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JPH11335491A - クロロプレンラテックス、その製造方法およびそれを用いた接着剤組成物 - Google Patents

クロロプレンラテックス、その製造方法およびそれを用いた接着剤組成物

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Publication number
JPH11335491A
JPH11335491A JP16283398A JP16283398A JPH11335491A JP H11335491 A JPH11335491 A JP H11335491A JP 16283398 A JP16283398 A JP 16283398A JP 16283398 A JP16283398 A JP 16283398A JP H11335491 A JPH11335491 A JP H11335491A
Authority
JP
Japan
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chloroprene
weight
parts
latex
polymerization
Prior art date
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Granted
Application number
JP16283398A
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English (en)
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JP4730983B2 (ja
Inventor
Shigeru Nagasawa
滋 永澤
Kunihiko Asano
邦彦 浅野
Kunihiro Onishi
邦弘 大西
Hiroaki Oba
宏昭 大場
Mikio Yamaguchi
幹夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Denka Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd, Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Konishi Co Ltd
Priority to JP16283398A priority Critical patent/JP4730983B2/ja
Publication of JPH11335491A publication Critical patent/JPH11335491A/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を含まない水系接着剤に用いられ
る、接着性能のバランスの優れ、耐候変色性に優れたク
ロロプレンラテックスを提供する。 【解決手段】 クロロプレンまたはクロロプレン及びク
ロロプレンと共重合可能な単量体100重量部と、エチ
レン性不飽和カルボン酸0.5〜10重量部を、グリコ
ールエーテル類0〜10重量部と、けん化度60〜85
モル%のポリビニルアルコール0.5〜10重量部の存
在下に重合して得られるクロロプレンラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤として有効
なクロロプレンラテックス、その製造方法およびそれを
用いた接着剤組成物に関する。さらに詳しくは接着性能
のバランス、耐候変色性に優れ、水系コンタクト型接着
剤として好適なクロロプレンラテックス、およびその製
造方法、それを用いた接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリクロロプレンをベースとした
接着剤は溶剤型が主流であった。しかし、近年溶剤型接
着剤は製造や使用の際の有機溶剤による毒性、火気危険
性、環境汚染などの問題から、脱溶剤化の要求が高まっ
ている。
【0003】脱溶剤化の手法としては、溶剤型接着剤を
ラテックス接着剤に代替する方法が有効と考えられ、各
種ポリマーを使用したラテックス接着剤の検討が盛んに
行われている。
【0004】なかでもクロロプレンラテックス接着剤
は、接合する被着体の双方に塗布し、これらの接着剤層
を乾燥した後に貼り合わせることにより、貼り合わせ直
後から高い接着力を発現する。こうした特徴から、水系
コンタクト型接着性としての利用を期待されている反
面、コンタクト性、耐熱性、耐水性等の接着性能のバラ
ンスが必ずしも満足できるものではない他、耐候変色性
を問題視される場合があり、この改良が課題とされてき
た。
【0005】例えば、特公昭52−13983号公報に
は、クロロプレンを、α,β不飽和カルボン酸、ポリビ
ニルアルコール、連鎖移動剤の存在下で重合するクロロ
プレンラテックス接着剤の製造方法が開示されている。
しかし、これらの公報の実施例に使用されているポリビ
ニルアルコールは、けん化度87〜89モル%、重合度
500〜600であり、これにより製造されたラテック
スは、接着性能のバランスや耐候変色性が必ずしも満足
されるものではなかった。
【0006】また、特開平6−287360号公報、特
開平6−336579号公報、特開平7−165804
号公報にも同様の製造方法が開示されているが、ここで
使用されているポリビニルアルコールはいずれもけん化
度88モル%のものであり、接着性能のバランスや耐候
変色性に係る課題を解決できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決し、接着物性のバランスに優
れ、更に耐候変色性に優れたクロロプレンラテックスと
その製造方法、それを用いた有機溶剤を含まない水系の
接着剤組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のけん化度
を有するポリビニルアルコールを使用することにより、
初期接着性、耐熱性、耐水性などの接着物性のバランス
に優れ、更に耐候変色性に優れたクロロプレンラテック
ス、及びそれを用いた接着剤組成物が得られることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、クロロプレンまたはクロ
ロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体100
重量部と、エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜10重
量部を、グリコールエーテル類0〜10重量部と、けん
化度60〜85モル%のポリビニルアルコール0.5〜
10重量部の存在下に重合して得られるクロロプレンラ
テックスである。
【0010】さらに、本発明は、上記の重合して得られ
たクロロプレンラテックスに、グリコールエーテル類0
〜10重量部を添加してなるクロロプレンラテックスが
挙げられる。前記クロロプレンラテックスのゲル含有率
が10〜70重量%であるのが好ましい。前記クロロプ
レンラテックスの乾燥皮膜を、キセノンウェザーメータ
ーで10時間の照射試験を行った後のイエローインデッ
クスが50未満であるのが好ましい。
【0011】また、本発明は、クロロプレンまたはクロ
ロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体100
重量部と、エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜10重
量部を、グリコールエーテル類0〜10重量部と、けん
化度60〜85モル%のポリビニルアルコール0.5〜
10重量部の存在下で重合することを特徴とするクロロ
プレンラテックスの製造方法である。また、本発明は、
上記のクロロプレンラテックスと、粘着付与樹脂を含有
することを特徴とする接着剤組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、クロロプレンまたはクロロプレン及びクロロ
プレンと共重合可能な単量体100重量部と、エチレン
性不飽和カルボン酸0.5〜10重量部を、グリコール
エーテル類0〜10重量部と、けん化度60〜85モル
%のポリビニルアルコール0.5〜10重量部の存在下
に重合して得られるクロロプレンラテックス、その製造
方法、及びそれを用いた接着剤組成物に関する。
【0013】更に、本発明は、クロロプレンまたはクロ
ロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体100
重量部と、エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜10重
量部を、グリコールエーテル類0〜10重量部と、けん
化度60〜85モル%のポリビニルアルコール0.5〜
10重量部の存在下に重合して得られたクロロプレンラ
テックスに、更にグリコールエーテル類0〜10重量部
を添加してなるクロロプレンラテックス、その製造方
法、及びそれを用いた接着剤組成物に関する。
【0014】本発明におけるクロロプレンラテックス
は、代表的には、クロロプレン(2−クロロ−1,3−
ブタジエンを示す)とエチレン性不飽和カルボン酸単独
重合体との共重合体であり、またはクロロプレンと共重
合可能な単量体の1種以上とを更に共重合して得られる
共重合体も含まれる。
【0015】本発明におけるクロロプレンと共重合可能
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸のエステル類、メタアクリル酸のエステル類等が
挙げられ、必要に応じて2種以上用いてもかまわない。
これらの単量体は、クロロプレンに対して0〜50重量
%の範囲で用いられる。
【0016】本発明におけるエチレン性不飽和カルボン
酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタ
コン酸などを挙げることが出来、これらを単独もしくは
2種類以上併用して使用することもできる。
【0017】エチレン性不飽和カルボン酸の添加量とし
ては、不飽和カルボン酸の種類、分子量によっても異な
るが、本発明は、クロロプレンまたはクロロプレン及び
クロロプレンと共重合可能な単量体100重量部あたり
0.5〜10重量部の添加が好ましく、より好ましくは
1〜5重量部である。エチレン性不飽和カルボン酸の添
加量が0.5重量部未満の場合には、接着強度、耐熱性
が低下する他、ラテックスの安定性も低下する。また1
0重量部を越える場合には、ラテックスの貯蔵安定性が
劣る。
【0018】本発明におけるポリビニルアルコールは、
けん化度60〜85モル%であることが必須である。ポ
リビニルアルコールのけん化度が85モル%を越えると
耐水性が低下する他、耐候変色性に劣る。また60モル
%未満の場合にはクロロプレンの重合制御面で問題を生
じ、安定なラテックスを得ることが出来ない。より好ま
しくはポリビニルアルコールのけん化度は70〜82モ
ル%であり、このものを使用することにより、より安定
に重合操作を行うことが可能となる。
【0019】本発明におけるポリビニルアルコールとし
ては、けん化度60〜85モル%であるほか、重合度は
200〜3000のものが好ましく、より好ましくは重
合度200〜700である。
【0020】本発明におけるポリビニルアルコールの添
加量としては、クロロプレンまたはクロロプレン及びク
ロロプレンと共重合可能な単量体100重量部あたり
0.5〜10重量部の添加が好ましい。より好ましくは
2〜5重量部であり、更に好ましくは2.5〜4.5重
量部である。ポリビニルアルコールの添加量が0.5重
量部未満の場合には、乳化力が充分でなく、重合反応中
に凝集物の発生が頻発する。また10重量部を越えると
重合反応中に増粘が起こり、撹伴を阻害し、異常発熱す
るなど安定重合が困難となるうえ、耐水性が低下する。
【0021】また本発明におけるクロロプレンラテック
スは、トルエン不溶のゲル分含有率が10〜70重量%
の範囲にあることが好ましく、より好ましくは20〜6
0重量%、更に好ましくは30〜50重量%の範囲であ
る。ゲル分含有率が10重量%未満の場合には、接着強
度、特に耐熱性が低下する傾向がある。またゲル分含有
率が70重量%を越えると、コンタクト性、初期接着性
が低下するほか、耐水性が低下する傾向がある。
【0022】クロロプレンラテックスのゲル分含有率を
制御するには、連鎖移動剤の使用とその使用量、重
合温度とさらに重合率の制御によって可能となる。
【0023】まず連鎖移動剤としては、クロロプレンラ
テックスの製造に一般的に用いられるものであれば特に
制限はなく、例えば、n−ドデシルメルカプタンやte
rt−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプ
タン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジ
エチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサン
トゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移
動剤を使用することができる。
【0024】本発明におけるグリコールエーテル類とし
ては、グリコールモノエーテル、グリコールジエーテル
などが挙げられる。
【0025】本発明におけるグリコールモノエーテルの
例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−
1−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブ
タノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール
等が挙げられる。これらの中で特に、3−メチル−3−
メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが好まし
い。
【0026】本発明におけるグリコールジエーテルの例
としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエ
チレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコ
ールジメチルエーテル、プロピレングリコールジブチル
エーテル等が挙げられる。これらの中で特に、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブ
チルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテ
ルが好ましい。これらのグリコールエーテル類は、単独
または2種類以上を併用することが出来る。
【0027】グリコールエーテル類の添加量は、クロロ
プレンまたはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可
能な単量体100重量部に対して0〜10重量部、好ま
しくは0.5〜5重量部、更に好ましくは2.0〜5重
量部が望ましい。
【0028】グリコールエーテル類は重合反応前および
反応後のいずれかに添加してもよく、あるいは重合反応
前および反応後の両方に添加してもよい。グリコールエ
ーテル類を添加することにより、コンタクト性を改良
し、接着性能のバランスがより向上する。またグリコー
ルエーテル類の添加方法も特に限定されるものではな
く、重合時および重合後のいずれの時期に添加すること
もできる。
【0029】本発明のクロロプレンラテックスの製造方
法は、上述のクロロプレンまたはクロロプレン及びクロ
ロプレンと共重合可能な単量体100重量部と、エチレ
ン性不飽和カルボン酸0.5〜10重量部を、グリコー
ルエーテル類0〜10重量部と、けん化度60〜85モ
ル%のポリビニルアルコール0.5〜10重量部の存在
下で重合することにより行なう。
【0030】重合温度については、0〜55℃の範囲で
あることが重合制御上好ましい。なお重合反応をより円
滑にかつ安全に行うには、重合温度を30〜50℃とす
ることが好ましい。
【0031】また最終重合率については、80重量%以
上とすることが好ましく、90重量%以上とすることが
より好ましい。最終重合率が80重量%未満では、ゲル
含有率が目的のレベルまで上がらない場合が多く好まし
くない。
【0032】本発明において、クロロプレンラテックス
の固形分濃度は40〜65重量%の範囲にあることが好
ましく、より好ましくは50〜60重量%の範囲であ
る。より高い固形分濃度とすることにより、乾燥速度が
速く、初期接着性により優れたラテックスとなる。なお
固形分濃度については、重合時のモノマーと水の比率に
よっても調整できるが、重合後に濃縮を行い調整するこ
とが出来る。
【0033】本発明で得られたクロロプレンラテックス
には、添加剤として粘着付与樹脂やその他の成分を添加
して接着剤組成物とし、接着剤として用いることができ
る。添加剤としては、ジエタノールアミンなどの塩基性
物質をpH調整剤として添加できるほか、脂肪族アルカ
ノールアミド等の界面活性剤やロジン酸エステル樹脂、
テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、脂
肪族炭化水素樹脂、芳香族樹脂等の粘着付与樹脂、酸化
亜鉛など金属酸化物、炭酸カルシウムやシリカなどの無
機充填剤、ジブチルフタレートやプロセスオイルなどの
可塑剤・軟化剤、更に各種老化防止剤などを任意に配合
することができる。特に接着性能を制御する目的で粘着
付与樹脂を使用することが好ましく、特にエマルジョン
化した樹脂を添加することが簡便である。
【0034】本発明の接着剤組成物に含有される添加剤
の量は、クロロプレンラテックス100重量部に対し
て、粘着付与樹脂は5〜100重量部、その他の成分は
0〜50重量部が好ましい。また、接着剤組成物中の固
形分濃度は40〜70重量%の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは50〜70重量%の範囲である。
【0035】本発明により得られたクロロプレンラテッ
クス接着剤組成物は、紙、木材、布、皮革、レザー、ゴ
ム、プラスチック、フォーム、陶器、ガラス、セラミッ
ク、金属などの同種、あるいは異種の接合接着用として
好適である。また、接着時の施工方法に関しても、刷毛
塗り、コテ塗り、スプレー塗布、ロールコーター塗布な
どが可能である。
【0036】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものでない。な
お、以下の説明における部および%は重量基準によって
示す。
【0037】実施例1 内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水9
4部およびポリビニルアルコール(ユニチカ・UMR−
20H けん化度79モル%、重合度380)3.5部
を入れ加温(60℃)溶解した。この水溶液を室温近く
まで冷却した後、この中にクロロプレン単量体97部、
メタクリル酸3部、及びオクチルメルカプタン0.3部
を加えた。これを40℃に保持しながら亜硫酸ナトリウ
ムと過硫酸カリウムを開始剤として用い重合しラテック
スを得た。最終重合率は98%であった。
【0038】次に、このクロロプレンラテックスに、2
0%ジエタノールアミン水溶液を添加してpHを7に調
整した後、1:2モル型脂肪酸アルカノールアミド(ダ
イヤモンドシムヤロックケミカル社製)の20%水溶液
を3部添加した。更に減圧下で水分を蒸発させ濃縮を行
い、固形分濃度が55%となるように調整した。
【0039】次に、このクロロプレンラテックスについ
て、以下の測定を行った。 〔ゲル分測定〕ラテックス試料を凍結乾燥し精秤してA
とした。乾燥後の試料をトルエンで溶解(0.6%に調
製)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金
網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾後110℃雰
囲気下で、1時間乾燥し、精秤してBとした。ゲル分は
下式に従がって算出した。
【0040】
【数1】ゲル分=(B/A)×100(%) 結果を表1に示した。
【0041】〔常態剥離強度〕表1に示した処方で、ラ
テックス、粘着付与樹脂、亜鉛華の順に添加混合し、接
着剤組成物を調製した。次に、帆布(25×150m
m)2枚各々に、200g(固形分)/m2 の接着剤組
成物を刷毛で塗布し、100℃の雰囲気下3分間乾燥
し、室温で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドロー
ラーで圧締した。圧締5日後、引張り試験機で、引張り
速度50mm/minで、l80°剥離強度を測定し
た。
【0042】〔高温剥離強度〕表1に示した処方で、ラ
テックス、粘着付与樹脂、亜鉛華の順に添加混合し、接
着剤組成物を調製した。次に、帆布(25×150m
m)2枚各々に、200g(固形分)/m2 の接着剤組
成物を刷毛で塗布し、100℃の雰囲気下3分間乾燥
し、室温で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドロー
ラーで圧締した。圧締5日後、80℃雰囲気下で20分
状態調整し、80℃雰囲気下で引張り試験機で、引張り
速度50mm/minで、l80°剥離強度を測定し
た。
【0043】〔耐水強度〕表1に示した処方で、ラテッ
クス、粘着付与樹脂、亜鉛華の順に添加混合し、接着剤
組成物を調製した。次に、帆布(25×150mm)2
枚各々に、200g(固形分)/m2 の接着剤組成物を
刷毛で塗布し、100℃の雰囲気下3分間乾燥し、室温
で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドローラーで圧
締した。圧締5日後、水中に2日間浸漬し、引張り試験
機で、引張り速度50mm/minで、180°剥離強
度を測定した。
【0044】〔耐候変色性〕生ラテックスを白色EVA
フォーム上に、200g(固形分)/m2 に刷毛で塗布
し、室温下24時間乾燥した。これをキセノンウェザー
メーター(スガ試験機社製)を用い、放射照度390W
/m2 、波長範囲300〜700nm、ブラックパネル
温度63℃、相対湿度50±5(%/RH)、水噴霧な
しの条件で時間毎の色調変化を調べた。また色調は、Σ
80カラーメジャーリングシステム(日本電色工業社
製)でイエローインデックスを測定した。
【0045】実施例2 実施例1において、ポリビニルアルコールの種類をUM
R−30H(けん化度79モル%、重合度540)と
し、実施例1と同様に重合を行った。ゲル分、接着物性
および耐候変色性を実施例1と同様に測定し、結果を表
1に示した。
【0046】実施例3 実施例1において、ポリビニルアルコールの種類をUM
R−20M(けん化度65モル%、重合度380)と
し、実施例1と同様に重合を行った。なお実施例1と比
較し重合中の反応制御が困難であった。ゲル分、接着物
性および耐候変色性を実施例1と同様に測定し、結果を
表1に示した。
【0047】実施例4 実施例1において、オクチルメルカプタンの添加量を
0.25部として、実施例1と同様に重合を行った。ゲ
ル分、接着物性および耐候変色性を実施例1と同様に測
定し、結果を表2に示した。
【0048】実施例5 実施例1において、オクチルメルカプタンの添加量を
0.35部として、実施例1と同様に重合を行った。ゲ
ル分、接着物性および耐候変色性を実施例1と同様に測
定し、結果を表2に示した。
【0049】実施例6 実施例1において、3−メチル−3−メトキシ−1−ブ
タノールを2.5部添加し、実施例1と同様に重合を行
った。ゲル分、接着物性および耐候変色性を実施例1と
同様に測定し、結果を表2に示した。
【0050】実施例7 実施例1で得られたクロロプレンラテックスに、3−メ
チル−3−メトキシ−1−ブタノールを2.5部添加混
合して得られたラテックスを用い、接着物性および耐候
変色性を実施例1と同様に測定し、結果を表2に示し
た。
【0051】比較例1 実施例1において、ポリビニルアルコールの種類をデン
カポバール・B−05(けん化度88モル%、重合度5
50)を使用し、実施例1と同様に重合を行った。ゲル
分、接着物性および耐候変色性を実施例1と同様に測定
し、結果を表3に示した。
【0052】比較例2 比較例1において、オクチルメルカプタンの添加量を
0.25部として、実施例1と同様に重合を行った。ゲ
ル分、接着物性および耐候変色性を実施例1と同様に測
定し、結果を表3に示した。
【0053】比較例3 比較例1において、オクチルメルカプタンの添加量を
0.35部として、実施例1と同様に重合を行った。ゲ
ル分、接着物性および耐候変色性を実施例1と同様に測
定し、結果を表3に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】(注1)PVA;UMR−20H けん化
度79モル% 重合度380(ユニチカ社製) (注2)PVA;UMR−30H けん化度79モル%
重合度540(ユニチカ社製) (注3)PVA;UMR−20M けん化度65モル%
重合度380(ユニチカ社製) (注4)PVA;B−05 けん化度88モル% 重合
度550(電気化学工業社製) (注5)3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:
ソルフィット(クラレ社製) (注6)テルペン変性フェノール樹脂エマルジョン;タ
マノールE−100(荒川化学工業社製) (注7)亜鉛華;AZ−SW(大崎工業社製)
【0058】以上の実施例と比較例の比較より、本発明
のクロロプレンラテックスは接着強性能、特に耐熱性と
耐水性のバランスにすぐれ、更に耐候変色性にも優れて
いることが明かであり、布、合板など木材接着、紙材、
合成樹脂、鋼板などの接着に特に好適なクロロプレンラ
テックス接着剤組成物と、その製造方法を提供すること
が出来る。
【0059】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、耐
熱性と耐水性等の接着物性のバランスに優れ、更に耐候
変色性に優れたクロロプレンラテックスとその製造方
法、それを用いた有機溶剤を含まない水系の接着剤組成
物を提供することが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 大場 宏昭 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内 (72)発明者 山口 幹夫 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロプレンまたはクロロプレン及びク
    ロロプレンと共重合可能な単量体100重量部と、エチ
    レン性不飽和カルボン酸0.5〜10重量部を、グリコ
    ールエーテル類0〜10重量部と、けん化度60〜85
    モル%のポリビニルアルコール0.5〜10重量部の存
    在下に重合して得られるクロロプレンラテックス。
  2. 【請求項2】 重合した後にグリコールエーテル類0〜
    10重量部を添加してなる請求項1記載のクロロプレン
    ラテックス。
  3. 【請求項3】 クロロプレンラテックスのゲル含有率が
    10〜70重量%である請求項1または2記載のクロロ
    プレンラテックス。
  4. 【請求項4】 クロロプレンラテックスの乾燥皮膜を、
    キセノンウェザーメーターで10時間の照射試験を行っ
    た後のイエローインデックスが50未満である請求項1
    乃至3のいずれかの項に記載のクロロプレンラテック
    ス。
  5. 【請求項5】 クロロプレンまたはクロロプレン及びク
    ロロプレンと共重合可能な単量体100重量部と、エチ
    レン性不飽和カルボン酸0.5〜10重量部を、グリコ
    ールエーテル類0〜10重量部と、けん化度60〜85
    モル%のポリビニルアルコール0.5〜10重量部の存
    在下で重合することを特徴とするクロロプレンラテック
    スの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載のクロ
    ロプレンラテックスと、粘着付与樹脂を含有することを
    特徴とする接着剤組成物。
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