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JPH11337986A - 光スイッチ方法と光スイッチ装置 - Google Patents

光スイッチ方法と光スイッチ装置

Info

Publication number
JPH11337986A
JPH11337986A JP10141427A JP14142798A JPH11337986A JP H11337986 A JPH11337986 A JP H11337986A JP 10141427 A JP10141427 A JP 10141427A JP 14142798 A JP14142798 A JP 14142798A JP H11337986 A JPH11337986 A JP H11337986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
electric field
transmitting element
optical switch
controlled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10141427A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Shingu
正孝 新宮
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
Toru Sugimoto
徹 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10141427A priority Critical patent/JPH11337986A/ja
Priority to US09/315,977 priority patent/US6185031B1/en
Publication of JPH11337986A publication Critical patent/JPH11337986A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過素子の屈折率を外部電界の変化により
制御して光スイッチを行う。 【解決手段】 共役系電子を保有する物質よりなる光透
過素子に電界を印加して、この電界の大きさ、方向を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチ方法と
光スイッチ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】通常、所定の物質に入射した光が、所定
の角度をもって出射することに依存する光の屈折率は、
その物質固有のものである。
【0003】この物質が有する固有の値である光の屈折
率を、外部からの電界によって制御し、出射光の進行方
向を制御することに関しては、従来、種々の提案がなさ
れている。
【0004】例えば、特開昭52−111739の「薄
膜スイッチアレイ」においては、ニオブ酸リチウムより
なる結晶基板にTiを拡散させた基板に、所定の電界を
印加して、この基板の屈折率を低下させて、所定の波長
の光の反射光路の切り換えを行うという技術が提案され
ており、特開昭50−115547の「薄膜光スイッ
チ」においても、Sr0.75Ba0.25Nb2 6 よりなる
基板に、所定の電界を印加して、この基板の屈折率を変
化させて所定の波長の光の反射光路の切り換えを行うと
いう技術が提案されている。
【0005】また、非常に微細な液晶の粒子を、紫外線
硬化性樹脂の中に分散させて閉じ込めた有機材料に、電
圧を加えると、この材料の光の屈折率が変化し、出射光
の進行方向を変化させることができるという技術が提案
されている。これは、液晶分子の並ぶ方向に変化を与え
ることによるものである。
【0006】また、側鎖に液晶性分子を有するフォトポ
リマー、すなわち強誘電体液晶(例えば大日本インキ工
業株式会社製 UCL−001)を用いた場合も同様の
効果が得られることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
非常に微細な液晶の粒子を、紫外線硬化性樹脂の中に分
散させて閉じ込めた有機材料に、電圧を加えて光の屈折
率が変化させる方法については、屈折率変化の応答時間
は、10マイクロ秒以下、すなわち、数マイクロ秒程度
であり、強誘電体液晶を用いた場合の屈折率変化の応答
時間は、10〜40マイクロ秒程度である。
【0008】物質の光屈折率の変化は、光通信網で信号
の流れを切り換えたり、液晶ディスプレイにおける情報
伝達に利用したりすることができるが、これらを迅速に
行わせるためには、屈折率変化の応答時間の短縮するこ
とが望まれている。
【0009】そこで、本発明においては、光屈折率変化
の応答時間をさらに短縮することができる光スイッチ方
法と光スイッチ装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光スイッチ方法
は、共役系電子を保有する物質よりなる光透過素子に対
する印加電界を制御することによって光透過素子の共役
系電子を保有する物質の電子状態を変化させて屈折率を
変化させ、これにより、光透過素子に入射させる光の出
射方向を制御して光透過素子からの出射光を偏向し、新
たに選択された被制御素子に光照射を行って被制御素子
の制御を行うものである。
【0011】本発明の光スイッチ装置は、共役系電子を
保有する物質よりなる光透過素子と、光透過素子に電界
を印加する電界印加手段と、光照射によって制御される
複数の被制御素子とを有して成るものとし、電界印加手
段によって光透過素子に対する電界の強さおよび方向の
少なくともいずれかを制御して、光透過素子の共役系電
子を保有する物質の電子状態を変化させて光透過素子の
屈折率を変化させることにより、光透過素子に入射させ
る光の出射方向を従前のものから偏向して新たに選択さ
れた被制御素子に光照射の切換えを行って被制御素子の
制御を行うものとする。
【0012】上述した本発明の光スイッチ方法および光
スイッチ装置によれば、光透過素子に電界を印加すると
いう簡易な方法により物質の電子状態の変化を迅速に行
わせることができ、これにより、この光透過素子の屈折
率の変化の応答時間を従来技術よりさらに短縮し、光の
出射方向を偏向して選択された被制御素子に光照射の切
換えを行って被制御素子の制御を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の光スイッチ方法は、共役
系電子を保有する物質よりなる光透過素子に対する印加
電界を制御することによって、光透過素子の共役系電子
を保有する物質の電子状態を変化させて屈折率を変化さ
せ、これにより、光透過素子に入射させる光の出射方向
を制御して光透過素子からの出射光を偏向し、新たに選
択された被制御素子、例えば光検出器に光照射を行って
被制御素子の制御を行うものである。
【0014】また、本発明の光スイッチ装置は、共役系
電子を保有する物質よりなる光透過素子と、光透過素子
に電界を印加する電界印加手段、例えば対の電極と、光
照射によって制御される複数の被制御素子、例えば光検
出器とを有して成るものである。そして、電界印加手段
によって光透過素子に対する電界の強さ、方向を制御し
て、光透過素子の共役系電子を保有する物質の電子状態
を変化させて光透過素子の屈折率を変化させるものであ
って、これにより、光透過素子に入射させる光の出射方
向を従前のものより偏向して、新たに選択された被制御
素子に光照射の切換えを行って被制御素子の制御を行う
ものである。
【0015】以下、本発明の光スイッチ装置の一例と、
本発明の光スイッチ方法の一例について、図を参照して
説明するが、本発明の光スイッチ装置、および光スイッ
チ方法は、以下に示す例に限定されるものではなく、従
来公知の構成を併用することができる。
【0016】図1に本発明の光スイッチ装置10の一例
の概略図を示す。光スイッチ装置10は、光源20から
の入射光Lに対して傾いた第1の光学面1aと、これと
非平行の第2の光学面1bとを有する下記に示す共役系
電子を保有する物質よりなる光透過素子1、例えばプリ
ズムと、光透過素子1に電界を印加する例えば第1およ
び第2の電極11および12により構成される対の電極
より成る電界印加手段50と、光照射によって制御され
る複数の被制御素子21および22、例えばダイオード
等の光検出器を有して成る。
【0017】図1に示すように、電界印加手段である第
1の電極11と第2の電極12とは、光透過素子1を挟
んで平行に、かつ、紙面すなわちyz平面に対して垂直
になるように設置されている。また、この例において
は、第2の電極12を接地電位とし、これに対して第1
の電極11の電位を制御している。また、上記光透過素
子1に光を入射する光源20と、光透過素子1を透過し
た光を受光する、第1および第2の被制御素子21およ
び22は、光源20と光透過素子1を介して反対側に設
置されている。
【0018】ここで、光透過素子1を構成する材料の共
役系電子を保有する物質は、以下のように定義する。
【0019】分子理論上、二重結合と一重結合とが一つ
おきにつながった構造を共役二重結合の構造といい、三
重結合と一重結合とが一つおきにつながった構造を共役
三重結合の構造という。これらをまとめて共役多重結合
の構造という。このような構造をもったものが光透過素
子1の材料として挙げられる。また、二重結合を一つだ
け有する構造の場合や、三重結合を一つだけ有する構造
の場合も共役多重結合の構造に含められるものとする。
これらにおいては、同一の原子が結合するものに限られ
ず、異なる原子が結合して共役多重結合を形成する構造
のものも含まれる。
【0020】また、例えば、アリル基のように二重結合
と不対電子とを有する構造のものや、例えばアセトアミ
ドのように二重結合と孤立電子対とを有する構造のもの
も含まれる。また、例えばメチル基のように擬π(パ
イ)電子による超共役がある場合も、ここでは、共役系
電子を保有する物質に含められるものとする。
【0021】すなわち、共役系電子とは、π電子であ
り、あるいは不対電子であり、あるいは孤立電子対であ
り、あるいは擬π電子である。このように、共役系電子
の少なくともいずれかの電子を含む物質を共役系電子を
保有する物質と呼称する。
【0022】このような共役系電子は、外部電界の影響
を受けやすいという性質を有している。すなわち、外部
電界が加えられると共役系電子が結合に沿って移動する
ためである。特に、多くのπ電子からなる共役多重結合
の構造を有する物質においては、π電子の広がりが大き
くなるため、π電子はそれだけ動きやすくなり、外部電
界の影響を強く受ける。また、分子が電気的に中性でな
く、プラスやマイナスの電気的な偏りがある場合には、
外部電界の影響をさらに強く受ける。このように、共役
系電子を保有する物質に外部電界が加わると、分子内で
の共役系電子の分布が電界がない場合と比較して電子状
態が変化する。この電子状態の変化は、共役系電子を保
有する物質に加えられる外部電界の方向や強さに依存し
て変化する。
【0023】このため、共役系電子を保有する物質は、
外部電界を加えられると、その分子による光吸収度も変
化するという性質がある。この性質についても、分子が
電気的に中性でなく、プラスやマイナスの電気的な偏り
がある場合には、外部電界の影響をさらに強く受ける。
【0024】上述した共役系電子を保有する物質の分子
の、外部影響による状態変化にかかる時間を、光吸収を
例に挙げて説明する。これら共役系電子を保有する物質
は、紫外線、可視光線、赤外線等の光を共役系電子の運
動エネルギーの増加として吸収する。光吸収は、光が分
子を通過するのに必要な時間内に起こっている。例え
ば、波長が500nmの光が、一波長進むためにかかる
時間は、500×10-9(m)/3×108 (m/s)
により求められ、これより、1.67×10
-15 (s)、すなわち、約2フェムト秒(10-15 秒)
である。すなわち、共役系電子を保有する物質の分子
の、光吸収による電子状態変化が、約2フェムト秒(1
-15 秒)で起こることがわかる。
【0025】共役系電子を保有する物質の分子の、外部
影響による状態変化として、他の諸特性、例えば外部電
界が加えられた場合についても上述した光吸収と同様の
ことが言える。すなわち、共役系電子を保有する物質の
分子の、外部電界による状態変化は、約2フェムト秒
(10-15 秒)程度で起こる。
【0026】上記外部影響により変化する物質の状態と
しては、例えば光学的諸特性、例えば、屈折率が挙げら
れる。物質の屈折率については、屈折率の2乗=(誘電
率)×(透磁率)という関係があり、物質固有の物理量
である。したがって、この屈折率も、外部電界の影響に
より状態変化が起こり、その変化は約2フェムト秒(1
-15 秒)程度で起こることがわかる。
【0027】前述したように、共役系電子を保有する物
質の分子の、外部影響による状態変化にかかる時間が、
上述した従来の光スイッチ装置の適用した物質よりもは
るかに短いのは、従来の光スイッチ装置に適用した物質
の状態変化に際して、原子や分子を動かさなければなら
ないのに対し、本発明の光スイッチ装置においては、原
子に比べて質量が1/1800程度である電子(共役系
電子)を動かせばよいことに起因している。
【0028】以下、図1に示した光スイッチ装置10を
用いて、光スイッチを行う方法を説明する。
【0029】図1に示す本発明の光スイッチ装置10に
おいて、第1の電極11に、第1の電位V1 を与え、第
2の電極12との間に所定の電界E1 を印加する。光源
20から、光透過素子1に光Lを入射する。この光L
は、遠赤外線、赤外線、近赤外線、可視光線、近紫外
線、紫外線、遠紫外線のうちのいずれかである。このと
き、入射光Lは、光透過素子1により、屈折して出射
し、出射光L1 は、第1の被制御素子21、例えば光検
出器21に照射される。
【0030】次に、電界印加手段50を制御して第1の
電極11に、第1の電位とは異なる値の第2の電位V2
を与えて第2の電極12との間に上記電界E1 とは異な
る電界E2 を印加する。
【0031】このように電界印加手段50により、光透
過素子1に印加される電界を制御することにより、光透
過素子1の共役系電子を保有する物質の電子状態が変化
し、光透過素子1の屈折率が変化する。これにより、光
透過素子1から出射する光L2 は、上述した電界E1
ある場合の出射光L1 とは異なる方向に進み、第2の被
制御素子22、例えば光検出器に照射される。すなわ
ち、光透過素子1から出射する出射光を偏向して、その
方向を制御し、選択された被制御素子、例えば光検出器
に光照射を行うことができる。
【0032】また、図1に示すように、本発明の光スイ
ッチ装置10においては、光源20から出射した光の強
度を、光変調装置31により変調させて、第1および第
2の被制御素子21および22に入射する光の光量を最
適化させるようにした構成とすることもできる。
【0033】上述したように、電界印加手段50により
光透過素子1に印加される電界を制御することにより、
複数の被制御素子、例えば第1および第2の被制御素子
21および22に光照射させることができ、これによ
り、被制御素子の制御を行うことができる。例えば、光
の進行方向を信号化して光通信装置として利用したり、
各種照明装置、露光装置、温度センサー、液晶ディスプ
レイ等にも利用することができる。
【0034】図2に、図1に示した本発明の光スイッチ
装置10を用いて、電界の大きさに変化を与えた前後に
おける第1の被制御素子21と第2の被制御素子22に
流れる電流の状態図を示す。この例においては、被制御
素子21および22に、光検出器を用いるものとし、こ
の光検出器は光が照射されると、端子間に電流が流れ、
これにより光を検出することができる機能を有している
ものとする。
【0035】図2に示すように、先ず、電界印加手段5
0を構成する第1の電極11に電位V1 を与え、第2の
電極12との間に所定の電界E1 を印加する。このよう
にすると、上述したように、光透過素子1からの出射光
1 は、第1の被制御素子21に照射し、これにより、
第1の電流i1 が流れる。また、このとき、第2の被制
御素子22には、光が照射していないため、電流は流れ
ていない。
【0036】次に、図2に示すように、t1 (秒)後、
電界印加手段50により、第1の電位V1 とは異なる値
の第2の電位V2 に切り換えて、所定の電界E2 を印加
する。このようにすると、電位をV1 からV2 に切り換
えてから、ΔT1 =(t2 −t1 )秒後に第1の被制御
素子21に流れる電流の値が0となり、第2の被制御素
子22には電流i2 が流れていることが検出される。
【0037】次に、第1の電極11の電位をV2 に切り
換えてからT(秒)間後、電位を再びV1 に切り換え
て、第2の電極12との間に電界E1 を印加する。この
ようにすると、電位を切り換えてから、ΔT2 =(t4
−t3 )秒後に第1の被制御素子21に流れる電流の値
がi1 となり、第2の被制御素子22に流れる電流の値
は0となる。
【0038】上述したように、共役系電子を保有する物
質の分子の、外部影響による状態変化は、約2フェムト
秒(10-15 秒)程度で起こることから、図2に示した
第1および第2の被制御素子21および22に流れる電
流値の変化時間ΔT1 およびΔT2 は、約2フェムト秒
(10-15 秒)程度であることがわかる。
【0039】なお、図2に示した第1の電極11の電位
をV1 からV2 に切り換えてから、電位を再びV1 に切
り換えるまでの時間T(秒)は、図1に示す第1および
第2の被制御素子21および22の閾値(thresh
old)で決定される。従って、この閾値の小さい被制
御素子を用いれば、例えば極めて高周波数のディジタル
通信に利用することができる。
【0040】なお、図1に示した光源20から出射する
光の波長は、光透過素子1に適用する物質によって選定
することが必要である。以下これについて説明する。光
透過素子1に適用する物質として、ブタジエン、ヘキサ
トリエン、トリプトファン、フィトクロモビリンを用い
た場合に、それぞれにおいて適用する入射光Lの波長の
例を(表1)に示す。ここで、(表1)中、共役系の大
きさとは、π電子の広がり範囲をいうものとする。
【0041】
【表1】
【0042】(表1)に示すように、ブタジエンにおい
ては、最長の吸収帯の波長、すなわち吸収帯の最大の吸
収を示す波長が235nmであり、吸収帯の広がりを考
慮すると、適用する光は、波長が、この1.4倍程度の
長さの300nm以上の光とすることができる。同様
に、ヘキサトリエンについては、最長の吸収帯の波長が
273nmであり、吸収帯の広がりを考慮すると、適用
する光は、波長が350nm以上の光とすることができ
る。トリプトファンについては、最長の吸収帯の波長が
280nmであり、吸収帯の広がりを考慮すると、適用
する光は、波長が400nm以上の光とすることができ
る。フィトクロモビリンについては、最長の吸収帯の波
長が690nmであり、吸収帯の広がりを考慮すると、
適用する光は、波長が800nm以上の光とすることが
できる。
【0043】次に、図3に示すように、上記共役系電子
保有物質よりなるプリズム30に、入射角=60°とし
て、光Lを入射させる場合であって、プリズム30の屈
折率nを、1.28〜1.32に変化させた場合の、出
射光の屈折角rと、nが1.30の場合を基準とした屈
折角の変化量Δrを、(表2)に示す。
【0044】
【表2】
【0045】なお、入射角=60°、屈折角をr度、屈
折率をnとした場合には、以下に示す関係式が成立す
る。 r=sin-1{n×sin〔90−sin-1(sin6
0/n)〕}
【0046】この(表2)によれば、屈折率nが、0.
01だけ変化すると、出射光の進行方向は、約3.57
°程度も変化することがわかる。また、このとき、誘電
率の変化は、約1.69から、約1.72までのわずか
0.03程度、すなわち1.5%程度だけ変化した。
【0047】上述のように、図1を示した例において
は、光透過素子1を挟んで、紙面すなわちyz平面に対
して垂直に、第1の電極11および第2の電極12によ
る電界印加手段50を設置した場合について説明した
が、本発明は、この例に限定されるものではなく、紙
面、すなわちyz平面と平行になる、光透過素子1を挟
んで平行に対の電極を設けたりして、2対以上の電極に
よる電界印加手段を設けた場合についても同様に適用す
ることができる。
【0048】図4に、紙面、すなわちyz平面と平行に
なるように、第3の電極13と第4の電極14を光透過
素子1を挟んで平行に設置した場合の光スイッチ装置3
2の概略図を示す。図4において、図2と対応する部分
に同一符号を付して示す。図4に示す構造の光スイッチ
装置32において、第1の電極11と第2の電極12よ
りなる電界印加手段50により所定の電界をかけ、第3
の電極13と第4の電極14よりなる電界印加手段51
にも同様に所定の電界をかけてこれらの電界の強さ、方
向を調整する。このようにして、上述の図1を示して説
明した例と同様に、光の出射方向をL1 からL2 に偏向
させて、選択された第1の被制御素子21、第2の被制
御素子22に光照射の切り換えを行って、この被制御素
子の制御を行う。
【0049】また、本発明の光スイッチ装置は、図5に
示すような構造とすることもできる。図5には、紙面、
すなわちyz平面と垂直になるような面方向であって、
第1の電極11および第2の電極12とは垂直になるよ
うな位置関係すなわちxz平面内に、第5の電極15お
よび第6の電極16よりなる電界印加手段52を設置し
た光スイッチ装置33を示す。この場合、第5の電極お
よび第6の電極16は、少なくともその一部、あるいは
全部が入射光Lを透過する透明、あるいは半透明となさ
れている。図5において、図1および図4と対応する部
分には、同一符号を付す。
【0050】図5に示す構造の光スイッチ装置33にお
いて、第1の電極11と第2の電極12よりなる電界印
加手段50により所定の電界をかけ、第5の電極15と
第6の電極16よりなる電界印加手段52にも同様に所
定の電界をかけてこれらの電界の強さ、方向を調整す
る。このようにして、上述の図1を示して説明した例と
同様に、光の出射方向をL1 からL2 に偏向させて、選
択された第1の被制御素子21、第2の被制御素子22
に光照射の切り換えを行って、この被制御素子の制御を
行う。
【0051】また、本発明は、図1、図4、図5におい
て示した電界印加手段50〜52を組み合わせて、第1
〜第6の電極11〜16よりなる3対の電極を設けた構
成とすることもできる。
【0052】また、電極11〜14についても入射光に
対して透明、あるいは半透明とすることができる。
【0053】本発明の光スイッチ装置を構成する光透過
素子1は、以下に示す各種の共役系電子を保有する物質
によって構成することができる。例えば、カロチノイド
系の材料として、β−カロチン、フィコキサンチン等、
や、フラボン、フラボノールや、アントシアン系材料と
して、フラビン、アントシアニン等や、ポルフィリン系
材料として、テトラピロール誘導体等である。また、ア
ミノ酸や、核酸や、エチレン等の炭化水素系化合物や、
三重結合を持つ共役系電子保有物質としては、ポリアセ
チレン等や、超共役電子を保有する物質としては、ビタ
ミンA等を用いることができる。また、いわゆる共役系
電子を有する物質であれば、有機物に限らず、無機物に
ついても同様に適用することができる。例えばガラス、
二酸化珪素等についても同様に適用することができる。
【0054】また、上記各種有機物、各種無機物の混合
物、さらに、これら有機物と無機物との混合物について
も、各種条件、用途に応じて適用することができる。
【0055】また、本発明の光スイッチ装置を構成する
光透過素子1は、上述の実施例において示した形状に限
定されるものではなく、図6A〜図6Hに示すような種
々の形状とすることができる。例えば、図6Aの板状、
四角柱状、図6Bに示す多面体状、図6Cに示す回転楕
円体状、図6Dに示すメニスカスレンズ形状、図6Eに
示す三角柱状、図6Fに示す球を平面で切断した立体
状、図6Gに示す半円柱状、図6Hに示す中空を有する
棒状、その他球状、円錐状、三角錐状、多角錐状、リン
グ状、多角棒状、瓢箪形状、四角錐を底面に平行な面で
切った立体、四角柱の側面を外側あるいは内側にわん曲
させた立体、多角柱の少なくとも一の側面を外側あるい
は内側にわん曲させた立体、円錐の母線を外側あるいは
内側にわん曲させた立体、その他、曲面と平面とを組み
合わせた立体、複数の曲面を組み合わせた立体等、入射
光を屈折させることができれば各種形状のものを適用す
ることができる。
【0056】また、上記光透過素子1の共役系電子保有
物質が、固体である場合には、これらを各種形状に加工
することができ、液体である場合には、各種形状のガラ
スや石英等の入射光に対して透明な素材からなる容器で
封じてこれを適用することができる。また、気体である
場合には、上記各種形状のガラスや石英等の入射光に対
して透明な素材からなる容器で密封してこれを適用する
ことができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の光スイッチ方法、および本発明
の光スイッチ装置によれば、光透過素子に電界を印加さ
せ、この電界の強さ、方向の制御を行うのみにより、光
透過素子の物質の電子状態の変化を迅速に行わせること
ができた。これにより光透過素子の屈折率の変化の応答
時間を従来技術よりさらに短縮させることができた。ま
た、光の出射方向を迅速に偏向して選択された被制御素
子に光照射の切換えを行うことができ、これにより、被
制御素子の制御の迅速化を図ることができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スイッチ装置の一例の概略構成図を
示す。
【図2】本発明の光スイッチ装置を用いて電界の大きさ
を変化させた前後における第1の光検出器と第2の光検
出器の端子に流れる電流の状態図を示す。
【図3】プリズムの入射角を60°とした場合の出射光
の屈折の状態図を示す。
【図4】本発明の光スイッチ装置の他の一例の概略構成
図を示す。
【図5】本発明の光スイッチ装置の他の一例の概略構成
図を示す。
【図6】A〜H 光透過素子の形状の一例を示す。
【符号の説明】
1…光透過素子、1a…第1の光学面、1b…第2の光
学面、10,32,33…光スイッチ装置、11…第1
の電極、12…第2の電極、13…第3の電極、14…
第4の電極、15…第5の電極、16…第6の電極、2
0…光源、21…第1の被制御素子、22…第2の被制
御素子、30…プリズム、31…変調装置、50,5
1,52…電界印加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 徹 神奈川県横須賀市荻野2−5

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役系電子を保有する物質よりなる光透
    過素子に対する印加電界を制御することによって上記光
    透過素子の上記物質の電子状態を変化させて該光透過素
    子の屈折率を変化させ、 該光透過素子に入射させる光の出射方向を制御して該光
    透過素子からの出射光を偏向し、選択された被制御素子
    に光照射を行って該被制御素子の制御を行うことを特徴
    とする光スイッチ方法。
  2. 【請求項2】 共役系電子を保有する物質よりなる光透
    過素子と、 該光透過素子に電界を印加する電界印加手段と、 光照射によって制御される複数の被制御素子とを有して
    成り、 上記電界印加手段によって上記光透過素子に対する電界
    の強さおよび方向の少なくともいずれかを制御して、上
    記光透過素子の上記物質の電子状態を変化させて該光透
    過素子の屈折率を変化させることにより、上記光透過素
    子に入射させる光の出射方向を偏向して選択された上記
    被制御素子に光照射の切換えを行って該被制御素子の制
    御を行うことを特徴とする光スイッチ装置。
  3. 【請求項3】 共役系電子を保有する物質よりなる光透
    過素子と、 該光透過素子に電界を印加する電界印加手段と、 光照射によって制御される複数の被制御素子と、 光変調装置とを有して成り、 上記電界印加手段によって上記光透過素子に対する電界
    の強さおよび方向の少なくともいずれか一方を制御し
    て、上記光透過素子の上記物質の電子状態を変化させて
    該光透過素子の屈折率を変化させることにより、上記光
    透過素子に入射させる光の出射方向を偏向して選択され
    た上記被制御素子に光照射の切換えを行うと共に上記光
    変調装置によって、該被制御素子に光入射させる光の強
    度を変調することを特徴とする光スイッチ装置。
  4. 【請求項4】 上記被制御素子が光検出素子であること
    を特徴とする請求項2に記載の光スイッチ方法。
  5. 【請求項5】 上記被制御素子が光検出素子であること
    を特徴とする請求項2に記載の光スイッチ装置。
  6. 【請求項6】 上記被制御素子が光検出素子であること
    を特徴とする請求項3に記載の光スイッチ装置。
  7. 【請求項7】 上記電界印加手段が、少なくとも一対の
    電極であることを特徴とする請求項2に記載の光スイッ
    チ装置。
  8. 【請求項8】 上記電界印加手段が、少なくとも一対の
    電極であることを特徴とする請求項3に記載の光スイッ
    チ装置。
  9. 【請求項9】 上記電界印加手段の少なくとも一部が、
    入射光を透過する透明あるいは半透明となされているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光スイッチ装置。
  10. 【請求項10】 上記電界印加手段の少なくとも一部
    が、入射光を透過する透明あるいは半透明となされてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の光スイッチ装置。
  11. 【請求項11】 上記光透過素子に入射させる光は、赤
    外線、可視光線、紫外線のうちのいずれかであることを
    特徴とする請求項1に記載の光スイッチ方法。
  12. 【請求項12】 上記光透過素子に入射させる光は、赤
    外線、可視光線、紫外線のうちのいずれかであることを
    特徴とする請求項2に記載の光スイッチ装置。
  13. 【請求項13】 上記光透過素子に入射させる光は、赤
    外線、可視光線、紫外線のうちのいずれかであることを
    特徴とする請求項3に記載の光スイッチ装置。
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