JPH11354858A - 圧電トランスの製造方法 - Google Patents
圧電トランスの製造方法Info
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- JPH11354858A JPH11354858A JP17663198A JP17663198A JPH11354858A JP H11354858 A JPH11354858 A JP H11354858A JP 17663198 A JP17663198 A JP 17663198A JP 17663198 A JP17663198 A JP 17663198A JP H11354858 A JPH11354858 A JP H11354858A
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- piezoelectric
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の分極領域が形成された圧電トランスが
駆動されることによって生じる割れを防ぐための工程を
提供する。 【解決手段】 焼成体10が複数個に切断されて作製さ
れたユニット20の側面部40をサンドペーパーで研磨
する。ユニット20の一方において、その表裏両主面に
一次電極30を設け、一次電極30間を厚み方向に分極
処理する。ついで、ユニット20の他方端面に二次電極
31を設け、一次電極30と二次電極31間を長さ方向
に分極処理する。
駆動されることによって生じる割れを防ぐための工程を
提供する。 【解決手段】 焼成体10が複数個に切断されて作製さ
れたユニット20の側面部40をサンドペーパーで研磨
する。ユニット20の一方において、その表裏両主面に
一次電極30を設け、一次電極30間を厚み方向に分極
処理する。ついで、ユニット20の他方端面に二次電極
31を設け、一次電極30と二次電極31間を長さ方向
に分極処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイのバ
ックライトのインバータ等に利用される圧電トランスの
製造方法に関する。
ックライトのインバータ等に利用される圧電トランスの
製造方法に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】圧電トランスは小型で低消費
電力であり、高変換効率が得られる素子であるため、液
晶ディスプレイのバックライト用インバータに適してい
る。従来の圧電トランスの製造方法においては、圧電親
基板としての焼成体作製後、焼成体に圧電トランスの一
次及び二次電極を形成し、更にその焼成体を所定の圧電
トランスの大きさに切断していた。所定の大きさに切断
された圧電トランスは、複数の分極領域を持つように分
極処理される。例えばローゼン型の圧電トランスでは、
一次電極で挟まれた領域と、一次電極と二次電極の間の
領域とが異なる分極方向を有するように分極処理され
る。
電力であり、高変換効率が得られる素子であるため、液
晶ディスプレイのバックライト用インバータに適してい
る。従来の圧電トランスの製造方法においては、圧電親
基板としての焼成体作製後、焼成体に圧電トランスの一
次及び二次電極を形成し、更にその焼成体を所定の圧電
トランスの大きさに切断していた。所定の大きさに切断
された圧電トランスは、複数の分極領域を持つように分
極処理される。例えばローゼン型の圧電トランスでは、
一次電極で挟まれた領域と、一次電極と二次電極の間の
領域とが異なる分極方向を有するように分極処理され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧電トランスの
製造方法に於ては、焼成された圧電親基板を切断するこ
とによって圧電基板を得ているので、切断時の加工衝撃
(機械的な衝撃)によって圧電基板の切断面には多数の
マイクロクラックやセラミック粒の離脱等の微細な欠陥
が生じている。一方、圧電トランスでは、一次電極に挟
まれた領域と、一次電極と二次電極の間の領域とで異な
った方向に分極しているため、その境界面には結晶の歪
が発生しており、更に、圧電トランスが駆動されると当
該境界面に圧電現象によってストレスが加わるために境
界面での結晶歪が増大する。このため、この分極方向の
異なる領域の間の境界面やその近傍にマイクロクラック
やセラミック粒の離脱等が存在していると、これらの欠
陥が圧電トランスの駆動時間とともに成長し、ついには
圧電トランスのクラックが大きくなって圧電トランスが
割れることがあった。
製造方法に於ては、焼成された圧電親基板を切断するこ
とによって圧電基板を得ているので、切断時の加工衝撃
(機械的な衝撃)によって圧電基板の切断面には多数の
マイクロクラックやセラミック粒の離脱等の微細な欠陥
が生じている。一方、圧電トランスでは、一次電極に挟
まれた領域と、一次電極と二次電極の間の領域とで異な
った方向に分極しているため、その境界面には結晶の歪
が発生しており、更に、圧電トランスが駆動されると当
該境界面に圧電現象によってストレスが加わるために境
界面での結晶歪が増大する。このため、この分極方向の
異なる領域の間の境界面やその近傍にマイクロクラック
やセラミック粒の離脱等が存在していると、これらの欠
陥が圧電トランスの駆動時間とともに成長し、ついには
圧電トランスのクラックが大きくなって圧電トランスが
割れることがあった。
【0004】本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなさ
れた圧電トランスの製造方法であって、その目的とする
ところは、複数の分極領域が形成された圧電トランスが
駆動されることによって生じる割れを防ぐための工程を
得ることである。
れた圧電トランスの製造方法であって、その目的とする
ところは、複数の分極領域が形成された圧電トランスが
駆動されることによって生じる割れを防ぐための工程を
得ることである。
【0005】
【発明の開示】請求項1に記載の圧電トランスの製造方
法は、圧電材料からなる生成形体を焼成して圧電親基板
を得る焼成工程と、前記圧電親基板を所定の大きさの圧
電基板に切断する切断工程と、前記圧電基板に電極を形
成する電極形成工程と、異なる分極方向を有する複数の
分極領域が形成されるように、前記圧電基板に分極処理
を施す分極処理工程と、を備えた圧電トランスの製造方
法において、前記切断工程で作製された圧電基板の切断
面のうち、少なくとも互いに分極方向の異なる分極領域
の境界領域が露出する切断面を研磨する研磨工程を更に
備えていることを特徴とする。
法は、圧電材料からなる生成形体を焼成して圧電親基板
を得る焼成工程と、前記圧電親基板を所定の大きさの圧
電基板に切断する切断工程と、前記圧電基板に電極を形
成する電極形成工程と、異なる分極方向を有する複数の
分極領域が形成されるように、前記圧電基板に分極処理
を施す分極処理工程と、を備えた圧電トランスの製造方
法において、前記切断工程で作製された圧電基板の切断
面のうち、少なくとも互いに分極方向の異なる分極領域
の境界領域が露出する切断面を研磨する研磨工程を更に
備えていることを特徴とする。
【0006】請求項1に記載した圧電トランスの製造方
法にあっては、分極方向の異なる分極領域の境界領域が
露出する切断面を研磨しているから、研磨によって当該
切断面に発生していたマイクロクラックやセラミック粒
の離脱した部分を除去することができる。従って、圧電
トランスの駆動によって分極方向の異なる分極領域の境
界領域に機械的なストレスが加わっても、マイクロクラ
ックやセラミック粒の離脱した部分から大きなクラック
に成長し、圧電トランスが破壊されるのを防止すること
ができる。よって、本発明によれば、圧電トランスの寿
命を長くすることができる。
法にあっては、分極方向の異なる分極領域の境界領域が
露出する切断面を研磨しているから、研磨によって当該
切断面に発生していたマイクロクラックやセラミック粒
の離脱した部分を除去することができる。従って、圧電
トランスの駆動によって分極方向の異なる分極領域の境
界領域に機械的なストレスが加わっても、マイクロクラ
ックやセラミック粒の離脱した部分から大きなクラック
に成長し、圧電トランスが破壊されるのを防止すること
ができる。よって、本発明によれば、圧電トランスの寿
命を長くすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態に係るロ
ーゼン型の圧電トランスの製造方法について図1ないし
図3を参照して説明する。本実施形態に用いられる圧電
トランス材料は、ジルコン(Zn)とチタン(Ti)の
重量比率が51対49のPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)に1重量%のMnO2を添加した組成となるよう
に、酸化鉛PbO、酸化チタンTiO2、酸化ジルコン
ZrO2、酸化マンガンMnO2を調合したものである。
この様な組成で調合された圧電トランス材料はまず、直
径5mmのPSZ(Partially Stabilized Zirconia:部
分安定化ジルコニア)からなる粉砕メディアを用いて水
中で混合粉砕する。次に、混合粉砕された材料を乾燥
し、それを800℃〜900℃の温度で仮焼する。更
に、仮焼された材料にPVA系のバインダーを2〜5重
量%加えて、水中で混合する。混合された材料は再度乾
燥して、#30〜80のメッシュパスを用いて振るいに
かけ、粒状に成形する。粒状に成形された混合物は、形
を整えられて剛体プレス機によって0.5〜2t/cm
2の圧力を加えて所定の寸法例えば、縦50mm、横2
5mm、厚さ2.5mmの寸法に成形する。成形された
成形体は、1150℃〜1300℃の温度で焼成して、
その結果、約縦40mm、横20mm、厚さ2.0mm
の寸法を有する圧電親基板としての焼成体10が形成さ
れる。焼成体10はその両側の主面に部分的に電極膜を
成膜して一次電極30が形成されて(図1参照)、その
後ダイヤモンドカッター等の切断手段によって、縦20
mm、横5mmの矩形状の圧電基板としてのユニット2
0に切断される(図2参照)。切断された焼成体の各ユ
ニット20は、図2に示すように、側面部40全体を水
で濡らしながら#1000のサンドペーパーを用いて研
磨される。各ユニット20は研磨後、図3に示すように
一次電極30間に直流電圧を印加してユニット20の一
次電極30間に挟まれている領域をユニット20の厚さ
方向(矢印A方向)に分極させる。次いで、ユニット2
0の長さ方向端面に二次電極31を成膜した後、両一次
電極30をグランドに接続し、二次電極31に大きな直
流電圧を印加することにより一次電極30と二次電極3
1の間の領域を長さ方向(矢印B方向)に分極させる。
これらの処理によって電圧トランス42が作製される。
ーゼン型の圧電トランスの製造方法について図1ないし
図3を参照して説明する。本実施形態に用いられる圧電
トランス材料は、ジルコン(Zn)とチタン(Ti)の
重量比率が51対49のPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)に1重量%のMnO2を添加した組成となるよう
に、酸化鉛PbO、酸化チタンTiO2、酸化ジルコン
ZrO2、酸化マンガンMnO2を調合したものである。
この様な組成で調合された圧電トランス材料はまず、直
径5mmのPSZ(Partially Stabilized Zirconia:部
分安定化ジルコニア)からなる粉砕メディアを用いて水
中で混合粉砕する。次に、混合粉砕された材料を乾燥
し、それを800℃〜900℃の温度で仮焼する。更
に、仮焼された材料にPVA系のバインダーを2〜5重
量%加えて、水中で混合する。混合された材料は再度乾
燥して、#30〜80のメッシュパスを用いて振るいに
かけ、粒状に成形する。粒状に成形された混合物は、形
を整えられて剛体プレス機によって0.5〜2t/cm
2の圧力を加えて所定の寸法例えば、縦50mm、横2
5mm、厚さ2.5mmの寸法に成形する。成形された
成形体は、1150℃〜1300℃の温度で焼成して、
その結果、約縦40mm、横20mm、厚さ2.0mm
の寸法を有する圧電親基板としての焼成体10が形成さ
れる。焼成体10はその両側の主面に部分的に電極膜を
成膜して一次電極30が形成されて(図1参照)、その
後ダイヤモンドカッター等の切断手段によって、縦20
mm、横5mmの矩形状の圧電基板としてのユニット2
0に切断される(図2参照)。切断された焼成体の各ユ
ニット20は、図2に示すように、側面部40全体を水
で濡らしながら#1000のサンドペーパーを用いて研
磨される。各ユニット20は研磨後、図3に示すように
一次電極30間に直流電圧を印加してユニット20の一
次電極30間に挟まれている領域をユニット20の厚さ
方向(矢印A方向)に分極させる。次いで、ユニット2
0の長さ方向端面に二次電極31を成膜した後、両一次
電極30をグランドに接続し、二次電極31に大きな直
流電圧を印加することにより一次電極30と二次電極3
1の間の領域を長さ方向(矢印B方向)に分極させる。
これらの処理によって電圧トランス42が作製される。
【0008】上記方法で形成された圧電トランス42の
信頼性を検討するために、圧電トランス42を共振させ
ることによる加速試験を行なった。この試験では、圧電
トランス先端の振動速度が1m/sになるように入力電
圧を調整し、この振動を10秒間続けて行なった。この
条件は、圧電トランス42を液晶ディスプレイのバック
ライト電源用とした場合、連続運転時間10000時間
に相当する。上記加速試験の結果、割れが発生して不良
となった圧電トランス42は185個のサンプル中0個
であった。一方、ユニット20の側面部を研磨しなかっ
た圧電トランスについて同様の加速試験を行なった結
果、169個のサンプル中49個に割れが発生し、不良
率は29%にものぼった。
信頼性を検討するために、圧電トランス42を共振させ
ることによる加速試験を行なった。この試験では、圧電
トランス先端の振動速度が1m/sになるように入力電
圧を調整し、この振動を10秒間続けて行なった。この
条件は、圧電トランス42を液晶ディスプレイのバック
ライト電源用とした場合、連続運転時間10000時間
に相当する。上記加速試験の結果、割れが発生して不良
となった圧電トランス42は185個のサンプル中0個
であった。一方、ユニット20の側面部を研磨しなかっ
た圧電トランスについて同様の加速試験を行なった結
果、169個のサンプル中49個に割れが発生し、不良
率は29%にものぼった。
【0009】従って、本発明のようにユニット20の側
面部40を研磨処理することにより、ユニット20の分
極方向の異なる領域どうしの境界において、多数のマイ
クロクラックやセラミックスの粒の離脱部を除去できる
ので、圧電トランス駆動中におけるクラックの発生や成
長が無くなり、信頼性の高い圧電トランスを得ることが
できる。
面部40を研磨処理することにより、ユニット20の分
極方向の異なる領域どうしの境界において、多数のマイ
クロクラックやセラミックスの粒の離脱部を除去できる
ので、圧電トランス駆動中におけるクラックの発生や成
長が無くなり、信頼性の高い圧電トランスを得ることが
できる。
【0010】次に本発明の第2の実施形態に係る圧電ト
ランスの製造方法について図4ないし図6を参照して説
明する。本実施形態で使用される圧電トランスは、一次
電極が積層構造を有するローゼン型の圧電トランスにな
っている。
ランスの製造方法について図4ないし図6を参照して説
明する。本実施形態で使用される圧電トランスは、一次
電極が積層構造を有するローゼン型の圧電トランスにな
っている。
【0011】本実施形態に使用される圧電トランス材料
は、第1の実施形態と同一の組成で調合されたものが用
いられている。調合された圧電トランス材料は第1の実
施形態と同様に、PSZからなる粉砕メディアを用いて
水中で混合粉砕して乾燥した後、仮焼する。更に、仮焼
された材料に10〜15重量%のPVA系のバインダー
及び0.5重量%の可塑剤を加え、更に仮焼された材料
に対して30重量%の水及び0.5重量%のポリカルボ
ン酸系の分散剤を加えて、グリーンシート成形用スラリ
ーを調製する。調製されたグリーンシート成形用スラリ
ーは脱泡された後、ドクターブレード法によって50μ
mの厚さのグリーンシートに成形される。成形されたグ
リーンシートは、縦50mm、横25mmの長方形形状
に切断されるとともに内部電極48(図4(a)におい
て網掛けした領域)をスクリーン印刷される。これら複
数のグリーンシートは例えば、図4(a)に示すように
内部電極48が印刷された2種類のグリーンシート(以
下、電極付きシートと呼ぶ)52、54と、電極の形成
されていない無地のシート50で構成されている。上下
に対向する内部電極48の間隔が450μmとなるよう
に、内部電極48が印刷されていないグリーンシート5
0(以下、ダミーシートと呼ぶ)を8枚挟み込んで電極
付きシート52と電極付きシート54を交互に重ねる。
これら重ねられたシート50、52、54は、金型に入
れられ、60〜80℃に加熱されながら1〜4t/cm
2の圧力をかけて圧着される。これによって、縦50m
m、横25mm、厚さ2.5mmの圧着体が作製され
る。作製された圧着体は、第1実施形態と同様に115
0℃〜1300℃の温度で焼成して、その結果、約縦4
0mm、横20mm、厚さ2.0mmの寸法を有する焼
成体60が形成される(図4(b)参照)。焼成体60
はその後ダイヤモンドカッター等の切断手段によって、
縦20mm、横5mmの矩形状の圧電基板としてのユニ
ット70に切断される(図5参照)。切断された焼成体
の各ユニット70は、側面部80全体を水で濡らしなが
ら#1000のサンドペーパーを用いて研磨する。各ユ
ニット70は研磨後、図6(a)に示すように、ユニッ
ト70の側面部80にAgを蒸着させて側面電極81を
形成し、一方の側面部80に露出している内部電極48
を一方の側面電極81で接続して内部電極48と側面電
極81とから一方の一次電極82を形成し、他方の側面
部80に露出している内部電極48を他方の側面電極8
1で接続して他方の一次電極83を形成する。次いで、
側面電極81間に直流電圧を印加することによってユニ
ット70の各層を交互に反対向き(矢印D方向、E方
向)に分極させる。ユニット70の両主面には、一次電
極82、83の各々に導通した外部電極84を設ける。
この後、図6(b)に示すように、ユニット70の長手
方向一端面に二次電極85を設けた後、両外部電極84
をグランドに接続し、二次電極85に大きな直流電圧を
印加することにより外部電極84と二次電極85の間の
領域を長さ方向(矢印C方向)に分極させる。これらの
処理によって圧電トランス86が作製される。
は、第1の実施形態と同一の組成で調合されたものが用
いられている。調合された圧電トランス材料は第1の実
施形態と同様に、PSZからなる粉砕メディアを用いて
水中で混合粉砕して乾燥した後、仮焼する。更に、仮焼
された材料に10〜15重量%のPVA系のバインダー
及び0.5重量%の可塑剤を加え、更に仮焼された材料
に対して30重量%の水及び0.5重量%のポリカルボ
ン酸系の分散剤を加えて、グリーンシート成形用スラリ
ーを調製する。調製されたグリーンシート成形用スラリ
ーは脱泡された後、ドクターブレード法によって50μ
mの厚さのグリーンシートに成形される。成形されたグ
リーンシートは、縦50mm、横25mmの長方形形状
に切断されるとともに内部電極48(図4(a)におい
て網掛けした領域)をスクリーン印刷される。これら複
数のグリーンシートは例えば、図4(a)に示すように
内部電極48が印刷された2種類のグリーンシート(以
下、電極付きシートと呼ぶ)52、54と、電極の形成
されていない無地のシート50で構成されている。上下
に対向する内部電極48の間隔が450μmとなるよう
に、内部電極48が印刷されていないグリーンシート5
0(以下、ダミーシートと呼ぶ)を8枚挟み込んで電極
付きシート52と電極付きシート54を交互に重ねる。
これら重ねられたシート50、52、54は、金型に入
れられ、60〜80℃に加熱されながら1〜4t/cm
2の圧力をかけて圧着される。これによって、縦50m
m、横25mm、厚さ2.5mmの圧着体が作製され
る。作製された圧着体は、第1実施形態と同様に115
0℃〜1300℃の温度で焼成して、その結果、約縦4
0mm、横20mm、厚さ2.0mmの寸法を有する焼
成体60が形成される(図4(b)参照)。焼成体60
はその後ダイヤモンドカッター等の切断手段によって、
縦20mm、横5mmの矩形状の圧電基板としてのユニ
ット70に切断される(図5参照)。切断された焼成体
の各ユニット70は、側面部80全体を水で濡らしなが
ら#1000のサンドペーパーを用いて研磨する。各ユ
ニット70は研磨後、図6(a)に示すように、ユニッ
ト70の側面部80にAgを蒸着させて側面電極81を
形成し、一方の側面部80に露出している内部電極48
を一方の側面電極81で接続して内部電極48と側面電
極81とから一方の一次電極82を形成し、他方の側面
部80に露出している内部電極48を他方の側面電極8
1で接続して他方の一次電極83を形成する。次いで、
側面電極81間に直流電圧を印加することによってユニ
ット70の各層を交互に反対向き(矢印D方向、E方
向)に分極させる。ユニット70の両主面には、一次電
極82、83の各々に導通した外部電極84を設ける。
この後、図6(b)に示すように、ユニット70の長手
方向一端面に二次電極85を設けた後、両外部電極84
をグランドに接続し、二次電極85に大きな直流電圧を
印加することにより外部電極84と二次電極85の間の
領域を長さ方向(矢印C方向)に分極させる。これらの
処理によって圧電トランス86が作製される。
【0012】上記方法で形成された圧電トランス86の
信頼性を検討するために、圧電トランス86を共振させ
ることによる加速試験を行なった。この試験では、圧電
トランス先端の振動速度が1m/sになるように入力電
圧を調整し、この振動を10秒間続けて行なった。この
条件は、圧電トランス86を液晶ディスプレイのバック
ライト電源用とした場合、連続運転時間10000時間
に相当する。上記加速試験の結果、割れが発生して不良
となった圧電トランス86は64個のサンプル中0個で
あった。一方、ユニット70の側面部を研磨しなかった
圧電トランスについて同様の加速試験を行なった結果、
63個のサンプル中15個に割れが発生し、不良率は2
4%にものぼった。
信頼性を検討するために、圧電トランス86を共振させ
ることによる加速試験を行なった。この試験では、圧電
トランス先端の振動速度が1m/sになるように入力電
圧を調整し、この振動を10秒間続けて行なった。この
条件は、圧電トランス86を液晶ディスプレイのバック
ライト電源用とした場合、連続運転時間10000時間
に相当する。上記加速試験の結果、割れが発生して不良
となった圧電トランス86は64個のサンプル中0個で
あった。一方、ユニット70の側面部を研磨しなかった
圧電トランスについて同様の加速試験を行なった結果、
63個のサンプル中15個に割れが発生し、不良率は2
4%にものぼった。
【0013】従って、本発明のようにユニット70の側
面部80を研磨処理することにより、クラックの発生が
無くなり、第1実施形態と同様に信頼性の高い圧電トラ
ンスを得ることができる。
面部80を研磨処理することにより、クラックの発生が
無くなり、第1実施形態と同様に信頼性の高い圧電トラ
ンスを得ることができる。
【図1】本発明の第1の実施形態に係る圧電トランスを
作製するための焼成体の斜視図である。
作製するための焼成体の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る圧電トランスを
作製するためのユニットの斜視図である。
作製するためのユニットの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る圧電トランスの
分極方向を説明するための側面図である。
分極方向を説明するための側面図である。
【図4】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る積層
構造の圧電トランスを作製するための各グリーンシート
の平面図である。(b)は、本発明の第2の実施形態に
係る焼成体を示す斜視図である。
構造の圧電トランスを作製するための各グリーンシート
の平面図である。(b)は、本発明の第2の実施形態に
係る焼成体を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る圧電トランスを
作製するためのユニットの斜視図である。
作製するためのユニットの斜視図である。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るユニ
ットに一次電極を形成することを説明するための正面図
である。(b)は、本願発明の第2の実施形態に係るユ
ニットの分極方向を説明するための側面図である。
ットに一次電極を形成することを説明するための正面図
である。(b)は、本願発明の第2の実施形態に係るユ
ニットの分極方向を説明するための側面図である。
10、60 焼成体 20、70 ユニット 30、82 一次電極 31、85 二次電極 40、80 側面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 玉依 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 加地 敏晃 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電材料からなる生成形体を焼成して圧
電親基板を得る焼成工程と、 前記圧電親基板を所定の大きさの圧電基板に切断する切
断工程と、 前記圧電基板に電極を形成する電極形成工程と、 異なる分極方向を有する複数の分極領域が形成されるよ
うに、前記圧電基板に分極処理を施す分極処理工程と、
を備えた圧電トランスの製造方法において、 前記切断工程で作製された圧電基板の切断面のうち、少
なくとも互いに分極方向の異なる分極領域の境界領域が
露出する切断面を研磨する研磨工程を更に備えているこ
とを特徴とする圧電トランスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17663198A JPH11354858A (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | 圧電トランスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17663198A JPH11354858A (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | 圧電トランスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11354858A true JPH11354858A (ja) | 1999-12-24 |
Family
ID=16016968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17663198A Pending JPH11354858A (ja) | 1998-06-08 | 1998-06-08 | 圧電トランスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11354858A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005020341A1 (ja) * | 2003-08-21 | 2005-03-03 | Ngk Insulators, Ltd. | 圧電/電歪デバイス |
JP2005278388A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-10-06 | Seiko Instruments Inc | 超音波モータ及びそれを用いた電子機器 |
-
1998
- 1998-06-08 JP JP17663198A patent/JPH11354858A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005020341A1 (ja) * | 2003-08-21 | 2005-03-03 | Ngk Insulators, Ltd. | 圧電/電歪デバイス |
JP2005278388A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-10-06 | Seiko Instruments Inc | 超音波モータ及びそれを用いた電子機器 |
JP4634174B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2011-02-16 | セイコーインスツル株式会社 | 超音波モータ及びそれを用いた電子機器 |
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