JPH11342460A - 鋳ぐるみ方法 - Google Patents
鋳ぐるみ方法Info
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- JPH11342460A JPH11342460A JP26589298A JP26589298A JPH11342460A JP H11342460 A JPH11342460 A JP H11342460A JP 26589298 A JP26589298 A JP 26589298A JP 26589298 A JP26589298 A JP 26589298A JP H11342460 A JPH11342460 A JP H11342460A
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- Japan
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- cast
- molten metal
- mold
- heat
- oxide film
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D55/00—Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
- F16D2055/0004—Parts or details of disc brakes
- F16D2055/0016—Brake calipers
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2250/00—Manufacturing; Assembly
- F16D2250/0007—Casting
- F16D2250/0015—Casting around inserts
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 被鋳ぐるみ材の侵食や溶解を防止し、健全な
状態で被鋳ぐるみ材を内装した鋳造品を得る。 【構成】 断熱性物質で被覆し或いは膜厚0.05〜5
0μmの酸化皮膜を形成した被鋳ぐるみ材1を鋳型内に
セットし、鋳ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入する。断
熱性物質としては、窒化物,酸化物,硼化物,炭酸塩,
リン酸塩,黒鉛,炭酸カルシウム,ひる石,酸化鉄,硼
酸,雲母,白亜,酸化チタン,カオリナイト,ガラス繊
維,酸化ケイ素等が使用され、バーミキュライト,ベン
トナイト,水ガラス,ケイ酸ソーダ,ホウ酸等の粘結剤
と混合して被鋳ぐるみ材に塗布できる。 【効果】 断熱性物質又は酸化皮膜によって溶湯の高熱
から被鋳ぐるみ材が保護され、侵食や溶解が抑制され
る。断熱性物質や酸化皮膜は、リサイクルで再溶解して
得られた溶湯が凝固する前に被鋳ぐるみ材から分離して
浮上するため、リサイクル品に残留しない。
状態で被鋳ぐるみ材を内装した鋳造品を得る。 【構成】 断熱性物質で被覆し或いは膜厚0.05〜5
0μmの酸化皮膜を形成した被鋳ぐるみ材1を鋳型内に
セットし、鋳ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入する。断
熱性物質としては、窒化物,酸化物,硼化物,炭酸塩,
リン酸塩,黒鉛,炭酸カルシウム,ひる石,酸化鉄,硼
酸,雲母,白亜,酸化チタン,カオリナイト,ガラス繊
維,酸化ケイ素等が使用され、バーミキュライト,ベン
トナイト,水ガラス,ケイ酸ソーダ,ホウ酸等の粘結剤
と混合して被鋳ぐるみ材に塗布できる。 【効果】 断熱性物質又は酸化皮膜によって溶湯の高熱
から被鋳ぐるみ材が保護され、侵食や溶解が抑制され
る。断熱性物質や酸化皮膜は、リサイクルで再溶解して
得られた溶湯が凝固する前に被鋳ぐるみ材から分離して
浮上するため、リサイクル品に残留しない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳ぐるまれる部材に侵
食,溶解等が生じることなく、リサイクル性,耐食性,
耐酸化性等に優れた鋳造製品を得る鋳ぐるみ方法に関す
る。
食,溶解等が生じることなく、リサイクル性,耐食性,
耐酸化性等に優れた鋳造製品を得る鋳ぐるみ方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内部に流体通路のあるブレーキ等の製品
は、ドリルによる穴開け加工によっても製造されるが,
複雑形状や小内径の流体通路を設ける場合には鋳ぐるみ
法が採用されている。鋳ぐるみ法では、製品本体を金型
鋳造する際に製品本体と同じ材質でできたパイプを一体
に鋳ぐるんでおり、鋳ぐるまれた小径パイプが流体通路
として使用される。製品本体と同材質のパイプを鋳ぐる
むとき、製品本体となる溶湯の熱によってパイプが加熱
され、侵食,溶解等が生じ易く、流体通路の耐リーク性
に問題が生じる。鋳ぐるまれる部材(以下、被鋳ぐるみ
材という)の侵食,溶解等を防止するため、従来から種
々の方法が提案されている。たとえば、特開平3−14
2058号公報では、被鋳ぐるみ材の外周面に融点の高
い金属を被覆した後、鋳ぐるんでいる。融点の高い金属
としてはニッケルめっき,クロムめっき等があり、溶湯
の熱が被鋳ぐるみ材に直接伝わることを防止し、被鋳ぐ
るみ材の侵食や溶解が抑制される。
は、ドリルによる穴開け加工によっても製造されるが,
複雑形状や小内径の流体通路を設ける場合には鋳ぐるみ
法が採用されている。鋳ぐるみ法では、製品本体を金型
鋳造する際に製品本体と同じ材質でできたパイプを一体
に鋳ぐるんでおり、鋳ぐるまれた小径パイプが流体通路
として使用される。製品本体と同材質のパイプを鋳ぐる
むとき、製品本体となる溶湯の熱によってパイプが加熱
され、侵食,溶解等が生じ易く、流体通路の耐リーク性
に問題が生じる。鋳ぐるまれる部材(以下、被鋳ぐるみ
材という)の侵食,溶解等を防止するため、従来から種
々の方法が提案されている。たとえば、特開平3−14
2058号公報では、被鋳ぐるみ材の外周面に融点の高
い金属を被覆した後、鋳ぐるんでいる。融点の高い金属
としてはニッケルめっき,クロムめっき等があり、溶湯
の熱が被鋳ぐるみ材に直接伝わることを防止し、被鋳ぐ
るみ材の侵食や溶解が抑制される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、めっきや蒸着
等で設けられる金属被覆層は、元来熱伝導性が高く、し
かも薄く設けられるため、溶湯からの熱伝達を十分に抑
制できない。そのため、融点が高い金属被覆層を設けた
場合にあっても、被鋳ぐるみ材の侵食又は溶解を完全に
は防止できない。しかも、ニッケルめっき,クロムめっ
き等を施すことにより、リサイクル性や耐食性が悪くな
る。すなわち、被鋳ぐるみ材及び鋳ぐるみ材が同種の金
属であっても、金属被覆層に由来するNi,Cr等が混
入したものとなる。そのため、廃品回収して金属源とし
て使用する場合、不純物の除去に特別の処理が必要とさ
れる。また、異質の金属が被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材と
の接触界面に存在するため、腐食等の起点となって耐食
性も劣化し易い。本発明は、このような問題を解消すべ
く案出されたものであり、断熱性物質で被鋳ぐるみ材の
表面を被覆することにより、被鋳ぐるみ材の侵食や溶解
を抑制し、リサイクル性,耐食性,耐酸化性等に優れた
鋳ぐるみ製品を得ることを目的とする。
等で設けられる金属被覆層は、元来熱伝導性が高く、し
かも薄く設けられるため、溶湯からの熱伝達を十分に抑
制できない。そのため、融点が高い金属被覆層を設けた
場合にあっても、被鋳ぐるみ材の侵食又は溶解を完全に
は防止できない。しかも、ニッケルめっき,クロムめっ
き等を施すことにより、リサイクル性や耐食性が悪くな
る。すなわち、被鋳ぐるみ材及び鋳ぐるみ材が同種の金
属であっても、金属被覆層に由来するNi,Cr等が混
入したものとなる。そのため、廃品回収して金属源とし
て使用する場合、不純物の除去に特別の処理が必要とさ
れる。また、異質の金属が被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材と
の接触界面に存在するため、腐食等の起点となって耐食
性も劣化し易い。本発明は、このような問題を解消すべ
く案出されたものであり、断熱性物質で被鋳ぐるみ材の
表面を被覆することにより、被鋳ぐるみ材の侵食や溶解
を抑制し、リサイクル性,耐食性,耐酸化性等に優れた
鋳ぐるみ製品を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の鋳ぐるみ方法
は、その目的を達成するため、断熱性物質で被覆した被
鋳ぐるみ材を鋳型内にセットし、鋳ぐるみ材となる溶湯
を鋳型に注入することを特徴とする。断熱性物質として
は、窒化物,酸化物,硼化物,炭酸塩,リン酸塩,黒
鉛,炭酸カルシウム,ひる石,酸化鉄,硼酸,雲母,白
亜,酸化チタン,カオリナイト,ガラス繊維,窒化ケイ
素,酸化ケイ素から選ばれた1種又は2種以上が使用さ
れる。また、バーミキュライト,ベントナイト,水ガラ
ス,粘土,ケイ酸ソーダ,ホウ酸,樹脂等の粘結剤と混
合するとき、被鋳ぐるみ材に対する塗布が容易になる。
断熱性物質の被覆量が少なすぎると断熱性が不足するこ
とから、少なくとも被覆厚みを15μm以上(好ましく
は60μm以上)にすることが望ましい。しかし、厚す
ぎる被覆では、鋳ぐるみ材と被鋳ぐるみ材の密着性が悪
くなるので、被覆の厚みを120μm以下にすることが
好ましい。また、被覆層を1層にするよりも、異なる断
熱性物質の多層構造で被覆層を形成する方が効果的であ
る。
は、その目的を達成するため、断熱性物質で被覆した被
鋳ぐるみ材を鋳型内にセットし、鋳ぐるみ材となる溶湯
を鋳型に注入することを特徴とする。断熱性物質として
は、窒化物,酸化物,硼化物,炭酸塩,リン酸塩,黒
鉛,炭酸カルシウム,ひる石,酸化鉄,硼酸,雲母,白
亜,酸化チタン,カオリナイト,ガラス繊維,窒化ケイ
素,酸化ケイ素から選ばれた1種又は2種以上が使用さ
れる。また、バーミキュライト,ベントナイト,水ガラ
ス,粘土,ケイ酸ソーダ,ホウ酸,樹脂等の粘結剤と混
合するとき、被鋳ぐるみ材に対する塗布が容易になる。
断熱性物質の被覆量が少なすぎると断熱性が不足するこ
とから、少なくとも被覆厚みを15μm以上(好ましく
は60μm以上)にすることが望ましい。しかし、厚す
ぎる被覆では、鋳ぐるみ材と被鋳ぐるみ材の密着性が悪
くなるので、被覆の厚みを120μm以下にすることが
好ましい。また、被覆層を1層にするよりも、異なる断
熱性物質の多層構造で被覆層を形成する方が効果的であ
る。
【0005】被鋳ぐるみ材としてアルミニウム又はアル
ミニウム合金を使用する場合、断熱性物質の被覆に替
え、陽極酸化処理,高温酸化等による人工的な酸化皮膜
を断熱層として使用することもできる。酸化皮膜は、断
熱性物質の被覆と同様に鋳ぐるみ材の溶湯を注湯した直
後の高熱が被鋳ぐるみ材に直接伝えられることを防止す
る。このような作用を確保する上で、通常の鋳造法で
は、酸化皮膜の膜厚を0.05〜50μmに調整するこ
とが好ましい。また、鋳造時に高温の溶湯が被鋳ぐるみ
材に直接当たらないようにした鋳造法では、0.05μ
m以上の膜厚でも断熱層として働く。酸化皮膜の作用
は、膜厚50μmで飽和し、それ以上厚膜化しても製造
コストが嵩む。酸化皮膜は、鋳ぐるみに先立って被鋳ぐ
るみ材を陽極酸化,高温酸化等の酸化処理を施すことに
よって形成される。或いは、酸化皮膜がすでに形成され
ているアルミニウム又はアルミニウム合金を被鋳ぐるみ
材として使用する場合には、そのまま金型にセットでき
る。
ミニウム合金を使用する場合、断熱性物質の被覆に替
え、陽極酸化処理,高温酸化等による人工的な酸化皮膜
を断熱層として使用することもできる。酸化皮膜は、断
熱性物質の被覆と同様に鋳ぐるみ材の溶湯を注湯した直
後の高熱が被鋳ぐるみ材に直接伝えられることを防止す
る。このような作用を確保する上で、通常の鋳造法で
は、酸化皮膜の膜厚を0.05〜50μmに調整するこ
とが好ましい。また、鋳造時に高温の溶湯が被鋳ぐるみ
材に直接当たらないようにした鋳造法では、0.05μ
m以上の膜厚でも断熱層として働く。酸化皮膜の作用
は、膜厚50μmで飽和し、それ以上厚膜化しても製造
コストが嵩む。酸化皮膜は、鋳ぐるみに先立って被鋳ぐ
るみ材を陽極酸化,高温酸化等の酸化処理を施すことに
よって形成される。或いは、酸化皮膜がすでに形成され
ているアルミニウム又はアルミニウム合金を被鋳ぐるみ
材として使用する場合には、そのまま金型にセットでき
る。
【0006】被鋳ぐるみ材として中空パイプを使用する
とき、鋳型内にセットした中空パイプに冷媒を供給しな
がら鋳ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入することもでき
る。被鋳ぐるみ材,鋳ぐるみ材には同種又は異種の金属
又は合金を使用でき、被鋳ぐるみ材の融点が鋳ぐるみ材
の融点と同じ又はそれ以下であっても、断熱性粉末で熱
的に保護されているため鋳ぐるみ可能である。たとえ
ば、被鋳ぐるみ材及び鋳ぐるみ材共にアルミニウム合金
を使用し、ブレーキキャリパーを製造することができ、
またマグネシウム材とアルミニウム材とを鋳ぐるむこと
も可能である。
とき、鋳型内にセットした中空パイプに冷媒を供給しな
がら鋳ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入することもでき
る。被鋳ぐるみ材,鋳ぐるみ材には同種又は異種の金属
又は合金を使用でき、被鋳ぐるみ材の融点が鋳ぐるみ材
の融点と同じ又はそれ以下であっても、断熱性粉末で熱
的に保護されているため鋳ぐるみ可能である。たとえ
ば、被鋳ぐるみ材及び鋳ぐるみ材共にアルミニウム合金
を使用し、ブレーキキャリパーを製造することができ、
またマグネシウム材とアルミニウム材とを鋳ぐるむこと
も可能である。
【0007】
【作用】断熱性物質で被覆した被鋳ぐるみ材を鋳型内に
配置し、鋳ぐるみ材となる溶湯を注湯すると、被鋳ぐる
み材と溶湯との間に断熱性物質が介在しているため、注
湯直後の高熱が被鋳ぐるみ材に直接伝達されない。した
がって、被鋳ぐるみ材は、注湯直後の高熱に直接曝され
ず、侵食や溶解が抑えられる。断熱性物質は、リサイク
ル時に鋳ぐるみ製品を再溶解すると、溶湯表面に浮上分
離し、リサイクル品の中に混入することがない。アルミ
ニウム材表面に形成した酸化皮膜も、同様に高熱が被鋳
ぐるみ材に直接伝達されることを防止し、またリサイク
ル時の再溶解処理では溶湯表面に浮上分離する。このよ
うに断熱性物質で被覆し、或いは酸化皮膜を形成するだ
けで、溶湯の高熱から被鋳ぐるみ材が保護されるため、
従来のニッケルめっき,クロムめっき等により融点が高
い金属被覆層を設ける場合に比較して製造が簡単にな
り、しかも低コストで高品質の鋳ぐるみ製品が得られ
る。
配置し、鋳ぐるみ材となる溶湯を注湯すると、被鋳ぐる
み材と溶湯との間に断熱性物質が介在しているため、注
湯直後の高熱が被鋳ぐるみ材に直接伝達されない。した
がって、被鋳ぐるみ材は、注湯直後の高熱に直接曝され
ず、侵食や溶解が抑えられる。断熱性物質は、リサイク
ル時に鋳ぐるみ製品を再溶解すると、溶湯表面に浮上分
離し、リサイクル品の中に混入することがない。アルミ
ニウム材表面に形成した酸化皮膜も、同様に高熱が被鋳
ぐるみ材に直接伝達されることを防止し、またリサイク
ル時の再溶解処理では溶湯表面に浮上分離する。このよ
うに断熱性物質で被覆し、或いは酸化皮膜を形成するだ
けで、溶湯の高熱から被鋳ぐるみ材が保護されるため、
従来のニッケルめっき,クロムめっき等により融点が高
い金属被覆層を設ける場合に比較して製造が簡単にな
り、しかも低コストで高品質の鋳ぐるみ製品が得られ
る。
【0008】
【実施例】実施例1:被鋳ぐるみ材として6063アル
ミニウム合金、鋳ぐるみ材としてAC4Cアルミニウム
合金を用いてブレーキキャリパーを製造した例を説明す
るが、本発明がこれに拘束されるものではなく、他の鋳
ぐるみ製品に対しても同様に提供されることは勿論であ
る。6063アルミニウム合金でできた外径6mm,肉
厚1.5mmのパイプの表面に、表1に示すように断熱
性粉末を塗布した。なお、試験番号3では、2種類の断
熱性粉末を重ね塗りした。断熱性粉末を塗布したパイプ
1の両端を、図1に示すように下型2で支持し、中子3
で押さえ、下型2と上型4との間にできるキャビティ5
に臨ませた。そして、AC4Cアルミニウム合金を注湯
温度710℃でキャビティ5に注入し、パイプ1を鋳ぐ
るんだ。本実施例では、湯溜りからの溶湯注入流が被鋳
ぐるみ材であるパイプ1に直接接触する条件下で鋳造し
た。
ミニウム合金、鋳ぐるみ材としてAC4Cアルミニウム
合金を用いてブレーキキャリパーを製造した例を説明す
るが、本発明がこれに拘束されるものではなく、他の鋳
ぐるみ製品に対しても同様に提供されることは勿論であ
る。6063アルミニウム合金でできた外径6mm,肉
厚1.5mmのパイプの表面に、表1に示すように断熱
性粉末を塗布した。なお、試験番号3では、2種類の断
熱性粉末を重ね塗りした。断熱性粉末を塗布したパイプ
1の両端を、図1に示すように下型2で支持し、中子3
で押さえ、下型2と上型4との間にできるキャビティ5
に臨ませた。そして、AC4Cアルミニウム合金を注湯
温度710℃でキャビティ5に注入し、パイプ1を鋳ぐ
るんだ。本実施例では、湯溜りからの溶湯注入流が被鋳
ぐるみ材であるパイプ1に直接接触する条件下で鋳造し
た。
【0009】
【0010】製造された各ブレーキキャリパーをエアの
連通試験に供し、パイプ1の侵食,溶解を調査した。比
較のため、断熱性粉末を塗布しないパイプを同様に鋳ぐ
るんだブレーキキャリパー(試験番号4)についてもエ
アの連通試験した。エアの連通試験は、被鋳ぐるみ材で
あるパイプの一端からエアを吹込み、パイプの他端から
エアが出てくるか否かでエアの連通を調査した。比較例
1のブレーキキャリパーでは、鋳ぐるみ材となる溶湯の
注入によってパイプが侵食され、ほとんど原形をとどめ
ていなかった。そのため、エアの連通試験では表2に示
すように全数にエアの連通がなかった。これに対し、断
熱性粉末を60μmの厚みで塗布した試験番号2,3で
は、全数にエアの連通があり、鋳造された全個数がブレ
ーキキャリパーとして使用可能なことが判った。また、
断熱性粉末を比較的薄く塗布した試験番号1でも、不良
品の発生があるものの、中空パイプの近傍に有害な欠陥
のない製品も得られた。
連通試験に供し、パイプ1の侵食,溶解を調査した。比
較のため、断熱性粉末を塗布しないパイプを同様に鋳ぐ
るんだブレーキキャリパー(試験番号4)についてもエ
アの連通試験した。エアの連通試験は、被鋳ぐるみ材で
あるパイプの一端からエアを吹込み、パイプの他端から
エアが出てくるか否かでエアの連通を調査した。比較例
1のブレーキキャリパーでは、鋳ぐるみ材となる溶湯の
注入によってパイプが侵食され、ほとんど原形をとどめ
ていなかった。そのため、エアの連通試験では表2に示
すように全数にエアの連通がなかった。これに対し、断
熱性粉末を60μmの厚みで塗布した試験番号2,3で
は、全数にエアの連通があり、鋳造された全個数がブレ
ーキキャリパーとして使用可能なことが判った。また、
断熱性粉末を比較的薄く塗布した試験番号1でも、不良
品の発生があるものの、中空パイプの近傍に有害な欠陥
のない製品も得られた。
【0011】
【0012】実施例2:種々の膜厚で陽極酸化皮膜が形
成された6063アルミニウム合金を被鋳ぐるみ材とし
て使用する外は、実施例1と同じ条件下でAC4Cアル
ミニウム合金で鋳ぐるみ、ブレーキキャリパーを製造し
た。得られたブレーキキャリパーを実施例1と同様なエ
アの連通試験に供し、陽極酸化皮膜の膜厚が良品発生率
に及ぼす影響を調査した。なお、良品発生率は、鋳ぐる
み製品10個を製造したときの良品の個数で表した。表
3の試験結果にみられるように、陽極酸化皮膜の膜厚が
本発明で規定した5〜50μmの範囲にあるとき、高い
良品発生率が得られた。また、比較的厚膜の陽極酸化皮
膜を形成した試験番号9では、鋳造温度を高くしても全
て良好な鋳ぐるみ製品が得られた。これに対し、陽極酸
化皮膜のない試験番号11(比較例)では、被鋳ぐるみ
材が著しく侵食され、得られた鋳ぐるみ製品全てにエア
漏れが生じていた。また、陽極酸化皮膜が薄い試験番号
12(比較例)では、陽極酸化皮膜の断熱作用が不足す
ることから、僅か2個の良品が得られるに止まった。
成された6063アルミニウム合金を被鋳ぐるみ材とし
て使用する外は、実施例1と同じ条件下でAC4Cアル
ミニウム合金で鋳ぐるみ、ブレーキキャリパーを製造し
た。得られたブレーキキャリパーを実施例1と同様なエ
アの連通試験に供し、陽極酸化皮膜の膜厚が良品発生率
に及ぼす影響を調査した。なお、良品発生率は、鋳ぐる
み製品10個を製造したときの良品の個数で表した。表
3の試験結果にみられるように、陽極酸化皮膜の膜厚が
本発明で規定した5〜50μmの範囲にあるとき、高い
良品発生率が得られた。また、比較的厚膜の陽極酸化皮
膜を形成した試験番号9では、鋳造温度を高くしても全
て良好な鋳ぐるみ製品が得られた。これに対し、陽極酸
化皮膜のない試験番号11(比較例)では、被鋳ぐるみ
材が著しく侵食され、得られた鋳ぐるみ製品全てにエア
漏れが生じていた。また、陽極酸化皮膜が薄い試験番号
12(比較例)では、陽極酸化皮膜の断熱作用が不足す
ることから、僅か2個の良品が得られるに止まった。
【0013】
【0014】実施例3:種々の膜厚で陽極酸化皮膜又は
高温酸化皮膜が形成された6063アルミニウム合金を
被鋳ぐるみ材として使用する外は、実施例1と同じ条件
下でAC4Cアルミニウム合金で鋳ぐるみ、ブレーキキ
ャリパーを製造した。本実施例では、湯溜りから金型内
に注入された溶湯の湯面が金型キャビティ内を徐々に上
昇し、被鋳ぐるみ材を覆い込むように鋳造した。得られ
たブレーキキャリパーを実施例1と同様なエアの連通試
験に供し、酸化皮膜の膜厚が良品発生率に及ぼす影響を
調査した。なお、良品発生率は、鋳ぐるみ製品10個を
製造したときの良品の個数で表した。表4の試験結果に
みられるように、酸化皮膜の膜厚が本発明で規定した
0.05〜50μmの範囲にあるとき、高い良品発生率
が得られた。特に、0.5μm,0.05μm又は5μ
mと比較的薄い酸化皮膜を形成した場合でも、湯溜りか
らの溶湯が被鋳ぐるみ材に直接接触しない鋳造法式を採
用することにより被鋳ぐるみ材の溶損が抑えられること
が判った。これに対し、酸化皮膜のない試験番号29〜
31(比較例)では、被鋳ぐるみ材が著しく侵食され、
得られた鋳ぐるみ製品全てにエア漏れが生じていた。
高温酸化皮膜が形成された6063アルミニウム合金を
被鋳ぐるみ材として使用する外は、実施例1と同じ条件
下でAC4Cアルミニウム合金で鋳ぐるみ、ブレーキキ
ャリパーを製造した。本実施例では、湯溜りから金型内
に注入された溶湯の湯面が金型キャビティ内を徐々に上
昇し、被鋳ぐるみ材を覆い込むように鋳造した。得られ
たブレーキキャリパーを実施例1と同様なエアの連通試
験に供し、酸化皮膜の膜厚が良品発生率に及ぼす影響を
調査した。なお、良品発生率は、鋳ぐるみ製品10個を
製造したときの良品の個数で表した。表4の試験結果に
みられるように、酸化皮膜の膜厚が本発明で規定した
0.05〜50μmの範囲にあるとき、高い良品発生率
が得られた。特に、0.5μm,0.05μm又は5μ
mと比較的薄い酸化皮膜を形成した場合でも、湯溜りか
らの溶湯が被鋳ぐるみ材に直接接触しない鋳造法式を採
用することにより被鋳ぐるみ材の溶損が抑えられること
が判った。これに対し、酸化皮膜のない試験番号29〜
31(比較例)では、被鋳ぐるみ材が著しく侵食され、
得られた鋳ぐるみ製品全てにエア漏れが生じていた。
【0015】
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、注入された溶湯の高熱が直接伝達されないように、
断熱性物質で被覆した或いは酸化皮膜を形成した被鋳ぐ
るみ材を鋳型にセットし、鋳ぐるみ材となる溶湯を注入
しているので、溶湯によって被鋳ぐるみ材が侵食又は溶
解することが抑えられる。その結果、融点がほぼ同じ材
料を被鋳ぐるみ材,鋳ぐるみ材に使用した場合にあって
も、健全な形態で被鋳ぐるみ材を内装した鋳造品が得ら
れる。被覆層の断熱性物質や酸化皮膜は、リサイクルで
再溶解して得られた溶湯が凝固する際に被鋳ぐるみ材か
ら分離して浮上するため、リサイクル品に残留すること
がない。そのため、断熱性物質や酸化皮膜の混入に起因
したリサイクル性,耐食性,耐酸化性等の低下も防止さ
れる。
は、注入された溶湯の高熱が直接伝達されないように、
断熱性物質で被覆した或いは酸化皮膜を形成した被鋳ぐ
るみ材を鋳型にセットし、鋳ぐるみ材となる溶湯を注入
しているので、溶湯によって被鋳ぐるみ材が侵食又は溶
解することが抑えられる。その結果、融点がほぼ同じ材
料を被鋳ぐるみ材,鋳ぐるみ材に使用した場合にあって
も、健全な形態で被鋳ぐるみ材を内装した鋳造品が得ら
れる。被覆層の断熱性物質や酸化皮膜は、リサイクルで
再溶解して得られた溶湯が凝固する際に被鋳ぐるみ材か
ら分離して浮上するため、リサイクル品に残留すること
がない。そのため、断熱性物質や酸化皮膜の混入に起因
したリサイクル性,耐食性,耐酸化性等の低下も防止さ
れる。
【図1】 ブレーキキャリパーを製造する実施例を説明
するための図
するための図
1:断熱性粉末を塗布した中空パイプ 2:下型
3:中子 4:上型 5:鋳型キャビティ
3:中子 4:上型 5:鋳型キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 正秀 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番地1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 松崎 善樹 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番地1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】 断熱性物質を被覆した被鋳ぐるみ材を鋳
型内にセットし、鋳ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入す
ることを特徴とする鋳ぐるみ方法。 - 【請求項2】 窒化物,酸化物,硼化物,炭酸塩,リン
酸塩,黒鉛,炭酸カルシウム,ひる石,酸化鉄,硼酸,
雲母,白亜,酸化チタン,カオリナイト,ガラス繊維,
窒化ケイ素,酸化ケイ素から選ばれた1種又は2種以上
を断熱性物質として使用する請求項1記載の鋳ぐるみ方
法。 - 【請求項3】 バーミキュライト,ベントナイト,水ガ
ラス,粘土,樹脂,ケイ酸ソーダ,ホウ酸から選ばれた
1種又は2種以上の粘結剤と断熱性物質とを混合し、被
鋳ぐるみ材を被覆する請求項1又は2記載の鋳ぐるみ方
法。 - 【請求項4】 被鋳ぐるみ材及び鋳ぐるみ材が共にアル
ミニウム又はアルミニウム合金である請求項1〜3の何
れかに記載の鋳ぐるみ方法。 - 【請求項5】 膜厚0.05〜50μmの酸化皮膜が形
成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を被鋳ぐる
み材として鋳型内にセットし、鋳ぐるみ材の溶湯を鋳型
に注入することを特徴とする鋳ぐるみ方法。 - 【請求項6】 被鋳ぐるみ材として中空パイプを用い、
鋳型内にセットした中空パイプに冷媒を供給しながら鋳
ぐるみ材となる溶湯を鋳型に注入する請求項1〜5の何
れかに記載の鋳ぐるみ方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の方法で製
造されたブレーキキャリパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26589298A JPH11342460A (ja) | 1997-10-03 | 1998-09-21 | 鋳ぐるみ方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27097297 | 1997-10-03 | ||
JP9-270972 | 1998-04-01 | ||
JP10-88875 | 1998-04-01 | ||
JP8887598 | 1998-04-01 | ||
JP26589298A JPH11342460A (ja) | 1997-10-03 | 1998-09-21 | 鋳ぐるみ方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11342460A true JPH11342460A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=27305931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26589298A Pending JPH11342460A (ja) | 1997-10-03 | 1998-09-21 | 鋳ぐるみ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11342460A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2020139349A1 (en) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | Halliburton Energy Services, Inc. | Mold for downhole tool or component thereof |
CN117677781A (zh) * | 2021-07-28 | 2024-03-08 | 日本轻金属株式会社 | 活塞收容体 |
-
1998
- 1998-09-21 JP JP26589298A patent/JPH11342460A/ja active Pending
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US12110931B2 (en) | 2021-07-28 | 2024-10-08 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | Piston housing body |
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