる)、ここでは、ヒトインスリノーマが選択的に透過性マクロ カプセルに封入される)。従って、場合により例11により遺伝子修飾された、 単離されたインビトロで作成された膵島、または例3および4により産生された 膵用構造は、インスリン、グルカゴンおよびソマトスタチン透過性カプセル材料 にカプセル化される。好ましくはこのようなカプセル材料は、低アレルゲン性で あり、容易かつ安定に標的組織に入れられ、そして分化した細胞の破壊なしに機 能性物質への分化が保証されるように、体内移植された構造をさらに保護する。 本明細書に記載された実施例と実施態様は、例示目的のみにあるものであり、 これに照らしての種々の修飾または変化が当業者に示唆されるが、それらは本出 願および添付される請求の範囲の精神と範囲に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/395 C07K 14/725 C07K 14/725 C12P 21/02 A C12N 5/06 21/08 5/10 C12Q 1/02 15/02 1/68 A C12P 21/02 C12N 5/00 E 21/08 B C12Q 1/02 A61K 37/02 1/68 C12N 15/00 C

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.膵島細胞または膵島様構造を産生するための膵島産生幹細胞(IPSC) のインビトロ成長方法であって、 哺乳動物種からの膵細胞を、約0.5%未満の標準血清と約1mM未満のグルコ ースを補足した基本栄養培地で培養し、 IPSCを少なくとも約3週間成長させ、そして 培養IPSCに、約0.5〜10%の標準血清と約2.5mM〜10mMのグルコ ースを補足した栄養培地を再栄養補給することにより、成熟膵島細胞への細胞分 化を開始させる、 ことからなる、上記方法。 2.膵細胞はヒト膵島細胞であり、血清は標準ヒト血清である、請求の範囲第 1項に記載の方法。 3.膵細胞はマウス膵島細胞であり、血清は標準マウス血清である、請求の範 囲第1項に記載の方法。 4.栄養培地は高アミノ酸栄養培地からなる、請求の範囲第1項に記載の方法 。 5.細胞培養物を再度栄養補給するために使用される培地は、さらにグルコー スを含む、請求の範囲第1項に記載の方法。 6.請求の範囲第1項に記載の方法であって、同種の標準血清を補足した栄養 培地で膵細胞培養物を再度栄養補給することにより培養物成長の約4〜5週間目 に、培養幹細胞の分化が開始される、上記方法。 7.培養物に再度栄養補給して細胞分化を開始した後、約1週間間隔で再度栄 養補給する、請求の範囲第1項に記載の方法。 8.膵島細胞が得られたものと同じ哺乳動物種から標準血清が得られる、請求 の範囲第1項に記載の方法。 9.膵島様組織構造は、IPSCの分化後に産生される、請求の範囲第1項に 記載の方法。 10.請求の範囲第1項に記載の方法により産生される膵島細胞。 11.請求の範囲第9項に記載の方法により産生される膵島様組織構造。 12.請求の範囲第1項の膵細胞を培養し、この膵細胞培養物から内分泌ホル モンを回収することからなる、内分泌ホルモンの産生方法。 13.ホルモンはヒトホルモンである、請求の範囲第12項に記載の方法。 14.ホルモンはマウスホルモンである、請求の範囲第12項に記載の方法。 15.請求の範囲第12項に記載の方法であって、標準血清を補足した栄養培 地でIPSC細胞培養物を再度栄養補給することにより培養物成長の約4〜5週 間目に、分化が開始される、上記方法。 16.内分泌ホルモンは、インスリン、グルカゴン、およびソマトスタチンよ りなる群から選択される、請求の範囲第12項に記載の方法。 17.請求の範囲第1項に記載の方法により産生される膵島細胞または膵島様 構造を、哺乳動物の組織に体内移植することからなる、哺乳動物の膵様臓器の産 生方法。 18.請求の範囲第17項に記載の方法によりインビボで哺乳動物の膵様臓器 を産生することからなる、哺乳動物の膵臓疾患の治療方法。 19.膵島様構造を哺乳動物に体内移植することにより産生される膵様臓器で あって、膵島様構造は、 哺乳動物種からの膵細胞中に存在する膵島産生幹細胞(IPSC)を、約0. 5%未満の標準血清と約1mM未満のグルコースを補足した基本栄養培地で培養し 、 IPSCを少なくとも約3週間成長させ、そして 培養IPSCに、約0.5〜10%の標準血清と約2.5mM〜10mMのグルコ ースを補足した栄養培地を再栄養補給することにより、成熟膵島細胞への細胞分 化を開始させる、 ことにより産生される、上記臓器。 20.膵島様構造は、α細胞、β細胞、およびδ細胞よりなる群から選択され る細胞からなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 21.哺乳動物に体内移植される膵島様構造または膵島細胞は、移植を受ける 哺乳動物の自己由来である、請求の範囲第17項に記載の方法。 22.哺乳動物はヒトである、請求の範囲第17項に記載の方法。 23.臓器はヒトで産生される、請求の範囲第19項に記載の膵様臓器。 24.請求の範囲第17項に記載の方法により産生される膵様臓器を有する、 ヒト以外の哺乳動物。 25.哺乳動物はマウスである、請求の範囲第17項に記載の哺乳動物。 26.少なくとも1つの膵幹細胞を哺乳動物の組織に体内移植することからな る、哺乳動物の膵様臓器の産生方法。 27.請求の範囲第26項に従って産生される哺乳動物の膵様臓器。 28.少なくとも1つの膵幹細胞は、インスリン以外のインスリン依存性糖尿 病自己抗原を発現しないように修飾されているか、または幹細胞が膵様臓器に分 化するときヒト白血球抗原を発現しないように修飾されている、請求の範囲第2 6項に記載の方法。 29.少なくとも1つの膵幹細胞は、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチ ンおよび他の膵産生因子透過性カプセルにカプセル化される、請求の範囲第26 項に記載の方法。 30.少なくとも1つの膵幹細胞をインビトロで培養することからなる、膵幹 細胞の分化の解析方法。 31.膵様構造への分化を開始させるために少なくとも1つの幹細胞を誘導す ることからさらになる、請求の範囲第30項に記載の方法。 32.分化プロセスの複数の異なる段階に特異的なmRNAまたはタンパク質 マーカーを同定することからさらになる、請求の範囲第31項に記載の方法。 33.タンパク質マーカーは、細胞表面に発現されるか、分泌されるか、また は細胞内にある、請求の範囲第32項に記載の方法。 34.膵幹細胞またはさらに分化した膵細胞に選択的に結合するリガンド結合 分子を作成する方法であって、 未使用Bリンパ球またはTリンパ球を請求の範囲第33項に記載の方法により 同定されたタンパク質マーカーと接触させ、 そのBリンパ球またはTリンパ球を培養して拡張してリガンド結合分子を産生 する細胞の集団を得る、 ことからなる、上記方法。 35.請求の範囲第34項に記載の方法により調製されるリガンド結合分子。 36.抗体、モノクローナル抗体、またはT細胞受容体である、請求の範囲第 35項に記載のリガンド結合分子。 37.膵幹細胞、または膵幹細胞と完全に分化した膵細胞との間の任意の段階 の部分的に分化した膵細胞を単離する方法であって、 分化の所定の段階の細胞により発現される細胞表面タンパク質マーカーに結合 する請求の範囲第35項に記載のリガンド結合分子で、上記細胞を含む細胞の集 団から細胞を選択するか、あるいは、 細胞の表面には存在しない細胞表面タンパク質マーカーに結合する、請求の範 囲第35項に記載のリガンド結合分子で、上記細胞を含む細胞の集団から他の細 胞を選択して除去する、 ことからなる、上記方法。 38.請求の範囲第37項に記載の方法により単離される、単離された細胞。 39.単離された膵幹細胞または単離された膵幹細胞の集団。 40.IDDに罹患しているか、またはそのリスクのある哺乳動物を治療する 方法であって、 a.哺乳動物から膵組織を取り出し; b.膵組織に存在する多分化能膵細胞をインビトロで培養して膵島様構造を生 成させ;そして c.該膵島様構造を該哺乳動物に体内移植する ことからなる、上記方法。 41.未分化状態または分化状態のIPSC中でインスリン依存性糖尿病自己 抗原を発現しないように修飾したIPSC。 42.修飾の結果として発現されない自己抗原は、GAD、64kD膵島細胞表 面抗原、およびHLAマーカーから選択される、請求の範囲第41項に記載の修 飾IPSC。 43.請求の範囲第5項に記載の方法であって、約10〜25mMのグルコース 、肝細胞成長/分散因子、ケラチノサイト成長因子、繊維芽細胞成長因子、上皮 成長因子、インスリン様成長因子、ニコチンアミド、またはIPSCにより産生 されるオートクリン成長因子を含有させることにより、分化が増強される、上記 方 法。 44.栄養再補給培地中のグルコース濃度は、約16.7mMである、請求の範 囲第43項に記載の方法。 45.多分化能幹細胞または前駆細胞からの膵島のインビトロ新生の方法であ って、 a.IPSCの生成を可能にする、膵管上皮細胞の間質、または「栄養(nurs e)」細胞単層を確立し; b.IPSCの周期的再生を促進し、またIPSCの未熟な分化も防止する、 培養条件により、幹/前駆細胞増殖を誘導し;そして c.α、βおよびδ細胞を含む膵島様構造を作成するために、IPSCを拡張 および分化させる、 ことからなる、上記方法 46.インビトロで培養中の上皮細胞と初期の増殖している膵島様構造を連続 して移送することからなる、IPSCの長期増殖方法。 47.膵島様構造の中央部のインスリン特異的色素で染色される大きな分化し た細胞;周辺部のグルカゴン特異的色素で染色される小さい分化した細胞;およ び内部皮質部のどの内分泌ホルモン特異的な色素でも染色されない増殖中の未分 化細胞を特徴とする、培養で生成した膵島様構造であって、 この構造はさらに、タンパク質分解性酵素の存在下で機械的手段によりこの構 造を単細胞懸濁液に破壊し、次に個々の細胞を染色すると、グルカゴン特異的色 素(α細胞)、インスリン特異的色素(β細胞)またはソマトスタチン特異的色 素(δ細胞)のいずれかで染色される個々の細胞集団が観察されることを特徴と する、上記構造。 48.請求の範囲第45項に記載の膵島のインビトロ新生の方法であって、 a.グルコースをほとんどまたは全く含まず、約0.5%未満の濃度の血清、 そこから膵細胞を得た種の細胞にとって必須なアミノ酸、および基本的脂質源を 含む最少培地に、該培養物中の細胞の約99%が死ぬまで、膵細胞を分散して静 置し(第I段階); b.工程(a)の培養物に、約1〜10mMグルコースおよび約0.5%〜10 %血清(しかし、毒性量より少ない量)を補足した最少培地で栄養を再補給し、 急速な増殖が起こるまで週に1回程度栄養を再補給し; c.工程(b)の培養物に、0.5%〜10%血清および約10〜25mMグル コースを補足した最少培地(場合により成長因子または細胞因子を添加して)で 栄養を再補給し(第III段階);、 d.膵島様構造を培地中に発芽させ; e.膵島様構造を回収する、 ことからなる、上記方法。
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