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JPH11336680A - ヘリカルブレード式圧縮機 - Google Patents

ヘリカルブレード式圧縮機

Info

Publication number
JPH11336680A
JPH11336680A JP14291898A JP14291898A JPH11336680A JP H11336680 A JPH11336680 A JP H11336680A JP 14291898 A JP14291898 A JP 14291898A JP 14291898 A JP14291898 A JP 14291898A JP H11336680 A JPH11336680 A JP H11336680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
cylinder
blade
type compressor
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14291898A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Ozu
政雄 小津
Yutaka Sasahara
豊 笹原
Seiichi Amano
誠一 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP14291898A priority Critical patent/JPH11336680A/ja
Publication of JPH11336680A publication Critical patent/JPH11336680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ローラのガス圧縮によって発生する
側圧による揺動を防止して、圧縮性能の向上を図ったヘ
リカルブレード式圧縮機を提供する。 【解決手段】円筒状のシリンダ8、シリンダ内に偏心配
置されたローラ15、このローラの外周面とシリンダの
内周面との間に配設されたブレード26および複数の圧
縮室27を備えた圧縮機構部3と、この圧縮機構部を駆
動する電動機部4とを具備し、上記ローラは、その内部
に上記電動機部から延出される回転軸2が挿通されると
ともに、この回転軸に所定間隔を存して一体的に設けら
れる一対のクランク部12A,12Bによって偏心駆動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空気調和
機の冷凍サイクルを構成するヘリカルブレード式圧縮機
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば空気調和機の冷凍サイク
ルを構成する圧縮機として、ヘリカルブレード式圧縮機
が提案されている。この種の圧縮機によれば、従来のレ
シプロ式やロータリ式圧縮機におけるシール性不良など
を除去でき、比較的簡単な構成によりシール性を向上さ
せて効率のよい圧縮がなされるとともに、部品の製造お
よび組立てが容易化される。
【0003】このヘリカルブレード式圧縮機として具体
的な構成は、固定したシリンダ内にローラを偏心配置
し、このローラの外周面に螺旋状溝を形成してブレード
を突没自在に嵌め込み、このブレードとシリンダおよび
ローラとの間に形成される圧縮室に被圧縮流体である冷
媒ガスを導入して圧縮するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ローラ
は圧縮作用が開始されると、側圧を受けて左右に揺動運
動する傾向にある。特に、起動時などにおいて液冷媒を
吸込んだ場合は、より激しく揺動し易い。
【0005】シリンダ内径とローラ外径の最小隙間は普
通、数十μm 以下に設計されており、揺動現象が発生す
ると隙間の均一性が確保できなくなり、圧縮性能の低下
を招く恐れがあることのほか、ローラがシリンダと接触
する危険性すらある。
【0006】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、ローラのガス圧縮に
よって発生する側圧による揺動を防止し、液圧縮などの
条件変化によってもローラにかかる荷重の中心が2つの
クランク部の間にあることを保証して、圧縮性能の向上
を図ったヘリカルブレード式圧縮機を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
本発明のヘリカルブレード式圧縮機は、請求項1とし
て、円筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏心配置され
たローラ、このローラの外周面と上記シリンダの内周面
間に配設されたブレード、このブレードと上記シリンダ
およびローラとの間に形成される複数の圧縮室を備えた
圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する駆動部とを具
備し、上記ローラは、その内部に駆動部から延出する駆
動軸が挿通されるとともに、この駆動軸に所定間隔を存
して一体的に設けられる一対の偏心クランク部によって
偏心駆動されることを特徴とする。
【0008】請求項2として、請求項1記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記駆動軸は、上記偏心クラ
ンク部のそれぞれ外側部位において軸受け具に枢支さ
れ、かつ偏心クランク部の内側部位における駆動軸軸径
は、上記軸受け具枢支部の軸径よりも大に形成されるこ
とを特徴とする。
【0009】請求項3として、請求項1記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記駆動軸の偏心クランク部
相互間には、カウンタバランサが配設されることを特徴
とする。
【0010】請求項4として、請求項3記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記カウンタバランサは、上
記駆動軸を構成する素材よりも比重の高い素材からなる
ことを特徴とする。
【0011】請求項5として、請求項4記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記カウンタバランサは、そ
の素材がタングステン材を含むヘビーメタル材を用いた
ことを特徴とする。
【0012】上記目的を満足するため、他の発明のヘリ
カルブレード式圧縮機は請求項6として、円筒状のシリ
ンダ、このシリンダ内に偏心配置されたローラ、このロ
ーラの外周面と上記シリンダの内周面間に配設されたブ
レード、このブレードと上記シリンダおよびローラとの
間に形成される複数の圧縮室を備えた圧縮機構部と、一
端部に駆動源が設けられ他端部が圧縮機構部の上記ロー
ラ内に挿通される駆動軸、この駆動軸に一体的に設けら
れローラの内径に摺接してローラを偏心駆動するクラン
ク部および駆動軸を回転自在に枢支する軸受け具を備え
た駆動部とを具備し、上記ローラ端部と上記軸受け具と
の間に、ローラ端面に密接してガスシールをなすシール
部材が介在されることを特徴とする。
【0013】請求項7として、請求項6記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記軸受け具とシール部材と
の間に、シール部材をローラ端面に押圧付勢する付勢部
材が介在されることを特徴とする。
【0014】請求項8として、請求項7記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記ローラ端面もしくは上記
シール部材に、上記軸受け具とシール部材との間の空間
に貯溜する潤滑油を上記圧縮室に導く給油通路を設けた
ことを特徴とする。
【0015】請求項9として、請求項6記載のヘリカル
ブレード式圧縮機において上記軸受け具は、その周部に
沿ってボス部を備え、この軸受け具ボス部に係合部が設
けられ、上記スラスト板に上記係合部に係合する係止部
が設けられることを特徴とする。
【0016】上記目的を満足するため、他の発明のヘリ
カルブレード式圧縮機は、請求項10として、円筒状の
シリンダ、このシリンダ内に偏心配置されたローラ、こ
のローラの外周面と上記シリンダの内周面間に配設され
たブレード、このブレードと上記シリンダおよびローラ
との間に形成される複数の圧縮室を備えた圧縮機構部
と、一端部に駆動源が設けられ他端部が圧縮機構部の上
記ローラ内に挿通される駆動軸、この駆動軸に一体的に
設けられローラの内径に摺接してローラを偏心駆動する
クランク部および上記駆動軸を回転自在に枢支する軸受
け具を備えた駆動部とを具備し、上記ローラおよび軸受
け具のいずれか一方に設けられた溝部と、この溝部に周
動自在に嵌め込まれたスライダと、上記ローラおよび軸
受け具のいずれか他方に設けられ上記スライダに係合す
るピンとからなるローラ自転規制機構を具備したことを
特徴とする。
【0017】上記目的を満足するため、さらに他の発明
のヘリカルブレード式圧縮機は、請求項11として、円
筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏心配置されたロー
ラ、このローラの外周面と上記シリンダの内周面間に配
設されたブレード、このブレードと上記シリンダおよび
ローラとの間に形成される複数の圧縮室を備えた圧縮機
構部と、この圧縮機構部を駆動する駆動部とを具備し、
上記ブレードは、少なくとも2種以上の材料で構成さ
れ、対向するシリンダもしくはローラの接触面にはガス
シール性の高い材料が用いられ、螺旋状溝との摺接面に
は耐摩耗性の高い材料が用いられることを特徴とする。
【0018】請求項12として、請求項11記載のヘリ
カルブレード式圧縮機において上記ガスシール性の高い
材料は有機系材料が選択され、上記耐摩耗性の高い材料
は金属系材料が選択されることを特徴とする。
【0019】請求項13として、請求項12記載のヘリ
カルブレード式圧縮機において上記ブレードは、シリン
ダもしくはローラとの接触面を有する断面矩形状の有機
系材料からなるブレード本体と、このブレード本体のシ
リンダ接触面以外の面を覆う断面コ字状の金属系材料か
らなるブレードガイドからなることを特徴とする。
【0020】請求項14として、請求項13記載のヘリ
カルブレード式圧縮機において上記ブレードガイドは、
コ字状底部にスリットが設けられることを特徴とする。
請求項15として、請求項13記載のヘリカルブレード
式圧縮機において上記ブレードガイドは、その表面に耐
摩耗処理が施されることを特徴とする。
【0021】請求項16として、請求項11記載のヘリ
カルブレード式圧縮機において上記シリンダもしくはロ
ーラのブレード本体接触面は、有機系材料のコーティン
グ処理が施されることを特徴とする。
【0022】このような課題を解決する手段を採用する
ことにより、本発明のヘリカルブレード式圧縮機では、
ローラのガス圧縮によって発生する側圧による揺動を防
止し、液圧縮などの条件変化によってもローラにかかる
荷重の中心が2つのクランク部の間にあることを保証す
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態について説明する。図1は、ヘリカルブレー
ド式圧縮機を示す。このヘリカルブレード式圧縮機は、
密閉ケース1内に駆動軸である回転軸2を介して連結さ
れる圧縮機構部3と、この圧縮機構部3を回転軸2を介
して駆動する駆動部である電動機部4が収容されてな
る。
【0024】上記圧縮機構部3は下部側に配置され、電
動機部4は上部側に配置される。上記密閉ケース1の内
底部には潤滑油が集溜される油溜り部5が形成され、上
記圧縮機構部3の一部が潤滑油中に浸漬されている。
【0025】また、密閉ケース1は有底筒状のケース本
体1aと、このケース本体1aの上端開口部を閉塞する
蓋体1bとから構成され、蓋体1bに吐出冷媒管6が接
続され、かつケース本体1aの中間部側には吸込み冷媒
管7が接続される。
【0026】上記吐出冷媒管6から吸込み冷媒管7に亘
って順次、凝縮器Cと、膨張弁Bと、蒸発器Eが冷媒管
Pを介して接続され、これらでたとえば空気調和機の冷
凍サイクルが構成される。
【0027】つぎに、上記圧縮機構部3について詳述す
る。図中8はシリンダであって、このシリンダ8の上端
縁から所定距離だけ離間した位置にフレーム9が取付け
られる。すなわち、フレーム9の内径はシリンダ8外径
よりもわずかに小さくなるよう設計され、軽い圧入状態
でシリンダ8に対してフレーム9が取付けられる。
【0028】また、フレーム9のシリンダ8周部に複数
のガス案内孔9aが開口され、かつこの外径は密閉ケー
ス1の軸方向に沿って折曲される。この折曲部9bは、
密閉ケース1内径に嵌め込まれて、密閉ケース1外面側
からたとえばスポット溶接などの手段で取付け固定され
る。
【0029】上記シリンダ8の上端面と下端面は開口し
ており、上端開口部は主軸受け具10によって閉塞さ
れ、下端開口部は副軸受け具11によって閉塞される。
シリンダ8の外径は電動機部4を構成するロータ40の
外径とほぼ同一であり、しかもシリンダ8の上端面はロ
ータ40の下端面に極く近接した位置に配置される。
【0030】上記主軸受け具10は断面ハット状に形成
され、その鍔部10aがシリンダ8の上端開口部に嵌め
込まれ、たとえばレーザ溶接処理によって互いに取付け
固定される。鍔部10aと一体のボス部10bはシリン
ダ8内部である下方に延出され、その内径で鍔部10a
内径とともに回転軸2を枢支する。
【0031】上記副軸受け具11も断面ハット状に形成
され、その鍔部11aがシリンダ8の下端開口部に嵌め
込まれ、たとえばレーザ溶接処理によって互いに取付け
固定される。鍔部11aと一体のボス部11bはシリン
ダ8内部である上方に延出され、その内径で鍔部10a
内径とともに回転軸2を枢支する。
【0032】この副軸受け具11の鍔部11a下端面は
密閉ケース1底部面の断面形状に沿うよう形成され、こ
の底部面に載るとともに密閉ケース1外面側からたとえ
ばスポット溶接などの手段で取付け固定される。
【0033】主軸受け具10は回転軸2の中途部を回転
自在に枢支し、副軸受け具11は回転軸2の下端部を回
転自在に枢支する。そして、主軸受け具ボス部10b端
面と副軸受け具ボス部11b端面との間の回転軸2周面
には、それぞれのボス部端面に近接した位置に偏心クラ
ンク部12A,12Bが一体に設けられる。
【0034】すなわち、一対の偏心クランク部12A,
12Bは互いに所定間隔を存して回転軸2に一体に設け
られ、かつそれぞれの偏心クランク部12A,12Bは
互いに同一方向で同一距離だけ回転軸2の軸心とは偏心
している。
【0035】これら偏心クランク部12A,12B相互
間の回転軸2周面には、カウンタバランサ13が配設さ
れる。このカウンタバランサ13は回転軸2軸心に対す
る上記偏心クランク部12A,12Bの偏心方向とは対
称の位置に取付けられる。
【0036】上記副軸受け具鍔部11a上にはスラスト
板14が配設され、このスラスト板14上にローラ15
が支持される。このローラ15は上記シリンダ8内に偏
心して配置されている。なお説明すれば、上記ローラ1
4の外周面一部がシリンダ8の内周面一部に軸方向に沿
って転接するよう設計されている。
【0037】ローラ14の軸方向長さはシリンダ8の軸
方向長さよりも短く形成されていて、具体的には主軸受
け具10の鍔部10aとスラスト板14端面間に介在す
る寸法である。
【0038】図3にも示すように、上記副軸受け具ボス
部11b外周面には軸方向に沿って係合部である凹溝1
6が設けられ、これに対するスラスト板14内周面には
係止部である突条17が設けられ、上記凹溝16に係合
している。したがって、凹溝16と突条17との係合か
らスラスト板14の回り止め処理が施されていることに
なる。
【0039】図2に拡大して示すように、副軸受け具ボ
ス部11b外周面で、かつ上記スラスト板14上端面と
は狭小の間隙を存してピン状のストッパ18が設けられ
ていて、スラスト板14の上方向への抜け止めをなす。
【0040】そして、副軸受け具鍔部11a上面とスラ
スト板14との間には付勢部材である板ばね19が介在
されていて、スラスト板14を上記ストッパ18側に押
し上げている。
【0041】したがって、スラスト板14は上記ローラ
15の下端面に弾性的に密接して、ローラ15のスラス
ト受けをなすとともに、後述するようにローラ15内径
のガスがローラ15下端からシリンダ低圧側に逃げない
ようガスシールをなす。
【0042】上記スラスト板14の外周面に沿って凹溝
14aが設けられ、ここにOリング20が嵌め込まれ
る。Oリング20は上記シリンダ8内径に密接するよう
設計されていて、ここでも高圧ガスがシリンダ8低圧側
に逃げないようガスシールをなしている。
【0043】図1および図4に示すように、主軸受け具
10とローラ15上端部との間には、溝部21と、スラ
イダ22およびピン23とから構成されるローラ自転規
制機構24が設けられている。
【0044】すなわち、上記溝部21は、ここではロー
ラ15上端部に径方向に沿って設けられる。上記スライ
ダ22は溝部21に係合する幅寸法を有し、溝部21に
沿って変位自在に嵌め込まれる。スライダ22のほぼ中
央部に挿入用孔22aが設けられ、主軸受け具鍔部10
aに植設された上記ピン23下端部が挿入される。
【0045】このことから、回転軸2の回転にともなう
偏心クランク部12A,12Bの偏心回転によりローラ
15が変位する一方、ピン13とスライダ22はその位
置が固定であるから、スライダ22に対してローラ溝部
21が往復動する。すなわち、ローラ15は自転が規制
されて偏心公転運動をなす。
【0046】なお、図の構成とは逆に、主軸受け具10
側に溝部21を設け、この溝部21に係合するスライダ
22およびピン23をローラ15側に設けても同様の作
用が得られる。
【0047】図1に示すように、上記ローラ15の周面
には、この下端部側から上端部側に亘って、徐々にピッ
チが小となる螺旋状の溝25が設けられる。螺旋状溝2
5には、螺旋状のブレード26が突没自在に嵌め込ま
れ、この外径面がシリンダ8内径面に密接状態となって
いる。
【0048】図5(A)(B)に示すように、上記ブレ
ード26は、少なくとも2種以上の材料で構成される。
すなわち、断面矩形状でありこの外径がシリンダ8に接
するブレード本体26aと、このブレード本体26aの
シリンダ8接触面を残して他の周面を覆い、かつ上記螺
旋状溝25と摺接する断面コ字状のブレードガイド26
bから構成される。
【0049】上記ブレード本体26aはガスシール性の
高い材料が用いられ、上記ブレードガイド26bは耐摩
耗性の高い材料が選択される。たとえば、ブレード本体
26aは有機系材料であり、具体的にはテフロン系樹脂
材が選択され、上記ブレードガイド26bは金属系材料
である。
【0050】ブレード26として、この内径寸法はロー
ラ15直径よりも大に形成され、強制的に直径を縮小し
た状態で螺旋状溝25に嵌め込まれている。その結果、
ブレード26がローラ15ごとシリンダ8内に組み込ま
れた状態で、ブレード26の外周面が常にシリンダ8の
内周面に弾性的に当接するよう膨出変形する。そして、
後述する圧縮運転時にはブレード26は螺旋状溝25を
介して背圧を受け、よりシリンダ8内径への密着力が増
大するようになっている。
【0051】図5(A)のみ示しように、特にブレード
ガイド26bのコ字状底部に相当する面に所定間隔を存
してスリット27が設けられており、したがってブレー
ド26を螺旋状溝25に嵌め込む作業で、ブレード26
を極く容易に螺旋状に形成できる。
【0052】回転軸2の回転にともなってシリンダ8内
周面とローラ15との転接部位はシリンダ8の周方向に
沿って漸次移動するから、ブレード26はこれらの転接
部位が接近するのにともなって螺旋状溝25内に没入
し、転接部と対向した位置でブレード26外周面はロー
ラ15周面と完全に同一面となる。
【0053】転接部位が通過すれば、ここからの距離に
応じてブレード26は螺旋状溝25から突出し、転接部
位とは軸心を介して180度対向する部位でブレード2
6の突出長さが最大になる。このあとは再び転接部位に
接近していくので、上述の作用を繰り返えすこととな
る。
【0054】このように、螺旋状溝25に対してブレー
ド26のブレードガイド26bが直接的に摺接するか
ら、これを耐摩耗性の高い材料から形成したが、さらに
この素材表面を耐摩耗処理、たとえばCrメッキ処理や
窒化処理などを施すことにより、さらに耐摩耗性が向上
する。
【0055】ローラ15とシリンダ8とを径方向に断面
してみると、ローラ15に対してシリンダ8が偏心して
覆い、かつローラ15の周面一部にシリンダ8内周部が
転接状態にあるところから、これらローラ15とシリン
ダ8内周面との間に三日月状の空間部が形成される。
【0056】この空間部を軸方向に沿ってみると、螺旋
状溝25にブレード25が嵌め込まれローラ15周面に
シリンダ8内周部が転接しているので、ローラ15とシ
リンダ8内周面との間はブレード26によって連続した
複数の空間部に仕切られる。これら空間部を圧縮室27
と呼ぶ。上記螺旋状溝25のピッチの設定から、各圧縮
室27の容積は下部側圧縮室27から上部側圧縮室27
に亘って徐々に小となっている。
【0057】図6に示すように、ローラ15外径面に設
けられる螺旋状溝25は、その両端部がローラ15端面
に至らずに、その手前側で加工が終了している。すなわ
ち、螺旋状溝25の両端部はローラ15周面に開放され
ていないから、ここに嵌め込まれる上記ブレード26の
両端部がローラ15周面にはみ出すことがなく、したが
ってはみ出し防止用のストッパが不要である。
【0058】再び図1に示すように、シリンダ8の下端
部周面にガイド管28が接続され、ここに密閉ケース1
を貫通する上記吸込み冷媒管7が接続される。上記ロー
ラ15の下端外径には凹部である導入案内ポート29が
設けられ、上記下部側圧縮室27に連通する。
【0059】また、上記主軸受け具鍔部10aに吐出案
内ポート30が貫通して設けられる。すなわち、上記導
入案内ポート29が吸込み冷媒管7と下端部の圧縮室2
7を連通し、上記吐出案内ポート30は上端部の圧縮室
27と密閉ケース1内とを連通する。
【0060】先に説明したように、密閉ケース1の上端
には吐出冷媒管6が貫通して設けられるところから、こ
の吐出冷媒管6は密閉ケース1内を介して上記吐出案内
ポート30と連通する。このことから、最下部の圧縮室
27が吸込み部Sとなり、最上部の圧縮室27が吐出部
Dとなる。
【0061】図2にも示すように、上記副軸受け具鍔部
11aは密閉ケース1底部面の断面形状に沿うよう形成
されていることは先に説明したとおりだが、ここではシ
リンダ8端縁から突出する外径面から回転軸枢支孔31
に亘って切欠き部32が設けられるとともに、この切欠
き部32と連通し、かつこの上端面に亘って貫通する第
1の油孔33が設けられる。また、上記スラスト板14
には、この上下端面に亘って貫通する第2の油孔34が
設けられている。
【0062】図7に示すように、ローラ15の下端面に
沿って円形状溝35が設けられる。この円形状溝35は
スラスト板14に設けられる第2の油孔34と同一の半
径位置と対応する位置が選択される。
【0063】この円形状溝35の一部に凹部36が設け
られるとともに、この凹部36との対称位置に第3の油
孔37が設けられる。図2にも示すように、第3の油孔
37はローラ15の軸方向に沿って延出され、この上端
部は上記螺旋状溝25に開口している。
【0064】このようにして、油溜り部5に集溜される
潤滑油を切欠き部32を介して第1の油孔33と、第2
の油孔34と、円形状溝35と、第3の油孔37に順次
導き、圧縮機構部3の各摺動部に給油する給油通路Kが
形成される。
【0065】図1には、上記給油通路Kの代替え手段が
示されている。すなわち、後述するように圧縮室27に
おいてガス圧が中間圧力になる部分に給油する通路とし
て、シリンダ8の軸方向ほぼ中間部に小孔からなる給油
孔38を設けるだけであり、簡単な加工ですむ。
【0066】そして、この給油孔38にL字状に形成さ
れるパイロットパイプ39の一端開口部を接続し、他端
開口部を下方に延出することにより、たとえ油溜り部5
の潤滑油液面が極端に低下した場合でも上記給油孔38
から確実に給油される。
【0067】上記電動機部4は、回転軸に嵌着されるロ
ータ40と、このロータ40の周面に狭小の間隙を介し
て対向し、上記密閉ケース1の内周面に嵌着されるステ
ータ41とから構成される。
【0068】先に説明したように、シリンダ8の外径は
ロータ40直径とほぼ等しく形成され、かつシリンダ8
端面はロータ40端面に近接して設けられるところか
ら、シリンダ8上部はステータ41の下端面から突出す
るコイルエンド41a内に挿入される。
【0069】すなわち、シリンダ8上部がステータコイ
ルエンド41a内に挿入する寸法分だけ、密閉ケース1
の全高寸法を低くでき、圧縮機自体の小型化を図れる。
このようにして構成されるヘリカルブレード式圧縮機で
あり、電動機部4に通電してロータ40とともに回転軸
2を回転駆動する。回転軸2の回転力は、一対の偏心ク
ランク部12A,12Bを介してローラ15に伝達され
る。
【0070】ローラ自転規制機構24が作用してローラ
15の自転を規制するので、ローラ15は偏心公転運動
をなす。このローラ15の運動にともなって、ローラ1
5のシリンダ8に対する転接位置がシリンダ8の周方向
に漸次移動し、ブレード26は螺旋状溝25に対して出
入りしながらローラ15の径方向に突没移動する。
【0071】これらの一連の作動により、蒸発器Cから
低圧の冷媒ガスが吸込み冷媒管7と導入案内ポート29
を介して吸込み部Sをなす下部圧縮室27に吸込まれ
る。そして、ローラ15の運動にともなって上部側の圧
縮室27へ順次移送される。
【0072】上記各圧縮室27の容積が下部側から上部
側に亘って順次縮小しているので、冷媒ガスは各圧縮室
27を順次移送される間に圧縮され、最上端の圧縮室2
7において所定圧まで高圧化する。
【0073】この圧縮室27内の高圧ガスは、吐出案内
ポート30を介して密閉ケース1内に吐出される。この
密閉ケース1に充満する高圧ガスは冷媒吐出管6から凝
縮器へ吐出されて、周知の冷凍サイクル作用が行われ
る。
【0074】また、上記回転軸2には一対の偏心クラン
ク部12A,12Bが所定間隔を存して設けられ、ロー
ラ15を偏心運動させる。すなわち、偏心クランク部1
2A,12Bを充分な長さのスパンで2分割したので、
ローラ15のガス圧縮によって発生する側圧による揺動
発生を確実に防止する。
【0075】たとえ液圧縮などの条件変化においても、
ローラ15にかかる荷重の中心が一対の偏心クランク部
12A,12Bの間に存在することが保証される。そし
て、揺動を防止することから、ローラ15内径と偏心ク
ランク部12A,12Bとの間で常に均一な油膜が形成
されることになり、互いの摩耗防止をなす。
【0076】これら偏心クランク部12A,12B相互
間であるローラ15重心付近に、このローラ15の質量
に相当するカウンタバランサ13を配設したことによ
り、1つの軽量バランサですむとともにモーメントが発
生し難く、よって回転軸2における曲げ応力発生が抑制
される。そして、圧縮機自体の振動抑制にバラツキが出
難いなどの利点がある。
【0077】なお、上記カウンタバランサ13は回転軸
2と一体に構成する場合と、別部品として回転軸2に適
宜な取付け具をもって取付ける場合とがある。この別部
品の場合は、比重の比較的重い鋳物などで構成するが、
特に比重が鉄系材料の2倍以上あるヘビーメタルを用い
るとよい。このヘビーメタルは、ここではタングステン
を含むメタルと定義する。
【0078】上記一対の偏心クランク部12A,12B
の直径を、主軸受け具10と副軸受け具11の径よりも
大きく設定することにより、荷重を受けても変形し難い
利点がある。
【0079】圧縮室27で圧縮された高圧ガスが一旦密
閉ケース1内に充満してから吐出冷媒管6に導かれるよ
うになっているため、圧縮運転中は常に密閉ケース1内
が高圧状態になっている。
【0080】このことから、概略、ローラ15断面積と
シリンダ8内径面積の差に高低圧のガス圧力差を乗じた
力で、ローラ15とスラスト板14とが密着する。そし
てこれら密着部は、高圧側であるローラ15内径と低圧
側であるシリンダ8内のガス導入部とのガスシールをな
し、圧縮効率の向上に寄与する。
【0081】また、副軸受け具ボス部11bに凹溝16
を設け、スラスト板14内径に上記凹溝16と係合する
突条17を設けたので、ローラ15が偏心公転運動して
もスラスト板14はその位置が何ら変わらずに確実にロ
ーラ15のスラスト受けをなす。
【0082】上記スラスト板14は、ストッパ18やO
リング20を介してフローティング構造としたので、ロ
ーラ15の傾きに対しても容易に追従し、密着性に何ら
支障がなくガスシールをなす。換言すれば、ガスリーク
を確実に規制して高い圧縮効率を確保する。
【0083】そして、スラスト板14はローラ15とは
別部品としたので、単純な平面板を用いればよく、ガス
シールを支配する面精度を上げ易く、かつ耐摩耗材の選
択幅が増えて信頼性の向上に寄与する。
【0084】また、スラスト板14は板ばね19によっ
て弾性的にローラ15に接触するよう付勢されるので、
スラスト板14はローラ15と一体になって上下に振動
し、よって騒音発生を抑制する。
【0085】上記螺旋状溝25に出入り自在に嵌め込ま
れるブレード26は、シリンダ8に接触するブレード本
体26aがシリンダ8とのシール機能を保持し、このブ
レード本体26aにシリンダ8接触面を残して覆う断面
コ字状のブレードカバー26bが螺旋状溝25内を摺動
する耐摩耗機能を保持する。このようにブレード26は
機能分割したので、圧縮効率の向上と信頼性の確保が可
能である。
【0086】また、偏心クランク部12A,12Bの偏
心量を大きくして排除容積を増加してもブレード26の
信頼性低下にはつながらないので、圧縮機の大容量化に
とって都合がよい。そして、特にブレード本体26aの
素材として耐摩耗性を考慮した高価な樹脂材料を選択す
る必要がなく、トータルで廉価なブレード26を提供で
きる。
【0087】なお、上述したガス圧縮運転にともないロ
ーラ15下端面に設けられた円形状溝35は、シリンダ
8の低圧側もしくは中間圧の圧縮室27に通じる第3の
油孔37により密閉ケース1内圧よりも低い圧力になろ
うとする。
【0088】このため油溜り部5の潤滑油は、給油通路
Kに沿って導かれる。すなわち、潤滑油は副軸受け具1
1の切欠き部32と第1の油孔33を介して副軸受け具
11とスラスト板14との隙間に導入される。そして、
潤滑油はスラスト板14の第2の油孔34を介して上記
円形状溝35に導かれ、ここに設けられる凹部36に一
旦溜まり、かつ円形状溝35を半周して第3の油孔37
に導かれ、ここからシリンダ8内の各摺動部品間に給油
される。
【0089】具体的に、潤滑油は以下のような作用をな
す。すなわち、スラスト板14外径とシリンダ8内径と
の間に設けたガスシール手段であるOリング20のシー
ル性を良好にする。そして、ローラ15下端面とスラス
ト板14との潤滑油膜の形成により摩耗が少なくなりシ
ール効果が向上し、ガス漏れによる損失を防止する。
【0090】第3の油孔37から螺旋状溝25とブレー
ド26との摺接面を介して圧縮室27に導かれた潤滑油
は、シリンダ8内径とローラ15外径とのガスシールを
なす。最終的に潤滑油は主軸受け具10に設けられる吐
出案内ポート30から電動機部4のロータ40下端面に
向かって圧縮ガスとともに吐出される。
【0091】圧縮ガスがロータ40下端面に吐出される
と、このガスに含まれる潤滑油分が分離されて油溜り部
5に戻る。このようにして潤滑油が円滑に循環供給され
るので、信頼性と圧縮性能の向上を得る。
【0092】給油通路Kによる潤滑油の給油量は、各油
孔33,34,37の直径や円形状溝35の断面積の選
定などにより必要に応じて適宜可変調整できる。図8
は、ローラ自転規制機構24の作動原理を示す。
【0093】ピン23によって動きが規制されるスライ
ダ22は、ローラ15の公転運動によってピン23と偏
心クランク部12A,12Bそれぞれの中心を結ぶ線の
わずかな範囲(偏心クランク部偏心量eの2倍)で首振
り運動を行う。一方、ローラ15はスライダ22との係
合部である溝部21がスライダ22に対して往復運動す
る。これによりローラ15の自転が規制され、公転のみ
となる。
【0094】したがって、通常用いられるリング状自転
止め機構(オルダムリング)などと比較して極めて簡便
で、かつスペースを取らずにすみ生産性が高い。しか
も、スライダ22は不釣り合い質量とならない。
【0095】図9に示すように、圧縮機構部3と電動機
部4とを一体に組み立ててなる組み立て体Aを密閉ケー
ス内に取付ける作業について説明する。電動機部4を下
部側とし、圧縮機構部3を上部側に逆転させた状態で、
電動機部4のステータ41を治具50上にセットする。
そのあと、回転軸2を介して圧縮機構部3を連結した状
態のロータ40を上記ステータ41内に挿入する。
【0096】すると、シリンダ8に設けられるフレーム
9が、治具50に一体に設けられるバー50a上端に支
持される。なお、ステータ41外径には複数の図示しな
い凹溝が軸方向に沿って設けられていて、ここに上記バ
ー50aを挿入する。このときフレーム9は若干量だけ
副軸受け具11側にずれるとともに、回転軸2の軸心に
対して直角度が矯正される。
【0097】最後に、適度の温度に加熱された密閉ケー
ス1のケース本体1aを組立て体A上方から挿入する。
上端部に位置する副軸受け具11にその底部が当接する
までケース本体1aを挿入し、ケース本体1aと副軸受
け具11とをレーザ溶接結合する。ついで、密閉ケース
1とフレーム9とをレーザ溶接結合する。
【0098】このような手段による組立て構造であるの
で、密閉ケース1と副軸受け具11との結合は組立て体
Aと密閉ケース1との結合強度を保証し、圧縮機の運転
中における横揺れ防止としてフレーム9との接合が機能
している。すなわち、必ずしもシリンダ8がフレーム9
に強固に固定せずともよい つぎに、予めシリンダ8下部に設けられるガイド管28
に対して上記吸込み冷媒管7を密閉ケース1側面から挿
入する。そして、ガイド管28と吸込み冷媒管管7との
接合をなし、吸込み冷媒管7の密閉ケース1挿通部周面
をシールする。最後に、密閉ケース1を上下逆にしてこ
の上部に蓋体1bを被せ、全周面に亘ってレーザ溶接結
合をなす。
【0099】このようにして、シリンダ8の軸心に対し
てフレーム9の直角度が多少ラフであっても、組立て体
Aを治具50にセットすれば上記直角度が矯正されて、
電動機部4に対する組立て体Aの調芯に都合がよい。
【0100】なお、上記実施の形態においてブレード2
6は断面矩形状のブレード本体26aと、このブレード
本体26aのシリンダ8接触面を除く側面を覆う断面コ
字状のブレードガイド26bとから構成したが、これに
限定されるものではない。
【0101】図10に示すように、断面凸字状に形成さ
れるブレード本体26a1 と、断面コ字状をなすブレー
ドガイド26b1 とから構成して、ブレードガイド26
1をブレード本体26a1 の突部に嵌め込んでなるブ
レード26Aでもよい。
【0102】この場合、ブレード26Aとして、ブレー
ド本体26a1 はシリンダ8摺接面と上下面一部が露出
し、ブレードガイド26b1 は残りの面に露出する。ま
た、ローラ15に設けられる螺旋状溝25は、その両端
部がローラ端面と所定間隔を存した位置までとし、これ
ら両端部がブレード26のストッパをなすようにした
が、これに限定されるものではない。
【0103】図11に示すように、下部側のブレードス
トッパを機能するものとして、ガイド管28に筒状ブレ
ードストッパ26Bを圧入により設けてもよい。この場
合、先に説明した螺旋状溝25を加工するのに、特に下
部側端面はローラ15下端面に開放することとなり、溝
加工がより簡単化する。
【0104】シリンダ8外径にフレーム9を圧入手段を
もって取付けるようにしたが、これに限定されるもので
はなく、図12(A)に示すように、シリンダ8とフレ
ーム9との間に緩衝材55を介在させるようにすれば、
シリンダ8の変形を確実に防止できる。
【0105】あるいは、図12(B)に示すように、シ
リンダ8とフレーム9との結合部を隙間バメとして、フ
レーム9の内径寄りでフレーム9の肉が薄くなるように
プレスで押して凹部56を形成し、フレーム9の内径が
小さくなる方向にわずかに変形させる手段を採用しても
よい。この場合、シリンダ98とフレーム9内径の隙間
がなくなり、軽い結合が可能となる。勿論、上記緩衝材
は省略できる。
【0106】フレーム9の内径を小さくする他の手段と
して、たとえば予め切起しを設けておき、これを内径側
に倒して結合してもよく、フレーム9はシリンダ8とル
ーズコンタクトの状態にあって所定の位置よりもわずか
に電動機部4側にセットされるている。
【0107】以上述べたシリンダ8に対するフレーム9
の軽結合手段によれば、溶接などの加熱手段を用いるこ
とと比較して、シリンダ8の変形を極力防止できる。ま
た上記実施の形態では、副軸受け具鍔部11a上にスラ
スト板14を配置してロータ15の下端面を支持するよ
うにしたが、これに限定されるものではなく、図13に
示すような構成であってもよい。
【0108】すなわち、ロータ15下端面を副軸受け具
11Aの鍔部11a上面で直接支持する。このローラ1
5は副軸受け具鍔部11a上面をガス圧力を受けること
なく摺動する。
【0109】そして、ブレード26の下端1巻分にシー
ルリング用溝60が設けられて、シリンダ8内径に摺接
するシールリング61が嵌め込まれる。したがって、シ
ールリング61はシリンダ8内径からのガス漏れに対し
て確実にシールをなす。この場合、シールリング61も
リジットに固定されていないから、フローティングシー
ル機構と言える。
【0110】なお、上記実施の形態では、スラスト板1
4外径のシールをなすためにOリング20を備えたが、
これに限定されるものではなく、スラスト板14外径と
シリンダ8内径とのクリアランスを小さくすることによ
りシール部材であるOリング20が不要になる。そして
同様構成を採用することにより、図13に示すシールリ
ング61も不要になる。
【0111】なお、上記実施の形態では、給油通路Kと
して第1ないし第3の油孔32,34,37や円形状溝
35をもって構成したが、これに限定されるものではな
く、図13に示すように、偏心クランク部12Bに横孔
65と円周溝66を設けて回転軸2の軸心に沿って設け
られる主油孔67と連通させ、かつロータ15の上記円
周溝66と同一高さ部位に第4の油孔67を設けてもよ
い。
【0112】上記第4の油孔67は、ロータ15の内径
から外径に貫通するよう設けることにより、この油孔6
7はローラ15内径から中間圧室の上記圧縮室27に通
じることになる。
【0113】したがって、回転軸2の回転にともなって
油溜り部5の潤滑油が回転軸主油孔67から吸上げら
れ、上記偏心クランク部12Bの横孔65から円周溝6
6を介して第4の油孔67に導かれ、ここからシリンダ
8内径に給油される給油通路Kaが形成されることにな
る。
【0114】このように偏心クランク部12Bを用いた
給油通路Kaを構成することにより、横孔65を備えた
円周溝66と第4の油孔67が一致するタイミングが偏
心クランク部12Bの1回転あたり1回となり、潤滑油
の供給量が多過ぎることがなく、円周溝66の長さを適
宜設定することにより給油量を調整できる。
【0115】なお、上記実施の形態ではシリンダ8内径
に直接ブレード26が摺接するようにしたが、これに限
定されるものではなく、図14に示すように、シリンダ
8内径に若干の弾力性を有し、かつガスシール性の高い
材料、たとえば樹脂材料被膜70をコーテングしてもよ
い。
【0116】この場合、ブレード26Bは先に説明した
有機系材料は不要とし金属系材料の単体物としても、シ
リンダ8内径を樹脂材料被膜70で覆ったので、ブレー
ド26B外径とシリンダ8内径との摺接部分のガスシー
ル性を確保する。
【0117】図15は、シリンダ8A内径に螺旋状溝2
5が設けられ、金属系材料の単体物であるブレード26
Bが出入り自在に嵌め込まれて、薄肉状のローラ15外
径に摺接するタイプであることを前提とし、先に説明し
たものと同様の効果を得ることを目的として、ローラ1
5の外径に若干の弾力性を持ちガスシール性の高い材
料、たとえば樹脂材料被膜71をコーテングした例であ
る。
【0118】なお、上記実施の形態ではブレード26が
嵌め込まれる螺旋状溝25をローラ15に設けて、ブレ
ード26をシリンダ8に摺接させたが、これに限定され
るものではなく、螺旋状溝25をシリンダ8側に設けて
ブレード26をローラ15に摺接させても同様の作用効
果が得られる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヘリカル
ブレード式圧縮機によれば、ローラのガス圧縮によって
発生する側圧による揺動を防止し、液圧縮などの条件変
化によってもローラにかかる荷重の中心が2つのクラン
ク部の間にあることを保証して、圧縮性能の向上を得ら
れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる、ヘリカルブレ
ード式圧縮機の断面図。
【図2】同実施の形態に係わる、圧縮機構部一部の拡大
図。
【図3】同実施の形態に係わる、圧縮機構部の横断面
図。
【図4】同実施の形態に係わる、圧縮機構部一部の分解
図。
【図5】同実施の形態に係わる、ブレードの構成を説明
する図。
【図6】同実施の形態に係わる、ローラの斜視図。
【図7】同実施の形態に係わる、ローラ下端面の図。
【図8】同実施の形態に係わる、ローラ自転規制機構の
作用説明図。
【図9】同実施の形態に係わる、圧縮機の組み立て作業
を説明する図。
【図10】他の実施の形態に係わる、ブレードの断面
図。
【図11】さらに他の実施の形態に係わる、ブレードス
トッパの断面図。
【図12】さらに他の実施の形態に係わる、互いに異な
るフレームのシリンダに対する取付け作業を説明する
図。
【図13】さらに他の実施の形態に係わる、圧縮機構部
の断面図。
【図14】さらに他の実施の形態に係わる、圧縮機構部
の一部断面図。
【図15】さらに他の実施の形態に係わる、圧縮機構部
の一部断面図。
【符号の説明】
8…シリンダ、 15…ローラ、 26…ブレード、 27…圧縮室、 3…圧縮機構部、 4…駆動部(電動機部)、 2…駆動軸(回転軸)、 12A,12B…クランク部、 10…主軸受け具、 11…副軸受け具、 13…カウンタバランサ、 14…シール部材(スラスト板)、 19…付勢部材(板ばね) K…給油通路、 11b…副軸受け具ボス部、 16…係合部(凹溝)、 17…係止部(突条)、 21…溝部、 22…スライダ、 23…ピン、 24…ローラ自転規制機構、 26a…ブレード本体、 26b…ブレードガイド、 27…スリット。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏心
    配置されたローラ、このローラの外周面と上記シリンダ
    の内周面間に配設されたブレード、このブレードと上記
    シリンダおよびローラとの間に形成される複数の圧縮室
    を備えた圧縮機構部と、 この圧縮機構部を駆動する駆動部とを具備し、 上記ローラは、その内部に上記駆動部から延出する駆動
    軸が挿通されるとともに、この駆動軸に所定間隔を存し
    て一体的に設けられる一対の偏心クランク部によって偏
    心駆動されることを特徴とするヘリカルブレード式圧縮
    機。
  2. 【請求項2】上記駆動軸は、上記偏心クランク部のそれ
    ぞれ外側部位において軸受け具に枢支され、かつ偏心ク
    ランク部の内側部位における駆動軸軸径は、上記軸受け
    具枢支部の軸径よりも大に形成されることを特徴とする
    請求項1記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  3. 【請求項3】上記駆動軸の偏心クランク部相互間には、
    カウンタバランサが配設されることを特徴とする請求項
    1記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  4. 【請求項4】上記カウンタバランサは、上記駆動軸を構
    成する素材よりも比重の高い素材からなることを特徴と
    する請求項3記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  5. 【請求項5】上記カウンタバランサは、その素材がタン
    グステン材を含むヘビーメタル材を用いたことを特徴と
    する請求項4記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  6. 【請求項6】円筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏心
    配置されたローラ、このローラの外周面と上記シリンダ
    の内周面間に配設されたブレード、このブレードと上記
    シリンダおよびローラとの間に形成される複数の圧縮室
    を備えた圧縮機構部と、 一端部に駆動源が設けられ他端部が圧縮機構部の上記ロ
    ーラ内に挿通される駆動軸、この駆動軸に一体的に設け
    られローラの内径に摺接してローラを偏心駆動するクラ
    ンク部および上記駆動軸を回転自在に枢支する軸受け具
    を備えた駆動部とを具備し、 上記ローラ端部と上記軸受け具との間に、ローラ端面に
    密接してガスシールをなすシール部材が介在されること
    を特徴とするヘリカルブレード式圧縮機。
  7. 【請求項7】上記軸受け具とシール部材との間に、シー
    ル部材をローラ端面に押圧付勢する付勢部材が介在され
    ることを特徴とする請求項6記載のヘリカルブレード式
    圧縮機。
  8. 【請求項8】上記ローラ端面もしくは上記シール部材
    に、上記軸受け具とシール部材との間の空間に貯溜する
    潤滑油を上記圧縮室に導く給油通路を設けたことを特徴
    とする請求項7記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  9. 【請求項9】上記軸受け具は、その周部に沿ってボス部
    を備え、この軸受け具ボス部に係合部が設けられ、上記
    スラスト板に上記係合部に係合する係止部が設けられる
    ことを特徴とする請求項6記載のヘリカルブレード式圧
    縮機。
  10. 【請求項10】円筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏
    心配置されたローラ、このローラの外周面と上記シリン
    ダの内周面間に配設されたブレード、このブレードと上
    記シリンダおよびローラとの間に形成される複数の圧縮
    室を備えた圧縮機構部と、 一端部に駆動源が設けられ他端部が圧縮機構部の上記ロ
    ーラ内に挿通される駆動軸、この駆動軸に一体的に設け
    られローラの内径に摺接してローラを偏心駆動するクラ
    ンク部および上記駆動軸を回転自在に枢支する軸受け具
    を備えた駆動部とを具備し、 上記ローラおよび軸受け具のいずれか一方に設けられた
    溝部と、この溝部に周動自在に嵌め込まれたスライダ
    と、上記ローラおよび軸受け具のいずれか他方に設けら
    れ上記スライダに係合するピンとからなるローラ自転規
    制機構を具備したことを特徴とするヘリカルブレード式
    圧縮機。
  11. 【請求項11】円筒状のシリンダ、このシリンダ内に偏
    心配置されたローラ、このローラの外周面と上記シリン
    ダの内周面間に配設されたブレード、このブレードと上
    記シリンダおよびローラとの間に形成される複数の圧縮
    室を備えた圧縮機構部と、 この圧縮機構部を駆動する駆動部とを具備し、 上記ブレードは、少なくとも2種以上の材料で構成さ
    れ、対向するシリンダもしくはローラの接触面にはガス
    シール性の高い材料が用いられ、螺旋状溝との摺接面に
    は耐摩耗性の高い材料が用いられることを特徴とするヘ
    リカルブレード式圧縮機。
  12. 【請求項12】上記ガスシール性の高い材料は有機系材
    料が選択され、上記耐摩耗性の高い材料は金属系材料が
    選択されることを特徴とする請求項11記載のヘリカル
    ブレード式圧縮機。
  13. 【請求項13】上記ブレードは、上記シリンダもしくは
    ローラとの接触面を有する断面矩形状の有機系材料から
    なるブレード本体と、このブレード本体のシリンダ接触
    面以外の面を覆う断面コ字状の金属系材料からなるブレ
    ードガイドからなることを特徴とする請求項12記載の
    ヘリカルブレード式圧縮機。
  14. 【請求項14】上記ブレードガイドは、そのコ字状底部
    にスリットが設けられることを特徴とする請求項13記
    載のヘリカルブレード式圧縮機。
  15. 【請求項15】上記ブレードガイドは、その表面に耐摩
    耗処理が施されることを特徴とする請求項13記載のヘ
    リカルブレード式圧縮機。
  16. 【請求項16】上記シリンダもしくはローラのブレード
    本体接触面は、有機系材料のコーティング処理が施され
    ることを特徴とする請求項11記載のヘリカルブレード
    式圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316784A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Lg Electronics Inc リニア圧縮機

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JP2006316784A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Lg Electronics Inc リニア圧縮機

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