JPH11505527A - 鏡像異性体リガンドの同定 - Google Patents
鏡像異性体リガンドの同定Info
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- JPH11505527A JPH11505527A JP8533492A JP53349296A JPH11505527A JP H11505527 A JPH11505527 A JP H11505527A JP 8533492 A JP8533492 A JP 8533492A JP 53349296 A JP53349296 A JP 53349296A JP H11505527 A JPH11505527 A JP H11505527A
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Abstract
(57)【要約】
天然の左右像でなく(自然に生じたりまたは野生型の分子のキラリティーのものでない)、他のキラル高分子に対するリガンドである高分子(ペプチド、オリゴヌクレオチド、糖、及びRNA−蛋白複合体、蛋白質−脂質複合体等の高分子複合体)の同定方法。
Description
【発明の詳細な説明】
鏡像異性体リガンドの同定 関連出願
本出願は、1996年3月28日に提出された米国出願番号08/627,4
97の一部継続出願であり、この出願は、1995年5月3日に提出された米国
出願番号08/433,572の一部継続出願である、1995年6月7日に提
出された米国出願番号08/482,309の一部継続出願である、1995年
7月11日に提出された米国暫定出願番号60/001,067の一部継続出願
であり、これらの教示は参照により本明細書に取り込まれる。基金
本明細書に記載された研究は、ハワード・ヒューズ医学研究所/生命科学調査
基金により資金提供された。背景技術
遺伝的にコードされた、ペプチドおよびオリゴヌクレオチドのライブラリーは
多くの高分子に対するリガンドの同定に好適である。しかしながら、生物学的に
コードされたライブラリーの主な欠点は、得られたリガンドが天然に存在する酵
素によるデグラデーションに付されることである。さらに、細胞性蛋白質分解酵
素に対するそれらの感度のため、天然に存在するL−アミノ酸から構成されるペ
プチドは、ヘルパーT細胞(TH細胞)への主要組織適合複合体クラスII制限提
示過程を効果的に通過する。結果として、L−ペプチドは、かかる薬剤の活性を
損なう活発な体液性免疫応答を誘導する
天然の左右像の高分子の鏡像異性体は、天然の左右像の高分子より優れた薬剤
を作製する。天然に存在するL−ペプチド配列およびD−核酸配列と対比して、
これらの天然に存在する高分子の鏡像異性体(例えば、D−ペプチドおよびL−
核酸)は、天然に存在する蛋白質分解酵素およびヌクレアーゼの良好な基質では
ない。さらに、天然の分子の鏡像異性体は、効果的な免疫応答を誘い出さない。
薬剤として用いるためにD−ペプチドおよびL−核酸を入手することは望まし
い。発明の要約
本発明は、天然の左右像でない(天然に存在するような又は野生型分子のよう
なキラリティーでない)、他のキラル高分子に対するリガンドである鏡像異性体
の高分子(蛋白質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、糖、およびRNA−
蛋白質複合体、蛋白質−脂質複合体等の高分子複合体)の同定方法であり、標的
又は所望の高分子に関する。標的又は所望の高分子は、オリゴヌクレオチド(D
NA、RNA)、およびホルモン、酵素、抗体、抗原等の蛋白質(例えば、ポリ
ペプチドおよびペプチド)を含む。一の態様において、本発明は、標的又は所望
のL−アミノ酸ペプチドを結合するD−アミノ酸ペプチドリガンドの同定方法で
ある。第二の態様において、本発明は、オリゴヌクレオチド(RNA又はDNA
)に対するリガンドであるD−アミノ酸残基からなるペプチドの同定方法である
。さらなる態様において、本発明は、天然に発生するものとは反対のキラリティ
ーのRNA又はDNAオリゴヌクレオチドの同定方法である。DNAは、天然に
はDイソ型として発生する。
一の態様において、本発明は、天然の左右像の標的高分子(例えは、ペプチト
、オリゴヌクレオチド)に結合する非天然の左右像の高分子の製造方法に関して
おり、以下のように行なわれる:標的高分子の又は標的分子の特徴的なドメイン
の鏡像異性体を用意し、ライブラリー中の天然の左右像の高分子とその鏡像異性
体との結合に適した条件下で、天然の左右像の高分子のライブラリーと接触させ
る;結果として、鏡像異性体は、ライブラリー中に存在する天然の左右像の高分
子を結合する。標的高分子の鏡像異性体に結合した天然の左右像の高分子の鏡像
異性体は製造される;天然の左右像の高分子の鏡像異性体は、天然の左右像の標
的高分子に結合する非天然の左右像の高分子である。つまり、ライブラリー中に
存在し、標的分子の鏡像異性体に結合する高分子の鏡像異性体は、製造される;
結果物は、(天然の左右像の)標的分子を結合する非天然の左右像の高分子であ
る。
標的高分子が蛋白質(例えば、ペプチド)である態様において、標的Lペプチ
ドに結合するDアミノ酸ペプチドは製造される。方法は、以下のように行なう:
標的L高分子の又はその特徴的なドメインのDアミノ酸ペプチドおよびL−アミ
ノ酸ペプチドのライブラリーを用意する。ライブラリー中のLアミノ酸ペプチド
のDアミノ酸ペプチドとの結合に適した条件下で、ライブラリーおよび標的高分
子のDアミノ酸ペプチドを接触させる;結果として、Dアミノ酸ペプチドは、ラ
イブラリー中に存在するLアミノ酸ペプチドを結合する。Dアミノ酸ペプチドに
結合したライブラリー中に存在するLアミノ酸ペプチドは、同定され、配列決定
される。ライブラリー中で同定されたLアミノ酸ペプチドの又はそれの特徴的な
ドメインのDアミノ酸ペプチドは製造される;得られたDアミノ酸ペプチドは、
天然の左右像の標的L高分子に結合する。つまり、ライブラリー中に存在し、標
的L高分子のDアミノ酸ペプチドに結合するLアミノ酸ペプチドの鏡像異性体は
、製造される;結果物は、L標的高分子を結合するDアミノ酸ペプチドであり、
本態様においてはL−アミノ酸ペプチドである。
標的高分子が蛋白質(例えば、ペプチド)である態様において、標的L蛋白質
に結合するLオリゴヌクレオチドは製造される。方法は、以下のように行なわれ
る:標的L高分子の又はそれの特徴的なドメインのDアミノ酸ペプチドおよびD
オリゴヌクレオチドのライブラリーを用意する。ライブラリー中のDオリゴヌク
レオチドとDアミノ酸ペプチドとの結合に適した条件下で、ライブラリーをDア
ミノ酸ペプチドと接触させ、それにより、ペプチドは、ライブラリー中に存在す
るDオリゴヌクレオチドを結合する。Dアミノ酸ペプチドに結合したDオリゴヌ
クレオチドは、同定され、配列決定される。ライブラリー中で同定されたDオリ
ゴヌクレオチドの又はそれの特徴的なドメインのLオリゴヌクレオチドは製造さ
れる;Lオリゴヌクレオチドは、非天然の左右像の標的L高分子に結合する。つ
まり、ライブラリー中に存在し、標的L高分子のDアミノ酸ペプチドに結合する
Dオリゴヌクレオチドの鏡像異性体は、製造される;結果物は、L標的高分子を
結合するLオリゴヌクレオチドであり、本態様においてはLアミノ酸ペプチドで
ある。
他の態様において、本発明は、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然の
左右像の高分子の製造方法に関しており、以下のように行なわれる:標的高分子
の又は標的分子の特徴的なドメインの鏡像異性体を用意し、ライブラリー中の天
然の左右像の高分子と鏡像異性体との結合に適した条件下で、天然の左右像の高
分子のライブラリーと接触させる;結果として、鏡像異性体は、ライブラリー中
に存在する天然の左右像の高分子を結合する。鏡像異性体に結合した天然の左右
像の高分子は、同定され、配列決定される。天然の左右像の高分子の又はその特
徴的なドメインの鏡像異性体に結合した、非天然の左右像の高分子の鏡像異性体
は製造される;得られた天然の左右像の高分子の鏡像異性体は、天然の左右像の
標的高分子に結合する非天然の左右像の高分子である。
本発明のさらなる態様において、目的のDアミノ酸ペプチドを結合するLアミ
ノ酸ペプチドは、以下のように同定される:ファージ表面に提示されたLアミノ
酸ペプチドを含有するファージ提示ライブラリーを用意し、ファージ表面に提示
されたLアミノ酸ペプチドと、目的のDアミノ酸ペプチドの結合に適した条件下
で、目的のDアミノ酸ペプチドと接触させる。表面に提示されたLアミノ酸ペプ
チドに結合した、表面に目的のDアミノ酸ペプチドを有するファージ(つまり、
表面にDアミノ酸ペプチド−提示Lアミノ酸ペプチド複合体を有する)は、同定
される。複合体中の提示されたLアミノ酸ペプチドは、目的のDアミノ酸ペプチ
ドを結合するLアミノ酸ペプチドである。
必要に応じ、ファージの表面に提示されたLアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列
は決定することができ、Lアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列に対応するDアミノ
酸ペプチドは、合成することができ、ファージ表面に提示されたLアミノ酸ペプ
チドに対応するDアミノ酸ペプチドの製造という結果になる。一の態様において
、本明細書に記載のように、ファージ表面に提示されたLアミノ酸ペプチドは、
あるクラスの蛋白質、具体的にはSRCホモロジー3ドメイン(SH3ドメイン
)のD−アミノ酸ペプチドを結合する。
さらなる態様は、結合ペプチドが所望されるいかなる蛋白質(ポリペプチド、
ペプチドを含む)であってもよい、標的Lアミノ酸蛋白質に対応するDアミノ酸
蛋白質の製造方法である。この態様において、ファージ表面に提示されたLアミ
ノ酸ペプチドのDアミノ酸蛋白質との結合に適した条件下で、ファージ表面に提
示された蛋白質の混合物を含有するファージ提示ライブラリーを、標的Lアミノ
酸蛋白質に対応する又は標的Lアミノ酸蛋白質の特徴的なドメインに対応するD
−アミノ酸ペプチドと接触させる。混合物は、標的Lアミノ酸蛋白質又はそれの
特徴的なLアミノ酸ペプチドドメインを含有する。表面に提示されたLアミノ酸
ペプチドに結合したDアミノ酸ペプチドを表面に有するファージは、同定される
。同定されたファージの表面に提示されたLアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列は
決定され、Lアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列に対応するDアミノ酸蛋白質は合
成され、標的Lアミノ酸蛋白質に対応するDアミノ酸ペプチドの製造という結果
になる。
また、本発明は、目的のLアミノ酸ペプチドを結合するLオリゴヌクレオチド
核酸配列の取得方法に関する。この方法において、D核酸配列のコレクション(
例えば、DNAライブラリー)は用意され、D核酸の目的のDアミノ酸ペプチド
との結合に適した条件下で、目的のDアミノ酸ペプチドと接触させる。Dアミノ
酸ペプチドに結合するD核酸は単離され、D核酸のヌクレオチド配列は決定され
る。目的のDアミノ酸ペプチドに結合するD核酸配列は、Lヌクレオチドを用い
て調製され、Lアミノ酸ペプチドを結合するL核酸配列の製造という結果になる
。本発明のさらなる態様は、D核酸配列のコレクションを用意し、D核酸配列を
L核酸配列と接触させる工程からなるD核酸を結合するL核酸配列の取得方法に
関する。L核酸配列、それにより、D核酸配列−L核酸配列複合体を製造する、
に結合するD核酸配列が同定される。L核酸配列に結合するD核酸配列のヌクレ
オチド配列は決定される。D核酸配列は、Lヌクレオチドを用いて合成され、D
核酸を結合するL核酸配列の製造という結果になる。
また、本発明の主題は、本明細書に記載の方法により同定され、製造されたD
アミノ酸ペプチド等の合成Dアミノ酸ペプチドであるが、SH3ドメインに結合
する合成アミノ酸ペプチド、SH3ドメインの全部又は一部に対応する合成Dア
ミノ酸ペプチド、およびより一般的には、細胞内情報伝達蛋白質のドメインを結
合する合成Dアミノ酸ペプチドを含むが、これらに限定されるものではない。さ
らに、本明細書に記載の方法により同定され、製造されたオリゴヌクレオチド等
の非天然の左右像のオリゴヌクレオチド(RNA、DNA)は、本発明の主題で
ある。
また、本発明は、天然の左右像の標的高分子を結合する非天然の左右像の高分
子の誘導体の製造方法に関する。方法は、本明細書に記載の方法を用いて非天然
の左右像の高分子を同定し、そして非天然の左右像の高分子を修飾し、または誘
導して、それの誘導体を製造する工程からなる。本明細書に記載の本発明の方法
により取得することのできる誘導体も、本発明の範疇である。
本発明のDアミノ酸ペプチドおよびL核酸配列は、薬剤として有用である。例
えば、Dアミノ酸ペプチドは、天然に存在する蛋白質分解酵素に対する良好な基
質ではなく(つまり、蛋白質分解デグラデーション耐性)、Lアミノ酸ペプチド
により誘い出されるものに匹敵する免疫応答を誘い出さない。図の簡単な説明
図は、鏡像ファージ提示を通じた、Dペプチドリガンドの同定を図示したもの
である。発明の詳細な説明
構造的バイオポリマーの合成鏡像異性体は、天然分子の鏡像コンホメーション
にフォールデイングする;同様に、2分子複合体について、最初のパートナー分
子の2つの鏡像異性体も、最初のものと鏡像対称を有する複合体を形成する。本
発明は、キラルな生物学的標的分子の鏡像異性体を結合する天然の左右像の高分
子(L−ペプチド、一本鎖D−オリゴヌクレオチド等)の同定が、標的の天然型
を結合する非天然の左右像の高分子の同定方法を提供するという発見に基づく。
かかる鏡像異性体の高分子は、標的の生物学的活性を妨害する能力を決定して評
価される。こうして、本発明は、新規な長期間有効な治療用又は診断用分子の開
発手段を提供する。
本発明は、天然に存在する又は野生型の左右像でない(つまり、キラリティー
)、他のキラル分子(ペプチド、オリゴヌクレオチドおよび高分子複合体)に対
するリガンドである、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、オリゴヌクレオチド及
び糖並びに高分子複合体(オリゴヌクレオチド−蛋白質複合体、蛋白質−脂質複
合体)の鏡像異性体の高分子の同定方法に関するものである。本明細書に定義さ
れているように、天然の左右像の高分子の鏡像異性体は、天然の左右像の高分子
の均等物であるが、非天然の左右像である。本発明の方法において、天然に存在
する標的高分子の鏡像異性体を調製し、天然に存在する高分子のコレクションか
ら、鏡像異性体と相互作用する天然に存在するリガンドを単離するために用いら
れる。単離された天然に存在するリガンドの鏡像異性体型は、天然に存在する標
的高分子と相互作用(例えば、結合)するであろう。
天然の左右像の標的高分子は、1以上のキラル中心を有するいかなる高分子で
あってもよい。標的高分子(キラル標的)は、細胞内性又は細胞外性であっても
よく、例えば、いずれもキラル中心を有する核酸(DNA、RNA)、蛋白質又
はその特徴的なドメイン(例えば、ペプチド)、ペプチド、ポリペプチド、オリ
ゴヌクレオチド、炭水化物、糖、オリゴヌクレオチド−蛋白質複合体(RNA−
蛋白質複合体)、蛋白質−脂質複合体、およびリン脂質があげられるがこれらに
限定されるものではない。ドメイン、これらの高分子の領域断片は、高分子を標
的とする。標的高分子は、哺乳類起源(例えば、ヒト)又は非哺乳類起源(例え
ば、細菌、菌類、ウイルス、原生動物)であってもよい。
蛋白質(ポリペプチド、ペプチド)である標的高分子の例としては、細胞内情
報伝達蛋白質およびそのドメイン(例えば、SH3ドメイン、SH2ドメイン、
PHドメイン)(Cohen,G.B.,et al.,Cell,80:23
7−248(1995)参照)、ケモカイン(例えば、α−ケモカイン、β−ケ
モカイン)(Clore,M.G.,et al.,FASEB J.,9:5
7−62(1995)参照)、サイトカイン(例えば、IL−1,TNF、リン
ホトキシン−α、IL−1β、IL−6、M−CSF、TGFα)、酵素(例え
ば、プロテインキナーゼC、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD)(Dive
cha,N.and Irvine,R.F.,Cell,80:269−27
8(1995)参照)、チロシンキナーゼ(Marshall,C.J.,Ce
11,80:179−185(1995)参照)、ポリペプチド成長因子および
そのドメイン、成長因子受容体およびそのドメイン又は断片(例えば、PDGF
ファミリー、EGFファミリー、FGFファミリー、IGFファミリー、HFG
ファミリー、VEGFファミリー、ニューロトロフィンファミリー、Ephファ
ミリー、クラスIサイトカインファミリー、GHファミリー、IL−3ファミリ
ー、IL−6ファミリー、IL−2ファミリー、クラスIIサイトカインファミリ
ー、TNFファミリーの成長因子および成長因子受容体)、(Heldin,C
−H.,Cell,80:213−223(1995)参照)、プロテインキナ
ーゼ、プロテインホスファターゼ、サイクリンおよびCdcプロテイン(Hun
ter,T.,Cell,80:225−236(1995)参照)、転写因子
およびそのドメイン(例えば、Etsドメイン、bZIP,rel相同ドメイン
、STAT、NF−AT、TCF、Fos、JAK)(Hill,C.S.an
d Treisman,R.,Cell,80:199−211(1995)参
照)およびホルモンがあげられる。本発明において用いられる標的高分子の他の
例としては、例えば、ヒトCD2、ヒトCD58(LFA−3)、ヒトエンドセ
リン、ヘレグリン−α、ヒトインターロイキン−1β変換酵素(ICE)、ヒト
マクロファージ炎症性蛋白質1−β、プレーテット(platet)ファクター4、ヒト
メラノーマ成長刺激活性、GRO/メラノーマ成長刺激活性、MHC分子、細菌
ムラミダーゼ、クリングルドメイン(例えば、プラスミノーゲン、アポリポプロ
テイン)、ras、ras−GAP、セレクション(selections)(
E−セレクチン、L−セレクチン、P−セレクチン)、プレクストリン相同ドメ
イン、ストロメリシン、トロンビン、組織因子、カルモジュリン、CD4、コラ
ーゲナーゼ、ジヒドロフォレート還元酵素、フィブロネクチン、フィブロネクチ
ンタイプIIIモジュール、G−プロテインサブユニット、バソプレッシン、ファ
クターIX GLAドメイン、インターロイキン−8、(Clore,G.M.,
et al.,Biochemistry,29;1689−1696(199
0))、トロンボモジュリンEGF様ドメイン(Lentz,S.R.,et
al.,J.of Biological Chem.,288(20):15
312−15317(1993))、GPIIb−IIIa細胞質ドメイン(Muir
,T.W.,et al.,Biochemistry,33:7701−77
08(1994))、ファクターVIIa GLAドメイン、ファクターIX EGF
様ドメイン(Yang,Y.,Protein Science,3:1267
−1275(1994))、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)蛋白質(例えば、
HIVプロテアーゼ、インテグラーゼ、マトリックス、プロテインチロシンホス
ファターゼ、逆転写酵素、nef、tat、rev、エンベロープ、および他の
HIV蛋白質、そのドメイン、フラグメント又はスカホールドミミック)、NH2
末端SH3ドメインGRB2、(Wittekind,M.,et al.,
Biochemistry,33:13531−13539(1994))、C
OOH末端SH3ドメインGRB2(Kohda,D.,et al.,Str
ucture,2:1029−1040(1994))、P120GAPSH3ド
メイン(Yang,Y.S.,et al.,The EMBO Journa
l,13(6):1270−1279(1984))、および血管透過因子およ
び血管内皮成長因子があげられる。
オリゴヌクレオチド(RNA、DNA)である標的高分子の例としては、HI
V RRE(rev応答エレメント)、HIV Tar、およびBCR−AB1
融合DNA配列があげられる。
リン脂質である標的高分子の例としては、ホスホイノシチド;ホスホイノシチ
ダーゼC;ホスホイノシチド 3−キナーゼ;ホスファチジルイノシトール;ホ
スファチジルイノシトール 3−ホスフェート;ホスファチジルイノシトール(
4,5)ビスホスフェート;ホスファチジルイノシトール(3,4,5)トリホ
スフェート;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスフ
ァチジン酸;イノシトール(1,4)ビスホスフェート;イノシトール(1,4
,5)トリホスフェート;ジアシルグリセロール;スフィンゴシン;スフィンゴ
シンホスフェート;スフィンゴシンホスホコリン及びセラミド(Divecha
,N.and Irvine,R.F.,Cell,80:269−278(1
995)があげられる。
本発明の方法において、天然由来の高分子の鏡像異性体(例えば、標的高分子
の鏡像異性体またはライブラリーで同定された天然の左右像の高分子の鏡像異性
体)を、型にはまった方法を用いて調製する。天然由来の高分子の鏡像異性体を
天然に生じたもの由来の反対の左右像の構成成分の使用を通じて調製することが
できる(例えば、鏡像ペプチドの合成のためのDアミノ酸の使用または鏡像オリ
ゴヌクレオチドの合成のためのL−核酸の使用)。例えば、本発明に使用するD
−ペプチドを、実施例1に記載のように、化学的に合成し、アフィニティークロ
マトグラフィーを用いて精製できる。天然由来の高分子の鏡像異性体の他の調製
方法は、当該技術分野で公知である。
標的高分子の鏡像異性体の型全体または標的高分子の三次元分子表面の一部を
本発明の方法で使用できる。例えば、それ自身で、高分子全体中の本ドメインの
鏡像異性体の型のそれと似ているコンフォメーションを得る標的高分子のサブド
メインの鏡像異性体の型を、調製して、本発明の方法で用いることができる(S
chumacher,T,等,Science,271,1854−1857(
1996))。一方、標的高分子の鏡像異性体の型の連続あるいは不連続の断片
を、標的高分子の鏡像異性体の型全体の分子表面の部分と似ている該断片の構成
表面のペプチドまたは非ペプチド骨格上で調製することができる(Tolman
,R,L等,Int.J.Pept.prot.Res.,41,455(19
93);Muir,T.W.et al,Biochem,33,7701(1
994);McConnell,S.JおよびHoess,R.H,JMB,2
50,460−470(1995);Ku,Jら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,92,6552(1995);Martin,F.等,
EMBO J.,5303−5309(1994);Venturini,S.
等,Proteins and Peptides Lett.,1,70(1
994);Mutter,M.,Ang.Chem.Int.Ed.Engl.
,24,639(1985);Cochran,A.GおよびKim,P.S.
,Science,271,1113−1116(1996);O’Shea,
E.K.等,Cell,68,699(1992);Oas,T.G.等,Na
ture,336,42(1988))。
標的高分子と結合した非天然の左右像の高分子の同定および製造を、天然の左
右像の高分子のいくつかのコレクションを用いて行うことができる。述べられた
本方法は、生物学的にコードされたライブラリーをキラル標的(またはキラル「
おとり」)と相互作用する構造を単離するために使用するすべての状態に応用で
きる(Scott,J.K.およびSmith,G.P.,Science,2
49,386(1990);Devlin,J.J.等,Ibid,249,4
04(1990);Cwirla,S.E.等,Proc.Natl.Acad
.Sci.,USA,87,6378(1990);Cull,M.G.等,P
roc.Natl.Acad.Sci.,USA,89,1865(1992)
;Mattheak,L.C.,et al,Proc.Natl.Acad.
Sci.,USA,91,9022(1994))。実施例に述べられたように
、ファージ提示ライブラリー(鏡像ファージ提示)などの、生物学的にコードさ
れたライブラリーを本発明の方法で使用することができる。リボヌクレオチドお
よびデオキシリボヌクレオチドはさらにヌクレアーゼによって認識されるキラル
中心を含むため、本アプローチは、RNAライブラリーおよびDNAライブラリ
ーの両方に同じく適用する(Bock,L.C.等,Nature,355,5
64(1992))。したがって、本発明が有用なライブラリーの型は、RNA
(例えば、SELEX)、DNA(例えば、DNAライブラリー)およびペプチ
ドライブイラリー(例えば、インビトロ転写/翻訳に基づいたライブラリー、一
価、多価ファージライブラリーおよび「ペプチド オン プラスミド」ライブラ
リー)を含む。本発明の方法のDNAライブラリーの使用は、実施例5に述べら
れる。これらのライブラリーに示された大量の構造の空間の調査は、生物学的お
よび医学的に重要なタンパク質に対する新しいリガンドをもたらすことができる
。実施例に述べられたように、天然由来の(野生型)高分子のD−鏡像異性体お
よびL−鏡像異性体と特異的に相互作用するファージを単離した。
標的高分子の鏡像異性体に結合したライブラリーの天然の左右像の高分子の選
択工程は、アキラルな溶媒(例えば、水)またはキラル溶媒中で行うことができ
る。さらに、天然由来の高分子および鏡像異性体の間の相互作用は、いくつかの
付加的なキラルコファクターを要求することはしそうにない。使用できる選択工
程の例示は、実施例に述べられる。選択工程の改変は、当該技術分野に公知の方
法を用いて行うことができる。
特別の態様において、天然由来のLアミノ酸ペプチドに対するリガンドである
Dアミノ酸ペプチドは、クレームした方法によって同定できる。その様なDアミ
ノ酸ペプチドは、Lアミノ酸ペプチドに寸分違わず一致して製造することができ
(組成アミノ酸がDでありL鏡像異性体でないことを除く)、または同定された
Dアミノ酸ペプチドの誘導体を製造するために1以上の組成アミノ酸の置換、欠
失もしくは修飾または1以上のDアミノ酸の付加等によって、改変することがで
きる。
別の態様において、D核酸配列またはLアミノ酸ペプチドに結合するL核酸配
列は、クレームした方法で同定される。L核酸配列は、D核酸に一致して製造さ
れ(組成ヌクレオチドが、Lヌクレオチドであることを除く)、もしくは同定さ
れたL核酸配列の誘導体を製造するために1以上の組成Lヌクレオチドの置換、
欠失もしくは修飾または1以上のL核酸の付加等によって、改変することができ
る。
ここで述べられた方法を用い、その誘導体を生産するために、非天然左右像の
高分子を改変する天然の左右像の標的高分子に結合する非天然左右像の高分子の
誘導体の製造方法も、本発明に包含することができる。ここで用いたように、「
誘導体」という語は、例えば、ここで述べられた方法によって同定された、標的
高分子と結合し、1以上の成分の付加、欠失、置換または修飾による非天然の左
右像の高分子と異なるような方法で改変された非天然の左右像の高分子を含む。
1つの態様として、該誘導体は、改変されたD−ペプチドである。本発明のD
−ペプチドの誘導体は、例えば、改変または変更(例えば、増えた、減少した)
した親和性、特異性、膜透過性、疎水性、親油性、経口の生物学的利用能および
/または生物学的半減期を有するD−ペプチドを含む。D−ペプチドの誘導体の
製造のストラテジーは、例えば、N−メチレーションによりペプチド骨格を改変
すること(Ostresh,J.M.等,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA,91,11138−11142(1994);Drug Dis
covery Technologies.,C.R.Clark.eds.,
John Wiley&Sons,(1990))および/または疑似ペプチド
を製造すること(Cho,C.Y.等,Science,261,1303(1
993);Moran E.J.等,k Biopolymers,37,21
3−219(1995))を含む。
一方、D−ペプチドの側鎖は非天然のアミノ酸およびアミノ酸アナログを誘導
することにより改変できる(Combs,A.P.等,J.AM.Chem.S
oc.,118,287−288(1996);Rivier,J.E.et
al,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,93,2031(1
995);Munroe,J.E.等,Bioorganic & Medic
inal Chem.Lett.,5,2897−2902(1995))。特
に好ましい態様において、D−ペプチドは非天然由来の側鎖を含む。改変した側
鎖を有するD−アミノ酸ペプチドの誘導体の例は、下記式:NH2−CHR−C
OOH
式中、Rは、ここでは、直鎖状または分岐状であることができ、および1以上の
2重または3重結合を含むことができる約1〜約50の炭素原子のアルキル基と
して定義される低級アルキル基(例えば、メチル、エチル)である。該低級アキ
ル(akyl)は、−NH2、−OH、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロ
アリール(例えば、イミダゾール、インドール)、−COOH(例えば、アルギ
ニン)基等の置換低級アキルであることができる。さらに、低級アキルは、アリ
ール(例えば、フェニル、ナフチル)、置換アリール(例えば、−OH、ハロゲ
ン)、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール基であることができる。
さらに、本発明のD−ペプチドは、環式、多環式誘導体を生じることにより修
飾することができ、ここで、例えば、ジスルフィド結合はD−ペプチドのコンフ
ォメーションを至適化し、限定するために置換される(Katz,B.A.等,
J.Am.Chem.Soc.,117,8541(1995);Ladner
R.C.,TIBTECH,13,426−430(1995))。例えば、
ここで述べられたように同定されたD−アミノ酸ペプチドは、ペプチド結合を介
して、シクロスポリンの場合のような環をつくる。
さらに、本発明のD−ペプチドの誘導体は、例えば、リポソームおよび/また
は脂質誘導体(Eichholtz,T.等,J.Biol.Chem.,26
8(3),1982−1986,1982(1993))、および/またはペプ
チド性および非ペプチド性ポリマー(Drug Discovery Tech
nologies,C.R.Clark,eds.,John Wiley&S
ons,(1990);Sheldon,K.等,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,92,2056(1995))を用いて、膜透過性およ
び/または生物学的利用能を向上するために、支持体に共役または取り込むこと
ができる。
さらに、ここで述べられた方法により同定された該D−アミノ酸ペプチドは、
特に標的が細胞内標的の場合、D−アミノ酸ペプチドの疎水性を増加することに
よって、派生させることができる(例えば、アルキル化、例えばD−アミノ酸ペ
プチド骨格のメチル化)。ベンゼン環は、疎水性を増加させるために、側鎖に付
加することができる。一方、D−アミノ酸ペプチドは、該ペプチドの疎水性を増
加させるためにリポソーム等の薬剤運搬系に取り込むことができる。
さらに、D−ペプチドのCまたはN末端は、保護基によって修飾することがで
きる(例えば、Green,T.H.およびWuts,P.G.M.,Prot
ective Groups in Organic Synthesis,第
2版,John Wiley&Sons,ニューヨーク(1991)を参照)。
例えば、親油性ポリマーをN末端またはC末端に結合することができる(例えば
、C末端のポリエチレングリコールエステル)。一方、1以上の側鎖を、ポリア
ルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)等の親油性ポリマーに
結合もしくはエーテルまたはエステル結合に結合させることができる(例えば、
アスパラギン酸またはグルタミン酸の側鎖カルボキシル基とのエステルを形成)
。例えば、D−ペプチドは、ポリマー−D−ペプチドコンジュゲートを生産する
ことにより改変することができ、ここで該ポリマーは、例えば、モノメトキシポ
リエチレングリコール(PEG)および/またはポリオキシエチル化グリセロー
ル(POG)である(Therapeutic Peptides and P
roteins,Marshak,D.and Liu,D.eds.,Col
d Spring Harbor Laboratory(1989))。
他の態様において、誘導体はL−核酸である。ここで述べられたD−ペプチド
を改変するためのストラテジーは、それらの薬理学的性質を至適化するために、
ここで述べられたように同定された、非天然の左右像の修飾RNAおよびDNA
を用いることもできる(例えば、Green,L.S.等,Chem.Biol
.,2,683(1995);Latham,J.A.等,Nucleic A
cids Res.,22,2817(1994);Gold,L.等,Ann
.Rev.Biochem.等,64,763(1995))。
合成および生物学的にコードされたライブラリーは、多様な高分子に対するリ
ガンドおよび核酸配列の同定に極めて有益であることを証明した。得られたペプ
チドがタンパク質分解による切断に非感受性であり効果的な免疫応答を誘導しな
いため、(D)−アミノ酸を構成した合成ペプチドライブラリーは、Scott
,J.K.およびSmith,G.P.,Science,249,386(1
990);Devlin,J.J.等,Ibid,249,404(1990)
;Cwirla,S.E.等,Proc.Natl.Acad.Sci.,US
A,87,6378(1990);‘peptide on plasmid
’,Cull,M.G.等,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA
,89,1865(1992)のファージ提示およびMattheak,L.C
,等,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,91,9022(1
994)のインビトロ翻訳に基づいたシステム等の遺伝子に基づいた技術が好ま
しい。さらに、(D)−アミノ酸で構成されたペプチドは、胃腸で吸収され得る
(Pappenheimer,J.R.等,Proc.Natl.Acad.S
ci.,USA,91,1942(1994))。主にN−メチル化されたもの
および(D)−アミノ酸から構成された11残基環状ペプチドであるシクロスポ
リンAは、免疫抑制誘導剤であり、一般的に経口的に投与される(Ptachc
ins,R.J.等,Clin.Pharmacokinetics,11,1
07(1986))。
(D)−アミノ酸ライブラリーのスクリーニングは、近年、鎮痛活性を有する
ペプチドの同定を導くが(Dooley,C.T.,et al,Scienc
e,266,2019(1994))、合成ライブラリー中でサンプルを取るこ
とができる配列空間の割合は、一般的に、生物学的にコードされた系の使用を通
して得ることができるものの画分のみである。この低い縮重のため、およびさら
に重要なことには、中間体増幅過程の欠損のため、リガンドの同定において、合
成ライブラリーの使用は、必ずしも、ファージ提示ライブラリーと同様に成功す
るとは限らない。
(D)−アミノ酸で構成されたタンパク質は、天然由来の(L)−アミノ酸タ
ンパク質のそれと正確に反対である基質および阻害剤に対するキラル特異性を有
する(Del Milton,R.C.等,Science,257,1445
(1992);Petsko,G.A.Ibid,256,1403(1992
);Zawadzke,L.E.and Berg,J.M.,J.Am.Ch
em.Soc.,114,4002(1992))。一定の例において、(D)
−アミノ酸リガンドは、天然のリガンドの(D)−鏡像異性体をつくることによ
って(Fisher,P.J.等,Nature,368,651(1994)
)、あるいは「逆」(D)−鏡像異性体をつくることによって(Jameson
,B.A.等,Nature,368,744(1994);Guptasar
ma,TIBTECH,14,42−43(1996))のいずれかによって得
ることができるが、その様な方法は、一般的な応用性はない(Brady,L.
and Dodson,G,Nature,368,692(1994);Ch
ovev,M.and Goodman,M.,TIBTECH,14,43−
44(1996);Guichard,G.等,TIBTECH,14,44−
45(1996))。
(D)−アミノ酸リガンドを得るための、より一般的な方法は、目的のタンパ
ク質の(D)−鏡像異性体を用いて、生物学的にコードされたライブラリーから
のペプチドの選択であるにちがいない。(D)−および(L)−タンパク質は、
正確に反対の基質および阻害剤に対するキラル特異性をもつため、(D)−タン
パク質と相互作用するファージに提示されたペプチドの(D)−鏡像異性体の型
は、天然の左右像のタンパク質と相互作用するであろう。
本アプローチの有効性は、SRCホモロジー3ドメイン(SH3ドメイン)の
D−鏡像異性体と特異的に相互作用するファージの単離により示された。実施例
1に述べられたように、ファージライブラリーから(D)−アミノ酸リガンドの
同定にたいする(L)−および(D)−タンパク質間の鏡像関係に使用すること
が可能であることを試すために、c−SrcチロシンキナーゼのSH3ドメイン
の(D)−アミノ酸バージョンを合成した。SH3ドメインは、細胞内エフェク
ター分子の多様性に見られる55−70アミノ酸タンパク質ドメインである(S
chlessinger,J.,Curr.Opin.Genet.Dev.,
4,25(1994)に概説される)。c−SRC活性が砕骨細胞を仲介した骨
再吸収に必須であるため、SRC機能の妨害は骨粗しょう症の処置において価値
があるかも知れない(Soriano,P et al,Cell,64,69
3(1992);Lowe,C.,Proc.Natl.Acad.Sci.,
USA,90,4485(1993);Seymour,J.F.,Scien
ce and Medicine,2,48(1995))。SH3ドメインは
、8〜10残基のII型ポリプロリンヘリックスを形成するそれらの細胞内標的中
の配列因子と相互作用する(Rickles,R.J.,et al.,EMB
O J.,13,5598(1994);Sparks,A.B.,J.Bio
l.Chem.,269,23853(1994):Cheadle,C.et
al,Ibid,269,24034(1994);Yu,H.,et al
.,Cell,76,933(1994);Feng,S.,et al.,S
cience 266,1241(1994);Lim,W.A.et al.
,Nature,372,375(1994))。細胞内細胞シグナル伝達タン
パク質中の仲介するタンパク質相互作用、およびSH3ドメインを含むタンパク
質のシグナル伝達の妨害が望まれるであろう。SH3ドメインの多様性に対する
リガンドおよび基質は、ファージ提示ライブラリーから単離したが(Rickl
es,R.J.,et al.,EMBO J.,13,5598(1994)
;Sparks,A.B.,J.Biol.Chem.,269,23853(
1994);Cheadle,C.,et al.,Ibid,39,2403
4(1994))、合成の(L)−アミノ酸ペプチドライブラリー由来のそのよ
うな配列の同定は、好ましいリガンドの先行公知の配列にのみ可能である(Yu
,H.,et al.,Cell,76,933(1994))。このように、
合成ライブラリー由来のSH3ドメインに対する(D)−アミノ酸リガンドの同
定は、可能なリガンドの先の配列または構造情報がなしでは、成功しないであろ
う。
ニワトリc−SRCドメインのL−およびD−鏡像異性体は、それぞれ、微生
物学的な発現および化学合成によって調製された。ビオチン化合成60アミノ酸
D−SH3ドメインを、リフォールドし、SH3ドメインに対する公知のペプチ
ドリガンドD−アミノ酸バージョンを有するアフィニティークロマトグラフィー
によって精製した(Yu,H.,et al.,76,933(1994))。
予想されたように、細菌で発現したL−SH3は、このペプチドのL−鏡像異性
体を有するアフィニティーカラムに残ったが、D−鏡像異性体を有するものには
残らなかった。このことは、SH3ドメインとその基質との相互作用が立体特異
的であることを示す。
ファージライブラリーは、ランダムに、10−残基ペプチド配列が、バクテリ
オファージfdのpIIIタンパク質のNH2−末端で発現されるように構築さ
れた(Scott,J.K.and Smith,G.P.,Science,
249,386(1990))。免疫抑制剤シクロスポリンおよびガンプロモー
ターミクロシスチン等の多くの天然の生物活性ペプチドは環状であるため、ライ
ブラリーは、ジスルフィド結合形成のための性質を持つ多くの配列を含むように
デザインした(Smith,G.P.and Scott,J.K.,Meth
ods Enzymol.,217,228(1993))。L−SH3ドメイ
ンを、相互作用するペプチド配列のためのファージ提示ライブラリーをスクリー
ニングするために使用したとき、他によって同定されたジスルフィドフリーのポ
リプロリン型配列を単離した(Yu,H.,et al.,Cell,76,9
33(1994);Rickles,R.J.,et al.,EMBO J.
,13,5598(1994);Sparks,A.B.et al.,J.B
iol.Chem.,269,23853(1994);Cheadle,C.
,et al.,ibid,p.24034))。
同じファージ提示をD−SH3ドメインでスクリーニングしたとき、L−SH
3結合配列に相似した明らかな配列を示さなかった一連のペプチド配列を単離し
、3つのクラスにグループ化した(表1)。これらのペプチドすべて、それらが
(D)−YGGRELPPLPRFペプチド(配列番号:2)で溶出したので、
SH3ドメインの基質結合部位と相互作用した。D−SH3ドメインに結合する
これらのファージに提示されたペプチドは、保存されたロイシンおよびグリシン
残基ならびに保存されたアルギニンまたはリジン残基の組み合わせによって特徴
付けられる。L−SH3ドメインに対するL−ペプチドリガンドに対照的に(Y
u,H.,et al.,Cell,76,933(1994);Rickle
s,R.J.,et al.,EMBO J.,13,5598(1994);
Sparks,A.B.,et al.,J.Biol.Chem.,269,
23853(1994);Cheadle,C.,et al.,ibid,p
.24034))、D−SH3ドメインに対するリガンド中の正電荷を帯びた残
基は保存残基の範囲の中央に位置し、このことは、リガンド結合の形式が2つの
形態において異なることを示唆する。さらに、D−SH3ドメインに対する全て
のリガンドは、システイン残基のペアを含み、L−SH3ドメインと相互作用す
るL−ペプチドに観察されない性質を含む(Yu,H.,et al.,Cel
l,76,933(1994);Rickles,R.J.,et al.,E
MBO J.,13,5598(1994);Sparks,A.B.,et
al.,J.Biol.Chem.,269,23853(1994),Che
adle,C.,et al.,ibid.,p.24034))。ジスルフィ
ド結合は、D−SH3ドメインに対するこれらのペプチドの親和性は、可能な適
合の数を減らすことによって増加するかもしれない。
これらのファージ粒子によって発現したペプチドのD−アミノ酸鏡像異性体が
全てのLアミノ酸SH3ドメインと相互作用するコンフォメーションは、標準結
合および検出方法を用いて行われる。実施例2に述べられるように、D−SH3
ドメインに結合するファージに提示されたペプチドの一方の鏡像であるPep−
D1と記されたD−ペプチドを合成し、その細菌で発現したL−SH3ドメイン
との相互作用を調べた。(D)−SH3ドメインが(L)−SH3ドメインの基
質結合部位と結合することを証明するために、非直接的な結合アッセイを使用し
た。
実施例3で述べられているように、SH3ドメイン中の本D−ペプチドの結合
部位を決定するために、Pep−D1の非存在および存在下で15N−ラベルした
SH3ドメインを供しヘテロ核磁気共鳴(NMR)実験を行った。Pep−D1
と相互作用するSH3ドメイン中の残基を、D−ペプチドリガンドの付加からの
アミド1Hまたは15Nケミカルシフト中の変化を通して同定した。
本方法を通して単離されたリガンドは、全ての場合において、それらの生物学
的対象物の活性を損なう機能が顕著になくなるか、または影響されない。例えば
、ここで述べられた方法で単離されたリガンドは、ヌクレオチドに基づいたリガ
ンドのRNaseおよびDNase活性(Ashley,G.W.,J.Am.
Chem.Soc.,114,9731(1992);Urata,H.,et
al.,J.Am.Chem.Soc.,113,8174(1991))な
らびにペプチドに基づいたリガンドのプロテアーゼ分解および免疫応答の活性化
(Gill,T.J.et al.,Nature,197,746(1963
);Mauer,P.H.,J.Exp.Med.,121,339(1965
);Borek,F.,et al.,Biochem.,J.,96,577
(1965);Janeway,C.A.and Sela,M.,Immun
ology 13,29(1967);Ditzis,H.M.,et al.
,Proteins,16,306(1993))が顕著になくなるか、または
影響されない。
天然の左右像でないリガンドを単離するここに述べられたアプローチは、この
ように使用された全てのアプローチが自然の左右像のリガンドの単離だけに導入
されることはないので、オリゴヌクレオチドに基づいたリガンドの単離に唯一の
ものである。結果として、このような「慣用的な」リガンドは、天然由来の酵素
による分解に影響される。これに対して、D−アミノ酸で構成された合成ペプチ
ドライブラリーの合成およびスクリーニングは、技術的に可能である。しかしな
がら、生物学的にコードされたライブラリー系においてスクリーニングできる多
数の化合物(合成ペプチドライブラリーを達成できることより数桁高い程度)な
らびに使われた中間増幅工程の有利な効果の両方のため、ここで述べられた技術
と組み合わせたとき、かかるシステムが優れた結果を生じる。
特に、合成ペプチドに基づいたストラテジーは、ペプチド溶解度の限界および
使われたアッセイ(合成組み合わせのライブラリーおよび他の溶液に基づいたペ
プチドライブラリーのため)、または体積を考慮することによって固体相に基づ
いたライブラリーのいずれかの検出限界によって決められた縮重の上限をもつ。
第2に、生物学的にコードされたライブラリー系に使用された中間増幅過程は、
バックグラウンドの結合が高い状況において(もし、それが1回目のスクリーニ
ング後に回収された分子の全プールの簡単に検出できる一部分を構成するならば
、増幅過程を行われない系で、特異的なリガンドが同定されるだけである)、リ
ガンドの同定を可能にする。第3に、ファージ提示および他の生物学的にコード
されたライブラリー系は、エラーしやすい(error−prone)PCR等
の工程を通して、コードするDNAの変異による親和性の成熟を可能にする。最
後に、ファージライブラリーは、合成ペプチドに基づいたライブラリーに比べて
、著しい長さのインサートに適応する。これは、異なる大きさ別のクラスのリガ
ンドの可能な単離を可能にするが、これらのインサート内に含まれる短いリガン
ドの複雑さ(スライディングウィンドウ(sliding windows)と
して)を著しく増加させる。
実施例4で述べられたように、ここで述べられた特異的な標的と相互作用する
D−アミノ酸ペプチドリガンドの同定を、偏った(D)−アミノ酸ペプチドおよ
びペプチドに基づいたライブラリーのデザインのガイドラインを提供するために
使用した。該ライブラリーは、次に新しいリガンドを単離するために使われた。
本発明はさらに下記の実施例で示され、それは、いかなる方法にも限定するこ
とを意味するものではない。実施例1
D−アミノ酸ペプチドと特異的に相互作用するファージの同定 L−SH3ドメインの調製
残基の番号が付与された系は、ニワトリのc−SRC蛋白の全長である。ニワ
トリのc−SRCの81〜140残基を、プラスミドpMMHb(Staley
,J.P.及びKim,P.S.,Protein Science,3:18
22(1994))の他のHind III−Bam HIサイトにクローニン
グした。このプラスミドにおいては、メチオニン残基がロイシンに置換され、シ
ステイン残基がアラニンに置換され(Staley,J.P.及びKim,P.
S.,Protein Science,3:1822(1994))、そして
リーダー配列のカルボキシル末端に9個のヒスチジン残基が付加された、Trp
LEリーダー配列が修飾された形の融合蛋白として蛋白が発現される。600n
mの吸光度が0.6の時点で、0.4mMのイソプロピル−β−D−チオガラク
トピラノシド(IPTG)(リサーチオーガニクス)を大腸菌BL21−(DE
3)pLys S細胞(ストラタジーン)に添加し、プラスミドpMMHb−S
RC SH3にコードされた融合蛋白の発現を誘導した。2時間の誘導処理に次
いで、細胞を遠心分離に付して封入体を単離した。組換え蛋白は、封入体を、6
Mグアニジン−塩酸、0.2Mトリス、pH8.7(緩衝液A)に再懸濁させ、
Ni2+カラム(Ni2+−NTA−アガロース;キュイアゲン)でクロマトグラフ
ィーに付すことにより精製した。溶出を行った後、水に対して透析し、凍結乾燥
し、融合蛋白を70%蟻酸中に溶解させ、CNBrで切断した(Stanley
,J.P.及びKim P.S.,Protein Science,3:18
22(1994))。透析、凍結乾燥されたものを、次いで、緩衝液A中に溶解
させ、Ni2+カラムでクロマトグラフィーに付すことにより精製した(切断後に
おいては、単離されたSH3ドメインはこのカラムを素通りするのに対して、切
断されなかった融合蛋白や切断されたTrpLEリーダー配列は保持される)。
(低イオン強度のPBS緩衝液に対して、そして最後に水に対して)透析を行っ
た後、凍結乾燥し、pHが中性での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分
析と、レーザー脱着マススペクトロメトリー(理論値は6686ダルトン;実測
値は6683ダルトン)とでSH3ドメインの純度と同一性を確認した。全D−Src SH3ドメインの合成
全Dアミノ酸SH3ドメイン、配列
S−COOH−末端(配列番号:1)、ニワトリのc−SRC蛋白の残基81〜
140、は、ABI 431Aペプチド合成装置とABIファストモックサイク
ル(Fmocの性質はHBTUで活性化され、無水酢酸でキャップされたもの)
を用いてHMP樹脂(ABI/パーキンエルマー)上で合成された。保護された
D−アミノ酸は、バッケムカリフォルニア、バッケムバイオサイエンス、アドバ
ンスドケムテック及びノババイオケムより入手した。D−IleとD−Thrに
ついては、その側鎖が鏡像体のものを使用し、側鎖のキラリティーも天然のL−
ThrとL−Ileとは逆である。合成が終了した後、そのペプチドのアミノ末
端をNHS−LC−ビオチンII(ピアース)で修飾した。切断後、そのペプチ
ドを凍結乾燥し、pH6.0の6Mグアニジン塩酸中に溶解させ、カットオフ分
子量が3500ダルトン(D)(スペクトラ/ポア)の透析チューブを用いて、
pH6.0の100mMのNaHPO4、100mMのNaClに対して透析し
た。透析後、このものを短時間遠心分離処理に付して不溶性の残渣を除去し、そ
の後上清を5%酢酸に対して透析し、凍結乾燥した。このペプチドを、1mMビ
オチンを含む、トリスで緩衝能が付与された塩溶液(50mMトリス、pH7.
5、150mM NaCl)に溶解させ、3.3mg/mLの濃度とした。全て
がビオチン処理された、長さが60アミノ酸の(D)−SH3ドメイン産物は再
び折り畳まれ、Src SH3ドメインに対する公知の基質の全てが(D)体で
ある、(D)−YGGRELPPLPRF(配列番号:2)、これはピオチン化
されて、そしてストレプトアビジン−アガロースカラム(ピアース)に固定化さ
れている、のアフィニティークロマトグラフィーにより精製を行った(Yu,H
.ら,Cell,76:933(1994))。このペプチドは、全てが(L)
−SH3ドメインに対して結合性を示す、全てが(L)−ペプチドの誘導体であ
り(Yu,H.ら,Cell,76:933〜945(1994))、アミノ末
端にYGGが付加されて濃度の決定が容易化されている(H.Edelhoch
,Biochemistry,6:1948(1967))。同じく、アミノ末
端にYGGが付加されたL−ペプチドは、実験のコントロールリガンドとして有
用であった。予想されるように、細菌により発現される(L)−SH3(ニワト
リのc−SRCの残基81〜140が発現された)は(L)−鏡像体上で保持さ
れ得るものであるが、このペプチドの(D)−鏡像体上ではそうではなく、この
ことはSH3のドメインとその基質との相互作用が立体特異的であることを示す
ものである。
クロマトグラフィーのフラクションを、ボイジャーマススペクトロメーター(
パーセプティブバイオシステムズ)によりレーザー脱着マススペクトロメトリー
分析に付した。予想される質量のもの(理論値は7027ダルトン;実測値は7
027〜7035ダルトン)を含むフラクションを集め、そして水に対して72
時間透析を行い、凍結乾燥し、そして水に溶解させて107μg/mLの濃度と
した。ファージライブラリーの生産
ファージライブラリーは、アミノ末端と繊維状ファージpIII蛋白との融合
物としてのペプチドをランダムに発現するように設計された。典型的には、ファ
ージ粒子あたり3〜5コピーが存在し、弱い/中間のアフィニティーリガンドの
単離を可能とするものであった。
(Smith,G.P.及びScott,J.K.,Methods Enz
ymol,,217:228(1993))に記載のビオチン化プライマーを用
いて、セリン又はシステインで挟まれた、ランダムに10残基が挿入されたもの
をコードするDNA(S/C−X10−S/C)(配列番号:20)を、85残基
のオリゴヌクレオチドのPCRによって調製した(Smith,G.,“Clo
ning in Fuse vectors”,Division of Bi
ological Sciences,University of Miss
ouri(1992年2月10日版))。
挿入物のデザインは:NH2−A−D−G−A−S/C−X10−S/C−G−
A−G−A−PIII(配列番号:3)であった。
85残基のオリゴヌクレオチド:
ここで、SはC/G
NはA/T/C/G
(等モル混合物)
PCR産物の精製、そしてBgl Iでの切断後、ストレプトアビジンで被覆し
たアガロースビーズ(ピアース)を用いてその末端部分を除去した。次いで、P
CR産物をエタノールで沈殿させ、そしてポリアクリルアミドゲル上での電気泳
動によって分析に付した。
ランダムPCR産物の、Sfi I−カットFuse5ベクターへのライゲー
ションにより、このライブラリーを作製した。ライゲーションの後、反応混合物
をフェノール及びクロロフォルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、そして10
mMトリス/1m mM EDTA(pH8.0)に溶解させた。次いで、バイ
オーラッド大腸菌パルサーと0.1cmのキュベットを用いて、MC1061細
胞(バイオラッド)のエレクトロコンピテントセルにライゲーション産物を移し
た。非制限的に1時間培養した後、テトラサイクリンを含有するプレート上に形
質転換された細胞の一部を載せて形質転換の効率性を調べ、3.6×108個の
形質転換体の初期ライブラリーを得た。次いで、形質転換混合物を希釈し、20
μg/mLのテトラサイクリンを含む400mLのLBで培養し、さらに14時
間培養した。ポリエチレングリコール(PEG)により、上記の培養上清を連続
して2回沈殿させてファージのストックを調製した。最終的に、このファージの
ストックを、トリスで緩衝能を付与した塩溶液/NaN3に再懸濁させ、K91
−kan細胞(A21)の感染により力価を測定し、総計2.8×1011の形質
転換単位を得た。個々のクローンの配列を調べることにより、挿入の不規則性を
確認した。次いで、4×1010の形質転換単位を用いてK91−kan細胞に感
染させ、ライブラリーを増幅した。18時間後、PEGによる沈殿を3回繰り返
してファージを精製し、TBS/NaN3中に10mLの増幅されたファージラ
イブラリーを得た(1.2−1012形質転換単位/mL)。1)レクチンである
コンカナバリンA(ConA)(Oldenburg,K.R.ら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,89:5393(1992);Scot
t,J.K.ら,同上,5398;2)マウスMHCクラスIのH鎖に対する二
種のマウスモノクローナル抗体;及び3)Src SH3ドメインの細菌による
発現物、と相互作用する挿入物を発現するファージを選択することによって、ラ
イブラリーの品質を確認した。全てのスクリーニングは、予想された結果を示し
た。ConAでのスクリーニング
3回目の後
ファージライブラリーのスクリーニング
D−SH3ドメインと一連のペプチド配列、これらの配列はL−SH3−結合
性配列とは明確な類似性を示さない、を用いて、ファージ提示物のスクリーニン
グを行い、単離した(表1参照)。
底が平らな96ウェル高結合性E.I.A./R.I.A.プレート(コスタ
ー)のシングルウェルを、100μLの100mM NaHCO3中に10μg
のストレプトアビジン(ピアース)によって、4℃で一晩被覆した。水で一回洗
浄した後、ウェルを100μL(10.7μg)のビオチン化(D)−SH3と
共に、20℃で1時間インキュベーションを行い、30mg/mLの透析処理済
みウシ血清アルブミン(BSA)の100mM NaHCO3溶液で2時間ブロ
ッキング処理を行い、そして再び100μL(10.7μg)のビオチン化(D
)−SH3と共に1時間インキュベーションを行った。5mMのビオチンの、ト
リスで緩衝能を付与した塩溶液(TBS)を8μL添加して30分間、リガンド
が結合していないストレプトアビジンのブロッキングを行った。次いで、リン酸
で緩衝能を付与した塩溶液(PBS)と0.1%Tween−20でウェルを5
回洗浄し、50μLのTBS/NaN3中のファージストックと、50μLのT
BS、0.1%Tween−20、1mg/mL BSA及び0.05%NaN3
とで一晩インキュベーションを行った。次いで、選択の手順が後の回になると
インキュベーションの時間が長くなるという状況下で、200μLのTBS、0
.1%Tween−20、1mg/mL BSAを6回添加してウェルを洗浄し
た。次いで、100μLのD−SH3リガンドペプチド、配列はD−YGGRE
LPPLPRF−アミド(配列番号:2)、(715μM)を添加し、4℃で1
5分間、ペプチドの終濃度が700〜1000μMとすることによってファージ
粒子と結合した(D)−SH3を溶出した。このスクリーニングでのファージの
酸による溶出により、D−SH3で被覆されたウェルに対する選択的な結合性は
、4回目の選択後では検出できない。次いで、この溶出物をK91−kan細胞
への感染に使用した。100μLの溶出物を、(上記で調製された)100μL
のK91テリフィックブロス細胞と軽く混合し、室温で20分間インキュベーシ
ョンを行った。次いで、この混合物を、20mLのLB/0.2μg/mLテト
ラサイクリンが入った三角フラスコに移した。37℃で1時間、振とうしつつイ
ンキュベーションを行い、テトラサイクリンを終濃度が20μg/mLとなるよ
うに添加し、適当に希釈したものをテトラサイクリン含有プレート(20μg/
mL)上に広げて溶出物の力価を調べ、そして培養物を37℃で12〜16時間
インキュベーションを行った。2回のPEGによる沈殿により、上清からファー
ジを単離し、そして得られるファージストックを、力価から収量を求めるために
、及び続く選択の回のために使用した。第4回目の選択において、ファージをD
−SH3ドメインで被覆されたウェル内又は被覆されていないウェル内でインキ
ュベーションを行い、捕捉の特異性を求めた。洗浄条件及び異なる選択回での収
量は、次のようであった:
これらのデータから、1)洗浄条件が明らかに厳しくなるにも関わらず、収量が
増加することから、後の回ほど、より強固に結合するファージが選択される、そ
して2)このドメインに対する基質とインキュベーションを行うことで溶出され
ることから、そしてさらに重要な理由としては、4回目でのファージ粒子の回収
が、D−SH3ドメインの存在下では非存在下に比べて20倍以上高いこと(回
収はD−SH3ドメインで被覆されたプレートからより高いものである)から、
この結合はD−SH3ドメインに対して特異的である、ということが明らかとな
った。極めて多くのファージ粒子が、D−SH3ドメイン非存在下よりも存在下
で保持された。
(D)−SH3ドメインがこのライブラリーのスクリーニングに用いられた場
合、一連のペプチドが単離され、3つのクラスに分けられた。(D)−YGGR
ELPPLPRFペプチド(配列番号:2)で溶出されることから、これらのペ
プチドは全てSH3ドメインの基質結合部位と相互作用する。驚くことには、全
てのペプチドは一対のシステイン残基と、(L)−SH3ドメインと相互作用す
るポリプロリンペプチドでは認められない特性とを有していた。このジスルフィ
ド結合は、可能なコンフォマーの総数を減少させることにより、これらのペプチ
ドの(D)−SH3ドメインへのアフィニティを高めるらしい。I群及びIII
群のペプチドは、SH3ドメインのアスパラギン酸99との塩橋を形成し得るア
ルギニンを少なくとも1残基有し、そしてSrc−結合性ポリプロリンペプチド
のアルギニ残基と相互作用する(Feng,S.ら,Science 266:
1241(1994))。
I群とIII群の異なるメンバー間の保存残基を太字で示し、半保存残基を下
線で示す。I群とIII群のすべてのメンバーに対して、システイン残基に対す
る保存残基の位置が保存されていることに注目せよ。(D)−Src SH3ド
メインへの結合について4〜5回めの選択後、すべての3群の挿入物を提示する
個々のファージクローンを分析した。すべてのクローンは、対照ウエルに比べて
少なくとも150倍以上、0.5μgのストレプトアビジンと1.3μgのSr
c SH3ドメインで被覆したウエルに結合する。低ストリンジェンシー及び高
ストリンジェンシーの両方のスクリーニングで、4回めの選択後、個々のコロニ
ーを分析した。高ストリンジェンシー及び低ストリンジェンシーの両方のスクリ
ーニングは、同一の初回の選択に基づいていた。高ストリンジェンシー及び低ス
トリンジェンシーの両方のスクリーニング間の相違は、ウエルに被覆するために
使用した(D)−Src SH3の濃度が2倍低いこと、プレート上でのファー
ジのインキュベーション時間が短いこと(16時間から1時間へ)及びプレート
の6回の洗浄のインキュベーション時間が長いこと(低ストリンジェンシースク
リーニング:2、3及び4回め、各3分、5分及び10分;高ストリンジェンシ
ー:2〜4回め、すべて10分のインキュベーション)を含むものである。
L−SH3ドメインを用いるファージの提示も評価した。(L)−SH3ドメ
インを用いて、配列の相互作用に対してファージライブラリー(A12)をスク
リーニングするとき、他者により発見されたポリプロリン配列が単離される(
結果は以下のとおりであり、提示が働くことが示された:
おとり
4回めの後
GCN4ロイシンジッパー: 短い(33残基)が、低い蓋然性
c−Src SH−3ドメイン:60残基、ペプチドと結合
(タイプII ポリPro)
GCN4ロイシンジッパー: 前向きに合成、5回めの後予想されるCD
+/−ジッパーの回収に相違なし
59個の独立クローンを試験、+/−ジッパー
に相違なし
Src SH3ドメイン: Src(L−)SH3は立体特異的様式で基質
に結合する
Src(L−)SH3はライブラリーからポリ
Pro配列を選択する
L−SH3ドメインを用いる4回めの選択後、少数の単離物の配列分析により
、以下の2つのペプチド配列が明らかになった:CLARSRLPAIPS(配
列番号:10)(9個の単離物)及びSRMSPLVPLRNS(配列番号:2
1)(1個の単離物)。これらのペプチドの配列は、SH3ドメインのクラスI
及びクラスIIリガンドに対して記載されているものと一致した特徴を有する(
単ファージクローンの分析
より精密にこの相互作用の特異性を分析するために、4回の選択後に得られた
6個のクローンをLB/20μg/mlのテトラサイクリン中で生育した。ファ
ージ粒子をPEG沈殿により1.3mlの上清から単離し、500 5μlTB
S中に再懸濁し、推定濃度6.5×1010形質転換単位/mlを得た。0.2μ
1部分(約1.3×107TU)を前述したようにコートされているが、10μ
lではなく0.5のストレプタヴィジン(streptavidin)を有し、
1.3μg D−SH3を有するまたは有しないウェルにおいて50μlのTB
S/0.1% ツイーン20/1 mg/ml BSA中でインキュベートした
。ファージと共にインキュベーションした後、非結合ファージを6(3分)で取
り除き、150μlのTBS/0.1% ツイーン20/1 mg/ml BS
Aを用いて洗浄した。結合ファージ粒子を、次に40μlグリシネシンHCl
pH2.2/1mg/ml BSAを用いて4℃、10分間で溶出した。溶出物
を、次に中性PHに持っていき、前述したようにK91カン(kan)細胞に滴
定した。
4および5回の選択の後、個々のクローンを分析した。次の回に、洗浄間のイ
ンキュベーション時間を増加した(1から5回の間に、それぞれ0、3、5、1
0および10分の時間)。4回の選択の後、29個のクローンをシークエンスし
、その中で、7個だけが表1のグループIIIにあたるものである。選択された
ファージがストレプトアビジンに結合していない、またはストレプトアビジン−
D−SH3複合体により形成されたストレプトアビジンにより形成される複合表
面に結合していないことを確認するために、5回目の選択をマトリクスとしてニ
ュートラビジン(neutravidin)(ピアス(Pierce))を用い
て行った。この5回目の選択の後のクローンの配列分析は、fdSRC−2−タ
イプの配列のみを示した。予備試験は、対応するペプチド、Pep−D2、の親
和性がPep−D1のものと似ていることを示唆する。Pep−D1は、fdS
RC−1挿入CLSGLRLGLVPC(配列番号:16)(表1)に類似し、
すべてのフランキング配列に存在しているCOOH末端アラニンを有している(
実施例2参照)。4回の選択後に得られた他のファージ単離物は、以下の2つの
配列の1つを発現した:CKRFVWRGQALC(配列番号:13)(10個
の単離物)およびCWYLGYWPGQEC(配列番号:15)(12個の単離
物)。これら配列の始まりは、様々のビオチン化結紮を用いて単離されるバック
グランドの配列に似ており(Smith,G.P.およびScott,J.K.
,Methods in Enzymol.,217:228(1993))、
以前にミオヘメリシリン(myohemerythrin)に対するモノクロー
ナル抗体を用いて単離された配列にも類似しているが、それはこの抗体に対する
認識モチーフと同様ではない(Smith,G.P.およびScott,J.K
.,Science,249:386(1990))。従って、この配列は、S
H3ドメイン以外の系においていくつかの成分と結合する見込みがある。実際、
この配列のD−アミノ酸版は、ELISAおよびNMR実験により判断すると、
L−SH3ドメインに結合できない。4回の選択の後採取した他の配列は、始ま
りの配列との限定された類似性を示し、それ以上調べられていない。実施例2
全Dアミノ酸Src SH3ドメインは、L Src SH3ドメイ ンに結合する
D−Src SH3ドメインに結合するファージ提示ペプチドの一つの鏡像で
ある、Pep−D1を示す(D)−アミノ酸ペプチド、(D)−RCLSGLR
LGLVPCA(配列番号:11、グループIII配列の代表的な配列)を合成
し、その細菌的に発現された(L)−SH3ドメインとの相互作用を試験した。
Pep−D1は、fdSRC−1挿入CLSGLRLGLVPC(配列番号:1
6)(表1)に類似し、すべてのフランキング配列に存在しているCOOH末端
アラニンを有している。最初のシステイン残基の直前にあるアルギニンをfdS
RC−3配列に観察した(表1)。分泌性および膜通過性内外の蛋白質のNH2
末端に近接したアルギニン残基およびリジン残基の存在は、蛋白質の移動に消極
的に影響を与える(Boyd,D.およびBeckwith,J.,Cell,
62:1031(1990))。さらに、ファージpIII融合体のNH2末端
部分にあるアルギニン残基に対する選択が観察された(Cunningham,
B.C.et al.,EMBO J.,13:2508(1994))。従っ
て、このクローンにおいてアラニンからアルギニンへの変異は、D−SH3ドメ
インについて挿入配列の親和性を増加し、ペプチドの溶解度を改良することがで
きた;従って、それは合成ペプチドに含まれた。親和性測定に関して、NH2末
端D−チロシンを濃度測定法についてペプチドに添加した(Edelhoch,
H.,Biochemistry,6:1948(1967)。NH2末端チロ
シンを有するおよび有しないペプチドを100mM トリス、pH8.5、1m
g/mlの濃度で48時間空気酸化した。酸化されたペプチドを、逆相HPLC
により、C18カラムおよび0.1%トリフルオロ酢酸中で水−アセトニトリル勾
配を用いて精製した。生成物の同定は、レーザー脱着質量分析により確認した。
還元型のPep−D1はこのアッセイにおいて検出可能な結合活性を示さず(
Kd>>800μM)、このことはジスルフィドの形成が効果的な結合に要求さ
れることを示している。L−SH3ドメインに対するPep−D1の親和性を競
争的な酵素結合免疫溶媒アッセイ(ELISA)により決定した。96ウェルプ
レートの一つのウェルを5μgのL−SH3ドメインでコートした(Scott
,J.K.およびSmith,G.P.,Science,249:386(1
990);Smith,G.P.およびScott,J.K.,Methods
in Enzymol.,217:228(1993))。ウェルはBSAで
ブロックされ、L−SH3−結合挿入CLARSRLPAIPS(配列番号:1
0)を発現するファージを、増加量の競争者ペプチドの存在下で10mM Na
HPO4、pH7.2、15mM NaCl、1mg/mlのBSA、0.05
% NaN3、および0.1% ツイーン20中で結合するのが可能であった。
ファージ結合はウサギM13抗体(ストラタジーン(Stratagene))
およびウサギに対するアルカリホスファターゼ標識化ヤギ抗体(ピアス)を用い
、基質としてp−ニトロフェノールホスフェートの新しい溶液を用いて定量した
。410nmの吸収はダイナテックマイクロタイタープレートリーダーを用いて
決定した。L−ペプチドリガンドYGGRELPPLPRFアミド(配列番号:
2)およびD−ペプチドリガンドPep−D1 YRCLSGLRLGLVPC
A(配列番号:22)について25mMジチオスレイトールの存在下および非存
在下で滴定曲線(3点法)を得た。Kdについての相対値を前述したように得た
(Minor,D.L.,Jr.およびKim,P.S.,Nature,36
7:660(1994))。L−ペプチドYGGRELPPLPRF−アミド(
配列番号:2)のKdを6.0μMになるように直接トリプトファン蛍光分光法
により決定した。ペプチド溶液を15mM NaClおよび10mM NaHP
O4、pH7.2中の1μM SH3溶液内に滴定した。トリプトファン蛍光を
295nm(5nmスリット幅)で励起することにより誘導し、日立F−450
0蛍光分光計を用いて発光を339nm(10nmスリット幅)で測定した。解
離定数をスキャッチャード分析により決定した。
ルブレドキシン(45アミノ酸)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロ
テアーゼ(99アミノ酸)の両方の(D)−鏡像異性体型の合成はDel Mi
lton,R.C.,et al.,Science,256:1445(19
92);Petsko,G.A.,Ibid,256:1403(1992);
Zawadzke,L.E.およびBerg,J.M.,J.Am.Chem.
Soc.,114:4002(1992);Zawadzke,L.E.および
Berg,J.M.,Proteins,16:301(1993))に述べら
れており、成功する化学合成の見込みに対するサイズ限定のため、ほとんどの蛋
白質について完全(D)−鏡像異性体型の合成が可能ではない。しかしながら、
細胞内および細胞外蛋白質の両方は、しばしば100アミノ酸以下の自律的なド
を参照)。このサイズ範囲は、流動固体相ペプチド合成技術、および化学におけ
る最近の進歩の範囲内にあり、保護されていない蛋白質フラグメントに対するラ
イゲーション戦略は、より大きな蛋白質ドメインでさえ合成することが約束され
ている。従って、興味深い蛋白質(例えば、マルチドメイン蛋白質)に対するリ
ガンドの単離を、SH3ドメインについて本明細書で述べたように、その構成ド
メインの一つの合成およびスクリーニングを通じて達成してもよい。実施例3
SH3ドメインにおけるD−ペプチドの結合部位の決定
ヘテロ核磁気共鳴(NMR)実験を、SH3ドメインにおけるこのD−ペプチ
ドの結合部位を決定するために、Pep−D1の存在下および非存在下で15N−
標識されたSH3ドメインについて行った。Pep−D1と相互作用するSH3
ドメインにおける残基を、D−ペプチドリガンドの添加した際のアミドの1Hま
たは15N化学シフトの変化を通して同定した。
その天然のL−アミノ酸リガンドに対するSH3ドメインのリガンド−結合部
位は、共に分子の1側面に相対的に浅い溝を形成する3つのポケットからなる(
)。
ポケットAは、アスパラギン酸99およびトリプトファン118の側鎖により形成さ
れており、転換されたアルギニン残基を提供し、ポケットBおよびポケットCが
SH3リガンドにおいて脂肪族残基およびプロリン残基に適応する疎水性の表面
を形成する。(
)。
均一な(≧395%)15N−標識されたSH3ドメインを、(15NH4)2SO4
を補足したM9培地液中でプラスミドpMMHb−SRC SH3を持つ大腸菌
を生育することにより得た(99.7% 15N;Isotec,Miamisb
urg,Ohio)。600nmで0.6の吸光度に達するまで、細胞を0.4
mM IPTGで4時間誘導した。蛋白質を非標識化材料について記載したよう
に精製した。スペクトルをBruker AMX500MHz NMR分光計で
集めた。共鳴割当量を標準的な方法により行い(
当量で構成した(Yu,H.et al.,FEBS LETT.,324:8
7(1993))。ペプチドPep−D1を、10mMホスフェート、pH6.
0中に15N−標識されたSH3ドメインを含む溶液に1.5:1(ペプチド:蛋
白質)の割合で298Kで添加した;ヘテロ核酸単量子結合力(HSQC)スペ
クトル(Bodenhausen,G.およびRubin,D.J.,Chem
.Phys.Lett.,69:185(1980)の非複合型および複合型を
比較した。1Hディメンジョンにおいて0.04p.p.m.より大きい、また
は15Nディメンジョンにおいて0.17p.p.m.より大きい化学シフトの違
いをもつ共鳴はなかった。しかしながら、多くの共鳴は強度において減少し、ま
たは複合体のHSQCスペクトルにおいて完全に存在しなかった。リガンド−フ
リースペクトルと比較し、有意にPep−D1結合を減少した、それらのHSQ
C共鳴の強度を有する残基は、以下の方法で同定した:個々のピークについて、
ペプチドの非存在下および存在下でピーク強度の割合を決定し、対数の尺度に置
き換えた。メジアンの周囲に得られる分布は、左に向かって顕著に歪む。メジア
ンより高い割合を持つ残基のうち90%より多くを含む窓は、メジアンより低い
化学シフトをもつ残基に適用された。メジアンより低い割合の残基およびこの窓
の内に含まれないものだけが、有意に摂動を経ると考えられた(これらの基準に
従って、メジアンのものの0.65以下に減少する割合をもつ残基のみが有意な
摂動を経ると考えられた)。これらの残基は残基94、97、112、115、
117、119、120、131、132および135、トリプトファン119の
インドール共鳴およびアスパラギン113、およびアスパラギン135の側鎖アミドを
含む。95、96、98、99、100、118および134の共鳴およびトリ
プトファン118のインドール共鳴は、リガンドの存在下では存在しなかった。L
−ペプチドYGGRELPPLPRFアミド(配列番号:2)を用いた対照実験
は、1Hディメンジョンにおいて30.1p.p.m.i以上、または15Nディメ
ンジョンにおいて30.5p.p.m.以上までシフトされた17個の共鳴を得
た(残基87、89、90、92、96、98、99、100、109、111
、114、116、119、121、131、132および135、トリプトフ
ァン119のインドール共鳴およびアスパラギン113、およびアスパラギン135の側
鎖アミド)。5個の共鳴(95、97、117、118および134)は複合体
のHSQCスペクトルに存在しなかった。Pep−D1と相互作用する残基を同
定するために選ばれるアプローチを確認するために、このアプローチがL
−ペプチドYGGRELPPLPRFアミド(配列番号:2)を用いて得られる
スペクトルに適用した。このアプローチを用いたところ、このペプチドと相互作
用するような新しい残基は同定されなかった。プロリン133の化学シフト上で結
合するペプチドの効果、それはポケットB部分を形成する、を、この型の実験で
は観察することはできなかった。
Pep−D1の結合は、近接した残基の断片と同様にポケットAを形成する残
基の化学シフトの摂動を生じる(図2C)。また、ほとんどのこれら残基は、L
−ペプチドの結合に関してこれらの化学シフトに変化を生じる(図2B)。ポケ
ットAは、D−ペプチドにおいて、L−アミノ酸リガンドにおけるアルギニン残
基の認識に対する類似体である方法で、転換されたアルギニン残基またはリジン
残基と相互作用する可能性がある。L−およびD−アミノ酸リガンド両方とこの
部位の相互作用は、これら2つのリガンドの結合について観察された競争を説明
する。
Pep−D1は、SH3ドメインについてポリプロリン型リガンドにより接触
される結合部位の部分のみを占めていることが明らかである(図3)。ポケット
BおよびポケットC部分を形成する残基(チロシン90およびチロシン92)、また
はこのポケットに近接した残基(バリン87およびロイシン89)はPep−D1の
結合に摂動を生じる(図2および3)。変異分析は、L−アミノ酸リガンドにつ
いて、これらの部位での相互作用が高親和性結合に必要であることを示唆する(
Feng,S.et al.,Science,266:1241(1994)
。従って、高親和性のD−ペプチド阻害剤を、さらに溝に沿ってSH3ドメイン
のポケットC内に拡大するPep−D1またはPep−D2(表1)の類似体の
設計または選択により、潜在的に得ることができた。実施例4
高度に濃縮したライブラリーを設計するためのD−アミノ酸ペプチド リガンドの使用
ランダムな合成ライブラリーは、与えられた標的に対して高親和性リガンドの
単離を常に可能にするための十分な構造空間をカバーしていない。より可能性が
ある戦略は、興味深い標的と相互作用することが知られている構造成分の傾向が
あるライブラリーを使用することである。特に、本明細書で述べられた戦略を用
いて単離される与えられた標的と相互作用するD−アミノ酸ペプチド配列は、傾
向のある(D)−アミノ酸ペプチドおよびペプチド基礎ライブラリーの設計につ
いてのガイドラインとして使用される。これらの傾向のあるライブラリーは次に
、新規なリガンドの単離に利用される。例えば、SH3ドメインについて3つの
クラスの(D)−アミノ酸ペプチドリガンド(実施例2)は、SH3結合ペプチ
ドまたはペプチド類似物を高度に濃縮するよう(D)−アミノ酸ペプチド−基礎
ライブラリーを設計するのに有用である。かかるライブラリーはSH3ドメイン
に結合するペプチドを同定するのに有用であり、それらがSH3ドメインに結合
することが知られているペプチドの(ある高められた割合を持つ)傾向があるの
で特に有用である。(L)−アミノ酸ペプチドと相互作用するすべてのSH3ド
メインは、相似した構造成分をもつリガンドに結合するか調べた。また、SH3
ドメインに対する(D)−アミノ酸リガンドの構造に基づく合成ライブラリーは
、他のSH3ドメインに対するリガンドに富む。SH3ドメインに対する(D)
−アミノ酸リガンドの構造に基づく傾向のあるライブラリーは、様々なSH3ド
メインに対するリガンドの単離に有用である。
例えば、以下のように、(D)−SH3ドメインに結合することを示すような
実施例2で述べられる3クラスのペプチドのアミノ酸配列に基づいて、傾向のあ
るライブラリーを構成する。ライブラリーの約80%のD−アミノ酸ペプチドが
転換されたアミノ酸残基を有し、ライブラリーの約20%のD−アミノ酸ペプチ
ドが転換されたアミノ酸残基を有しないように、D−アミノ酸の化学ペプチドラ
イブラリーを調製する。
従って、(D)−SH3ドメインに結合することが知られる一般的な構造のペ
プチドを有するペプチドについてかなり傾向がある(例えば、80%)ライブラ
リーは、転換された構造を有し、他のSH3ドメイン(例えば、ヒト)と結合す
る他のD−アミノ酸ペプチドを単離するのに用いることができる。さらに、転換
アミノ酸残基が変えられ(例えば、D−アミノ酸ペプチドの20%から)、同量
のまたはより大きい親和性をもつSH3ドメインに結合するような、D−アミノ
酸ペプチドを単離することができる。実施例5
鏡像異性体DNA性バソプレッシン阻害剤の鏡像選択
従来の固相ペプチド合成法を用いて、バソプレッシンを調製した。
ペプチドホルモンL−バソプレッシンのアンタゴニストを生じる最初の段階で
、合成D−バソプレッシン(DVP)に結合する一本鎖DNA(ssDNAs)
を単離するために、インビトロ選択を用いた。1016個の異なる96マー(96
−mers)の開始プールをDNA合成機で合成した。各プールの分子は、60
のランダム配列部位をもつ中心領域を含み、それは2つの18−nt定義領域と
接していた。DVPと結合するこの開始プール内の分子を、アフィニティクロマ
トグラフィーにより濃縮した。ストレプトアビジンアガロースにビオチン化した
DVPをカップリングすることにより、アフィニティ樹脂を調製した。ssDN
Aプールを放射線標識し、変性し、生理的緩衝液中で復元し、この樹脂に通した
。カラムを広範囲に洗浄した後、DVPに結合する分子を1モーラー過剰なDV
Pを用いてカラムから溶出した。負鎖「プライマー−ターミネーター」、即ち、
正鎖がさらに延びるのをブロックする非ヌクレオチド性物質の中心のセグメント
に有するオリゴヌクレオチドを用いてPCRにより、溶出プールを増幅した(
)。
かかるPCRにより、2つの生成鎖間の実質的なサイズの違いを生じさせ、正鎖
ssDNAプールのゲル精製を容易にする。このアフィニティクロマトグラフィ
ーとPCRの組み合わせは、選択増幅の一つのサイクルを構成した。
選択増幅サイクルを13回繰り返した後、プールをクローン化した。56のク
ローンの分析は、96.2および96.4の2つの異なる配列のみを示した。正
ssDNAの各配列はDVPに結合し、両方は非常によく似た二次構造を形成す
る可能性をもつ。一連の欠失変異のアフィニティクロマトグラフィー研究は、親
の配列よりむしろDVPに結合するのが明らかな一つ、69.1、を同定した。
このアプタマー(aptamer)は、L−バソプレッシンによりDVP樹脂か
ら溶出されない。
96.2
96.4
69.1
D−バソプレッシンアプタマー。2つの原型のアプタマーに分割される配列ブ
ロックは、大文字で示されている。ランダム配列領域に接する定義された配列セ
グメントを太字で示している。最終プールの2つの配列により分割されているラ
ンダム配列部位由来のセグメントは、輪郭で示されている。69.1アプタマー
は、96.4の欠損誘導体である。
選択反射手法を完成させるために必要な情報は、前述されている。鏡像異性−
デオキシリボースホスホロアミダイトを用いる69.1配列の合成により、天然
のバソプレッシンに結合するが、ヌクレアーゼ分解を受けにくいアプタマーを得
る。しかしながら、かかるアプタマーを合成する前に、69.1配列に基づく縮
重配列セットを用いて開始する第2の選択実験を行なうことが可能である。この
ことにより、高親和性でDVPと結合する配列変異体を単離することが可能であ
る。この第2の選択からのデータは、さらなる欠失実験を導く信頼性のある二次
構造モデルをも提供し、サイズがより小さく活性がより高い最終DVPアプタマ
ーを得る。このヌクレアーゼ耐性アプタマーを、in vitroでリガンドと
して試験し、in vivoでバソプレッシンのアンタゴニストとして試験する
。均等物
当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に記載された発明の
具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することができるであ
ろう。かかる均等物は下記クレームの範疇に含まれるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 60/001,067
(32)優先日 1995年7月11日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/627,497
(32)優先日 1996年3月28日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),CA,JP,US
(72)発明者 キム,ピーター エス.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ
02173 レキシントン,ミドルバイ ロー
ド 4
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.下記工程を含む、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然の左右像の高 分子の製造方法: a)標的高分子又はそのドメイン特性を有するものの鏡像異性体を提供する工程 ; b)天然の左右像の高分子ライブラリーを提供する工程; c)該ライブラリー中の天然の左右像の高分子と工程a)の鏡像異性体との結合 に適した条件下で、工程b)のライブラリーを工程a)の鏡像異性体と接触させ る工程、それにより工程a)の鏡像異性体が、該ライブラリー中に存在する天然 の左右像の高分子と結合する工程;及び d)工程a)の鏡像異性体に結合する天然の左右像の高分子の鏡像異性体を製造 する工程、 ここで、工程d)の鏡像異性体は、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然 の左右像の高分子である。 2.下記工程を含む、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然の左右像の高 分子の製造方法: a)標的高分子又はそのドメイン特性を有するものの鏡像異性体を提供する工程 ; b)天然の左右像の高分子ライブラリーを提供する工程; c)該ライブラリー中の天然の左右像の高分子と工程a)の鏡像異性体との結合 に適した条件下で、工程b)のライブラリーを工程a)の鏡像異性体と接触させ る工程;それにより工程a)の鏡像異性体が、該ライブラリー中に存在する天然 の左右像の高分子と結合する工程; d)工程a)の鏡像異性体に結合する高分子を同定する工程; e)工程d)で同定した天然の左右像の高分子の配列を決定する工程;及び e)工程d)で同定した高分子又はそのドメイン特性を有するものの鏡像異性体 である非天然の左右像の高分子を製造する工程、 ここで、工程e)の鏡像異性体は、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然 の左右像の高分子である。 3.該標的高分子が蛋白質である請求項2記載の方法。 4.該蛋白質が、バソプレッシン、インターロイキン−8、トロンボモデュリン EGF様ドメイン、GPIIb−IIIa細胞質ドメイン、ファクターVIIa GLAドメイン、ファクターIX EGF様ドメイン、HIVプロテアーゼ、N H2末端SH3ドメインGRB2、COOH末端SH3ドメインGRB2、P1 20GAPSH3ドメイン、血管透過性因子及び血管内皮成長因子からなる群より 選ばれたものである請求項3記載の方法。 5.該標的高分子が、オリゴヌクレオチドである請求項2記載の方法。 6.該オリゴヌクレオチドが、HIV RRE、HIV Tar及びBCR−A B1融合DNA配列からなる群より選ばれたものである請求項5記載の方法。 7.下記工程を含む、標的L高分子に結合するDアミノ酸ペプチドの製造方法: a)標的L高分子又はそのドメイン特性を有するもののDアミノ酸ペプチドを提 供する工程; b)Lアミノ酸ペプチドのライブラリーを提供する工程; c)該ライブラリー中のLアミノ酸ペプチドと工程a)のDアミノ酸ペプチドと の結合に適した条件下で、工程b)のライブラリーを工程a)のDアミノ酸ペプ チドと接触させ、それにより工程a)のペプチドが、該ライブラリー中に存在す るLアミノ酸ペプチドと結合する工程; d)工程a)のDアミノ酸ペプチドに結合するLアミノ酸ペプチドを同定する工 程; e)工程d)で同定したLアミノ酸ペプチドの配列を決定する工程;及び e)工程d)で同定したLアミノ酸ペプチド又はそのドメイン特性を有するもの のDアミノ酸ペプチドを製造する工程、 ここで、工程e)のDアミノ酸ペプチドは、標的L高分子に結合する。 8.該ペプチドが、バソプレッシン、インターロイキン−8、トロンボモデュリ ンEGF様ドメイン、GPIIb−IIIa細胞質ドメイン、ファクターVIIa GLAドメイン、ファクターIX EGF様ドメイン、HIVプロテアーゼ、 NH2末端SH3ドメインGRB2、COOH末端SH3ドメインGRB2、P 120GAPSH3ドメイン、血管透過性因子及び血管内皮成長因子からなる群よ り選ばれたものである請求項7記載の方法。 9.下記工程を含む、標的L高分子に結合するLオリゴヌクレオチドの製造方法 : a)標的L高分子又はそのドメイン特性を有するもののDアミノ酸ペプチドを提 供する工程; b)Dオリゴヌクレオチドのライブラリーを提供する工程; c)該ライブラリー中のDオリゴヌクレオチドと工程a)のDアミノ酸ペプチド との結合に適した条件下で、工程b)のライブラリーを工程a)のDアミノ酸ペ プチドと接触させ、それにより工程a)のペプチドが、該ライブラリー中に存在 するDオリゴヌクレオチドと結合する工程; d)工程a)のDアミノ酸ペプチドに結合するDオリゴヌクレオチドを同定する 工程; e)工程d)で同定したDオリゴヌクレオチドの配列を決定する工程;及び e)工程d)で同定したDオリゴヌクレオチド又はそのドメイン特性を有するも ののLオリゴヌクレオチドを製造する工程、 ここで、工程e)のLオリゴヌクレオチドは、標的L高分子に結合する。 10.該高分子が、バソプレッシン、インターロイキン−8、トロンボモデュリ ンEGF様ドメイン、GPIIb−IIIa細胞質ドメイン、ファクターVIIa GLAドメイン、ファクターIX EGF様ドメイン、HIVプロテアーゼ、 NH2末端SH3ドメインGRB2、COOH末端SH3ドメインGRB2、P 120GAPSH3ドメイン、血管透過性因子及び血管内皮成長因子からなる群よ り選ばれたものである請求項9記載の方法。 11.下記工程を含む、目的のDアミノ酸ペプチドと結合するLアミノ酸ペプチ ドの同定方法: a)ファージの表面に提示されるLアミノ酸ペプチドを含むファージ提示ライブ ラリーを提供する工程; b)ファージの表面に提示されるLアミノ酸ペプチドと目的のDアミノ酸ペプチ ドとの結合に適した条件下で、工程a)のファージ提示ライブラリーを目的のD アミノ酸ペプチドと接触させる工程、;及び c)目的のDアミノ酸ペプチドが、該表面に提示されたLアミノ酸ペプチドに結 合する表面上でファージを同定する工程、それによりDアミノ酸ペプチド−提示 Lアミノ酸ペプチド複合体を製造する工程、 ここで、提示されたLアミノ酸ペプチドは、目的のDアミノ酸ペプチドと結合す るLアミノ酸ペプチドである。 12.同定された該Lアミノ酸に対応するDアミノ酸ペプチドを作製する工程を さらに含み、かつ、下記工程をさらに含む請求項11記載の方法: d)ファージの表面に提示されたLアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列を決定する 工程;及び e)工程d)で決定したLアミノ酸ペプチドのアミノ酸配列に対応するDアミノ 酸ペプチドを合成する工程、 それにより、該表面に提示されたLアミノ酸ペプチドに対応するDアミノ酸ペプ チドを製造する工程。 13.ファージの表面に提示されたLアミノ酸ペプチドが、src SH3ドメ インのDアミノ酸ペプチドと結合する請求項11記載の方法。 14.src SH3ドメインと結合する合成アミノ酸ペプチド。 15.src SH3ドメインの全体又は一部に対応する合成Dアミノ酸ペプチ ド。 16.細胞内シグナル蛋白質のドメインと結合する合成Dアミノ酸ペプチド。 17.下記工程を含む、目的のLアミノ酸ペプチドと結合するL核酸配列を得る 方法: a)D核酸配列のコレクションを提供する工程; b)D核酸配列と目的のDアミノ酸ペプチドとの結合に適した条件下で、工程a )のD核酸配列と目的のDアミノ酸ペプチドと接触させる工程; c)Dアミノ酸ペプチドに結合するD核酸配列を単離する工程; d)工程c)のD核酸配列のヌクレオチド配列を決定する工程;及び e)Lヌクレオチドを用いて、工程d)のヌクレオチド配列を有する核酸配列を 調製する工程、 ここで、工程e)の核酸配列は、Lアミノ酸ペプチドと結合するL核酸配列であ る。 18.請求項7記載の方法により同定されたDアミノ酸ペプチド。 19.請求項9記載の方法により同定されたLオリゴヌクレオチド。 20.天然の左右像の標的高分子に結合し、該標的高分子が、蛋白質、オリゴヌ クレオチド及びリン脂質からなる群より選ばれた請求項1記載の方法により製造 された非天然の左右像の高分子。 21.標的高分子に結合し、該標的高分子が、細胞内シグナル蛋白質及びそのド メイン;ケモカイン;サイトカイン;酵素;成長因子;成長因子受容体及びその ドメイン;転写因子及びそのドメイン並びにホルモンからなる群より選ばれた蛋 白質である請求項20記載の非天然の左右像の高分子。 22.該標的高分子が、SH3ドメイン;SH2ドメイン;PHドメイン;α− ケモカイン;β−ケモカイン;IL−1;TNF;リンホトキシン−α;IL− 1β;IL−6;M−CSF;TGF;プロテインキナーゼC;ホスホリパーゼ C;ホスホリパーゼD;PDGFファミリー、EGFファミリー、FGFファミ リー、IGFファミリー、HGFファミリー、VEGFファミリー、ニューロト ロフィンファミリー、Ephファミリー、クラスIサイトカインファミリー、G Hファミリー、IL−3ファミリー、IL−6ファミリー、IL−2ファミリー 、クラスIIサイトカインファミリー若しくはTNFファミリーにおける成長因 子及び成長因子受容体;プロテインキナーゼ;プロテインホスファターゼ;サイ クリン;Cdc蛋白質;Etsドメイン;bZIP;relホモロジードメイン ;STATs;NF−ATs;TCF;Fos;JAKs;ヒトCD2;ヒトC D58;ヒトエンドセリン;ヘレグリン(heregulin)−α;ヒトインターロイキ ン−1β変換酵素;ヒトマクロファージ炎症性蛋白質1−β;プレーテット(pla tet)ファクター4;ヒトメラノーマ成長刺激活性,GRO/メラノーマ成長刺激 活性;MHC分子;細菌のムラミダーゼ;クリングルドメイン;ras;ras −GAP;セレクション(selection);プレクストリン(Pleckstrin)ホモロジ ードメイン;ストロメリシン(stromelysin);トロンビン;組織因子;カルモジ ュリン;CD4;コラーゲナーゼ;ジヒドロフォレート還元酵素;フィブロネク チン;フィブロネクチンタイプIIIモジュール;G蛋白質サブユニット;バソ プレッシン;ファクターIX GLAドメイン;因子;インターロイキン−8; トロンボモジュリンEGF様ドメイン;GPIIb−IIIa細胞質ドメイン;フ ァクターVIIa GLAドメイン;ファクターIX EGF様ドメイン;ヒト 免疫不全ウイルス(HIV)蛋白質;NH2末端SH3ドメインGRB2;CO OH末端SH3ドメインGRB2;P120GAPSH3ドメイン;血管透過性因 子及び血管内皮成長因子からなる群より選ばれたものである、請求項21記載の 非天然の左右像の高分子。 23.標的高分子に結合し、該標的高分子がHIV RRE;HIV Tar; 及びBCR−AB1融合DNA配列からなる群より選ばれたオリゴヌクレオチド である請求項20記載の非天然の左右像の高分子。 24.標的高分子に結合し、該標的高分子がホスホイノシチド;ホスホイノシチ ダーゼC;ホスホイノシチド 3−キナーゼ;ホスファチジルイノシトール;ホ スファチジルイノシトール 3−ホスフェート;ホスファチジルイノシトール( 4,5)ビスホスフェート;ホスファチジルイノシトール(3,4,5)トリホ スフェート;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスフ ァチジン酸;イノシトール(1,4)ビスホスフェート;イノシトール(1,4 ,5)トリホスフェート;ジアシルグリセロール;スフィンゴシン;スフィンゴ シンホスフェート;スフィンゴシンホスホコリン及びセラミドからなる群より選 ばれたリン脂質である、請求項20記載の非天然の左右像の高分子。 25.天然の左右像の標的高分子に結合し、該標的高分子が蛋白質、オリゴヌク レオチド及びリン脂質からなる群より選ばれたものである、請求項7記載の方法 により製造された非天然の左右像の高分子。 26.標的高分子に結合し、該標的高分子が細胞内シグナル蛋白質及びそのドメ イン;ケモカイン;サイトカイン;酵素;成長因子;成長因子受容体及びそのド メイン;転写因子及びそのドメイン;並びにホルモンからなる群より選ばれた蛋 白質である、請求項25記載の非天然の左右像の高分子。 27.該標的高分子が、SH3ドメイン;SH2ドメイン;PHドメイン;α− ケモカイン;β−ケモカイン;IL−1;TNF;リンホトキシン−α;IL− 1β;IL−6;M−CSF;TGF;プロテインキナーゼC;ホスホリパーゼ C;ホスホリパーゼD;PDGFファミリー、EGFファミリー、FGFファミ リー、IGFファミリー、HGFファミリー、VEGFファミリー、ニューロト ロフィンファミリー、Ephファミリー、クラスIサイトカインファミリー、G Hファミリー、IL−3ファミリー、IL−6ファミリー、IL−2ファミリー 、クラスIIサイトカインファミリー若しくはTNFファミリーにおける成長因 子及び成長因子受容体;プロテインキナーゼ;プロテインホスファターゼ;サイ クリン;Cdc蛋白質;Etsドメイン;bZIP;relホモロジードメイン ;STATs;NF−ATs;TCF;Fos;JAKs;ヒトCD2;ヒトC D58;ヒトエンドセリン;ヘレグリン(heregulin)−α;ヒトインターロイキ ン−1β変換酵素;ヒトマクロファージ炎症性蛋白質1−β;プレーテット(pla tet)ファクター4;ヒトメラノーマ成長刺激活性;GRO/メラノーマ成長刺激 活性;MHC分子;細菌のムラミダーゼ;クリングルドメイン;ras;ras −GAP;セレクション(selection);プレクストリン(Pleckstrin )ホモロジー ドメイン;ストロメリシン(stromelysin);トロンビン;組織因子;カルモジュ リン;CD4;コラーゲナーゼ;ジヒドロフォレート還元酵素;フィブロネクチ ン;フィブロネクチンタイプIIIモジュール;G蛋白質サブユニット;バソプ レッシン;ファクターIX GLAドメイン;因子;インターロイキン−8;ト ロンボモジュリンEGF様ドメイン;GPIIb−IIIa細胞質ドメイン;ファ クターVIIa GLAドメイン;ファクターIX EGF様ドメイン;ヒト免 疫不全ウイルス(HIV)蛋白質;NH2末端SH3ドメインGRB2;COO H末端SH3ドメインGRB2;P120GAPSH3ドメイン;血管透過性因子 及び血管内皮成長因子からなる群より選ばれたものである、請求項26記載の非 天然の左右像の高分子。 28.標的高分子に結合し、該標的高分子が、HIV RRE;HIV Tar ;及びBCR−AB1融合DNA配列からなる群より選ばれたオリゴヌクレオチ ドである、請求項25記載の非天然の左右像の高分子。 29.標的高分子に結合し、該標的高分子がホスホイノシチド;ホスホイノシチ ダーゼC;ホスホイノシチド 3−キナーゼ;ホスファチジルイノシトール;ホ スファチジルイノシトール 3−ホスフェート;ホスファチジルイノシトール( 4,5)ビスホスフェート;ホスファチジルイノシトール(3,4,5)トリホ スフェート;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスフ ァチジン酸;イノシトール(1,4)ビスホスフェート;イノシトール(1,4 ,5)トリホスフェート;ジアシルグリセロール;スフィンゴシン;スフィンゴ シンホスフェート;スフィンゴシンホスホコリン及びセラミドからなる群より選 ばれたリン脂質である、請求項25記載の非天然の左右像の高分子。 30.該標的高分子が、バソプレッシンである請求項9記載の方法。 31.該標的高分子に結合するLオリゴヌクレオチドが、配列番号:23、配列 番号:234及び配列番号:25からなる群より選ばれたものである、請求項3 0記載の方法。 32.下記工程を含む、天然の左右像の標的高分子に結合する非天然の左右像の 高分子誘導体の製造方法: a)天然の左右像の標的高分子に結合する非天然の左右像の高分子を製造する工 程; b)標的高分子又はそのドメイン特性を有するものの鏡像異性体を提供する工程 ; c)天然の左右像の高分子のライブラリーを提供する工程; d)該ライブラリー中の天然の左右像の高分子と工程b)の鏡像異性体との結合 に適した条件下で、工程c)のライブラリーと工程b)の鏡像異性体とを接触さ せ、それにより、工程b)の鏡像異性体が、該ライブラリー中に存在する天然の 左右像の高分子と結合する工程; e)工程b)の鏡像異性体に結合する天然の左右像の高分子の鏡像異性体を製造 する工程、ここで、工程e)の鏡像異性体は、天然の左右像の標的高分子に結合 する非天然の左右像の高分子である;及び f)工程e)の非天然の左右像の高分子誘導体を製造する工程。 33.請求項20記載の方法により得られうる誘導体。
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