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JPH11343958A - 風力発電用の垂直風洞装置および風力エネルギー誘導方法 - Google Patents

風力発電用の垂直風洞装置および風力エネルギー誘導方法

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Publication number
JPH11343958A
JPH11343958A JP15134398A JP15134398A JPH11343958A JP H11343958 A JPH11343958 A JP H11343958A JP 15134398 A JP15134398 A JP 15134398A JP 15134398 A JP15134398 A JP 15134398A JP H11343958 A JPH11343958 A JP H11343958A
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JP
Japan
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wind
wind tunnel
tunnel
power generation
deflector
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Application number
JP15134398A
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Nobumasa Nagai
順正 永井
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SHINMEIWA AERO TECHNO KK
Original Assignee
SHINMEIWA AERO TECHNO KK
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

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  • Wind Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の風車による風力発電装置では、大きな
風車を使わないと密度の小さな風力エネルギーを利用で
きなかった。また口ーターのピッチ変更機構や制動装
置、強風圧回避機構などが必要で、さらに、ローターが
回転するときに発生する音や後流の乱れが環境に悪い影
響をもたらす。 【解決手段】 垂直風洞装置Aは、内部にローターRを
設けるための垂直に立設された筒状の風洞1と、突き当
たる地表風を誘導面2bで上方に偏向せしめて風洞1の下
端開口1cから風洞1内に誘導する偏向器2とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、風力
発電に利用される垂直風洞装置および風力エネルギーの
誘導方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球温暖化対策の一環として枯渇するこ
とがない再生可能なクリーンエネルギーの利用が求めら
れる中で、風力発電は低コストで且つ環境的にも安全な
発電方法として注目されている。
【0003】従来から、風力エネルギーを利用して機械
的エネルギーや熱エネルギー、或いは電気エネルギーを
得るために風車が使われている。風車にはその目的によ
っていろいろな形式のものがあり、それぞれ特徴があ
る。水平軸風車には、オランダ型風車、多翼型風車、プ
ロペラ型風車、セイルウィング型風車などがある。また
垂直軸風車には、パドル型風車、S型風車、クロスフロ
ー型風車、サボニウス型風車、ダリウス型風車などがあ
る。発電には、ソリディティが小さく、回転数が高いプ
ロペラ型風車が有利で、世界的にも広く使われている。
【0004】風力エネルギーは密度が比較的小さいの
で、大出力の発電を行うには直径の大きな風車が用いら
れる。欧米では直径が100mに達する大きなローター
が用いられることもあるほどである。
【0005】図14に示す風力発電装置は、現在欧米諸
国で実証的に行われている風力発電装置の例であり、比
較的大きな出力であるメガワット(MW)級の発電が可
能なものである。この装置は、定格風速12m/s(平
均風速では6〜7m/s)で1.2MWの定格出力を得
る。ローター101aの直径は60mである。ハブ101eの地
上からの高さ位置は46〜50mである。よってこの装
置は全高約80mの巨大な装置になる。
【0006】ローター面に入る風力エネルギー量は風速
の3乗とローター面積の積に比例するから、強くて乱れ
のない風が常に得られる場所に風車が設置されるのが理
想的である。欧米ではこうした設置条件に恵まれている
こともあって、風力発電が比較的古くから行われてお
り、最近の風車技術の発達で経済性が著しく改善された
こともあってその普及が顕著である。
【0007】ローターのエネルギー吸収効率を示す出力
係数(入力である風力エネルギーと出力である発電エネ
ルギーの比)も、最近のローターでは40%を超えるも
のが一般的になってきている。また、軽くて強いロータ
ーにより、風車が回り始める風速(Cut-in Speed)は3m
/s程度に下がり、またローターに対する強度剛性上の
制限速度(Cut-out Speed)も60m/s程度にまで上が
っている。こうした技術をべースに、4MW級の発電出
力が得られるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしわが国は、年間
を通した平均風速が比較的弱く、また地形的にも複雑で
恒風に恵まれないという、一般的に風力発電には不利な
地勢である。特に大直径ローターによる大型発電は、コ
スト的に不利で、設置にも適当な場所が得られ難いこと
もあって、日本では風力発電の普及が欧米に比べて遅れ
ている。
【0009】また、風力発電では、風の強弱に合わせて
ローターのピッチを変えることによりエネルギー吸収効
率を向上させることが行われているが、ピッチを変更す
る機構は複雑であり、風力発電のコスト低減の障害にな
っている。
【0010】また暴風等でローターが損傷したり、過回
転で発電機が損傷したりすることを防ぐためには、ロー
ターの制動装置や強い風圧から逃れるための強風圧回避
機構も必要である。
【0011】また、多くの風力発電では、風車が風を受
けるために大気中に露出しており、そのため、風車の回
転に伴って騒音や空気の乱れが発生する。
【0012】なお、風向きの変動に係わらず効率よく、
しかも比較的弱い風でも発電しようとする試みは、実開
昭57-180163号、実開昭57-2279号、特開昭53-5348号な
どにも示されているが、これらのいずれのものよりも、
大型風力発電で行われているようにローターを巨大化し
た方が経済的に有利であることを考えると実用的ではな
い。また風速を増大するために直立円筒を利用する考え
が実開昭62-64882号に示されているが、発電エネルギー
としては過小であって、これも実用的ではない。
【0013】上記したように、風力発電が他のクリーン
エネルギー利用や一般の火力、原子力発電等に比べて遜
色があり、普及が遅れる原因の一つには、風力エネルギ
ーの密度が小さいことを補うために大きな風車が必要
で、このことがコスト高の原因となっており、結果的に
他のエネルギー利用に比べて発電コストが高くなるとい
うことがある。また口ーターのピッチ変更機構や制動装
置、強風圧回避機構などが風車全体の機構を複雑にして
製造コストを上昇させ、ひいては発電コスト上昇の原因
になっている。また、ローターが回転するときに発生す
る音や後流の乱れが環境に悪い影響をもたらし、新たな
公害として指摘されている。また風車の破損事故の発生
に対して、被害が第三者に及ぶ危険性が懸念されるとい
う問題点もある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この出願発明に係る風力発電用の垂直風洞装置は、
内部に発電用風車を設けるための垂直に立設された筒状
の風洞と、突き当たる地表風を誘導面で上方に偏向せし
めて該風洞の下端開口から該風洞内に誘導する偏向器と
を備えている(請求項1)。かかる構成によれば、誘導
面によって風洞内部に誘導された風力エネルギーで風洞
内の風車を回転させることができる。風車は風洞内で下
向きに固定したままで、常に風に正対する。
【0015】上記風力発電用の垂直風洞装置において、
前記風洞の前記発電用風車を設ける位置にくびれ部を形
成してもよい(請求項2)。かかる構成によれば、風洞
内のくびれ部で風力エネルギーが濃集される。よって地
表風のエネルギー密度が希薄でも風車を回転させて発電
させることができる。
【0016】また、上記風力発電用の垂直風洞装置にお
いて、前記風洞の上端開口が、前記くびれ部による風洞
内部の圧力降下以上の大気圧降下が得られる高さに位置
するように構成してもよい(請求項3)。かかる構成に
よれば、煙突効果によって風洞内を通過する風量が維持
される。
【0017】また、上記風力発電用の垂直風洞装置にお
いて、前記偏向器を前記風洞の中心軸を旋回中心として
旋回可能に設けるようにしてもよい(請求項4)。さら
に、地表風の風向きを検出する風向検出手段と、前記偏
向器の旋回角度を制御する旋回制御装置とを備え、該旋
回制御装置が、該風向検出手段によって検出された風向
に応じて該偏向器の旋回角度を制御するようにしてもよ
い(請求項5)かかる構成によれば、地表風の向きに応
じて誘導面を地表風に対向させることができる。
【0018】また、上記風力発電用の垂直風洞装置にお
いて、前記偏向器が分割面によって複数の構成部材に分
割されており、該分割面の開き角を調整することにより
前記風洞内に誘導する風量を調整するようにしてもよい
(請求項6)。さらに、前記風洞の下端開口近傍 又は
/及び 風洞内の風速を検出する風速検出手段と、前記
分割面の開き角を制御する分割制御装置とを備え、該分
割制御装置が、該風速検出手段によって検出された風速
に応じて該開き角を制御するようにしてもよい(請求項
7)。かかる構成によれば、風速に応じて分割面を開
き、地表風を偏向器の後方へ逃がして風洞に誘導する風
量を調整できる。
【0019】また、上記風力発電用の垂直風洞装置にお
いて、前記偏向器の前記誘導面に開閉窓を設け、該開閉
窓の開口面積を調整することにより前記風洞内に誘導す
る風量を調整するようにしてもよい(請求項8)。さら
に、前記風洞の下端開口近傍又は/及び 風洞内の風速
を検出する風速検出手段と、前記開閉窓の開口面積を制
御する開閉制御装置とを備え、該開閉制御装置が、該風
速検出手段によって検出された風速に応じて該開口面積
を制御するようにしてもよい(請求項9)。かかる構成
によれば、風速に応じて開閉窓の開口面積を調整し、地
表風を偏向器の後方へ逃がして風洞に誘導する風量を微
調整できる。
【0020】また、上記課題を解決するために、この出
願発明に係る風力エネルギー誘導方法は、内部に発電用
風車を設けるための垂直に立設された筒状の風洞内に、
地表風のエネルギーを誘導する風力エネルギー誘導方法
であって、突き当たる地表風を上方に偏向せしめる誘導
面を有する偏向器で、地表風を該風洞の下端開口から該
風洞内に誘導する方法である(請求項10)。かかる方
法によれば、誘導面によって風洞内部に誘導された風力
エネルギーで風洞内の風車を回転させることができる。
風車は風洞内で下向きに固定したままで、常に風に正対
する。
【0021】また、上記風力エネルギー誘導方法におい
て、前記風洞の前記発電用風車を設ける位置にくびれ部
を形成し、該くびれ部の位置で、該風洞内に取り込んだ
地表風の風力エネルギーを濃集するようにしてもよい
(請求項11)。かかる方法によれば、風洞内のくびれ
部で風力エネルギーが濃集される。よって地表風のエネ
ルギー密度が希薄でも風車を回転させて発電させること
ができる。
【0022】また、上記風力エネルギー誘導方法におい
て、前記偏向器を前記風洞の中心軸を旋回中心として旋
回可能に設け、地表風の風向きに応じて該偏向器を旋回
させるようにしてもよい(請求項12)。かかる方法に
よれば、地表風の向きに応じて誘導面を地表風に対向さ
せることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本願発
明の一実施形態を説明する。図1は本願発明に係る垂直
風洞装置Aの斜観図、図2はその正面図、図3はその側
面図である。また、図4、図5、図6はそれぞれ図2の
L−L線矢視断面図、M−M線矢視断面図、N−N線矢
視断面図である。図中の矢印Kは、地表風の風向きを示
す。
【0024】垂直風洞装置Aは、主に、基底面Bたる地
上面に垂直に立設された筒状の風洞1と、風洞1の下方
に設けられた偏向器2とで構成されている。
【0025】風洞1は、パネル構造で構成されている。
すなわち、6本の鉄柱hを立設し、鉄柱hの間に規格化
された大きさのパネルをはめこんでパネル壁1aを形成す
ることにより構成されている。パネル構造としたのは風
洞1を安価に建設するためである。パネル構造を採用し
たため、風洞1の横断面形状は6角形となっているが、
風洞1の機能を奏するためにはその横断面形状を特に多
角形とする必要はなく、例えば円形であってもよい。風
洞1の寸法は、図2に記載されている通りである。風洞
1の下端開口1cから上端開口1dまでの長さは42mであ
る。下端開口1cは基底面Bたる地上面から約17mの
高さに位置しているので、上端開口1dは基底面Bから
約59mの高さ位置にある。
【0026】風洞1はその高さ方向の中間部にくびれ部
1bが形成されている。このくびれ部1bは下端開口1cから
25mの位置に形成されており、その内側には発電用風
車たるローターRが取り付けられている。このローター
Rは図示しない発電機に連結されている。ローターRは
直径12.9mであり、例えば図14に示すローター10
1aに比べて非常に小型である。風洞1の下端開口1cの面
積(Ac)は約400m2であり、くびれ部1bの部分の断
面積(Ab)に対する比(λ=Ac/Ab)は、約3である。
風洞1の下方には偏向器2が設けられている。
【0027】図7は偏向器2の斜観図であり、図8はそ
の平面図である。図9は、偏向器2を構成する4つの構
成部材21、22、23、24の斜観図である。偏向器2の形状
は、平面視において略半円形であり、円弧状に湾曲した
縦断面を有する外殻部2aを有する。この外殻部2aの内側
の空間は風室として機能するのであるが、ここには複数
のフィンfが並設されている。外殻部2aの内側面2bは、
地表風を上方に偏向せしめて風洞1の下端開口1cから風
洞1内に誘導する誘導面として機能する。
【0028】基底面Bには環状のリングレール3が敷設
されている。そして、偏向器2の下にはローラが取り付
けられておりこのローラがリングレール3上に載ってい
る。そして、偏向器2は旋回中心軸4を中心としてリン
グレール3上を旋回できるように構成されている。この
旋回中心軸4は風洞1の中心軸に一致している。偏向器
2は分割構造になっており、旋回中心軸4から外方へ向
かう分割面S1、S2、S3によって4つの構成部材21、22、
23、24に分割される。各分割面S1、S2、S3の開き角は自
由に調整できるようになっている。構成部材22、23には
開閉窓wが形成されている。この開閉窓wは、開閉度合い
によってその開口面積を調整できるように構成されてい
る。
【0029】図10は、分割面S2を開いた状態の偏向器
2の斜観図であり、図11はその平面図である。このよ
うに分割構造を採用すると、後述するように風洞1へ誘
導する風量の調整に資するだけでなく、分割して輸送で
きるという点でも都合がよい。
【0030】図12は、垂直風洞装置Aの制御系統と電
力系統とを示すブロック図である。制御信号の流れは実
線で、電力の流れは点線で示されている。垂直風洞装置
Aは地表風の風向きを検出する風向検出手段たる風向検
出部31を備えている。また、風速を検出する風速検出手
段たる風速検出部32を備えている。風速検出部32は、下
端開口1cの風速と風洞1内のローターRの上流側の風速
とを検出している。これら検出部31、32からの検出信号
が制御回路30に送出される。制御回路30はこれらの検出
信号に基づいて、旋回制御装置33や分割制御装置34や開
閉制御装置35に制御信号を送出する。この信号に基づい
て、旋回制御装置33は偏向器2の旋回角度を制御し、分
割制御装置34は偏向器2の分割面S1、S2、S3の開き角を
制御し、開閉制御装置35は開閉窓wの開口面積を制御す
る。
【0031】発電機41はローターRに連結されており、
ここで発生した電力は電圧調整部42で電圧が調整されて
送電系統43に送出されるとともに、電源調整部40に送出
される。電源調整部40は受電系統44からも電力供給を受
けている。電源調整部40は、制御回路30、風向検出部3
1、風速検出部32、旋回制御装置33、分割制御装置34、
開閉制御装置35にその動作に必要となる電力を供給して
いる。ローターRが回転して発電機41が十分な電力を発
生しているときは電源調整部40から出力される電力は電
圧調整部42からの電力でまかなわれ、ローターRが十分
に回転せず発電機41が十分な電力を発生できないときは
電源調整部40から出力される電力は受電系統44からの電
力でまかなわれる。
【0032】垂直風洞装置Aは、概略、以上のように構
成されている。以下にこの垂直風洞装置Aの作用を説明
する。制御回路30は、地表風の風向きを検知して、図
1、図7のように、偏向器2の誘導面2bが地表風に対面
するように偏向器2を旋回させる。誘導面2bに突き当た
った地表風は、誘導面2bによって上方に偏向され、風洞
1の下端開口1cから風洞1内に取り込まれる。そしてそ
の風力エネルギーはくびれ部1bの部分で濃集されて、ロ
ーターRを回転させる。風洞1内では風の方向は常に上
向きになる。よって、ローターRは風洞1内で下向きの
まま固定されているのであるが常に風に正対する。くび
れ部1bに生じる風力エネルギー密度の増加は、下端開口
1cの開口面積Acとくびれ部1bの断面積Abの比(λ)の3
乗に比例する。くびれ部1bに生じた高エネルギー密度流
の中でローターRの回転は促進されるので、ローターR
としては比較的小型のものを採用できる。このことは発
電コストの低減に繋がる。
【0033】一方、くびれ部1bで風力エネルギー密度を
増加させると、それに伴って圧力降下を生じるために、
λが大きいと充分な風量を維持できなくなる。これを防
止するために上端開口1dの高さ位置を高めて、大気圧傾
斜によって上端開口1dでの圧力降下を得ている。この垂
直風洞装置AのローターRは定格風速12m/sで1.
2MWの定格出力が得られるものであるが、定格運転時
において、くびれ部1bでの圧力低下量は取り込み口たる
下端開口1cでの圧力に比べて0.2〜0.3%である。
これを大気圧傾斜で補うようにするためには、下端開口
1cから上端開口1dまでの長さが約25m以上あればよい
のであるが、本実施形態ではその長さが42mである。
上端開口1dは地表境界層の外に出ており、煙突効果を有
効に得ることができるので、くびれ部1bを通過して上端
開口1dから空気流が排出されるまでのエネルギー損を大
気圧傾斜で補うに十分である。このようにして風洞1内
を通過する風量が維持される。さらに、くびれ部1bから
上端開口1dまでは徐々に断面積が拡大しているので、ロ
−ターRを通過した空気流は、拡散効果によって圧力回
復が促進される。このように風洞1内の圧力低下を補う
に十分な高さに設計しても、なお、図14の風力発電装
置に比べると小型である。
【0034】ローターRによる発電の効率化のために
は、運転状態を定格運転状態に近づけ、その状態を維持
することが望ましい。そのために、この垂直風洞装置A
は、種々の調整手段を備えている。かかる調整手段の一
つとして、偏向器2を旋回制御する旋回制御装置33があ
る。例えば、地表風のエネルギーを最も有効に利用する
ために、制御回路30は地表風の風向を検知して誘導面2b
が地表風に対向するように偏向器2の旋回角度を設定す
る。よって地表風の風向に対して全方位で対応可能であ
り、風速が弱くても、このエネルギーを最大限に利用で
きる。また別の調整手段として、分割制御装置34があ
る。例えば、風速が強すぎるときは、制御回路30は、分
割面S1、S2、S3を開いて地表風を偏向器2の後方へ逃が
し、風洞1内に誘導する風量を制限する。分割面S1、S
2、S3の開き角は独立して調整できる。さらに別の調整
手段として、開閉制御装置35がある。制御回路30は、開
閉窓wの開口面積を調整することにより、偏向器2の後
方へ逃がす風量を微妙に調整できる。つまり、風洞1内
に誘導する風量の微調整が可能となる。
【0035】このように、ローターRを定格運転するた
めの調整手段が設けられているので、ローターRとして
は固定ピッチのものを使用すれば十分である。ローター
のピッチ変更機構や制動装置が不要となると、発電コス
トの低減にも繋がる。
【0036】図13は、風洞1内に地表風が誘導されな
いようにして、垂直風洞装置Aを保護する状態を示して
いる。図13中の矢印Kは、地表風の風向きを示す。暴
風のように地表風が強すぎるときに、風洞1内に地表風
を誘導するとローターRの過回転を招き、装置が破損す
る恐れがある。また、風洞1内に異物が突入する可能性
もある。よって、地表風の風速が強すぎるときは、制御
回路30は旋回制御装置33を制御して、図13のように偏
向器2の誘導面2bが地表風の下流を向くようにするので
ある。このような状態に制御できるので、強風圧回避機
構は不要となり、ひいては発電コストの低減に繋がる。
【0037】また、垂直風洞装置AはローターRを風洞
1内に設置するので、ローターRの発する音が外部に漏
れにくい。また、後流の乱れの問題も生じない。さら
に、仮に風洞1内に異物が突入してローターRが破損し
ても、風洞1がその破片の飛散を防止するので、安全で
ある。
【0038】以上のように、垂直風洞装置Aによると、
弱い自然風でも有効利用できるので設置場所の自由度が
上がり、多数の地点での風力発電が可能となる。特にわ
が国のように比較的年間平均風速が低い地勢でも、全国
的に普及できるので、年間の発電量を増やすことが期待
できる。また、石油系火力発電の一部代替として地球温
暖化対策としての効果も期待でき、より安価な電力供給
の可能性を秘めている。 以上、本願発明の一実施形態
を説明した。上記実施形態では、垂直風洞装置Aの基底
面Bを地表面としたが、地表面よりも高い位置を基底面
として垂直風洞装置Aを構成することもできる。また、
上記実施形態では縦断面が円弧状の外殻部2aの内側面2b
が誘導面となっているので誘導面は円弧状の湾曲面にな
っているが、誘導面は地表風を上方へ偏向させることが
できるような形状であればどのような形状でもよい。例
えば、平面状の傾斜面であってもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】(1)風洞内ではローターが常に風に正対
するので、地表風の方位に応じてローターや発電機を旋
回させる必要がない。よって、構造が簡単になる。ま
た、騒音が低減され、後流の乱れを生じさせることもな
い。また、ローターの破損事故が生じても、その破片が
飛散されず安全である。
【0041】(2)垂直に立設される風洞にくびれ部を
形成すると、くびれ部の部分で風力エネルギーが濃集さ
れ、希薄な密度の地表風の風力エネルギーを有効に利用
して発電することができる。特に強い地表風が吹かない
地域で有効となる。
【0042】(3)風洞の上端開口が、くびれ部による
風洞内部の圧力降下以上の大気圧降下が得られる高さに
位置するようにすると、煙突効果によって風洞内を通過
する風量を維持できる。
【0043】(4)旋回可能な偏向器を用いると、全方
位の地表風の風力エネルギー流を効率よく上方に偏向し
て風力発電に利用できる。
【0044】(5)偏向器を分割構造とし、または、開
閉窓を設けるようにすると、風洞に誘導する風量を調節
しやすくなる。ひいては、固定ピッチの風車の採用も可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】垂直風洞装置の斜観図である。
【図2】垂直風洞装置の正面図である。
【図3】垂直風洞装置の側面図である。
【図4】図2のL−L線矢視断面図である。
【図5】図2のM−M線矢視断面図である。
【図6】図2のN−N線矢視断面図である。
【図7】偏向器の斜観図である。
【図8】偏向器の平面図である。
【図9】偏向器の構成部材の斜観図である。
【図10】分割面を開いた状態の偏向器の斜観図であ
る。
【図11】分割面を開いた状態の偏向器の平面図であ
る。
【図12】垂直風洞装置の制御系統と電力系統とを示す
ブロック図である。
【図13】風洞内に地表風が誘導されないようにして垂
直風洞装置を保護する状態の、偏光器の斜観図である。
【図14】欧米諸国で実証的に行われている風力発電装
置の正面図である。
【符号の説明】
A 垂直風洞装置 B 基底面 R ローター 1 風洞 h 鉄柱 1a パネル壁 1b くびれ部 1c 下端開口 1d 上端開口 2 偏向器 w 開閉窓 2a 外殻部 2b 誘導面 21,22,23,24 構成部材 S1,S2,S3 分割面 3 リングレール 4 旋回中心軸 30 制御回路 31 風向検出部 32 風速検出部 33 旋回制御装置 34 分割制御装置 35 開閉制御装置 40 電源調整部 41 発電機 42 電圧調整部 43 送電系統 44 受電系統

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に発電用風車を設けるための垂直に
    立設された筒状の風洞と、突き当たる地表風を誘導面で
    上方に偏向せしめて該風洞の下端開口から該風洞内に誘
    導する偏向器とを備えた、風力発電用の垂直風洞装置。
  2. 【請求項2】 前記風洞の前記発電用風車を設ける位置
    にくびれ部が形成された、請求項1記載の風力発電用の
    垂直風洞装置。
  3. 【請求項3】 前記風洞の上端開口が、前記くびれ部に
    よる風洞内部の圧力降下以上の大気圧降下が得られる高
    さに位置する、請求項1又は2記載の風力発電用の垂直
    風洞装置。
  4. 【請求項4】 前記偏向器が前記風洞の中心軸を旋回中
    心として旋回可能に設けられた、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の風力発電用の垂直風洞装置。
  5. 【請求項5】 地表風の風向きを検出する風向検出手段
    と、前記偏向器の旋回角度を制御する旋回制御装置とを
    備え、 該旋回制御装置は、該風向検出手段によって検出された
    風向に応じて該偏向器の旋回角度を制御する、請求項4
    記載の風力発電用の垂直風洞装置。
  6. 【請求項6】 前記偏向器が分割面によって複数の構成
    部材に分割されており、該分割面の開き角を調整するこ
    とにより前記風洞内に誘導する風量を調整するようにし
    た、請求項1〜5のいずれか1項に記載の風力発電用の
    垂直風洞装置。
  7. 【請求項7】 前記風洞の下端開口近傍 又は/及び 風
    洞内の風速を検出する風速検出手段と、前記分割面の開
    き角を制御する分割制御装置とを備え、 該分割制御装置は、該風速検出手段によって検出された
    風速に応じて該開き角を制御する、請求項6記載の風力
    発電用の垂直風洞装置。
  8. 【請求項8】 前記偏向器の前記誘導面に開閉窓を設
    け、該開閉窓の開口面積を調整することにより前記風洞
    内に誘導する風量を調整するようにした、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の風力発電用の垂直風洞装置。
  9. 【請求項9】 前記風洞の下端開口近傍 又は/及び 風
    洞内の風速を検出する風速検出手段と、前記開閉窓の開
    口面積を制御する開閉制御装置とを備え、 該開閉制御装置は、該風速検出手段によって検出された
    風速に応じて該開口面積を制御する、請求項8記載の風
    力発電用の垂直風洞装置。
  10. 【請求項10】 内部に発電用風車を設けるための垂直
    に立設された筒状の風洞内に、地表風のエネルギーを誘
    導する風力エネルギー誘導方法であって、 突き当たる地表風を上方に偏向せしめる誘導面を有する
    偏向器で、地表風を該風洞の下端開口から該風洞内に誘
    導する、風力エネルギー誘導方法。
  11. 【請求項11】 前記風洞の前記発電用風車を設ける位
    置にくびれ部を形成し、該くびれ部の位置で、該風洞内
    に取り込んだ地表風の風力エネルギーを濃集する、請求
    項10記載の風力エネルギー誘導方法。
  12. 【請求項12】 前記偏向器を前記風洞の中心軸を旋回
    中心として旋回可能に設け、 地表風の風向きに応じて該偏向器を旋回させる、請求項
    10又は11記載の風力エネルギー誘導方法。
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