JPH11510614A

JPH11510614A - 三次元画像を形成し再生する方法及びその装置

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Publication number: JPH11510614A
Application number: JP8534733A
Authority: JP
Inventors: イサコビチヤクボビチ，エヴセイ
Original assignee: イサコビチヤクボビチ，エヴセイ
Priority date: 1995-05-16
Filing date: 1996-05-06
Publication date: 1999-09-14
Also published as: RU95108077A; KR19990014829A; WO1996036899A1; EP0827007A4; US6028621A; RU2095762C1; EP0827007A1

Abstract

(57)【要約】本発明は写真及びテレビジョンに用いられて好適な物体の三次元画像を形成し再生する方法に関する。テレビジョンと共に用いられるこの装置の変更だけでなく、標準的な手段を用いてこの方法を実現するための装置を開発した。、開発された技術は三次元画像を形成し再生する方法において、コヒーレントな光、特に、白色光の使用を可能にし、高解像度（１ｍｍに10本以上）と高コントラスト（１００以上）を可能にした。特に、ホログラムの画像を伝送するのに必要な帯域幅に比べて、テレビジョンチャンネルを用いて干渉縞画像を伝送するのに必要な帯域幅を著しく減小した。この方法をテレビジョンに用いるため、標準テレビジョンカメラに本発明が適用された。カメラの対物レンズは、広角であり、二つの光学的に結合した干渉フィルタからなる第１干渉構造が光路に沿って感光セルの前に組み付けられている。第２干渉構造を画面と観測者との間に追加した標準的なブラウン管が三次元画像の再生に用いられる。再生光源は、干渉縞の画像キャリアとしても機能するブラウン管のスクリーンである。

Description

【発明の詳細な説明】三次元画像を形成し再生する方法及びその装置本発明は、物理工学、特に非コヒーレント光を用いて三次元画像を形成、及び再生するための方法と装置に関するものであり、写真、映画、テレビに使用することを意図したものである。

三次元画像を作成するための一般的な方法としては、物体が画像形成光によって照射され、その物体からの反射光を、左右の目それぞれに対応して、２つの方向から感光セルに記録する。そして画像を再現するためには、２方向からの画像が右目と左目に別々の画像と見えるような特殊な方法を用いる。これらの方法には、双眼鏡、カラー/偏光フィルタ、フラッシュシャッター、レンズラスター等がある。この方法は、写真、映画、テレビには適するが、観察者が視差効果を認識できないこと、及び観察中は、静止していなければならないという欠点がある。(N.F.Valyus,Raster Optical Instruments,Mashinostroyeniye,Moscow(1966 ),pp.91.120) この方法を利用するため、さらに、記録システム、視覚装置等を改良するために種々の装置が用いられている。(US patent publication No.2,922,998(1960 )、US patentpublication No.4,049,339(1977)) ラスタ即ちレンズラスタシステムを利用した物体の三次元画像の形成方法( 所謂「集積写真法」、"integrated photography")も公知である。(Yu.A.Dudnikov and B.K.Rozhkov,Raster Systems for Stereoscopic Imaging [ロシア語],Mashi nostroyeniye,Leningrad(1986),pp.102.172)参照)この技術によると、物体は任意のスペクトルを持つ画像形成光によって照射され、物体からの反射光はレンズラスタスクリーン(同じ焦点面を持つマイクロレンズ)を透過し、これらのマイクロレンズによって形成された画像が焦点面上にある感光セルによって記録される。観察するときには、前記のレンズラスタースクリーンを通過した非コヒーレント光によって写真画像を照射し、記録された画像はその透過光によって見えることになる。

この方法に用いられる装置には、レンズラスタスクリーンと感光セルとで構成される三次元画像形成ユニットと光学的に結合した、画像形成光源が含まれている。三次元画像再生ユニットには、光学的に結合したレンズラスタスクリーン、写真画像キャリア、再生光源が含まれる。

しかし、レンズラスタシステム製造の難しさ、低解像度、写真画像の明るさを低減させてしまうレンズの縁による「死角」等の問題があり、この方法および装置がテレビに用いられることはなく、写真に於いても用途は限られている。

Yu.N.Denisyuk(Encyclopedia of Physics[ロシア語],Sovetskaya entsiklop ediya,Moscow(1988),vol.1,p.509などを参照)によって開発された、物体の三次元画像の形成と再生のためのホログラム法は、再生光にコヒーレント光を必要としない。この方法によると、単色の画像形成光と、それとコヒーレントな参照光によって物体を照射し、光源からの光線の強度、空間的な位置、方向性の情報を含めた干渉縞が形成され、感光セルに記録される。干渉縞は感光セルに記録されるが、その感光乳剤の厚さは干渉縞の空間周期より十分に厚い。三次元画像の再生においては、干渉縞は再生光によって照射される。抽出された光線は、干渉縞が記録されたときの光線の強度、空間的位置、方向性に対応した強度、空間的位置、方向性を有する。そして、これらは三次元画像に対応している。ここで、再生光は非コヒーレント光である。

前記の方法を利用して物体の三次元画像を形成、再生する装置には、光学的に結合した形成光源(レーザー)、三次元画像形成ユニット、及び三次元画像再生ユニットが含まれる。三次元画像再生ユニットには、参照光源及び感光セル、並びに、光学的に結合した再生光源及び干渉縞の画像キャリアが含まれる。そして非コヒーレント光源が再生光源として使用される。三次元画像の形成及び再生にこのような方法と装置を使用することの利点は、三次元画像再生の際に、レーザーを使う必要が無いことである。

前記の技術にもっとも類似したものは、非コヒーレント光によって三次元画像を形成及び再生する米国特許第4,598,973 IPC GO3H 1/06(1986)の方法である。この方法によれば、三次元画像を形成するには、物体を非コヒーレント光で照射し、その反射光をフェーズ・コンジュゲート鏡面に施された感光乳剤の厚いコーティングを透過させる。この鏡は、物体をあるアスペクト角度から見た視線を表わす平行入射光線を、その入射方向に反射する。コーティング中に生じる空間的な干渉縞には、物体の全ての方向から見た情報が含まれている。干渉縞は感光乳剤に記録/保存されるので、三次元画像のキャリアとして機能する。三次元画像を再生するには、画像キャリア内の干渉縞を再生光で照射する。物体の種々の視線に応じた強度及び方向性を持つ光線が選択され、総合的な三次元画像を形成するのである。

本発明にもっとも類似した装置は、前記の方法を応用したものである。物体の三次元画像を形成及び再生する装置には、互いに光学的に結合した、形成光源、三次元画像形成ユニット、三次元画像再生ユニットが含まれる。三次元画像形成ユニットには、感光セル及びフェーズ・コンジュゲート鏡が含まれ、三次元画像再生ユニットは、光学的に結合した再生光源及び干渉縞の画像キャリアで構成される。この装置の利点は、非コヒーレント光源が、形成光源および再生光源として使用できることである。

しかし、この種の他の公知の設計と同様に、これらは三次元テレビの作成には不向きである。特に、ホログラムに記録された干渉縞の強度変調の典型的サイズは、現行のテレビのものよりずっと小さいため、ホログラムテレビの帯域幅は、現行のテレビのものより数桁大きい必要がある。さらに、テレビ受信機のためのホログラムを記録する媒体の作成が末だに大変困難で、（Thesaurus of Physi cs[ロシア語]、Sovetskaya entiklopedia,Moscow(1993),p.133）さらに、前記の方法と装置を使用して三次元画像形成するには、レーザーが必要となる。

従って本発明が解決しなくてはならない問題は、写真とテレビ両方に適した三次元画像の形成及び再生の方法と装置を開発することである。

この発明の本質は、ここで開発された三次元画像の形成及び再生法によると、最も類似した方法と同様に、物体が形成光によって照射された時、三次元画像が形成され、干渉縞が形成され、記録される。即ち、物体からの光線の空間的位置と方向性、さらに物体からの光線の強度も感光セルに記録されるということである。三次元画像の再生においては、干渉縞は再生光によって照射される。抽出された光線は、干渉縞が記録されたときの光線の強度、空間的位置、方向性に対応した強度、空間的位置、方向性を有する。そして、これらは三次元画像に対応している。

この方法における新しい点は、三次元画像形成において、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第一干渉構造を使用して、物体からの異なった方向を持つ光線に対して、これら光線の角座標に関する空間フィルタ処理を行い、それによって前記の干渉縞を形成することである。物体からの光線の空間的な位置と方向性は、第一干渉構造及び感光セルを共に用いて記録される。三次元画像を再生するためには、干渉縞が再生光により照射されるとき、干渉縞と光学的に結合され、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第一干渉構造、又は第二干渉構造が照射される。第二干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルは、第一干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに対応したもので、第二干渉構造によって形成された干渉縞のスケールは、照射された干渉縞のスケールに対応する。

ある特定の場合には、形成光は非コヒーレント光である。

他の特定の場合には、形成光と再生光が両方とも非コヒーレント光である。

本発明の本質はまた、ある物体の三次元画像の形成及び再生用に開発された装置が、これに類似した装置と同様に、光学的に結合した形成光源、三次元画像形成ユニット、及び三次元画像再生ユニットを含んでいることである。三次元画像形成ユニットには感光セルが、三次元画像再生ユニットには光学的に結合した非コヒーレント再生光源と干渉縞の画像キャリアが含まれる。

開発された本装置における新しい点は、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第一干渉構造が三次元画像形成ユニットに追加され、光線の経路に沿って感光セルの前に配置されことである。同様に、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第二干渉構造が三次元画像再生ユニットに追加されている。第二干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルは、第一干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに対応し、第二干渉構造によって形成される干渉縞のスケールは、干渉縞の画像キャリアのスケールに対応する。そして第二干渉構造は、再生光源および干渉縞の画像キャリアと光学的に結合している。

形成光源を、非コヒーレント光源を用いて設計するのが好ましい。

形成光源が非コヒーレント光源として設計されている場合は、三次元画像形成ユニットは、大口径レンズを装備したピックアップ・カメラとして設計されている。三次元再生ユニットはブラウン管として設計されている。再生光源は、干渉縞の画像キャリアとしても機能するブラウン管のスクリーンとなり、第二干渉構造はブラウン管と観察者との間に位置する。

第一及び第二干渉構造を、異なる方向を持つ光線に対し空間的に離して設定した最大帯域幅を持つ光学的に結合した２つの干渉フィルタとして構成するのが好ましい。一方の干渉フィルタの帯域幅は干渉縞の局在面内にあり、もう一方の干渉フィルタの帯域幅に関してθの角度に配向される。ここで、π＞θ＞0である。

さらに、干渉フィルタを、「等しい厚みの直線」干渉が可能なように設計するのも好ましい。

ある特定の設計の場合、第一及び第二干渉構造はＮ個(Ｎ＞2)の互いに隣接した薄膜を含む。一方の干渉フィルタを形成する少なくも１つの薄膜は、もう一方の干渉フィルタを形成する少なくも１つのフィルムの光学厚みの変化と異なる光学厚みの変化を持ち、隣接する薄膜は、それぞれ異なる屈折率を持つ。

この方法では、物体の種々の方向からの光線をそれぞれの角座標に沿って空間フィルタ処理を行うことによって、三次元画像形成のために単色光(レーザー) を使用することが不必要になり(もっとも単色光を使用可能であるが)、同目的のために非コヒーレント光の使用が可能になる。振幅を分割して干渉が生じることが可能なように設計された干渉構造を使用して、前記の空間フィルタ処理を簡単に行うことができる。また、この方法によると、物体からの光線の方向性と空間的な位置は、空間構造と感光セルを共に用いて記録される。これによって、テレビチャンネルを通して干渉縞画像を伝送するために必要な帯域幅を、ホログラム画像と比べて相当減少させることができる。実際、標準テレビチャンネルの帯域幅を約10倍拡張するだけで良く、これは、光ファイバ通信チャンネルを利用すれば簡単に得ることができる。三次元画像の再生においては、物体からの光線の方向性と空間的な位置の情報は干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに一部含まれているので、三次元画像に対応した情報を持つ光線の抽出には、前記の干渉構造及び干渉縞の画像キャリアの使用が必要となる。また、非コヒーレント光の使用も可能である。

開発された装置では、前記の第一干渉構造が三次元画像形成ユニットへ追加されたことによって、物体の種々の角度からの光線の空間フィルタ処理が、これらの方向に対応した角座標に関して実行可能になる。明らかに、空間フィルタ処理が可能で、物体からの光線が透過するためには、種々の方向に十分な光線強度を得るため再生ソース７に拡散板を備える必要がある。

干渉構造５と９は、振幅を分割して干渉が生じるように、例えば、二つの異方性結晶が２つの直交する偏光子に挟まれた形で設計されている。このような干渉構造については、ロシア特許第1,127,405号に記述されている。本発明によると、干渉構造５と９には、光学的に結合された干渉フィルタ10,11,12,13が含まれる。

干渉構造９の空間フィルタのプリンシプルは、干渉構造５の空間フィルタのプリンシプルに対応する。干渉構造９によって形成された干渉縞のスケールは、画像キャリア８のスケールに対応する。

１０及び１１並びに干渉フィルタ１２及び１３の最大帯域幅は、異なる方向の光線に対し空間的に分離されている。干渉フィルタ１０の帯域幅は、干渉縞の局在面内にあり、干渉フィルタ１１の帯域幅に関してθの角度(π＞θ＞0)で配向され、また、干渉フィルタ１２の帯域幅は、干渉縞の局在面内にあり、干渉フィルタ１３の帯域幅に関してθの角度(π＞θ＞0)で配向されている。

この特定の場合には、干渉フィルタ１０、１１、１２、１３が、「等しい厚みの直線」干渉が可能なように設計されているということで説明が可能である。

この特定の場合の設計では、干渉構造５と９には各々、Ｎ個(Ｎ＞2)の隣接する薄膜が含まれている。干渉フィルタ１０及び１２の薄膜１４は、干渉フィルタ１１及び１３の薄膜１４と異なる光学厚みの変化を持ってもよい。お互いに隣接した薄膜１４は、例えば、多層誘電鏡製造技術によって誘電薄膜でコーティングされていれば、異なった屈折率を持ってもよい。干渉フィルタ１０、１１、１２、１３に必要なパラメータは、F.A.Korolyov、Vysshaya Shkola著の「理論物理学」,Moscow(1966),pp.404.452に従って計算することができる。

干渉構造５と９は薄膜１４を、例えば、ガラス製の透明な基体に堆積させることによって製造することができる。

感光セル６は干渉縞の局在面にある、即ち、光路に沿って干渉構造５のすぐ後に配置されている。感光セル６には、標準的な感光プレートや写真フィルムが使用可能である。

干渉縞の画像キャリア８は、光路に沿って干渉構造９のすぐ前に配置されている。感光セル６には、感光紙や感光プレート等の、標準的な媒体を使用することができる。

ユニット２の薄膜１４を、感光セル６及びユニット３のキャリア８と接触するように設置するのが好ましい。この目的のため、干渉構造５と９をそれぞれ、例えば、感光セル６及び画像キャリア８を固定したマンドレルで取り囲むことができる。(図示せず) 図２は、干渉フィルタ１０、１１、１２、１３を形成する薄膜１４の光学厚みの変化の違いが、幾何学的な厚みの変化によって与えられた例を示している。干渉フィルタ１０、１１、１２、１３を形成する薄膜１４の屈折率の変化の違いによっても、同様な条件を満たすことが可能である。ここで、ａは、干渉フィルタ１０( １２)の薄膜１４の表面と面Ｐが作る角度である。ここで、面Ｐは、干渉構造が反射に用いられているとき、光線ＣＤが該干渉構造内の等しい厚みの直線ＭＳ上に入射する点Ａ及び光線ＣＤを通る面である。(物体からの光線は干渉構造に導かれ、それからの反射光線は感光セルに入射する)。これにより、干渉縞の記録時には、物体からの光線の強度、空間的な位置、方向性を非コヒーレント光を使用して記録し、三次元画像の形成が可能になる。第一干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに対応する空間フィルタ処理のプリンシプルを有し、また干渉縞のキャリアのスケールに対応するスケールを有する第二干渉構造を三次元画像再生ユニットへ追加することにより、干渉縞を記録したときの光線の強度、空間的な位置、方向性に対応した光線の強度、空間的な位置、方向性を持ち、且つ三次元画像に対応する光線を抽出することが確実になる。

この発明に準じて改造された標準的なピックアップカメラを用いて、本方法をテレビに取り入れることができる。ピックアップカメラのレンズは大口径を持ち、２つの光学的に結合した干渉フィルタを有する第一干渉構造は光路に沿って感光セルの前に設定される。第二干渉構造をその両面と観察者との間に追加した標準的なブラウン管が三次元画像の再生に使用される。干渉縞の画像キャリアとしても機能するブラウン管のスクリーンは再生光源になる。

特に多層薄膜構造によって「等しい厚みの直線」干渉が可能なように設計され、光学的に結合された２つの干渉フィルタとして、第一及び第二干渉構造を使用することによって、高解像度(1mmに10本以上)でコントラストの高い画像(100以上)を得ることができる。従って、三次元画像の形成及び再生を行うため、任意のスペクトルを持つ光源、特に白色光源を使用し、且つ干渉縞の記録に新しい環境を必要としないという技術的目標の達成がここで開発された設計により確実なものになる。このことは、本三次元画像形成及び再生の方法と装置が、一般的な意味で写真やテレビに使用することができるため、本発明のゴールの到達に役立つ。

図１は、物体からの光線を干渉構造を通過させることにより空間フィルタ処理を行う場合の三次元画像の形成及び再生法を実現させる装置のあるバージョンの概略図である。

図２は光線の方向を定める角座標系を示す。

図３は、三次元画像の形成及び再生法をテレビに応用するための装置のあるバージョンの概略図である。

図１に示す装置には、光学的に結合した形成光源１、三次元画像形成ユニット２、三次元画像形成ユニット３が含まれる。物体４は、光源１とユニット２を結ぶ光路に沿って配置される。ユニット２には、光路に沿って感光セル６の前にセットされた干渉構造５が含まれ、ユニット３には光学的に結合した再生光源７、干渉縞の画像キャリア８、第二干渉構造９が含まれる。

光源１と７は、非コヒーレント光である。例えば光源１と７として白熱電球、蛍光ランプ、又は自然光を使用可能である。干渉フィルタ10(12)の薄膜14の表面の画像厚みに対し、βは干渉フィルタ11(13)の薄膜14の表面と面Ｑとがなす角度である。ここで、面Ｑは、干渉フィルタ11(13)の薄膜14の表面上で等しい厚みを持つ直線ＫＬ上への光線ＣＤの入射点Ｂと光線ＣＤを通る面である。

図３に示す装置には、光学的に結合した形成光源１、三次元画像形成ユニット２、三次元画像形成ユニット３が含まれる。ユニット２は大口径レンズ１５を装備したピックアップカメラとして設計されている(V.G.Komar and O.B.Serov,A rt Holography and Holographic Cinematography[ロシア語],Iskusstvo,Moscow( 1987),pp.127と128を参照)。物体４は、光源１とユニット２を結ぶ光路に沿って配置される。ユニット２には、感光セル６の前に光路に沿ってセットされた第一干渉構造５が含まれる。ユニット２は、通信チャンネル16を通してユニット３に電気的に接続されている。ユニット３はブラウン管で、該ブラウン管のスクリーンは、干渉縞の画像キャリア８としても機能する再生光源７である。そして第二干渉縞９は、ブラウン管スクリーン１７と観察者１８の間に配置される。

干渉構造５及び９、そのそれぞれに含まれた干渉フィルタ１０及び１１、並びに、１２及び１３は図１で示す装置と同様な構造を有する。干渉構造５のマンドレルはピックアップカメラの側面に装着可能で、また干渉構造９のマンドレルはブラウン管の側面に装着可能である。そして薄膜１４は蛍光体にぴったり合わせなければならない。

図１で示す装置を用いて三次元画像を形成及び再生する方法は、以下のように実現される。

ユニット２を用いて三次元画像が形成される。具体的には物体４が、非コヒーレント形成光源１によって照射される。物体４の異なった方向からの光線に対し、これらの光線の方向に対応した角座標(α,β)に関して、第一干渉構造５により空間フィルタ処理が行われる(図２)。物体４からの反射光は、最初に干渉構造５の干渉フィルタ１０を通る。干渉フィルタ１０は、物体の異なった方向からの光線に対し、これらの光線の方向に対応した角座標(α1.α2.α3)に関して、空間フィルタ処理を行う。干渉フィルタ１０を透過した光線は、次に、物体４からの光線に対して、そのそれぞれの方向に対応した角座標(β1,β2,β3)に関して、空間フィルタ処理を行う干渉フィルタ１１を通過する。角座標(α,β)の数は、物体４に対して予め決められた視線の数を表わす。角座標(α1,α2,α3)(β 1,β2,β3)個々の値は見やすくなる条件によって決定される(Yu.A.Dudnikov and B.K.Roz.hkov,Raster Systems for Stereoscopic Imaging[ロシア語],Mashinos troyeniye,Leningrad(1986),pp.114と115参照)。フィルタ１１に入る薄膜フィルタの光学厚さの変化は、フィルタ１１に入る薄膜フィルタの光学厚さの変化に対して直角なため、干渉フィルタ１０，１１の効果の結果として、干渉パターンは局在面に構成され、干渉パターンの各点の位置と周波数は光線の流れの方向(角座標α1,α2,α3,β1,β2,β3)によって決定される。干渉縞は粒状である。非常に異なった方向へ進行する光の流れは、表示面に非常に異なった点の集合をもたらす。このようにして形成された干渉縞は感光セル６により記録される。

干渉縞の記録において、物体４からの光線強度は感光セル６を用いて記録され、物体４からの光線の方向性と空間的な位置は空間構造５と感光セル６を共に用いて記録される。

干渉縞の画像を記録した後感光セル６は、例えば写真では、画像キャリア８として用いることが可能である。必要ならば、干渉縞の画像は他のキャリア、例えばテレビに再生することも可能である。

三次元画像は、ユニット３によって再生される。当目的のためには、画像キャリア８の干渉縞が非コヒーレント再生光源によって照射される。その干渉縞と光学的に結合した第一干渉構造５又は第二干渉構造９が照射され、その空間フィルタ処理のプリンシプルは第一干渉構造５の空間フィルタ処理のプリンシプルと対応し、そのスケールは照射された干渉縞のスケールと対応する。抽出された光線の強度、空間的な位置、方向性は、干渉縞を記録した光線の強度、空間的な位置、方向性に対応する。すなわち、独立した空間座標α,βに対応した光線が抽出され、これらの光線は本物と見分けのつかない物体４の三次元画像に対応する。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】物体の三次元画像を形成するために、該物体を形成光で照射し、干渉縞を形成し且つ記録し、物体からの光線の空間的位置及び方向性を記録し、物体からの光線の強度を感光セルに記録し、また、三次元画像を再生するためには、該干渉縞が再生光によって照射され、該干渉縞が記録されたときの光線の強度、空間位置、方向性に対応した強度、空間位置、方向性を持ち、該三次元画像に対応する光線が抽出され、三次元画像を生成するため、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第一干渉構造を用いて、該物体からの異なった角度を持つ光線に対して該光線に対応した角座標に関して空間フィルタ処理を行ない、物体からの光線の空間位置および方向性を第一干渉構造と感光セルを共に用いて記録し、また、三次元画像を再生するためには、再生光によって該干渉縞が照射されると、振幅を分割して干渉が生じるように設計され、該干渉縞と光学的に結合した第一又は第二干渉構造が照射され、ここで、第一干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルは、第二干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに対応し、第二干渉構造によって形成された該干渉縞のスケールは、照射された該干渉縞のスケールに対応することを特徴とする物体の三次元画像を形成し再生する方法。
【請求項２】請求項１の方法において、該形成光は非コヒーレント光であることを特徴とする。
【請求項３】請求項１又は２の方法において、該再生光は非コヒーレント光であることを特徴とする。
【請求項４】光学的に結合した形成光源、三次元画像形成ユニット、及び三次元画像再生ユニットを有し、該三次元画像形成ユニットは感光セルを含み、該三次元画像再生ユニットは光学的に結合した非コヒーレント再生光源及び干渉縞の画像キャリアが含まれ、振幅を分割して干渉が生じるように設計され、感光セルの前に光路に沿って配置された第一干渉構造が、該三次元画像形成ユニットに追加され、振幅を分割して干渉が生じるように設計された第二干渉構造が、該三次元画像再生ユニットに追加され、該第二干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルは、該第一干渉構造の空間フィルタ処理のプリンシプルに対応し、該第二干渉構造のスケールは該干渉縞の画像キャリアのスケールに対応し、該第二干渉構造は、該再生光源、該干渉縞の該画像キャリアと光学的に結合していることを特徴とする三次元画像を形成し再生する装置。
【請求項５】請求項４の装置において、該形成光源は非コヒーレント光源として設計されていることを特徴とする。
【請求項６】請求項５の装置において、該三次元画像形成ユニットは大口径レンズを装備したピックアップカメラとして、また、該三次元画像再生ユニットはブラウン管として設計され、該再生光源は、該干渉縞の画像キャリアとしても機能するブラウン管のスクリーンであり、該第二干渉縞は、ブラウン管のスクリーンと観察者の間に配置されることを特徴とする。
【請求項７】請求項４、５、又は６の装置において、該第一及び第二干渉構造は、異なった方向の光線に対し空間的に分離した最大帯域幅を含み、且つ光学的に結合した干渉フィルタをそれぞれ２つづつ有し、一方の干渉フィルタの帯域幅は、該干渉縞の局在面内にあり、他方の干渉フィルタの帯域幅に関して角度θ (π＞θ＞0)をなすように配向されることを特徴とする。
【請求項８】請求項７の装置において、該干渉フィルタは、「等しい厚みの直線」干渉が可能なように設計されていることを特徴とする。
【請求項９】請求項８の装置において、該第一及び第二干渉構造はそれぞれ、隣接したＮ個(Ｎ＞=2)の薄膜を持ち、一方の干渉フィルタを形成する少なくも１つの薄膜は、他方の干渉フィルタを形成する少なくも１つの薄膜と異なった光学厚みの変化を持ち、隣接する薄膜は同じ屈折率を有することを特徴とする。